JP3754620B2 - 紙葉取扱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顧客等の操作者により操作され、操作に応じて紙葉の払出し、取り込みを行う紙葉取扱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、銀行等の金融機関の店舗内に設置され、顧客の操作により入金、出金取引を行う自動取引装置等の取引装置が普及している。
【0003】
従来の紙葉取扱装置は、顧客等の操作者の操作に基づいて、紙葉の受取、払出し等を行うことにより、取引を行っている。
【0004】
この紙葉取扱装置により、紙幣を受取、払出しを行うことにより、入金取引、出金取引、振込振替取引等の金融機関における取引を行わせることができる。
【0005】
出金取引の場合には、操作者の指示により、装置内に収納されている紙幣をローラ、ベルトを使用し、投出口に搬送し、顧客に紙幣を払い出す。
【0006】
入金取引の場合には、操作者が指示し、投出口に投入した紙幣を装置内に取り込み、収納するようにしている。
【0007】
このような自動取引装置(紙幣取扱い装置)は、本出願人が既に昭和61年3月18日に出願し、昭和62年9月22日に公開になっている特開昭62−216098号公報に記載されている。
【0008】
これらの紙幣取扱い装置は、紙幣の投入、払出しを行う入出金口、紙幣の真偽、金種を鑑別する鑑別部、紙幣の表裏を整えるため表裏整列部、紙幣を収納する収納筐体、紙幣を一時的に保持する一時プール部、収納筐体の紙幣を回収し、収納筐体へ紙幣を補充するための係員金庫、少なくとも係員金庫から繰り出された紙幣のうち鑑別部で正券として認められなかった紙幣を回収するリジェクト部を備えている。
【0009】
この装置において、出金取引時には、図示しない、操作部で顧客により出金取引が選択された後、カードが挿入され、更に暗証番号が入力され、カード及び暗証番号の正当性が確認されると紙幣の払出しが開始される。
【0010】
この紙幣の払出しは、先ず、必要な金種が収納された収納筐体から繰出し機構により一枚ずつ紙幣が繰り出され、図示されない搬送ローラ或いは搬送ベルトを有するルートを経由し、鑑別部に搬送され、金種を確認され、一時プール部に収納される。この動作を繰り返し行い、顧客により指定された金額分の紙幣が収納筐体より繰り出され一時プール部へ収納される。
【0011】
一時プール部へ出金指示のあった所定金額分の紙幣が収納されれば、その紙幣を一括して入出金口に移送する。
【0012】
その後、入出金口を塞いでいるシャッタを開放して、顧客により紙幣の抜き取りが可能な状態とし、シャッタが開放された入出金口の紙幣を顧客に抜き取らせて出金取引が終了する。
【0013】
入金取引時には、図示しない操作部で顧客により入金取引が選択された後、顧客が挿入したカードの正当性が確認された場合に、紙幣の入金が可能となる。
【0014】
この場合、顧客に暗証番号を入力させ、顧客の正当性を確認するようにしてもよい。
【0015】
入金取引は、まず、シャッタを開放し、顧客による入出金口への紙幣の投入が可能な状態にする。顧客が入出金口に紙幣を投入し、投入が終了したことを入力するため図示しない釦を操作すると、シャッタが閉鎖される。続いて、入出金口に投入された紙幣を図示しない繰出し用のローラで一枚ずつ繰出し、図示しない搬送ローラ或いは搬送ベルトを有するルートを経由し、鑑別部に搬送される。鑑別部では、搬送されてきた紙幣の真偽、金種、表裏等の紙幣の状態を鑑別する。
【0016】
鑑別の結果に基づいて表裏整列部では、それぞれの紙幣の表裏が一方向になるように搬送されてきた紙幣を整える。表裏の整列が終わった紙幣は、更に搬送され、一時プール部へ格納される。
【0017】
この一時プール部が設けられている理由は、投入され、鑑別が終了した紙幣を、後述するように顧客に返却する場合があるからである。
【0018】
従って、鑑別済みの紙幣を収納筺体に収納すると、収納筺体内の他の紙幣と混ざってしまうので、収納筺体に収納する前に紙幣を入出金口に返却可能な状態にしておく必要がある。
【0019】
しかし、入出金口に鑑別した紙幣を直接返却すると、まだ繰り出されずに鑑別が終了していない紙幣が存在する場合、鑑別した紙幣と鑑別していない紙幣が混ざってしまうことにより、正常に処理を行うことができない。
【0020】
このようなことを鑑みて一時プールが設けられており、鑑別済みの紙幣を順次プールして、返却の際には一時プール部より紙幣が入出金口へと繰り出される。
【0021】
また、一時プール部は紙幣をプールする部分が2か所存在し、鑑別の結果、真券ではないと鑑別された時点で、真券と鑑別された紙幣と区別し、格納される。
【0022】
入出金口内の紙幣の鑑別が全て終了した場合には、真券と鑑別されなかった紙幣を入出金口に移送し、シャッタを開放し、図示しない表示部に入出金口の紙幣抜き取りを指示する案内を表示する。案内に従って紙幣が入出金口より抜き取られ、所定時間内に再度投入されなかった場合には、シャッタを閉鎖し、一時プール部に残っている真券と鑑別された紙幣のみで取引を継続する。
【0023】
また、入出金口内の紙幣が一旦抜き取られ、所定時間内に再度投入された場合には、再度鑑別する。これは、機械の具合、紙幣の状態等の原因、例えば、紙幣が斜めに搬送されたため、鑑別部で鑑別を行う際用いられる基準となるパターンと比較できずに真券と鑑別されない、或いは、紙幣の破れ等により真券として鑑別される基準に達しなかった場合等の原因により、紙幣の真券と鑑別されなかった場合には、再度鑑別することより、真券と鑑別される場合がある。
【0024】
再度鑑別した結果真券と鑑別されなかった場合には、再度、入出金口に移送し、顧客に入出金口の紙幣を取り除くことを指示する案内を再度表示する。この動作を所定回数行い、紙幣が取り除かれない場合には、取引そのものを中止し、投入された全ての紙幣を入出金口に移送し、取引を中止する。
【0025】
再度鑑別することより、真券と鑑別された場合には、前に真券と判別され一時プール部に収納されている紙幣と一緒に収納する。
【0026】
一時プール部に紙幣の収納が終了すると、入金された紙幣の金額を図示しない表示部に表示し、顧客に表示部に表示された金額を確認させる。この確認の結果、顧客が金額を了承した場合には、図示しない釦を操作し、その旨を装置に通知する。
【0027】
また、投入した金額と異なる、入金したい金額に実際に投入した金額が達していない等の理由により、取引を終了させるべく図示しない釦を操作し、装置に通知した場合には、一時プール部の紙幣を入出金口に移送し、シャッタを開放し、顧客に紙幣を抜き取らせ、取引を終了する。
【0028】
顧客が金額を了承した旨の通知により、一時プール部の紙幣を一旦、入出金口に移送し、シャッタを開放することなく、入出金口から一枚ずつ紙幣を繰出し再度鑑別部へ搬送する。鑑別部では、金種を鑑別する。
【0029】
鑑別部の鑑別結果に基づき、各収納筐体に対応した金種の紙幣を格納し、処理を終了する。
【0030】
この装置は、着脱自在の係員金庫を有しており、この係員金庫は、紙幣の補充或いは、回収に使用される。
【0031】
つまり、出金取引等の払出しが連続し、収納筐体内の紙幣の量が予め定められた量より減ると、予め紙幣が収納され、装置に装着された係員金庫から紙幣を繰出し、図示しない搬送ローラ或いは、搬送ベルトを有する搬送ルートを経由して、鑑別部へ搬送される。鑑別部では、金種の鑑別を行う。鑑別部の鑑別結果に基づき、各収納筐体に紙幣を収納することにより、紙幣の補充動作を行う。
【0032】
この補充動作は、各収納筐体の紙幣の量が予め定められた量に達するまで行なわれ、所定量に達した時点で中止される。この補充動作時に鑑別部で、真券ではあるが使用できない位痛んでいる紙幣、2枚重ねで搬送された等の理由により、真券と鑑別されなかった紙幣は、係員金庫内リジェクト部に収納される。
【0033】
また、入金が連続し、収納筐体内の紙幣が満杯になった場合には、収納筐体内の紙幣を繰出し機構により繰出し、鑑別部を経由して係員金庫内に搬送する。この回収動作は、各収納筐体内の紙幣が予め定めれた量に達するまで行われる。
【0034】
更に、装置の稼働開始のためには、各収納筐体内に紙幣を収納しておく必要がある。この場合には、行員等の係員は、立ち上げの指示を図示しない操作部より行うとともに、紙幣を収納してきた係員金庫を装着する。すると紙幣が収納された係員金庫より、紙幣が繰り出され、搬送ルート、鑑別部を経由し、各収納筐体に紙幣が収納される。これにより、各収納筐体内の紙幣が所定量収納されると、立ち上げ動作が終了し、取引が可能な状態となる。
【0035】
装置の稼働を停止し、各収納筐体内の紙幣を回収する必要が有る場合には、係員は、回収の指示を図示しない操作部から指示する。すると、各収納筐体に収納された紙幣は、繰出し機構、搬送ルート、鑑別部を経由して、係員金庫に回収される。この場合、係員金庫は空のものを装着すればよい。
【0036】
各収納筐体の紙幣が回収されると回収動作を終了する。回収動作が終了すると、係員は係員金庫を抜き取り、銀行の店舗に持ち帰り、係員金庫内の紙幣を数えることより、装置内の紙幣の精査を行うことができる。
【0050】
【課題を解決するための手段】
図1を用いて本発明を説明する。
【0051】
1は収納部であり、紙葉を収納する。2は投出部であり、紙葉が投入される。3は送出手段であり、投入部に投入された紙葉を送出する。4は鑑別部であり、紙葉を鑑別する。5は搬送路であり、各部間で紙葉を搬送する。6は仕切り手段であり、投入部内を少なくとも2つに仕切る。7は移動手段であり、投入部を移動させ、紙葉が投入可能な位置と投入部7より紙葉を繰出せる位置に移動させる。8は一時格納部であり、鑑別結果に応じ、紙葉を一時的に格納する。9は積載部であり、収納部1へ収納する紙葉を一時的に収納する。10は繰出し手段であり、収納部1より紙葉を繰り出す。11は返却搬送路であり、投出部2へ紙葉を搬送するものである。12は前カセット、13は後カセットあり、装置に対して着脱自在かつ、紙葉が収納可能に構成されたものである。14は運用リジェクト部であり、収納部或いはカセットへ収納すべきでない紙葉を収納する。15はカセットリジェクト部であり、カセットから繰り出された紙葉のうち収納部或いはカセットに収納すべきでない紙葉を格納する。16は繰込み手段であり、紙葉を収納部に繰り込むものである。17は制御部であり、各部を制御する。
【0052】
本発明は、着脱自在、且つ、回収口からの紙葉の繰込みが可能に構成され、紙葉を収納するカセットを複数装着可能に構成し、更に、複数のカセットを装着した場合にそれぞれのカセットの回収口が前段のカセットにより塞がれないよう装着されるカセット収納部とを有し、カセットが段階的に装着されるようになっている。したがって、カセットの回収口がそのカセットの前の位置に装着されたカセットにより塞がれない位置に各カセットが装着できるため、同一形状のカセットを使用することかできる。そのため、特殊形状のカセットが不要となるため、量産が可能となり、カセットのコストダウンを図ることができる。更には、紙葉を繰り込むカセットを複数設けることができるため、紙葉を格納する容量を多くすることかできる。また、紙葉の種類に対応しカセットを設ければ、紙葉の種類毎にカセットに収納でき、迅速に収納でき、且つ、紙葉の管理が容易となる。
【0053】
また本発明は、同一形状のカセットを複数装着可能に構成し、同一形状のカセットが段階的に装着されるようになっている。そのため、特殊形状のカセットが不要となるため、量産が可能となり、カセットのコストダウンを図ることができる。更には、カセットを装着する位置が間違っていたとしても、同一形状のカセットであるため、何ら支障なく動作することができる。
【0054】
また本発明は、着脱自在に構成され、紙葉を収納するカセットを複数装着可能に構成されたカセット収納部と、カセット収納部がカセットの抜き取りが可能な位置と、カセットが装着される位置とで揺動するよう案内するカセット移動手段と、カセットが装着される位置で抜き取りできないようロックするとともに、最前のカセットのロックを解除した場合、その他のカセットのロックも解除されるように構成されるロック手段とを有し、カセットをカセット移動手段により揺動し、カセットの装着位置でカセットが抜き取れないようにするためのロックを行い、更に、最前のカセットのロックを解除した場合には、他のカセットのロックを解除することができる。したがって、カセット移動部により移動するため、カセットの抜き取りが可能な位置までカセットを移動したのちカセットの着脱を行うことができるため、カセットの着脱が容易となる。
【0055】
更に1つのカセットのロックを解除するだけで、全てのカセットが抜き取れる状態となり、すなわち、容易にすべてのロックの解除が可能となり、最前のカセットの抜き取りが可能となる。
【0056】
また本発明は、着脱自在に構成され、紙葉を収納するカセットを複数装着可能に構成されたカセット収納部と、カセット収納部がカセットの抜き取りが可能な位置と、カセットが装着される位置とで揺動するよう案内するカセット移動手段と、カセットが装着される位置で抜き取りできないようロックするとともに、カセットが装着される位置への移動にともない、ロック状態となあるロック手段と、カセットが装着される方向へカセットを傾斜させること傾斜手段とを有し、カセットをカセット移動手段により揺動し、カセットの装着位置でロックを行い、抜き取り可能位置でカセットの着脱を行うとともに、カセットを装着位置方向に傾斜させておき、カセット移動手段により、カセットを装着位置に移動する。したがって、カセット移動部により移動するため、カセットの着脱が容易となる。また、カセット傾斜させておくことにより、確実にカセットのロックを行うことができる。更に、最前のカセットを傾斜させておけば、最前のカセットが最初にロックされるため、最前のカセットを確実にロックすることができる。
【0057】
また本発明は、傾斜手段は、カセット収納部を回動自在に構成されるとともに、カセットをカセットが装着される方向に付勢するスプリングで構成することより、カセット傾斜することができ、且つカセットの装着位置で冗長を持たせることができる。つまり、カセットをスプリングにより付勢し、傾斜させることにより、ロックを確実に行うことができ、且つ、カセットの装着位置では、スプリングが縮み、装着を確実に行うことができる。また、この傾斜手段を最前のカセットに設けておけば、最前のカセットが最初にロックされ、更にカセット移動手段を押し込むことより、スプリンクが縮み他のカセットのロックが可能となるため、確実に最前のカセットをロックし、その後、他のカセットをロックすることができるため、全てのカセットを確実にロックすることができる。
【0119】
【発明の実施の形態】
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
【0120】
第2図乃至第51図を用いて実施例を説明する。
【0121】
第2図に示すような自動取引装置は、銀行等に金融機関に設置され、顧客により操作される。
【0122】
この自動取引装置では、入金取引、出金取引、振込振替取引、記帳、残高照会等の取引を行うことができる。
【0123】
第2図、第3図に示すように顧客は、操作部22を操作し、取引種別の選択等、取引に必要な情報を入力する。
【0124】
この操作部22は、カラーディスプレイ22−1の表面にタッチキーボード22−2を設置したものである。このカラーディスプレイ22−1には、操作を促す案内、顧客待ちを示す案内等の顧客への種々の案内および、顧客が入力すべき情報を表示される。また、タッチキーボード22−2は、顧客が指で触った位置を検出し、その位置に対応するカラーディスプレイ22−1に表示した顧客が入力すべき情報を有効とし、その情報を入力情報として使用し、処理を遂行する。
【0125】
顧客は、取引を行うために操作部22により、取引を選択する。
〔入金処理〕
第2図、及び第3図を用いて入金取引を説明する。
【0126】
顧客が選択した取引が入金取引の場合には、カラーディスプレイ22−1には、キャッシュカードの挿入を促す案内を表示する。
【0127】
カード投入口21にカードが挿入されると、カードリーダ部33−1は、図示しないローラによりカードを取り込み、カードに磁気で記録された情報を図示しない磁気ヘッドにより読み取る。
【0128】
この情報に基づいて、ホストコンピュータと交信し、カードの正当性をチェックする。
【0129】
このチェックの結果、カードが正常であれば、次に紙幣の投入を促す案内をカラーディスプレイ22−1に表示する。更に、紙幣投入口20のシャッタをオープンして、紙幣の投入が可能な状態にする。
【0130】
顧客が紙幣投入口20に紙幣を投入すると、シャッタをクローズして、紙幣投入口20の紙幣を取り込み、F、Rスタッカに予め設定されている金種毎に取り込んだ紙幣を区別して収納する。
【0131】
紙幣の取り込みが終了すると取引結果をプリンタ部33−3でレシート及びジャーナルに印字し、レシートをカードと共にカード投入口21より排出する。
【0132】
排出したカード及びレシートを顧客が抜き取れば、入金取引は終了する。
〔出金取引〕
第2図、及び第3図を用い出金取引を説明する。
【0133】
顧客が選択した取引が出金取引の場合には、カラーディスプレイ22−1には、キャッシュカードを挿入するように案内を表示する。
【0134】
この指示に基づいて、顧客によりキャッシュカードがカード投入口21に挿入されると、カードイメージリーダプリンタユニット33に設けられたカードリード部33ー1は、図示しないローラにより、カードを取り込み、図示しない磁気ヘッドにより、キャッシュカードに磁気的に記録されている店番号、口座番号等の顧客を規定するために必要な情報を読み取る。
