JP3758694B2 - 有機薄膜el素子 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は有機薄膜EL素子やマトリクス状に発光画素が配置されてなる有機薄膜ELデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
有機薄膜EL素子は、陽極から注入された正孔と陰極から注入された電子が発光層内で再結合し、励起状態を経て発光する現象を利用するものである。従って、有機薄膜層は発光層の発光材料の性質によって種々の素子構成が検討されているが、基本的には強い蛍光を発する有機発光層を陽極と陰極で挟むことで素子が完成できる。更に、発光の高効率化や安定駆動のためには、正孔輸送帯、電子輸送帯を設けたり、有機発光層へゲスト分子をドーピングすることが有効とされている。特に、タング(Tang)とバンスリィク(VanSlyke)らの新しい構成の有機薄膜EL素子(アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)、51巻、913ページ、1987年)は、10V以下の駆動電圧で、1000cd/m2 以上の輝度、最高効率が1.51m/Wの発光が得られている。これは、適切な材料と素子構成の選択によって、有機薄膜EL素子を高効率・高輝度に発光させることが可能であることを示唆するものである。タングらが、開発した素子で特に重要であった点は、発光層であるトリス(8−ヒドロキシキノリノールアルミニウム)(以下Alqと記す)を用い、発光層と陽極間にトリフェニルジアミンの誘導体を正孔輸送層として適用したことにある。トリフェニルジアミンの誘導体の正孔輸送層への適用は、発光層への正孔の注入効率を向上させること、陰極から注入された電子をブロックし、励起子の生成効率を向上させること、また、発光層で生成した励起子を発光層内に閉じ込める役目を担っている。
【0003】
正孔輸送層の適用は、発光効率の向上の役割を担うだけでなく、発光の安定駆動も担っている。中でも、正孔輸送帯が2層の積層構造において、顕著に寿命特性の改善が成されている。例えば、バンスリィクらは、陽極上にポルフィリン系の正孔注入層を設け、その上にトリフェニルジアミンの誘導体の正孔輸送層を形成した系で、5mA/cm2 で500時間程度の連続発光を得ている。この時、電圧は6Vから7.2Vの増加で済むと述べられている(特開昭63−295695号公報、米国特許第4,720,432号)。
【0004】
城田(Shirota)らは、陽極に接する正孔輸送層として、スターバースト分子である4,4′,4″−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(以下m−MTDATAと記す)を用い、更に発光層に接する正孔輸送層として、従来より知られているN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン(以下TPDと記す)を適用し、発光層であるAlqを従来の素子構造より高効率で発光させている。また、初期輝度300cd/m2 での輝度の半減は定電駆動で300時間であると報告されている(アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)、65巻、807ページ、1994年)。城田らの系では、TPDを発光層とm−MTDATAの間に導入することで発光層のAlqへの正孔の注入障壁が段階的になり、正孔注入効率が上がることによって発光効率が向上したものと考えられている。大略すると、M−MTDATAの正孔輸送層は薄膜の安定性に寄与し、一方TPDは、正孔注入の高効率化に寄与している。
【0005】
同じような系で、伊藤(Ito)らは、ITO上に順次、銅フタロアシニンとトリフェニルアミンを側鎖に有するポリフォスファゼンポリマーとTPDとからなる正孔輸送帯を設け、更にその上にキナクリドンをドープしたAlqの発光層を設けた素子を作成している(ポリマー・プレプリンツ・ジャパン(Polymer Preprints Japan)、42巻、615ページ、1993年)。この系では2ヶ月間室内放置した後、素子を定電流で連続駆動すると、初期輝度587cd/m2 で、166時間後に半減すると報告されている。
【0006】
有機薄膜EL素子の研究は基礎的な材料による素子開発だけではない。タングらの報告以来、有機薄膜EL素子の基本性能が向上し、安価なカラー表示デバイスを実現するものとして注目され、応用が検討されている。
【0007】
例えば、有機薄膜EL素子を利用した高精細なマトリクスディスプレイとその駆動方法の例が報告されている(特願平05−253866号公報)。前記報告によると新規の電流制御用薄膜トランジスタ(以下TFTと記す)を含む構成の駆動回路が有機薄膜EL素子に適用された。単純マトリクス型の有機ELデバイスで課題とされた駆動パルスの高デューティ化に伴う輝度低下が抑えられた。すなわち、画素が増加しても輝度低下を伴わず有機薄膜EL素子を駆動できることが示された。
