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JP3750441B2 - 掘削工具 - Google Patents

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JP3750441B2
JP3750441B2 JP27334999A JP27334999A JP3750441B2 JP 3750441 B2 JP3750441 B2 JP 3750441B2 JP 27334999 A JP27334999 A JP 27334999A JP 27334999 A JP27334999 A JP 27334999A JP 3750441 B2 JP3750441 B2 JP 3750441B2
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仁也 久田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工具本体の先端部にパイロットビット部が設けられるとともに、このパイロットビット部の後端側に拡径ビットが取り付けられた掘削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような掘削工具として、本発明の発明者らは、特願平9−235246号において図9および図10に示すようなものを提案している。これらの図に示す掘削工具では、先端側(図9において左側)に向かうに従い段階的に拡径する外形略多段円柱状の工具本体(デバイス)1の先端部中央に、この工具本体1の軸線Oに沿って取付孔2が形成され、この取付孔2に、円盤状のビット本体3Aの先端部に超硬合金等の硬質材料よりなるチップ4が多数植設されて切刃が設けられたパイロットビット3が、このビット本体3Aの後端面に突出する取付軸部3Bをネジ止めさせて取り付けられている。また、この工具本体1の先端部外周には複数の凹部5…が形成されるとともに、これらの凹部5…の底面には上記軸線Oに対して外周側に偏心した中心軸Xを有する支持孔5Aがそれぞれ形成され、この支持孔5Aに、ビット本体6Aの先端部にやはりチップ7…が植設されて切刃が設けられた拡径ビット6が、このビット本体6Aの後端面から突出する軸部6Bを嵌挿させて、上記中心軸X回りに回動自在に取り付けられている。
【0003】
このように構成された掘削工具は、工具本体1の後端側のシャンク部1Aに図示されないハンマが取り付けられて軸線O回りに工具回転方向Tに回転されるとともに該軸線O方向先端側に打撃力を受けることにより、上記拡径ビット6が中心軸X回りに工具回転方向Tの後方側に回転させられて軸線Oからの外径が拡径した状態で位置決めされ、この拡径ビット6の上記切刃7とパイロットビット3の切刃4とによって地盤等に削孔を形成し、この削孔にケーシングパイプ8を建て込んでゆく。また、掘削終了後には、工具本体1を上記工具回転方向Tとは反対向きに回転させることによって拡径ビット6が上記とは反対に回転し、そのビット本体6Aが凹部5に収容されて軸線Oからの外径が縮径した状態で位置決めされるので、そのまま工具本体1を後退させることにより、ケーシングパイプ8だけを削孔に残して当該掘削工具を引き抜くことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように構成された掘削工具では、上記パイロットビット3が、工具本体1の先端部に形成された上記取付孔2にその取付軸部3Bをネジ止めさせて取り付けられていて、この工具本体1の先端部外周に上記拡径ビット6を収容するための凹部5を形成しなければならないことを考慮すると、これら取付孔2の内径や取付軸部3Bの外径をあまり大きくすることはできないため、このパイロットビット3の取付剛性を十分に確保することが困難であるという問題がある。また、このようにパイロットビット3がネジ止めで取り付けられるため、拡径ビット6の先端部をこのパイロットビット3のビット本体3Aの後端面で支持したりすることはできず、すなわち拡径ビット6はその後端の軸部6Bだけによって支持された状態となるので、この拡径ビット6についても十分な取付剛性を確保することが困難であるという問題もあった。
