JP3756610B2 - 水素吸蔵合金およびアルカリ二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水素吸蔵合金およびアルカリ二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素吸蔵合金は自己の体積の数万倍以上の水素(常温常圧気体として)を安定に吸蔵・貯蔵できると共に、エネルギー源としての水素を安全かつ容易に貯蔵できる。このため、近年は、前記水素吸蔵合金中に蓄えられた水素をエネルギー源とするとともに、前記合金の水素吸蔵・放出反応に対する高い触媒活性を利用してこれを電極材料に利用した金属水素化物電池(例えばニッケル水素二次電池)への応用・実用化が盛んに行われている。
【0003】
水素吸蔵合金の組成は水素と発熱的に反応する、すなわち水素と安定な化合物を形成し得る金属元素(白金族元素,Ti,Zr,V,ランタン族元素、アルカリ土類金属元素など)をA、それ以外の金属をBとして、
(1)AB5 系(例えば、LaNi5 ,CaNi5 など)
(2)AB2 系(例えば、MgZn2 ,ZrNi2 など)
(3)AB系(例えば、TiNi,TiFeなど)
(4)A2 B系(例えば、Mg2 Ni,Ca2 Feなど)
(5)その他(クラスター合金など)
に大別できる。
【0004】
これらの水素吸蔵合金のうち、(1)のLaNi5 系合金や、(2)に属するいわゆるラーベス相合金、(3)に属する合金の一部は、常温常圧付近で水素と反応でき、また化学的安定性も比較的高いことから電池・電極材料用合金として広く研究が進められている。また、(4)の合金系は、水素との安定性が高すぎるために放出反応が起こりにくいこと、吸蔵・放出反応が比較的高温でないと起こりにくいこと、など克服すべき問題を有するものの、その水素吸蔵能力が体積当たりで他の合金系と同等以上、重量当たりでは2倍〜数倍という優れた特性を有しており、電池・電極用材料としての潜在的能力を有している。なお、上記分類の(5)の系は学術報告には若干の例が見られるものの、実用化あるいは実用化を試みる段階に至っているものは現時点では皆無に近い。
【0005】
これらの合金系でA成分としては上述のようにPd等のいわゆる白金族元素,Ti,Zr,V,ランタン族元素、アルカリ土類金属元素などの利用が可能である。現在までに実際に電池用に用いられている合金としては、ランタン族元素 (La,Pr等の純金族もしくはミッシュメタルと呼ばれる混合体で用いられる)、Ti,Zr,V等が主流で、白金族元素やアルカリ土類金属元素の利用例は極めて少ない。
【0006】
この理由は白金族元素については主として価格が高いためである。マグネシウムなどのアルカリ土類金属元素の場合には、水素との結合力が強すぎるため、この元素を含有する合金の水素化物も極めて安定になり、吸蔵した水素が放出され難く、つまり、可逆性に乏しく、二次電池用の電極材料として不適当であると考えられているためである。
【0007】
しかしながら、前述したようにマグネシウム系合金で代表されるA2 B型の合金は水素吸蔵能力が大きく、この系の合金の可逆性・反応性を高めることができれば電極材料としてのみならず水素吸蔵合金としての一般的な用途に対しても有用である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水素吸蔵・放出反応性及び活性が向上されたアルカリ土類金属元素を含有する水素吸蔵合金を提供しようとするものである。
【0009】
本発明は、容量及び充放電サイクル寿命が共に優れたアルカリ二次電池を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、下記一般式(I)で表され、
(Me1-X MaX )2 (Ni1-Y MbY )Z …(I)
X、Y及びZはそれぞれ、0.05≦X≦0.5、0.05≦Y≦0.5、0.7≦Z≦1.5を満たし、Meはアルカリ土類金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maはその70モル%以上が3B族元素の1種もしくは2種以上からなり、Mbはその70モル%以上がニッケルを除く第4周期遷移金属元素の1種もしくは2種以上からなり、前記Mbを構成する原子の外殻電子の個数の加重平均をVとしたときに前記加重平均Vは下記(1)式を満たし、
7≦V≦11 …(1)
Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度は第四ピークの強度の3倍以上である合金を含むことを特徴とする水素吸蔵合金が提供される。
【0011】
ただし、原子の外殻電子の個数とは典型元素では最外殻の電子の個数、Pdを除く遷移金属では最外殻の電子の個数とこれより一つ主量子数の小さい軌道のd電子の個数の合計とし、Pdでは最外殻のd電子の個数とする。なお、前記Mbがランタノイド元素及び/又はアクチノイド元素を含む場合、前記加重平均Vは前記ランタノイド元素及び前記アクチノイド元素を除外して算出される。
【0012】
本発明によると、下記一般式(I)で表され、
(Me1-X MaX )2 (Ni1-Y MbY )Z …(I)
X、Y及びZはそれぞれ、0.05≦X≦0.5、0.05≦Y≦0.5、0.7≦Z≦1.5を満たし、Meはアルカリ土類金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maはその70モル%以上が3B族元素の1種もしくは2種以上からなり、Mbはその70モル%以上がニッケルを除く第4周期遷移金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maを構成する原子の外殻電子の個数の加重平均をU、Mbを構成する原子の外殻電子の個数の加重平均をVとしたときに前記加重平均U及び前記加重平均Vは下記(2)式及び(3)式をそれぞれ満たし、
1≦U≦4 …(2)
6≦V≦14 …(3)
Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度は第四ピークの強度の3倍以上であることを特徴とする水素吸蔵合金が提供される。
【0013】
ただし、原子の外殻電子の個数とは典型元素では最外殻の電子の個数、Pdを除く遷移金属では最外殻の電子の個数とこれより一つ主量子数の小さい軌道のd電子の個数の合計とし、Pdでは最外殻のd電子の個数とする。なお、前記Maがランタノイド元素及び/又はアクチノイド元素を含む場合、前記加重平均Uは前記ランタノイド元素及び前記アクチノイド元素を除外して算出される。前記Mbがランタノイド元素及び/又はアクチノイド元素を含む場合、前記加重平均Vは前記ランタノイド元素及び前記アクチノイド元素を除外して算出される。
【0014】
本発明によると、下記一般式(I)で表され、
(Me1-X MaX )2 (Ni1-Y MbY )Z …(I)