【0008】
このように、有機薄膜EL素子を高輝度、高効率で発光表示させるために、有機薄膜EL素子の研究開発は材料を含んだ素子の改良から駆動方法の改良に到るデバイスの研究まで幅広く行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述した有機薄膜EL素子やマトリクス型の有機薄膜ELデバイスは他の発光デバイスでは達成できなかった高輝度・高効率発光を示す。しかし、素子に一定電流を流し、連続駆動することで発光輝度が経時に低下し、電圧上昇と効率低下を招く。また、発光が経時に不均一となり、マトリクス型の有機薄膜ELデバイスにおいては、輝度むらを招いた。これらの現象の原因の一つは、有機薄膜、特に正孔輸送帯の薄膜層が駆動時に発生する熱によって結晶化を引き起こしたり、あるいは保存経時による結晶化を引き起こし、結果として有機薄膜層に均一に電界印加ができなくなるためと考えられている。
【0010】
熱による正孔輸送層の結晶化を防ぐ目的で、高ガラス転移点を有する正孔輸送材料が合成され有機薄膜EL素子に適用されている。例えば、鶴岡(Tsuruoka)らは、高ガラス転移温度を有し、且つ高正孔移動度のビストリフェニルアミンスチリル化合物を合成し、有機薄膜EL素子の正孔輸送用に適用した(日本化学会第68回秋季年回予稿集、499ページ、1994年)。この系では、素子は陽極/正孔輸送層/発光層/陰極より構成されている。前記素子は、従来より知られている正孔輸送材料、例えばTPDを使用した系と比較すると、定電流駆動による輝度の半減時間は同程度であるが、電流密度当たりの輝度が半減する。鶴岡らの系で、電流密度当たりの輝度が小さいのは、発光層内で生成した励起子が正孔輸送層でブロックされずクエンチングされることや、発光層内に注入された電子が再結合せず陽極側に移動しているためである。
【0011】
従って、発光層への正孔注入特性や正孔輸送帯における正孔の輸送効率を低減せず、更に、発光層で生成した励起子や電子の閉じ込めが十分達成され、しかも熱による結晶化を生じないための正孔輸送材料を適切な構成の正孔輸送帯に導入することが重要である。
【0012】
本発明の目的は、有機薄膜EL素子やマトリクス型有機ELデバイスにおいて高発光効率の発光を有効に生かしつつ、更に駆動安定性の向上のために、適切な構成の正孔輸送帯を備えた有機薄膜EL素子を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、高効率発光を示し、且つ駆動安定性の向上をめざして、正孔輸送帯を探索した結果、前記特開平5−197172号公報に示される正孔輸送材料を本発明に用いる正孔輸送帯の正孔輸送層に適用することで特性の優れた有機薄膜EL素子やマトリクス型有機薄膜ELデバイスが得られることを見いだし本発明に至った。
【0014】
すなわち、本発明を提供する手段は、少なくとも一方が透明な一対の電極間に少なくとも正孔輸送帯域を有する有機薄膜EL素子であって、陽極に接する正孔注入層と前記正孔注入層に接する正孔輸送層と発光層に接する励起子ブロッキング層からなる有機薄膜EL素子において、前記正孔輸送層が下記一般式(1)で示されるビストリフェニルアミンスチリル誘導体を含有し、前記励起子ブロッキング層がN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミンよりなることを特徴とする有機薄膜EL素子である。
【0015】
【化3】
【0016】
(式中、Aは炭素数10以下の置換又は非置換のアルキリデン基、シクロアルキリデン基、あるいは酸素原子、硫黄原子、あるいは置換または非置換のアミノ基を示す。Ar1 、Ar3 、Ar4 、Ar5 は置換又は非置換のアリーレン基を示す。Ar2 、Ar6 は置換又は非置換のアリール基を示す。X、Yは下記一般式(2)で示されるような置換基を示す。
【0017】
【化4】
【0018】
ここで、Ar7 、Ar8 は置換又は非置換のアリール基を示す。R1 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換又は非置換のアミノ基、又は置換基を有しても良い炭素数1〜6の低級アルキル基を示す。)
Ar7 及びAr8 のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0019】
R1 のアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等、アルコキシン基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、プトキシ基等、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、沃素原子等が挙げられる。
【0020】