【0135】
キャッシュカードから読み取った情報に基づいて、そのキャッシュカードが発行された金融機関のセンタに設置されたホストコンピュータと交信し、顧客に関する情報、暗証番号等の情報をホストコンピュータに接続されたファイル(元帳ファイル)から受け取る。
【0136】
キャッシュカードから情報を読み取った情報を処理している間に、カラーディスプレイ22−1には、顧客に暗証番号の入力を促す案内を表示すると共に、暗証番号に入力するために必要な数字等の情報を表示する。
【0137】
顧客は、自分の暗証番号を入力するために、カラーディスプレイ22−1に表示された数字の位置に対応する部分のタッチキーボード22−2に触れる。顧客操作部22は、タッチキーボード22−2の顧客が触れた位置を検出し、顧客が触れた位置に対応する数字を有効とし、その数字を暗証番号の一部として、入力する。つまり、例えば、カラーディスプレイ22−1には、数字0〜9が表示されており、表示された「4」の位置を指で触ると、「4」が入力され、カラーディスプレイ22−1には、「○●●●」となり、暗証番号の入力状況が分かるようになっている。したがって、続いて表示された「3」の位置を指で触ると、「3」が入力され、画面には、「4」が入力され、カラーディスプレイ22−1画面には、「○○●●」が表示され、2桁入力されたことを把握することができる。
【0138】
この暗証番号は、通常4桁であり、数字が4桁入力されれば、暗証番号の入力を終了し、入力された暗証番号の照合を行う。
【0139】
暗証番号の照合は、キャッシュカードから読み取った情報に基づいて、ホストコンピュータと交信し、受信した、情報に含まれた暗証番号として予めホストコンピュータの元帳に登録さている情報を使用して行う。
【0140】
顧客操作部22のカラーディスプレイ22−1には、出金金額の入力を促す案内、金額を入力するために必要な数字或いは、千、万等の単位を表示する。
【0141】
この案内に従い、顧客は、タッチキーボードの22−2に表示された数字に対応する位置に触れ、出金させたい金額を入力する。
【0142】
顧客操作部22では、顧客が触った位置の数字を有効とし、出金金額とする。
【0143】
出金金額が顧客操作部22より入力され、暗証番号の照合の結果が、正常であれば、出金動作を開始する。
【0144】
この出金動作は、紙幣リサイクルユット30で行う。
【0145】
出金のための紙幣は、Fスタッカ30─1、Rスタッカ30─2に収納されている。Fスタッカ30─1、Rスタッカ30─2には、一万円札、千円札がそれぞれ収納されており、出金指示に基づいて、各スタッカより、必要な枚数分、一枚ずつ繰出される。
【0146】
F、Rスタッカより繰り出された紙幣は、紙幣投入口20に搬送される。
【0147】
取引の結果は、カードリーダイメージリーダプリンタユニット33のエードエンボス読取部33−2によりキャッシュカードの表面から読み取ったエンボスのイメージデータと共に、プリンタ部33−3でレシート用紙に印字されると共に、ジャーナル用紙にも印字される。
【0148】
紙幣投入口20に搬送された紙幣は、紙幣投入口20に設けられたシャッタをオープンして、顧客が抜き取れる状態とし、紙幣投入部20より顧客が紙幣を抜き取るのを待つ。
【0149】
また、カードリーダイメージリーダプリンタ部33で印字されたレシート(明細票)は、カードリーダ部33−1に投入されたキャッシュカードと共に、カード投入口21から一部排出され、顧客の抜き取り可能な状態とする。
【0150】
カード、レシート及び紙幣の全てが抜き取られれば紙幣投入口20のシャッタをクローズして、出金取引を終了する。
【0151】
硬貨を使用する取引、出金取引の場合には、図示しない硬貨処理ユニットより硬貨を繰出し、硬貨投入口24に搬送し、硬貨投入口24のシャッタをオープンし、硬貨が抜き取り可能な状態とする。
【0152】
また、硬貨を使用した入金取引の場合には、硬貨投入口24のシャッタをオープンし、硬貨を投入可能な状態とし、顧客が硬貨を硬貨投入口24に投入すると、シャッタをクローズし、図示しない硬貨処理ユニットで硬貨を取り込む。
【0153】
さらに、顧客は取引とともに、持参した通帳に取引履歴を印字したい場合には、記帳を選択し、通帳を通帳投入口23に投入する。投入された通帳は、通帳プリンタ部35により通帳に磁気的に記録された情報を読み取り、通帳の正当性をチェックしたのち、通帳の所定位置に取引履歴の通帳に印字してない未記帳データを印字し、通帳投入口23より排出する。
【0154】
また、自動取引装置の裏側には、裏扉が設けられており、係員により開閉される。裏扉をオープンすると、メンテナンス操作部31が設けられたおり、装置の保守、障害対応時等の係員処理に使用される。
【0155】
本体制御部34は、上述した各部を総括的に制御すると共に、センタのホストコンピュータと交信し、取引を遂行する。
【0156】
また、紙幣カセット30−2は、F、Rスタッカに対する紙幣の補充、回収処理に用いられる。
【0157】
図4に示すように紙幣カセット部30−3には、金庫扉30−3−1、カードリーダ30−3−2、表示部30−3−3、キー入力部30−3−4、金庫扉30−3−1を施錠、開錠するための鍵30−3−5が設けられており、更に、内部には、マイクロコンピュータが設けられている。
【0158】
この紙幣カセット30−3に紙幣をセット或いは、紙幣カセット30−3内の紙幣を取り除く場合には、鍵30−3−5を開錠して、金庫扉30−3−1をオープンして行う。この場合、誰が紙幣カセット30−3を取り扱ったを明確にするために、カードリーダ30−3−2を予め操作者である行員に割り当てられたIDカードを走査させる。
【0159】
表示部30−3−3には、紙幣カセット30−3に関する情報、例えば、紙幣カセット30−3にセットされている各金種毎の紙幣枚数、セットされべる自動取引装置のID番号等の情報である。
【0160】
また、キー入力部30−3−4は、紙幣カセット30−3に関する情報、例えば、セットした紙幣の金種、枚数、紙幣カセットを取り扱うに必要なIDカードに対応する暗証番号等の情報を入力する。
〔紙幣リサイクルユニットの構成・動作説明〕
取引時の紙幣リサイクルユニットの動作を図を用いて説明する。
【0161】
第3図に示した紙幣リサイクルユニット30は第5図に示すように各部が配置され、更に、第6図に示すようにマイクロコンピュータ(MPU)60を備え、各部を制御すると共に、本体制御部34と交信しつつ、取引を行う。
【0162】
搬送モータ61は駆動することにより、紙幣を搬送する搬送ベルトを動作させるものである。
【0163】
ゲートマグネット62は、紙幣を搬送する搬送ベルトで構成される搬送路が二股に分岐された部分で、紙幣の搬送方向を切り換えるためのゲートを駆動するためのものであり、紙幣リサイクルユニット内には、多数分岐があり、各ゲート毎にゲートマグネット62が使用されている。
【0164】
センサ63は、搬送路中、投入部等の場所に設けられた、紙幣の有無を検出する。このセンサは、光学式センサであり、発光素子及び受光素子があり、発光素子は、常時発光し、受光素子は、発光素子が発光した光を受光する。この発光素子と受光素子の間を媒体が通過する。この紙幣の有無により、受光素子が受光する受光量が変化する。この受光量を電気信号に変換し、電気信号の強弱で出力し、この電気信号により、紙幣の有無を検出するものである。
【0165】
プランジャマグネット64は、リンクを摺動させることより、2つの位置で位置決めされるものであり、電磁ロック等の2つの位置で位置決めする必要がある各部の駆動に使用される。
【0166】
パルスモータ65は、積載された紙幣を一枚ずつ繰出すためのローラを回動するものである。
【0167】
DCモータ66は紙幣投入部40のシャッタ54を開閉するために設けられている。
【0168】
鑑別部57は、紙幣の真偽、破損状況、金種、表裏等、紙幣の状況を光学的、磁気的に鑑別するものである。
【0169】
第1図と第5図の対応関係を説明する。
【0170】
収納部1は、Fスタッカ30−1、Rスタッカ30−2
投出部2は、投出部91
送出部3は、繰出し部53
鑑別部4は、鑑別部57
搬送路5は、収納搬送路42
仕切り手段6は、プレッシャ92
一時格納部8は、バッファプール50
積載部9は、集積部58−1、58−2
繰出し手段10は、スタッカ繰出し部56−1、56−2
返却搬送路11は、返却搬送路43
前カセット12、後ろカセット13は、紙幣カセット30−3
運用リジェクト部14は、リジェクト55−1
カセットリジェクト15は、カセットリジェクト53−2、53−3
にそれぞれ対応する。
【0171】
また、図1の移動手段7は、図15のゼネバ120、ゼネバ摺動部121、駆動ギヤ122、駆動リンク123、駆動軸128、突起部124、係合部125、切り欠き部126、回動ローラ127、回動軸128に対応する。
【0172】
図1の繰込み手段16は、図20の繰込みローラ158、羽根車151、及び、図28の羽根車側ローラ151−2に対応する。
【0173】
図1の制御部17は、図6のMPU60に対応する。
【0174】
図1の仕切移動手段18は、図12乃至図14のプレッシャモータ93、支持ガイド96、上下移動モータ97、プレッシャガイド98、前後ラック99、前後ギャ100、上下ラック101、上下ローラ103、連結ギャ104、上下軸105に対応する。
【0175】
なお、以下の処理フローに沿ってMPU60が動作し、各部を制御するものである。
【0176】
〔入金取引〕
図2乃至図9を用い、図7乃至図9の処理フローに沿って、入金取引時の紙幣リサイクルユニットの動作を説明する。
【0177】
顧客が顧客操作部22を操作し、入金取引を選択すると入金取引が開始される。
【0178】
この場合、F、Rスタッカ30−1、30−2が入金取引で入金される紙幣を収納できる否かをチェックし、収納できない場合には、異常処理を行なう。
【0179】
入金された紙幣の収納が可能な場合には、紙幣投入部40のシャッタ54をオープン(S1)するために、MPU60がDCモータ66を駆動し、シャッタ54をオープンし、顧客が紙幣投入口20に紙幣を投入可能となる状態にする。
【0180】
紙幣投入部40に紙幣が投入されたか否かを検出し(S2)、紙幣が紙幣投入部40に投入されていなければ、シャッタ54をオープンしてから所定時間が経過したか否かを判定する(S3)。所定時間経過していなければ、紙幣の投入の監視を継続する。
【0181】
紙幣投入部40に紙幣が投入されず、所定時間が過ぎてしまった場合には、シャッタ54をクローズ(S4)して取引を終了する。
【0182】
紙幣投入部40に紙幣が投入されたことを検出(S2)すると、所定時間経過後(S5)シャッタ54をクローズ(S6)する。
【0183】
シャッタ54をクローズすると紙幣投入部40の投出部91を回動し(S7)、紙幣が投出部91より繰り出させる位置まで投出部を移動させる。 投出部91が繰出し可能な位置まで移動すると、プレッシャ92が投出部91の中に突出し(S8)、紙幣を繰出し部53側に押圧する。
【0184】
投出部91内の紙幣を繰出し部53を回動し(S9)、繰出し部53により一枚ずつ繰出し、鑑別搬送路41で鑑別部57に搬送する。
【0185】
鑑別部57では、鑑別搬送路41により搬送されてきた紙幣を鑑別(S10)する。鑑別部57では、紙幣が真紙幣であるか偽紙幣であるか、紙幣の破損の程度(再利用できるか否か)、金種及び表裏等の鑑別を行う。
【0186】
この鑑別の結果(S11)に基づいて、MPU60は、ゲートマグネット62を制御し、ゲートを切り換え、紙幣の搬送方向を制御する。
【0187】
つまり、鑑別の結果、真紙幣であり、且つ、出金取引等の紙幣の払出しを行う取引に再利用可能な紙幣の場合には、ゲート51−1を切り換え(S13、S16)、紙幣を収納搬送路42によりスタッカ側に搬送する。
【0188】
また、真紙幣以外の紙幣、例えば、偽紙幣或いは、斜行、2枚以上重なって搬送された、搬送路の幅方向にずれすぎ等の理由により真紙幣と判別されなかった紙幣は、ゲート51−1を切り換え(S21)、紙幣を返却搬送路43により投出部91側に搬送する。
【0189】
更に、鑑別の結果、真紙幣ではあるが、F、Rスカッカ31−1、31−2に収納せず、出金取引等の紙幣の払い出しを行う取引に再利用しない紙幣、例えば、破損、汚れが酷いもの、五千円札、或いは、今後発行される可能性のある一万円札より高額の紙幣は、ゲート51−1を投出側に切り換え(S19)、更に、ゲート51−3をバッファプール部50側に切り換え(S20)、返却搬送路43から切り分け、バッファープール部50側収納する。
【0190】
スタッカ側に搬送された紙幣は、予め定められた金種のスタッカにゲート51−4、51−5により振り分けられる。つまり、Fスタッカ30−1に一万円札を収納し、Rスタッカ30−2に千円札を収納するようにした場合は、スタッカ側に搬送されてきた紙幣のうち、千円札は、ゲート51−4よりRスタッカ30−2に収納され(S14)、一万円札は、ゲート51−5によりFスタッカ30−1に収納される(S17)。
【0191】
この動作は、投出部91に投入された紙幣をセンサ63が検出しなくなるまで、つまり、投出部91に投入された紙幣がなくなるまで行われる(S23)。
【0192】
投出部91に投入された紙幣の鑑別が全て終了すると、プレッシャ92を投出部91内より退避する(S24)。
【0193】
もし、鑑別の結果、真紙幣と鑑別されず投出部91に返却された紙幣がある場合(S25)には、プレッシャ92の上部に集積されているため、プレッシャ92の退避(S24)により、返却紙幣のみ、投出部91内に残る。
【0194】
プレッシャ92を退避したのち、投出部91を回動させることにより(S26)、繰出し位置から投入可能位置に移動させて、位置決めする。
【0195】
その後、DCモータ66を駆動し、シャッタ54をオープンし(S27)、投出部91に返却された紙幣を顧客が抜き取れる状態にすると共に、本体制御部34を介して、顧客操作部22のカラーディスプレイ22−1に紙幣を紙幣投入口20から抜き取る指示を表示する。
【0196】
MPU60はセンサ63の出力により、投出部91の紙幣を顧客が抜き取ったか否かを検出し(S28)、投出部91の紙幣が無い場合には、所定時間計時し(S31)、その後、シャッタ54をクローズする(S32)。
【0197】
また、投出部91に紙幣が存在する場合には、シャッタクローズ釦が操作されるまで(S29)、或いは所定時間が経過するまで(S30)、シャッタ54をオープン状態にしておく。このシャッタクローズ釦は、顧客操作部22のカラーディスプレイ22−1、タッチキーボード22−2を利用し、カラーディスプレイ22−1にシャッタクローズ釦である旨を表示し、その位置のタッチキーボード22−2の対応する位置が操作された場合にシャッタクローズの指示が入力されたものとすればよい。
【0198】
シャッタクローズ釦が操作されるか、所定時間が経過した場合に、シャッタ54をクローズ(S329)する。
【0199】
投出部91に紙幣が有るか否かをセンサ63が検出し(S33)、紙幣が存在する場合には、投出部91を回動させる動作(S7)から、再度行い、投出部91の紙幣を再度鑑別する。これは、鑑別部57の搬送状態、例えば斜行、2枚以上重なって搬送された、搬送路の幅方向の搬送の位置がすれている等の搬送状態により真紙幣であるにもかかわらず、真紙幣の鑑別されない場合があり、このような紙幣は、再度鑑別することにより、真紙幣と鑑別される。したがって、再度、鑑別するために、投出部91より紙幣を繰り出す。
【0200】
返却紙幣が無かった場合(S25)及び返却紙幣が投出部91より抜き取られた場合には、投出部91に投入され、真紙幣と鑑別した紙幣で取引を継続する。鑑別部57で鑑別した結果の金額を本体制御部34を介して、顧客操作部22のカラーディスプレイ22−1に表示し(S35)、顧客に金額を確認させる。
【0201】
顧客は、確認の結果、金額と投入した金額と一致していれば、その旨を顧客操作部22のタッチキーボード22−2より入力し、一致していない場合に或いは、入金取引を中止したい場合には、その旨を顧客操作部22のタッチキーボードより入力する(S36)。
【0202】
金額を確認し、取引を継続する指示が入力された場合には、F、Rスタッカ30−1、30−2に一時収納された紙幣を完全にF、Rスタッカ30−1、30−2を収納するために、F、Rスタッカ30−1、30−2内を分けている集積部58−1、58−2を退避させる(S47)。このことにより、今回の入金取引で投入された紙幣をF、Rスタッカ30−1、30−2に既に収納している紙幣上に重ねて収納することができる。
【0203】
このとき、バッファプール部50に紙幣がある場合には、バッファ繰出し部52により、バッファプール部50内の紙幣を繰出し、鑑別搬送路41により鑑別部57に搬送し、更にゲート51−1(S50)及びゲート51−2(S51)を経由して、リジェクト部55−1に収納される。このバッファプール部50内の紙幣は、真紙幣ではあるが、取引に再度使用しない紙幣であるため、リジェクト部55−1に収納し、F、Rスタッカ30−1、30−2に収納されている紙幣とは区別する。 S35にて、入金され、鑑別した金額を顧客操作部22に表示した際、取引を中止する旨を顧客が顧客操作部22より入力した場合には(S36)、F、Rスッタカ30−1、30−2の集積部58─1、58─2内の紙幣を、スタッカ繰出し部56−1、56−2を駆動して繰出し(S37)、鑑別搬送路41、ゲート51−1、51−2、返却搬送路43を介して投出部91に搬送する(S38)。
【0204】