X、Y及びZはそれぞれ、0.05≦X≦0.5、0.05≦Y≦0.5、0.7≦Z≦1.5を満たし、Meはアルカリ土類金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maはその70モル%以上が3B族元素の1種もしくは2種以上からなり、Mbはその70モル%以上がニッケルを除く第4周期遷移金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maを構成する原子の外殻電子の個数の加重平均をU、Mbを構成する原子の外殻電子の個数の加重平均をVとしたときに前記加重平均U及び前記加重平均Vは下記(4)式を満たし、
10≦2×U+V≦18 …(4)
Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度は第四ピークの強度の3倍以上であることを特徴とする水素吸蔵合金が提供される。
【0015】
ただし、原子の外殻電子の個数とは典型元素では最外殻の電子の個数、Pdを除く遷移金属では最外殻の電子の個数とこれより一つ主量子数の小さい軌道のd電子の個数の合計とし、Pdでは最外殻のd電子の個数とする。なお、前記Maがランタノイド元素及び/又はアクチノイド元素を含む場合、前記加重平均Uは前記ランタノイド元素及び前記アクチノイド元素を除外して算出される。前記Mbがランタノイド元素及び/又はアクチノイド元素を含む場合、前記加重平均Vは前記ランタノイド元素及び前記アクチノイド元素を除外して算出される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
本発明に係わる第1の水素吸蔵合金は、下記一般式(I)で表され、
(Me1-X MaX )2 (Ni1-Y MbY )Z …(I)
X、Y及びZはそれぞれ、0.05≦X≦0.5、0.05≦Y≦0.5、0.7≦Z≦1.5を満たし、Meはアルカリ土類金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maはその70モル%以上が3B族元素の1種もしくは2種以上からなり、Mbはその70モル%以上がニッケルを除く第4周期遷移金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Mbを構成する原子の外殻電子の個数の加重平均をVとしたときに前記加重平均Vは下記(1)式を満たし、
7≦V≦11 …(1)
Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度が第四ピークの強度の3倍以上である合金を含むことを特徴とするものである。
【0019】
前記一般式(I)のMeを構成するアルカリ土類金属元素としては、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)が挙げられる。前記Meは、その80モル%以上がマグネシウムであることが好ましい。
【0020】
前記一般式(I)のMaのうちの70モル%以上を構成する3B族元素としては、ホウ素(B)アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)が挙げられる。前記Maの3B族元素の含有量を70モル%以上としたのは、含有量が70モル%未満であると、A2 B型の合金として安定に存在することが難しくなり、容量(吸蔵量)が低下する。更に、水素化物生成後に可逆的に水素を脱離することができなくなるため、繰り返し性(サイクル寿命)が著しく低下する。
【0021】
前記一般式(I)のMbのうちの70モル%以上を構成するニッケルを除く第4周期遷移金属元素としては、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)が挙げられる。前記Mbの前記遷移元素の含有量を70モル%以上としたのは、含有量が70モル%未満であると、合金の反応性が損なわれ、通常の温度・圧力雰囲気下での実質的な容量(吸蔵量)が低下する。前記Mbは、その50モル%以上が鉄であると良い。
【0022】
前記合金は、Maか、Mb、あるいはその両方がランタノイド元素及びアクチノイド元素のうちの少なくとも一方の元素を含有していても良い。これらの元素の総量は合金の式量当たり0.5未満にすると良い。ランタノイド元素や、アクチノイド元素は他の元素に比べ原子半径が大きく、大量に置換すると電子的な効果で特性を議論できないほど結晶構造を歪めてしまう恐れがあるからである。
【0023】
前記一般式(I)のX及びYを前記範囲に規定するのは次のような理由によるものである。Xが0.5を越えると、A2 B型合金としての安定性が損なわれるだけでなく、水素との結合強度が大きくなり過ぎ、吸蔵した水素を放出しにくくなる。また、Yが0.5を越えると、水素吸脱蔵の速度が低下する。これは合金表面での水素ガスもしくは水の解離反応・再結合反応に対する触媒能が低下するためと考えられる。一方、X、またはY、あるいはX及びYを0.05未満にすると、Ma、Mbの相乗効果が認められなくなり、本発明の効果が期待できなくなる。Xのより好ましい範囲は、0.1〜0.25である。一方、Yのより好ましい範囲は、0.1〜0.4である。
【0024】
前記一般式(I)のZを前記範囲に規定するのは次のような理由によるものである。Zを0.7未満にすると、Me、もしくはMaの分離・偏析が起こりやすくなり、合金の分離・劣化が促進される。一方、Zが1.5を越えると、AB2 型合金の析出が始まり、合金特性が低下する。Zのより好ましい範囲は、0.8〜1.2である。
【0025】
前述したMaの置換量XとMbの置換量Yとの差は、0.3以下(より好ましくは、0.2以下)であることが望ましい。置換量XとYとの差を前記範囲にすることによって、水素吸蔵合金の反応性及び安定性(吸蔵・放出時の結晶構造の安定性)を更に向上することができる。このような水素吸蔵合金をアルカリ二次電池に適用すると、前記二次電池の放電容量を向上することができる。
【0026】
前記Mbを構成する原子の外殻電子の個数の加重平均Vは、以下に説明する方法で求められる。前記原子の種類が2種類以上である場合を説明する。まず、各原子についての外殻電子の個数を算出する。すなわち、前記原子が典型元素である場合、最外殻の電子の個数が求める外殻電子の個数である。前記原子がPdを除く遷移金属である場合、最外殻の電子の個数とこれより一つ主量子数の小さい軌道のd電子の個数の合計が求める外殻電子の個数である。一方、前記原子がPdである場合、最外殻のd電子の個数が求める外殻電子の個数である。このようにして得られる外殻電子の個数は、水素吸蔵合金の非金属結合的な結合(共有結合的、配位結合的、あるいはイオン結合的な結合)に寄与する電子の個数に相当する。各原子について、外殻電子の個数にその原子の存在比を掛け合わせたものを下記(i)式より求め、得られた(i)式の値を合計することによって前記加重平均Vを算出する。
【0027】
N×(Y1 /Y) …(i)
ここで、Nは原子の外殻電子の個数を示し、Yは前述した一般式(I)におけるMbの置換量、Y1 は前述した一般式(I)における前記原子の置換量を示す。 Mbを構成する原子の種類が1種類である場合、その原子の外殻電子の個数が求める加重平均Vとなる。
【0028】