Aのアルキリデン基としては、メチリデン、2.2−プロピリデン、2−メチルプロピリデン基、シクロアルキリデン基としては、シクロヘキシリデン基、4−tert−ブチルシクロヘキシリデン基等、アミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基が挙げられる。
【0021】
Ar1 、Ar2 、Ar3 、Ar4 、Ar5 、Ar6 のアリール又はアリーレン基としては、フェニル、ナフチル、アンスリル、フェニレン、ナフチレン、アンスレン等が挙げられる。
【0022】
本発明の有機薄膜EL素子に適用できる一般式(1)の化合物の例を表1〜表26に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】
【表8】
【0031】
【表9】
【0032】
【表10】
【0033】
【表11】
【0034】
【表12】
【0035】
【表13】
【0036】
【表14】
【0037】
【表15】
【0038】
【表16】
【0039】
【表17】
【0040】
【表18】
【0041】
【表19】
【0042】
【表20】
【0043】
【表21】
【0044】
【表22】
【0045】
【表23】
【0046】
【表24】
【0047】
【表25】
【0048】
【表26】
【0049】
本発明において、更に好ましくは、発光層に接する前記励起子ブロッキング層が、10nm以下の膜厚であり、前記励起子ブロッキング層の励起エネルギーは隣接する発光層の励起エネルギーよりも大きいことが好ましい。更に好ましくは、陽極に接する前記正孔注入層が、20 nm以下の膜厚であることが好ましい。
【0050】
本発明の有機薄膜EL素子に用いる、前記一般式(1)で示される正孔輸送材料を含有する正孔輸送層は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)あるいは溶媒に溶かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法による公知の方法で形成することができる。また、本発明においては、正孔輸送層として、一般式(1)で示される化合物に既知の正孔輸送材料を混合することも可能である。既知の正孔輸送材料としては特に限定されないが、例えばトリフェニルジアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ポルフィリン誘導体、スチルベン誘導体、アリールアミン誘導体などを用いることができる。更に本発明においては、正孔輸送層として一般式(1)で示される化合物を既知の高分子を媒体として、これに分散した層として用いることもできる。前記高分子としては、正孔輸送性を極度に阻害しないものが望ましく、例えば、ポリ−(N−ビニルカルバゾール)、ポリカーボネート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン系重合体、ポリシリレン系重合体、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレンなどが適用できる。
【0051】
本発明では、発光効率を上げるため、前記正孔輸送層と発光層の間に励起子ブロッキング層を設けることが必要である。前記励起子ブロッキング層は、TPD等を用いることができるが、城田らの系ではTPDは発光層への正孔の注入効率の向上を達成するために用いられたが、本発明で導入する前記励起子ブロッキング層は、発光層内で生成した励起子の閉じ込めを担っている。従って、本発明の励起子ブロッキング層は、城田らの系で導入された正孔輸送層(TPD)とは、本質的に役割が異なるものである。
【0052】
前記励起子ブロッキング層に接する化合物は、極度に正孔の注入特性を阻害するものでなければ特に限定されるものではないが、励起エネルギーが隣接する発光層材料のそれよりも大きいことが望ましい。また、不必要に膜厚を大きくすることは、発光の駆動電圧を大きくするので、前記励起子ブロッキング層の厚さは10nm以下であることが望ましい。本発明において励起子ブロッキング層として適用できる化合物としては、発光効率を低減させない範囲で、例えば公知のトリフェニルジアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、ブタジエン誘導体、スチリル誘導体、ピラリゾン誘導体、ベンジジン誘導体などが挙げられる。
【0053】
更に、本発明においては正孔輸送層と陽極の間に正孔注入層を設けることも有効である。正孔注入層は陽極からの安定な正孔注入を達成すべく導入するものであるが、有機薄膜層と陽極の密着性を保持する役目を担う必要がある。不必要に膜厚を大きくすることは、発光の駆動電圧を大きくしたり、薄膜表面に不均一発光を招く凹凸をもたらす可能性があり、前記正孔注入層は30nm以下の膜厚が望ましい。本発明において適用できる正孔注入層は例えば“色素ハンドブック:講談社’86年”に記載されているスピロ化合物、アゾ化合物、キノン化合物、インジゴ化合物、ジフェニルメタン化合物、キナクリドン化合物、ポリメチル化合物、アクリジン化合物、ポルフィリン化合物等の縮合多環系の色素が適用できる。また、芳香族アミン等の“オーガニック セミコンダクターズ:フェルラックケミエ社’74年(ORGANIC SEMICONDUCTORS:VERLAG CHEMIE’74)”に記載されている低分子有機P型半導体も適用できる。
