JP3745945B2 - Jointed fishing rod - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は継式釣竿に関し、振出式や並継式の釣竿に適用する。
【0002】
【従来の技術】
継式釣竿の場合は、大径竿管先部の継合部に継合された小径竿管は、魚が掛かる等によって荷重を受けた場合に撓み、継合された大径竿管の継合部先端に押し付けられる。これによって小径竿管のこの部位に応力集中が生じ、大きな荷重の場合には小径竿管が破損する。更には、大径竿管内面は小径竿管の継合部後端に押圧されて応力集中が生じる。こうした場合に、竿管を応力集中から保護するため、実開平3−129065号には大径竿管の最内層と小径竿管の最内層に補強部材を設けた構造が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、各竿管を補強すれば、それだけ釣竿全体の中で継合領域の剛性が更に高まり、釣竿全体としての滑らかな撓み性を通常以上に阻害する。
依って本発明は、可及的に釣竿の撓み性を阻害することなく、継合部における小径竿管への応力集中の防止を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑みて本発明は、請求項1において、中空の小径竿管が大径竿管に継合された状態において、大径竿管の先端部の曲げ剛性が、同じ位置の小径竿管の曲げ剛性以下である低剛性部を具備し、前記小径竿管の継合部の前側の本体部が、該継合部よりも一段と小径に構成されており、前記本体部が前記大径竿管の前記低剛性部よりも後方内部に侵入しており、同じ位置の小径竿管の曲げ剛性以下である大径竿管低剛性領域は前記の大径竿管先端部である低剛性部以外には無いことを特徴とする継式釣竿を提供する。
大径竿管先端部の曲げ剛性が同じ位置の小径竿管の曲げ剛性以下であるため、釣竿が撓み荷重を受けて小径竿管が撓み、大径竿管先端部に押し付けられても、小径竿管は大きな応力集中を受けないで済む。しかも、継合部よりも一段と小径の本体部が大径竿管の低剛性部の後方内部に侵入しているので、撓み荷重を受けた際に、小径竿管が撓んでも、大径竿管の低剛性部内面との間には隙間があるため、大径竿管内面への押圧が生じ難く、それだけ応力集中が生じ難い。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態例に基づき、更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る釣竿の継合部位近くの縦断面図であり、図2はその内の大径竿管の製造方法の説明図である。ここでの継式釣竿は振出式継合の釣竿であり、エポキシ樹脂等の合成樹脂をマトリックスとし、炭素繊維等の強化繊維で強化した繊維強化樹脂製の竿管10と12を有している。前側の中空小径竿管10の後部は継合部10Bであり、その前側はこの継合部よりも一段と小径な本体部10Aである。大径竿管12はこの小径竿管の継合部10Bを振出式に継合わせる継合部12Bを先部に形成している。
【0006】
大径竿管12の断面構造は、継合部12Bには最内層に補強層12dを有し、その上には大径竿管の概ね全長に亘ると共に、強化繊維が概ね円周方向に指向した内層12cが、その上には概ね全長に亘り、強化繊維が概ね軸長方向に指向した中間層12bが、その外側には概ね全長に亘り、強化繊維が概ね円周方向に指向した外層12aが設けられている。但し、大径竿管の先端部12S(継合部の先端部でもある)では、中間層12bの一部(内層側)12eにおいて強化繊維が概ね円周方向に指向しており、これによってこの先端部12Sは、図1の継合わせ状態における軸長方向同位置の小径竿管10よりも低剛性に構成された低剛性部である。
【0007】
この形態例では、小径竿管10の継合部10Bは大径竿管12の先端部12Sよりも後方に位置しており、大径竿管の先端部12Sは、同位置の小径竿管の本体部10Aよりも低剛性に構成されている。中間層12bは上記先端部12S以外では他の層よりも厚く構成されており、主としてこの中間層によって大径竿管12の撓み剛性を支配している。小径竿管10も、従来と同様に、概ね全長に亘って上記内層と中間層と外層という3層構造を成しており、継合部10Bも従来と同様に、その外径を大きくすると共に、強度向上等のために外周部に(前記3層の上に)織布等のプリプレグを巻回して熱硬化処理した補強層を有している。
以上述べた各竿管10,12の3層構造は竿管構造の一例であり、これには限らず、任意である。
【0008】
図2に破断図で示すように、内側に強化繊維が交差した織布等のプリプレグ12d1’の上に、強化繊維が概ね円周方向に指向するプリプレグ12d2’を重ねたプリプレグ12d’を芯金14の先部に巻回する。更に、強化繊維が概ね円周方向に指向するプリプレグ12c’の上に、先部を除いて強化繊維が概ね軸長方向に指向するプリプレグ12b1’を重ね、前記先部には、強化繊維が概ね円周方向に指向する短いプリプレグ12e’を重ねたプリプレグを、前記巻回したプリプレグ12d’の上に巻回する。更には、強化繊維が概ね軸長方向に指向するプリプレグ12b2’の上に、強化繊維が概ね円周方向に指向するプリプレグ12a’を重ねたプリプレグを巻回する。
【0009】
これを加熱硬化処理して図1の大径竿管12を形成する。プリプレグ12a’は外層12aに、プリプレグ12b2’,12b1’は中間層12bに、プリプレグ12c’は内層12cに、プリプレグ12e’は層12eに、夫々対応する。先端部12Sの長さは継合部12Bの長さの5〜50パーセント程度に設定し、実寸では3〜15mm程度が好ましい。少なくとも1mm以上の長さに形成する。これら長さ事項は、後述の他の形態においても同様である。
