JP3757334B2 - 面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マトリクス表示方式の面放電型のPDP(PLASMA DISPLAY PANEL:プラズマ・ディスプレイ・パネル)の製造方法に関する。
【0002】
面放電型PDPは、主放電セルを画定する一対の表示電極を同一の基板上に隣接配置したPDPであり、蛍光体によるカラー表示に適することから、テレビジョン映像の表示が可能な薄型デバイスとして広く利用されている。また、ハイビジョン映像用の大画面表示デバイスとして有力視されている。このような状況の中で、高精細化と大画面化とに加えて、高コントラスト化による表示品位の向上が望まれている。
【0003】
【従来の技術】
図14は従来のPDP90の内部構造を示す要部断面図である。PDP90は、マトリクス表示方式の3電極構造の面放電型PDPであり、蛍光体の配置形態による分類の上で反射型と呼称されている。
【0004】
PDP90では、前面側のガラス基板11の内面に、基板面に沿った面放電を生じさせるための平行な一対の表示電極X,Yが、マトリクス表示のライン毎に一対ずつ配列されている。そして、これらの表示電極対X,Yを放電空間30に対して被覆するように、AC駆動のための誘電体層17が設けられている。誘電体層17の表面には保護膜18が蒸着されている。誘電体層17及び保護膜18はともに透光性を有している。
【0005】
表示電極対X,Yは、それぞれがITO薄膜からなる幅の広い直線状の透明電極41と金属薄膜(Cr/Cu/Cr)からなる幅の狭い直線状のバス電極42とから構成されている。バス電極42は、適正な導電性を確保するための補助電極であり、透明電極41における面放電ギャップから遠い側の端縁部に配置されている。このような電極構造を採用することにより、表示光のしゃ光を最小限に抑えつつ、面放電領域を拡げて発光効率を高めることができる。
【0006】
一方、背面側のガラス基板21の内面には、表示電極対X,Yと直交するようにアドレス電極Aが配列されている。そして、アドレス電極Aの上部を含めて、ガラス基板21を被覆するように、蛍光体層28が設けられている。アドレス電極Aと表示電極Yとの間の対向放電によって、誘電体層17における壁電荷の蓄積状態が制御される。蛍光体層28は、面放電で生じた紫外線UVによって局部的に励起されて所定色の可視光を放つ。この可視光の内、ガラス基板11を透過する光が表示光となる。
【0007】
さて、各ラインにおける表示電極Xと表示電極Yとの間げきS1は「放電スリット」と呼称され、この放電スリットS1の幅(表示電極対X,Yの配列方向の寸法)w1は100〜200ボルト程度の駆動電圧の印加で面放電が生じるように選定されている。これに対して、隣接するラインの間における表示電極Xと表示電極Yとの間げきS2は「逆スリット」と呼称され、この逆スリットS2の幅w2は放電スリットS1の幅w1よりも十分に大きい値に選定されている。すなわち、逆スリットS2を隔てて並ぶ表示電極対X,Yの間での放電が防止されている。このように放電スリットS1及び逆スリットS2を設けて表示電極X,Yを配列することにより、各ラインを選択的に発光させることができる。従って、表示画面の内の逆スリットS2に対応する部分は非発光領域又は非表示領域となり、スリットS1の部分は発光領域又は表示領域となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のパネル構造は、前面側から逆スリットS2を通して非発光状態の蛍光体層28が見える構造であった。非発光状態の蛍光体層28は白色又は淡い灰色などの白っぽい色である。そのために特に明るい場所で使用したときに、外光が蛍光体層28で散乱してライン間の非発光領域が白っぽくなり、表示のコントラストが損なわれていた。
【0009】
なお、カラー表示用のPDPのコントラストを高める方法として、前面側の基板の外面に蛍光体の発光色に対応した半透明の塗料を塗って色フィルタを設ける方法、PDPの前面に別途に作製したフィルタを配置する方法、誘電体層17をR,G,Bに色分けして着色する方法が提案されている。
【0010】
しかし、微小の画素に対応させて各色の塗料を塗ることは極めて困難である。別体のフィルタを前面に配置した場合は、PDPとフィルタとの間のすき間に起因する表示画像の歪みが生じる。また、誘電体層17を色分けする場合は、色毎に着色材(顔料)が異なることから、色分けによって誘電率の一様性が損なわれて放電特性が不安定になる。加えて、誘電体層の色分けは、塗料の塗り分けと同様に位置合わせが困難である。
【0011】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、ライン間の非発光領域を目立たなくして表示のコントラストを高めることを目的としている。
【0012】