【0054】
本発明において、有機薄膜EL素子の発光層材料は特に限定されず、公知の発光材料を適用できる。例えば、8−ヒドロキシキノリノール及びその誘導体の金属錯体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ジスチリルアリール誘導体、クマリン系誘導体、キナクリドン誘導体、ペリレン系誘導体、ポリメチン系誘導体、アントラセン誘導体、ポリビニルカルバゾールなどが挙げられる。
【0055】
本発明においては必要に応じて電子輸送帯を発光層と陰極の間に設けても良い。電子輸送材料は特に限定されるものではないが、8−ヒドロキシキノリノール及びその誘導体、オキシジアゾール誘導体、ジフェニルキノン誘導体などの適用が可能である。
【0056】
有機薄膜EL素子の陽極は、正孔を正孔輸送帯に注入する役割を担うものであり、4.5eV以上の仕事関数を有することが効果的である。陽極材料の具体例としては、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、金、銀、白金、銅等が適用できる。陰極としては、電子輸送帯又は発光層に電子を注入する目的で、仕事関数の小さい材料が好ましく、特に限定されないが、具体的にはインジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−スカンジウム−リチウム合金等が使用できる。尚、素子を酸素や湿気から守る目的で、金属酸化物、金属硫化物、金属沸化物等から形成される封止層を設けることも有効である。
【0057】
【実施例】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0058】
(実施例1)実施例1に用いた素子の断面構造を図1に示す。以下に本発明の実施例1に用いる有機薄膜EL素子の作成手順について説明する。素子は陽極/正孔輸送層/励起子ブロッキング層/発光層/陰極により構成されている。ガラス基板上にITOをスパッタリングによってシート抵抗が20Ω/□になるように製膜し、陽極とした。その上に正孔輸送層として、化合物2をMBE法を用いて5.8×10-9Torr真空下、30nm形成した。次に、励起子ブロッキング層として、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミンをMBE法にて6.5×10-9Torr真空下、5nm形成した。更に、発光層として、トリス(8−ヒドロキシキノリノールアルミニウム)をMBE法にて9×10-9Torr真空下、75nm形成した。
【0059】
次に陰極としてスカンジウムが1モル%含まれるアルミニウム合金をアルゴンガス中でRFスパッタ法で蒸発し、リチウムを抵抗加熱源から蒸発させる方法でリチウムが陰極の0.3モル%を占めるように20nm形成した。更に、陰極の保護層としてスカンジウムが1モル%含まれるアルミニウム合金をアルゴンガス中のRFスパッタ法により300nm形成した。
【0060】
この素子の発光特性を乾燥空気中で測定した。図3に示すように、本実施例における電流密度−輝度特性は、比較例1と比べて同じ輝度において電流密度が小さい。これは、本発明の正孔輸送帯を適用したことで発光効率が向上したことを示唆するものである。図4に示すように、定電流駆動で初期輝度300cd/m2 における、輝度の半減時間は380時間であり、比較例1と比べ寿命特性が向上していることがわかる。これは、本発明の正孔輸送帯を適用したことで、駆動による正孔輸送帯の安定性が向上したことを示唆するものである。
【0061】
本実施例では、励起子ブロッキング層を設けてあるが、励起子ブロッキング層が存在しない比較例5の素子と比較しても、発光効率及び寿命特性が大幅に改善されている。
【0062】
結果を表27に示す。比較例1及び比較例5と比べ本発明の有機薄膜EL素子の正孔輸送帯の効果による基本特性の向上がみられた。
【0063】
【表27】
【0064】
(実施例2〜20)
上記実施例1で使用した化合物No.2の代わりに下記表28に示す化合物を用いた以外は実施例1と同様にして有機薄膜EL素子を作成し評価した。
【0065】
【表28】
【0066】
(比較例1)以下に比較例1の有機薄膜EL素子について説明する。ガラス基板上にITOをスパッタリングによってシート抵抗が20Ω/□になるように製膜し、陽極とした。その上に正孔輸送層として、1,1−ビス−(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)シクロヘキサンをMBE法にて4.5×10-9Torr真空下、30nm形成した。次に、励起子ブロッキング層として、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミンをMBE法にて5.6×10-9Torr真空下、5nm形成した。更に、発光層として、トリス(8−ヒドロキシキノリノールアルミニウム)をMBE法にて9×10-9Torr真空下、75nm形成した。
