JP3749986B2 - ワイパ装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、ワイパブレードで払拭面を拭うワイパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイパブレードで払拭面を拭うワイパ装置としては、ワイパモータの回転により往復回動する第1のピボットシャフトと、この第2のピボットシャフトにリンクにより連結されていて第2のピボットシャフトとともに往復回動する第2のピボットシャフトと、第1、第2のピボットシャフトとは独立した第3のピボットシャフトとが備えられているものが知られている。第1のピボットシャフトには第1のスイングアームの基端部が結合され、この第1のスイングアームの先端部が第1のワイパアームの基端部に回動自在に結合され、第3のピボットシャフトには第2のスイングアームの基端部が結合され、この第2のスイングアームの先端部が第1のワイパアームの基端部から中央部に寄った部分に回動自在に結合され、第1のワイパアームの先端部に第1のワイパブレードが装着され、第3のピボットシャフトに第2のワイパアームの基端部が結合され、第2のワイパアームの先端部に第2のワイパブレードが装着されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したワイパ装置では、第1のワイパアームに内蔵されたアームスプリングの張力によって第1のワイパブレードを払拭面に対し押圧しながら、この第1のワイパブレードで払拭面を拭うに際し、アームスプリングより与えられた反力によって、第1のワイパアームが第1のスイングアームの先端部を押圧する方向に、また、第1のワイパアーム側に第2のスイングアームの先端部を引張する方向の相反する方向にスラスト荷重がそれぞれかかる。そのため、第1のワイパアームと第1、第2のスイングアームのそれぞれの先端部との回動が円滑に行われなくなって、第1のワイパブレードが払拭面上をスムースに移動しなくなり、いわゆるワイパジャダを起こすことがありうるという問題点があり、この問題点を解決することが課題になっていた。
【0004】
【発明の目的】
この発明に係わるワイパ装置は、ワイパアームより反力が与えられてもワイパアームを円滑に作動させることができるワイパ装置を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の構成】
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係わるワイパ装置では、第1のスイングアームと、第2のスイングアームと、第1のスイングアーム結合部と第2のスイングアーム結合部とが形成された第1のワイパアームと、第1のスイングアームと第1のワイパアームの第1のスイングアーム結合部とを貫通して配置された第1の枢支軸と、第2のスイングアームと第1のワイパアームの第2のスイングアーム結合部とを貫通して配置された第2の枢支軸と、第1のスイングアームと第1のワイパアームの第1のスイングアーム結合部との間に配置された第1のフランジ部と、第1のワイパアームの第1のスイングアーム結合部に取付けられ且つ第1の枢支軸を回動自在に支持する第1の筒部とが一体的に形成された第1の回動支持部材と、第1のワイパアームの第2のスイングアーム結合部の上面部に当接された第2のフランジ部と、第1のワイパアームの第2のスイングアーム結合部に取付けられ且つ第2の枢支軸を回動自在に支持する第2の筒部とが一体的に形成された第2の回動支持部材を備えている構成としたことを特徴としている。
【0007】
この発明の請求項2に係わるワイパ装置では、第1のスイングアームには、第1のスイングアーム側ワイパアーム結合部が形成されているとともに、第2のスイングアームには、第2のスイングアーム側ワイパアーム結合部が形成されており、第1のスイングアーム側ワイパアーム結合部には、第1の枢支軸の基端部が固定され、この第1の枢支軸に第1の回動支持部材の第1の筒部が挿通されているとともに第1の枢支軸の基端部側に第1の回動支持部材の第1のフランジ部が配置され、第2のスイングアーム側ワイパアーム結合部には、第2の枢支軸の基端部が固定され、この第2の枢支軸に第2の回動支持部材の第2の筒部が挿通されているとともに第2の枢支軸の先端部側に第2の回動支持部材の第2のフランジ部が配置されている構成としたことを特徴としている。
【0008】
この発明の請求項3に係わるワイパ装置では、第1の枢支軸の先端部には、第1の回動支持部材の第1の筒部に当接可能な第1の抜止部材が固定され、第2の枢支軸の先端部には、第2の回動支持部材の第2のフランジ部に当接可能な第2の抜止部材が固定されている構成としたことを特徴としている。
【0009】
この発明の請求項4に係わるワイパ装置では、第1のワイパアームの第1のスイングアーム結合部には、第1の回動支持部材の第1のフランジ部と第1のワイパアームとの間に第1のオーリングが配置され、第1のワイパアームの第2のスイングアーム結合部には、第2の回動支持部材の第2の筒部に固定されたオーリング受部材と第1のワイパアームとの間に第2のオーリングが配置されている構成としたことを特徴としている。
【0010】