なお、ランタノイド元素およびアクチノイド元素については周期律表上で近接する原子間の特性が類似しており、外殻電子の個数と合金特性とが必ずしも対応せず外殻電子数により特徴的な挙動を示さない。このため、前記Mbがランタノイド元素及び/又はアクチノイド元素を含む場合、前記加重平均Vは前記Mbに含まれるこれらの元素を除外して算出する。
【0029】
前記加重平均Vを前記範囲に限定するのは次のような理由によるものである。前記加重平均Vを7未満にすると、合金中の(Ni1-Y MbY )サイトの元素と水素との結合の安定性が損なわれる。一方、前記加重平均Vが11を越えると、(Ni1-Y MbY )サイトの元素と結合できる水素の数が減少するため、容量 (吸蔵量)が低下する。特に、加重平均Vを8〜10の範囲にすると、水素吸蔵・放出反応速度を大幅に改善することができる。このような水素吸蔵合金を備えたアルカリ二次電池は、放電容量を大幅に向上することができる。
【0030】
前記合金は、Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度が第四ピークの強度の3倍以上である。最強線(最強ピーク)と第四ピークとの強度比がこの値よりも小さいときには、前述したように加重平均Vを規定したことに対応する特性の改善を十分に顕れない。より好ましい強度比は、4倍以上である。また、第二ピークの強度も第四ピークの強度の3倍以上であることが好ましい。
【0031】
前記合金は、Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの三強線のうち、二つが2θ=39〜42°にピークを有するものと、2θ=11〜15°にピークを有するものとから構成されると良い。このような合金は、水素吸蔵・放出反応性を向上することができ、アルカリ二次電池の放電容量を向上することができる。特に、前記合金は、最強線が2θ=39〜42°にピークを有し、かつ第2強線が2θ=11〜15°にピークを有すると良い。このような構造の水素吸蔵合金は、水素吸蔵・放出反応性を大幅に向上することができ、アルカリ二次電池の放電容量を飛躍的に向上することができる。
【0032】
前記合金は、前述したような特殊な三強線を有する場合、マグネシウムを5モル%以上含有し、かつニッケルを10モル%以上含有していることが好ましい。
【0033】
前記合金は、前述したような特殊な三強線を有し、かつ結晶の構造が立方晶系もしくは六方晶系であることが望ましい。
【0034】
本発明に係わる第2の水素吸蔵合金は、下記一般式(I)で表され、
(Me1-X MaX )2 (Ni1-Y MbY )Z …(I)
X、Y及びZはそれぞれ、0.05≦X≦0.5、0.05≦Y≦0.5、0.7≦Z≦1.5を満たし、Meはアルカリ土類金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maはその70モル%以上が3B族元素の1種もしくは2種以上からなり、Mbはその70モル%以上がニッケルを除く第4周期遷移金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maを構成する原子が有する外殻電子の個数の加重平均をU、Mbを構成する原子が有する外殻電子の個数の加重平均をVとしたとき、前記加重平均U及び前記加重平均Vは下記(2)式及び(3)式をそれぞれ満たし、
1≦U≦4 …(2)
6≦V≦14 …(3)
Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度が第四ピークの強度の3倍以上である合金を含むことを特徴とするものである。
【0035】
前記一般式(I)のMe、Ma及びMbとしては、前述した第1の水素吸蔵合金で説明したのと同様なものを挙げることができる。また、Ma及びMbにおいて特定元素の含有量を前記範囲に限定するのは、前述した第1の水素吸蔵合金で説明したのと同様な理由によるものである。
【0036】
前記合金は、Maか、Mb、あるいはその両方がランタノイド元素及び/またはアクチノイド元素を含有していても良い。これらの元素の総量は、前述した第1の水素吸蔵合金で説明したのと同様な理由により合金の式量当たり0.5未満にすると良い。
【0037】
前記一般式(I)におけるX、Y及びZを前記範囲に限定するのは、前述した第1の水素吸蔵合金で説明したのと同様な理由によるものである。
【0038】
前述したMaの置換量XとMbの置換量Yとの差は、前述した第1の水素吸蔵合金で説明したのと同様な理由により0.3以下(より好ましくは、0.2以下)にすることが望ましい。
【0039】
前記加重平均Uは、以下に説明する方法で求められる。前記原子の種類が2種類以上である場合を説明する。まず、各原子についての外殻電子の個数を前述した加重平均Vにおいて説明したのと同様な方法により算出する。各原子について、外殻電子の個数にその原子の存在比を掛け合わせたものを下記(ii)式より求め、得られた(ii)式の値を合計することによって前記加重平均Uを算出する。
【0040】
N×(X1 /X) …(ii)
ここで、Nは原子の外殻電子の個数を示し、Xは前述した一般式(I)におけるMaの置換量、X1 は前述した一般式(I)における前記原子の置換量を示す。 Maを構成する原子の種類が1種類である場合、その原子の外殻電子の個数が求める加重平均Uとなる。
【0041】
なお、前記Maがランタノイド元素及び/又はアクチノイド元素を含む場合、前記加重平均Uは前記Maに含まれるこれらの元素を除外して算出される。
【0042】
前記加重平均Uを前記範囲に限定するのは次のような理由によるものである。前記加重平均Uを1未満にすると、合金自体の安定性が極めて低くなる。一方、前記加重平均Uが4を越えると、(1)水素吸蔵後の水素化物の結合が不安定になり、不活性な水素が合金中に生成する;(2)合金の導電性が低下する;(3)水溶液中で用いた際に分解しやすくなる;等の現象を引き起こすことがある。
【0043】
前記加重平均Vを前記範囲に限定するのは次のような理由によるものである。前記加重平均Vを6未満にすると、Uが4を越えた場合と同様、水素化物中の元素間結合が不安定になる。一方、前記加重平均Vが14を越えると、(Ni1-Y MbY )サイトの元素と結合できる水素の量が減少する。
【0044】
特に、前記加重平均Uを2〜4の範囲にし、かつ前記加重平均Vを8〜12の範囲にすると、水素吸蔵・放出反応性をより向上することができ、アルカリ二次電池の高率充電特性を飛躍的に改善することができる。
【0045】
前記合金は、Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度が第四ピークの強度の3倍以上である。最強線(最強ピーク)と第四ピークとの強度比がこの値よりも小さいときには、前述したように加重平均V及び加重平均Uを規定したことに対応する特性の改善を十分に顕れない。強度比の下限値のより好ましい値は、前述した第1の水素吸蔵合金で説明したのと同様にすると良い。また、第二ピークの強度も第四ピークの強度の3倍以上であることが好ましい。
【0046】