【0005】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたもので、このように工具本体の先端部にパイロットビット部分が設けられるとともにこれよりも後端側には拡径ビットが取り付けられた掘削工具において、これらパイロットビット部分や拡径ビットをより強固に工具本体に設けることが可能な掘削工具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、先端側に向かうに従い段階的に拡径する外形略多段円柱状の工具本体の先端部に切刃を設けてパイロットビット部が工具本体の先端部に一体に形成されるとともに、このパイロットビット部よりも後端側には取付部を設け、この取付部の外周にリング状の取付部材を後端側から嵌挿して該工具本体に一体に取り付け、この取付部材の先端部には、上記工具本体の軸線から外周側に偏心した中心軸を中心とする支持孔が設けられ、上記パイロットビット部の後端面には、上記中心軸と同軸の支持孔が設けられており、この取付部材の先端部と上記パイロットビット部の後端面との間に、ビット本体先端部に切刃が設けられ上記ビット本体の先後端面にそれぞれ支持軸が同軸に突設された拡径ビットを、先端側の上記支持軸を上記パイロットビット部の支持孔に嵌挿するとともに後端側の上記支持軸を上記取付部材の支持孔に嵌挿して、これらパイロットビット部と取付部材とに支持させて上記工具本体の軸線から外周側に偏心した中心軸回りに回動自在に取り付けたことを特徴とする。従って、このような構成の掘削工具においては、工具本体の先端部にパイロットビット部が一体に設けられることとなるため、このパイロットビット部に高い剛性を与えることが可能になるとともに、このようにパイロットビット部が工具本体の先端部に一体化されていても、工具本体後端側から嵌挿される取付部材によってこのパイロットビット部の後端側に拡径ビットを取り付けることが可能となり、しかもこれらパイロットビット部と取付部材とによって拡径ビットをその先後端側から回動自在に支持することができるので、この拡径ビットにも高い取付剛性を確保することが可能となる。
【0007】
ここで、このように取付部材を工具本体に取り付けるのに、一つには、上記取付部の外周と上記取付部材の内周とに互いに嵌合する凹溝と突条とを上記軸線方向に沿って形成するとともに、この取付部よりも後端側の工具本体外周には上記軸線回りに周回する環状溝を形成し、この環状溝に上記取付部材の内径よりも大きな外径を有する周方向に分割されたリング状のリテーナーを嵌合させて取り付けることにより、取付部材を、上記凹溝と突条との嵌合によって工具本体の周方向に固定するとともに、上記環状溝に嵌合させられたリテーナーによって上記軸線方向にも固定することができる。また、他の一つとして、上記取付部の外周と上記取付部材の内周とに、互いに嵌合する凹溝と突条とを上記軸線方向に沿って形成するとともに、上記軸線に直交する一の平面に沿って延びる取付溝をそれぞれ形成し、これらの取付溝によって画成される取付孔にストッパーを介装することによっても、このストッパーを介して取付部材が上記軸線方向に固定されるため、該取付部材を取付部に確実に取り付けることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1ないし図4は、本発明の第1の実施形態を示すものである。本実施形態において工具本体11は、先端側(図1において左側)に向かって外径が3段に拡径する軸線Oを中心とした外形略多段円柱状に形成されており、最後段の小径軸部がシャンク部12とされて、その外周にはスプライン溝12A…が形成されるとともに、中段部分は取付部13とされ、さらに先端部は円盤状に形成されてパイロットビット部14とされている。そして、この工具本体11は、上記スプライン溝12A…を介してシャンク部12に図示されないハンマが取り付けられることにより、掘削時には上記軸線O回りに図中に符号Tで示す工具回転方向に回転させられるとともに該軸線O方向先端側に向けて打撃力を受けて掘削に供される。また、この工具本体11には、その後端から先端側に向けて圧縮空気等の供給孔15が軸線Oに沿って形成されており、この供給孔15は、先端側の上記パイロットビット部14において2つに分岐して、該パイロットビット部14の先端面14Aに軸線Oを挟んで互いに反対側に開口させられている。