この発明の請求項5に係わるワイパ装置では、車体側に固定され、第1のピボットシャフト支持部および第3のピボットシャフト支持部が形成されたフレームと、フレームに固定され、通電により回転可能な出力軸を有するワイパモータと、ワイパモータの出力軸に固定され、出力軸とともに共動するモータアームと、モータアームに取付けられた第1のボールピンと、一端部に第1のボールピンに球面対偶を介して回動自在に結合される第1のボールリテーナが取付けられ、他端部に連結アーム結合部が形成された第1のリンクコンロッドと、第1のリンクコンロッドの連結アーム結合部にそれぞれの一端部が予め定められた距離だけ離れてそれぞれ回動自在に支持され、X状に交差して配置された第1、第2の連結アームと、第1、第2の連結アームのそれぞれの他端部を予め定められた距離だけ離してそれぞれ回動自在に支持する第1のピボットアームと、フレームの第1のピボットシャフト支持部に回動自在に支持され、第1のピボットアームに固着された第1のピボットシャフトと、第1のピボットシャフトに一端部が結合された第1のスイングアームと、フレームの第3のピボットシャフト支持部に回動自在に支持された第3のピボットシャフトと、第1のスイングアームよりも長寸にして第3のピボットシャフトに一端部が結合された第2のスイングアームと、第1のスイングアームの他端部が回動自在に結合された第1のスイングアーム結合部および第2のスイングアームの他端部が回動自在に結合された第2のスイングアーム結合部が形成され、払拭面に対し押圧可能に第1のワイパブレードが装着された第1のワイパアームと、第1の筒部と第1のフランジ部とが一体的に形成されて、第1のワイパアームの第1のスイングアーム結合部に取付けられ、第1のスイングアーム側に第1のフランジ部が配置された第1の回動支持部材と、第2の筒部と第2のフランジ部とが一体的に形成されて、第1のワイパアームの第2のスイングアーム結合部に取付けられ、第2のスイングアームとは反対側に第2のフランジ部が配置された第2の回動支持部材と、第1のピボットアームに取付けられた第2のボールピンと、一端部に第2のボールピンに球面対偶を介して回動自在に結合された第2のボールリテーナが取付けられ、他端部に第3のボールリテーナが取付けられた第2のリンクコンロッドと、第2のリンクコンロッドの第3のボールリテーナに球面対偶を介して回動自在に結合された第3のボールピンと、第3のボールピンが取付けられた第2のピボットアームと、車体側に回動自在に支持され、第2のピボットアームに固着された第2のピボットシャフトと、第2のピボットシャフトに結合され、払拭面に対し押圧可能に第2のワイパブレードが装着された第2のワイパアームを備えている構成としたことを特徴としている。
【0011】
【発明の作用】
この発明の請求項1乃至5に係わるワイパ装置において、第1のワイパアームが動くことによって、第1のワイパアームより反力が与えられた際、第1のスイングアーム結合部で第1のワイパアームから第1のスイングアームに向けてスラスト荷重がかかったとしても、第1のスイングアームと第1のワイパアームの第1のスイングアーム結合部との間に配置された第1の回動支持部材の第1のフランジ部がそのスラスト荷重を受けて第1のワイパアームと第1のスイングアームとの回動に支障がないようにする。一方、第2のスイングアーム結合部で第2のスイングアームから第1のワイパアームに向けてスラスト荷重がかかったとしても、第1のワイパアームの第2のスイングアーム結合部の上面部に当接された第2の回動支持部材の第2のフランジ部がそのスラスト荷重を受けて第1のワイパアームと第2のスイングアームとの回動に支障がないようにする。それ故、第1のワイパアームと第1、第2のスイングアームとの回動が円滑に行われる。
【0012】
【実施例】
図1ないし図9にはこの発明に係わるワイパ装置の一実施例が示されている。
【0013】
図示するワイパ装置1は、主として、フレーム2、ワイパモータ3、モータアーム4、第1のリンクコンロッド5、第1の連結アーム6、第2の連結アーム7、第1のピボットアーム8、第1のピボットシャフト9、第3のピボットシャフト10、第1のスイングアーム11、第2のスイングアーム12、第1のワイパアーム13、第1のワイパブレード14、第2のリンクコンロッド15、第2のピボットアーム16、第2のピボットシャフト17、第2のワイパアーム18、第2のワイパブレード19、第1の回動支持部材30、第2の回動支持部材31から構成されている。
【0014】
フレーム2には、矩形に形成されたフレーム本体2aと、このフレーム本体2aの側部から棒形に突出した突出部2bが備えられている。フレーム本体2aには、3個所の車体側取付部2a1、2a1、2a1と、ワイパモータ取付部2a2と、第3のピボットシャフト支持部2a3とが形成され、突出部2bには、1個所の車体側取付部2b1と、第1のピボットシャフト支持部2b2とが形成されている。
【0015】
フレーム2は、フレーム本体2aの車体側取付部2a1、2a1、2a1と、突出部2bの車体側取付部2b1とが図示しないダッシュアッパパネルにねじ止めされることによって車体に固定される。フレーム2は助手席側に配置される。
【0016】
フレーム本体2aのワイパモータ取付部2a2には、ワイパモータ3がねじ止めされている。フレーム本体2aの第3のピボットシャフト支持部2a3には、第3のピボットシャフト10の基端部が挿通されている。突出部2bの第1のピボットシャフト支持部2b2には、第1のピボットシャフト9が回動自在にして支持されている。
【0017】
突出部2bの第1のピボットシャフト支持部2b2は、中心がフレーム本体2aの第3のピボットシャフト支持部2a3の中心から距離L1だけ離れて配置されている。第1のピボットシャフト9の先端部は車体外装パネルの上方に突出して配置される。
【0018】
第1のピボットシャフト9には、基端部に第1のピボットアーム固定部9bが形成されているとともに、先端部に第1のスイングアーム固定部9cが形成されている。
【0019】
第1のピボットシャフト9は、第1のピボットアーム固定部9bが第1のピボットアーム8に形成された第1のピボットシャフト取付部8eに固定され、第1のスイングアーム固定部9cが第1のスイングアーム11の基端部に形成された第1のピボットシャフト結合部11aに固定されている。
【0020】
第1のピボットシャフト9には、その基端部側において第1のピボットアーム固定部9b側に第1のウェーブワッシャ32が配置されており、この第1のウェーブワッシャ32は、第1のピボットシャフト9にかかったスラスト荷重を吸収することによって第1のピボットシャフト9のがたを防止する機能をもつ。
【0021】