【0067】
次に陰極としてスカンジウムが1モル%含まれるアルミニウム合金をアルゴンガス中でRFスパッタ法で蒸発し、リチウムを抵抗加熱源から蒸発させる方法でリチウムが陰極の0.3モル%を占めるように20nm形成した。更に、陰極の保護層としてスカンジウムが1モル%含まれるアルミニウム合金をアルゴンガス中のRFスパッタ法により300nm形成した。
【0068】
この素子の発光特性を乾燥空気中で測定した。図3に示すように、本比較例における電流密度−輝度特性は、実施例1と比べて同じ輝度において電流密度が大きい。また、図4に示すように、本比較例における寿命特性は、実施例1と比べて半減時間が短い。
【0069】
結果を表29に示す。
【0070】
【表29】
【0071】
(実施例21)実施例21に用いた素子の断面構造を図2に示す。以下に実施例21の有機薄膜EL素子について説明する。素子は陽極/正孔注入層/正孔輸送層/励起子ブロッキング層/発光層/陰極により構成されている。ガラス基板上にITOをスパッタリングによってシート抵抗が20Ω/□になるように製膜し、陽極とした。その上に正孔注入層として、チタニウムフタロシアニンオキシドをMBE法によって2×10-8Torr真空下、5nm形成した。次に、正孔輸送層として、化合物2をMBE法を用いて5.8×10-9Torr真空下、30nm形成した。次に、励起子ブロッキング層として、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミンをMBE法にて6.5×10-9Torr真空下、5nm形成した。更に、発光層として、トリス(8−ヒドロキシキノリノールアルミニウム)をMBE法にて9×10-9Torr真空下、75nm形成した。
【0072】
次に陰極としてスカンジウムが1モル%含まれるアルミニウム合金をアルゴンガス中でRFスパッタ法で蒸発し、リチウムを抵抗加熱源から蒸発させる方法でリチウムが陰極の0.3モル%を占めるように20nm形成した。更に、陰極の保護層としてスカンジウムが1モル%含まれるアルミニウム合金をアルゴンガス中のRFスパッタ法により300nm形成した。
【0073】
この素子の発光特性を乾燥空気中で測定した。図5に示すように、本実施例における電流密度−輝度特性は、比較例2と比べて同じ輝度において電流密度が小さい。これは、本発明の正孔輸送帯を適用したことで発光効率が向上したことを示唆するものである。図6に示すように、定電流駆動で初期輝度300cd/m2 における、輝度の半減時間は510時間であり、比較例2と比べて寿命特性が向上していることがわかる。これは、本発明の正孔輸送帯を適用したことで、駆動による正孔輸送帯の安定性が向上したことを示唆するものである。
【0074】
結果を表30に示す。比較例2と比べ本発明の有機薄膜EL素子の正孔輸送帯の効果による基本特性の向上がみられた。
【0075】
【表30】
【0076】
(実施例22〜41)
上記実施例21で使用した化合物No.2の代わりに下記表31に示す化合物を用いた以外は実施例21と同様にして有機薄膜EL素子を作成し評価した。
【0077】
【表31】
【0078】
(比較例2)
以下に比較例2の有機薄膜EL素子について説明する。ガラス基板上にITOをスパッタリングによってシート抵抗が20Ω/□になるように製膜し、陽極とした。その上に正孔注入層として、チタニウムフタロシアニンオキシドをMBE法によって2×10-8Torr真空下、5nm形成した。次に、正孔輸送層として、1,1−ビス−(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)シクロヘキサンをMBE法を用いて5.8×10-9Torr真空下、30nm形成した。次に、ブロッキング層として、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミンをMBE法にて6.5×10-9Torr真空下、5nm形成した。更に、発光層として、トリス(8−ヒドロキシキノリノールアルミニウム)をMBE法にて9×10-9Torr真空下、75nm形成した。
【0079】
次に陰極としてスカンジウムが1モル%含まれるアルミニウム合金をアルゴンガス中でRFスパッタ法で蒸発し、リチウムを抵抗加熱源から蒸発させる方法でリチウムが陰極の0.3モル%を占めるように20nm形成した。更に、陰極の保護層としてスカンジウムが1モル%含まれるアルミニウム合金をアルゴンガス中のRFスパッタ法により300nm形成した。
【0080】