このとき、バッファプール部50に紙幣がある場合には、バッファ繰出し部52を駆動し(S39)、バッファプール部50内の紙幣を繰出し、鑑別搬送路41、ゲート51−1、51−2、返却搬送路43を介して投出部91に搬送する(S40)。
【0205】
F、Rスタッカ30−1、30−2の集積部58─1、58─2内の紙幣及び、バッファプール部50内の紙幣を投出部91に搬送すると、投出部91を回動し、紙幣が投入可能となる位置に移動し(S41)、シャッタ54をオープンし(S42)、紙幣投入部40の紙幣が、顧客により抜き取りが可能な状態とする。
【0206】
投出部91内の紙幣の有無を検出し(S43)、紙幣が抜き取られれば、シャッタ54をクローズして(S44)、取引を終了する。
【0207】
また、投出部91内の紙幣の有無を検出し(S43)、紙幣が抜き取られず、所定の時間が経過すれば(S45)、シャッタ54をクローズして、再度投出部91から紙幣を繰出し、鑑別部57、ゲート51−1、51−2、51−6、51−9を介して取り忘れ部49に収納される。この場合、鑑別部57で投出部91から繰り出されたきた紙幣を鑑別し、投出部91に返却した金額分の紙幣が再び投出部91から繰り出されたことを確認するようにすれば、取り忘れを起こした顧客とのトラブルを避けることができる。
〔出金取引〕
図2乃至図6及び図10乃至図11を用い、図10乃至図11の出金フローに沿って、出金取引時の紙幣リサイクルユニットの動作を説明する。
【0208】
顧客が顧客操作部22を操作し、出金取引を選択すると出金取引が開始される。
【0209】
顧客が入力した出金希望額に基づいて、紙幣の払い出しを行う。
【0210】
つまり、F、Rスタッカ30−1、30−2には、予め定めされた金種の紙幣、例えば、Fスタッカ30−1には一万円札、Rスタッカ30−2には、千円札がそれぞれ収納されている。したがって、例えば、十万円の出金を行うためには、Fスタッカ30−1から一万円札を10枚繰出す。また、五万五千円の出金を行うためには、Fスタッカ30−1より一万円札を5枚、Rスタッカより千円札を5枚繰り出す。尚、五千円札は、流通している枚数も少なく、千円札で代用できるため、入金された場合には、受け取るものの、出金取引時に、払い出さないようにしている。但し、F、Rスタッカに収納する紙幣の金種は任意に設定できるものであり、一万円札の代わりに五千円札を払い出することができるようにFスタッカ30−1に五千円札を収納しておいてもよい。
【0211】
更に、一万円単位、つまり、一万円、二万円等の出金額を指定される出金取引が、出金取引の中の多数を占めているため、F、Rスタッカ30−1、30−2の両方に一万円札を収納し、一万円札の量を多くし、出金取引を一万円単のみに制限すれば、紙幣の補給が少なくてすみ、長時間の稼働が可能となる。
【0212】
出金取引の要求があった場合には(S60)、F、Rスタッカ30−1、30−2から紙幣を繰り出すための機構が正常に動作するか否かを検出する(S61)。
【0213】
正常に動作する場合には、スタッカ30−1、30−2に出金希望額が払い出せるだけの紙幣が有るか否かを検出する(S62)。これは、スタッカ30−1、30−2内の紙幣の入出をカウンタを利用して管理しており、スタッカ30−1、30−2内に収納されている紙幣の枚数を管理することにより行う。
【0214】
スタッカ30−1、30−2内に紙幣が出金できる枚数分ある場合には、スタッカ繰出し部56−2、56−3のそれぞれを駆動し、スタッカ30−1、30−2から出金要求に対応した金額分の紙幣を繰り出す(S63)。
【0215】
スタッカ30−1、30−2から繰り出された紙幣は、搬送ベルトにより、鑑別搬送路41を介して鑑別部57に搬送され、鑑別部57で二重送り(S66)、金種(S67)の鑑別が行われる(S65)。これは、スタッカから繰出した紙幣が2枚以上重なったまま搬送され出金されたり、また、誤ってスタッカに予め定めた金種とは、異なった金種の紙幣が混入している場合に、誤った紙幣を出金しないようにするためのである。
【0216】
この鑑別の結果、紙幣が二重以上重なって搬送された場合、或いは、紙幣が出金すべき金種でない場合には、この紙幣はゲート51−1、ゲート51−2を経由してリジェクト部55−1に搬送され収納される(S68)。
【0217】
また、鑑別の結果、紙幣が正常に一枚だけ繰り出されたものであり、金額も所望の紙幣がである場合には、ゲート51−1、51−2、51−6、51−3、を経由して返却搬送路43で投出部91に搬送される(S69)。
【0218】
これは、投出部91に搬送した紙幣の金額が、出金要求のあった出金希望金額と一致するまで継続して行われる(S70)。
【0219】
出金要求のあった金額が投出部91に搬送された場合、投出部91を回動し、紙幣投入部40から顧客により紙幣が抜き出せる位置に移動させる(S71)。
【0220】
投出部91の移動が完了したのちに、シャッタ54をオープンして(S72)、顧客が紙幣投入部40内の紙幣が抜き出せるようにする。
【0221】
紙幣の抜き取りが完了したことを検出した場合には(S72)、シャッタ54をクローズして(S74)、出金取引を終了する。
【0222】
また、シャッタ54がオープンし、抜き取り待ち状態となってからの所定時間を計時し、所定経過した場合には(S75)、シャッタ54をクローズした後(S76)、投出部91を回動し、投出部91内の紙幣が繰り出せる位置に移動(S77)する。
【0223】
投出部91が繰出し可能位置になった後、繰出し部53を回動し、投出部91内の紙幣を一枚ずつ繰出す(S78)。
【0224】
投出部91より繰り出された紙幣は、鑑別搬送路41に搬送され、鑑別部57により真偽、金種等を鑑別する(S79)。再度鑑別するのは、投出部91に紙幣を搬送し、シャッタ54をオープンした際、別の紙幣に差し替えられたり、一部だけ抜き取れたりして、投出部91に払い出した金額と、取り忘れにより取り込んだ時の金額を紙幣に金額とが一致しない可能性があり、顧客とのトラブルが発生しないようにするためのである。
【0225】
鑑別した紙幣は、ゲート51−1、51−2、51−6、51−9を介して、取り忘れ部49に収納し(S80)、出金取引を終了する。
〔各機構の詳細説明〕
〔シャッタ〕
シャッタ54は、本発明の出願人が既に出願し、公開となっている実願昭61−142750号(実開昭63−53172号公報)に記載したような構成となっている。
【0226】
すなわち、同公開公報の第1図に示すように、シャッタ1、シャッタに設けられた長孔11、シャッタ1を開閉するためのパルスモータ5、パルスモータ5により回動すると共に先端にスタッド10が設けられ、スタッド10が長孔11と嵌入し、且つ長孔11内を揺動するレバー2、レバー2を一方向に付勢するスプリング12等の各部より構成されている。
【0227】
同公開公報では、シャッタ1を開閉する駆動源としてパルスモータ5を用いているが、本発明では、シャッタ1を開閉するための駆動源としてDCモータを使用している点で相違するが、その他の部分は同一である。
【0228】
したがって、本発明の図6に示すMPU60がシャッタ54をオープンするためには、先ずDCモータを駆動し、シャッタのオープン方向に回動する。この回動により、レバー2が回動し、スタッド10が嵌入した長孔11内を移動し、且つ、シャッタ1をオープン方向に移動させる。
【0229】
ストッパ3の位置までシャッタ1は移動し、オープン状態となる。
【0230】
シャッタ1をクローズする場合には、モータの動力を停止するか、モータを逆方向に移動することにより、シャッタ1は、クローズ方向に移動され、シャッタクローズ位置で停止し、その位置で保持される。
【0231】
〔紙幣投入部の構成〕
図12乃至図19を用いて投出部91、繰出し部53、プレッシャ92等を含む紙幣投入部40を説明する。
【0232】
図12は紙幣投入部の側面図であり、図5と同一の方向からみた図面である。図13は紙幣投入部の上面図であり、紙幣投入部40を上からみた図面である。図14は、紙幣投入部40の正面図であり、図12、図5の右手側から見た図面ある。
【0233】
プレッシャモータ93、上下移動モータ97、ピックローラ53−1或いはフィードローラ53−2を回動させる図示しないモータ、駆動ギヤ122を回動させる図示しないモータは図6のMPU60により、制御されているパルスモータ65である。
【0234】
また、図示しないが、紙幣投入部40の各所には、紙幣の通過、有無を検出するためセンサ、つまり、図6のセンサ63が設けられている。このセンサは、光学式センサであり、発光素子及び発光素子があり、発光素子は、常時発光し、受光素子は、発光素子が発光した光を受光する。この発光素子と受光素子の間を媒体が通過する。この紙幣の有無により、受光素子が受光する受光量が変化する。この受光量を電気信号に変換し、電気信号の強弱で出力し、この電気信号により、紙幣の有無を検出するものである。このセンサは、発光素子と受光素子とを紙幣の搬送路を挟んで設置した透過型と発光素子と受光素子とを搬送路の同じ側に
設け、受光素子では、発光素子の反射光を受光する反射型がある。
【0235】
入金取引時には、図12に示す投出部91は、矢印A方向に移動しており、顧客により紙幣が投入、抜き取り可能な位置に位置決めされている。
【0236】
紙幣が投出部91に投入されれば、投出部91を矢印B方向に回動し、繰出し可能位置まで移動する。
【0237】
投出部91がこの繰出し可能位置まで移動すると、投出部91の回動は停止する。
【0238】
この位置には、ピックローラ53−1、フィードローラ53−2が設けられており、該ローラ53−1、53−2が図12の場合には、反時計方向に回動し、図中矢印E方向に紙幣を繰り出す。
【0239】
また、支持ガイド96がフレーム90に固定され設けれている。
【0240】
この支持ガイド96には、上下ローラ103により、プレッシャガイド98が上下動可能に取り付けられている。
【0241】
このプレッシャガイド98は、プレッシャ92、プレッシャモータ93、上下ラック101、前後ギヤ100を支持するとともに、これらの各部と共に上下、図12中矢印C−D方向に移動する。
【0242】
プレッシャ92には、前後ラック99及び、摺動溝110が設けられており、前後ラック99は、プレッシャモータ93の軸に設けられた前後ギヤ100と噛み合い、プレッシャモータ93を駆動することにより、プレッシャ92を前後、図12中矢印X−Y方向に移動させ、その場合、摺動溝110とプレッシャガイド98の一部である摺動片111とが係合しており、このプレッシャガイドの摺動片111に沿って前後(図12中矢印XY方向)に移動する。
【0243】
また、プレッシャガイド98に設けられた上下ラック101は、上下移動モータ97に連結された上下ギヤ102と噛み合い、上下移動モータ97を駆動させることにより、プレッシャガイド98を上下移動させることより、プレッシャ92を上下移動させる。上下移動モータ97と上下ギヤ102とは、上下軸105、連結ギヤ104を介して、連結されており、上下移動モータ97と上下ギヤ102とを連結ギヤ104で接続することにより、上下移動モータ97を速度を落として上下ギヤ102に伝え、更に、上下ギヤ102と上下ラック101とにより、プレッシャ92の上下移動の速度を調整し、プレッシャ92が高速で移動することを防止している。
【0244】
このような構成により、プレッシャ92は前方向に移動し、投出部91内に突出した状態で停止し、さらに上下移動する。
【0245】
なお、図12乃至図14では、紙幣投入部40は水平で記載しているが、実際には、30度程度、図5に記載の図面で右側が下がり、傾斜するように傾いている。これは、紙幣と共に、混入した異物(硬貨、クリップ等)が紙幣とともに、繰り出されないようにするためであり、つまり、投出部91の底部107が、投出部91の紙幣が投入される口より下がるように構成しておき、更に底部107を格子状にしておくことにより、底部107より異物を投出部91の外に排出することができ、異物が搬送路に詰まる等の装置障害の原因を排除できるため、装置が異物により停止することがなくなり、特に係員が常駐しない場所に設置されている取引装置等の異物取り除き等の処置を行なわなくてもよく、装置の稼働率を向上することができる。
【0246】
また、この異物は返却口、返却口まで移送する移送手段、例えば、樋を設け、顧客に返却するようにすれば、誤って投出部91に紙幣以外の異物を入れてしまった顧客に対し、その異物を確実に返却できるため、顧客による係員の呼出し等がなくなり、また、係員がいない場所に設置された取引装置であっても、顧客に対し、異物を返却できるため、サービスの向上が図れる。
【0247】
また、投出部91が繰出し可能な位置に移動した際、投出部91から紙幣が漏れることを防ぐために、紙幣の漏れ防止を行うために紙幣ガイド108を設けている。つまり、プレッシャ92を図13に示す如く櫛状に形成しておき、プレッシャ92が前方向に移動した際には、プレッシャ92の凹部が嵌入する位置に、棒状のガイドを設け、更に紙幣ガイド108の一端は、フィードローラ53−2の紙幣の繰出し方向を規制するようにすれば、ガイドを兼用することができ、コストダウンに貢献することができる。
【0248】
更に、投出部91が繰出し位置にある場合には、繰り込み部106により、装置内から返却搬送路43により搬送されてきた紙幣を投出部91内に送り込むことができる。
【0249】
したがって、入金取引時に顧客により、投出部91に投入された紙幣を繰出し、鑑別搬送路41により搬送し、鑑別部57で鑑別し、この鑑別の結果、真紙幣と鑑別されなかったものは、返却搬送路43、繰り込み部106を介して投出部に返却することができ、返却する紙幣を一時的に格納しておくための構成が不要となり、当然、返却紙幣を一時的に格納しておく機構からの繰出しも不要となるため、紙幣の返却動作が高速化でき、ひいては、取引のための処理速度の向上が図れる。
【0250】
投出部91は、図15乃至図19に示すような動作を行い、回動運動を行う。
【0251】
投出部91は、駆動ギヤ122、駆動リンク123、突起部124、係合部125、ゼネバ120、ゼネバ摺動部121、切り欠き部126、回動ローラ127、回動軸128からなっている。また、駆動ギヤ122は、図6のパルスモータ65に図示しないベルトで図中矢印F−G方向に回動される。
【0252】
駆動ギヤ122の駆動軸128は図示しないフレームに回動自在に固定されている。駆動リンク123は、駆動ギヤ122に固定されており、駆動ギヤ122と共に同軸で回動し、且つ、先端には、突起部124が設けられている。
【0253】
投出部91には、係合部125が設けられており、この係合部125は、駆動リンク123の突起部124と係合する。また、投出部91には、複数(本実施例では、2つ)の回動ローラ127が回転可能に固定されている。
【0254】
更に、セネバ120が設けられており、このゼネバ120は、ゼネバ摺動部121、切り欠き部123を有しており、ゼネバ摺動部121の溝内を投出部91に回転可能に固定された回動ローラ127が摺動可能となっており、切り欠き部126は、駆動リンク123に係合する。
【0255】
〔投出部の投入可能位置から繰出し可能位置への回動動作〕
先ず、投出口91への紙幣が投入、抜き取り可能な位置(図15に示す位置)から繰出し可能な位置(図19に示す位置)に移動する場合には、図示しないモータを駆動し、駆動ギヤ122を図中矢印G方向に回動する。
【0256】
駆動ギヤ122と共に駆動リンク123も図中矢印G方向に回動すると、この回動に伴い、投出部91が図中矢印H方向に自重で移動する。この場合、投出部91をスプリング等の付勢力のある手段で図中矢印H方向に付勢しておけば、迅速、且つ、確実に投出部91を図中矢印H方向に移動させることができる。
【0257】
その投出部91の移動に伴い、回動ローラ127はゼネバ摺動部121内を摺動する。更に駆動ギヤ122を回動すると、駆動リンク123の突出部124がゼネバ120の切り欠き部126に係合する(図16に示す)。
【0258】
駆動ギヤ122をさらに回動すると、突起部124と切り欠き部126が係合したまま駆動リンク123が回動するため、ゼネバ120は、図17中矢印J方向に回動軸128を中心に回動する。
【0259】
投出部91の回動ローラ127とゼネバ120のゼネバ摺動部121とは、摺動自在に固定されているため、ゼネバ120の回動に伴い、投出部91も回動する(図17に示す)。
【0260】
さらに駆動ギヤ122を回動し、図18に示す位置まで投出部91が回動すると、駆動リンク123の突起部124とゼネバ120の切り欠き部126の係合が外れるため、投出部91の回動は停止する。
【0261】
駆動ギヤ122を回動すると突起部124は、係合部125と係合するため、駆動ギヤ122の回動に伴い投出部91は、図18中の矢印I方向、つまり、プレッシャ92の方向に移動する。
【0262】
駆動ギヤ122の回動を停止することより、投出部91は繰出し可能な位置、つまり、図19に示す位置で停止する。
【0263】
〔投出部の繰出し可能位置から投入可能位置への回動動作〕
投出部91から紙幣が繰出し可能な位置(図19に示す位置)から投出部91からの紙幣の抜き取り可能な位置(図15に示す位置)に移動する場合には、図示しないモータを駆動し、駆動ギヤ122を図中矢印F方向に回動する。
【0264】
駆動ギヤ122と共に駆動リンク123も図中矢印F方向に回動し、この回動に伴い、投出部91が図中矢印H方向に自重で移動する。この場合、投出部91をスプリング等の付勢力のある手段で図中矢印H方向に付勢しておけば、迅速、且つ、確実に投出部91を図中矢印H方向に移動させることができる。
【0265】
その投出部91の移動に伴い、回動ローラ127はゼネバ摺動部121内を摺動する。
【0266】