フレーム本体2aの第3のピボットシャフト支持部2a3には、第3のピボットシャフト10の基端側が回動自在に支持されている。第3のピボットシャフト10の先端部は車体外装パネルの上方に突出して配置される。第3のピボットシャフト10は、第1のピボットシャフト9、第2のピボットシャフト17とは異なり、ピボットアーム等のリンクから動力を与えられて回動する機能をもたない。
【0022】
第3のピボットシャフト10には、先端部に第2のスイングアーム固定部10cが形成されている。
【0023】
第3のピボットシャフト10は、第2のスイングアーム固定部10cが第2のスイングアーム12に形成された第3のピボットシャフト結合部12aに固定されているとともに、フレーム2の第3のピボットシャフト支持部2a3とのあいだに第2のウェーブワッシャ33が取付けられている。第2のウエーブワッシャ33は、第3のピボットシャフト10にかかったスラスト荷重を吸収することによって第3のピボットシャフト10のがたを防止する機能をもつ。
【0024】
ワイパモータ3には、モータケース3aの内周側に図示しない2個のマグネットがそれぞれ取付けられているとともに、マグネットの内側に図示しないアーマチュアが回転可能に配置されている。アーマチュアに備えた図示しないアーマチュアシャフトはモータケース3aにねじ止めされたギヤケース3f内に突出し、ギヤケース3f内で図示しない減速機構に噛合され、この減速機構の最終段に出力軸3gが結合されている。出力軸3gはギヤケース3fから突出して配置されている。
【0025】
ワイパモータ3は、アーマチュアに備えられた図示しないアーマチュアコイルに通電可能な図示しない複数個のブラシが図示しないワイパ駆動回路に電気的に接続されているため、ワイパ駆動回路に備えられたワイパスイッチが低速モードにオン切換えされると、ワイパ駆動回路より低速用のブラシに電源の電流が供給されてアーマチュアが低速で回転し、アーマチュアが低速で回転することによって、アーマチュアシャフト、減速機構を介し出力軸3gが低速で回転する。
【0026】
上記とは異なり、ワイパ駆動回路のワイパスイッチが高速モードにオン切換えされると、ワイパ駆動回路より高速用のブラシに電源の電流が供給されてアーマチュアが高速で回転し、アーマチュアが高速で回転することによって、アーマチュアシャフト、減速機構を介し出力軸3gが高速で回転する。
【0027】
そして、ワイパモータ3には、図示しないワイパ定位置停止機構が通電回路に内蔵されているため、ワイパ駆動回路のワイパスイッチがオフ切換えされた際に、出力軸3gの回転位置が第1、第2のワイパブレード14、19の払拭途中位置にあると、出力軸3gの回転を続行させるための電流がアーマチュアに継続して供給され、その後に、第1のワイパブレード14が停止位置兼用の下部反転位置Eに、また第2のワイパブレード19が停止位置兼用の下部反転位置Gにそれぞれ到達したところでアーマチュアに対する電流供給がカットされて、第1のワイパブレード14が停止位置兼用の下部反転位置Eに、第2のワイパブレード19が停止位置兼用の下部反転位置Gにそれぞれ停止するようになっている。
【0028】
ワイパモータ3の出力軸3gには、モータアーム4が取付けられている。モータアーム4は、基端部に形成された出力軸取付部4aがワイパモータ3の出力軸3gにねじ止めされ、先端部に形成された第1のボールピン取付部4bに第1のボールピン20が固定されている。モータアーム4は、ワイパモータ3の出力軸3gの低速回転、高速回転に応じて出力軸3gを中心に低速回転、高速回転する。
【0029】
第1のボールピン20には、第1のボールリテーナ21が球面対偶を介して結合されている。第1のボールリテーナ21は、第1のリンクコンロッド5の一端部に形成された第1のボールリテーナ取付部5aに取付けられている。
【0030】
第1のリンクコンロッド5には、長寸状をなす第1のリンクコンロッド本体5bの一端部に第1のボールリテーナ取付部5aが配置され、第1のリンクコンロッド本体5bの他端部に第1のリンクコンロッド本体5bの長さ方向に長寸状のサブコンロッド5cの一端部が結合されている。
【0031】
サブコンロッド5cには、連結アーム結合部5dが形成されている。連結アーム結合部5dには、サブコンロッド5cの他端部に第2の連結アーム結合部5eが形成されているとともに、第2の連結アーム結合部5eからサブコンロッド5cの長さ方向に距離L2だけ一端部に寄って配置された第1の連結アーム結合部5fが形成されている。連結アーム結合部5dの第1の連結アーム結合部5fには、第1の連結アーム6の一端部に形成された第1のリンクコンロッド結合部6aが回動自在に結合され、連結アーム結合部5dの第2の連結アーム結合部5eには、第2の連結アーム7の一端部に形成された第1のリンクコンロッド結合部7aが回動自在に結合されている。この場合、第1のリンクコンロッド5は、それぞれ独立して成形された第1のリンクコンロッド本体5bとサブコンロッド5cとが結合されているが、独立して成形されずに一体成形されていても良い。第1のリンクコンロッド5は、モータアーム5の低速回転、高速回転に対応して第1のボールリテーナ21が回転運動するため、連結アーム結合部5dが往復で移動する。
【0032】
第1の連結アーム6は、へ字形にされた第1の連結アーム本体6bの一端部に第1のリンクコンロッド結合部6aが配置され、第1の連結アーム本体6bの他端部に第1のピボットアーム結合部6cが形成されている。第1のピボットアーム結合部6cは第1のピボットアーム8に形成された第1の連結アーム結合部8aに回動自在に結合されている。
【0033】
第2の連結アーム7は、へ字形にされた第2の連結アーム本体7bの一端部に第1のリンクコンロッド結合部7aが配置され、第2の連結アーム本体7bの他端部に第1のピボットアーム結合部7cが形成されている。第2のピボットアーム結合部7cは第1のピボットアーム8に形成された第2の連結アーム結合部8bに回動自在に結合されている。
【0034】
第1、第2の連結アーム6、7はXリンクを構成しており、第1のリンクコンロッド5の連結アーム結合部5dが往復で移動することによって、互いに交差しながら、第1のピボットシャフト9を中心に第1のピボットアーム8を往復で回動させる機能をもつ。