この素子の発光特性を乾燥空気中で測定した。図5に示すように、本比較例における電流密度−輝度特性は、実施例21と比べて同じ輝度において電流密度が大きい。また、図6に示すように、本比較例における寿命特性は、実施例21と比べて半減時間が短い。
【0081】
結果を表32に示す。
【0082】
【表32】
【0083】
(実施例42)
実施例42においては、本発明の正孔輸送帯を適用した有機薄膜EL素子を用いて、マトリクス型有機薄膜ELデバイスを作成した。図7及び図8は有機薄膜EL素子に逆スタガ型のa−SiTFTを適用し、ガラス基板上に有機薄膜EL素子を駆動する回路を作成した場合の実施例42の平面図及び断面図である。以下、図7及び図8を用いて実施例42の作成手順について述べる。
【0084】
はじめに、ガラス基板上にCrを200nm成長し、走査電極線3N 及び3N+1 、電荷保持容量Cの一方の電極、スイッチングトランジスタのゲート電極GQS、電流制御トランジスタのゲート電極GQIをパターニングし、更にゲート絶縁膜としてSiO2 を400nm成長した後、第一コンタクトホール56Aを開ける。
【0085】
次にSiO2 上にTFTのアイランドを形成するためのイントリンジックアモルファスシリコン(i−a−Si)、オーミックコンタクトを取るためのn+ アモルファスシリコン(n+ −a−Si)をそれぞれ300nm及び50nm成長し、パターニングしてアイランドを形成する。このアイランドは、後にTFT(電流制御用トランジスタQI 及びスイッチングトランジスタQS )のチャネル部が形成される部分である。
【0086】
次にCrを100nm堆積し、パターニングして信号線1M 、電流制御用トランジスタQI のソース電極SQI及びドレイン電極DQI、スイッチングトランジスタQS のドレイン電極及びソース電極、電荷保持容量Cのもう一方の電極を形成する。更に、電流制御用及びスイッチングの各TFTのアイランドのi−a−Si及びn+ −a−Siを、各TFTのソース電極及びドレイン電極用のCrをマスクとしてi−aーSiの途中までエッチングし、各TFTのチャネル部を形成する。
【0087】
次に、SiO2 を200nm成長し、電流制御用トランジスタQI のソース電極SQIとこの後の工程で成長される陰極(有機薄膜EL素子の一方の電極)55とを接続するための第2コンタクトホール56Bをエッチングして開ける。
【0088】
次に、スパッタ法によってITOを150nm形成する。ITOは更に、リフトオフ法によってパターニングして有機薄膜EL素子の陽極を形成する。このようにして1画素が100×300μm 2 サイズで400×640画素数のパネルが作られる。
【0089】
次にこのようにして作られたパネル上に有機薄膜層を形成する。本実施例に用いる有機薄膜EL素子の有機薄膜層52は陽極側から正孔輸送帯である正孔注入層52A、正孔輸送層52B、励起子ブロッキング層52C、及び発光層52Dよりなっている。上記のパネル上に正孔注入層52Aとして、チタニウムフタロシアニンオキシドをMBE法によって20nm形成した。次に、正孔輸送層をディッピング法にて形成する。正孔輸送層の材料は以下のようにして作成した。化合物2とポリ−(N−ビニルカルバゾール)が重量比で1:1になるようにジクロロメタンに溶解し、化合物2が1%含まれるジクロロメタン溶液を作成した。この溶液からディップコーターを用いて正孔輸送層を55nm形成する。次に、励起子ブロッキング層として、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミンをMBE法にて6.5×10-9Torr真空下、10nm形成した。更に、発光層として、トリス(8−ヒドロキシキノリノールアルミニウム)と3,9−ペリレンジカルボン酸ジフェニルエステルとを各々別の蒸着源からの共蒸着法によって3,9−ペリレンジカルボン酸ジフェニルエステルが発光層の1.4モル%含まれるように90nm形成した。
【0090】
次に、陰極としてスカンジウムが1モル%含まれるアルミニウム合金をアルゴンガス中でRFスパッタ法にて蒸発させ、リチウムを抵抗加熱源から蒸発させる方法でリチウムが陰極の0.3モル%を占めるように30nm形成した。更に、シリコンが1モル%、更に銅が1.5モル%含まれるアルミニウム合金をアルゴンガス中でRFスパッタ法にて陰極保護層として300nm形成した。
【0091】
このようにして、本発明の正孔輸送帯が含まれるTFT駆動のマトリクス型有機ELデバイスが完成する。
【0092】
次に、上述したマトリクス型有機薄膜ELデバイスの動作を図9を用いて説明する。図9において、いま、走査電極線3N+1 が選択されスイッチングトランジスタQS がオン状態になると、M列目の信号電極線1M の電圧がスイッチングトランジスタQS を通して電荷保持用容量Cに供給される。走査電極線3N+1 が非選択の状態になるとスイッチングトランジスタQS がオフになって、信号線1M の電圧が電荷保持用容量Cに保持される。容量Cの端子電圧は電流制御用トランジスタQI のゲート・ソース間に印加され、トランジスタQI のゲート電圧・ドレイン電流特性に応じた電流が、電源電極5→有機薄膜EL素子→トランジスタQI →走査電極線3N という経路で流れ、有機薄膜EL素子が発光する。この時、有機薄膜EL素子の輝度と容量Cに印加する電圧との関係が分かっていれば、所定の輝度で有機薄膜EL素子を発光させることが可能である。