更に駆動ギヤ122を回動すると、駆動リンク123の突出部124がゼネバ120の切り欠き部126に係合する(図18に示す)。
【0267】
駆動ギヤ122を更に回動すると突起部124と切り欠き部126が係合したまま駆動リンク123が回動するため、ゼネバ120は、図17中矢印K方向に回動軸128を中心に回動する。
【0268】
投出部91の回動ローラ127とゼネバ120のゼネバ摺動部121とは、摺動自在に固定されているため、ゼネバ120の回動に伴い、投出部91も回動する(図17に示す)。
【0269】
さらに駆動ギヤ122を回動し、図16に示す位置まで投出部91が回動すると、駆動リンク123の突起部124とゼネバ120の切り欠き部126の係合が外れるため、投出部91の回動は停止する。
【0270】
駆動ギヤ122を更に回動すると突起部124は、係合部124と係合するため、駆動ギヤ122の回動に伴い投出部91は、図15中の矢印I方向、つまり、シャッタ54の方向移動する。
【0271】
駆動ギヤ122の回動を停止することより、投出部91はシャッタ54をオープンした場合に、紙幣の抜取が可能な位置、図15に示す位置で停止する。
【0272】
このような構成により、より狭い空間でかつ、確実に投出部を紙幣の投入、抜取可能位置と投出部内の紙幣が繰り出せる位置との間で移動させることかできる。つまり、投出部を回転するために回転の中心となる軸を設け、回動させたのでは、投出部の角が取り込み部、紙幣ガイド等に接触し、投出部を移動することができない。
【0273】
したがって、上述したように構成することより、投出部91の円滑な移動を可能としている。
【0274】
〔入金取引における紙幣投出部の動作〕
入金取引を行う場合には、図15に示す位置に、つまり、シャッタ54がオープンすると投出部91内の紙幣が抜き取れる、また投出部91に紙幣が投入できる位置に投出部91は位置決めされる。
【0275】
シャッタ54をオープンして、入金取引される紙幣を受入れる。
【0276】
投出部91内に紙幣が投入されると、シャッタ54をクローズして、図示しないモータを駆動し、駆動ギヤ122を回動することより、投出部91を図19に示す位置まで移動させる。
【0277】
投出部91が繰出し可能位置まで移動してくると、プレッシャモータ93を駆動することにより、前後ギヤ100を回動し、この前後ギヤ100と前後ラック99によりプレッシャ92を図中矢印Yの方向に移動させる。
【0278】
プレッシャ92を図中矢印Y方向に移動し、投出部91の底部107にプレッシャ92の先端が接近した位置で、プレッシャモータ93の駆動を停止し、プレッシャ92の移動を停止する。
【0279】
プレッシャ92の移動が停止されて後、上下移動モータ97を駆動し、上下ギヤ102を介して、上下ラック101を移動させ、プレッシャガイド98を図中矢印D方向に移動させることにより、プレシャ92を紙幣がピックローラ53−1、フィードローラ53−2に対して押しつけられる方向に移動させる。所定の圧力で、紙幣を押圧するために、プレッシャ92と投出部91に投入され、投出部91内に積載された紙幣の最上部の位置をセンサで検出するようにしておき、プレッシャ91の位置を決定するようにすれば、ピックローラ53−1と紙幣との間の摩擦力が最適となり、ピックローラ53−1により紙幣を確実に繰り出すことができる。また、上下移動モータ97と上下ギヤ102の間に所定の圧力が加わるとスリップするワンウェイクラッチを設けておき、プレッシャ91が所定の圧力以上で紙幣を押圧しようとすると、上下移動モータ97とプレッシャ92の間でスリップが生じて、所定圧力以上が紙幣に加わらないようにしてセンサでプレッシャの位置を検出する方法と同様の効果が得られる。
【0280】
プレッシャ92が移動し、紙幣をピックローラ53−1、フィードローラ53−2に対して押圧すると、ピックローラ53−1及びフィードローラ53−2を、図示しないモータにより、図12では反時計周りに回動することにより、紙幣を図中の矢印E方向に一枚ずつ繰り出す。このモータも図6に示すパルスモータ65のうちの1つである。
【0281】
繰り出された紙幣は、一枚ずつ鑑別搬送路41により鑑別部57に搬送され、鑑別される。
【0282】
鑑別部57の鑑別の結果、真紙幣として鑑別されなかった紙幣は、返却搬送路43を経由して、繰り込み部106により、投出部91内に繰り込まれ、プレッシャ92の上部に積載される。つまり、プレッシャ92を挟んで、ピックローラ53−1、フィードローラ53−2側には、投入された入金取引を行う紙幣があり、反対側には、既に鑑別が終了した紙幣が積載される。
【0283】
全ての紙幣がピックローラ53−1、フィードローラ53−2により、繰り出されると、プレッシャ91は図12の破線で表した位置まで移動する。この後、プレッシャ92を上下移動モータ97、プレッシャモータ93を駆動し、図中矢印X方向に移動し、プレッシャ92が投出部91に突出しなくなる位置まで、プレッシャ92を移動する。
【0284】
プレッシャ92上の紙幣は、紙幣ガイド108に当るため、投出部91より漏れることなく、そのまま投出部91内に残り、投出部91内に積載される。
【0285】
プレッシャ92が投出部91に突出しない位置まで移動した後、上下移動モータ97を駆動することにより、図中矢印C方向、つまり、押圧とは、反対方向に移動し、所定の位置に位置決めし、次の押圧動作が迅速にできるようにする。
【0286】
プレッシャ92を図中矢印X方向に移動し、投出部91にプレッシャ92が突出しない状態にしたのち、図中矢印C方向、つまり、紙幣を押圧する方向とは、反対方向に移動させることにより、紙幣を低い位置で投出部にプレッシャ92の上部から落とすため、整然としたままの状態で投出部91内に紙幣を残すことできる。
【0287】
プレッシャ92を退避すると図示しないモータを駆動し、駆動ギヤ122を回動し、投出部91を図15の位置、つまり、シャッタ54がオープンした際、投出部91からの紙幣の抜き取りが可能となる位置に位置決めする。
【0288】
シャッタ54をオープンし、紙幣の抜き取りの指示を顧客操作部22にて表示し、紙幣が抜き取られれば、紙幣投入部40の動作は終了する。
【0289】
また、抜き取られないか、或いは、再度紙幣が投入された場合には、再度シャッタをクローズした後、投出部91を回動し、更にプレッシャ92を紙幣を押圧できる方向に移動し、繰出しを行う、上述した動作を所定回数繰り返す。予め定めれた回数繰り返しても、所定の返却紙幣がある場合には、入金取引を中止し、前に取り込んだ紙幣を投出部91に搬送し、顧客に返却することにより、悪戯等の原因で装置が専有されることを防止する。
【0290】
従って、このような構成、動作により、入金取引時に顧客により、投出部91に投入された紙幣を繰出し、鑑別部57で鑑別し、この鑑別の結果、真紙幣と鑑別されなかったものは、返却搬送路43、繰り込み部106を介して投出部に返却することができ、返却する紙幣を一時的に格納しておくための構成が不要となり、当然、返却紙幣を一時的に格納しておく、機構からの繰出しも不要となるため、紙幣の返却動作が高速化でき、強いては、取引のための処理速度の向上が図れる。
【0291】
〔出金取引時の紙幣投出部と動作〕
出金取引を行う場合には、投出部91は、繰出し可能に位置決めされる。つまり、図19の位置であり、ピックローラ53−1、フィードローラ53−2により、投出部91内の紙幣を繰り出せる位置である。
【0292】
更に、プレッシャモータ93を駆動し、プレッシャ92を投出部91内に突出させる。この時プレッシャ92は、図12中矢印C−D方向は予め定められた位置とする。つまり、投出部91は紙幣が500枚程度収納できる程度の幅になっているため、プレッシャ92を投出部92内に突出しないで、繰り込み部106により紙幣を投出内に繰り込むと、繰り込まれた紙幣は、自由落下する期間が長く発生し、整然と収納することができない。投出部91に紙幣を整然と収納するため、プレッシャ92を投出部91内に突出させ、繰り込み部106による紙幣の収納に適した隙間を空ける。この隙間は、予め設定しておき、上下駆動モータ97でプレッシャ92を図12中矢印C−D方向に移動することにより、作ることができる。
【0293】
プレッシャ92を投出部91内に突出させると繰り込み部106により、紙幣を一枚ずつ投出部91内に繰り込む。
【0294】
繰り込み部106により投出部91内に繰り込む紙幣を図12には図示しないセンサにより検出し、MPU60は枚数をカウントする。この投出部91への収納枚数に基づき、上下移動モータ97を回動して、プレッシャ92を下方向、つまり、図12中矢印D方向に移動させ、プレッシャ92と投出部91との間を空ける。このことより、繰り込み部106から繰り込まれてくる紙幣を収納する空間は常に一定となり、整然と紙幣を収納することができる。
【0295】
顧客より指定された金額分の紙幣を投出部91に繰り込むと繰り部106を停止し、更に、プレッシャモータ93を駆動し、前後ギヤ100、前後ラック99を介してプレッシャ92を投出部91に突出しない方向、つまり、図12中矢印X方向に移動する。
【0296】
プレッシャ92が投出部91内に完全に突出しない位置まで移動すると、図示しないモータにより駆動ギヤ122を回動し、投出部91を回動し、シャッタ54にオープンすることにより、顧客の紙幣の抜き取りが可能な位置、つまり、図15の位置まで投出部91を回動する。
【0297】
その後、シャッタ54をオープンし、投出部91内の紙幣の抜き取りを可能とし、投出部91の紙幣の抜き取りを待つ。これは、投出部内に設けられた図示しないセンサにより紙幣の有無を検知する。この投出部91内の紙幣が抜き取られたことを検出すると、シャッタ54をクローズして、出金取引を終了する。
【0298】
このような構成、制御によって、出金取引のための紙幣を投出部91に直接収納することができ、しかも、紙幣を投出部91内に積み重ねて集積できるため、迅速且つ整然と投出部91に収納でき、出金取引の時間を高速にすることができ、装置の稼働率が向上する。
【0299】
〔スタッカの構成・動作説明〕
F、Rスタッカ30−1、30−2は金種毎に集積され、出金取引時に払い出すために予め収納する紙幣、入金され出金に再利用される紙幣が収納される。
【0300】
スタッカの構成、及び動作について図20乃至図36を用いて説明する。
【0301】
図20は、図5におけるF,Rスタッカ30−1、30−2及びF,Rスタッカ30−1、30−2内に収納された紙幣を繰り出すと共に、搬送されてきた紙幣をスタッカ内に収納するスタッカ繰出し部56−1、2の詳細を示している。また、スタッカ繰出し部56−1、2の上部には、繰出した紙幣を搬送すると共に、F、Rスタッカ30−1、30−2に収納する紙幣を搬送する搬送手段として、搬送ベルト131が設けられている。
【0302】
このF,Rスタッカ30−1、2は同一の機構であり、Fスタッカ30−1を例にとり説明する。
【0303】
このFスタッカ30−1には、入金時に紙幣を集積する集積部58−1が設けられている。更に、Fスタッカ30−1に収納された紙幣を集積しておく、ステージ59−1が設けられている。
【0304】
集積部58−1には、入金取引等の紙幣を投入する取引を行うために、投出部91に投入された紙幣のうち、鑑別部57の鑑別の結果、取り込み可能な紙幣、つまり、真紙幣であり、かつ、破損等の障害が無く、出金に再利用できる紙幣を集積する。この集積部58−1により、入金取引時に取り込んだ紙幣と、既にFスタッカ30−1に収納された紙幣とは分離されている。既にFスタッカ30−1に集積した紙幣と、入金取引時に投入された紙幣を分けて集積するのは、入金取引が途中で中止された場合に、投出部91に投入された紙幣を確実に顧客の元へ返却することにより、その後のトラブルを無すためである。
【0305】
また、出金取引時には、この集積部58−1が退避し、ステージ59−1を上昇させ、ステージ59−1上の紙幣をスタッカ繰出し部56−1に押し付け、一枚ずつ繰出し、搬送ベルト131、鑑別搬送路41、返却搬送路43を経由して投出部91に搬送される。
【0306】
〔入金取引時のスタッカの動作説明〕
入金取引を行う場合には、各スタッカは図22に示すように投入された紙幣を集積できるスペースを確保し、入金可能状態になる。
【0307】
つまり、集積部移動用モータ133により、集積部58−1を入金された紙幣を集積できる位置に位置決めする。この位置は、予め定めた位置であり、集積部58−1が下過ぎれば、紙幣が雑然と集積されてしまう。また、集積部58−1が上過ぎると既に集積部58−1上に集積された紙幣の後端に次に集積する紙幣の先端が衝突してしまう。これを防止するには、集積部58−1部を頻繁に下降させる必要があり、集積部移動用モータ133を制御しなければならなくなり、制御が面倒となる。従って、この集積部58−1が位置決めされる位置は予め実験、経験的に求めた位置であり、下降動作を少なくするために、紙幣が整然と集積できる最下位置を設定しておけば、紙幣を整然と集積でき、且つ、制御が簡単となる。
【0308】
集積部移動用モータ133には、集積部移動ベルト135が集積部移動ギヤ136を介して、設置されており、この集積部移動ベルト135により、集積部58−1を上下移動させる。また、この集積部移動ベルト135と集積部移動ギヤ136は、両方ともギヤの構造となっているため、滑りが生じないようになっており、確実に集積部58−1を上下移動させることができる。
【0309】
投出部91に投入された紙幣は、鑑別部57で鑑別され、搬送モータ61で駆動される搬送ベルト131により、図20の左から右方向、つまり、図中矢印L方向に搬送されてくる。
【0310】
この搬送モータ61は、1つのモータで鑑別搬送路41、収納搬送路42、返却搬送路43、カセット搬送路44、搬送ベルト131を駆動している。このことより、モータ1つで全体の搬送路を駆動できるため、安価な搬送路の駆動機構を提供することができる。更に、搬送モータ61により回動する軸には、クラッチ143が設けられており、このクラッチ143を介して、搬送ベルト131、繰込みローラ158、羽根車151、ピックローラ138、フィードローラ139に搬送モータ61の動力が伝達されるようになっている。このクラッチ143は、指示を与えることにより、軸に対して空周りする状態と、軸と同期して回動する状態に切り換えれるようになっている。つまり、軸に対して空周りする状態では、搬送モータ61の動力がその先に伝達されず、搬送ベルト131、繰込みローラ158、羽根車151、ピックローラ138、フィードローラ139は回動されない。また、軸と同期して回動する状態では、クラッチ143を介して、その先に動力が伝達されるため、搬送ベルト131、繰込みローラ158、羽根車151、ピックローラ138、フィードローラ139は回動される。
【0311】
鑑別部57での鑑別結果を基づいて、ゲート51−5が図中矢印M、つまり、紙幣が搬送される搬送路に突出する位置に移動する。この動作は、図6中のプランジャマグネット64で行うものである。
【0312】
つまり、Fスタッカ30−1には、一万円札を収納、Rスタッカ30−2には、千円札を収納するように予め定めておく。
【0313】
従って、鑑別部57の鑑別結果が一万円札であった場合には、Fスタッカ30−1に収納されるものであり、一万円札が、収納搬送路42、搬送ベルト131で搬送されてくると、ゲート51−5が動作し、繰り込みローラ158、羽根車151、羽根車側ローラ151−2を介してFスタッカ30−1に収納され、集積部58−1に集積される。スタッカに紙幣を繰り込む際に羽根車を使用しているのは、確実に紙幣をスカッタ内に送り込み、更に下方に押し付けることができるためである。つまり、羽根車151は、スタッカ内に繰り込む場合には、紙幣の後端を押し、押し出された紙幣の先端がスタッカの繰り込まれる側と対向する壁に衝突するようにし、先端が壁に衝突すると羽根車151が更に回動することにより、紙幣の後端が下方向に押され、迅速且つ、確実に集積部58−1上に集積される。
【0314】
更に、この羽根車151と同軸で回動する羽根車側ローラ151−2が設けられており、繰込みローラ158と羽根車側ローラ151−2により紙幣を挟持し、紙幣をスタッカ内に収納する。
【0315】
この繰り込み動作は、投出部91に投入された全ての紙幣がなくなり、鑑別され、各収納位置に振り分けられるまで、継続して行われる。
【0316】
集積部58−1の繰り込み部分には、センサが設けられており、集積部58−1に繰り込まれた紙幣を検出することにより、集積部58−1に集積された紙幣の枚数を計数する。集積部58−1に集積された紙幣が予め定め所定の枚数値に達した場合には、集積部58−1を下降させて、紙幣を繰り込むスペースが所定間隔に保つようにすることにより、紙幣が整然と集積できる。
【0317】
投出部91内の紙幣が無くなり、顧客が取引を継続する選択がされた場合には、集積部58−1上に集積された紙幣をステージ59−1に既に集積されている紙幣の上に集積する。
【0318】
その為、図23に示すように集積部58−1を下方向に移動する。
【0319】
つまり、集積部移動用モータ133を駆動して、集積部58−1を下方向に移動し、ステージ59−1に集積されている紙幣の上に落とせる位置に位置決めする。
【0320】
従って、集積部58−1上の紙幣を落下させても、紙幣が乱れないような位置であり、この位置で図24に示すように集積部58−1を左右に開放することより、集積部58−1上の紙幣をステージ59−1上に集積された紙幣の上に落下させる。
【0321】
この集積部58−1は左右に開くような構成になっており、この左右の集積部58−1の間に紙幣が入り込まないように、図21の集積部58−1を上面から見た場合の図面に示すように、互いの部材が櫛状になっており、さらに互いの先端は相手側の凹部に入りこんでおり、互いの部材の間に紙幣が入り込まないようになっている。