【0009】
また、このパイロットビット部14の先端面14Aは中央部が凹んだすり鉢状に形成されるとともに、この凹んだ先端面14Aの中央部から外周にかけては、一対の圧縮空気等の噴出溝16,16が軸線Oに対する直径方向に延びるように形成されており、2つに分岐した上記供給孔15はこれらの噴出溝16,16の底面にそれぞれ開口させられている。さらに、このパイロットビット部14の外周には軸線Oに平行に延びる6条の掘削屑の排出溝17…が周方向に等間隔に形成されており、このうち軸線Oを挟んで互いに反対側に位置する一対の排出溝17,17の先端は、上記噴出溝16,16の外周端に連通させられている。そして、このパイロットビット部14の先端面14Aおよび外周面の先端側には、超硬合金等の硬質材料よりなるチップ18が上記噴出溝16および排出溝17を避けるように多数植設されていて、これらのチップ18…により、このパイロットビット部14の切刃が形成されている。また、このパイロットビット部14の後端面14Bには、軸線Oに対して外周側に偏心した中心軸Xを中心とする断面円形の支持孔19が、本実施形態では周方向に3つ等間隔に形成されている。
【0010】
一方、上記取付部13の外周面には、該取付部13の全長に亙って、軸線Oに平行に延びる3条の凹溝20…が、周方向に上記支持孔19…の位置に合わせて等間隔に形成されている。これらの凹溝20…は、本実施形態では図3に示すように、取付部13の外周面から内周側に一段凹んで外周側に凸となる円弧面状の底面20Aと、この底面20Aから外周側に互いに平行に延びる一対の壁面20B,20Bとにより画成されており、かつ軸線Oと上記中心軸Xとを含む平面に対してそれぞれ対称となるように形成されている。さらに、この取付部13のすぐ後端側には、軸線O方向においてシャンク部12の上記スプライン溝13Aとの間に、軸線Oを含む断面において外周側に「コ」字状に開口する環状溝21と、雄ネジ部22と、上記環状溝21よりも小さな幅および深さでやはり外周側に断面「コ」字状に開口する環状溝23とが後端側に向けて順に形成されており、このうち雄ネジ部22は、その外径が取付部13の凹溝20の底面20Aが軸線O回りになす径よりも小さくされるとともに、その谷の径がシャンク部12の外径よりも大きくされ、また環状溝21および環状溝23の溝深さはこの雄ネジ部22の谷の深さよりも深くされている。
【0011】
この取付部13の外周には、リング状の取付部材24が、その内周部を工具本体11の後端側から嵌挿させられて取り付けられる。この取付部材24は、その軸線O方向の長さが上記取付部13の長さよりも僅かに長くされるとともに、その外径が上記パイロットビット部14の外径よりもやはり僅かに大きくされており、また取付部13に嵌挿させられる上記内周部には上記凹溝20…にそれぞれ嵌合可能な3条の突条25…が形成されている。すなわち、各突条25は、本実施形態では図3に示すように、凹溝20の底面20Aに密着可能な凹円弧面状の頂面25Aと、この頂面25Aから外周側に延びて上記壁面20B,20Bに密着可能とされた互いに平行な側面25B,25Bとを備え、こうして突条25と凹溝20とを嵌合させて当該取付部材24を取付部13に取り付けた状態で、軸線Oと上記中心軸Xとを含む平面に対して対称に形成されている。
【0012】
さらに、この取付部材24の先端部外周側には、この取付部材24の先端面と外周面とに開口する凹部26が上述の取付状態において上記中心軸Xの周りから工具回転方向T側に延びるように形成されており、各凹部26の先端側を向く底面26Aには、上記中心軸Xを中心として、すなわち上記支持孔19と同軸に、該支持孔19よりも内径の大きい断面円形の支持孔27がそれぞれ形成されている。そして、上記取付状態においてパイロットビット部14の後端面14Bと取付部材24の先端部との間に位置するこの凹部26には、ブロック状のビット本体28Aの一側部側の先後端面にそれぞれ断面円形の支持軸28B,28Cが同軸に突設された拡径ビット28が、先端側の支持軸28Bを上記支持孔19に嵌挿させるとともに後端側の支持軸28Cを上記支持孔27に嵌挿させて、上記中心軸X回りに回動自在に取り付けられている。また、上記凹部26の底面26Aから先端側に向けては、上記支持孔27の内周から先端側に滑らかに連なって工具回転方向T側かつ外周側を向く凹円弧面状の壁面26Bと、この壁面26Bの外周側に滑らかに接して延びる工具回転方向Tを向く壁面26Cと、壁面26Bの内周側に滑らかに接して工具回転方向T側に延びる軸線Oを中心とした凸円弧面状の壁面26Dとが形成されている。