更に、本発明は、表示ライン間の非発光領域に黒色顔料を含むしゃ光膜を形成するに最適な構造の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面は、放電空間を介して対向配置された一対の基板を有し、一方の前面基板上に、表示ラインに対応した複数の表示電極対と、隣接する各表示電極対の間に設けられた帯状遮光膜と、前記表示電極対と帯状遮光膜とを覆う誘電体層とが形成され、前記背面基板上に該表示電極対と交差する方向の複数のアドレス電極が形成された面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法であって、
前記前面基板の上に、前記表示電極対と前記遮光膜とを形成した後に、前記誘電体層を形成するために誘電体材料を塗布して焼成する作業を2回行い、1回目の塗布の厚さを2回目よりも小さい値に選定することを特徴とする面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法である。
【0014】
表示画面内のライン間の表示電極の間げき(以下「逆スリット」という)に対応した領域は非発光領域である。この非発光領域毎に遮光膜が配置される。個々の遮光膜の平面パターンは帯状であるので、表示画面の全体において、ストライプ状(縞状)の遮光パターンが形成される。遮光膜は逆スリットを透過しようとする可視光をさえぎる。これにより、外光及び各ラインの漏れ光によって非発光領域が明るく見える現象が防止され、表示のコントラストが高まる。
【0015】
かかる遮光膜を逆スリット領域に形成して、その上に誘電体材料を塗布して小生する場合、1回目の焼成時の誘電体材料を薄くすることにより、焼成中における誘電体材料の軟化にともなう遮光膜の流動を最小限に抑えることができ、遮光膜が表示電極を覆うように不要に拡がるのを防止することができる。
【0016】
本発明の第2の側面は、放電空間を介して対向配置された一対の基板を有し、一方の前面基板上に、表示ラインに対応した複数の表示電極対と、隣接する各表示電極対の間に設けられた帯状遮光膜と、前記表示電極対と帯状遮光膜とを覆う誘電体層とが形成され、前記背面基板上に該表示電極対と交差する方向の複数のアドレス電極が形成された面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法であって、
前記前面基板の上に、前記表示電極対と前記遮光膜とを形成した後に、前記誘電体層を形成するために誘電体材料を塗布して焼成する作業を2回行い、1回目の焼成温度を誘電体材料の軟化温度よりも低い温度に選定することを特徴とする面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法である。
【0017】
上記の発明では、焼成温度が軟化温度より低くすることによっても、遮光膜が表示電極を覆うように不要に拡がるのを防止することができる。
【0018】
本発明の第3の側面は、前面基板上に、面放電のための放電スリットを隔てて配置した表示電極対をそれぞれ放電しない所定の逆スリットを隔てて複数対配置し、背面基板上に、前記表示電極対と交差する複数のアドレス電極および複数のストライプ状蛍光体を備えてなる3電極形式の面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネルであって、前記各表示電極対は、透明電極と当該透明電極における前記逆スリット部に近い側の端縁部に重なる金属電極とからなり、前記前面基板の隣接する表示電極対間の前記逆スリット部に、帯状の絶縁性遮光膜を、前記逆スリット部の両側の前記金属電極と重なるように設けた面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法において、
前面側の前記基板の上に遮光材料膜を成膜してパターニングし、前記遮光膜を形成する工程と、
前記遮光膜を有した前面側の前記基板の上に透明導電膜を成膜してパターニングし、前記遮光膜と部分的に重なるように前記透明電極を形成する工程と、
前記遮光膜と前記透明電極とを覆うように、露光によって非溶化する感光材料を塗布し、前面側の前記基板の裏面側から前記感光材料に対して全面露光を行い、前記感光材料を現像して前記遮光膜の間にレジスト層を形成する工程と、
前記透明電極の露出部分の上に、めっき法によって選択的に金属膜を設けて前記金属電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とする面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法である。
【0019】
上記の発明によれば、遮光膜と金属電極とのアライメントがセルフアライメントになり、遮光膜を確実に表示電極対の金属電極に重ねることができる。
【0020】