【0093】
本実施例において、有機薄膜EL素子の両端の電圧が8.5Vで駆動したところ、約380cd/m2 の輝度を示した。
【0094】
本実施例のマトリクス型有機薄膜ELデバイスの全画素を発光させて、寿命試験を行った。平均輝度100cd/m2 の初期輝度に対する半減時間は460時間であった。比較例3のマトリクス型有機薄膜ELデバイスの場合が、280時間であるから約1.6倍寿命特性が改善されている。画素欠陥部(非発光領域)の割合は初期が約10%であったが、460時間後には20%まで増加したが、比較例3における割合よりも大幅に改善されている。
【0095】
以上の結果は、本発明の正孔注入帯を適用することで、従来より駆動安定性に優れたマトリクス型有機薄膜ELデバイスが得られることを示唆するものである。
【0096】
尚、本実施例42においては、有機薄膜EL素子はTFT上に陽極、正孔注入層、正孔輸送層、励起子ブロッキング層、発光層、陰極の順に形成し、光をTFTのガラス基板を通して取り出す方法を用いたが、TFT上に陰極、発光層、励起子ブロッキング層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に形成し、光を陽極を通して取り出す方法を用いても良い。
【0097】
(比較例3)
化合物2の代わりに1,1−ビス−(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)シクロヘキサンとポリ−(N−ビニルカルバゾール)が重量比で1:1になるようにジクロロメタンに溶解し、1,1−ビス−(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)シクロヘキサンが1%含まれるジクロロメタン溶液を作成し、この溶液からディップコーターを用いて正孔輸送層を55nm形成する以外、実施例42と同様のTFT駆動のマトリクス型有機薄膜ELデバイスを作成した。
【0098】
本比較例において、有機薄膜EL素子の両端の電圧を8.5Vで駆動したところ、約290cd/m2 の輝度を示した。全画素を発光させて、寿命試験を行ったところ、平均輝度100cd/m2 の初期輝度に対する半減時間は280時間であった。画素欠陥部(非発光領域)の割合は初期が約15%であったが、280時間後には35%まで増加した。
【0099】
(実施例43)以下に本発明の実施例43に用いる有機薄膜EL素子の作成手順について説明する。素子は図2に示すように陽極/正孔注入層/正孔輸送層/励起子ブロッキング層/発光層/陰極により構成されている。ガラス基板上にITOをスパッタリングによってシート抵抗が20Ω/□になるように製膜し、陽極とした。その上に正孔注入層としてキナクリドンをMBE法を用いて、6.5×10-9Torr真空下、5nm形成した。次に、正孔輸送層をディッピング法にて形成する。正孔輸送層の材料は以下のように作成した。化合物2とポリ−(N−ビニルカルバゾール)が重量比で1:1になるようにジクロロメタンに溶解し、化合物2が1%含まれるジクロロメタン溶液を作成した。この溶液からディップコーターを用いて正孔輸送層を55nm形成する。次に、励起子ブロッキング層として、1,1−ビス−(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)シクロヘキサンをMBE法を用いて5.8×10-9Torr真空下、5nm形成した。発光層として、トリス(8−ヒドロキシキノリノールアルミニウム)をMBE法にて9×10-9Torr真空下、75nm形成した。
【0100】
次に陰極としてスカンジウムが1モル%含まれるアルミニウム合金をアルゴンガス中でRFスパッタ法で蒸発し、リチウムを抵抗加熱源から蒸発させる方法でリチウムが陰極の0.3モル%を占めるように20nm形成した。更に、陰極の保護層としてスカンジウムが1モル%含まれるアルミニウム合金をアルゴンガス中のRFスパッタ法により300nm形成した。
【0101】
この素子の発光特性を乾燥空気中で測定した。本実施例において、100cd/m2 における電流密度は、2.94mA/cm2 であり、比較例4の場合より、電流密度が小さい。これは、本発明の正孔輸送帯を適用したことで発光効率が向上したことを示唆するものである。定電流駆動で初期輝度300cd/m2 での輝度の半減時間は、580時間であり、比較例4と比べて240時間長い。これは、本発明の正孔輸送帯を適用したことで、駆動による正孔輸送帯の安定性が向上したことを示唆するものである。
【0102】
(比較例4)
