JP3749992B2 - アクティブマトリックス型有機elパネルの駆動回路および有機el表示装置 - Google Patents
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Description
そこで、最近では、電流駆動のドライバを用いた有機EL表示装置が提案されている。例えば、特開平10−112391号などでは、電流駆動により輝度ばらつきの問題を解決する技術が記載されている(特許文献1)。
携帯電話機,PHS用の有機EL表示装置の有機EL表示パネルでは、カラムラインが396個(132×3)の端子ピン、ローラインが162個の端子ピンを持つものが提案され、カラムライン、ローラインの端子ピンはこれ以上に増加する傾向にある。
アクディブマトリックス型では、表示セル(画素)対応にコンデンサと電流駆動のトランジスタとからなるピクセル回路が設けられていて、コンデンサに記憶した電圧に応じてトランジスタを駆動し、このトランジスタを介して有機EL素子(以下OEL素子)が電流駆動される。その駆動方式には、OEL素子をON/OFFの2値で制御するデジタル駆動とOEL素子の駆動電流をアナログ入力データで制御するアナログ駆動とがある。デジタル駆動の場合には、ピクセル内にサブピクセルを設けて表示面積を制御したり、発光時間を時分割して駆動時間の相違により表示画素の階調を制御する。アナログ駆動の場合には電圧指定型(電圧プログラム方式)と電流指定型(電流プログラム方式)とがあって、電圧指定型の場合には各ピクセル回路のコンデンサの端子電圧を電圧信号により設定し、電流指定型の場合には前記コンデンサの端子電圧を電流信号により設定する。 ところで、マトリックス状に配置したOEL素子を電流駆動し、かつ、OEL素子の陽極と陰極をグランドに落としてリセットするOEL素子の駆動回路が特許文献1として公知である。また、DC−DCコンバータを用いてOEL素子を低消費電力で電流駆動する技術が特許文献2として公知である。
前者の電圧プログラム方式は、各ピクセル回路に4個のトランジスタと2個のコンデンサを用いるものであり、データ線,選択線のほかに、駆動トランジスタの動作閾値のばらつきを補償するために2本の線が設けられる。そして、これら2本の線へ制御信号を加えて2つのコンデンサを所定のタイミングで充電することで駆動トランジスタの閾値が影響しない電流駆動が行われる。
後者の電流プログラム方式は、駆動トランジスタを含めた3個のトランジスタと、特定の電圧設定をするスイッチトランジスタとで構成される。データ線,2本の選択線と、さらに特定の電圧Vddの電源線(ソース線)が設けられる。まず、スイッチトランジスタで駆動トランジスタを切り離してコンデンサを電流駆動で充電しておき、その後、スイッチトランジスタにより駆動トランジスタをコンデンサに接続しかつ駆動トランジスタにソース線から電力を供給してOEL素子を電流駆動する。
駆動電流値の書込みは、通常、数百pFのピクセル回路のコンデンサを0.1μA〜10μA程度の電流で充電することによるので、ピクセル回路のコンデンサへの書込み時間が走査期間全体のうちで10%程度かそれ以上という比較的大きな割合を占める。その分発光期間が短くなって輝度が落ちる。特に、表示画素数が、例えば、VGA,XGA等のように高密度になると、電流プログラム方式の回路では、限られた時間内でタイミング制御を行う必要があるために、前記の欠点が問題になる。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、アクティブマトリックス型有機ELパネルのOEL素子を初期充電することができ、OEL素子の輝度を向上させることができる高輝度カラー表示に適したアクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路を提供することにある。
この発明の他の目的は、アクティブマトリックス型有機ELパネルのOEL素子を初期充電することができ、OEL素子の輝度を向上させることができる有機EL表示装置を提供することにある。
この発明のさらに他の目的は、ピクセル回路のコンデンサへの駆動電流値の書込み時間を低減でき、OEL素子の輝度を向上させることができるアクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路および有機EL表示装置を提供することにある。
前記電流駆動回路が前記出力ピンを介して自己が接続される前記ピクセル回路の前記コンデンサを前記電圧値に短期間に充電するために前記ピクセル回路の前記コンデンサを初期充電するための電流を発生するものである。