【0013】
また、上記拡径ビット28は、その上記ビット本体28Aが、中心軸X方向視において支持軸28B,28Cが形成された上記一側部側からこれとは反対側の他方の側部側に向かうに従い漸次幅広となる羽根形をなしており、さらにこのビット本体28Aの上記一側部は支持軸28Cの外周面に滑らかに連なる凸円弧面状に形成されるとともに、他方の側部側の先端面には、超硬合金等の硬質材料よりなるチップ29…が植設されることにより、この拡径ビット28の切刃が形成されている。そして、この拡径ビット28は、掘削時の工具回転方向Tへの回転によって上記中心軸X回りに工具回転方向Tの後方側に回転することにより、ビット本体28Aが凹部26の上記壁面26Cに密着して当接し、図2に示すように軸線Oからの外径が拡径した状態で位置決めされ、逆に掘削終了後に工具本体11が工具回転方向Tとは反対向きに回転させられることによって工具回転方向T側に回転することにより、ビット本体28Aが上記壁面26Dに密着するようにして凹部26に収容され、軸線Oからの外径が上記取付部材24の外径よりも縮径した状態で位置決めされるようになされている。なお、取付部材24の外周面には、各凹部26の工具回転方向T側に連通して軸線Oに平行に延びる3条の掘削屑の排出溝30…がやはり周方向に等間隔に形成されている。
【0014】
このように取付部13に外嵌された取付部材24は、図1に示すようにその先端がパイロットビット部14の後端面14Bに突き当てられた状態でその後端面24Aが取付部13の後端面から上記環状溝21に僅かに突出させられることとなり、この環状溝21にリテーナー31,31が取り付けられて上記後端面24Aと該環状溝21の先端側を向く壁面21Aとの間に介装されることにより、軸線O方向にも取付部13に固定されて工具本体11に一体化される。ここで、このリテーナー31,31は、図4に示すように内周部が上記環状溝21に嵌合可能な内径を有する断面方形のリングを、本実施形態ではその直径方向に延びる平面によって周方向に2分割した形状をなしており、その外径は取付部材24の内径よりも大きくされていて、外周側から上記環状溝21に嵌合させられて取り付けられる。さらに、こうして環状溝21に取り付けられたリテーナー31,31は、該リテーナー31,31の外周に嵌合する円筒壁部32Aが形成されたネジリング32を上記雄ネジ部22に螺合させることにより固定され、またこの雄ネジ部22の後方側の環状溝23には上記ネジリング32を抜け止めするスナップリング33が取り付けられる。
【0015】
このように構成された掘削工具においては、上記従来の掘削工具と同じように工具本体11の先端部にパイロットビット部14が設けられるとともに、これよりも後端側には拡径ビット28…が回動自在に取り付けられるにも拘らず、この拡径ビット28を工具本体11の後端側から取付部13に嵌挿される取付部材24によって取り付けるようにしたため、パイロットビット部14は工具本体11に一体に形成することができ、従ってこのパイロットビット部14に高い剛性を与えることが可能となる。このため、上記ハンマから工具本体11に与えられる打撃力や回転力を確実にパイロット部14に伝えてその切刃により地盤等の掘削を行うことができ、掘削効率の向上を図ることができる。しかも、上記構成の掘削工具では、上記拡径ビット28…についても、その後端側の支持軸28Cが取付部材24の支持孔27に嵌挿されるとともに、先端側の支持軸28Bもパイロットビット部14の支持孔19に嵌挿されており、すなわちビット本体28Aがその先後両端側から支持されて取り付けられるため、高い支持剛性を確保することができ、一層の掘削効率向上を図ることができる。