以上の構成によって、釣竿が撓んだ際に小径竿管10の本体部10Aへの応力集中が防止される。この形態例と異なり、小径竿管の継合部10Bが大径竿管の先端まで至っていたり、或いは先端よりも先方にまで至っていても、大径竿管の先端部が、同位置の小径竿管と同じかより低い剛性であれば、同様に小径竿管の応力集中が防止されるが、こうした形態は請求項1には属さない。
【0010】
8本継の振出釣竿を例とし、各継合部位の大径竿管先端位置における曲げ剛性EI値を例示する。
各竿管を先から順次1番2番3番4番5番6番7番8番とする。
4番と5番 EI(kgf・mm2) (N・mm2)
4番(小径竿管) 2,594,449 25,442,853
5番(大径竿管) 2,403,101 23,566,370
5番と6番 EI(kgf・mm2) (N・mm2)
5番(小径竿管) 5,342,680 52,393,793
6番(大径竿管) 3,719,418 36,475,031
6番と7番 EI(kgf・mm2) (N・mm2)
6番(小径竿管) 7,754,613 76,046,776
7番(大径竿管) 5,254,377 51,527,836
7番と8番 EI(kgf・mm2) (N・mm2)
7番(小径竿管)11,737,967 115,110,134
8番(大径竿管) 6,182,916 60,633,693
【0011】
上記例では、手元に近い4箇所の継合部位において本願の継合部位の剛性関係に構成してあるが、他の継合部位は通常の通り、大径竿管側の曲げ剛性が大きい。各継合部位の大径竿管先端位置の曲げ剛性は、同位置の小径竿管の曲げ剛性を基準の100として表現すれば、概ね30〜100の範囲内の値である。この値(比率)は手元側から先方部に向かって、同じ場合を含み、漸次大きくなることが好ましい。手元から途中までの継合部においてそうであり、その先部の継合部位では100を超える従来の剛性関係であってもよく、また、全ての継合部位において小径竿管の曲げ剛性以下に構成してもよい。更には、大径竿管の継合部12Bの先端部12Sの曲げ剛性は、継合部12Bから当該先端部12Sを除いた残り部位の曲げ剛性を100とすれば、概ね30〜60程度が好ましい。この段落の各事項は、単独でも使用でき、また、この段落やそれ以外の段落(例えば0010)の記載事項(0010の長さ事項等)と組合せて使用してもよく、以下の他形態例においても同様である。
【0012】
図3は本発明に係る他の釣竿継合部位近くの縦断面図であり、図1と異なる事項のみ説明する。大径竿管の先端部12Sでは、中間層12bの一部(外層側)12e”において強化繊維が概ね円周方向に指向しており、これによってこの先端部12Sは、図3の継合わせ状態における軸長方向同位置の小径竿管10よりも低剛性に構成されている。
【0013】
図4は本発明に係る更に他の釣竿継合部位近くの縦断面図であり、図1と異なる事項のみ説明する。大径竿管の先端部12Sでは、中間層12bが薄く構成されており、これによってこの先端部12Sは、図4の継合わせ状態における軸長方向同位置の小径竿管10よりも低剛性に構成されている。図5を参照しながら、この例の大径竿管12の製造方法を説明する。
【0014】
図2で説明したのと同様な構造のプリプレグ12d’を芯金14の先部に巻回する。更に、強化繊維が概ね円周方向に指向するプリプレグ12c’の上に、同じ長さの、強化繊維が概ね軸長方向に指向するプリプレグ12b2’を重ねたプリプレグを、前記巻回したプリプレグ12d’の上に巻回する。このプリプレグよりも先部をδ(大径竿管先端部12Sに相当する長さ)だけ短くして強化繊維が概ね軸長方向に指向するプリプレグ12b1’を巻回し、更には、前記プリプレグ12c’と同じ長さの同様なプリプレグ12a’を巻回する。
【0015】
釣竿が撓み荷重を受けた際に、継合部位近くにおいて釣竿の撓みがへの字状になり難く滑らかになるように、小径竿管10の継合部10Bに、強化繊維が傾斜方向に指向するよう配設されていることが好ましい。軸長方向に対して左右対称に配設されていることが好ましく、また、傾斜角度は45度に近い程好ましい。また、このことによって、図1、図3、図4に示すように、継合部よりも一段と小径な本体部10Aを有してその本体部が大径竿管12の内部にまで侵入している場合は、小径竿管の本体部10Aが撓んでも大径竿管先端に当接し難くなるため、本願の応力集中防止に寄与する。
【0016】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、可及的に釣竿の撓み性を阻害することなく、継合部における小径竿管への応力集中が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る釣竿要部の縦断面図である。
【図2】 図2は図1の大径竿管の製造図である。
【図3】 図3は本発明に係る他の形態の縦断面図である。
【図4】 図4は本発明に係る更に他の形態の縦断面図である。
【図5】 図5は図4の大径竿管の製造図である。
【符号の説明】
10 小径竿管
10A 小径竿管本体部
10B 小径竿管継合部
12 大径竿管
12B 大径竿管継合部
12S 大径竿管先端部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a joint type fishing rod, and is applied to a swing type fishing rod and a joint type fishing rod.