その結果、OEL素子の輝度を向上させることができ、高輝度カラー表示に適したアクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路および有機EL表示装置を実現できる。
図1において、1は、アクティブマトリックス型の有機EL表示装置であって、データ電極ドライバ2と、書込制御回路3、ピクセル回路4、コントロール回路5、レジスタ6、ロー側走査回路7、そしてMPU8等により構成されている。なお、ピクセル回路4は、X,Yのマトリックス配線の各交点に対応して多数設けられているが、図では、その1つのみを、それらの代表として示してある。 データ電極ドライバ2は、いわゆる有機EL駆動回路のカラムドライバ(水平走査方向のドライバ)であって、各データ線(あるいは各カラムピン,以下同じ)対応に設けられた表示セル駆動回路10をデータ線数分内蔵している。それぞれの表示セル駆動回路10の出力ピン9は、アクディブマトリックス型のX,Yのマトリックス配線(データ線,走査線)のうちの、それぞれのデータ線(X電極=X1,X2,X3,…Xn)にそれぞれに接続されている。
表示セル駆動回路10は、プッシュ・プル回路で構成されて、プッシュ側の電流源11とプル側の電流源12,13とからなり、プッシュ側の電流源11は、スイッチ回路SW1を介して出力ピン9に接続され、プル側の電流源12,13は、それぞれスイッチ回路SW2,SW3を介して出力ピン9に接続されている。そして、出力ピン9は、有機ELパネルの端子1bを介してデータ線X1に接続されている。
ここで、プッシュ側の電流源11は、OEL素子4aを初期充電する電流を発生する。プル側の電流源12は、コンデンサCを初期充電する電流を発生し、また、OEL素子4aをリセットする電流源となる。そして、プル側の電流源13は、コンデンサCに所定の電圧値を書込む電流を発生する。
なお、データ線X1以外に接続される他の表示セル駆動回路10は、データ線X1に接続される表示セル駆動回路10と構成が同じであるので、それらの説明は割愛する。 スイッチ回路SW1〜SW3は、コントロール回路5からの制御信号S1,S2,S3のHighレベル(以下“H”),Lowレベル(以下“L”)の信号によりON/OFFされる。プル側の電流源12,13の電流値は、D/A変換回路14からの電流を受けて、それに応じた電流値の定電流源となる。D/A変換回路14で発生する電流は、MPU8からレジスタ6に設定された表示データDATを受けてこのデータ値を変換することで生成される。
なお、アクティブマトリックス型の有機ELパネルの駆動回路における定電流源とD/A変換回路の具体的な回路は、出願人による先行出願の米国出願、出願番号10,360,715あるいは出願番号10,463579にその一例が開示されている。
トランジスタTr3のソース−ゲート間には駆動電流値記憶のためのコンデンサCが接続され、トランジスタTr3のソースは、例えば、+7V程度の電源ライン+Vccに接続され、そのドレインは、これの下流に設けられたOEL素子駆動用のPチャネルトランジスタTr4のソースに接続されている。そして、トランジスタTr4のドレインがOEL素子4aの陽極に接続されている。
OEL素子4aの陰極は、有機ELパネルの端子1aを介してロー側走査回路7のプッシュ・プルのスイッチ回路70の入力/出力端子7aに接続され、このスイッチ回路70を介してグランドGNDあるいは電源ライン+Vccに選択的に接続される。
選択線Y1、選択線Y2、イレーズ線Y3は、それぞれ有機ELパネルの端子1c、端子1d、端子1eを介して書込制御回路3に接続され、これら選択線Y1、選択線Y2、イレーズ線Y3を単位としたYラインが書込制御回路3の制御信号に応じて順次走査されて、Y方向(ロー方向)の走査がロー側走査回路7の走査に同期して行われる。
ところで、アクティブマトリックス型では、全画面分のOEL素子を発光させた後にリセットを行う場合と、ローライン走査に対応してピクセル回路のコンデンサCに電圧値を書込む手前でリセットを行う場合とがある。図1では、1個のピクセル回路しか図示されていないので、リセットについての説明を簡単にするために、発光後にリセットする場合を例に以下説明する。
同様にして、次のYラインの走査が電流経路(1)から開始されて電流経路(2)〜電流経路(5)を経て終了し、このような走査がY方向(ロー方向)において現在の走査線から次の走査線へと順次繰り返されていく。
