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JP3753978B2 - Dc−dcコンバータ制御方法 - Google Patents

Dc−dcコンバータ制御方法 Download PDF

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JP3753978B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変圧器の1次側にインバータ回路を形成し変圧器の2次側に負荷へ所要の直流電圧を出力する整流回路を接続して構成されたDC−DCコンバータを制御するDC−DCコンバータ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のパワーエレクトロニクスの発達によって、電力制御に電力変換装置が多く採用されるようになり、電力系統には電力変換装置のスイッチング時に発生する高調波が増大している。
【0003】
産業用直流電源装置においては、この高調波を抑制するため高力率コンバータやPWMコンバータの研究開発が行われている。さらに、電源機器より発生する電磁誘導ノイズを抑制するため、電力変換装置のスイッチ素子をゼロ電圧スイッチング(ZVS)またはゼロ電流スイッチング(ZCS)させるソフトスイッチング技術を適用した低ノイズ化の研究も行われている。
【0004】
DC−DCコンバータの分野においてもソフトスイッチング技術を適用し特性改善を目指した実用化研究が行われている。ソフトスイッチングにより、ノイズ低減だけでなく、スイッチ素子のスイッチング損失も大幅に低減できるので、コンバータの高効率化が図れる。
【0005】
図8は、スイッチ素子として電圧駆動型電力用半導体素子(IGBT)を用いた従来の共振型DC−DCコンバータの構成図である。図8において、直流電源1からの直流電力は、第1のスイッチ素子2a乃至第4のスイッチ素子2dで交流電力に変換される。第1のスイッチ素子2a乃至第4のスイッチ素子2dで変換された交流電力は、変圧器5の1次巻線5aから2次巻線5bを通して2次側の整流器15に入力される。そして、整流器15の整流ダイオード6a〜6dで整流されて直流電力に変換され、平滑用のリアクトル7及びコンデンサ8介して負荷9に供給される。
【0006】
第1のスイッチ素子2aには逆導通ダイオード3aが並列接続され、スナバ回路としてスナバコンデンサ4aが直に並列接続されている。同様に、第2のスイッチ素子2bにも逆導通ダイオード3bが並列接続され、スナバ回路としてスナバコンデンサ4bが直に並列接続されている。
【0007】
また、第3のスイッチ素子2cには逆導通ダイオード3cが並列接続され第1の共振用リアクトル11aが直列接続されている。同様に、第4のスイッチ素子2dには逆導通ダイオード3dが並列接続され第2の共振用リアクトル11bが直列接続されている。さらに、第1のスイッチ素子2aと第2のスイッチ素子2bとの第1の接続点と、第3のスイッチ素子2cと第4のスイッチ素子2dとの第2の接続点との間に、共振用コンデンサ10が接続され、この共振用コンデンサ10には変圧器5に直列に接続されている。
【0008】
第1のスイッチ素子2a及び第4のスイッチ素子2dが共にオンしているとき、または第2のスイッチ素子2b及び第3のスイッチ素子2cが共にオンしているときに変圧器5の1次側から変圧器5の2次側に電力が供給される。また、共振用コンデンサ10及び共振用リアクトル11a、11bにより電流波形を正弦波状にし、第1のスイッチ素子2a〜第4のスイッチ素子2dのスイッチング時の負担を軽減している。
【0009】
スナバコンデンサ4a、4bは、第1のスイッチ素子2aと第2のスイッチ素子2bとのオンオフに従って充放電を繰り返し行い、ターンオン及びターンオフ時に第1のスイッチ素子2aと第2のスイッチ素子2bとのソフトスイッチングを実現している。
【0010】