前記合金は、Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの三強線のうち、二つが2θ=39〜42°にピークを有するものと、2θ=11〜15°にピークを有するものとから構成されると良い。このような合金は、水素吸蔵・放出反応性を向上することができ、アルカリ二次電池の放電容量を向上することができる。特に、前記合金は、最強線が2θ=39〜42°にピークを有し、かつ第2強線が2θ=11〜15°にピークを有すると良い。このような構造の水素吸蔵合金は、水素吸蔵・放出反応性を大幅に向上することができ、アルカリ二次電池の放電容量を飛躍的に向上することができる。
【0047】
前記合金は、前述したような特殊な三強線を有する場合、マグネシウムを5モル%以上含有し、かつニッケルを10モル%以上含有していることが好ましい。
【0048】
前記合金は、前述したような特殊な三強線を有し、かつ結晶の構造が立方晶系もしくは六方晶系であることが望ましい。
【0049】
本発明に係る第3の水素吸蔵合金は、下記一般式(I)で表され、
(Me1-X MaX )2 (Ni1-Y MbY )Z …(I)
X、Y及びZはそれぞれ、0.05≦X≦0.5、0.05≦Y≦0.5、0.7≦Z≦1.5を満たし、Meはアルカリ土類金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maはその70モル%以上が3B族元素の1種もしくは2種以上からなり、Mbはその70モル%以上がニッケルを除く第4周期遷移金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maを構成する原子が有する外殻電子の個数の加重平均をU、Mbを構成する原子が有する外殻電子の個数の加重平均をVとしたとき、前記加重平均U及び前記加重平均Vは下記(4)式を満たし、
10≦2×U+V≦18 …(4)
Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度が第四ピークの強度の3倍以上である合金を含むことを特徴とするものである。
【0050】
前記一般式(I)のMe、Ma及びMbとしては、前述した第1の水素吸蔵合金で説明したのと同様なものを挙げることができる。また、Ma及びMbにおいて特定元素の含有量を前記範囲に限定するのは、前述した第1の水素吸蔵合金で説明したのと同様な理由によるものである。
【0051】
前記合金は、Maか、Mb、あるいはその両方がランタノイド元素、アクチノイド元素を含有していても良い。これらの元素の総量は、前述した第1の水素吸蔵合金で説明したのと同様な理由により合金の式量当たり0.5未満にすると良い。
【0052】
前記一般式(I)におけるX、Y及びZを前記範囲に限定するのは、前述した第1の水素吸蔵合金で説明したのと同様な理由によるものである。
【0053】
前述したMaの置換量XとMbの置換量Yとの差は、前述した第1の水素吸蔵合金で説明したのと同様な理由により0.3以下(より好ましくは、0.2以下)にすることが望ましい。
【0054】
前記加重平均U及び前記加重平均Vは前述したのと同様な方法により算出される。前述した(4)式における(2×U+V)の値を前記範囲に限定するのは次のような理由によるものである。前記(2×U+V)の値を10未満にすると、合金中の金属結合(共有結合性;イオン結合性を帯びている場合も含む)に寄与する電子数が不足するため、金属間化合物として安定に存在しにくくなる。一方、前記(2×U+V)の値が18を越えると、逆に前記電子数が増え過ぎ、やはり金属間化合物の安定性が低下する。特に、この(2×U+V)の値を10〜14の範囲にすることによって、水素吸蔵合金の吸蔵・放出時の結晶構造の安定性をより高めることができ、アルカリ二次電池のサイクル寿命を飛躍的に改善することができる。
【0055】
前記合金は、Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度が第四ピークの強度の3倍以上である。最強線(最強ピーク)と第四ピークとの強度比がこの値よりも小さいときには、前述したように加重平均V及び加重平均Uを規定したことに対応する特性の改善を十分に顕れない。強度比の下限値のより好ましい値は、前述した第1の水素吸蔵合金で説明したのと同様にすると良い。また、第二ピークの強度も第四ピークの強度の3倍以上であることが好ましい。
【0056】
前記合金は、Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの三強線のうち、二つが2θ=39〜42°にピークを有するものと、2θ=11〜15°にピークを有するものとから構成されると良い。このような合金は、水素吸蔵・放出反応性を向上することができ、アルカリ二次電池の放電容量を向上することができる。特に、前記合金は、最強線が2θ=39〜42°にピークを有し、かつ第2強線が2θ=11〜15°にピークを有すると良い。このような構造の水素吸蔵合金は、水素吸蔵・放出反応性を大幅に向上することができ、アルカリ二次電池の放電容量を飛躍的に向上することができる。
【0057】
前記合金は、前述したような特殊な三強線を有する場合、マグネシウムを5モル%以上含有し、かつニッケルを10モル%以上含有していることが好ましい。
【0058】
前記合金は、前述したような特殊な三強線を有し、かつ結晶の構造が立方晶系もしくは六方晶系であることが望ましい。
【0059】
本発明に係る第4の水素吸蔵合金は、Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの三強線のうち、二つは2θ=11〜15°にピークを有するものと2θ=39〜42°にピークを有するものであるアルカリ土類金属−ニッケル系の水素吸蔵合金を含むことを特徴とするものである。
【0060】
前記合金は、Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線が2θ=39〜42°にピークを有し、かつ第2強線が2θ=11〜15°にピークを有すると良い。このような合金を含むアルカリ二次電池は、放電容量を大幅に改善することができる。
【0061】
前記合金は、マグネシウムを5モル%以上含有し、かつ、ニッケルを10モル%以上含有することが好ましい。特に、前記合金は、このような特定の組成を有し、かつ前述したような特定の最強線と第2強線を持つと良い。
【0062】
前記合金は、結晶の構造が立方晶系もしくは六方晶系であることが望ましい。以下、本発明に係わるアルカリ二次電池のうちの円筒形ニッケル水素二次電池の例を図1を参照して説明する。
【0063】