なお、選択線Y1,選択線Y2,イレーズ線Y3を含むYラインは、ロー方向(垂直走査方向)のピクセル回路分(走査線数分)設けられ、それらが書込制御回路3に接続されているが、ここではロー側走査回路7のスイッチ回路70と同様にロー方向に走査される1ピクセル回路1個分だけの関係しか示していない。その他の回路は省略してある。
プッシュ・プルのスイッチ回路70は、ロー側走査回路7においてロー方向の走査ラインに対応して多数設けられている。走査対象となるYラインに接続されたスイッチ回路70は、そのプル側のスイッチ71がONし、プッシュ側のスイッチ72がOFFする。これによりOEL素子4aの陰極がグランドGNDに接続される。このとき、走査が終了した手前のスイッチ回路70のプル側のスイッチ71はOFFし、プッシュ側のスイッチ72がONして走査が終了した走査ラインは“H”にプルアップされる。
コンデンサCに書込まれた電荷は、書込制御回路3に接続された走査線Y3が書込制御回路3により“L”にされることで、トランジスタTr5がONになり、このトランジスタを介して高速に放電される。これにより、コンデンサCの電圧がリセットされる。前記したように、このリセットは、ローライン走査に対応してピクセル回路のコンデンサCに電圧値を書込むときに、その手前の帰線期間に行われてもい。
なお、選択線Y1,選択線Y2,イレーズ線Y3とは、それぞれ書込制御回路3からタイミング信号T1,T2を受けて走査される。また、前記のような走査を行う書込制御回路3は、コントロール回路5により制御される。
まず、この表の最初の行に示すコンデンサCへの初期充電(ピーク電流駆動)は、選択線Y1=“L”,選択線Y2=“L”,イレーズ線Y3=“H”にしてトランジスタTr1,Tr2をONにし、Tr4,Tr5をOFFにする。そして制御信号S1=“L”,S2=“H”,S3=“H”にしてスイッチ回路SW2,SW3を共にONにし、スイッチ回路SW1をOFFのままにする制御をする。
なお、スイッチ回路SW1〜SW3は、ここでは“H”でONになる。初期状態では、制御信号S1=“L”,S2=“L”,S3=“L”となっていて、スイッチ回路SW1〜SW3はOFFである。
これにより、ONしたスイッチ回路SW2,SW3と、ONしているトランジスタTr1,Tr2を介して電源ライン+Vccから電流経路(1)として示す経路で定電流源12,13による駆動電流が流れる。このとき、ピーク電流に相当する大きな充電電流が短期間に流れ、コンデンサCが早期に初期充電される。その結果、トランジスタTr3もONになる。
これにより、ONしているスイッチ回路SW3と、出力ピン9、ONしているトランジスタTr1,Tr2とを介してピクセル回路4の電源ライン+Vccから電流経路(2)として示す経路で定電流源13による駆動電流が流れる。これにより、OEL素子の駆動電流値に対応するような充電電流がコンデンサCに流れ、コンデンサCが駆動電流値に応じた電圧値に設定される。
第3行目に示す、次のOEL素子4aへの初期充電(ピーク電流駆動)は、選択線Y2を“H”にしてトランジスタTr2をOFFにし、トランジスタTr4をONにする制御である。このとき、各選択線は、選択線Y1=“L”,選択線Y2=“H”,イレーズ線Y3=“H”となり、トランジスタTr1はONのままであり、トランジスタTr5はOFFのままである。
その結果、ONしたスイッチ回路SW1と、出力ピン9、ONしているトランジスタTr1,Tr4とを介してピクセル回路(表示セル)4の電源ライン+Vccから電流経路(3)として示す経路で定電流源11による駆動電流が流れる。これにより、ピーク電流に相当する大きな電流がOEL素子4aに短期間に流れて早期にOEL素子4aが初期充電されるとともに、ONしたトランジスタTr3,Tr4を経てピクセル回路4の電源ライン+VccからコンデンサCの電圧値に対応した駆動電流がOEL素子4aへと流れ、OEL素子4aの発光が開始する。
このときには、各制御信号は、制御信号S1=“L”,S2=“L”,S3=“L”となっていて、スイッチ回路SW1〜SW3は、OFFとなり、表示セル駆動回路10には電流が流れない。
OEL素子4aを発光させる表示期間が終了してロー側走査回路7の走査対象となっていたスイッチ回路70のプル側スイッチ71がOFFになり、プッシュ側スイッチ72がONになると、コンデンサCとOEL素子4aのリセット動作の期間に入る。
トランジスタTr4はONであるが、トランジスタTr3がOFFになるのでピクセル回路4からOEL素子4aに駆動電流は流れない。また、このリセット期間ときには、スイッチ回路70のプル側スイッチ71がONに保持されている。このリセット動作では、この状態で、さらに制御信号S2を“H”にしてスイッチ回路SW2をONにする。