すなわち、第1のスイッチ素子2aがオンしているときにはスナバコンデンサ4aは放電しており、第1のスイッチ素子2aはゼロ電圧でターンオフする。一方、第1のスイッチ素子2aがオフ時にはスナバコンデンサ4aには電荷が充電されているが、ターンオンする際には第2のスイッチ素子2bのターンオフに伴ってスナバコンデンサ4aの電荷が放電され、第1のスイッチ素子2aがターンオンする時にはゼロ電圧を実現している。従って、第1のスイッチ素子2aはゼロ電圧でターンオンする。このような共振型DC−DCコンバータの詳細な回路動作は、特開平7−222444号公報に記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、軽負荷時などで負荷電流が小さい場合には、第1のスイッチ素子2aのスナバコンデンサ4a及び第2のスイッチ素子2bのスナバコンデンサ4bの充放電が長くなってしまう。さらに、より軽負荷となると、スナバコンデンサ4a、4bの充放電ができなくなってしまうことがあり、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)ができなくなってしまう。
【0012】
例えば、軽負荷時でスナバコンデンサ4a、4bの充放電が長い場合には、その充放電の動作中に第1のスイッチ素子2aまたは第2のスイッチ素子2bをオンすることになり、その場合には、スナバコンデンサ4a、4bの残留電荷による電圧が第1のスイッチ素子2aまたは第2のスイッチ素子2bにかかり、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)ができなくなってしまう。
【0013】
それを回避するため、変圧器5の1次巻線5aと並列に補助インダクタンスを挿入し、この補助インダクタンスによる電流によりスナバコンデンサ4a、4bを確実に充放電させる場合がある。しかし、この場合には、第1のスイッチ素子2aや第2のスイッチ素子2bに変圧器5の1次巻線5aに流れる負荷電流に加え、この補助インダクタンスによる電流が流れることになるので、補助インダクタンスによる損失の発生、第1のスイッチ素子2aや第2のスイッチ素子2bの通電損失の増加により、DC−DCコンバータの効率が低下することになる。
【0014】
このように、軽負荷時においてはスナバコンデンサ4a、4bの充放電ができなくなり、スナバコンデンサ4a、4bの充放電を確実に行わせようとすると効率が低下する。
【0015】
本発明の目的は、軽負荷時においても効率を低下させることなくスイッチ素子を確実にソフトスイッチングさせることができるDC−DCコンバータ制御方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るDC−DCコンバータ制御方法は、一方の端子が直流電源の正極に接続され逆導通ダイオード及びスナバコンデンサが並列接続された第1のスイッチ素子と、一方の端子が直流電源の負極に他方の端子が前記第1のスイッチ素子の他方の端子に接続され逆導通ダイオード及びスナバコンデンサが並列接続された第2のスイッチ素子と、一方の端子が直流電源の正極に第1の共振用リアクタンスを介して接続され逆導通ダイオードが並列接続された第3のスイッチ素子と、一方の端子が直流電源の負極に第2の共振用リアクタンスを介して他方の端子が前記第3のスイッチ素子の他方の端子に接続され逆導通ダイオードが並列接続された第4のスイッチ素子と、前記第1のスイッチ素子と前記第2のスイッチ素子との第1の接続点と前記第3のスイッチ素子と前記第4のスイッチ素子との第2の接続点との間に接続された共振用コンデンサと、前記共振用コンデンサと直列接続された変圧器の1次側巻線と、前記変圧器の2次側巻線に接続され1次巻線からの電力を直流に変換して負荷に直流を出力する整流器とから構成されたDC−DCコンバータの前記第1のスイッチ素子、第2のスイッチ素子、第3のスイッチ素子、第4のスイッチ素子をオンオフ制御して前記負荷への電力供給を制御するDC−DCコンバータ制御方法において、前記第1のスイッチ素子及び前記第2のスイッチ素子のソフトスイッチングができなくなる軽負荷時に、前記第1のスイッチ素子と前記第2のスイッチ素子とのいずれか一方のみをオンオフ制御し、他方はオフ状態を維持し、前記負荷に電力を供給するようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項1の発明に係るDC−DCコンバータ制御方法においては、軽負荷時においては、第1のスイッチ素子と第2のスイッチ素子とのいずれか一方のみをオンオフ制御し、他方はオフ状態を維持したままで負荷に電力を供給する。これにより、軽負荷時に第1のスイッチ素子のスナバコンデンサと第2のスイッチ素子のスナバコンデンサとの充放電が適切に行われなくともソフトスイッチングで、しかも効率よく電力を負荷に供給できる。
【0020】
請求項2の発明に係るDC−DCコンバータ制御方法は、請求項1の発明において、前記第1のスイッチ素子の素子電圧または前記第2のスイッチ素子の素子電圧が一定値以下の状態で、前記第1のスイッチ素子または前記第2のスイッチ素子をオンさせることを特徴とする。
【0021】
請求項2の発明に係るDC−DCコンバータ制御方法においては、請求項1の発明の作用に加え、第1のスイッチ素子の素子電圧または第2のスイッチ素子の素子電圧が一定値以下か否かを確認し、一定値以下の場合に初めて、第1のスイッチ素子または第2のスイッチ素子をオンさせる。これにより、ソフトスイッチングを確実にする。
【0022】
請求項3の発明に係るDC−DCコンバータ制御方法は、請求項1の発明において、前記共振用コンデンサの電圧の極性方向に基づいて、前記第1のスイッチ素子または前記第2のスイッチ素子のうち、オンオフ制御するスイッチ素子とオフ状態を維持するスイッチ素子とを決定することを特徴とする。
【0023】
請求項3の発明に係るDC−DCコンバータ制御方法においては、請求項1の発明の作用に加え、共振用コンデンサの電圧の極性方向に基づいて、オンオフ制御するスイッチ素子とオフ状態を維持するスイッチ素子とを決定する。スナバコンデンサの残留電荷がスイッチ素子を流れない方向のスイッチ素子をオンオフ制御するスイッチ素子として選択する。
【0024】
請求項4の発明に係るDC−DCコンバータ制御方法は、請求項1の発明において、前記共振用コンデンサの充電電圧の極性を反転させ、前記第1のスイッチ素子または前記第2のスイッチ素子のうち、オンオフ制御するスイッチ素子とオフ状態を維持するスイッチ素子を入れ換えることを特徴とする。
【0025】
請求項4の発明に係るDC−DCコンバータ制御方法においては、請求項1の発明の作用に加え、第1のスイッチ素子または第2のスイッチ素子のうち、オンオフ制御するスイッチ素子に対して、スナバコンデンサの残留電荷が流れない方向に共振用コンデンサの充電電圧の極性を反転させる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るDC−DCコンバータの制御方法の説明図である。この第1の実施の形態におけるDC−DCコンバータは、図8に示したDC−DCコンバータと同一構成であるので、同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0027】
図1(a)は、第1のスイッチ素子2aと第4のスイッチ素子2dとを共にオンして負荷9に電力を供給している状態を示しており、また、図1(b)は、図1(a)の状態から第1のスイッチ素子2aをオフし、その後に第4のスイッチ素子2dをオフとし、さらに第3のスイッチ素子2cをオンとした状態を示している。
【0028】
第1の実施の形態では、軽負荷時には第2のスイッチ素子2bはオフ状態に維持し、第1のスイッチ素子2aをオンオフ制御して負荷9に電力を供給する。この場合、第1のスイッチ素子2aと第4のスイッチ素子2dとを共にオンして負荷9に電力を供給し、第1のスイッチ素子2aをオフとした後に第4のスイッチ素子2dをオフとし、次に第3のスイッチ素子2cをオンとして、第1のスイッチ素子2aのスナバコンデンサ4aに蓄積された残留電荷を放電させる。そして、以下、この動作を繰り返し行い、軽負荷時に負荷9に電力を供給すると共に、第1のスイッチ素子2aのスナバコンデンサ4aに蓄積された残留電荷を放電させ、第1のスイッチ素子2aのソフトスイッチングを実現している。