【0016】
また、本実施形態では、この拡径ビット28…を保持した上で上記取付部13に嵌挿されて取り付けられる取付部材24が、取付部13外周の上記凹溝20…と取付部材24内周の上記突条25…との嵌合によって軸線O回りに固定されるとともに、該取付部13の後端側に形成された環状溝21に嵌合させられるリテーナー31,31によって軸先O方向に固定されており、従って掘削時の回転力の反力として拡径ビット28…に作用する工具回転方向Tの後方側への荷重は、取付部材24の突条25…から凹溝20…の工具回転方向T側を向く壁面20B…によって、また打撃力の反力として拡径ビット28に作用する軸先O方向後端側に向けての荷重は、取付部材24からリテーナー31,31を介してこの環状溝21の先端側を向く壁面21Aによって、それぞれ受け止められることとなり、すなわちこれらの荷重は結果的には工具本体11に受け止められることとなる。このため、本実施形態によれば、拡径ビットが工具本体に直接的に保持された従来の掘削工具と変わらずに拡径ビット28…を保持することが可能となり、これに、上述のように該拡径ビット28が先端側でも支持されることとが相俟って、より確実にその支持剛性を確保することができる。
【0017】
さらに本実施形態では、取付部13の外周に凹溝20…が形成されるとともに取付部材24の内周に突条25…が形成されて互いに嵌合させられており、これら凹溝20…と突条25…とは、工具本体11の周方向において、取付部材24を取付部13に取り付けた状態で、拡径ビット28…の回動中心となる中心軸Xと軸線Oとを含む平面の位置に合わせて該平面に対称に形成されている。従って本実施形態によれば、取付部材24に形成される支持孔27…と取付部材24の内周との間に上記突条25によって比較的大きな肉厚を確保することができるので、本実施形態のようにこの支持孔27および該支持孔27に嵌挿される支持軸28Cの径を大きくして拡径ビット28の取付剛性をさらに確保したり、あるいはこうして拡径ビット28の取付剛性を確保したまま取付部13の外径を大きくして、その先端のパイロットビット部14の剛性を一層向上させたりすることが可能となる。
【0018】
なお、本実施形態では、図3に示すように凹溝20および突条25の周方向の幅が、互いに隣接する凹溝20同士および突条25同士の間の周方向の幅よりも小さくされているため、取付部13の外周に凹溝20が、取付部材24の内周に突条25が形成されたものとしているが、見方を変えればこの凹溝20同士の間の部分を突条と、また突条25同士の間の部分を凹溝とすることもできるので、これら凹溝と突条とは、互いに嵌合可能であれば取付部外周と取付部材内周とのいずれの側にあってもよい。また、本実施形態ではリテーナー31を半割りリング状としているが、これを周方向に3分割あるいはそれ以上したリング状としてもよい。
【0019】
次に、図5ないし図8は本発明の第2の実施形態を示すものであり、図1ないし図4に示した第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。この第2の実施形態においては、その工具本体41が、後端側のシャンク部42から中段の取付部43にかけてが略同一断面形状とされて、先端側のパイロットビット部44だけが一段拡径した円盤状とされた2段の外形多段円柱状とされており、シャンク部42の複数条(本実施形態では8条)のスプライン溝42A…がそのまま軸線Oに平行にパイロットビット部44の後端面44Aに達するように延びて取付部43の外周に凹溝45…を形成している。ここで、これらスプライン溝42A…および凹溝45…は、本実施形態ではそれぞれ軸線Oに直交する断面が内周側に向かうに従い幅狭となる略台形状をなし、かつ周方向に隣接する溝同士の壁面が互いに平行となるように、周方向に等間隔に形成されている。なお、この凹溝45…の上記後端面44Aにつながる部分は、図5に示すように外周側に切れ上がるように形成されている。さらに、この取付部43のシャンク部42側の外周には、軸線Oを含んだ断面が外周側に開口する「コ」字状をなす上記凹溝45よりも深い溝深さの取付溝46が、軸線Oに直交する一の平面Pに沿って軸線O回りに周回するように環状に形成されている。
