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JP3761262B2 - フィン付き熱交換器 - Google Patents

フィン付き熱交換器 Download PDF

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JP3761262B2
JP3761262B2 JP28486196A JP28486196A JP3761262B2 JP 3761262 B2 JP3761262 B2 JP 3761262B2 JP 28486196 A JP28486196 A JP 28486196A JP 28486196 A JP28486196 A JP 28486196A JP 3761262 B2 JP3761262 B2 JP 3761262B2
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slits
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長生 木戸
光▲徳▼ 谷口
里支 宮原
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松下冷機株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気調和機や冷凍機器、自動車機器等の冷媒と空気等の流体間で熱の授受を行うフィン付き熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、フィン付熱交換器は機器設計の面からコンパクト化が要求されており、フィン表面にスリットやルーバーなどを設けたり、伝熱管の内面に溝やキャビティを設けたり、また伝熱管の細径化を図る等の工夫により大幅な小型高効率化が図られている。従来のフィン付熱交換器としては特開昭61−252494号公報に開示されている形状が一般的である。
【0003】
以下、図面を参照しながら上記従来のフィン付熱交換器を説明する。
図9は従来のフィン付熱交換器の斜視図である。図9において、1は一定間隔で平行に並べられたフィンで、2はフィン1を貫通し、気流方向に2列設けられた伝熱管である。図10は図9の縦断面の部分拡大図、図11は図10のA−A断面図である。図10お呼び図11において、3はフィン1の表面に設けられたスリットで、フィン1をほぼ一定の幅に切り起こして両面に設けられている。
【0004】
以上のように構成されたフィン付き熱交換器について、以下その動作を説明する。
【0005】
フィン1の相互間を流れる気流と伝熱管2の内部を流れる冷媒とがフィン1と伝熱管2を介して間接的に熱交換を行う。このとき、フィン1の表面にスリット3が設けられているため、フィン1の表面に生じる気流の温度境界層がスリット3によって更新され、フィン1と気流の間の熱伝達が促進されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成フィン付き熱交換器をヒートポンプエアコンの暖房運転時の室外機や冷凍機器の蒸発器など冷媒の蒸発温度が氷点以下となりフィン1の表面に着霜するような条件で使用すると、気流とフィン1の間の熱伝導率が極端に高いスリット3の前縁に着霜が集中する。特に気流方向の最前列では、気流と冷媒の温度差が大きいために着霜量が大きく、運転開始後すぐに着霜によってスリット3の前縁が閉塞してしまい、フィン付き熱交換器に流入する気流の風量が低下して熱交換量が急激に低下するという欠点があった。またその結果、除霜運転回数が増加し、ヒートポンプエアコンでは快適性の低下、また冷凍機器では食品鮮度など冷凍品質が低下するという欠点があった。
【0007】
また着霜を抑える技術としてはフィンの表面に撥水性表面処理を施す方法があり、着霜によって閉塞するまでの時間をかなり延ばすことができると言われている。しかしこの方法は、比較的冷媒の温度が高くフィンの表面に水滴が結露するような条件では、スリットの部分に水滴がブリッジして残留するために通風抵抗が増大し、そのために風量が減り熱交換量が低下するばかりでなく、熱交換器背面へ水滴が飛散するという欠点もあった。
【0008】