図1に示すように有底円筒状の容器1内には、正極2とセパレータ3と負極4とを積層してスパイラル状に捲回することにより作製された電極群5が収納されている。前記負極4は、前記電極群5の最外周に配置されて前記容器1と電気的に接触している。アルカリ電解液は、前記容器1内に収容されている。中央に孔6を有する円形の第1の封口板7は、前記容器1の上部開口部に配置されている。リング状の絶縁性ガスケット8は、前記封口板7の周縁と前記容器1の上部開口部内面の間に配置され、前記上部開口部を内側に縮径するカシメ加工により前記容器1に前記封口板7を前記ガスケット8を介して気密に固定している。正極リード9は、一端が前記正極2に接続、他端が前記封口板7の下面に接続されている。帽子形状をなす正極端子10は、前記封口板7上に前記孔6を覆うように取り付けられている。ゴム製の安全弁11は、前記封口板7と前記正極端子10で囲まれた空間内に前記孔6を塞ぐように配置されている。中央に穴を有する絶縁材料からなる円形の押え板12は、前記正極端子10上に前記正極端子10の突起部がその押え板12の前記穴から突出されるように配置されている。外装チューブ13は、前記押え板12の周縁、前記容器1の側面及び前記容器1の底部周縁を被覆している。
【0064】
次に、前記正極2、負極4、セパレータ3および電解液について説明する。
【0065】
1)正極2
この正極2は、例えば、活物質である水酸化ニッケル粉末に導電材料を添加し、高分子結着剤および水と共に混練してペーストを調製し、前記ペーストを導電性基板に充填し、乾燥した後、成形することにより作製される。
【0066】
前記導電材料としては、例えばコバルト酸化物、コバルト水酸化物、金属コバルト、金属ニッケル、炭素等を挙げることができる。
【0067】
前記高分子結着剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレンを挙げることができる。
【0068】
前記導電性基板としては、例えばニッケル、ステンレスまたはニッケルメッキが施された金属から形成された網状、スポンジ状、繊維状、もしくはフェルト状の金属多孔体を挙げることができる。
【0069】
2)負極4
この負極4は、水素吸蔵合金の粉末に導電材を添加し、高分子結着剤および水と共に混練してペーストを調製し、前記ペーストを導電性基板に充填し、乾燥した後、成形することにより作製される。
【0070】
前記水素吸蔵合金としては、前述した第1〜第4の水素吸蔵合金のうちのいずれか一つを含むものが用いられる。
【0071】
前記高分子結着剤としては、前記正極2で用いたのと同様なものを挙げることができる。
【0072】
前記導電材としては、例えば、カーボンブラック等を挙げることができる。
【0073】
前記導電性基板としては、例えば、パンチドメタル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケルネットなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、スポンジ状金属基板などの三次元基板を挙げることができる。
【0074】
3)セパレータ3
このセパレータ3は、例えばポリプロピレン不織布、ナイロン不織布、ポリプロピレン繊維とナイロン繊維を混繊した不織布のような高分子不織布からなる。特に、表面が親水化処理されたポリプロピレン不織布はセパレータとして好適である。
【0075】
4)アルカリ電解液
このアルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)の水溶液、水酸化リチウム(LiOH)の水溶液、水酸化カリウム(KOH)の水溶液、NaOHとLiOHの混合液、KOHとLiOHの混合液、KOHとLiOHとNaOHの混合液等を用いることができる。
【0076】
以上詳述したように本発明に係る第1の水素吸蔵合金は、前述した一般式(I)で表され、Mbを構成する原子が有する外殻電子の個数の加重平均をVとしたときに前記加重平均Vが下記(1)式を満たし、
7≦V≦11 …(1)
Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度が第四ピークの強度の3倍以上である合金を含むことを特徴とするものである。
【0077】
また、本発明に係る第2の水素吸蔵合金は、前述した一般式(I)で表され、Maを構成する原子が有する外殻電子の個数の加重平均をU、Mbを構成する原子が有する外殻電子の個数の加重平均をVとしたとき、前記加重平均U及び前記加重平均Vが下記(2)式及び(3)式をそれぞれ満たし、
1≦U≦4 …(2)
6≦V≦14 …(3)
Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度が第四ピークの強度の3倍以上である合金を含むことを特徴とするものである。
【0078】
さらに、本発明に係る第3の水素吸蔵合金は、前述した一般式(I)で表され、前記加重平均U及び前記加重平均Vが下記(4)式を満たし、
10≦2×U+V≦18 …(4)
Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度が第四ピークの強度の3倍以上である合金を含むことを特徴とするものである。
【0079】
マグネシウムを初めとするアルカリ土類金属元素を含有する水素吸蔵合金が希土類系合金やラーベス型合金より反応性が低い理由としては、水素解離触媒として作用すると言われるNiの含有比率が他の合金系より低いことや、水素の吸脱蔵に伴って結晶型の変態が起きることなどが考えられる。また、合金構成元素間の結合様式が他の合金系と異なっている可能性も考えられる。これは、アルカリ土類金属元素の電気陰性度が極めて低いために合金構成原子間に電気的な分極が生じやすいことや、特にマグネシウムやカルシウムの場合、他の合金系を構成する原子のほとんどが遷移金属元素であるのに対して典型金属元素であるこれら元素には自由度の大きいd電子がないため、いわゆる「固い」元素として振る舞うこと、等に関係するものと思われる。
【0080】
本発明者らは、アルカリ土類金属元素を含有する水素吸蔵合金において、以上の点を考慮した成分置換を行うことによって、前述した第1〜第3の水素吸蔵合金がアルカリ土類金属元素を含有する水素吸蔵合金の特長である大きい水素吸蔵能力を維持しつつ、電気化学的な水素吸蔵・放出反応性を向上できることを見出だしたのである。また、本発明者らは、これらの水素吸蔵合金がアルカリ二次電池用負極に含まれる水素吸蔵合金として好適であることを見いだした。
【0081】
すなわち、本発明に係るアルカリ二次電池は、前述した第1の水素吸蔵合金を含む負極を備えるものである。このような二次電池は、放電容量、高率充放電特性及び寿命特性を改善することができる。特に、前記合金は水素吸蔵・放出反応速度が優れているため、前記二次電池は放電容量を飛躍的に向上させることができる。
【0082】
また、本発明に係る別のアルカリ二次電池は、前述した第2の水素吸蔵合金を含む負極を備える。このような二次電池は、放電容量、高率充放電特性及び寿命特性を改善することができ、特に高率充放電特性を大幅に改善することができる。
【0083】
本発明に係るさらに別のアルカリ二次電池は、前述した第3の水素吸蔵合金を含む負極を備える。このような二次電池は、放電容量、高率充放電特性及び寿命特性を改善することができる。特に、前記合金は可逆性に優れ、かつ吸蔵・放出時の結晶構造の安定性が高いため、前記二次電池は充放電サイクル寿命を飛躍的に向上することができる。
【0084】