【0029】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るDC−DCコンバータ制御方法を適用した場合の動作波形図である。
【0030】
(1)期間T1
第1のスイッチ素子2aと第4のスイッチ素子2dとの双方がオンしているときは、図1(a)に示すように直流電源1からの電源電圧が変圧器5にかかる。従って、変圧器5の一次巻線5aから変圧器5の2次巻線5bに電力が供給される。すなわち、変圧器5の1次巻線5aに発生している電圧を2次巻線5bから整流器15に入力し、整流器15の整流用ダイオード6a〜6dで整流し、直流電圧として負荷9に印加する。これにより負荷9に負荷電流が供給され、一次側に電流Icrが流れる。なお、この負荷電流は、リアクトル7及びコンデンサ8で平滑される。
【0031】
2次側に供給される負荷電流は第1のスイッチ素子2aと第4のスイッチ素子2dのオン重なり期間で制御される。つまり、第1のスイッチ素子2aをオンした後に第4のスイッチ素子2dをオンし、そのオンの重なり期間を制御する。なお、共振用コンデンサ10の電圧Vcrは、低負荷電流であるのでほぼ一定となっている。
【0032】
また、第1のスイッチ素子2aのスナバコンデンサ4aの電圧Vs1は、第1のスイッチ素子2aがオンしていることからほぼゼロであり、一方、第2のスイッチ素子2bのスナバコンデンサ4bの電圧Vs2は、第2のスイッチ素子2bがオフしていることからほぼ直流電源電圧Vccとなっている。
【0033】
(2)期間T2
期間T1では第1のスイッチ素子2aはスナバコンデンサ4aの電圧Vs1がゼロであるので、時点t1で第1のスイッチ素子2aをオフしたとすると、第1のスイッチ素子2aはゼロ電圧ターンオフとなる。第1のスイッチ素子2aをオフすると、スナバコンデンサ4aには直流電源電圧Vccが印加されるので、スナバコンデンサ4aは充電を開始すると共に、スナバコンデンサ4bは放電を開始する。
【0034】
この場合、低負荷電流であるので、スナバコンデンサ4aが完全に直電源電圧Vccまで充電され、スナバコンデンサ4bがゼロまで放電される前に共振が終了する。共振が終了すると共振電流はゼロとなり、電流Icrはゼロとなる。この状態では、スナバコンデンサ4aの電圧Vs1は直流電源電圧Vccより小さい値(Vcc>Vs1)となり、スナバコンデンサ4bの電圧Vs2は(Vs2=Vcc一Vs1)となる。つまり、スナバコンデンサ4a、4bの双方に電荷が蓄積された状態となる。
【0035】
(3)期間T3
時点t2で第4のスイッチ素子2dをオフし、その後に第3のスイッチ素子2cをオンする。このとき、両スイッチ素子2d、2cには電流は流れていないので、ゼロ電流スイッチングとなる。
【0036】
第3のスイッチ素子2cをオンすると、スナバコンデンサ4bに直流電源電圧Vccが印加されるのでスナバコンデンサ4bへの充電電流が流れ、また、スナバコンデンサ4aからの放電が開始される。すなわち、第3のスイッチ素子2cのオンにより、スナバコンデンサ4bへの充電電流及びスナバコンデンサ4aの放電電流が変圧器5の1次巻線5aに流れ、2次側にそれに比例した負荷電流が流れる。この場合の電流Icrの向きは期間T1のときの逆向きとなる。
【0037】
これにより、スナバコンデンサ4bの電圧Vs2が直流電源電圧値Vccになり、スナバコンデンサ4aの電圧がゼロとなった時点t3で、一次側の電流Icrは逆導通ダイオード3a及び第3のスイッチ素子2cを通って還流する。電流Icrはスナバコンデンサ4bヘの充電電流と低電流であるため、共振用コンデンサ10の充電電圧Vcrはほぼ一定で期間T1と変化はない。