【0322】
また、入金取引の途中で顧客が取引を中止した場合には、集積部58−1に集積された紙幣を返却するために、搬送ベルト131、鑑別搬送路41、返却搬送路43により、投出部91に搬送する必要がある。
【0323】
集積部58−1に紙幣を集積した後、顧客が入金取引を中止するように指示した場合には、図25に示すように、集積部58−1を上昇させ、スタッカ繰出し部56−1により、集積部58−1上の紙幣を一枚ずつ繰出し、紙幣を図中矢印L方向に搬送する。
【0324】
これにより、集積部58−1上の紙幣、つまり、顧客が投出部91に投入した紙幣をそのまま返却することができる。
【0325】
〔集積部の構成、動作〕
図23及び図24に示したように入金された紙幣は、集積部58−1から落下し、ステージ59−1上の紙幣とともに集積される。
【0326】
このようにするため、集積部58−1は左右に開き、紙幣を落とせる状態にする必要がある。
【0327】
従って、集積部58−1は、図30乃至図35に示すように動作する。
【0328】
図30乃至図35は、Fスタッカ30−1の右側の集積部58−1の動作を示したものであり、左側の集積部58−1も右側の集積部58−1と同様の動作をするため、右側を例にとり説明する。
【0329】
集積部58−1を上下させる場合には、集積部移動用モータ133を駆動し、集積部移動ギャ136を回動することにより、集積部駆動用ギャ191を回動する。尚、集積部駆動用ギヤ191は、左右別々に設けられており、同期を取るために、位相合わせギャ137を介して、集積部移動用モータ133で直接駆動する集積部駆動用ギャ191から他方の集積部駆動用ギャ191−2に伝達される。
【0330】
この集積部駆動用ギャ191は、ホルダ192に設けられたラックと噛み合っており、集積部駆動用ギャ191を回動することにより、集積部58−1、ホルダ192、集積部支持部202が上下移動する。
【0331】
この集積部58−1を上方向に移動させるためには、集積部駆動用ギャ191を図30中矢印P方向に回動するように、また、集積部58−1を下方向に移動させるためには、集積部駆動用ギャ191を図中矢印O方向に回動するように、集積部移動用モータ133の駆動方向を制御する。
【0332】
集積部58−1を開くためには、集積部58−1を下方向に移動する必要があるため、集積部駆動用モータ133を駆動し、集積部駆動用ギャ191を図中矢印O方向に回動することにより、集積部58−1、ホルダ192、集積部支持部202は下降する。
【0333】
集積部58−1が下降を開始する時点では、図36(1)に示すように、台形カム195と規制カム194とが辺で接触しているためカム回動軸203の回動は規制され、また、回動カム193の歯は、回動板カム192−1の歯の無い位置にあるため、回動カム193と回動板カム192−1は、噛み合わないため、カム回動軸203は回動しない。
【0334】
したがって、この位置で、左右の集積部58−1を手等の外部から力を与え、開放しようとしても、台形カム195と規制カム194により、回動が規制されているので開放することができない。
【0335】
集積部駆動用ギャ191を回動すると、図31に示すように、集積部58−1、ホルダ192、集積部支持部202は下降し、ストッパ201に集積部支持部202の一部が衝突し、集積部58−1及び集積部支持部202の下降が停止する。この時点では、図36(2)に示すように台形カム195と規制カム194はまだ辺で接触しているため、カム回動軸203は回動しない。
【0336】
さらに集積部駆動用ギャ191を回動すると、図32に示すように集積部58−1、集積部支持部202はストッパ201に衝突しているため停止するが、集積部支持部202に摺動可能に固定されたホルダ192は更に下降する。この時点で図36(3)に示すように台形カム195と規制カム194の接触が無くなり、且つ、回動カム193と回動板カム192−1が噛み合うため、回動板カム192−1の下降にともない、回動カム193も回動するため、カム回動軸203も回動する。
【0337】
カム回動軸203の回動にともない同軸に固定されている集積部駆動プーリ199が回動し、この回動は集積部駆動ベルト197を介して、集積部回動プーリ198に伝達される。この集積部回動プーリ198の回転軸である集積部回動軸196も集積部回動プーリ198の回転にともない回転する。
【0338】
集積部回動軸196が回動すると集積部58−1も図33に示すように図中矢印Q方向に集積部回動軸196を中心に回動する。
【0339】
さらに集積部駆動用ギャ191を回動すると、図34に示すようにホルダ192が下降を続けると、回動板カム192−1も下降し、図36(4)、(5)、(6)に示すように回動カム193も回動を続けるため、集積部58−1は、図34に示すように更に回動する。
【0340】
図36(7)に示す位置まで回動板カム192−1が下降すると、規制カム194と台形カム195が辺で接触し、且つ、回動カム193と回動板カム192−1とが噛み合うための、回動板カム192−1側の歯がなくなるため、カム回動軸203の回動が停止する。このため、集積部58−1の開放動作も停止し、図35(6)の位置で停止する。
【0341】
集積部58−1の開放動作が停止した位置では、図36(8)に示すように台形カム195と規制カム194が辺で接触するため、完全に集積部58−1の回動が停止する。
【0342】
以上のように集積部58−1の開放動作は行われ、集積部58−1上に集積された紙幣をステージ59−1上の紙幣に積み重ねることができる。
【0343】
集積部58−1を閉鎖する場合には、集積部駆動用ギャ191を開放方向とは、反対の方向、つまり、図30中の矢印P方向に回動することにより、上述した集積部58−1の開放動作とは、反対の動作を行い、集積部58−1を図30中矢印R方向に回動し、閉鎖動作を行う。
【0344】
上述のホルダ192、集積部支持部等の集積部58−1を開閉するための機構は、図21に示すようにスタッカ内の側壁141の外側に設けられており、集積部58−1、ステージ59−1に集積される紙幣がこの機構に混入したり、引っ掛かったりすることはない。
【0345】
このような構成にすることにより、入金取引時に投入され、未確定取引を一時的に集積することができる集積部58−1をスタッカ内に構成することができ、更に、集積部58−1を退避するたのスペースを大きく確保する必要がないため、装置全体の小型化が図れる。
【0346】
〔出金取引時のスタッカの動作説明〕
出金取引を行う場合には、ステージ59−1の上の紙幣を一枚ずつ繰出し、投出部91に搬送する。
【0347】
Fスタッカ30−1から紙幣を繰り出すために、紙幣が集積されているステージ59−1をステージ移動用モータ132を駆動することより、ステージ移動ベルト142を介して、図26の位置から更にステージ59−1を上昇させる。
【0348】
また、ステージ59−1は、安定して上下移動できるように筐体等に設けられたレールを走行するためのステージ移動ローラ157が設けられており、このステージ移動ローラ157は片側に4個ずつ、両側に設けられており、8つのローラでステージ59−1を支持している。
【0349】
ステージ59−1を上昇することにより、図27に示すようにステージ59−1上の集積された紙幣の最上部の紙幣がピックローラ138に接触し、所定の圧力で押しつけられる位置まで、ステージ59−1が上昇した時点でステージ移動用モータ132を停止し、ステージ59−1の上昇を停止する。
【0350】
この状態からピックローラ138、フィードローラ139を繰出し方向に回動する。つまり、図27に示す矢印方向、すなわち、時計方向に回動する。
【0351】
この回動により、ステージ59−1に集積された紙幣の最上部の紙幣を一枚ずつ繰出し、フィードローラ139を介して搬送ベルト131に繰出す。搬送ベルト131に繰り出された紙幣は、さらに鑑別搬送路41、返却搬送路43により投出部91まで搬送され、投出部91に集積される。
【0352】
この動作を出金の指示があった金額分行い、出金指示のあった金額分紙幣を繰出した時点で、ピックローラ138、フィードローラ139を停止し、紙幣の繰出し動作を停止し、投出部91に収納された紙幣を顧客に払い出す。
【0353】
この際フィードローラ139には、セパレータ140が、つる巻きばね、板バネ等の付勢力のある部材により所定の圧力で押しつけられている。したがって、ピックローラ138により、二枚重ねで繰り出されそうになった場合であっても、フィードローラ139に接触している紙幣のみ、フィードローラ139の搬送力により繰り出され、セパレータ140側の紙幣は、セパレータ140との摩擦により繰出しは停止する。
【0354】
したがって、一枚ずつ確実に搬送ベルト131に繰り出すことができる。このセパレータ140はウレタンゴム等の摩擦力のある材質で形成されている。
【0355】
紙幣の繰出し動作を行う場合には、繰込みローラ158、羽根車151は回転しないようになっている。これは、紙幣を繰り込む方向に回転すると繰出し方向とは、反対方向に羽根車151の送り力が作用し、繰出しに障害をきたすためである。
【0356】
また、羽根車15は、ゴム等の容易に変形するとともに、元の状態に復元する力のある材質で形成されている。従って、紙幣の繰出しのためにステージ59−1を上昇させ、ステージ59−1上の最上部の紙幣がピックローラ138に接触する位置、つまり、図27の状態では、羽根車151は、変形することによりステージ59−1の上昇を妨げないようになっている。
【0357】
以上のようにして出金取引を行う。
【0358】
〔収納ガイド〕
図28乃至図29はFスタッカ30−1の上部を収納ガイド181が明確になるように抜き出した図面である。
【0359】
入金取引時等のスタッカ内に紙幣を収納する場合、収納する紙幣を整然と集積できるようにスタッカの上部に収納ガイド181が設けられている。
【0360】
この収納ガイド181はスタッカ内に紙幣を収納する際には、突出し、スタッカ内から紙幣を繰り出す場合には、退避するようになっている。
【0361】
つまり、図28に示すように、収納ガイド181は、Fスタッカ30−1に紙幣を繰り込むための羽根車151、繰込みローラ158が設けられた側のフレームに固定されている収納ガイド軸182を中心に図中矢印V−U方向に回動可能に構成されている。
【0362】
入金取引時等の紙幣をスタッカ内に繰り込む場合には、プランジャマグネット183を動作せさ、図6中のMPU60はプランジャマグネット183を制御し、マグネットレバー1810を図中矢印S方向に移動させる。このマグネットレバー1810に固定されている伝達レバー187も一緒に図中矢印S方向に移動することにより、伝達軸189で回転可能に取り付けられている連結レバー188が連結レバー軸1811を中心に回動する。この連結レバー188の回動により収納ガイド181は図中矢印U方向、つまり、突出する方向に移動する。
【0363】
また、このマグネットレバー1810には、解除レバー186が取り付けられており、マグネットレバー1810の図中矢印S方向の移動に伴いこの解除レバー186も図中矢印W方向に回動する。
【0364】
図20のFスタッカ30−1の上部に記載されているようにスタッカ内に突出した収納ガイド181は、羽根車151が設けられた付近に固定された収納ガイド軸182を中心に回動し、ピックローラ138が収納ガイド181により隠れる位置まで下がり、かつ、先端部分の方が低くなるように傾斜した位置に位置決めされる。
【0365】
したがって、羽根車151及び繰込みローラ158により繰り込まれてきた紙幣はピックローラ138に接触することなくガイドされ、更に紙幣の先端側は下方向にガイドされる。このため、紙幣の先端が繰出し側のフィードローラ139とセパレータ140との間に入り込むことはない。
【0366】
さらに、紙幣の後端側は、羽根車151により、強制的に下方向に押しつけられるため、繰り込まれてきた紙幣を迅速に集積部58−1上に集積することができる。
【0367】
このように、紙幣をスタッカに繰り込む場合には、収納ガイド181がスタッカ内に突出するため、迅速、確実かつ整然と紙幣を収納できる。
【0368】
さらに、この収納ガイド181は、紙幣の繰出し時には退避する。
【0369】
この収納ガイド181を退避させるために、プランジャマグネット183を動作させ、マグネットレバー1810を図中矢印T方向に移動する。このマグネットレバー1810の移動にともない、伝達レバー187も図中矢印T方向に移動することにより、伝達軸189により連結されている連結レバー188が連結レバー軸1811を中心に回動する。この連結レバー188の回動にともない収納ガイド181は、図中矢印V方向に回動する。
【0370】
このような収納ガイド181を設けたため、より確実且つ整然と紙幣を集積部58−1上に集積できるばかりでなく、紙幣の繰出しも確実且つ、スムーズに行うことができる。
【0371】
収納ガイド181がスタッカ内に突出しない位置、つまり、図20のRスタッカ30−2側の収納ガイド181の位置に位置決めされるため、ピックローラ138が突出するため、ステージ59−1を上昇させ、ステージ59−1を紙幣の繰出しが可能な位置に位置決めし、ピックローラ138、フィードローラ139により紙幣の繰出しを行う。
【0372】
さらに、マグネットレバー1810に接続された解除レバー186は、図中矢印X方向に移動する。
【0373】
この解除レバー186の回動により、該解除レバー186の先端がギャ支持ガイド185に衝突し、更に回動することによりギャ支持ガイド185は羽根車駆動ギャ185−1の回動軸を中心に第29図中矢印α方向に移動する。このことより、ギャ支持ガイド185に取り付けれている羽根車連結ギャ184も図中矢印a方向に回動する。
【0374】
これにより、羽根車連結ギャ184は、繰込みローラ158と同軸を中心に回動し、羽根車151に回動を伝達している羽根車伝達ギャ1812から離れ、羽根車151、繰込みローラ158、羽根車側ローラ151−2の回動は、停止する。
【0375】
従って、紙幣をスタッカから繰り出す場合には、繰込み側の羽根車151は回動しないため、羽根車151が紙幣の繰出しの邪魔とならず、スムーズな紙幣の繰出しが可能となる。
【0376】
このギャ支持ガイド185、羽根車連結ギャ184は、スタッカへ紙幣を繰り込む場合には、プランジャマグネット183の図中矢印S方向、マグネットレバー1810の図中矢印W方向の回動により、図中矢印β方向に回動し、羽根車駆動ギャ185−1の回動を羽根車連結ギャ184、羽根車伝達ギャ1812を介して羽根車151に伝達可能となる。
【0377】
このように、収納ガイド181の移動のための駆動源を利用して、羽根車151の紙幣繰込み時の回動、紙幣繰出し時の停止を行うため、プランジャマグネット等の駆動源を必要しないため、コストダウンが図れる。
【0378】
なお、羽根車駆動ギャ185−1は、搬送ベルト131の駆動力を伝達する構成となっており、つまり、羽根車駆動ギャ185−1の駆動源は、搬送ベルト131の駆動源と同一である。このことより、羽根車151を回動するための動力が不要となり、コストダウンが図れる。
【0379】
〔スタッカの残量検知〕
図37乃至図38を用いてスタッカ内の紙幣残量の検知について説明する。
【0380】
Fスタッカ30−1、Rスタッカ30−2内の紙幣の量、特に満杯状態、空状態を検出するためのセンサがそれぞれのスタッカに設けられている。
【0381】
図37に示すように入金取引或いは紙幣カセット30−3から紙幣を補充することより、ステージ59−1上に紙幣を積載して行く。
【0382】
図37に示すようにステージ59−1上に紙幣が積載されることより、ステージ59−1が下降し、ステージ59−1を最下位センサ374が検出した場合、且つ、ステージ59−1上に積載された紙幣の最上位置を一次センサ372が検出した場合には、カセット30−1内の紙幣が満杯状態と検出される。
【0383】
この位置は、入金取引時に使用する集積部58−1がカセット30−1内に突出する位置より下に設けてあるが、これ以上、紙幣がステージ59−1に積載された場合には、集積部58−1が突出できなくなる位置である。したがって、一次センサ374が紙幣の最上位置を検出した場合には、入金取引等のカセット30−1内に紙幣を収納する必要がある入金取引等の動作を制限する。このことより、この装置は出金取引等の紙幣を払い出す取引のみに縮退する。
【0384】
しかし、一次センサ372が紙幣の最上位置を検出した時点では、カセット30−1内は完全に満杯にはならない位置に一次センサ372は設けられている。
【0385】
これは、一次センサ372が紙幣の最上位置を検出した状態で、入金取引が完了していなければ、取引が終了するまで、紙幣を受付、ステージ59−1上に紙幣を更に集積するためである。
【0386】
この場合、集積部58−1は、スタッカに突出することができないが、投出部91に投入された紙幣を鑑別し、一旦バッファプール50に集積したのち、バッファプール50より、紙幣を繰り出し、F、Rスタッカ30−1、30−2に集積することにより、集積部58−1、58−2がF、Rスタッカ30−1、30−2に突出しなくても、顧客が取引を中止した時に紙幣を返却することができ、顧客にとって通常と変わることのない入金取引を可能にする。
【0387】
また、スタッカ30−1、30−2には、満杯検知を行うための二次センサ371が設けられている。
【0388】
最下位センサ374がステージ59−1を検出した場合に、且つ、二次センサ371がステージ59−1上に集積された紙幣の最上位置を検出した場合には、Fスタッカ30−1内は、完全に満杯であり、Fスタッカ30−1内への紙幣の集積は、強制的に停止する。