本発明に係る第4の水素吸蔵合金は、Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの三強線のうち、二つは2θ=11〜15°にピークを有するものと2θ=39〜42°にピークを有するものであるアルカリ土類金属−ニッケル系の水素吸蔵合金を含むことを特徴とするものである。このような合金は、高い水素吸蔵能力を維持しつつ、水素吸蔵・放出反応性を向上することができる。
【0085】
この構造の合金が優れた水素吸蔵・放出特性を示す理由は明確ではないが、以下のような理由によると考えられる。すなわち、アルカリ土類金属−ニッケル系の水素吸蔵合金では、一般に水素の吸蔵・放出に伴う格子の膨張収縮もしくは構造変化が起こりやすく、これが水素吸蔵・放出の際の反応阻害要因になっているものと考えられる。また、この変形の大きさが水素吸蔵・放出特性劣化の要因にもなっているものと考えられる。ところで、前記合金のうち、例えば、最強線が2θ=39〜42°にピークを持ち、かつ第2強線が2θ=11〜15°にピークを持つ合金は、アルカリ土類金属−ニッケル系合金の代表的なものであるMg2 Ni,MgNi2 ,CaNi5 などのいずれとも異なるものである。また、このピーク位置は原料であるアルカリ土類金属やニッケルの単結晶とも異なるものであり、従来知られているものとは異なる新規な合金であると考えられる。
【0086】
本発明に係る第4の水素吸蔵合金はこの特徴的なエックス線回折ピークが示すように、新規な結晶構造を有しており、この構造が水素吸蔵・放出に伴う構造変化の小さい合金を形作っているものと思われる。その結果、前記合金は、高い水素吸蔵能力を維持しつつ、水素吸蔵・放出特性を向上できるものと推測される。
【0087】
本発明に係るさらに別のアルカリ二次電池は、前述した第4の水素吸蔵合金を含む負極を備えるものである。このような二次電池は、放電容量、高率充放電特性及び寿命特性を改善することができる。
【0088】
なお、前述した図1では正極2と負極4の間にセパレータ3を介在して渦巻状に捲回し、有底円筒状の容器1内に収納したが、本発明のニッケル水素二次電池はこのような構造に限定されない。例えば、正極と負極とをその間にセパレータを介在して複数枚積層した積層物を有底矩形筒状の容器内に収納して角形ニッケル水素二次電池を構成してもよい。
【0089】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0090】
(実施例1〜36及び比較例1〜18)
Mg2 Niと不足分のMgもしくはNi、および置換元素を原料とし、アルゴンガス雰囲気下において高周波誘導溶解法か、もしくは焼結法によって下記表1、4、7及び10に示す組成を有する54種類の水素吸蔵合金を作製した。
【0091】
高周波誘導溶解法を採用する場合、原料金属をマグネシア坩堝に入れ、10-5Torrオーダーまで脱気し、次いでアルゴンガスを0.05MPaまで加圧導入した雰囲気下で高周波誘導溶解を行い、溶湯が十分に流動性を持った時点でこれを型に流し入れることによって合金インゴットを作製する。一方、焼結法の場合、0.05〜0.15ミリ程度の粒径を有する原料金属をニッケルボールと共にニッケル製のポットに入れ、これを遊星ボールミルにかけて十分に粉砕した後、ペレット状に成形し、管状炉中にいれて10-6Torrオーダーまで脱気したのち、対常圧−100〜−200mgHgまでアルゴンを導入して融点前後まで加熱し原料金属を焼結させることによって合金インゴットを作製する。
【0092】
このようにして得られた合金は必要に応じて、前述した焼結法と同様の手法で、かつ前述したのと加熱条件を変えて熱処理が施された。この熱処理は主として合金の均質性と結晶配向を変化させる働きがあり、同じ組成でもエックス線回折法によるピークパターンが変化する場合がある。
【0093】
得られた54種類の水素吸蔵合金のうち、実施例1〜11及び比較例1〜7の合金については、Meを構成する原子の種類及びMe中のMgの含有量(mol%)を表1に示す。また、Maを構成する原子の種類、各原子の外殻電子数、各原子の置換量、Maの置換量(X)、Maを構成する原子が有する外殻電子の加重平均(U)、Ma中の3B族元素の含有量(mol%)、Mbを構成する原子の種類、各原子の外殻電子数、各原子の置換量、Mbの置換量(Y)、Mbを構成する原子が有する外殻電子の加重平均(V)、Mb中の第4周期遷移金属族元素の含有量(mol%)及びMb中のFeの含有量(mol%)を下記表2に示す。また、置換量Zと、加重平均(2×U+V)と、Cu−Kα線によるX線回折パターンにおける第1強線と第4強線とのピーク比(第1強線のピーク/第4強線のピーク)を表3に示す。実施例12〜23及び比較例8〜9の合金については、前述したMeの条件を表4に、Ma及びMbの条件を表5に、置換量Z、加重平均(2×U+V)及びピーク比を表6に示す。実施例24〜33の合金については、前述したMeの条件を表7に、Ma及びMbの条件を表8に、置換量Z、加重平均(2×U+V)及びピーク比を表9に示す。また、実施例34〜36及び比較例10〜18の合金については、前述したMeの条件を表10に、Ma及びMbの条件を表11に、置換量Z、加重平均(2×U+V)及びピーク比を表12に示す。
【0094】
前記54種類の合金インゴットを粉砕し、各合金の粉末1重量部と銅粉3重量部とを混合・プレスしてペレットを調製し、ニッケルメッシュで挟んで水素吸蔵合金電極を試作した。得られた水素吸蔵合金電極を負極とし、焼結式水酸化ニッケル電極を正極とし、8規定の水酸化カリウム水溶液を電解液として54種類の試験電池を構成し、充放電試験を行った。
【0095】
得られた54種類の実施例1〜36及び比較例1〜18の試験電池について、合金1g当たり100mAの電流で10時間充電したのち、合金1g当たり20mAhの電流で、水銀/酸化水銀標準電極基準で負極電位が−500mVになるまで放電した。このときの放電時間から放電容量を求めた。
【0096】
また、実施例1〜36及び比較例1〜18の試験電池を合金1g当たり100mAの電流で10時間充電した場合と、合金1g当たり250mAの電流で4時間充電した場合との放電容量の比(高率充電特性)から反応速度への寄与を調べた。
【0097】
さらに、実施例1〜36及び比較例1〜18の試験電池について、合金1g当たり100mAの電流で10時間充電したのち、合金1g当たり20mAhの電流で、水銀/酸化水銀標準電極基準で負極電位が−500mVになるまで放電する充放電サイクルを繰り返し、3サイクル目の放電容量に対する20サイクル目の放電容量の比(容量維持率)から寿命を調べた。
【0098】
得られた放電容量、高率充電特性及び容量維持率を実施例1〜11及び比較例1〜7については表3に、実施例12〜23及び比較例8〜9については表6に、実施例24〜33については表9に、実施例34〜36及び比較例10〜18については表12に示す。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】
【0104】
【表6】
【0105】
【表7】
【0106】
【表8】
【0107】
【表9】
【0108】
【表10】
【0109】