このように、第1の実施の形態では、軽負荷時の低負荷電流において、第1のスイッチ素子2aと第2のスイッチ素子2bとのうち一方をオフ継続し、他方のみをスイッチングさせることで、スナバコンデンサ4a、4bの充放電による電圧変動を、この低負荷電流値で充放電可能な直流電源電圧Vcc以下の電圧とすることができる。これにより、低電流においても第1のスイッチ素子2aと第2のスイッチ素子2bとのうちスイッチングしているスイッチ素子をソフトスイッチングさせることができる。
【0038】
さらに、変圧器5の1次側から2次側への電力供給は、第1のスイッチ素子2aと第4のスイッチ素子2dのオン重なりによる供給と、スナバコンデンサ4a、4bヘの充放電による供給が半周期ごとに行われるので、第1のスイッチ素子2aと第4のスイッチ素子2d、及び第2のスイッチ素子2bと第3のスイッチ素子2cとのオン重なりによる電力供給の場合と比較して、より低電力を2次側へ供給可能となる。これにより、軽負荷時においても負荷電圧を一定に制御することができる。
【0039】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図3は本発明の第2の実施の形態に係るDC−DCコンバータの制御方法の説明図である。この第2の実施の形態は、軽負荷時においては、第1のスイッチ素子2aと第2のスイッチ素子2bとの双方をオフ状態に維持し、第3のスイッチ素子2cと第4のスイッチ素子2dとを交互にオンオフ制御して、第1のスイッチ素子2aのスナバコンデンサ4aや第2のスイッチ素子2bのスナバコンデンサ4bを介して負荷9に電力を供給するようにしたものである。 第2の実施の形態におけるDC−DCコンバータは、図8に示したDC−DCコンバータと同一構成であるので、同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0040】
図3(a)は、第1のスイッチ素子2aと第2のスイッチ素子2bとを共にオフ状態にし、第4のスイッチ素子をオンにして負荷9に電力を供給している状態を示しており、また、図3(b)は、図3(a)の状態から第4のスイッチ素子2dをオフし、その後に第3のスイッチ素子2cをオンにして負荷9に電力を供給している状態を示している。
【0041】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るDC−DCコンバータ制御方法を適用した場合の動作波形図である。いま、時点t1で第4のスイッチ素子2dをオンしたとすると、第1のスイッチスイッチ素子2aのスナバコンデンサ4aに直流電源電圧Vccが印加されるので、スナバコンデンサ4aは充電を開始し、一方、第2のスイッチスイッチ素子2bのスナバコンデンサ4bはゼロ電圧となるので、放電を開始する。この場合の充放電電流は電流Icrとして変圧器5の一次巻線5aに流れる。この電流Icrに比例して変圧器5の2次側に負荷電流が流れる。
【0042】
そして、スナバコンデンサ4aが充電を終了してスナバコンデンサ4aの電圧Vs1が直流電源電圧Vccとなり、スナバコンデンサ4bが放電を終了してスナバコンデンサ4bの電圧Vs2がゼロとなると、電流Icrはゼロとなる。
【0043】
次に、第4のスイッチ素子2dをオフし、その後の時点t2で第3のスイッチ素子2cをオンすると、第2のスイッチスイッチ素子2bのスナバコンデンサ4bに直流電源電圧Vccが印加される。従って、スナバコンデンサ4bは充電を開始する。一方、第1のスイッチスイッチ素子2aのスナバコンデンサ4aはゼロ電圧となるので放電を開始する。この場合の充放電電流は電流Icrとして変圧器5の一次巻線5aに流れる。この電流Icrは逆向きとなる。そして、この電流Icrに比例して変圧器5の2次側に負荷電流が流れる。
【0044】
そして、スナバコンデンサ4bが充電を終了してスナバコンデンサ4bの電圧Vs12直流電源電圧Vccとなり、スナバコンデンサ4aが放電を終了してスナバコンデンサ4aの電圧Vs1がゼロとなると電流Icrはゼロとなる。