これにより、コンデンサCの電荷は、ONしたトランジスタTr5を介して急速に放電される。このとき同時に、OEL素子4aのコンデンサCpの電荷もONしたトランジスタTr1,出力ピン9、ONしたスイッチ回路SW2、定電流源12を介して電流経路(5)として示す経路でグランドGNDへと流れて急速に放電される。
なお、このときの各制御信号は、制御信号S1=“L”,S2=“H”,S3=“L”であり、スイッチ回路SW1,SW3はOFFのままである。
このようなロー側走査では、リセット期間が発光期間(表示期間)の手前となる。そこで、走査対象ラインに接続されたコンデンサとOEL素子のリセットは、図2の表の電流経路(5)が先になり、電流経路(1)〜(4)がその後になる。その結果、あるピクセル回路のコンデンサとOEL素子のリセットは、図2の表において、リセット期間(電流経路(5))が先頭になる。
なお、例えば、R,G,Bの1画面対応に走査する場合など、ロー側走査回路7によりローラインを順次走査しない場合には、すべてのローラインは、OEL素子発光時に“L”にプルダウンされ、発光終了後に“H”にプルアップされる。
この場合の制御は、先に定電流源11から初期充電のための電流を供給するためにスイッチ回路SW1を初期充電のための一定期間だけONにする。その後にロー側走査回路7のスイッチ回路70のプル側のスイッチ71をONし、スイッチ72をOFFにする。これにより、初期充電後にOEL素子4aを発光させる表示期間に入ることができる。 同様に、この実施例では、コンデンサCへの初期充電についても、図2の表に示すようにスイッチ回路SW2とSW3とをONにして書込電流に初期充電電流を加えて、これらを
合わせてピーク電流駆動を行っているが、これも初期充電電流と書込電流とを同時に発生するようなピーク電流駆動はせずに、単に初期充電電流だけ先に流して、その後に書込電流を流してもよい。
この場合の制御は、各制御信号を制御信号S1=“L”,S2=“H”,S3=“L”としてスイッチ回路SW2のみをONにして定電流源12による電流駆動でコンデンサCを初期充電した後に、制御信号S2を“L”にしてスイッチ回路SW2をOFFにし、その後に制御信号S3を“H”にしてスイッチ回路SW3をONにする。これにより、初期充電後に、定電流源13による電流駆動でコンデンサCに対して電流値の書込みを行うことができる。
図3は、トランジスタTr5を削除し、コンデンサCの電荷の放電をトランジスタTr3を介して行う実施例である。これにより、リセット期間は図1の実施例よりも多少長くなるが、ピクセル回路4を構成するトランジスタは、4個で済み、イレーズ線Y3は不要になる。
なお、このリセット期間には、各制御信号は、制御信号S1=“L”,S2=“H”,S3=“L”となっていて、スイッチ回路SW2がONになり、スイッチ回路SW1,SW3がOFFのままである。そこで、コンデンサCの電荷が放電された後のタイミングで、選択線Y1=“L”,選択線Y2=“H”にする。このことで、トランジスタTr2がOFFとなり、トランジスタTr1,Tr4が共にONになる。さらに、コンデンサCの放電が終了することでトランジスタTr3がOFFとなっている。そこで、前記したように、OEL素子4aのコンデンサCpの電荷がトランジスタTr1,出力ピン9、スイッチ回路SW2、定電流源12を介してグランドGNDに急速に放電される。
図4の表示セル駆動回路100は、図1あるいは図3の表示セル駆動回路10に置換えて使用することができる。
表示セル駆動回路100は、表示セル駆動回路10におけるプル側の電流源12が削除されている。これに換えて定電圧源101(ボルテージフォロア)が設けられ、この定電圧回路101がスイッチ回路SW2を介して出力ピン9に接続されている。
その制御は、図2の表の第2行目から第4行目のコンデンサCへの電流値書込みからOEL素子4aへの初期充電までは同じである。第1行目と第5行目の選択線,イレーズ線の制御も同じである。異なるのは、図2の第1行目のコンデンサCへ初期充電するときと、第5行目のリセットするときの各スイッチ回路をON/OFFする制御だけである。
そこで、これについて説明する。第1行目のコンデンサCへの初期充電のときの制御信号は、図2では、S1=“L”,S2=“H”,S3=“H”になっているが、これに換えて制御信号をS1=“L”,S2=“H”,S3=“L”にする。これによりスイッチ回路SW1,SW3をOFFにし、スイッチ回路SW2をONにする制御をする。
ピクセル回路4の各トランジスタのON/OFFの制御は、図1,図3の実施例と変わりはない。