化合物2の代わりに1,1−ビス−(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)シクロヘキサンとポリ−(N−ビニルカルバゾール)が重量比で1:1になるようにジクロロメタンに溶解し、1,1−ビス−(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)シクロヘキサンが1%含まれるジクロロメタン溶液を作成し、この溶液からディップコーターを用いて正孔輸送層を55nm形成する以外、実施例42と同様の有機薄膜EL素子を作成した。
【0103】
この素子の発光特性を乾燥空気中で測定した。本比較例において、100cd/m2 における電流密度は、3.15mA/cm2 であり、実施例43の場合より、電流密度が大きい。定電流駆動で初期輝度300cd/m2 での輝度の半減時間は、340時間であり、実施例43と比べて240時間短い。
【0104】
(比較例5)以下に比較例5の有機薄膜EL素子について説明する。本比較例では励起子ブロッキング層は設けられていない。素子は陽極/正孔輸送層/発光層/陰極により構成されている。ガラス基板上にITOをスパッタリングによってシート抵抗が20Ω/□になるように製膜し、陽極とした。その上に正孔輸送層として、化合物2をMBE法を用いて5.8×10-9Torr真空下、30nm形成した。更に、発光層として、トリス(8−ヒドロキシキノリノールアルミニウム)をMBE法によって9×10-9Torr真空下、75nm形成した。
【0105】
次に陰極としてスカンジウムが1モル%含まれるアルミニウム合金をアルゴンガス中でRFスパッタ法で蒸発し、リチウムを抵抗加熱源から蒸発させる方法でリチウムが陰極の0.3モル%を占めるように20nm形成した。更に、陰極の保護層としてスカンジウムが1モル%含まれるアルミニウム合金をアルゴンガス中のRFスパッタ法により300nm形成した。
【0106】
この素子の発光特性を乾燥空気中で測定した。本比較例において、100cd/m2 における電流密度は、5.63mA/cm2 であり、実施例1の場合より、電流密度が大きい。定電流駆動で初期輝度300cd/m2 での輝度の半減時間は170時間であった。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の正孔輸送帯を有機薄膜EL素子に適用することで、有機薄膜EL素子やマトリクス型有機ELデバイスにおいて低電力性を有効に発揮しながら寿命特性など素子の駆動安定性を従来のものより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1から実施例20に用いた正孔輸送帯を有する有機薄膜EL素子の断面図である。
【図2】本発明の実施例21から実施例41及び実施例43に用いた正孔輸送帯を有する有機薄膜EL素子の説明図である。
【図3】本発明の実施例1及び比較例1の電流密度−輝度特性を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例1及び比較例1の寿命特性を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例21及び比較例2の電流密度−輝度特性を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例21及び比較例2の寿命特性を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例42に用いたマトリクス型有機薄膜ELデバイスを構成する画素を示す平面レイアウト図である。
【図8】図7の線A−Aに沿ったマトリクス型有機薄膜ELデバイスを構成する画素の断面図である。
【図9】本発明の実施例42に用いたマトリクス型有機薄膜ELデバイスを駆動する回路図である。
【符号の説明】
1M ,1M+1 信号電極線
3N-1 ,3N ,3N+1 走査電極線
5 電源電極
10 単位画素
11 基板
12 陽極
13 正孔輸送帯
13A 正孔注入層
13B 正孔輸送層
13C 励起子ブロッキング層
14 発光層
15 陰極
50 ガラス基板
52 有機薄膜層
52A 正孔注入層
52B 正孔輸送層
52C 励起子ブロッキング層
52D 発光層
54 陽極
55 陰極
56A,56B コンタクトホール
57 陰極保護層
Claims (1)
- 少なくとも一方が透明な一対の電極間に少なくとも正孔輸送帯域を有し、陽極に接する正孔注入層と前記正孔注入層に接する正孔輸送層と発光層に接する励起子ブロッキング層からなる有機薄膜EL素子において、前記正孔輸送層が下記一般式(1)で示されるビストリフェニルアミンスチリル誘導体を含有し、前記励起子ブロッキング層がN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミンよりなり、かつ前記正孔注入層の膜厚が20nm以下であることを特徴とする有機薄膜EL素子。
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