本発明は従来の課題を解決するもので、フィンと気流との熱伝達の促進を図りながら、着霜時の熱交換量の急激な低下を抑えるフィン付き熱交換器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は、一定間隔で平行に並べられ、相互間を気体が流動するフィンと、フィンを貫通し内部を流体が流動する複数の伝熱管とから構成され、フィンの表面に複数のスリットを設けたフィンとフラットなフィンとを交互に並べたものである。
【0012】
これにより、従来の発明と同様にスリットによって気流とフィンとの熱伝達の促進を図りながら、着霜によりスリットが閉塞しても隣接するフラットなフィンの近傍を気流が流れることができるため、熱交換器の全体としての流路の閉塞を遅らせることができ、風量の低下による熱交換量の急激な低下を抑えることができる。
【0013】
さらに本発明は、一定間隔で平行に並べられ、相互間を気体が流動するフィンと、フィンを貫通し内部を流体が流動する複数の伝熱管とから構成され、フィンの表面に複数のスリットを設けたフィンとフラットなフィンとを交互に並べ、スリットを設けたフィンの表面に撥水性表面処理を、またフラットなフィンの表面に親水性表面処理を施したものである。
【0014】
これにより、従来の発明と同様にスリットによって気流とフィンとの熱伝達の促進を図りながら、スリットを設けたフィンでは撥水性表面処理によって霜の形成及び成長を強力に遅らしてスリットでの熱伝達率の低下及び閉塞を遅らし、風量の低下による熱交換量の低下を大幅に抑えることができるとともに、撥水性表面処理の課題である結露時には、スリットにブリッドする水滴を隣接する親水性表面処理を施したフラットなフィンを通じて排水することができ、結露時の通風抵抗の増大や熱交換器背面への水飛びを抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項に記載の発明は、一定間隔で平行に並べられ、相互間を気体が流動するフィンと、前記フィンを貫通し内部を流体が流動する複数の伝熱管とから構成され、前記フィンの表面に複数のスリットを設けたフィンとスリットの無いフラットなフィンとを交互に並べ、スリットを設けたフィンの表面に撥水性表面処理を、またフラットなフィンの表面に親水性表面処理を施したものであり、スリットによってフィンの表面に生じる温度境界層を更新して気流とフィンとの熱伝達の促進を図りながら、着霜によりスリットが閉塞しても隣接するフラットなフィンの近傍を気流が流れることができるため、熱交換器の全体としての流路の閉塞を遅らせることができ、風量の低下による熱交換量の急激な低下を抑えることができ、スリットを設けたフィンでは撥水性表面処理によって霜の形成及び成長を強力に遅らしてスリットでの熱伝達率の低下及び閉塞を遅らし、風量の低下による熱交換量の低下を大幅に抑えることができるとともに、撥水性表面処理の課題である結露時には、スリットにブリッジする水滴を隣接する親水性表面処理を施したフラットなフィンを通じて排水することができ、結露時の通風抵抗の増大や熱交換器背面への水飛びを抑えることができるという作用を有する。
【0018】
【実施例】
以下本発明の一実施例について、図1から図8を用いて説明する。
【0019】
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例のフィン付き熱交換器の縦断面図の部分拡大図、図2は、図1のB−B断面図である。図1と図2において、4は一定間隔で平行に並べられたフィンである。2はフィン4を貫通し内部を流体が流動する複数の伝熱管であり、伝熱管2は従来の構成と同じものである。5はフィン4の表面を切り起こして設けられたスリットで、気流方向に対して最前列では、伝熱管2相互間のスリット5の無いフラット面6が気流と垂直な段方向で一段おきに残るように、また後列ではすべての段に設けられている。
【0020】
以上のように構成されたフィン付き熱交換器について、以下その動作を説明する。
【0021】
フィン4の相互間を流れる気流と伝熱管2の内部を流れる冷媒とがフィン4と伝熱管2を介して間接的に熱交換を行う。このとき、フィン4の表面にスリット5が設けられているため、フィン4の表面に生じる気流の温度境界層がスリット5によって更新され、フィン4と気流の間の熱伝達が促進される。またヒートポンプエアコンの暖房運転時の室外機や冷凍機器の蒸発器など冷媒の蒸発温度が氷点以下となりフィン4の表面が着霜するような条件で使用したときには、前述したようにスリット5によってフィン4の表面に生じる温度境界層を更新して気流とフィン4との熱伝達の促進を図りながら、着霜により熱交換量の大きい前列のスリット5が閉塞しても前列の一段おきに設けられたフラット面6を気流は流れることができるため、熱交換器の前列全体としての流路の閉塞を遅らせることができ、風量の低下による熱交換量の急激な低下を抑えることができる。