そこで、コンデンサCへの初期充電から説明すると、前記の各スイッチ回路のON/OFF制御により、スイッチ回路SW1,SW3がOFFになり、スイッチ回路SW2がONになる。そこで、定電圧源101からの電圧がデータ線X1、ONしているトランジスタTr1,Tr2を介してコンデンサCに加えられる。これによりコンデンサCが定電圧源101の電圧に設定される。したがって、リセットされたときのコンデンサCの電圧に対して定電圧源101の電圧が高い場合には、出力ピン9から電圧差分の電流が流れ出る。逆にリセットされたときのコンデンサCの電圧に対して定電圧源101の電圧が低い場合には、出力ピン9へ電圧差分の電流が引き込まれる。このとき、図1,図3の場合よりも移動する電流量は少ない。
次にコンデンサCとOEL素子4aのリセットについて説明する。前記の各スイッチ回路のON/OFF制御により、スイッチ回路SW3がONになり、スイッチ回路SW1,SW2がOFFになるので、OEL素子4aは、ONしているトランジスタTr4,Tr1,出力ピン9、電流源13を介してリセットされる。コンデンサCのリセットは、図1,図3の場合と同じであり、ONしているトランジスタTr5あるいはONしているトランジスタTr2,Tr3により行われる。
この実施例では、コンデンサCの初期充電が定電圧源101による電圧設定で行われる。この定電圧源101は、図示するように、ピクセル回路4に対応して設けられた表示セル駆動回路100に内蔵されている。
ところで、図1乃至図4の実施例において、発光前あるいは発光後にOEL素子4aの電荷をリセットするようにしているが、アクディブ型有機ELパネルでは、OEL素子4aのリセットはパッシブ型の有機ELパネルほどは必要とされていない。
実施例の表示セル駆動回路10は、プッシュ・プルの電流駆動回路で構成し、プッシュ側の電流によってOEL素子4aのコンデンサCpを初期充電し、プル側の電流によって駆動電流値記憶用のコンデンサCを初期充電し、さらに駆動電流値の書込みを行っている。しかし、これは、例えば、PチャネルMOSトランジスタをNチャネルMOSトランジスタとするなど、ピクセル回路の構成によっては、逆に、プッシュ側の電流によってコンデンサCを初期充電しさらに電流値を書込み、プル側の電流によってOEL素子4aのコンデンサCpに初期充電することができる。
また、実施例では、ロー側走査回路7のスイッチ回路としてプッシュ・プルのスイッチ回路を使用しているが、これは、OEL素子4aのコンデンサCpの電荷の放電路が別に形成されていれば、単に、グランドGNDに接続するスイッチ回路であってもよい。さらに、このロー側走査回路7は、ピクセル回路4と同様に有機ELパネル内に内蔵されていてもよい。
なお、実施例では、MOSFETトランジスタを主体として構成しているが、バイポーラトランジスタを主体としても構成してもよいことはもちろんである。また、実施例のNチャンネル型トランジスタ(あるいはnpn型)は、Pチャンネル型(あるいはpnp型)トランジスタに、Pチャンネル型トランジスタは、Nチャンネル(あるいはnpn型)トランジスタに置き換えることができる。この場合には、電源電圧は負となり、上流に設けたトランジスタは下流に設けることになる。
ところで、この発明における出力ピンには、ICのパッドに接続されているバンプ等として形成される出力端子も含まれることはもちろんである。
2…データ電極ドライバ、3…書込制御回路、
4…ピクセル回路、4a…有機EL素子、4b…インバータ、
5…コントロール回路、
6…レジスタ、7…ロー側走査回路、
70…スイッチ回路、
8…MPU、9…出力ピン、
10,100…表示セル駆動回路、
11…プッシュ側の電流源、
12,13…プル側の電流源、
14…D/A変換回路、
70,SW1〜SW3…スイッチ回路、
71,72…スイッチ、
101…定電圧回路、
S1,S2,S3…制御信号、
C,Cp…コンデンサ、
Tr1〜Tr5…トランジスタ。
Claims (16)
- 有機EL素子とこの有機EL素子の駆動電流の電流値に応じた電圧値を記憶するコンデンサと前記電圧値に応じて前記有機EL素子に前記駆動電流を出力するためのトランジスタとを有するピクセル回路がマトリックス状に配列された有機EL表示パネルを電流駆動するアクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路において、
前記有機EL表示パネルのデータ線あるいはカラムピンに対応して設けられ、前記データ線あるいは前記カラムピンに接続される出力ピンを有し前記データ線あるいは前記カラムピンを介して前記ピクセル回路の前記コンデンサを前記電圧値に充電するための電流を発生しかつ前記有機EL素子を初期充電するための電流を発生する多数の電流駆動回路と、