【0389】
一次センサ372、二次センサ371が紙幣の最上位置を検出した場合には、F、Rカセット30−1、30−2から紙幣を繰出し、紙幣カセット30−3に収納することより、F、Rカセット30−1、30−2内の紙幣の量を減らすことができる。
【0390】
また、入金取引を行わず、出金取引のみに限定するの場合には、F、Rスタッカ30−1、30−2内の紙幣を減らす必要はなく、集積部58−1を開放し、二次センサ371が紙幣の最上位置を検出するまで、紙幣をステージ59−1、59−2に集積しておき、繰り出すようにすれば、出金取引のための紙幣をさらに多くF、Rスタッカ30−1、30−2内に収納しておくことができる。そのため、数多くの出金取引が可能とり、紙幣を補充を頻繁に行う必要なくなり、装置の管理が容易となる。
【0391】
二次センサ371は、斜めに取り付けられており、特に羽根車151側の紙幣の最上位置を検出するようにし、ぎりぎりまで、紙幣をFスタッカ30−1内に繰り込めるようにしている。
【0392】
また、図37には、記載を省いたが、図38に示すように、F、Rスタッカ30−1、30−2には、F、Rスタッカ30−1内の紙幣が空状態となったことを検出するために、上位検知センサ373が設けられており、この上位検知センサ373は、ステージが上昇した際の上位位置を検出するようにしている。
【0393】
この上位検知センサ373もそれぞれのF、Rスタッカ30−1、30−2に設けられているため、Fスタッカ30−1を例にとり説明する。
【0394】
出金取引等のスタッカ30−1からの繰出しが連続する場合には、スタッカ30−1の紙幣が減少する。紙幣が減少しても確実に紙幣を繰り出すことができるように、紙幣の減少にともない、ステージ59−1を上昇させる。
【0395】
ステージ59−1が上昇して、ステージ59−1を上位検出センサ373が検出した場合に、スタッカ30−1の紙幣が無くなったことを検出する。
【0396】
上位検出センサ373がステージ59−1を検出した場合には、出金取引等の紙幣を繰り出す必要がある取引は行わないように制限する。
【0397】
しかし、この場合、ステージ59−1上の紙幣が完全になくなったわけではなく、紙幣が残る位置に上位検出センサ373は設けられている。
【0398】
したがって、出金取引の途中で上位検出センサ373がステージ59−1を検出した場合であっても、出金取引を継続して行い、出金取引を完了させる。
【0399】
この場合、ステージ59−1の紙幣が完全になくなったことを検出する検出センサを別に設けおき、出金取引の継続中にステージ59−1上の紙幣がなくなったことを検出した場合には、紙幣カセット30−3から紙幣を繰出し、カセット搬送路44、鑑別搬送路41、返却搬送路43により投出部91に搬送することより、Fスタッカ30−1の紙幣が完全なくなったとしても、出金取引を完了させることができる。
【0400】
上位検出センサ373がステージ59−1を検出した場合には、スタッカ30−1内の紙幣が少ないためであり、紙幣カセット30−3から紙幣を繰出し、Fスタッカ30−1に紙幣を収納するようにすることより、スタッカ59−1内の紙幣を増やすことができ、また、Fスタッカ30−1からの紙幣の繰出しが可能となる。
【0401】
〔紙幣カセット〕
紙幣カセット30−3は、紙幣リサイクルユニットに対して、装着、脱却することができる。
【0402】
つまり、行員等のオペレータにより、紙幣をこの紙幣カセット30−3に装填して、装着することにより、各スタッカ30−1、2に紙幣を供給し、装置の立ち上げ動作を行う。
【0403】
また、各スタッカ30−1、2内の全ての紙幣を紙幣カセット30−3に回収することより、紙幣リサイクルユニット内の精査、つまり、紙幣リサイクル内に収納されている紙幣の金種及び枚数の管理を行うことができる。
【0404】
この紙幣カセット30−3は複数個装着できる構造になっている。
【0405】
セキュリティー上、紙幣カセット30−3は、確実に装着し、施錠することより、施錠の掛け忘れを無くし、誰でも簡単に紙幣カセット30−3の着脱ができないようにする必要がある。
【0406】
図39乃至図43を用いて紙幣カセットのロック機構について説明する。
【0407】
図39、図40、図41は側面図であり、図5の装置図の方向と同一の方向からみた場合の紙幣カセット及び紙幣リサイクルユニットの一部ある。図42は、側面図であり、図5の装置図の反対側から見た図面であり、ロック機構の各部の配置、構成を示す図面である。図43は後面から見た図であり、図5の装置図面の左かから見た図である。
【0408】
図39に示すように紙幣カセット30−3はR紙幣カセット30−31と、F紙幣カセット30−32とがある。
【0409】
これら紙幣カセット30−3は紙幣リサイクルユニットの背面から着脱可能に且つ、前後2段で設けられている。更にそれぞれの紙幣カセット30−31、30−32が収納されるRカセット収納部392、F紙幣カセット収納部373がそれぞれ設けられており、このカセット収納部392、393は紙幣カセット30−31、30−32の下部分の半分程度を包む形状になっている。
【0410】
従って、R紙幣カセット30−31を引き抜く場合には、Rカセットロック部396を解除したのち、R収納部回転軸394を中心に、図中矢印cの方向に回動させた後、図40に示す状態にし、R紙幣カセット30−31を図中矢印e方向に持ち上げる。
【0411】
また、F紙幣カセット30−32を引き抜く場合には、カセット搭載部398をカセット移動レール391に沿って、図中矢印g方向に引き出し、更にR紙幣カセット30−31を図中矢印c方向に倒し、図41(2)の状態とした後、F紙幣カセット30−32を図中矢印k方向に持ち上げる。
【0412】
紙幣カセット30−31、30−32を装着する場合には、Rカセット収納部392、Fカセット収納部393にR紙幣カセット30−31、F紙幣カセット30−32をそれぞれ装着した後、カセット搭載部398をカセット移動レール391に沿って押し込み、紙幣カセット30−31、30−32をカセットロック部396、397により施錠する。
【0413】
図42に示すような紙幣カセットに対する開錠、施錠を行うための機構であるRカセットロック部396、Fカセットロック部397、Rカセット解除レバー401、Fカセット解除レバー402、R解除リンク403、F解除リンク404、Rロック連結リンク405、及びFロック連結リンク406は、紙幣リサイクルユニットの筐体に取り付けられており、更には、リンクは長孔、スタッドにより、摺動可能に構成され、レバーは軸を中心に回転可能に構成されている。また、収納ロック連結リンク409、F収納ロック部410、R収納ロック部407、R収納解除部411は、Rカセット収納部392、Fカセット収納部393に設けられている。
【0414】
まず、R紙幣カセット30−32を引き抜く場合には、オペレータにより、先ずRカセット解除レバー401を図中矢印m方向に回動させる。
【0415】
このRカセット解除レバー401によりR解除リンク403が図中矢印rの方向に移動し、Rロック連結リンク405が図中矢印v方向に移動する。
【0416】
Rロック連結リンク405の移動によりRカセットロック部396が図中矢印w方向に回動し、開錠される。
【0417】
R収納ロック部407は、R紙幣カセット30−31がRカセット収納部392に収納されている場合には、R収納解除部411により図中矢印▲3▼方向に回動され、ロックが解除された状態となる、Rロック連結リンク405の影響を受けない。
【0418】
R収納ロック部407が解除されることにより、紙幣カセット30−31が図中矢印c方向、つまり、R収納部回転軸347を中心に回動し、手前に倒れることが可能となり、図40に示す位置に紙幣カセット30−31が手前に倒れると紙幣カセット30−31を引き抜くとができる。
【0419】
また、R紙幣カセット30−31とF紙幣カセット30−32を同時に抜き取る場合には、Fカセット解除レバー402を図中矢印o方向に回動させることにより、Fロック連結レバー408が回動し、F解除リンク404が図中矢印s方向に移動することにより、Fロック連結リンク406を図中矢印z方向に移動させる。このFロック連結リンク406の移動によりFカセットロック部397が開錠される。これとともに、収納ロック連結リンク409も図中矢印▲6▼の方向に移動し、F収納ロック部410が図中矢印▲7▼の方向に回動することにより、開錠される。
【0420】
これと同時にR解除リンク403の係止部403−1にFカセット解除レバー402の一部が引っ掛かりR解除リンク403が図中矢印r方向に移動する。このR解除リンク403の移動により、Rカセットロック部396が開錠されることにより、R紙幣カセット30−31及びF紙幣カセット30−32がカセット搭載部378ごと図中矢印g方向に移動可能となり、両方の紙幣カセット30−31、30−2が抜き取り可能となる。
【0421】
Rカセット収納部392からR紙幣カセット30−31が抜き取られた場合には、R収納解除部411が図中矢印▲9▼方向に移動し、R収納ロック部407に対するロックが解除され、R収納ロック部407は、図中矢印▲4▼の方向に回動し、ロックが可能な位置になる。この場合、R収納ロック部407は図中矢印▲4▼の方向に、R収納解除部411は図中矢印▲9▼方向に、つる巻きばね、板ばね等の弾性部材で付勢されている。
【0422】
したがって、Rカセットセット収納部392からR紙幣カセット30−31を引き抜いた状態でRカセット収納部392を図中矢印d方向に回動させると、R収納ロック部407により、ロックされ、Rカセット収納部392は、図39に示すように立った状態で位置決めされる。
【0423】
この状態で紙幣リサイクルユニットに装着された場合に、Rカセット解除レバー401、Fカセット解除レバー402が操作された場合には、Rロック連結リンク405により、R収納ロック部407は開錠され、図中矢印c方向に倒れ、R紙幣カセット30−31が着脱可能になる。
【0424】
R紙幣カセット30−31が装着された場合には、R収納解除部411が図中矢印■側に移動し、R収納ロック部407は、図中矢印▲3▼方向に回動し、ロックができない状態となる。従って、カセット搭載部398を図中矢印h方向に移動して、紙幣リサイクルユニットにセットしなくてはR紙幣カセット30−31、Rカセット収納部392は立ち上げロックすることができない。
【0425】
従って、F紙幣カセット30−32が確実にロックされことを目視でき、F紙幣カセット30−32をロックを確実に行うことができる。
【0426】
また、図41に示すようにカセット搭載部398を図中矢印g方向に引き出し、再び2つの紙幣カセット30−31、30−32を紙幣リサイクルユニットに装着する場合にR紙幣カセット30−31だけロックが掛かり、F紙幣カセット30−32はロックが掛からないという不具合を解消するために、Fカセット収納部393は、カセット搭載部398に対して、多少図41中矢印j方向、つまり、紙幣リサイクルユニット側に傾斜するように設置される。紙幣カセット30−32を傾斜させるために、スプリング399により、図41中矢印j方向に付勢している。このスプリング399はつる巻きばね、板ばね、ゴム等の弾性部材であれば、何でもかまわない。
【0427】
このようにF紙幣カセット30−32を紙幣リサイクルユニット側に傾斜させることにより、R紙幣カセット30−31より先にF紙幣カセット30−32がFカセットロック部393により、施錠される。続いて、R紙幣カセット30−31がRカセットロック部396により施錠される。
【0428】
このことより、R紙幣カセット30−31も、F紙幣カセット30−32も確実にロックされることになる。
【0429】
カセット解除レバー401、402には、鍵を設けて、この鍵の開錠に合わせて、Rカセット解除レバー401は図中矢印m方向に、Fカセット解除レバー402は、図中矢印o方向に回動するようにすれば、鍵を管理することにより、紙幣カセット30−3の着脱を制限することができる。
【0430】
上述したロック機構では、Rカセットロック部396は図中矢印x方向に、Fカセットロック部396は図中矢印▲2▼方向、F収納ロック部410は図中矢印▲8▼の方向につる巻きばね、板ばね等の弾性部材で付勢されている。
【0431】
〔紙幣カセットの構造〕
紙幣カセット30−3は、出願人が既に出願し、公開となっている特開昭62−209694号公報、特開平4−89772号公報に記載されているような構成になっている。
【0432】
特に特開平4−89772号公報には、紙幣カセットが詳細に説明されており、以下の説明にこの公報を用いる。
【0433】
特開平4−89772号公報の第1図にも記載されているように、紙幣カセット30−3には、仕切り板6、押し板7、それぞれを駆動する駆動手段9、10が備えられている。
【0434】
この第1図を本発明の図46とし、新たに符号を付し、説明する。尚、対応関係を明確にするために、図46中では、平4−89772号公報の第1図の符号を括弧で付す。
【0435】
この紙幣カセット30−3(2)は紙幣リサイクルユニットに対して、着脱自在に構成され、更に上述したようにロック機構を有するものである。
【0436】
この紙幣カセット30−3に設けられた、仕切り板462(6)は、回収口461(3)から回収された紙幣を積載するものであり、回収された紙幣を整然と集積するために、仕切り板駆動部464(6a)により上下移動し、常に一定のスペースになるように移動される。このような構成により、紙幣カセット30−3を紙幣リサイクルユニットに装着する時点で紙幣カセット30−3内に装填されている紙幣とは、区別して収納することができる。更に、仕切り板462(6)は、退避することにより、仕切り板462(6)の上に集積された紙幣を、仕切り板462(6)の下にある紙幣の上に集積することができる。
【0437】
押し板463(7)は、押し板駆動手段464(6a)により、紙幣カセット30−3内を上下移動するように構成され、紙幣カセット30−3内からカセット繰出し部56−3、56−4(5)により、紙幣を繰り出す場合、このローラに紙幣を所定の圧力で押しつける。更に、押し板463は、紙幣を押圧する押圧位置と集積された紙幣に影響されることなく上下移動できる退避位置とに位置決めでき、仕切り板462上に積載された紙幣を下の紙幣の混合する場合は、この押し板463は退避位置にあり、積載の邪魔とならいないようになっている。
【0438】
また、図46に記載されていないが、図5に示すように紙幣カセット30−3の上部には、スタッカリジェクト部55−2、55−3を有しており、リジェクトされる紙幣を収納するための空間が設けられている。
【0439】
回収口461(3)は、カセットの側面に設けれており、更に、紙幣カセット30−3(2)が紙幣リサイクルユニットに取り付けられた際に、紙幣リサイクルユニットに設けられたローラ、羽根車等により、回収口461(3)へ紙幣を繰り込み、回収口461(3)に繰り込まれた紙幣を仕切板462(6)に積載する。
【0440】
更にR紙幣カセット30−31、F紙幣カセット30−32は、図39にも示すように、R紙幣カセット30−31、F紙幣カセット30−32が紙幣リサイクルユニットに装着された場合には、R紙幣カセット30−31の方が、F紙幣カセット30−32より高い位置、つまり、R紙幣カセット30−31の回収口461の位置がF紙幣カセット30−32により塞がれない位置で装着されるようになっている。
【0441】
このことにより、R紙幣カセット30−31とF紙幣カセット30−32とを同一形状にすることができるため、コストダウンを図ることができ、且つ、R紙幣カセット30−31とF紙幣カセット30−32とを入れ換えて装着したとしても、同一形状であるため、R紙幣カセット30−31とF紙幣カセット30−32とを再び入れ換えて装着しなくても、動作することができる。
【0442】
〔紙幣カセットの利用〕
紙幣カセット30−3は以下の場合使用される。
(1)少なくともいずれか一方のスタッカ内の紙幣が少なくなった場合に、スタッカ内に紙幣を補充する。
(2)少なくともいずれか一方のスタッカ内の紙幣が満杯になった場合に、スタッカ内の紙幣を回収する。
(3)入金取引時にスタッカ30−1、2に障害が発生した場合に、紙幣カセットに直接入金する。
(4)出金取引時にスタッカ30−1、2に障害が発生した場合に、紙幣カセットから直接出金する。
【0443】
〔(1)補充処理〕
図38に示すように上位検知センサ373がステージを検出した場合には、スタッカ30−1内の紙幣がなくなった状態であり、スタッカ30−1内に紙幣を補充する必要がある。
【0444】
この場合の紙幣リサイクル部の動作を図44を用いて説明する。
【0445】
Fスタッカ30−1に紙幣を繰り入れるために、ステージ59−1を昇降し、紙幣の繰入できるスペースを確保する(S81)。
【0446】
次に、紙幣カセット30−3内の押し板463により、紙幣をFカセット繰出し部56−3或いはRカセット繰出し部56−4に押しつけ、Fカセット繰出し部56−3、Rカセット繰出し部56−4を駆動し、紙幣を一枚ずつ繰り出す(S82)。
【0447】
繰り出された紙幣は、カセット搬送路44、鑑別搬送路41を介して鑑別部57に搬送され、金種及び2枚以上重って搬送されているかいなかを鑑別する(S83)。
【0448】
鑑別部57で鑑別された結果、一万円札である場合(S85)には、ゲート51−1がスタッカ側に位置決めされ(S89)、収納搬送路43を介して、ゲート51−5をFスタッカ30−1側に位置決め(S90)することにより、紙幣カセット30−3から繰り出された紙幣のうち一万円札と鑑別された紙幣は、Fスタッカ30−1に収納することにより、Fスタッカ30−1に紙幣が補充される。