【0045】
このように、第2の実施の形態では、軽負荷時の低負荷電流において、第1のスイッチ素子2aと第2のスイッチ素子2bとをオフ継続させ、第3のスイッチ素子2c及び第4のスイッチ素子2dのみをスイッチングする。これにより、変圧器5の1次側から2次側への電力供給は、第3のスイッチ素子2c及び第4のスイッチ素子2dのスイッチングによるスナバコンデンサ4a、4bの充放電により行われる。
【0046】
従って、全周期が、第1のスイッチ素子2aと第4のスイッチ素子2d、及び第2のスイッチ素子2bと第3のスイッチ素子2cとのオン重なりによる電力供給の場合と比較して、より低電力を2次側へ供給可能となる。これにより、軽負荷時においても負荷電圧を一定に制御することができる。また、第1のスイッチ素子2a及び第2のスイッチ素子2bはスイッチングさせないので、両スイッチ素子による損失は一切発生しない。
【0047】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図5は本発明の第3の実施の形態に係るDC−DCコンバータの制御方法の説明図である。この第3の実施の形態は、第1の実施の形態に対し、第1のスイッチ素子2aの素子電圧Vs1または第2のスイッチ素子2bの素子電圧Vs2が一定値以下か否かを確認し、一定値以下の場合に初めて、第1のスイッチ素子2aまたは第2のスイッチ素子2bをオンさせるようにしたものである。
【0048】
図5に示すように、第1のスイッチ素子2aをオンさせるゲート信号はゲート回路12aからAND回路16aを介して第1のスイッチ素子2aに出力され、同様に、第2のスイッチ素子2bをオンさせるゲート信号はゲート回路12bからAND回路16bを介して第2のスイッチ素子2bに出力される。
【0049】
比較器13aは第1のスイッチ素子2aの素子電圧Vs1(スナバコンデンサ4aの電圧)と予め設定された設定値と比較し、素子電圧Vs1がその設定値以下である場合にAND回路16aに論理値「1」の信号を出力し、ゲート回路12aからのゲート信号の出力を許可する。同様に、比較器13bは第2のスイッチ素子2bの素子電圧Vs2(スナバコンデンサ4bの電圧)と予め設定された設定値と比較し、素子電圧Vs2がその設定値以下である場合にAND回路16bに論理値「1」の信号を出力し、ゲート回路12bからのゲート信号の出力を許可する。この場合の設定値としては、スナバコンデンサ4a、4bがほぼ完全に放電したとみなせる素子電圧とする。
【0050】
このように、第3の実施の形態では、第1のスイッチ素子2aまたは第2のスイッチ素子2bの素子電圧Vs1、Vs2を検出し、素子電圧Vs1、Vs2が設定値以下となるまで、ゲート回路12a、12bからのオンゲート信号があったとしてもオンさせない。これにより、図2に示す時点t3以降に、第1のスイッチ素子2aまたは第2のスイッチ素子2bがオンすることになる。これにより、第1のスイッチ素子2aまたは第2のスイッチ素子2bのターンオン時において、確実にソフトスイッチングさせることができる。
【0051】
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図6は本発明の第4の実施の形態に係るDC−DCコンバータの制御方法の説明図である。この第4の実施の形態は、第1の実施の形態に対し、共振用コンデンサ10の電圧Vcrの極性方向に基づいて、第1のスイッチ素子2aまたは第2のスイッチ素子2bのうち、オンオフ制御するスイッチ素子とオフ状態を維持するスイッチ素子とを決定するようにしたものである。
【0052】
図6に示すように、ゲート回路12a、12bに対し、共振用コンデンサ10の電圧Vcrの極性が入力されている。ゲート回路12aでは、共振用コンデンサ10の電圧Vcrの極性が、第1のスイッチ素子2aがオンしたときにスナバコンデンサ4aの残留電荷が第1のスイッチ素子2aを流れない方向であるときに、第1のスイッチ素子2aをオンオフ制御するスイッチ素子として選択する。一方、共振用コンデンサ10の電圧Vcrの極性が、第1のスイッチ素子2aがオンしたときにスナバコンデンサ4aの残留電荷が第1のスイッチ素子2aを流れる方向であるときには、第1のスイッチ素子2aはオフ状態を維持するスイッチ素子と判断する。