【0035】
第1のピボットアーム8は、へ字形にされた第1のピボットアーム本体8cと、この第1のピボットアーム本体8cの中心からI字状にして突出したサブアーム8dとから略T字形に形成されている。第1のピボットアーム本体8cの一端部に第2の連結アーム結合部8bが配置され、第1のピボットアーム本体8cの他端部に第1の連結アーム結合部8aが配置されている。そして、第1のピボットアーム本体8cの中央部に第1のピボットシャフト取付部8eが形成されている。第1のピボットシャフト取付部8eには、第1のピボットシャフト9の基端部に形成された第1のピボットアーム結合部9bが圧入により固定されている。
【0036】
第1のピボットアーム8は、ワイパモータ3の出力軸3gが回転することにより第1のリンクコンロッド5の連結アーム結合部5dが往復で移動すると、第1の連結アーム6、第2の連結アーム7からなるXリンクにより、位置Aと位置Bとのあいだの角度範囲θ1を往復で回動する。このとき、第1のピボットアーム8は、位置Aから図2中反時計方向に回動を始め、第1のピボットシャフト9を中心に第1のピボットシャフト9の図2中下方側で往復回動する。第1のピボットアーム8が回動する角度範囲θ1は、後述する第2のピボットアーム16が回動する角度範囲θ2よりも大きい。これは、第1のリンクコンロッド5から与えられた往復回動運動がXリンクを構成する第1、第2の連結アーム6、7によって、第1のピボットアーム8の大きな範囲の往復回動運動に変換されるからである。
【0037】
サブアーム8dには、第1のピボットアーム本体8cの第1のピボットシャフト取付部8eから予め定められた距離L3だけ離れた位置に第2のボールピン取付部8fが形成されている。第2のボールピン取付部8fには、第2のボールピン22が固定されている。
【0038】
第2のボールピン22には、第2のボールリテーナ23が球面対偶を介して結合されている。第2のボールリテーナ23は、第2のリンクコンロッド15の一端部に形成された第2のボールリテーナ取付部15aに取付けられている。
【0039】
第2のリンクコンロッド15には、長寸状をなす第2のリンクコンロッド本体15bの一端部に第2のボールリテーナ取付部15aが配置され、第2のリンクコンロッド本体15bの他端部に第3のボールリテーナ取付部15cが形成されている。第3のボールリテーナ取付部15cには、第3のボールリテーナ24が取付けられている。
【0040】
第3のボールリテーナ24には、第3のボールピン25が球面対偶を介して結合されている。第3のボールピン25は、第2のピボットアーム16の先端部に形成された第3のボールピン取付部16aに固定されている。
【0041】
第2のピボットアーム16には、I字形にされた第2のピボットアーム本体16bの一端部に第3のボールピン取付部16aが配置され、第2のピボットアーム本体16bの他端部に第2のピボットシャフト取付部16cが形成されている。第2のピボットシャフト取付部16cには、第2のピボットシャフト17の基端部が圧入により固定されている。第2のピボットアーム16は、第3のボールピン取付部16aの中心から第2のピボットシャフト取付部16cの中心までが予め定められた距離L4にされている。
【0042】
第2のピボットシャフト17は、ピボットホルダ26に回動自在に支持されており、このピボットホルダ26は、フレーム2から離れた位置でダッシュアッパパネルにねじ止められる。第2のピボットシャフト17の先端部は車体外装パネルの上方に突出して配置される。
【0043】
第2のピボットシャフト17は、ワイパモータ3の出力軸3gが回転して、第1のピボットアーム8が角度範囲θ1でもって往復回動することによって、第2のリンクコンロッド15を介し、第2のピボットアーム16が位置Cと位置Dとのあいだを往復回動することによって角度範囲θ2で往復回動する。このとき、第2のピボットアーム16は、位置Cから図2中時計方向に回動を始め、第2のピボットシャフト17を中心に第2のピボットシャフト17の図2中上方側で往復回動する。第2のピボットアーム8が往復回動する範囲は、前述した第1のピボットアーム8が往復回動する範囲に対して逆側に配置される。第2のピボットシャフト17は、前述したように、第1のピボットアーム8が往復回動する角度範囲θ1よりも小さい角度範囲θ2でもって往復回動を行う。
【0044】
第1のピボットシャフト9の先端部、第2のピボットシャフト17の先端部、第3のピボットシャフト10の先端部のそれぞれは、車体外装パネル上にそれぞれ突出して配置される。第1、第3のピボットシャフト9、10はそれぞれ助手席側に配置され、第2のピボットシャフト17は運転席側に配置される。
【0045】
一方、第1のピボットシャフト9の先端部には、第1のスイングアーム11の一端部に形成された第1のピボットシャフト結合部11aがねじ止めされ、第3のピボットシャフト10の先端部には、第2のスイングアーム12の一端部に形成された第3のピボットシャフト結合部12aがねじ止めされ、第2のピボットシャフト17の先端部には、図6に示される第2のワイパアーム18の基端部に形成された第2のピボットシャフト結合部18aがねじ止めされている。
【0046】
第1のスイングアーム11には、I字形にされた第1のスイングアーム本体11bの一端部に第1のピボットシャフト結合部11aが配置され、第1のスイングアーム本体11bの他端部に第1のスイングアーム側ワイパアーム結合部11cが形成されている。第1のスイングアーム側ワイパアーム結合部11cには、図4に示されるように、第1の枢支軸27の基端部に形成された第1のスイングアーム固定部27aが圧入によって固定されている。第1の枢支軸27は、先端部に形成された軸部27bが第1のワイパアーム13に形成された第1のスイングアーム結合部13cに配置される。
【0047】