【0449】
この動作は、Fスタッカ30−1に所定枚数収納されるまで継続して行われる(S91)。
【0450】
また、Fスタッカ30−1に紙幣を繰り込む際、所定枚数の紙幣が収納される毎にステージ59−1が下降して、紙幣を収納するために適当なスペースを確保するように制御される。
【0451】
更に、千円札を収納しているRスタッカ30−2の紙幣も減っており、補充が必要な場合には、鑑別部57の鑑別の結果(S83)が千円札である紙幣を、ゲート51−1がスタッカ側に位置決めし(S86)、更にゲート51−4をRスタッカ30−2側に位置決め(S87)する。このことにより、紙幣カセット30−3から繰り出された紙幣のうち千円札と鑑別されものは、カセット搬送路44、鑑別搬送路41、収納搬送路42を介して、Rスタッカ30−2に収納される。この動作は、Rスタッカ30−2に所定枚数繰り込まれるまで継続して行われる(S88)。
【0452】
補充が必要なスタッカが片方だけである場合、例えば、一万円札だけであれば、千円札の補充は不要であるため、鑑別部57が千円札と鑑別された場合には、紙幣カセット30−3の仕切板462上に戻し集積することにより、補充の不要なスタッカに紙幣を補充することがなく、補充の必要なスタッカにのみ補充ができるため、補充処理を行うことにより、補充の不要なスタッカへ補充することによる障害、つまり、補充の不要なスタッカが満杯になることがなく、円滑に補充処理ができ、障害及び休止が少ない装置となる。
【0453】
もし、鑑別部57の鑑別の結果、一万円札、千円札でもない場合には、繰り出された紙幣が、2枚重送り、斜行しているため、或いは、五千円札等の理由により、一万円札、千円札と鑑別できなかった場合には、ゲート51−1を紙幣カセット30−3側に位置決めし(S94)、更にゲート51−6、51−8をカセット側に位置決めし(S95)、紙幣カセット30−3から繰り出された紙幣で一万円札、千円札と鑑別されなかったものは、紙幣カセット30−3内のカセットリジェクト部55−2、55−3に収納される。
【0454】
この場合、2つある紙幣カセット30−3をそれぞれの金種に割当てた場合には、割り当てられたそれぞれの紙幣カセット30−3から、紙幣を繰り出せばよいため、紙幣が少なくなったカセットに迅速に紙幣を補充することができる。
【0455】
このような補充処理は、センサがカセット内の紙幣が減少したことを検出した場合のみ行うものではなく、遠隔監視装置、装置裏面のオペレータが操作する操作部から任意に指示することにより行うようすれば、装置が取引を行っていない場合に紙幣を補充することができ、休止の少ない運用を行うことができる。
【0456】
〔(2)回収処理〕
回収処理を行う時の紙幣リサイクル部の動作を図44を用いて説明する。
【0457】
図37に示す一次センサ372或いは二次センサ371が紙幣の最上位置を検出した場合(S100)には、スタッカ30−1、30−2から紙幣を回収する必要がある。
【0458】
尚、Fスタッカ30−1、Rスタッカ30−2は同様の動作をするため、Fスタッカ30−1を例にとり説明する。
【0459】
Fスタッカ30−1が満杯であることを検出した場合(S100)には、Fスタッカ30−1のステージ59−1を上昇(S101)させ、ピックローラ138、フィードローラ139を駆動(S102)し、Fスタッカ30−1より紙幣を繰出し、搬送ベルト131により搬送する。
【0460】
搬送ベルト131により搬送された紙幣は、鑑別搬送路41を介して鑑別部57に搬送され、金種、2枚送り等の鑑別を行い(S103)、この鑑別結果、正券と鑑別されたものは、ゲート51−1をFスタッカ30−1側に位置決め(S107)し、更にR紙幣カセット30−31が満杯か否かを確認(S108)した後、満杯で無い場合には、ゲート51−7をR紙幣カセット30−31側に切り換えられることより、Fスタッカ30−1から繰り出された紙幣が収納搬送路42を介してR紙幣カセット30−31に収納される(S109)。
【0461】
この時、R紙幣カセット30−31は、仕切板462を上下移動し、紙幣を収納するのに適したスペースを仕切り板462上に集積されている紙幣の上に設けるようにし、紙幣が整然と集積できるようにする。
【0462】
この動作は、Fスタッカ30−1から所定枚数繰り出され、紙幣カセット30−3に収納されるまで行われる。
【0463】
また、鑑別部57の鑑別結果に基づいて、正券と鑑別されなかった場合には、ゲート51−1を投出部91側に位置決めし(S105)、更に、ゲート2をリジェクト部55−1側に位置決め(S106)する。このことにより、正券と鑑別されなかった紙幣をリジェクト部55−1に収納する。
【0464】
このような紙幣は、一旦鑑別部57により鑑別し、正券として鑑別されたものであり、回収時に、ダブルフィード、斜行等の理由により、正券と鑑別されなかったものである。
【0465】
更に収納を行いR紙幣カセット30−31が満杯になったことを検出した場合(S108)は、R紙幣カセット30−31の交換を、係員に対し、指示する旨の出力をすることにより(S111)、紙幣カセット30−3の交換時期が明確になり、確実且つ、迅速なカセット管理が可能となる。
【0466】
この場合、ゲート51−7をスタッカ側に位置決め(S112)し、更に、ゲート51−6、51−8をF紙幣カセット30−32側に位置決めし(S113、S114)、F紙幣カセット30−32に紙幣を収納する。
【0467】
F紙幣カセット30−32が満杯になった場合(S115)には、回収動作を中止し、F紙幣カセット30−32の交換指示をF紙幣カセット30−31の時と同様に係員に対し、指示を出力する(S116)。
【0468】
〔(3)スタッカ障害時の紙幣カセットへの入金動作〕
図7乃至図9に示すように入金取引が行われている。
【0469】
装置は、入金取引を開始する前に、装置が正常に動作するか否かをチェックし、正常に動作する場合には、図7乃至図9に示す通り入金取引を行う。
【0470】
しかし、Fスタッカ30−1或いはRスタッカ30−2に障害が発生した場合には、Fスタッカ30−1或いはRスタッカ30−2に紙幣を収納することができない。
【0471】
それでも、入金取引を継続して行うために、図47乃至図48に示すように紙幣カセット30−3を利用する。
【0472】
この場合、F、Rスタッカ30−1、30−2の障害を検出する方法としては、スタッカ内の紙幣が繰出しを開始したのち所定時間たっても繰り出された紙幣をセンサで検出できなかった場合にリトライを行ったにもかかわらず、センサが紙幣の繰り出しを検出できなかった場合、あるいはスタッカ内のステージ、繰出し部の位置が正常な位置で無いことをセンサで検出した場合等にスタッカの障害として検出する。
【0473】
この障害をMPU60に接続されたメモリに格納しておき、次回の取引時にそのメモリをアクセスし、スタッカで障害が発生している旨の情報が記憶されているか否かを検出するようにすれば、前回の取引の動作結果を活用でき、迅速な障害に対する対応が可能となる。
【0474】
また、このような障害の検知をその取引の開始時にチェックするようにすれば、その時点での障害が検知でき、時期相応な障害対応が可能となる。
【0475】
図47乃至図48に沿って入金取引時に発生したスタッカの障害に対応するための入金処理を説明する。
【0476】
先ず、顧客により、入金取引が選択され、入金取引を開始する場合には、スタッカが正常に動作するか否かを確認する(S120)。
【0477】
もし、スタッカが正常な場合には(S121)、図7乃至図9に示すような正常動作を行い取引処理を行う。
【0478】
しかし、スタッカに障害が発生して使用できない場合には、次にそのスタッカの動力を切り離す(S122)。これは、紙幣が詰まってしまった場合に、スタッカ内の紙幣を繰り出すためのスタッカ繰出し部56−1、56−2を更に駆動すると、詰まってしまった紙幣をさらに押し込んでしまい、悪化してしまうことを鑑みてのものである。また、詰まっていた紙幣が正常な搬送路に繰り出されてしまう場合もあり、正常な部分も障害になってしまうことを防止する為でもある。
【0479】
この切離しは、図20のクラッチ143を切り離すことにより、行うものである。つまり、搬送モータ61の動力は、クラッチ143が設けられた軸に図示しないプーリを介して伝えられ、更に搬送ベルト131を含む紙幣リサイクルユニット内の搬送路全体に伝達される。このクラッチ143は外部からの指示により、搬送モータ61の動力を搬送ベルト131に伝達したり、伝達しなかったりするものである。
【0480】
従って、1つのモータで全体の搬送路を駆動したり、部分的に切離することができるため、安価の搬送路な駆動機構を提供することができる。
【0481】
また、クラッチ143により、搬送ベルト131、繰込みローラ158、羽根車151、ピックローラ138、フィードローラ139への搬送モータ61の動力を切り離すことができる。このクラッチ143は、指示を与えることにより、軸に対して空回りする状態と、軸と同期して回動する状態に切り換えれるようになっている。
【0482】
次に、紙幣カセット30−3が正常であるか否か、つまり、仕切り板462、押し板463等が正常に動作するか否かをチェックし、さらに、紙幣カセット30−3内に紙幣を収納できる余裕があるか否かもチェックする(S123)。
【0483】
この確認動作の結果、紙幣カセット30−3に異常があった場合、或いは、紙幣を収納する余裕がなかった場合には、当然、入金取引は行えないため、取引を終了し、顧客からカード、通帳等の取引に必要なものを受け取っている場合には、それらを排出し、MPU60を介して操作部22に取引できない旨の案内を表示する(S124)。
【0484】
また、紙幣カセット30−3が正常に動作し、紙幣を収納する余裕がある場合には、シャッタ54をオープンし(S125)、入金取引のための紙幣が投入できる状態とする。
【0485】
紙幣が投入されるか、または、所定時間が経過するまで、シャッタ54をオープン状態とし、投入紙幣が有ることを検出した場合には(S126)、シャッタをクローズして(S127)、さらに投出部91の紙幣が抜き取られていないことを確認する。また、所定時間経過しても、投出部91に紙幣が投入されない場合には、図7乃至図9を用いて説明したように、シャッタをクローズして、取引を終了する。
【0486】
投出部91に紙幣がある場合には、図12乃至図19を用いて説明したように、投出部91を回動し(S128)、図12のピックローラ53−1、フィードローラ53−2を駆動し、紙幣を繰り出す(S129)。
【0487】
繰り出された紙幣は、搬送ベルト131、鑑別搬送路41により搬送され、鑑別部57で真偽の鑑別が行われる(S130)。
【0488】
鑑別の結果、真紙幣と鑑別された場合には、ゲート51−1を投出部91側(S133)に、更にゲート51−3をバッファプール部50側(S134)に位置決めすることにより、紙幣を返却搬送路43を介して、バッファプール部50搬送し、集積する。
【0489】
また、鑑別の結果、真紙幣以外、つまり、偽札、紙幣の斜行等の原因により真紙幣と鑑別できなかった紙幣、2枚以上重なって搬送された紙幣は、ゲート51−1を投出部91側(S131)に、ゲート51−3を投出部91側(S132)に位置決めすることより、紙幣を返却搬送路43を介して投出部91のプレッシャ92の上部に搬送する。
【0490】
この動作は、投出部91に入金取引のために投入された紙幣がなくなるまで行われる(S135)。
【0491】
投出部91に入金取引のために投入された紙幣が無くなった場合には、返却紙幣が有るか否かを確認し(S136)、ある場合には、投出部91を顧客により、紙幣が抜き取れる位置(図15に示す位置)に回動し、シャッタ54をオープンし、投出部91内の紙幣の抜き取りを要求する表示を操作部22に表示する。
【0492】
所定時間経過後にシャッタ54をクローズ(S127)し、再度鑑別を行う。
【0493】
このことにより、紙幣が斜行して搬送された場合、2枚以上重なって搬送された為に投出部91に返却された紙幣については、再度の鑑別により真紙幣と鑑別され、先に鑑別した真紙幣とともに、バッファプール部50に集積される。
【0494】
もし、所定回数鑑別を行っても、真紙幣と鑑別されなっかった場合には、バッファプール部50内の紙幣を繰出し、投出部91へ搬送し(S138)、受け取った紙幣を顧客に返却し、取引を終了する。
【0495】
入金取引のために投出部91に投入された紙幣、及び鑑別の結果、投出部91に返却された紙幣がなくなった場合には、操作部22に受け取った金額を表示し、顧客に確認させ、金額が妥当か否かの確認を確認釦(この場合、図3に示したようにカラーディスプレイ22−1とタッチキーボード22−2で確認の旨の入力が可能てようにする)を操作させ、この確認釦の操作を検出すると(S139)、紙幣カセット30−3内の仕切板462を上下移動させて、仕切板462上の空間を紙幣の収納に適した空間に位置決めする(S140)。
【0496】
さらに、バッファプール50部より紙幣を繰出し(S141)、鑑別搬送路41、ゲート51−1(S142)、ゲート51−7(S143)、収納搬送路42を介して、紙幣カセット30−3の仕切板462上に集積してゆく。
【0497】
バッファプール部50内の紙幣を全て紙幣カセット30−3に繰出した時点で入金取引を完了する。
【0498】
このように、F、Rスタッカ30−1、30−2に障害が発生したとしたも、バッファプール部50、紙幣カセット30−3を用いて、入金取引を行うことができるため、装置を稼働し続けることができる。
【0499】
そのため、休止率の低い装置を提供することができる。
【0500】
〔(4)スタッカ障害時の紙幣カセットからの出金動作〕
図10乃至図11に示すように、出金取引が行われる。
【0501】
装置は、出金取引を開始する前に、装置が正常に動作するか否かをチェックし、正常に動作する場合には、図10乃至図11に示す通り出金取引を行う。
【0502】
しかし、Fスタッカ30−1或いは、Rスタッカ30−2に障害が発生した場合には、Fスタッカ30−1、Rスタッカ30−2から紙幣を繰り出すことができない。
【0503】
このような場合でも、障害として装置を休止とせず、継続して出金取引を行うために、図49乃至図50のに示すように紙幣カセット30−3を利用する。
【0504】
図49乃至図50沿って出金取引時に発生したスタッカの障害に対応するための出金処理を説明する。
【0505】
先ず、顧客により、出金取引が選択され、出金取引を開始する場合には、スタッカが正常に動作する否かを確認する(S150)。
【0506】
もし、スタッカが正常な場合には(S151)、図10乃至図11に示すような正常動作を行い取引処理を行う。
【0507】
しかし、スタッカに障害が発生して使用できない場合には、次にそのスタッカの動力を切り離す(S152)。ここでスタッカを切離す理由は、前述した入金取引の時と同様の理由である。
【0508】
次に、紙幣カセット30−3が正常であるか否か、つまり、仕切り板462、押し板463等が正常に動作するか否かをチェックし、さらに、紙幣カセット30−3内に出金する紙幣があるか否かもチェックする(S153)。
【0509】
この確認動作の結果、紙幣カセット30−3に異常があった場合、或いは、出金する紙幣がない場合には、当然、出金取引は行えないため、取引を終了し、顧客からカード、通帳等の取引に必要なものを受け取っている場合には、それらを排出し、MPU60を介して操作部22に取引できない旨の案内を表示する(S154)。
【0510】
紙幣カセット30−3が正常である場合には、Fカセット繰出し部56−3、Rカセット繰出し部56−4を駆動し、紙幣を繰出す。
【0511】
出金するための動作として、先ず、紙幣カセット30−3内の押し板463の位置決めを行う(S155)。これは、押し板463で紙幣を繰り出すためのローラであるFカセット繰出し部56−3、或いはRカセット繰出し部56−4に、紙幣を所定の圧力で押し付け、繰出しを確実に行うためである。
【0512】
押し板463の位置決めが終了するとFカセット繰出し部56−3、或いはRカセット繰出し部56−4を駆動して、紙幣を紙幣カセット30−3から繰出し(S156)、繰り出された紙幣をカセット搬送路44、鑑別搬送路41により搬送する。
【0513】
搬送されてきた紙幣は鑑別部57により鑑別され、正常券か否かを鑑別される(S157)。これは、2枚以上重なって搬送されてるか、五千円札等の、払い出し対象外の紙幣か否か等の鑑別を行うためのもである。
【0514】
この鑑別部57の鑑別の結果、正常紙幣以外のものは、ゲート51−1、収納搬送路42を介して(S158)、カセット内のリジェクト部53−2、53−3に回収する(S159)。
【0515】
また、鑑別部57の鑑別の結果、正常紙幣であると鑑別された場合には、さらに必要としている金種か否かを判断し(S160)、必要としていない金種の紙幣の場合には、ゲート51−1、収納搬送路42を介して(S161)、紙幣カセット30−3側に搬送し、紙幣カセット30−3に回収する(S162)。この場合、仕切板462の位置を紙幣を収納するに適した位置に位置決めしておき、この仕切板462の上に回収した紙幣を集積してゆく。
【0516】
必要な紙幣と判別されたものについては(S160)、ゲート51−1、返却搬送路43を介して(S163)、投出部91へと搬送される。
【0517】
この動作は、投出部91に搬送した紙幣が、顧客より指定のあった出金取引金額に達するまで行われる。(S156)
紙幣カセット30−3の紙幣が、Fカセット繰出し部56−3或いはRカセット繰出し部56−4により繰り出されれば、押し板463とFカセット繰出し部56−3或いはRカセット繰出し部56−4の間の紙幣が減る。