[0002]
[Prior art]
In the case of a joint type fishing rod, the small-diameter rod pipe joined to the joint portion of the large-diameter rod tip deflects when a load is applied, such as when a fish is caught, and the joint of the joined large-diameter rod It is pressed against the joint tip. As a result, stress concentration occurs at this portion of the small-diameter soot tube, and the small-diameter soot tube is damaged under a large load. Furthermore, the inner diameter of the large-diameter soot tube is pressed against the rear end of the joining portion of the small-diameter soot tube, causing stress concentration. In such a case, in order to protect the soot tube from stress concentration, Japanese Utility Model Laid-Open No. 3-129065 discloses a structure in which reinforcing members are provided in the innermost layer of the large diameter soot tube and the innermost layer of the small diameter soot tube.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, if each rod is reinforced, the rigidity of the joining region is further increased in the entire fishing rod, and the smooth flexibility of the fishing rod as a whole is inhibited more than usual.
Therefore, an object of the present invention is to prevent stress concentration on the small-diameter rod pipe at the joining portion without hindering the flexibility of the fishing rod as much as possible.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
In view of the above-mentioned object, the present invention provides a small-diameter soot tube according to claim 1 in which the distal end portion of the large-diameter soot tube has the same bending rigidity in a state where the hollow small-diameter soot tube is joined to the large-diameter soot tube. A low-rigidity portion that is less than or equal to the bending rigidity, and the main body portion on the front side of the joint portion of the small-diameter steel pipe is configured to have a smaller diameter than the joint portion, and the main-body portion is the large-diameter steel plate. The large-diameter soot tube low-rigidity region, which penetrates into the rear side of the low-rigidity portion of the pipe and is equal to or less than the bending stiffness of the small-diameter soot tube in the same position, is the low-rigidity portion other than the large-diameter soot tube tip. A joint type fishing rod characterized by the fact that it is not available.