【表11】
【0110】
【表12】
【0111】
表1〜12から明らかなように、条件1(加重平均Vが7≦V≦11を満たす)を満足する合金を含む負極を備えた電池、特に、実施例1〜11,16〜19,21〜29,32,33,35,36の電池は、百数十mAh/g以上と高い放電容量を有することがわかる。条件2(加重平均Uが1≦U≦4を満たし、かつ加重平均Vが6≦V≦14を満たす)を満足する合金を含む負極を備えた実施例1〜11、実施例17,19,20,21,23の電池は、充電電流を250mA/gにしても100mA/g充電時の80%以上と高い放電容量を示しており、高率充電特性が優れていることがわかる。また、前記条件2及び条件3(加重平均U,Vが10≦2×U+V≦18)を満たす合金を含む負極を備えた実施例20,31の電池は、両条件とも満たしていない電池に比べ、概ね高率充電特性が優れていることがわかる。さらに、前記条件3を満たしている合金を含む負極を備えた実施例1〜11,12〜26,28,30〜32,34の電池は総じて、この条件3を満たしていない実施例27,29,33,35,36の電池に比べ、20サイクル目までの容量低下が少ないことがわかる。特に、条件3のみを満足する実施例12〜15の電池は、20サイクル目の容量維持率が95%以上と著しく高いことがわかる。
【0112】
これに対し、置換を施していない合金を含む負極を備えた比較例1の電池と、置換量X,Yが当発明の範囲からはずれている合金を含む負極を備えた比較例2〜11及び比較例14の電池と、置換量Zが当発明の範囲をはずれている合金を含む負極を備えた比較例12,13の電池は、放電容量が数十mAh/gと小さいことがわかる。また、Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度と第四ピークの強度の比が3より小さい合金を含む負極を備えた比較例15〜18の電池は、同じ組成を有する合金を含む実施例1,6,12,28の電池に比べ、容量もしくは寿命が劣っていることがわかる。なお、比較例の電池中には(例えば、比較例2)、最大容量が小さ過ぎるために容易低下幅が小さくなり、見かけ上容量維持率が高いものがある。
【0113】
(実施例37〜55)
Meとしてマグネシウム、Maとしてアルミニウム、Mbとして鉄を用い、Z=1.0とした上でXおよびYを種々に変え、下記表14に示す組成の19種類の水素吸蔵合金を作製した。得られた19種類の合金について、Maを構成するアルミニウム原子の外殻電子数、Maの加重平均(U)、Ma中の3B族元素の含有量(mol%)、Mbを構成する鉄原子の外殻電子数、Mbの加重平均(V)、Mb中の第4周期遷移金属族元素の含有量(mol%)、加重平均(2×U+V)及びCu−Kα線によるX線回折パターンにおける第1強線と第4強線とのピーク比を下記表13に示す。
【0114】
これら19種類の合金を用い、前述したのと同様にして19種類の試験電池を組み立てた。
【0115】
得られた実施例37〜55の電池について、合金1g当たり100mAの電流で10時間充電したのち、合金1g当たり20mAhの電流で、水銀/酸化水銀標準電極基準で負極電位が−500mVになるまで放電した。このときの放電時間から放電容量を求め、その結果を表14に示す。
【0116】
【表13】
【0117】
【表14】
【0118】
表14から明らかなように、実施例37〜55の電池は比較的大きな容量を示すことがわかる。特に、置換量XとYの値の差が0.3以下である合金を含む負極を備えた実施例37〜48、52、53の電池は、放電容量が著しく高いことがわかる。また、置換量XとYの値の差が0である実施例37〜45のうち、置換量Xが0.1〜0.3の範囲である合金を含む負極を備えた実施例39〜44の電池は、実施例37、38、45の電池に比べて放電容量が高いことがわかる。中でも、置換量Xが0.15〜0.20の範囲である合金を含む負極を備えた実施例41〜43の電池は、放電容量を著しく向上できることがわかる。
【0119】
前述した実施例37〜55のうち、実施例39、40、41、42、44及び45の合金について、エックス線回折法による結晶構造回折を行った。測定条件としては管電圧40kV、管電流30mAで発生させた銅ターゲットのKα線をもちい、2θ=5〜85度の範囲を分速2度でスキャンした。その結果を図2に示す。また、組成がMg2 Niである比較例1の合金及び組成がMgAlNi0.5 Fe0.5 で表される参照例1の合金について、前述したのと同様な条件でエックス線回折法による結晶構造回折を行い、その結果を図2に併記する。なお、実施例42のエックス線回折パターンの拡大図を図3に示す。
【0120】
図2から明らかなように、放電容量が高い実施例39、40、41、42、44の電池は、エックス線回折パターンにおいて、三強線のうち二つが2θ=11〜15°にピークを有するものと2θ=39〜42°にピークを有するものとから構成されていることがわかる。特に、放電容量が著しく高い実施例41、42の電池は、最強線が2θ=39〜42°にピークを持ち、かつ第2強線が2θ=11〜15°にピークを持つことがわかる。
【0121】
このようなエックス線回折パターンを有するアルカリ土類金属−ニッケル系の水素吸蔵合金はこれまで知られておらず、また、図2に併せて示した無置換のMg2 Ni(比較例1)や置換量が多すぎて容量が低下したMgAlNi0.5 Fe0.5 (参照例1)などとは全く別な、新規な合金系である。特に、図3から明らかなように、放電容量が最大を示す実施例42の合金、すなわちMg1.66Al0.34Ni0.83Fe0.17で表される合金(置換量Xが0.17である)は、Mg2 NiやMgAlNi0.5 Fe0.5 などとの中間体的なピークが完全に消え、立方晶系もしくは六方晶系に帰属される独自の結晶形態が認められることがわかる。
【0122】
(実施例56)
組成がMg1.6 Al0.4 Ni0.98Fe0.02で表される水素吸蔵合金を用意した。前記水素吸蔵合金は、置換量Xが0.2で、Yが0.02で、Zが1.0であった。Maを構成するAl原子の外殻電子数は3で、Maの加重平均Uは3.00で、Ma中の3B族元素の含有量は100.00mol%であった。Mbを構成するFe原子の外殻電子数が8で、Mbの加重平均Vは8.00で、Mb中の第4周期遷移金属族元素の含有量は100.00mol%であった。また、加重平均(2×U+V)は、14.00であった。Cu−Kα線によるX線回折パターンにおける第1強線と第4強線とのピーク比は、4.5であった。
【0123】
この実施例56の合金について、前述したのと同様な条件でエックス線回折法による結晶構造回折を行い、その結果を図4に示す。
【0124】
図4から明らかなように、実施例56の合金は、最強線が2θ=39〜42°にピークを持ち、かつ第2強線が2θ=11〜15°にピークを持つことがわかる。このことから、実施例56の合金は、前述した実施例42と同様に立方晶系もしくは六方晶系に帰属される独自の結晶形態を有することがわかる。また、実施例56の合金から前述したのと同様にして試験電池を組み立て、前述したのと同様にして放電容量を測定したところ、放電容量は280mAh/gであった。