前記コンデンサに前記電圧値を記憶するための書込み制御をしかつ書込まれた前記コンデンサの前記電圧値をリセットする制御をする書込制御回路とを備え、
前記電流駆動回路は、前記出力ピンを介して自己が接続される前記ピクセル回路の前記コンデンサを前記電圧値に短期間に充電するために前記ピクセル回路の前記コンデンサを初期充電するための電流あるいは電圧を発生する充電回路を有するアクティブマトリックス型有機ELパネルの有機EL駆動回路。 - 有機EL素子とこの有機EL素子の駆動電流の電流値に応じた電圧値を記憶するコンデンサと前記電圧値に応じて前記有機EL素子に前記駆動電流を出力するためのトランジスタとを有するピクセル回路がマトリックス状に配列された有機EL表示パネルを電流駆動するアクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路において、
前記有機EL表示パネルのデータ線あるいはカラムピンに対応して設けられ、前記データ線あるいは前記カラムピンに接続される出力ピンを有し前記データ線あるいは前記カラムピンを介して前記ピクセル回路の前記コンデンサを前記電圧値に充電するための電流を発生しかつ前記有機EL素子を初期充電するための電流を発生する多数の電流駆動回路と、
前記コンデンサに前記電圧値を記憶するための書込み制御をしかつ書込まれた前記コンデンサの前記電圧値をリセットする制御をする書込制御回路とを備え、
前記電流駆動回路は、前記出力ピンを介して自己が接続される前記ピクセル回路の前記コンデンサを前記電圧値に短期間に充電するために前記ピクセル回路の前記コンデンサを初期充電するための電流あるいは電圧を発生する充電回路を有し、
前記コンデンサを前記電圧値に充電するための電流は、前記出力ピンから前記ピクセル回路へ吐き出される電流あるいは前記ピクセル回路から前記出力ピンへ引き込む電流のいずれか一方に応じて発生し、前記有機EL素子を初期充電するための電流は、前記出力ピンから吐き出される他のある電流あるいは前記出力ピンへ引き込む他のある電流のいずれか一方に応じて発生するアクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路。 - 前記電流駆動回路は、プッシュ・プルの電流出力回路で構成され、この電流出力回路のプッシュ側回路が前記出力ピンから前記ピクセル回路へ電流を吐き出す動作をし、前記電流出力回路のプル側回路が前記ピクセル回路から前記出力ピンへ電流を引き込む動作をする請求項2記載のアクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路。
- 前記書込制御回路は、前記電圧値を記憶するための書込み行う手前で前記コンデンサのリセットを行い、前記電流駆動回路も前記有機EL素子を駆動する手前で前記有機EL素子のリセットを行う請求項3記載のアクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路。
- 前記ピクセル回路の前記有機EL素子の電圧のリセットは、自己の前記ピクセル回路が接続された前記電流駆動回路が自己の前記出力ピンに電流を引き込むことによってなされる請求項4記載のアクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路。
- 前記コンデンサの前記電圧値のリセットは、前記コンデンサに並列に設けられたトランジスタをONにすることで行われる請求項4記載のアクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路。
- 前記プッシュ側回路は、前記出力ピンに第1のスイッチ回路を介して接続された前記有機EL素子を初期充電するための第1の電流源を有し、前記プル側回路は、前記出力ピンに第2のスイッチ回路を介して接続された第2の電流源と前記出力ピンに第3のスイッチ回路を介して接続された第3の電流源とを有し、前記第2の電流源が前記コンデンサを初期充電するための電流を発生する前記充電回路となり、前記第3の電流源は、前記コンデンサに前記電圧値を書込むための電流を発生する請求項6記載のアクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路。