本発明の第4の側面は、放電空間を介して対向配置された一対の基板を有し、一方の前面基板上に、表示ラインに対応した複数の表示電極対と、隣接する各表示電極対の間に設けられた帯状遮光膜と、前記表示電極対と帯状遮光膜とを覆う誘電体層とが形成され、前記背面基板上に該表示電極対と交差する方向の複数のアドレス電極が形成された面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法において、
前記誘電体層を形成する工程が、焼成温度で第一の粘性を有する第一の誘電体ペーストを形成して焼成し、更に焼成温度で該第一の粘性より低い第二の粘性を有する第二の誘電体ペーストを形成して焼成する工程を有することを特徴とするプラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法である。
【0021】
上記の発明におけるより好ましい実施例は、暗色の顔料を含有する膜が、感光材料からなり、前記誘電体ペースト膜と一緒に焼成されることを特徴をするプラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法である。
【0022】
上記の発明におけるより好ましい別の実施例は、該暗色の顔料を含有する膜が、更に酸化剤を含有していることを特徴とするプラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るPDP1の基本構造を示す斜視図である。なお、図1においては図14と対応する構成要素には形状及び材質の差異に係わらず同一の符号を付してある。以下の他の図についても同様である。
【0024】
PDP1は、従来のPDP90と同様に反射型と呼称されるマトリクス表示方式の3電極構造の面放電型PDPである。外観形状は、放電空間30を挟んで対向する一対のガラス基板11,21によって形作られており、これらのガラス基板11,21は、互いの対向領域の周縁部に設けられた低融点ガラスからなる図示しない枠状のシール層によって接合されている。
【0025】
前面側のガラス基板11の内面には、基板面に沿った面放電を生じさせるための平行した一対の直線状の表示電極X,Yが、マトリクス表示のラインL毎に一対ずつ配列されている。ラインピッチは例えば660μmである。
【0026】
表示電極対X,Yは、それぞれがITO薄膜からなる幅の広い直線状の透明電極41と多層構造の金属薄膜からなる幅の狭い直線状のバス電極42とから構成されている。透明電極41及びバス電極42の寸法の具体例は、透明電極41が厚さ0.1μm、幅180μm、バス電極42が厚さ1μm、幅60μmである。
【0027】
バス電極42は、適正な導電性を確保するための補助電極であり、透明電極41における面放電ギャップから遠い側の端縁部に配置されている。
【0028】
PDP1では、表示電極対X,Yを放電空間30に対して被覆するように、AC駆動のための誘電体層(PbO系低融点ガラス層)17が設けられている。そして、誘電体層17の表面にはMgO(酸化マグネシウム)からなる保護膜18が蒸着されている。誘電体層17の厚さは約30μmであり、保護膜18の厚さは約5000・である。
【0029】
一方、背面側のガラス基板21の内面は、ZnO系低融点ガラスからなる厚さ10μm程度の下地層22で一様に被覆されている。そして、下地層22の上に、表示電極対X,Yと直交するように一定ピッチ(220μm)でアドレス電極Aが配列されている。アドレス電極Aは銀ペーストの焼成によって形成され、その厚さは約10μmである。下地層22は、アドレス電極Aのエレクトロマイグレーションを防止する。
【0030】
アドレス電極Aと表示電極Yとの間の対向放電によって、誘電体層17における壁電荷の蓄積状態が制御される。アドレス電極Aも下地層22と同じ組成の低融点ガラスからなる誘電体層24で被覆されている。アドレス電極Aの上部における誘電体層24の厚さは10μm程度である。
【0031】
誘電体層24の上には、高さが約150μmの平面視で直線状の複数の隔壁29が、各アドレス電極Aの間に1つずつ設けられている。そして、アドレス電極Aの上部を含めて、誘電体24の表面及び隔壁29の側面を被覆するように、フルカラー表示のためのR(赤),G(緑),B(青)の3原色の蛍光体層28R,28B,28C(以下、特に色を区別する必要がないときは蛍光体層28と記述する)が設けられている。これらの蛍光体層28は、面放電で生じた紫外線によって励起されて発光する。
【0032】
隔壁29によって放電空間30がライン方向(表示電極対X,Yと平行な画素配列方向)に単位発光領域毎に区画され、且つ放電空間30の間げき寸法が規定されている。PDP1では、マトリクス表示の列方向(表示電極対X,Yの配列方向)に放電空間30を区画する隔壁は存在しない。しかし、表示電極対X,Yを有する表示ラインLの間隔(逆スリットの幅)が100〜400μmに選定され、各ラインLにおける50μm程度の面放電ギャップ(放電スリットの幅)に比べて十分に大きいので、ライン間の放電の干渉は起きない。
【0033】