第2のスイングアーム12には、へ字形にされた第2のスイングアーム本体12bの一端部に第3のピボットシャフト結合部12aが配置され、第2のスイングアーム本体12bの他端部に第2のスイングアーム側ワイパアーム結合部12cが形成されている。第2のスイングアーム側ワイパアーム結合部12cには、図5に示されるように、第2の枢支軸28の基端部に形成された第2のスイングアーム固定部28aが圧入によって固定されている。第2の枢支軸28は、先端部に形成された軸部28bが第1のワイパアーム13に形成された第2のスイングアーム結合部13dに配置される。第2のスイングアーム12は、第1のスイングアーム11よりも長さ寸法が大きい。
【0048】
第1のスイングアーム11の第1のスイングアーム側ワイパアーム結合部11c、第2のスイングアーム12の第2のスイングアーム側ワイパアーム結合部12cには、第1のワイパアーム13が連結されている。
【0049】
第1のワイパアーム13には、長寸状をなすアームヘッド13aの基端部寄りにスイングアーム結合部13bが形成されている。このスイングアーム結合部13bには、第1のワイパアーム本体13aの基端部側に第1のスイングアーム結合部13cが形成され、第1のスイングアーム結合部13cから第1のワイパアーム本体13aの先端部側に予め定められた距離L5だけ寄った位置に第2のスイングアーム結合部13dが形成されている。
【0050】
アームヘッド13aの先端部には、リテーナ13eの基端部が回動自在に連結され、このリテーナ13eの先端部にアームピース13fの基端部が結合され、このアームピース13fの先端部に第1のワイパブレード14が装着されている。アームヘッド13aとアームピース13fとには、アームスプリング13gが連結されているため、このアームスプリング13gの弾性力によって第1のワイパブレード14が払拭面100に押圧される。
【0051】
アームヘッド13aの第1のスイングアーム結合部13cには、図4に示されるように、アームヘッド13aの上面から下面までを貫通した丸孔の支持部材取付孔13c1が形成されているとともに、第1のスイングアーム11側にオーリングホルダ13c2が形成されている。支持部材取付孔13c1には、第1の回動支持部材30が取付けられており、オーリングホルダ13c2には、第1のオーリング(Oリング)34が保持されている。
第1のオーリング34は、第1の回動支持部材30と第1の枢支軸27とのあいだに雨水が浸入しないようにする機能をもつ。
【0052】
第1の回動支持部材30には、筒形状の第1の筒部30aと、この第1の筒部30aの基端部に配置された第1のフランジ部30bとが一体成形されている。第1の回動支持部材30は、第1の筒部30aの内径寸法が第1の枢支軸27の軸部27bの外径寸法よりもわずかに大きくなっているため、第1の枢支軸27を回動自在に支持することによって、第1のスイングアーム11の第1のスイングアーム側ワイパアーム結合部11cとアームヘッド13aの第1のスイングアーム結合部13cとを回動自在に結合している。
【0053】
第1の回動支持部材30は、第1のフランジ部30bがアームヘッド13aの第1のスイングアーム11側に配置され、この第1のフランジ部30bとアームヘッド13aとの間に第1のオーリング34が配置されている。また、第1の枢支軸27の軸部27bの先端部は、第1の回動支持部材30の第1の筒部30aの先端部から突出して配置され、この先端部に形成された抜止部材取付部27cに第1の抜止部材35が加締めにより固定されている。
【0054】
第1の回動支持部材30は、第1の筒部30aの先端部が第1の抜止部材35に当接するとともに、第1のフランジ部30bが第1の枢支軸27の軸部27bに挿通された第1の間隙部材36に摺接可能にしてアームヘッド13aの第1のスイングアーム結合部13cに取付けられている。
【0055】
第1の回動支持部材30は、第1のスイングアーム11側に第1のフランジ部30bが配置されているため、第1のワイパブレード14を払拭面100に押圧するアームスプリング13gの反力によって、アームヘッド13aから第1のスイングアーム11の方向に力が与えられたとしても、第1のフランジ部30bがその力を受けることによって、アームヘッド13aが第1のスイングアーム11に接触しないようにして、両者の回動がスムースに行えるようにする機能をもつ。
【0056】
アームヘッド13aの第2のスイングアーム結合部13dには、図5に示されるように、アームヘッド13aの上面から下面までを貫通した丸孔の支持部材取付孔13d1が形成されているとともに、第2のスイングアーム12側にオーリングホルダ13d2が形成されている。支持部材取付孔13d2には、第2の回動支持部材31が取付けられており、オーリングホルダ13d2には、第2のオーリング(Oリング)37が保持されている。
第2のオーリング37は、第2の回動支持部材31と第2の枢支軸28とのあいだに雨水が浸入しないようにする機能をもつ。
【0057】
第2の回動支持部材31には、筒形状の第2の筒部31aと、この第2の筒部31aの基端部に配置された第2のフランジ部31bとが一体成形されている。第2の回動支持部材31は、第2の筒部31aの内径寸法が第2の枢支軸28の軸部28bの外径寸法よりもわずかに大きくなっているため、第2の枢支軸28を回動自在に支持することによって、第2のスイングアーム12の第2のスイングアーム側ワイパアーム結合部12cとアームヘッド13aの第2のスイングアーム結合部13dとを回動自在に結合している。
【0058】
第2の回動支持部材31は、第2のフランジ部31bがアームヘッド13aの第2のスイングアーム12とは反対側に配置され、第2の筒部31aの先端部にオーリング受部材38が結合されており、オーリング受部材38とアームヘッド13aとの間に第2のオーリング37が配置されている。また、第2の枢支軸28の軸部28bの先端部は、第2の回動支持部材31の第2のフランジ部31bから突出して配置され、この突出部分に形成された抜止部材取付部28cに第2の抜止部材39が加締めにより固定されている。
【0059】