Since the bending stiffness of the tip of the large-diameter rod is less than that of the small-diameter rod at the same position, the small-diameter rod is deflected by the bending load of the fishing rod and pressed against the tip of the large-diameter rod. The soot tube does not have to be subjected to a large stress concentration. Moreover, since the main body part, which is smaller in diameter than the joint part, penetrates into the rear inside of the low-rigidity part of the large-diameter soot tube, even if the small-diameter soot pipe is bent when subjected to a bending load, the large-diameter soot Since there is a gap between the inner surface of the low-rigidity portion of the pipe, it is difficult for pressure to be applied to the inner surface of the large-diameter saddle tube, and stress concentration is less likely to occur.
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail based on an embodiment shown in the accompanying drawings.
FIG. 1 is a longitudinal cross-sectional view near a joining portion of a fishing rod according to the present invention, and FIG. 2 is an explanatory view of a method for manufacturing a large-diameter rod pipe therein. The joint type fishing rod here is a swing-type jointed fishing rod, and has
[00 06 ]
The cross-sectional structure of the large-
[00 07 ]
In this embodiment, the
The three-layer structure of each of the
[00 08 ]
As shown in a cutaway view in FIG. 2, a
[00 09 ]
This is heat-cured to form the large-
With the above configuration, stress concentration on the
[00 10 ]
An example of the bending stiffness EI value at the tip position of the large-diameter rod pipe at each joining site is shown by taking an eight-drawing fishing rod as an example.
Each tub tube is sequentially designated as No. 1, No. 2, No. 3, No. 4, No. 5, No. 6, No. 7, and No. 8.
4th and 5th EI (kgf · mm 2 ) (N · mm 2 )
No. 4 (small-diameter pipe) 2,594,449 25,442,853
No. 5 (Large diameter pipe) 2,403,101 23,566,370
5th and 6th EI (kgf · mm 2 ) (N · mm 2 )
No. 5 (small-diameter steel pipe) 5,342,680 52,393,793
No. 6 (large-diameter pipe) 3,719,418 36,475,031
6th and 7th EI (kgf · mm 2 ) (N · mm 2 )
No. 6 (small-diameter steel pipe) 7,754,613 76,046,776
No. 7 (Large diameter pipe) 5,254,377 51,527,836
7th and 8th EI (kgf · mm 2 ) (N · mm 2 )
No. 7 (small-diameter steel pipe) 11,737,967 115,110,134
No.8 (Large diameter pipe) 6,182,916 60,633,693
[00 11 ]
In the above example, the four joining sites close to the hand are configured in the rigid relationship of the joining site of the present application, but the other joining sites have a large bending rigidity on the large-diameter side tube as usual. The bending stiffness at the distal end position of the large-diameter rod at each joint site is a value in the range of approximately 30 to 100 when the bending stiffness of the small-diameter rod at the same position is expressed as 100 as a reference. This value (ratio) is preferably gradually increased from the proximal side toward the distal side, including the same case. This is the case at the joint part from the hand to the middle, and at the joint part of the tip part, it may be a conventional rigidity relationship exceeding 100, and at all the joint parts, it is less than the bending rigidity of the small diameter pipe. It may be configured. Furthermore, the bending rigidity of the
[00 12 ]
FIG. 3 is a longitudinal sectional view near another fishing rod joining portion according to the present invention, and only matters different from FIG. 1 will be described. In the
[00 13 ]
FIG. 4 is a longitudinal sectional view near another fishing rod joining portion according to the present invention, and only matters different from FIG. 1 will be described. At the
[00 14 ]
A
[00 15 ]
When the fishing rod receives a deflection load, the reinforcing fibers are directed toward the joining
[00 16 ]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, according to the present invention, it is possible to prevent stress concentration on the small-diameter rod pipe at the joining portion without hindering the flexibility of the fishing rod as much as possible.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a main part of a fishing rod according to the present invention.
FIG. 2 is a production diagram of the large-diameter soot tube of FIG.
FIG. 3 is a longitudinal sectional view of another embodiment according to the present invention.
FIG. 4 is a longitudinal sectional view of still another embodiment according to the present invention.
5 is a manufacturing diagram of the large-diameter soot tube of FIG. 4. FIG.
[Explanation of symbols]
10 Small
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