JP3761310B2 - スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法及び発泡体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は断熱性スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法、及び製造された発砲体に関する。さらに詳しくは、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して60重量%を超える炭素数3〜5の飽和炭化水素から選ばれた1種または2種以上の炭化水素と、発泡剤全量に対して40重量%未満のジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルとを含むことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法及び製造された発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系樹脂の発泡体を得る方法として、スチレン系樹脂を押出機等にて可塑化し、これに揮発性有機発泡剤を注入混合し、更にこの混合物を良好な発泡体を得るに適する温度まで冷却させ、これを低圧域に押し出すことによりスチレン系樹脂発泡体を連続的に製造する方法が、例えば特公昭31−5393号公報や、特公昭42−19195号公報において開示されている。
【0003】
この公知技術において、発泡剤として、毒性が少なく不燃性で化学的に安定な塩素原子含有ハロゲン化炭素(以下、CFCと略す)が使用されてきたが、オゾン層を破壊する惧れが指摘され、その改善を目的として、塩素原子を部分的に水素化した塩素原子含有ハロゲン化炭化水素(以下、HCFCと略す)を用いる方法が、例えば特公昭41−672号公報や、特公昭57−7175号公報において開示されている。しかしながら、HCFCを使用してオゾン層保護、地球環境の保護が十分とはいえないため、更に好適な発泡剤の検討がなされている。
【0004】
また、塩化メチルを発泡剤として用いることが、特開昭47−953号公報、特開昭47−9593号公報、特開昭52−17574号公報や特開昭52−94366号公報に開示されている。これら公知方法によれば、塩化メチルは、スチレン系樹脂の可塑化性能が高く、押出圧力を低下させて製造することが可能でありスチレン系樹脂発泡体の製造に寄与する上、スチレン系樹脂発泡体に対して透過性が極めて大きいため該発泡体中に残存し難く、発泡体の形状安定性等において好ましい発泡剤とされている。また、特開平1−174540号公報においては、易透過性の塩化メチルと難透過性のイソブタン、n−ブタンを組み合わせて発泡剤として使用することで断熱性に優れた発泡体が得られるとしている。
【0005】
しかしながら、1992年度の日本産業衛生学会の勧告では、環境、特に労働環境における塩化メチルの許容濃度が定められ、その取扱には注意と対策が望まれており、可能であるならば代替していくことが好ましい。
【0006】
このような観点から、塩素原子を分子中に含有しない炭化水素やフッ素化炭化水素(以下、HFCと略す)、エーテル類、二酸化炭素等の無機ガスを発泡剤として使用することが提案されてきた。
【0007】
例えば特表平7−507087号公報において、特定量以上の断面積のスチレン系押出し発泡体を得る技術として、その請求項の中でジメチルエーテル等の特定のエーテルを発泡剤として使用することが開示されている。その詳細な説明の中で、発泡体全重量に対して10重量%以上、好ましくは30重量%以上、更に特に厚い発泡体を得ようとする場合には40重量%以上の特定のエーテルを使用することが開示されている。また、その際に5〜55重量%の二酸化炭素と70重量%までの炭素数3〜5の飽和炭化水素、HFC、特定の沸点のアルコール、ケトンを混合させることが開示されている。
【0008】
しかし、前記公報においては、発泡剤としてエーテルを必須成分とする以外は、二酸化炭素、飽和炭化水素、HFC、アルコール、ケトンなどが非常に広い範囲で自由に組み合わせることができるように列挙されている。しかし、一般的に発泡状態を決定する重要な因子であるポリスチレン樹脂に対する透過性能、飽和含浸量、可塑化性能等の特性値や臨界温度、臨界圧力、蒸気圧、沸点等の物理量はこれらの物質について大きく異なっており、例えばジメチルエーテルと二酸化炭素とイソブタンを比較した場合、特定条件下でのポリスチレンに対する透過速度は、ジメチルエーテル、二酸化炭素はイソブタンの数千倍にもなり、可塑化性能に関しては等量をポリスチレンに添加した場合、二酸化炭素よりイソブタン、イソブタンよりもジメチルエーテルの方が可塑化性能に優れることからも、これら発泡剤の組み合わせに関して取扱方法は異なると考えられる。