第2の回動支持部材31は、第2のフランジ部31bが第2の抜止部材39に当接するとともに、第2の筒部31aの先端部に結合されたオーリング受部材38が第2の枢支軸28の軸部28bに挿通された第2の間隙部材40に摺接可能にしてアームヘッド13aの第2のスイングアーム結合部13dに取付けられている。
【0060】
第2の回動支持部材31は、第2のスイングアーム12とは反対側に第2のフランジ部31bが配置されているため、第1のワイパブレード14を払拭面100に押圧するアームスプリング13gの反力によって、第2のスイングアーム12をアームヘッド13aに引張する方向に力が与えられたとしても、第2のフランジ部31bがその力を受けることによって、アームヘッド13aが第2のスイングアーム12から離れないようにして、両者の回動がスムースに行えるようにする機能をもつ。
【0061】
第1のスイングアーム11は、一端部に形成された第1のピボットシャフト結合部11aが第1のピボットシャフト9の先端部に固定されているとともに他端部に形成された第1のスイングアーム側ワイパアーム結合部11cが第1のワイパアーム13の第1のスイングアーム結合部13cに回動自在に結合され、第2のスイングアーム12は、一端部に形成された第3のピボットシャフト結合部12aが第3のピボットシャフト10の先端部に固定されているとともに他端部に形成された第2のスイングアーム側ワイパアーム結合部12cが第1のワイパアーム13の第2のスイングアーム結合部13dに回動自在に結合されているため、フレーム2側に支持された第1、第3のピボットシャフト9、10と、第1のスイングアーム11と、第2のスイングアーム12と、第1のワイパアーム13のスイングアーム結合部13bとにより四接連鎖機構が構成されている。
【0062】
そして、第1のワイパアーム13の先端部に第1のワイパブレード14が装着されている。第1のワイパブレード14は、第1のワイパアーム13に内装されたアームスプリング13gによって払拭面100の助手席側に押し付けられる。
【0063】
第2のピボットシャフト17の先端部に固定された第2のワイパアーム18には、先端部に第2のワイパブレード19が装着されている。第2のワイパブレード19は、第2のワイパアーム18に内装された図示しないアームスプリングによって払拭面100の運転席側に押し付けられる。
【0064】
第1のワイパアーム13は、第1のピボットシャフト9が角度範囲θ1で回動する際に、第1のピボットシャフト9とともに第1のスイングアーム11が角度範囲θ1で回動して、第1のスイングアーム結合部13cに第1のスイングアーム11の回動力が与えられる。すると、第2のスイングアーム結合部13d、第3のピボットシャフト結合部12aを介して第2のスイングアーム12が第1のスイングアーム11に対し相対的に回動して第3のピボットシャフト10が回動する。このとき、第2のスイングアーム12の方が第1のスイングアーム11より長さ寸法が大きいため、前述した四接連鎖機構によって、第1のワイパアーム13が払拭面100の上方に向け略直線的に移動しながら払拭面100上を揺動することによって、第1のワイパブレード14で払拭面100の下部反転位置Eから上部反転位置Fまでのあいだを往復で拭う。このとき、第2のリンクコンロッド15を介して、回動範囲が大きい第1のピボットアーム8から、これに比べて回動範囲が小さい第2のピボットアーム16に動力が伝達されため、第2のピボットアーム16に結合される第2のワイパアーム18、第2のワイパブレード19が上部反転位置Hで反転する際の角速度が小さくなる。
【0065】
第2のワイパアーム18は、第2のピボットシャフト17が角度範囲θ2で回動することによって、第2のピボットシャフト17とともに払拭面100上を揺動し、第2のワイパブレード19で払拭面100の下部反転位置Gから上部反転位置Hまでのあいだを往復で拭う。
【0066】
このような構造のワイパ装置1は、フレーム2の車体側取付部2a1、2a1、2a1、突出部2bの車体側取付部2b1、ピボットホルダ26がダッシュアッパパネルにねじ止めされることによって車体に搭載され、車体外装パネル上の第1、第3のピボットシャフト9、10に、第1のワイパブレード14が装着された第1のワイパアーム13にそれぞれ連結された第1、第2のスイングアーム11、13がそれぞれねじ止めされ、車体外装パネル上の第2のピボットシャフト17に、第2のワイパブレード19が装着された第2のワイパアーム18がねじ止めされ、ワイパモータ3がワイパ駆動回路に接続される。
【0067】
ワイパ駆動回路に備えられたワイパスイッチがオフ状態にあると、図6に示されるように、第1のワイパブレード14は停止位置兼用の下部反転位置Eに停止し、第2のワイパブレード19は停止位置兼用の下部反転位置Gに停止している。
【0068】
ワイパ駆動回路に備えられたワイパスイッチが低速モードにオン切換えされると、ワイパモータ3の出力軸3gが低速で回転し、モータアーム4が低速で回転し、第1のリンクコンロッド5が往復移動し、第1、第2の連結アーム6、7が交差しながら第1のピボットアーム8が位置Aと位置Bとのあいだを往復回動し、第1のピボットシャフト9が角度範囲θ1でもって往復回動する。第1のピボットアーム8が位置Aと位置Bとのあいだを往復回動することによって、第2のリンクコンロッド15を介して第2のピボットアーム16が位置Cと位置Dとのあいだを往復回動し、第2のピボットシャフト17が角度範囲θ2でもって低速で往復回動する。
【0069】
第1のピボットシャフト9が角度範囲θ1でもって低速で往復回動することにより、第1のスイングアーム11が角度範囲θ1で回動し、第2のスイングアーム結合部13d、第3のピボットシャフト結合部12aを介して第2のスイングアーム12が第1のスイングアーム11に対し相対的に回動して第3のピボットシャフト10が回動し、第1のワイパアーム13が払拭面100上を図7に示される位置I、図8に示される位置Jを介し払拭面100の上方に伸長しながら、図9に示される位置Fまで払拭面100上を揺動し、位置Fで反転するとともに、位置Eで反転することによって、第1のワイパブレード14で払拭面100の下部反転位置Eから上部反転位置Fまでのあいだを低速の往復で拭う。