【0518】
しかし、押し板463とFカセット繰出し部50−3或いはRカセット繰出し部50−4の間の紙幣が減ったとしても、適切な押圧力で押し板463が紙幣を押圧できるように、押し板463は、押し板駆動部465により、Fカセット繰出し部50−3或いはRカセット繰出し部50−4に移動し、適切な圧力で紙幣を押圧する。
【0519】
投出部91に顧客が指定した金額分の紙幣が収納されると、投出部91を図12乃至図19に示すように回動し(S165)、シャッタ54をオープンして(S166)、顧客が投出部91内の紙幣を抜き取れるようにする。
【0520】
シャッタ54をオープンし、所定時間の間に紙幣が抜き取られた否かを監視する(S167、S168)。
【0521】
所定時間たっても、紙幣の抜き取り検出できない場合には、取り忘れられたものとしてシャッタ54をクローズした後、投出部91より紙幣を繰出し、取り忘れ部57に紙幣を回収し(S168)、出金取引を終了する。
【0522】
所定時間以内に紙幣の抜き取りが検出された場合には、シャッタ54をクローズし(S169)、取引を終了する。
【0523】
このようにすれば、スタッカの障害時でも出金を行うことが可能になる。
【0524】
また、スタッカの障害の原因として、紙幣がフィードローラ139に詰まり、障害となっている場合でも、障害がさらに悪化しないように、スタッカ繰出し部56−1、56−2の動作を停止させて出金を行うことができる。
【0525】
また、カセットから繰出された紙幣の内、必要としない金種は、障害の発生しているスタッカに収納されている紙幣とは異なる紙幣であることは明らかであるから、このことを利用して、障害が発生しているスタッカのみ切離して、動作しないようにしておき、障害が発生していないスタッカは動作するようにしておき、必要としない金種の紙幣を対応する動作中のスタッカに収納するようにすれば、もし、スタッカ内の紙幣が減少している場合には、紙幣を補充することができ、より休止を少なくできる。
【0526】
さらに入金取引においても、出金取引においても、2つの紙幣カセット30−3にそれぞれの金種を割当て、例えば、R紙幣カセット30−31には千円札、、F紙幣カセット30−32には一万円札を収納しておくと、入金取引時に投出部91に投入され、鑑別した紙幣のうち、千円札はR紙幣カセット30−31に、一万円札はF紙幣カセット30−32に収納収納し、出金取引時には、顧客が指定した金額に対応する紙幣をR紙幣カセット30−31からは千円札を、F紙幣カセット30−32からは一万円札繰り出し、出金するようにすれば、紙幣の収納及び繰出し、特に出金取引時には、必要とする金種の紙幣を対応する紙幣カセット30−3から繰り出すようにできるため、高速な処理が可能となる。
【0527】
また、出金取引時には、一万円札を出金することが多く、千円札より、先に無くなるため、先に補充が必要になるが、このような時に備えてR紙幣カセット30−31に一万円札を収納しておけば、R紙幣カセット30−31に対するロックのみ開錠すれば、良いため、紙幣カセット30−3を容易に交換できる。
【0528】
〔バッファプール部の構成、動作〕
バッファプール部50は、以下の際利用される。
(1)スタッカを使用して行う入金取引時、真紙幣と鑑別された紙幣のうち、出金に使用しない、破損した紙幣(損券)、五千円札等の紙幣を収納可能にする。
【0529】
このことにより、入金取引が確定するまでは、破損紙幣、五千円札等をリジェクト部55−1に収納することなく、返却できるようにしておき、且つ、スタッカに収納する紙幣とは、区別して収納しておき、数の多いスタッカに収納されるべき紙幣は、取引成立後すぐにスタッカに収納でき、数の少ない、破損紙幣、五千円札等はバッファプール部50より繰出し、リジェクト部55−1に収納することより、高速な取引を可能にする。
(2)スタッカが障害時に行う入金取引時、入金取引のために投入された紙幣を返却可能な状態で一時収納する。このことにより、スタッカに障害が発生した場合でも、装置を休止することなく取引を継続して行うことができる。
(3)スタッカを使用して行う入金取引時、紙幣の表裏を整列が必要な場合にはスタッカの集積部に収納される紙幣とは、表裏が反転している紙幣を一時的に格納する。このことにより、紙幣の表裏を整列することができる。また、表裏が反転している紙幣だけでなく、破損紙幣、五千円札等も一緒に格納するようにすれば、バッファープール部50を表裏反転用と、破損紙幣や五千円一時収納用とに共用でき、装置の小型化、コストダウンが可能となる。
(4)入金取引時は、入金のために投出部91に投入された紙幣が、スタッカに入りきらない場合に、スタッカに入りきらない紙幣を収納する。このことにより、一度に沢山の紙幣を投入でき、且つ、スタッカに入りきらない場合でも、取引を中止することなく、入金取引を継続することができる。
(5)出金取引時、スタッカへの紙幣補充時に鑑別の結果、真紙幣と鑑別されなかった紙幣を一時収納しておく。
【0530】
紙幣カセットやスタッカに既に格納されている紙幣は、その殆どが真紙幣であり、出金取引時等の処理時に真紙幣と鑑別されなかった紙幣は、紙幣が斜行しすぎているため、或いは2枚以上重なって搬送されたため、等の理由により真紙幣と鑑別されなかった紙幣であり、再度鑑別した場合には、真紙幣と鑑別される場合が高い。
【0531】
したがって、一度真紙幣と鑑別されなかったために、リジェクト部55−1、55−2或いは、55−3に収納すると繰出しができないため、真紙幣が紙幣が無駄となってしまう。リジェクト部に収納する紙幣を極力少なくするために真紙幣と鑑別されなった紙幣をバッファプール部50に一旦収納し、再度鑑別することにより、リジェクト部に収納される紙幣を減らすことができる。
【0532】
上述のような場合に利用できるようにするため、バッファプール部50は、紙幣を繰込み、収納し、収納された紙幣を一枚ずつ繰り出すようになっている。
【0533】
バッファプール部50をどの様に利用するかは、出荷前に予めさだめておいた後出荷するようにすればよい。
【0534】
また、図3に示すメンテナンス操作部31から入力してバッファプール部50の利用を選択可能にしておき、係員によりバッファプール部50の利用の方法を選択するようにしておけば、装置を設置する金融機関の要望に合わせた操作の稼働ができるため、より種々のニーズに対応することができる。
【0535】
図5、図51を用いてバッファプール部50の説明を行う。
【0536】
また、バッファプール部50は、本出願人が既に出願し、公開されている特開昭63−154537号公報に記載されたスタッカと同様な構成になっている。
【0537】
この公開公報の第3図を図51として用い、更に、搬送路、ゲートとの関係を明確するために公開公報の第3図に追加した。
【0538】
バッファプール部50は、バッファ上ガイド501、バッファ下ガイド502が設けられており、このバッファ上ガイド501とバッファ下ガイド502の間に紙幣を集積する。
【0539】
このバッファ上ガイド501、バッファ下ガイド502は独立して上下移動するように構成されており、このバッファ上ガイド501、バッファ下ガイド502を上下移動させるために、ガイド移動モータ506、ガイド移動プーリ507、ガイド移動ベルト508が設けられている。このバッファ上ガイド501、バッファ下ガイド502を独立して移動するための詳細については、上記公開公報に記載されている。つまり、バッファ上ガイド501、バッファ下ガイド502には、別々にガイド移動プ−リ507、ガイド移動ベルト508が設けられており、さらに上記公開公報第4図に記載されているように、ガイド移動モータ506の動力を駆動軸、従動かさ歯車、中間かさ歯車、ガイド移動プーリ507を介して、巻掛伝動機構であるガイド移動ベルト508を駆動する。また、ロック機構を使用して駆動されるガイド移動ベルト508を決定することにより、バッファ上ガイド501、バッファ下ガイド502を別々に駆動し、上下移動できるようにしている。
【0540】
このような構成をバッファプール部50に有し、さらにバッファプール部50は、バッファプール部50内に紙幣を繰り込むためのバッファ羽根車504、バッファ繰込みローラ505を有している。
【0541】
返却搬送路43を搬送される紙幣をゲート51−3を駆動して、バッファプール部50側に位置決めすることにより、バッファ羽根車504、バッファ繰込みローラ505を介して、バッファプール部50に紙幣が繰り込まれる。
【0542】
更にバッファプール部50には、バッファ繰出し部52が設けられており、これにより、バッファプール部50内の紙幣を一枚ずつ繰出し、搬送路により、鑑別部57へ搬送される。
【0543】
これら、ガイド移動モータ506の駆動、バッファ上ガイド501、バッファ下ガイド502の移動、バッファ羽根車504、バッファ繰込みローラ505、バッファ繰出し部52の回動は、図6に示したMPU60により制御されるものである。
【0544】
また、バッファ羽根車504、バッファ繰込みローラ505により、紙幣を繰り込む場合には、ガイド移動モータ506を駆動し、バッファ上ガイド501を紙幣の繰込みに邪魔にならない位置である最上位置に移動させる。この時、バッファ下ガイド502は、最下位置、つまり、バッファ下ガイド502を無くしても紙幣の繰込みは可能であるが、バッファ下ガイド502を最下位置に位置決めすると、繰り込む位置とバッファ下ガイド502までに距離があり、紙幣がバッファ下ガイド502に付くまで自然落下する。この紙幣の自然落下が長いと紙幣の向きが不定となり、紙幣が雑然と集積されることになり、好ましくない。そのため、バッファ下ガイド502を移動可能にしておき、紙幣をバッファ羽根車504、バッファ繰込みローラ505で繰り込む場合には、予め定めておいた位置に位置決めするようにすれば、バッファプール部50の収納量を多く、つまり、バッファプール部50を大きくしたとしても、バッファ下ガイド502上に紙幣を整然と集積することができる。この予め定めた位置とは、例えば、紙幣が200枚程度入るスペースでよい。
【0545】
また、バッファプール部50より紙幣を繰り出す場合には、バッファ上ガイド501及びバッファ下ガイド502をバッファ繰出し部52の方向、つまり、下方向に移動する。このバッファ下ガイド502は、櫛状になっており、櫛状の凹部分にバッファ繰出し部52であるローラが入り込むようになっており、バッファ下ガイド502を最下位置に位置決めしても、バッファ下ガイド502がバッファ繰出し部52に当たることはなく、バッファ繰出し部52が紙幣を繰出す際、邪魔にはならいない。また、バッファプール部50はローラをモータで回動するように構成されており、このローラは、幅方向に複数並べれば、より確実に紙幣を繰り出すことができる。
【0546】
バッファ上ガイド501及びバッファ下ガイド502を下方向に移動すると、バッファ下ガイド502上に集積されている紙幣のうち、最下位置の紙幣がバッファ繰出し部52に接触する。バッファ上ガイド501をさらに下方向に微量に移動することにより、繰出しに適した押圧力で紙幣をバッファ繰出し部52に押しつけることができる。
【0547】
この状態でバッファ繰出し部52を駆動することより、紙幣をバッファプール部50より繰り出すことができる。
【0548】
このバッファプール部50は、図51に示すように、図面の右側から紙幣を繰込み、右側方向に繰出し、繰込み時に紙幣の左側が先端であったが、繰出し時には、紙幣の左側が後端になるように繰出している。また、図20に示したR、Fスタッカ30−1、30−2は、スタッカ内に図面の右側から繰込み、左側から繰出す。つまり、繰込み時には、紙幣の左側が先端であり、また、繰出し時にも、左側が先端で繰り出されてゆく。
【0549】
したがって、バッファプール部50では、繰り込む方向と、繰り出す方向が反対、つまり、スイッチバックしているのに対し、F、Rスタッカ30−1、30−2では、繰り込む方向と繰り出す方向が同一であるため、F、Rスタッカ30−1、30−2に集積される紙幣の表裏に対し、一旦、バッファプール部50に収納し、繰出し出した紙幣は、表裏が反対になり、引っ繰り返るように紙幣リサイクルユニットに設置されている。
【0550】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる紙葉取扱装置は、省スペース、安価かつ容易に複数の係員金庫を搭載可能にし、自動取引装置を極力休止させずに運用させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】自動取引装置の斜視図である。
【図3】自動取引装置の構成図である。
【図4】紙幣カセットを示す図である。
【図5】紙幣リサイクルユニットの構成図である。
【図6】紙幣リサイクルユニットの制御構成図である。
【図7】入金取引時の紙幣リサイクルユニットの処理フローである。
【図8】入金取引時の紙幣リサイクルユニットの処理フローである。
【図9】入金取引時の紙幣リサイクルユニットの処理フローである。
【図10】 出金取引時の紙幣リサイクルユニットの処理フローである。
【図11】出金取引時の紙幣リサイクルユニットの処理フローである。
【図12】紙幣投入部の側面図である。
【図13】紙幣投入部の上面図である。
【図14】紙幣投入部の正面図である。
【図15】投出部の移動動作を示す図である。
【図16】投出部の移動動作を示す図である。
【図17】投出部の移動動作を示す図である。
【図18】投出部の移動動作を示す図である。
【図19】投出部の移動動作を示す図である。
【図20】スタッカの構成図である。
【図21】スタッカの上面図である。
【図22】スタッカの入金時の動作を示す図である。
【図23】集積部からスタッカに紙幣を収納する動作を示す図である。
【図24】集積部の紙幣をスカッタ内に落下させた状態を示す図である。
【図25】取引不成立時のスタッカの動作を示す図である。
【図26】スタッカからの紙幣を繰出しのためのステージの動作を示す図である。
【図27】スタッカからの繰出し繰出し動作を示す図である。
【図28】スタッカ上部の紙幣収納時の動作を示す図である。
【図29】スタッカ上部の紙幣繰出し時の動作を示す図である。
【図30】集積部の動作を示す図である。
【図31】集積部の動作を示す図である。
【図32】集積部の動作を示す図である。
【図33】集積部の動作を示す図である。
【図34】集積部の動作を示す図である。
【図35】集積部の動作を示す図である。
【図36】集積部のカムの動作を示す図である。
【図37】スタッカの一次フル検出状態を示す図である。
【図38】スタッカの二次フル検出状態を示す図である。
【図39】紙幣カセットを示す図である。
【図40】紙幣カセットを示す図である。
【図41】紙幣カセットを示す図である。
【図42】紙幣カセットを示す図である。
【図43】紙幣カセットを示す図である。
【図44】紙幣カセットからスタッカへの補充処理を示すフローである。
【図45】スタッカから紙幣カセットへの回収処理を示す処理フローである。
【図46】紙幣スタッカの構成図である。
【図47】紙幣カセットへ入金処理を示す処理フローである。
【図48】紙幣カセットへ入金処理を示す処理フローである。
【図49】紙幣カセットへ出金処理を示す処理フローである。
【図50】紙幣カセットへ出金処理を示す処理フローである。
【図51】バッファプール部の構成図である。
【符号の説明】
1・・・収納部1
2・・・投出部
3・・・送出部
4・・・鑑別部
5・・・搬送部
6・・・仕切手段
7・・・移動手段
8・・・一時格納部
9・・・積載部
10・・・繰出し手段
11・・・返却搬送路
12・・・前カセット
13・・・後ろカセット
14・・・運用リジェクト部
15・・・カセットリジェクト
16・・・繰込み手段
17・・・制御部
18・・・仕切移動手段
Claims (4)
- 着脱自在、且つ、回収口からの紙葉の繰込みが可能に構成されたカセットを複数装着可能に構成し、各カセットに回収口から回収された紙幣を積載する仕切り板と、紙幣を繰り出す場合に紙幣を所定の圧力で押しつける押し板と、カセット収納部とを有する装置であって、
前記仕切り板は、上下移動し、且つ、退避可能な構成とし、
前記押し板は、紙幣を押圧する押圧位置と集積された紙幣に影響されることなく上下移動できる退避位置とに位置決め可能な構成とし、
前記カセット収納部は、金種を割当てた複数のカセットを装着した場合にそれぞれのカセットの回収口が前段のカセットにより塞がれないよう、複数のカセットを段差をつけて装着せしめる構成とし、且つ、装着された各カセット上部の回収口に繰り込まれた紙幣は、前記仕切り板に積載し、また前記押し板は紙幣を押しつけ、回収口とは異なるカセット下部の位置から金種別に紙葉を一枚ずつ繰り出す構成にしたことを特徴とする紙葉取扱装置。 - 前記カセット収納部は、同一形状のカセットを複数装着可能な構造を有することを特徴とする請求の範囲第2項記載の紙葉取扱装置。
- 着脱自在に構成され、紙葉を収納するカセットを複数装着可能に構成されたカセット収納部と、
カセット収納部がカセットの抜き取りが可能な位置と、カセットが装着される位置とで揺動するよう案内するカセット移動手段と、
カセットが装着される位置で抜き取りできないようロックするとともに、カセットが装着される位置への移動にともない、ロック状態となるロック手段と、
カセットが装着される方向へカセットを傾斜させる傾斜手段とを有することを特徴とする紙葉取扱装置。 - 傾斜手段は、カセット収納部を回動自在に構成されるとともに、カセットを装着方向に付勢するスプリングを有することを特徴とする請求の範囲第3項記載の紙葉取扱装置。
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