PDP1において、表示の1画素(ピクセル)は、各ラインL内の隣接する3つの単位発光領域(サブピクセル)で構成される。同一の列における各ラインLの発光色は同一であり、各色の蛍光体層28R,28B,28Cは列内で連続するようにスクリーン印刷によって設けられている。スクリーン印刷は生産性に優れている。列内で蛍光体層28が連続する場合は、ラインL毎に分断させて配置する場合に比べて各サブピクセルの蛍光体層28の厚さの均一化が容易である。
【0034】
図2はPDP1の要部の断面図、図3はしゃ光膜45の平面図である。図2のように、PDP1においては、ガラス基板11の内面と直接に接するように、可視光をさえぎる(遮る)しゃ光膜45が逆スリットS2毎に設けられている。各しゃ光膜45は、図3のように、ライン方向に延びる帯状にパターニングされており、隣接したラインLの間の表示電極X,Yで挟まれた領域と重なるように配置されている。これらの互いに離れたしゃ光膜45によって、表示画面の全体ではストライプ状(縞状)のしゃ光パターンが形成され、ラインL間で蛍光体層28が隠れて表示のコントラストが高まる。ストライプパターンによれば、サブピクセル又はピクセルを囲むマトリクスパターンとは違って、ライン方向の位置ずれの心配がないので、PDP1の製造における両ガラス基板11,21の位置合わせが容易になる。
【0035】
なお、前に述べた隔壁29の少なくとも頂部を前記しゃ光膜と同様な暗色に形成しておくのが望ましい。こうすると、互いに交差する方向の隔壁としゃ光膜とで格子状の暗色パターンが形成されるので、各サブピクセルの輪郭は明瞭になる。具体的には隔壁の材料にクロム(Cr)などの黒色材を混入させて全体が暗色の隔壁を形成する。
【0036】
図4はPDP1の前面側部分の製造方法を示す図である。PDP1は、ガラス基板11とガラス基板21とについて別個に所定の構成要素を設け、その後に両ガラス基板11,21を対向配置して周縁部を接合することによって製造される。
【0037】
前面側の製造に際しては、まず、ガラス基板11の表面にスパッタリングによって暗色の絶縁材料を堆積させて、金属電極42よりも表面反射率の小さい絶縁膜(図示せず)を形成する。絶縁材料としては、酸化クロム(CrO)、酸化珪素(SiO)などを用いることができる。絶縁膜の厚さは透明電極41の段差を軽減する上で1μm以下が好ましい。次に、絶縁膜を第1の露光マスクを使用するフォトリソグラフィによってパターニングし、上述の複数のしゃ光膜45を一括に形成する〔図4(a)〕。
【0038】
続いて、しゃ光膜45を有したガラス基板11の上にITO膜を成膜し、第2の露光マスクを使用するフォトリソグラフィによってパターニングし、しゃ光膜45と部分的に重なるように透明電極41を形成する〔図4(b)〕。
【0039】
しゃ光膜45と透明電極41とを覆うように、紫外線露光によって非溶化するネガ型の感光材料61を塗布し、ガラス基板11の裏面側から感光材料に対して全面露光を行う〔図4(c)〕。そして、感光材料を現像してしゃ光膜45どうしの間の領域のみを覆うレジスト層62を形成する〔図4(d)〕。
【0040】
次に、透明電極41の露出部分の上に、選択めっきによって例えばニッケル/銅/ニッケルの複層構造の金属電極42を形成する〔図4(e)〕。
【0041】
その後、レジスト層62を除去し、誘電体層17及び保護膜18を順に形成して前面側の製造を終える〔図4(f)〕。
【0042】
以上の前面側の製造において、必要な露光マスクの数は従来のPDP90を製造する場合と同数の「2」であり(図4(a)と(b))、露光マスクのアライメント数も従来と同数の「1」である。つまり、図4の製造方法によれば、アライメントずれに係わる歩留りを低下させることなくしゃ光膜45を設けることができる。
【0043】
図5は、本発明の第2の実施の形態にかかるPDP2の要部の断面図であり、放電空間の前面側の部分の構造を示している。PDP2では、前面側のガラス基板11の内面に逆スリットS2と同一の幅のしゃ光膜46が設けられている。しゃ光膜46も、図3のしゃ光膜45と同様に平面視においてライン方向に延びる帯状であり、ストライプ状のしゃ光パターンを構成する。
【0044】
PDP2の製造に際しては、ガラス基板11の上に表示電極対X,Yを形成した後、例えば酸化鉄又は酸化コバルトなどの600℃以上の耐熱性を有した黒色顔料を逆スリット領域S2に印刷してしゃ光膜46を形成する。そして、低融点ガラスを500〜600℃の温度で焼成して誘電体層17を形成する。
【0045】
しゃ光膜46の厚さとしては、誘電体層17の表面の平坦性を確保する上で、各表示電極の厚さ以下が望ましい。また、誘電体層17を2層構造とし、各層毎に焼成を行うのが望ましい。すなわち、まず低融点ガラスペーストを比較的に薄く塗布して焼成し、下側誘電体層17aを形成する。その後、再び低融点ガラスペーストを必要な厚さの誘電体層17が得られるように塗布して焼成し、上側誘電体層17bを形成する。しゃ光膜46と接する下側誘電体層17aを薄くすることにより、焼成時における低融点ガラスの軟化に伴う黒色顔料の流動を低減することができ、しゃ光膜46が不要に拡がることによる輝度の低下を防止することができる。下側誘電体層17aの厚さをしゃ光膜46の幅の1/10以下に選定すれば、実質的に顔料の流動の影響が現れない。