【0053】
同様に、ゲート回路12bでは、共振用コンデンサ10の電圧Vcrの極性が、第2のスイッチ素子2bがオンしたときにスナバコンデンサ4bの残留電荷が第2のスイッチ素子2bを流れない方向であるときに、第2のスイッチ素子2bをオンオフ制御するスイッチ素子として選択する。一方、共振用コンデンサ10の電圧Vcrの極性が、第2のスイッチ素子2bがオンしたときにスナバコンデンサ4bの残留電荷が第2のスイッチ素子2bを流れる方向であるときには、第2のスイッチ素子はオフ状態を維持するスイッチ素子と判断する。
【0054】
このように、第4の実施の形態では、第1の実施の形態でのDC−DCコンバータ制御方法を実現するにあたって、共振用コンデンサ10の電圧Vcrの極性を検出し、共振用コンデンサ10の充電電圧方向により、第1のスイッチ素子2aと第2のスイッチ素子2bとのうちオフ状態を継続するスイッチ素子及びスイッチングを継続するスイッチ素子を決定する。これにより、DC−DCコンバータが軽負荷時に動作を開始する場合に、スイッチングを継続するスイッチ素子に対しソフトスイッチングを実現できる。
【0055】
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。図7は本発明の第5の実施の形態に係るDC−DCコンバータの制御方法の説明図である。この第5の実施の形態は、第1の実施の形態に対し、軽負荷時のDC−DCコンバータの動作を開始するにあたり、共振用コンデンサ10の充電電圧Vcrの極性を反転させ、第1のスイッチ素子2aまたは第2のスイッチ素子2bのうち、オンオフ制御するスイッチ素子とオフ状態を維持するスイッチ素子を入れ換えるようにしたものである。
【0056】
図7に示すように、ゲート回路12a、12bに対し、共振用コンデンサ10の電圧Vcrの極性が入力されている。また、共振用コンデンサ10には並列に電圧反転回路14が接続されている。
【0057】
電圧反転回路14では、第1のスイッチ素子2aをオンオフ制御するスイッチ素子として選択する場合には、共振用コンデンサ10の電圧Vcrの極性を、第1のスイッチ素子2aがオンしたときにスナバコンデンサ4aの残留電荷が第1のスイッチ素子2aを流れない方向とする。同様に、第2のスイッチ素子2bをオンオフ制御するスイッチ素子として選択する場合には、共振用コンデンサ10の電圧Vcrの極性を、第2のスイッチ素子2bがオンしたときにスナバコンデンサ4bの残留電荷が第2のスイッチ素子2bを流れない方向とする。
【0058】
このように、第5の実施の形態では、第1の実施の形態でのDC−DCコンバータ制御方法を実現するにあたって、共振用コンデンサ10の充電電圧方向を電圧反転回路14で反転させ、第1のスイッチ素子2aと第2のスイッチ素子2bとのうちオフ状態を継続するスイッチ素子及びスイッチングを継続するスイッチ素子を入れ換える。これにより、軽負荷時のDC−DCコンバータの動作において、第1のスイッチ素子2aと第2のスイッチ素子2bとの切り換えが可能となり、双方のスイッチ素子2a、2bの使用頻度を平均化できる。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明のように、本発明によれば、軽負荷時の低負荷電流においてもスイッチ素子のソフトスイッチングが可能となり、また、適正に負荷電圧を一定に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るDC−DCコンバータの制御方法の説明図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るDC−DCコンバータ制御方法を適用した場合の動作波形図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るDC−DCコンバータの制御方法の説明図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るDC−DCコンバータ制御方法を適用した場合の動作波形図。