【0125】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の水素吸蔵合金によれば、マグネシウム含有水素吸蔵合金の大きな水素吸蔵量を電極反応で有効に利用することができ、充放電反応速度を向上することができ、電池特性の低下を抑制することができる等の顕著な効果を奏する。また、本発明に係るアルカリ二次電池は、高い充放電容量と、優れた高率充放電特性と、長寿命とを同時に満足することができる等の顕著な効果を奏し、産業上有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルカリ二次電池(例えば、円筒形ニッケル水素二次電池)を示す部分分解斜視図。
【図2】本発明に係る実施例39、40、41、42、44及び45の合金、比較例1の合金及び参照例1の合金のエックス線回折パターンを示す特性図。
【図3】本発明に係る実施例42の合金のエックス線回折パターンを示す特性図。
【図4】本発明に係る実施例56の合金のエックス線回折パターンを示す特性図。
【符号の説明】
1…容器、2…正極、3…セパレータ、4…負極、7…封口板、8…絶縁ガスケット。
Claims (9)
- 下記一般式(I)で表され、
(Me1-X MaX )2 (Ni1-Y MbY )Z …(I)
X、Y及びZはそれぞれ、0.05≦X≦0.5、0.05≦Y≦0.5、0.7≦Z≦1.5を満たし、Meはアルカリ土類金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maはその70モル%以上が3B族元素の1種もしくは2種以上からなり、Mbはその70モル%以上がニッケルを除く第4周期遷移金属元素の1種もしくは2種以上からなり、前記Mbを構成する原子の外殻電子の個数の加重平均をVとしたときに前記加重平均Vは下記(1)式を満たし、
7≦V≦11 …(1)
Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度は第四ピークの強度の3倍以上である合金を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
ただし、原子の外殻電子の個数とは典型元素では最外殻の電子の個数、Pdを除く遷移金属では最外殻の電子の個数とこれより一つ主量子数の小さい軌道のd電子の個数の合計とし、Pdでは最外殻のd電子の個数とする。なお、前記Mbがランタノイド元素及び/又はアクチノイド元素を含む場合、前記加重平均Vは前記ランタノイド元素及び前記アクチノイド元素を除外して算出される。 - 下記一般式(I)で表され、
(Me1-X MaX )2 (Ni1-Y MbY )Z …(I)
X、Y及びZはそれぞれ、0.05≦X≦0.5、0.05≦Y≦0.5、0.7≦Z≦1.5を満たし、Meはアルカリ土類金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maはその70モル%以上が3B族元素の1種もしくは2種以上からなり、Mbはその70モル%以上がニッケルを除く第4周期遷移金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maを構成する原子の外殻電子の個数の加重平均をU、Mbを構成する原子の外殻電子の個数の加重平均をVとしたときに前記加重平均U及び前記加重平均Vは下記(2)式及び(3)式をそれぞれ満たし、
1≦U≦4 …(2)
6≦V≦14 …(3)
Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度は第四ピークの強度の3倍以上であることを特徴とする水素吸蔵合金。
ただし、原子の外殻電子の個数とは典型元素では最外殻の電子の個数、Pdを除く遷移金属では最外殻の電子の個数とこれより一つ主量子数の小さい軌道のd電子の個数の合計とし、Pdでは最外殻のd電子の個数とする。なお、前記Maがランタノイド元素及び/又はアクチノイド元素を含む場合、前記加重平均Uは前記ランタノイド元素及び前記アクチノイド元素を除外して算出される。前記Mbがランタノイド元素及び/又はアクチノイド元素を含む場合、前記加重平均Vは前記ランタノイド元素及び前記アクチノイド元素を除外して算出される。 - 下記一般式(I)で表され、
(Me1-X MaX )2 (Ni1-Y MbY )Z …(I)
X、Y及びZはそれぞれ、0.05≦X≦0.5、0.05≦Y≦0.5、0.7≦Z≦1.5を満たし、Meはアルカリ土類金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maはその70モル%以上が3B族元素の1種もしくは2種以上からなり、Mbはその70モル%以上がニッケルを除く第4周期遷移金属元素の1種もしくは2種以上からなり、Maを構成する原子の外殻電子の個数の加重平均をU、Mbを構成する原子の外殻電子の個数の加重平均をVとしたときに前記加重平均U及び前記加重平均Vは下記(4)式を満たし、
10≦2×U+V≦18 …(4)
Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの最強線の強度は第四ピークの強度の3倍以上であることを特徴とする水素吸蔵合金。
ただし、原子の外殻電子の個数とは典型元素では最外殻の電子の個数、Pdを除く遷移金属では最外殻の電子の個数とこれより一つ主量子数の小さい軌道のd電子の個数の合計とし、Pdでは最外殻のd電子の個数とする。なお、前記Maがランタノイド元素及び/又はアクチノイド元素を含む場合、前記加重平均Uは前記ランタノイド元素及び前記アクチノイド元素を除外して算出される。前記Mbがランタノイド元素及び/又はアクチノイド元素を含む場合、前記加重平均Vは前記ランタノイド元素及び前記アクチノイド元素を除外して算出される。 - Cu−Kα線によるエックス線回折パターンの三強線のうち、二つは2θ=11〜15°にピークを有するものと2θ=39〜42°にピークを有するものから構成されることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の水素吸蔵合金。
- 前記Meはその80mol%以上がマグネシウムであることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の水素吸蔵合金。
- 前記Mbはその50モル%以上が鉄であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の水素吸蔵合金。
- 前記Xと前記Yの差が0.3以下であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の水素吸蔵合金。
- 結晶が立方晶系もしくは六方晶系であることを特徴とする請求項4記載の水素吸蔵合金。
- 請求項1ないし4いずれか1項記載の水素吸蔵合金を含む負極を具備することを特徴とするアルカリ二次電池。
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