【0020】
一方、このような取付部43に取り付けられる取付部材47の内周には、工具本体41の後端側からシャンク部42のスプライン溝42A…を通って取付部43に嵌挿されて上記凹溝45…に周方向に嵌合可能なように、これらスプライン溝42A…および凹溝45…と同数(すなわち、本実施形態では8条)の突条48…が形成されている。従って、これらの突条48…は、その断面が、周方向に隣接する凹溝45同士の互いに平行な壁面に密着可能な側面を有する略方形状を呈することとなる。なお、これらの突条48…も、その先端側において、凹溝45…の上記切れ上がりに合わせて外周側に切れ上がるようにされている。さらに、この取付部材47には、当該取付部材47を取付部43に取り付けた状態において上記取付溝46が形成された上記平面Pの位置に合わせ、該平面Pに沿った断面において図8に示すように取付部材47の外周から内周側に延びてこの取付部材47の内周部に開口し、この内周部に沿って略半周周回した後に外周側に延びて排出溝28に開口するU字状孔49が形成されている。
【0021】
このU字状孔49は、取付部材47の外周から内周部に至るまでの部分が図5に示すように断面円形に形成される一方、取付部材47の内周部に開口して半周周回する部分は、取付部43の上記取付溝46と同じ溝幅および突条48の突出高さよりも大きな溝深さで内周側に開口する断面「コ」字状に形成された取付溝50とされていて、上述の取付状態においてこれら取付溝46,50が重なり合うことにより、取付部43と取付部材47との間には、両者の嵌合部分を含むようにして断面方形の取付孔51が上記平面Pに沿った断面において略半周周回するように画成されることとなり、この取付孔51の断面がなす上記方形は、U字状孔49の上記取付部材47の外周から内周部に至るまでの部分の断面がなす円に内接するか、これよりも小さな形状・寸法とされている。そして、上記取付状態においてこの取付孔51を含めて上記U字状孔49に、中心線を含む断面が上記取付孔51がなす方形に嵌合可能な方形をなす円柱状の複数のストッパー52…を、この中心線が軸線Oと平行となるように順次挿入して充填し、さらに該U字状孔49の取付部材47外周側の両開口部にスナップリング53を取り付けて抜け止めすることにより、上記取付孔51に挿入されて取付溝46,50間に介装されたストッパー52によって取付部材47が取付部43に軸線O方向に係合させられて固定される。
【0022】
従って、このように構成された第2の実施形態の掘削工具においても、拡径ビット28…が取り付けられた取付部材47が、工具本体41の後端側から取付部43に嵌挿されて取り付けられているため、先端のパイロットビット部44を工具本体41と一体に形成してその剛性を向上させることができるとともに、拡径ビット28についても、その先後両端側から支持して高い取付剛性を確保することができるので、ハンマから与えられる回転打撃力を確実に伝えて効率的な掘削を促すことが可能となる。また、本実施形態でも、工具本体41の取付部43外周に形成された取付溝46と取付部材47内周に形成された取付溝50とによって画成される取付孔51にストッパー52…が介装されることにより、この取付部材47が軸先O方向に固定され、掘削時に拡径ビット28…から取付部材47に作用する荷重がこのストッパー52…を介して結果的に工具本体41により受け止められるので、やはり拡径ビットが工具本体に直接的に取り付けられた従来の掘削工具と変わらずに、該掘削ビット28…を確実に支持することが可能となる。
【0023】