【0046】
なお、下側誘電体層17aの焼成温度を低融点ガラスの軟化温度より低い温度にすることによっても、しゃ光膜46の不要の拡がりを防止することができる。その場合には、下側誘電体層17a及び上側誘電体層17bの厚さを同一としてもよいし、上側誘電体層17bを下側誘電体層17aより薄くすることも可能である。
【0047】
図6は、本発明の第3の実施の形態にかかるPDP3の要部の断面図であり、放電空間の前面側の部分の構造を示している。PDP3では、誘電体層17の厚さ方向の中間部に、逆スリットS2毎にしゃ光膜47が配置されている。しゃ光膜47も、図3のしゃ光膜45と同様に平面視においてライン方向に延びる帯状であり、ストライプ状のしゃ光パターンを構成する。
【0048】
しゃ光膜47の幅w47は、逆スリットS2の幅w2より大きく、逆スリットS2を挟む金属電極42の放電スリットS1側の端縁間の幅w22より小さい。すなわち、各金属電極42の一部と重なるようにしゃ光膜47の平面寸法が選定されている。これにより、逆スリットS2と完全に重なり、且つライン内の透光部と重ならないようにしゃ光膜47を位置決めすることが容易となる。
【0049】
図7は、本発明の第4の実施の形態にかかるPDP4の要部断面図である。図2に示したしゃ光膜45は、X,Y電極41、42と前面側ガラス基板10との間に形成されていたが、図7に示した第4のPDPでは、X,Y電極41、42の間の逆スリットS2の領域内であって、X,Y電極41、42上に一部オーバーラップするようにしゃ光膜49が形成されている。かかる構造は、表示ライン領域Lの間の逆スリット領域を完全に覆う様にしゃ光膜49を形成している点では、図2の構造と類似するが、黒色顔料を含むしゃ光膜49をX,Y電極41、42を形成した後に形成するという製造プロセスの点で異なる。この製造プロセスについては後で詳細に説明する。
【0050】
図7に示したPDP4の構造では、しゃ光膜49がCr/Cu/Crの3層構造をなすバス電極42上で終端する様にオーバーラップしている点に意味がある。即ち、バス電極42は、透明電極41の高抵抗材料に対してより高い導電性を与える為に形成されるが、それ自体でしゃ光性を有している。従って、バス電極42上までオーバーラップしてしゃ光膜49が形成されれば、表示ライン領域L以外の部分が完全にしゃ光される。
【0051】
図8は、本発明の第5の実施の形態にかかるPDP5の要部断面図である。この構造では、しゃ光膜48がX,Y電極41、42の間に形成され且つしゃ光膜48はX,Y電極に接触することなく離間して設けられている。例えば、X,Y電極41、42の非表示領域部の距離が500μmの場合は(42インチPDPの例)、電極41、42と20μm程度離間される。かかる構成は、表示ライン領域Lの間を完全にしゃ閉する構造ではないが、製造プロセスの観点からすると好ましい。即ち、図7に示したPDP4の場合と同様に、X,Y電極41、42を形成した後にしゃ光膜48を形成することができ、しかもその上に形成される低融点ガラスからなる誘電体層17の焼成プロセスと一緒にしゃ光膜も焼成でき、その高温での焼成工程では、しゃ光膜48が電極41、42と接触していないので安定したプロセスを実現することができる。この点については後で詳細に説明する。
【0052】
また、図8のPDP5の構造では、しゃ光膜48を形成する時のアライメント(位置あわせ)に関し、しゃ光膜48の幅が非表示領域W22よりかなり狭いので、かなりの余裕をもってしゃ光膜48が表示ライン領域L上に重ならない様にアライメントを行うことができる。
【0053】
図9及び図10は、上記した図5、7、8で示した第2、4、5のPDPの製造方法を説明する断面図である。
【0054】
図9(a)に示される通り、ガラス基板11上にパッシベーション膜として例えば酸化シリコン膜を形成した上に、全面に透明電極41をスッパッタリング法により形成する。透明電極41の材料はITOからなり、膜厚0.1μm程度に形成する。そして、通常のリソグラフィ工程により、ストライプ状にパターニングして幅180μm程度のX,Y電極41を形成する。
【0055】
次に、図9(b)に示される通り、バス電極層としてCr/Cu/Crの3層構造の金属層42を厚さ1μm程度で全面にスパッタリング法により形成する。そして、通常のフォトリソグラフ工程により60μm程度にパターニングする。前述した通り、バス電極42は透明電極41の対向辺とは反対側の端部に位置する様形成される。
【0056】
上記のX,Y電極41、42の形成は、高真空チャンバー内にガラス基板をおいてスパッタリング法で行うが、その時ガラス基板11には黒色顔料等を含んだしゃ光膜等が設けられていないので、スパッタリングの高真空プロセスを安定的に実施することができる。