【0022】
以上のように本実施例のフィン付き熱交換器は、一定間隔で平行に並べられ、相互間を気体が流動するフィン4と、フィン4を貫通し内部を流体が流動する複数の伝熱管2とから構成され、気流方向に対して最前列に位置するフィン4の表面の伝熱管2相互間に、連続する複数のスリット5とスリット5の無いフラット面6とを気流と垂直な段方向で交互に設けることにとより、スリット5によって気流とフィン4との熱伝達の促進を図りながら、着霜により熱交換量の大きい前列のスリット5が閉塞しても前列の一段おきに設けられたフラット面6を気流は流れることができるため、熱交換器の前列全体としての流路の閉塞を遅らせることができ、風量の低下による熱交換量の急激な低下を抑えることができる。
【0023】
(実施例2)
図3と図4は、本発明の第2の実施例のフィン付き熱交換器の縦断面図の部分拡大図、図5は、図3及び図4のC−C縦断面図である。図3から図5において、7a,7bは一定間隔で平行に並べられたフィンである。2はフィン7a,7bを貫通し内部を流体が流動する複数の伝熱管であり、伝熱管2は従来の構成と同じものである。8はフィン7aの表面にきり起こして設けられた複数のスリットであり、スリット8を設けたフィン7aとスリット8の無いフラットなフィン7bとが交互に並べられている。
【0024】
以上のように構成されたフィン付き熱交換器について、以下その動作を説明する。
【0025】
フィン7a,7bの相互間を流れる気流と伝熱管2の内部を流れる冷媒とがフィン7a,7bと伝熱管2を介して間接的に熱交換を行う。このとき、フィン7aの表面にスリット8が設けられているため、フィン7aの表面に生じる気流の温度境界層がスリット8によって更新され、フィン7aと気流の間の熱伝達が促進される。またヒートポンプエアコンの暖房運転時の室外機や冷凍機器の蒸発器など冷媒の蒸発温度が氷点以下となりフィン7a,7bの表面が着霜するような条件で使用したときには、前述したようにスリット8によってフィン7aの表面に生じる温度境界層を更新して気流とフィン7aとの熱伝達の促進を図りながら、着霜によりスリット8が閉塞しても隣接するフラットなフィン7bの近傍を気流が流れることができるため、熱交換器の全体としての流路の閉塞を遅らせることができ、風量の低下による熱交換量の急激な低下を抑えることができる。
【0026】
以上のように本実施の形態のフィン付き熱交換器は、一定間隔で平行に並べられ、相互間を気体が流動するフィン7a,7bと、フィン7a,7bを貫通し内部を流体が流動する複数の伝熱管2とから構成され、表面に複数のスリット8を設けたフィン7aとフラットなフィン7bとを交互に並べることにより、スリット8によってフィン7aの表面に生じる温度境界層を更新して気流とフィン7aとの熱伝達の促進を図りながら、着霜によりスリット8が閉塞しても隣接するフラットなフィン7bの近傍を気流が流れることができるため、熱交換器の全体としての流路の閉塞を遅らせることができ、風量の低下による熱交換量の急激な低下を抑えることができる。
【0027】
(実施例3)
図6と図7は、本発明の第3の実施例のフィン付き熱交換器の縦断面の部分拡大図、図8は、図6及び図7のD−D断面図である。図6から図8において、9a,9bは一定間隔で平行に並べられたフィンである。2はフィン9a,9bを貫通し内部を流体が流動する複数の伝熱管であり、伝熱管2は従来の構成と同じものである。10はフィン9aの表面に切り起こして設けられた複数のスリットであり、スリット10を設けたフィン9aとスリット10の無いフラットなフィン9bとが交互に並べられている。さらに、フィン9aのスリット10の表面には撥水性表面処理11が、フラットなフィン9bの表面には親水性表面処理12が施してある。
【0028】
以上のように構成されたフィン付き熱交換器について、以下その動作を説明する。
【0029】