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るDC−DCコンバータの制御方法の説明図。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係るDC−DCコンバータの制御方法の説明図。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係るDC−DCコンバータの制御方法の説明図。
【図8】従来の共振型DC−DCコンバータの構成図。
【符号の説明】
1…直流電源、2a…第1のスイッチ素子、2b…第2のスイッチ素子、2c…第3のスイッチ素子、2d…第4のスイッチ素子、3a〜3d…逆導通ダイオード、4a、4b…スナバコンデンサ、5…変圧器、5a…1次巻線、5b…2次巻線、6a〜6d…整流ダイオード、7…リアクトル、8…コンデンサ、9…負荷、10…共振用コンデンサ、11a、11b…共振用リアクトル、12a、12b…ゲート回路、13a、13b…比較器、14 …電圧反転回路、15…整流器、16a、16b…AND回路

Claims (4)

  1. 一方の端子が直流電源の正極に接続され逆導通ダイオード及びスナバコンデンサが並列接続された第1のスイッチ素子と、一方の端子が直流電源の負極に他方の端子が前記第1のスイッチ素子の他方の端子に接続され逆導通ダイオード及びスナバコンデンサが並列接続された第2のスイッチ素子と、一方の端子が直流電源の正極に第1の共振用リアクタンスを介して接続され逆導通ダイオードが並列接続された第3のスイッチ素子と、一方の端子が直流電源の負極に第2の共振用リアクタンスを介して他方の端子が前記第3のスイッチ素子の他方の端子に接続され逆導通ダイオードが並列接続された第4のスイッチ素子と、前記第1のスイッチ素子と前記第2のスイッチ素子との第1の接続点と前記第3のスイッチ素子と前記第4のスイッチ素子との第2の接続点との間に接続された共振用コンデンサと、前記共振用コンデンサと直列接続された変圧器の1次側巻線と、前記変圧器の2次側巻線に接続され1次巻線からの電力を直流に変換して負荷に直流を出力する整流器とから構成されたDC−DCコンバータの前記第1のスイッチ素子、第2のスイッチ素子、第3のスイッチ素子、第4のスイッチ素子をオンオフ制御して前記負荷への電力供給を制御するDC−DCコンバータ制御方法において、前記第1のスイッチ素子及び前記第2のスイッチ素子のソフトスイッチングができなくなる軽負荷時に、前記第1のスイッチ素子と前記第2のスイッチ素子とのいずれか一方のみをオンオフ制御し、他方はオフ状態を維持し、前記負荷に電力を供給するようにしたことを特徴とするDC−DCコンバータ制御方法。
  2. 前記第1のスイッチ素子の素子電圧または前記第2のスイッチ素子の素子電圧が一定値以下の状態で、前記第1のスイッチ素子または前記第2のスイッチ素子をオンさせることを特徴とする請求項1記載のDC−DCコンバータ制御方法。
  3. 前記共振用コンデンサの電圧の極性方向に基づいて、前記第1のスイッチ素子または前記第2のスイッチ素子のうち、オンオフ制御するスイッチ素子とオフ状態を維持するスイッチ素子とを決定することを特徴とする請求項1記載のDC−DCコンバータ制御方法。
  4. 前記共振用コンデンサの充電電圧の極性を反転させ、前記第1のスイッチ素子または前記第2のスイッチ素子のうち、オンオフ制御するスイッチ素子とオフ状態を維持するスイッチ素子を入れ換えることを特徴とする請求項1記載のDC−DCコンバータ制御方法。
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