【0057】
次に、図9(c)に示される通り、黒色顔料を含んだフォトレジスト層71をスクリーン印刷法により形成する。この黒色顔料は、例えばマンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)の酸化物であり、感光性材料のフォトレジストにその様な顔料が混入されている。例えば、東京応化工業株式会社製の顔料分散型フォトレジスト(商品名CFPR BK)が使用される。
【0058】
そして、図9(d)に示される通り、所定のマスクパターンを介して露光して現像し、例えば120〜200℃の温度の乾燥雰囲気中で2〜5分間ベーキング(乾燥)を行いしゃ光膜49を形成する。図9(d)の例では図7で示したPDP4の様にしゃ光膜49がX,Y電極41、42上にオーバーラップしてパターニングされる。
【0059】
この時のマスクパターンを変えることで、図9(e)に示した様に電極41、42から離間したしゃ光膜48を形成することもできる。この構造は図8で示したPDP5の構造となる。同様に、図5に示した構造の様にしゃ光膜46を形成することもできる。
【0060】
上記の通りしゃ光膜49、48は高分子有機材料の感光性レジストが使用されるので、電極41より先にしゃ光膜を形成して安定化の為に焼成しておくと、その表面の凹凸により電極41の密着性が悪くなる場合もある。その点で図9のプロセスは有利である。
【0061】
図10は、更にしゃ光膜の上に誘電体層17と保護層のMgO層18を形成する製造工程を示す断面図である。ここの例では、図8及び図9(e)に示した様な電極41、42から離間したしゃ光膜48を例にして説明する。
【0062】
図10に示した誘電体層17の製造工程では、誘電体層17の焼成工程にてしゃ光膜48の焼成も同時に行う。また、誘電体層17の形成に、酸化鉛(PbO)を主成分とする低融点ガラスのペーストを表面に印刷し焼成するが、その工程が少なくとも下層の誘電体層17aと上層の誘電体層17bの印刷と焼成という2つの工程からなる。しかも、下層の誘電体層17aとしては、焼成雰囲気中でもその粘度が下がらずに、透明電極のITO41やバス電極42の銅(Cu)等と反応しにくい組成が選択される。例えば、PbO/SiO2 /B2 O3 /ZnOを含むガラスペーストであり、SiO2 を比較的多く含む材料が選択される。
【0063】
また、上層の誘電体層17bとしては、焼成雰囲気中で十分に粘度が下がり表面が平坦になる様な組成が選択される。例えば、PbO/SiO2 /B2 O3/ZnOを含むガラスペーストの場合は、SiO2 を比較的少なく含む材料が選択される。
【0064】
図10(a)に示される通り、SiO2 を比較的多く含むPbO/SiO2/B2 O3 /ZnOを含むガラスペーストがガラス基板11の表面に印刷される。そして、約580〜590℃の乾燥雰囲気中で約60分間焼成される。そのガラスペーストは、焼成温度化でもそれほど粘度が下がらず、透明電極のITO41やバス電極42の銅(Cu)等と反応しにくい。更に、しゃ光膜48と一緒に焼成される。しゃ光膜48を電極41、42より先に形成する場合よりも焼成工程を節約できる。
【0065】
次に、図10(b)に示される通り、上層の誘電体層17bが形成される。下層の場合と同様に、ガラスペーストを印刷し、約580〜590℃の乾燥雰囲気中で約60分間焼成する。このガラスペーストとして、上述した通り、SiO2を比較的少なく含むPbO/SiO2 /B2 O3 /ZnOを含むガラスペーストが好ましい。その結果、表面が平坦な誘電体層17が形成される。
【0066】
最後に、図示しないガラス基板11の周辺にシール用の低融点ガラス材料の膜が厚く形成された後に、図10(c)に示される通り、保護膜としてMgO膜18が蒸着法により形成される。
【0067】
図10の工程では、しゃ光膜48が電極41、42と離間した例で説明したが、前述の通り、図5や7で示したPDP2,4の様にしゃ光膜が電極41に接触していても良い。但し、理由は定かではないが、しゃ光膜が電極41、42に接触した状態で600℃近い焼成雰囲気中に置かれると、しゃ光膜が茶色に変色する場合があり、しゃ光膜48の様に電極41、42から離間させることが有効な場合がある。この場合の離間距離を便宜上、変色防止間隙と称する。
【0068】
図11は、しゃ光膜48をパネルの表示領域の外の周辺部にも形成した場合の平面図である。図12は、図11内のXX−YYで示した部分の断面構造図である。しゃ光膜48は、表示ライン領域L1,L2,L3の間のX電極とY電極との間に設けることでコントラストを上げることは上述した通りである。図11では、更にそれ以外の周辺部にもしゃ光膜48が設けられている。
【0069】