フィン9a,9bの相互間を流れる気流と伝熱管2の内部を流れる冷媒とがフィン9a,9bと伝熱管2を介して間接的に熱交換を行う。このとき、フィン9aの表面にスリット10が設けられているため、フィン9aの表面に生じる気流の温度境界層がスリット10によって更新され、フィン9aと気流の間の熱伝達が促進される。またヒートポンプエアコンの暖房運転時の室外機や冷凍機器の蒸発器など冷媒の蒸発温度が氷点以下となりフィン9a,9bの表面が着霜するような条件で使用したときには、前述したようにスリット10によってフィン9aの表面に生じる温度境界層を更新して気流とフィン9aとの熱伝達の促進を図りながら、スリット10を設けたフィン9aでは撥水性表面処理11によって霜の形成及び成長を強力に遅らしてスリット10の熱伝達率の低下及び閉塞を遅らし、風量の低下による熱交換量の低下を大幅に抑えることができるとともに、撥水性表面処理11の課題である結露時には、スリット10にブリッジして残留する水滴を隣接する親水性表面処理12を施したフラットなフィン9bを通じて排水することができ、結露時の通風抵抗の増大や熱交換器背面への水飛びを抑えることができる。
【0030】
以上のように本実施の形態のフィン付き熱交換器は、一定間隔で平行に並べられ、相互間を気体が流動するフィン9a,9bと、フィン9a,9bを貫通し内部を流体が流動する複数の伝熱管2とから構成され、表面に複数のスリット10を設けたフィン9aとフラットなフィン9bとを交互に並べ、さらにフィン9aのスリット10の表面に撥水性表面処理11を、フラットなフィン9bの表面に親水性表面処理12を施すことにより、スリット10を設けたフィン9aでは撥水性表面処理11によって霜の形成及び成長を強力に遅らしてスリット10での熱伝達率の低下及び閉塞を遅らし、風量の低下による熱交換量の低下を大幅に抑えることができるとともに、撥水性表面処理11の課題である結露時には、スリット10にブリッジして残留する水滴を隣接する親水性表面処理12を施したフラットなフィン9bを通じて排水することができ、結露時の通風抵抗の増大や熱交換器背面への水飛びを抑えることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、一定間隔で平行に並べられ、相互間を気体が流動するフィンと、フィンを貫通し内部を流体が流動する複数の伝熱管とから構成され、表面に複数のスリットを設けたフィンとフラットなフィンとを交互に並べることにより、スリットによってフィンの表面に生じる温度境界層を更新して気流とフィンとの熱伝達の促進を図りながら、着霜によりスリットが閉塞しても隣接するフラットなフィンの近傍を気流が流れることができるため、熱交換器の全体としての流路の閉塞を遅らせることができ、風量の低下による熱交換量の急激な低下を抑えることができる。
【0033】
さらに、スリットを設けたフィンの表面に撥水性表面処理を、フラットなフィンの表面に親水性表面処理を施すことにより、スリットを設けたフィンでは撥水性表面処理によって霜の形成及び成長を強力に遅らしてスリットでの熱伝達率の低下及び閉塞を遅らし、風量の低下による熱交換量の低下を大幅に抑えることができるとともに、撥水性表面処理の課題である結露時には、スリットにブリッジして残留する水滴を隣接する親水性表面処理を施したフラットなフィンを通じて排水することができ、結露時の通風抵抗の増大や熱交換器背面への水飛びを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフィン付き熱交換器の第1の実施例の縦断面の部分拡大図
【図2】図1のB−B断面図
【図3】本発明によるフィン付き熱交換器の第2の実施例のスリットを設けたフィンを示す縦断面の部分拡大図
【図4】同実施例のフラットなフィンを示す縦断面の部分拡大図
【図5】図3及び図4のC−C断面図
【図6】本発明によるフィン付き熱交換器の第3の実施例のスリットを設けたフィンを示す縦断面の部分拡大図
【図7】同実施例のフラットなフィンを示す縦断面の拡大図
【図8】図6及び図7のD−D断面図
【図9】従来のフィン付き熱交換器の斜視図
【図10】従来のフィン付き熱交換器の縦断面の部分拡大図
【図11】図10のA−A断面図
【符号の説明】
2 伝熱管
4 フィン
5 スリット
6 フラット面
7a,7b フィン
8 スリット
9a,9b フィン
10 スリット
11 撥水性表面処理
12 親水性表面処理

Claims (1)

  1. 一定間隔で平行に並べられ、相互間を気体が流動するフィンと、前記フィンを貫通し内部を流体が流動する複数の伝熱管とから構成され、前記フィンの表面に複数のスリットを設けたフィンとスリットの無いフラットなフィンとを交互に並べ、スリットを設けたフィンの表面に撥水性表面処理を、またフラットなフィンの表面に親水性表面処理を施したフィン付き熱交換器。
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