- 前記プッシュ側回路は、前記出力ピンに第1のスイッチ回路を介して接続された前記有機EL素子を初期充電するための第1の電流源を有し、前記プル側回路は、前記出力ピンに第2のスイッチ回路を介して接続された第2の電流源を有し、この第2の電流源が前記コンデンサに前記電圧値を書込むための電流を発生し、さらに前記出力ピンに第3のスイッチ回路を介して接続された電圧源を有し、この電圧源が前記コンデンサを初期充電するための電流を発生する前記充電回路となる請求項6記載のアクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載されたアクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路を有する有機EL表示装置。
- 請求項7記載アクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路とコントローラとを備え、このコントローラにより前記第1の電流源を動作させて前記有機EL素子が初期充電され、前記コントローラにより前記第2および第3の電流源を動作させて前記ピクセル回路の前記コンデンサが初期充電されるとともに前記電圧値が記憶される有機EL表示装置。
- 請求項8記載アクティブマトリックス型有機ELパネルの駆動回路とコントローラとを備え、このコントローラにより前記第1の電流源を動作させて前記有機EL素子が初期充電され、前記コントローラにより前記電圧源を動作させて前記ピクセル回路の前記コンデンサが初期充電され、前記コントローラにより前記第2の電流源を動作させて前記電圧値が記憶される有機EL表示装置。
- 前記ピクセル回路は、第1,第2,第3,第4のPチャネルMOSトランジスタを有し、前記第1のトランジスタは、選択線と前記データ線の交点においてそれぞれの線にゲートとドレインがそれぞれ接続され、この第1のトランジスタのソースは、前記第2のトランジスタのドレイン−ソースを介して前記第3のトランジスタのゲートに接続され、この第3のトランジスタのソース−ゲート間に前記コンデンサが接続され、前記第3のトランジスタのソースは、電源ラインに接続され、そのドレインは、前記第4のトランジスタのソースに接続され、前記第4のトランジスタのドレインが前記有機EL素子の陽極に接続されている請求項9記載の有機EL表示装置。
- 前記書込制御回路は、前記第1および第4のトランジスタをONにして前記有機EL素子にこれを充電するための前記電流を流すことにより前記有機EL素子を初期充電し、前記第1および第2のトランジスタをONにして前記出力ピンから電流をシンクすることで前記コンデンサを初期充電しかつ前記コンデンサに前記電圧値を書込む請求項12記載の有機EL表示装置。
- さらに、前記コンデンサに並列にPチャネルMOS第5のトランジスタを有し、前記書込制御回路は、前記第5のトランジスタをONにして前記コンデンサの前記電圧値をリセットする請求項13記載の有機EL表示装置。
- 前記ピクセル回路は、前記有機EL素子を駆動するための第1および第2のMOSトランジスタからなる直列回路と、前記コンデンサに前記電圧値を書き込むための第3および第4のMOSトランジスタとを有し、
前記コンデンサは、前記第1のMOSトランジスタのゲートと前記第1のMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方の電極との間に接続され、
前記第2のトランジスタのソースおよびドレインの一方が前記有機EL素子の陽極に接続され、
前記第3のMOSトランジスタが前記第1のMOSトランジスタのゲートと前記第1のMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方の電極との間に接続され、
前記第4のMOSトランジスタが前記第1のMOSトランジスタの前記他方の電極と前記電流駆動回路の前記出力ピンとの間に接続され、そして、
前記第2のMOSトランジスタのゲートと前記第3のMOSトランジスタのゲートのいずれか一方がいずれか他方とインバータを介して接続され、
前記書込制御回路は、前記第4のMOSトランジスタのゲートと前記インバータの入力側が接続されたゲートとに制御信号を送出して前記第2、前記第3および前記第4のトランジスタのON/OFFを制御することで前記書込み制御を行う請求項9記載の有機EL表示装置。 - 前記ピクセル回路は、さらに、前記コンデンサの電荷を放電するために前記コンデンサに並列に接続されたの第5のMOSトランジスタを有し、前記書込制御回路は、前記第5のMOSトランジスタをONにして書込まれた前記コンデンサの前記電圧値をリセットする請求項15記載の有機EL表示装置。
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