【0070】
第1のピボットシャフト9と同時に第2のピボットシャフト17が角度範囲θ2でもって往復回動するから、第2のワイパアーム18が払拭面100上を揺動することによって、第2のワイパブレード19で払拭面100の下部反転位置Gから上部反転位置Hまでのあいだを低速の往復で拭う。
【0071】
上記とは異なり、ワイパ駆動回路のワイパスイッチが高速モードにオン切換えされた場合、ワイパモータ3の出力軸3gが高速で回転し、上記と同様にして、第1のワイパアーム13が払拭面100の上方に伸長しながら払拭面100上を揺動して、第1のワイパブレード14で払拭面100の下部反転位置Eから上部反転位置Fまでのあいだを高速の往復で拭い、第2のワイパアーム18が払拭面100上を揺動することによって、第2のワイパブレード19で払拭面100の下部反転位置Gから上部反転位置Hまでのあいだを高速の往復で拭う。
【0072】
そして、第1、第2のワイパブレード14、19が払拭途中にあるワイパ作動中に、ワイパ駆動回路のワイパスイッチが停止モードに切換えられると、ワイパモータ3に内蔵されたワイパ定位置停止機構により、第1のワイパブレード14が所定の停止位置Eに、また第2のワイパブレード19が所定の停止位置Gに到達するまで第1、第2のワイパブレード14、19が作動を継続され、第1、第2のワイパブレード14、19が停止位置兼用の下部反転位置E、Gにそれぞれ到達したところで停止する。
【0073】
上述したように、第1、第2の連結アーム6、7よりなるXリンクにより、ワイパモータ3の出力軸3gの回転が第2のピボットアーム16の回動範囲θ2よりも大きい回動範囲θ1での第1のピボットアーム8の回動に変換されて、第1のピボットシャフト9が第2のピボットシャフト17よりも大きい範囲で回動される一方、第1のピボットアーム8の回動範囲が第2のピボットアーム16の回動範囲に対して逆に配置されるものとなる。
【0074】
そして、第1のワイパアーム13が第1のワイパブレード14を払拭面100に押圧しながら払拭面100上を揺動する際に第1のワイパアーム13から与えられる反力によって、アームヘッド13aから第1のスイングアーム11の方向に力が与えられたとしても、第1の回動支持部材30の第1のフランジ部30bがその力を受けることによって、アームヘッド13aが第1のスイングアーム11に接触しないようにして、アームヘッド13aと第1のスイングアーム11との回動がスムースに行えるとともに、第2のスイングアーム12をアームヘッド13aに引張する方向に力が与えられたとしても、第2の回動支持部材31の第2のフランジ部30bがその力を受けることによって、アームヘッド13aが第2のスイングアーム12から離れないようにして、アームヘッド13aと第2のスイングアーム12との回動がスムースに行えるものとなる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の請求項1乃至5に係わるワイパ装置によれば、第1のワイパアームが動くことによって、第1のワイパアームより反力が与えられた際、第1のスイングアーム結合部で第1のワイパアームから第1のスイングアームに向けてスラスト荷重がかかったとしても、第1のスイングアームと第1のワイパアームの第1のスイングアーム結合部との間に配置された第1の回動支持部材の第1のフランジ部がそのスラスト荷重を受けて第1のワイパアームと第1のスイングアームとの回動に支障がないようにする。一方、上記スラスト荷重の方向と逆方向である第2のスイングアーム結合部で第2のスイングアームから第1のワイパアームに向けてスラスト荷重がかかったとしても、第1のワイパアームの第2のスイングアーム結合部の上面部に当接された第2の回動支持部材の第2のフランジ部がそのスラスト荷重を受けて第1のワイパアームと第2のスイングアームとの回動に支障がないようにする。それ故、第1のワイパアームと第1、第2のスイングアームとの回動が円滑に行われる。よって、ワイパアームより反力が与えられてもワイパアームを円滑に作動させることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わるワイパ装置の一実施例の部分破断平面図である。
【図2】図1に示したワイパ装置の部分破断背面図である。
【図3】図1に示したワイパ装置に用いられるワイパアームの正面図である
【図4】図1に示したワイパ装置に用いられるワイパアームの第1のスイングアームまわりの断面図である。
【図5】図1に示したワイパ装置に用いられるワイパアームの第2のスイングアームまわりの断面図である。
【図6】図1に示したワイパ装置のワイパアームの動作説明図である。
【図7】図1に示したワイパ装置のワイパアームの動作説明図である。
【図8】図1に示したワイパ装置のワイパアームの動作説明図である。
【図9】図1に示したワイパ装置のワイパアームの動作説明図である。
【符号の説明】
1 ワイパ装置
2 フレーム
2a3 第3のピボットシャフト支持部
2b2 第1のピボットシャフト支持部
3 ワイパモータ
3g 出力軸
4 モータアーム
5 第1のリンクコンロッド
5d 連結アーム結合部
6 第1の連結アーム
7 第2の連結アーム
8 第1のピボットアーム
9 第1のピボットシャフト
10 第3のピボットシャフト
11 第1のスイングアーム
11c 第1のスイングアーム側ワイパアーム結合部
12 第2のスイングアーム
12c 第2のスイングアーム側ワイパアーム結合部
13 (ワイパアーム)第1のワイパアーム
13c 第1のスイングアーム結合部
13d 第2のスイングアーム結合部
14 第1のワイパブレード
15 第2のリンクコンロッド
16 第2のピボットアーム
17 第2のピボットシャフト
18 第2のワイパアーム
19 第2のワイパブレード
20 第1のボールピン
21 第1のボールリテーナ