PDPには、通常表示電極としての一対のX,Y電極X1,Y1,X2,Y2,X3,Y3の周辺部に、偶発放電防止の為にダミーのX,Y電極DX,DYが設けられている。このダミー電極DX,DY間でも放電を積極的に行わせることで表示に不要な壁電荷の蓄積を防止するのである。ところが、そのような周辺領域での放電や蛍光体層の露出は表示領域のコントラストを落とす要因となる。従って、図11の通り、ダミー電極DX,DY上(図中Dummy)、さらにバス電極42の引き出し部分42Rが形成されている周辺領域PEの上にもしゃ光膜48が形成されている。図中の、一点鎖線で示されたEXはパネルの表面上に設けられる表示画面枠であり、その枠EXの位置にガラス基板間を封止する為のシール剤50が形成される。図12の断面図には、前面ガラス基板11とMgO膜18の上に形成されたシール剤50が表示され、背面ガラス基板は省略されている。
【0070】
バス電極の導出部42Rは、図示しないフレキシブルケーブルを介して外部の制御回路に接続される。従って、バス電極の導出部42Rの部分でシール材50により、2枚のガラス基板が封止されている。
【0071】
[しゃ光膜の材料]
図10に示した通り、しゃ光膜48上に誘電体層17を形成して600℃程度で焼成を行うことを説明した。この時、表示電極としゃ光膜とが接触していると当該しゃ光膜48の黒色が変色するという問題を有する場合がある。この理由は必ずしも明確ではないが、焼成中に接触状態の表示電極としゃ光膜との間にイオン化傾向が生じ低融点ガラスペーストが黒色顔料のMn,Fe,Cuの酸化物から酸素を奪い、それらの酸化物が還元されることが原因と思われる。そこで、しゃ光膜となる黒色顔料を含んだ感光性レジスト71に、それ自体が積極的に酸素を放出する酸化剤を混入させることが変色防止に有効である。
【0072】
具体的な酸化剤としては、NaNO3 ,BaO2 等である。その結果、焼成工程を経ても変色が発生しないことが確認された。
【0073】
更に、しゃ光膜はPDP内部からの光を外部にもらさないことでPDPの表示のコントラストを上げることができる。しかし、その一方で、黒色であるので外部からの光がしゃ光膜48とガラス基板11との界面で正反射し、正反射による映り込みが発生し、表示画面の表面が見えにくくなる現象が生じる。この表示電極対間の正反射は、従来のしゃ光膜が形成されない構造でも背面基板状のアドレス電極表面で生じていた。そこで、このしゃ光膜48とガラス基板11と界面での正反射を防止する為に、しゃ光膜の材料に低融点ガラス粉末を混入させる。
【0074】
この低融点ガラス粉末は、例えば誘電体層17と同じ材料であり、有機感光レジスト71に50%程度含有させる。従って有機感光レジスト71には黒色顔料と低融点ガラス粉末が含まれることになる。その結果、前面ガラス基板11の前面側では従来通り外光の正反射が発生するが、ガラス基板11としゃ光膜48との間の界面では、しゃ光膜48の屈折率がガラス基板11の屈折率に近くなるので、その分反射率が半減する。また、しゃ光膜48の黒色顔料により光が吸収されてその分でも反射光が減る。従って、トータルでは表示画面での正反射が減って、映り込みによる見えにくさが改善される。
【0075】
低融点ガラスを混入させない場合は8%程度(ガラス表面で4%,界面で4%)の正反射率であったが、低融点ガラス粉末をしゃ光膜48に混入させた結果、正反射は6%程度(ガラス表面で4%,界面で2%)に低下した。
【0076】
以上の様に、表示画面のコントラストを上げるためにしゃ光膜を設けたが、その形成に当たり、焼成時の変色防止の為に酸化剤を混入され、更に正反射防止の為に低融点ガラス粉末を混入される。
【0077】
なお、しゃ光膜の変色防止策としては、各表示電極を薄い絶縁膜、例えばSiO2 膜、によって被覆し、この絶縁薄膜によりしゃ光膜と表示電極とを非接触にする方法が挙げられる。
【0078】
図13は、更にPDPの変形例の断面図である。この図では、前面側のガラス基板11と背面側のガラス基板21とが示されている。この例では、しゃ光膜48が、表示ラインLの間の領域であって、前面基板11の外面上に形成されたしゃ光膜48Aの例と、誘電体層17の中に形成されたしゃ光膜48Bの例と、背面側の基板の蛍光膜24の上に形成されたしゃ光膜48Cの例とが示されている。
【0079】
いずれの位置にしゃ光膜48が形成されていても、蛍光膜24からの光が前面側に漏れることは防止できる。
【0080】
以上の説明では、反射型のPDP1,2,3、4、5を例示したが、本発明は前面側のガラス基板11に蛍光体層28を配置した透過型のPDPにも適用可能である。また、しゃ光膜をガラス基板11の外面上に設けてもよい。但しその場合は、ガラス基板間のアラインメントが必要になる。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、表示ライン間の非発光領域を目立たなくすることができ、表示のコントラストを高めることができる。
【0082】
本発明によれば、蛍光体層の表面での外光の反射を防止し、高コントラストの表示を実現することができる。
【0083】