しかしながら、前記公報における具体的な実施例は、ジメチルエーテル単独、ジメチルエーテルと二酸化炭素、ジメチルエーテルとエタノール、ジメチルエーテルとエタノールと二酸化炭素の組み合わせの例のみであり、飽和炭化水素、HFC、ケトンについてはその使用方法、及び適切な量的範囲について具体的に開示されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、一般に断熱材などとして好適に使用しうるスチレン系樹脂押出発泡体を製造するに際して、環境適合性に優れ、且つ発泡体物性に優れ、押出し安定性に優れたスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法及び製造された発泡体を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題の解決のため鋭意研究の結果、スチレン系樹脂を加熱溶融させ、高圧条件下で、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する温度に冷却し、該流動ゲルをダイを通して低圧の領域に押出発泡してなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法において、発泡剤に主として、発泡剤全量に対して60重量%を超える炭素数3〜5の飽和炭化水素から選ばれた1種または2種以上の炭化水素と、発泡剤全量に対して40重量%未満のジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルとを含ませることで、環境適合性に優れ、且つ発泡体物性に優れたスチレン系樹脂押出発泡体を押出し安定性よくうることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、(1)スチレン系樹脂を加熱溶融させ、高圧条件下で、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する温度に冷却し、該流動ゲルをダイを通して低圧の領域に押出発泡してなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法において、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して60重量%を超える炭素数3〜5の飽和炭化水素から選ばれた1種または2種以上の炭化水素と、発泡剤全量に対して40重量%未満のジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルとを含むことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
【0012】
さらに本発明は、(2)発泡剤全量に対して炭化水素が70重量%を超え、エーテルが30重量%未満であることを特徴とする前記(1)記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
【0013】
さらに本発明は、(3)エーテルがジメチルエーテルであることを特徴とする前記(1)または(2)記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
【0014】
さらに本発明は、(4)前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の方法により製造されたスチレン系樹脂押出発泡体に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるスチレン系樹脂としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等の単独重合体または2種以上の組合わせからなる共重合体や、これらとジビニルベンゼン、ブタジエン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの単量体の1種または2種以上とを共重合させた共重合体などが挙げられる。アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などは、製造されたスチレン系樹脂押出発泡体の圧縮強度等の物性を低下させない範囲内で用いることができる。また、これらは共重合させるのではなく、前記スチレン系単量体の単独重合体または共重合体と前記他の単量体の単独重合体または共重合体とのブレンド物であってもよく、ジエン系ゴム強化ポリスチレンやアクリル系ゴム強化ポリスチレンをブレンドすることもできる。
【0016】
本発明においては、これらのスチレン系樹脂のなかでポリスチレン樹脂が特に好適に使用することができる。
【0017】
本発明では、発泡剤は主として、発泡剤全量に対して、炭素数3〜5の飽和炭化水素から選ばれた1種以上の飽和炭化水素が60重量%を超え、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種以上のエーテルが40重量%未満とが組み合わせて用いられる。好ましくは、発泡剤が、発泡剤全量に対して、炭素数3〜5の飽和炭化水素から選ばれた1種以上の炭化水素を70重量%を超え95重量%以下と、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種以上のエーテルを5重量%以上30重量%未満とを含む。さらに好ましくは、発泡剤が、発泡剤全量に対して、炭素数3〜5の飽和炭化水素から選ばれた1種以上の炭化水素を70重量%を超え85重量%以下と、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種以上のエーテルを15重量%以上30重量%未満とを含む。
【0018】
発泡剤にエーテルが含まれない場合には、可塑化効果が期待できないが、5重量%以上、とくに15重量%以上含まれることでより可塑性が向上し、押出圧力を低減し安定的に発泡体の製造が可能となる。また、エーテルが40重量%以上の場合、可塑性が高すぎ、押出機内のスチレン系樹脂と発泡剤との混練状態が不均一となりガス塊が発生することがありダイから噴出するなど押出機の圧力制御が難しくなる傾向があり、また得られる発泡体も表面が溶解し外観がケロイド状になることがあり、さらに発泡体物性が低下する傾向を有する。この点から、エーテルは30重量%未満であるのがより好ましい。