なお、この第2の実施形態では、上述のように取付孔51を断面方形に画成されるようにし、これに円柱状のストッパー52…を装填して介装することにより取付部材47を軸先O方向に固定するようにしているが、例えば上記取付溝46,50を断面円弧状に形成して取付孔51をU字状孔49と同径の断面円形に画成されるようにし、このような取付孔51に、U字状孔49を通して球状のストッパーを装填するようにしたり、あるいはワイヤロープやコイル状に巻回した金属線材等の可撓性を有する線状部材をU字状孔49に倣ってU字状に挿入してストッパーとしたりして、取付部43と取付部材47との間に介装するようにしてもよい。また、場合によってはこのようなストッパーによる固定と、第1の実施形態のようなリテーナーによる固定とを併用するようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、工具本体の先端にパイロットビット部が一体に形成されることにより、このパイロットビット部の剛性の向上を図ることができるとともに、その後端側の取付部に工具本体後端側から取付部材を嵌挿して、これらパイロットビット部と取付部材との間に拡径ビットを先後両端で支持して取り付けることにより、この拡径ビットにも高い支持剛性を確保することが可能となり、これらにより、工具本体に与えられる回転打撃力等を確実に伝えて効率的な掘削を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す側断面図である。
【図2】 図1に示す第1の実施形態を先端側からみた正面図である。
【図3】 図1におけるYY断面図である。
【図4】 図1におけるZZ断面図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態を示す側断面図である。
【図6】 図5に示す第2の実施形態を先端側からみた正面図である。
【図7】 図5におけるYY断面図である。
【図8】 図5におけるZZ断面図である。
【図9】 従来の掘削工具を示す側断面図である。
【図10】 図9に示す掘削工具を先端側からみた正面図である。
【符号の説明】
11,41 工具本体
13,43 取付部
14,44 パイロットビット部
18,29 チップ
19,27 支持孔
20,45 凹溝
21 環状溝
24,47 取付部材
25,48 突条
28 拡径ビット
28B,28C 支持軸
31 リテーナー
32 ネジリング
33,53 スナップリング
46,50 取付溝
49 U字状孔
51 取付孔
52 ストッパー
O 工具本体11,41の軸線
T 掘削時の工具回転方向
X 拡径ビット28の中心軸

Claims (3)

  1. 先端側に向かうに従い段階的に拡径する外形略多段円柱状の工具本体の先端部に切刃が設けられてパイロットビット部が上記工具本体の先端部に一体に形成されるとともに、このパイロットビット部よりも後端側には取付部が設けられ、この取付部の外周にリング状の取付部材が後端側から嵌挿されて取り付けられており、上記パイロットビット部の後端面には、上記工具本体の軸線から外周側に偏心した中心軸を中心とする支持孔が設けられ、上記取付部材の先端部外周側には、上記中心軸を中心として上記支持孔と同軸の支持孔が設けられており、この取付部材の先端部と上記パイロットビット部の後端面との間に、ビット本体先端部に切刃が設けられ上記ビット本体の先後端面にそれぞれ支持軸が同軸に突設された拡径ビットが、先端側の上記支持軸を上記パイロットビット部の支持孔に嵌挿させるとともに後端側の上記支持軸を上記取付部材の支持孔に嵌挿させて、これらパイロットビット部と取付部材とに支持されて上記工具本体の軸線から外周側に偏心した中心軸回りに回動自在に取り付けられていることを特徴とする掘削工具。
  2. 上記取付部の外周と上記取付部材の内周とには互いに嵌合する凹溝と突条とが上記軸線方向に沿って形成されるとともに、この取付部よりも後端側の工具本体外周には上記軸線回りに周回する環状溝が形成され、この環状溝に上記取付部材の内径よりも大きな外径を有する周方向に分割されたリング状のリテーナーが嵌合されて取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
  3. 上記取付部の外周と上記取付部材の内周とには、互いに嵌合する凹溝と突条とが上記軸線方向に沿って形成されるとともに、上記軸線に直交する一の平面に沿って延びる取付溝がそれぞれ形成されており、これらの取付溝によって画成される取付孔にはストッパーが介装されていることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
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