22 第2のボールピン
23 第2のボールリテーナ
24 第3のボールリテーナ
25 第3のボールピン
27 第1の枢支軸
28 第2の枢支軸
30 第1の回動支持部材
30a 第1の筒部
30b 第1のフランジ部
31 第2の回動支持部材
31a 第2の筒部
31b 第2のフランジ部
34 第1のオーリング
35 第1の抜止部材
37 第2のオーリング
38 オーリング受部材
39 第2の抜止部材
100 払拭面
Claims (5)
- 第1のスイングアームと、第2のスイングアームと、第1のスイングアーム結合部と第2のスイングアーム結合部とが形成された第1のワイパアームと、上記第1のスイングアームと上記第1のワイパアームの第1のスイングアーム結合部とを貫通して配置された第1の枢支軸と、上記第2のスイングアームと上記第1のワイパアームの第2のスイングアーム結合部とを貫通して配置された第2の枢支軸と、上記第1のスイングアームと上記第1のワイパアームの第1のスイングアーム結合部との間に配置された第1のフランジ部と、該第1のワイパアームの第1のスイングアーム結合部に取付けられ且つ上記第1の枢支軸を回動自在に支持する第1の筒部とが一体的に形成された第1の回動支持部材と、上記第1のワイパアームの第2のスイングアーム結合部の上面部に当接された第2のフランジ部と、該第1のワイパアームの第2のスイングアーム結合部に取付けられ且つ上記第2の枢支軸を回動自在に支持する第2の筒部とが一体的に形成された第2の回動支持部材を備えていることを特徴とするワイパ装置。
- 第1のスイングアームには、第1のスイングアーム側ワイパアーム結合部が形成されているとともに、第2のスイングアームには、第2のスイングアーム側ワイパアーム結合部が形成されており、上記第1のスイングアーム側ワイパアーム結合部には、第1の枢支軸の基端部が固定され、この第1の枢支軸に第1の回動支持部材の第1の筒部が挿通されているとともに第1の枢支軸の基端部側に第1の回動支持部材の第1のフランジ部が配置され、上記第2のスイングアーム側ワイパアーム結合部には、第2の枢支軸の基端部が固定され、この第2の枢支軸に第2の回動支持部材の第2の筒部が挿通されているとともに第2の枢支軸の先端部側に第2の回動支持部材の第2のフランジ部が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のワイパ装置。
- 第1の枢支軸の先端部には、第1の回動支持部材の第1の筒部に当接可能な第1の抜止部材が固定され、第2の枢支軸の先端部には、第2の回動支持部材の第2のフランジ部に当接可能な第2の抜止部材が固定されていることを特徴とする請求項2に記載のワイパ装置。
- 第1のワイパアームの第1のスイングアーム結合部には、第1の回動支持部材の第1のフランジ部と第1のワイパアームとの間に第1のオーリングが配置され、第1のワイパアームの第2のスイングアーム結合部には、第2の回動支持部材の第2の筒部に固定されたオーリング受部材と第1のワイパアームとの間に第2のオーリングが配置されていることを特徴とする請求項1、2、3に記載のワイパ装置。
- 車体側に固定され、第1のピボットシャフト支持部および第3のピボットシャフト支持部が形成されたフレームと、上記フレームに固定され、通電により回転可能な出力軸を有するワイパモータと、上記ワイパモータの出力軸に固定され、該出力軸とともに共動するモータアームと、上記モータアームに取付けられた第1のボールピンと、一端部に上記第1のボールピンに球面対偶を介して回動自在に結合される第1のボールリテーナが取付けられ、他端部に連結アーム結合部が形成された第1のリンクコンロッドと、上記第1のリンクコンロッドの連結アーム結合部にそれぞれの一端部が予め定められた距離だけ離れてそれぞれ回動自在に支持され、X状に交差して配置された第1、第2の連結アームと、上記第1、第2の連結アームのそれぞれの他端部を予め定められた距離だけ離してそれぞれ回動自在に支持する第1のピボットアームと、上記フレームの第1のピボットシャフト支持部に回動自在に支持され、上記第1のピボットアームに固着された第1のピボットシャフトと、上記第1のピボットシャフトに一端部が結合された第1のスイングアームと、上記フレームの第3のピボットシャフト支持部に回動自在に支持された第3のピボットシャフトと、上記第1のスイングアームよりも長寸にして上記第3のピボットシャフトに一端部が結合された第2のスイングアームと、上記第1のスイングアームの他端部が回動自在に結合された第1のスイングアーム結合部および上記第2のスイングアームの他端部が回動自在に結合された第2のスイングアーム結合部が形成され、払拭面に対し押圧可能に第1のワイパブレードが装着された第1のワイパアームと、第1の筒部と第1のフランジ部とが一体的に形成されて、上記第1のワイパアームの第1のスイングアーム結合部に取付けられ、上記第1のスイングアーム側に第1のフランジ部が配置された第1の回動支持部材と、第2の筒部と第2のフランジ部とが一体的に形成されて、上記第1のワイパアームの第2のスイングアーム結合部に取付けられ、上記第2のスイングアームとは反対側に第2のフランジ部が配置された第2の回動支持部材と、上記第1のピボットアームに取付けられた第2のボールピンと、一端部に上記第2のボールピンに球面対偶を介して回動自在に結合された第2のボールリテーナが取付けられ、他端部に第3のボールリテーナが取付けられた第2のリンクコンロッドと、上記第2のリンクコンロッドの第3のボールリテーナに球面対偶を介して回動自在に結合された第3のボールピンと、上記第3のボールピンが取付けられた第2のピボットアームと、車体側に回動自在に支持され、上記第2のピボットアームに固着された第2のピボットシャフトと、上記第2のピボットシャフトに結合され、払拭面に対し押圧可能に第2のワイパブレードが装着された第2のワイパアームを備えていることを特徴とするワイパ装置。
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