【0019】
本発明で使用される炭素数3〜5の飽和炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン等の炭化水素を用いることができる。これら炭化水素は単独または2種以上を混合して使用できる。
【0020】
本発明における発泡剤のスチレン系樹脂に対する配合量は、発泡倍率の設定値などに応じて適宜かわかるものであるが、通常、発泡剤の合計量をスチレン系樹脂100重量部に対して4〜20重量部とするのが好ましい。発泡剤の量が前記範囲未満では発泡倍率が低く樹脂発泡体としての軽量、断熱等の特性が発揮されにくく、一方前記範囲を超えると過剰な発泡剤量のため発泡体中にボイドなどの不良を生じることがある。
【0021】
本発明においては、更に本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、その他の発泡剤を、例えば、発泡剤全量に対して25重量%以下で添加することができる。このような発泡剤としては、例えば、1,1−ジフルオロエタン、1,2−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,2−トリフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタンなどのフッ素化炭化水素、二酸化炭素、窒素、水、アルゴン、ヘリウムなどの無機ガス、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランに例示されるジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル以外のエーテル、蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステルなどのカルボン酸エステル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールに例示されるアルコール類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルi−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、エチルn−プロピルケトン、エチルn−ブチルケトンに例示されるケトン類などを用いることができる。これらは単独又は2種以上混合して使用することが可能である。
【0022】
本発明のスチレン系樹脂押出発泡体は、スチレン系樹脂を加熱溶融させ、高圧条件下で、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する温度に冷却し、該流動ゲルをダイを通して低圧の領域に押出発泡して、スチレン系樹脂押出発泡体を形成することにより製造される。
【0023】
スチレン系樹脂を加熱溶融する際の加熱温度、溶融時間及び溶融手段については特に制限するものではない。加熱温度は、スチレン系樹脂が溶融する温度以上、通常150〜250℃程度であればよい。溶融時間は、単位時間当たりの押出量、溶融手段などによって異なるので一概には決定することができないが、スチレン系樹脂と発泡剤が均一に分散混合するのに要する時間が選ばれる。また、溶融手段としては、例えばスクリュー型の押出機などの通常の押出発泡の際に用いられるものであれば制限するものではない。
【0024】
発泡剤を注入する際の圧力は、特に制限するものではなく、押出機内に注入するために押出機の内圧力よりも高い圧力であればよい。
【0025】
本発明のスチレン系樹脂押出発泡体は、圧縮特性、曲げ特性及び軽量化の点から、密度は好ましくは10〜100kg/m3、より好ましくは15〜50kg/m3であり、また断熱特性及び曲げ特性の点から、独立気泡率は好ましくは60%以上、より好ましくは90%以上、平均気泡径は好ましくは0.1〜0.7mm、より好ましくは0.1〜0.5mmである。
【0026】
また、本発明において、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸バリウム等の脂肪酸金属塩、ヘキサブロモシクロドデカン等の難燃剤、高分子型ヒンダードフェノール系化合物等の抗酸化剤などの添加剤を含有させることができる。これらは必要に応じて適宜配合量を調整して配合することができる。
【0027】
【実施例】
次に本発明のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに制限されるものではない。なお、特に断らない限り「部」は重量部を、「%」は重量%を表す。
【0028】
以下の記載において、略記号はそれぞれ下記の物質を表すものである。
DME :ジメチルエーテル
MeCL :塩化メチル
PS :ポリスチレン
【0029】
以下に示す実施例1〜6、比較例1〜6の方法で得られた発泡体の特性として、発泡倍率、発泡体独立気泡率、平均気泡寸法、燃焼性、外観および環境適合性を下記の方法に従って調べた。また製造安定性を下記の方法に従って調べた。
【0030】
1)発泡倍率:
ポリスチレン樹脂のおおよその密度を1.05(g/cm3)として、次の式:
発泡倍率(倍)=1.05/発泡体の密度(g/cm3)
にもとづいて求めた。なお、発泡体の密度は、その発泡体の重量と水没法により求めた体積とから算出した。
【0031】
2)発泡体独立気泡率:
マルチピクノメーター(湯浅アイオニクス(株)製)を用い、ASTM D−2856に準じて測定した。
【0032】
3)平均気泡寸法:
押出発泡体の縦断面を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、S−450)にて30倍に拡大して発泡体の縦断面を写真撮影し、撮影した写真を乾式複写機で複写し、えられた複写物において、気泡部分を黒インキで塗りつぶして1次処理をおこない、1次処理した画像を画像処理装置((株)ピアス製、PIAS−II)により処理し、平均気泡寸法を求めた。
【0033】
4)発泡体外観の評価基準:
○:断面に未発泡樹脂塊およびボイドがなく、かつ表面にシワおよび突起がない外観がきわめて良好な発泡体である。
×:断面に未発泡樹脂塊およびボイドが存在し、かつ表面にシワおよび突起が存在する外観が不良な発泡体である。
【0034】
5)環境適合性:
環境適合性については、発泡剤中に塩素原子を含むか否かで評価した。
「評価基準」
○:塩素原子を含まない。
×:塩素原子を含む。
【0035】
6)製造安定性A:
押出発泡中に圧力が変動してももとに戻すための操作を行なわずに押出発泡を行ない、2時間の押出発泡中での平均押出圧力と、押出圧力と平均押出圧力の最大差を示した。
【0036】
ト)製造安定性B
つぎの2つの方法で評価した。
【0037】
1)押出圧力調整
押出機圧力が、製品を採取しはじめた時点を起点として、8時間の押出時間の間に、その時点の圧から10kgf/cm2変動した場合に圧力を元に戻すための操作(主として回転数調整)を何回行う必要があったかを調べ、その結果をつぎの基準で評価した。
【0038】
○:16回未満(平均して30分以上同一条件を保持)
△:16回以上(同一条件の保持が平均して30分以下)
【0039】
2)発泡体厚さばらつき
8時間の押出し中、30分に一度サンプリングし、計16点の発泡体の厚さを測定し、次式で表わされるばらつきを求め、下記基準で評価した。
ばらつき=(最大厚さ−最小厚さ)/(平均厚さ)×100
○:ばらつきが5%未満
△:ばらつきが5%以上10%未満
×:ばらつきが10%以上
【0040】
実施例1〜6
ポリスチレン樹脂(新日鉄化学(株)製、商品名:エスチレンG−17、メルトインデックス(MI):3.1)100部に対して、造核剤としてタルク0.1部および難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン3.0部を加え、押出機中で200℃に加熱して混練しながら、これに表1に示す組成からなる発泡剤を表1に示す注入量で注入した後、これを冷却兼混合機に送給して110℃に冷却し、目開きの間隔が1.8mmのスリットと流路面がフッ素樹脂でコーティングされた成形金型を介して押出発泡し、板状のスチレン系樹脂発泡体を得た。その結果を表2に示す。なお、発泡体の特性値は前記製造安定性Bの方法で押出圧力を調整しながら押出発泡を行い、製品を採取しはじめた時点より1時間後にサンプリングした発泡体についての値である。
【0041】
比較例1〜5
発泡剤の組成比率をかえた以外は、実施例1と同様にしてスチレン系樹脂押出発泡体を得た。得られた発泡体の特性および製造安定性を表2に示す。
【0042】
比較例6
発泡剤として塩化メチルとプロパンを使用した以外は、実施例1と同様にしてスチレン系樹脂押出発泡体を得た。得られた発泡体の特性および製造安定性を表2に示す。
【0043】
表2に示された結果から、実施例1〜6で得られた特定量範囲の炭素数3〜5の飽和炭化水素とエーテルを組み合わせた発泡剤を使用した発泡体はいずれも適度な発泡倍率、独立気泡率を有し、表面外観が美麗で、環境適合性に優れ、押出圧力を安定な領域に低減した状態で発泡体の製造が可能であることがわかる。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、環境適合性に優れ、しかも適度な発泡体密度を有し、かつ発泡体物性に優れたスチレン系樹脂押出発泡体が得られ、安定した発泡体の製造が可能となる。
Claims (4)
- スチレン系樹脂を加熱溶融させ、高圧条件下で、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する温度に冷却し、該流動ゲルをダイを通して低圧の領域に押出発泡してなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法において、発泡剤が、発泡剤全量に対して60重量%を超える炭素数3〜5の飽和炭化水素から選ばれた1種または2種以上の炭化水素と、発泡剤全量に対して40重量%未満のジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエーテルとを含むことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
- 発泡剤の全量に対して炭化水素が70重量%を超え、エーテルが30重量%未満であることを特徴とする請求項1記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
- エーテルがジメチルエーテルであることを特徴とする請求項1または2記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の方法により製造されたスチレン系樹脂押出発泡体。
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