本発明によれば、表示ライン間での外光の反射を防止するとともに、金属電極の表面での外光の反射を防止することができ、高コントラストの表示を実現することができる。
【0084】
本発明によれば、誘電体層の形成時におけるしゃ光膜の拡がりを無くし、輝度の低下を防止することができる。
【0085】
本発明によれば、パターニングのためのマスクアライメントの回数を増やさずにしゃ光膜を設けることができるので、歩留りの維持を図りつつ表示のコントラストを高めることができる。
【0086】
また、本発明によれば、表示電極を形成した後にしゃ光膜と誘電体層とを形成して同時に焼成することができ、比較的安定したプロセスにより形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るPDPの基本構造を示す斜視図である。
【図2】PDPの要部の断面図である。
【図3】しゃ光膜の平面図である。
【図4】PDPの前面側部分の製造方法を示す図である。
【図5】第2のPDPの要部の断面図である。
【図6】第3のPDPの要部の断面図である。
【図7】第4のPDPの要部の断面図である。
【図8】第5のPDPの要部の断面図である。
【図9】第2、4、5のPDPの製造方法を説明する断面図である。
【図10】第2、4、5のPDPの製造方法を説明する断面図である。
【図11】しゃ光膜48をパネルの表示領域の外の周辺部にも形成した場合の平面図である。
【図12】図11内のXX−YYで示した部分の断面構造図である。
【図13】PDPの変形例の断面図である。
【図14】従来のPDPの内部構造を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1,2,3 PDP(面放電型PDP)
11 ガラス基板(前面側の基板)
17 誘電体層
21 ガラス基板(背面側の基板)
28R,28G,28B 蛍光体層(蛍光体)
30 放電空間
41 透明電極
42 金属電極
45,46,47、48 しゃ光膜
61 感光材料
62 レジスト層
L 表示ライン
S1 スリット
S2 逆スリット(ラインの間の表示電極で挟まれた領域)
X,Y 表示電極対
Claims (6)
- 放電空間を介して対向配置された一対の基板を有し、一方の前面基板上に、表示ラインに対応した複数の表示電極対と、前記表示電極を覆う誘電体層とが形成され、他方の背面基板上に前記表示ラインと交差する方向の複数のアドレス電極が形成された面放電型プラズマ・ディィスプレイ・パネルにおいて、
前記前面基板上の前記誘電体層の厚さ方向の中間部に、少なくとも前記表示ライン間の非発光領域に対応する所定パターンの暗色または黒色膜を設けたことを特徴とするプラズマ・ディスプレイ・パネル。 - 請求項1の記載において、前記暗色または黒色膜が、隣接する表示ライン間の非発光領域に対応してライン状に延びる帯状パターンの膜であることを特徴とする面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネル。
- 請求項1の記載において、前記暗色または黒色膜が、隣接する表示ライン間の非発光領域に対応してライン状に延びる帯状パターンの膜と、表示領域外の周辺領域に対応したパターンの膜であることを特徴とする面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネル。
- 請求項2の記載において前記表示電極対は、透明電極と、当該透明電極における前記表示ライン間の非発光領域に近い側の端縁部に重なる金属電極とを有し、前記帯状パターンの暗色または黒色膜の幅は、前記非発光領域の幅より大きく、当該非発光領域を挟む金属電極の表示ライン間の発光領域側の端縁部間の幅より小さいことを特徴とするプラズマ・ディスプレイ・パネル。
- 表示面側の基板内面に誘電体層で被覆された面放電用の電極対の配列を有する面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法において、
前記面放電用電極対の配列を薄いSiO 2 膜で被覆した後、その上に前記電極対間の非発光領域に対応するパターンで前記電極対から離間した暗色または黒色膜を形成することを特徴とする面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法。 - 請求項5において、前記暗色または黒色膜が、前記面放電用電極対間の非発光領域に対応してライン状に延びる帯状パターンの膜であり、前記面放電用電極対は、透明電極と、当該透明電極における前記非発光領域に近い側の端縁部に重なる金属電極とを有し、前記帯状パターンの暗色または黒色膜の幅は、前記非発光領域の幅より大きく、当該非発光領域を挟む金属電極の面放電用電極間の発光領域側の端縁部間の幅より小さいことを特徴とする面放電型プラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法。
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