JP3744817B2 - Flame retardant polyacetal resin composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は難燃性に優れたポリアセタール樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、熱安定性および機械物性に優れた難燃性ポリアセタール樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアセタール樹脂はバランスのとれた機械的性質と優れた成形性を有するエンジニアリング樹脂として自動車部品、OA機器部品を中心に広範な分野において用いられている。しかしながら、可燃性である為に難燃性が必要とされる用途においては使用が制限されており、該用途には難燃性を付与した他の樹脂が使用されているのが現状である。
【0003】
従来、ポリアセタール樹脂に難燃性を付与するために様々な方法が提案されている。例えば、特公昭43−22671号公報にはリン酸アンモニウムを添加する方法、特公昭53−31899号公報にはリン酸グアニジン、メラミンとポリメタリン酸アンモニウムをポリアセタール樹脂に添加する方法が開示されている。又、特開平9−324105号公報には粒径が30μm以下のポリリン酸アンモニウム単独、またはポリリン酸アンモニウムとメラミンと併用して添加する方法が開示されている。しかしながら、上記の方法においては難燃性が充分であるものの添加量が多い為にポリアセタール樹脂の物性を著しく損なうという欠点を有する。
【0004】
又、赤リンとトリアジン類化合物とをポリアセタール樹脂に添加して難燃性を付与する方法が特開昭48−7044号公報、特公昭55−35421号公報に開示されているが、十分な難燃性を得る為にはメラミン、リン酸グアニジン、シアノグアニジン等のトリアジン類化合物を大量に添加する必要がありポリアセタール樹脂の物性低下が著しく、特にメラミンを大量に用いた場合はブリードやモールドデポジットなどの問題を有する。又、特開昭55−84348号公報には赤リンとモリブデン化合物との併用により難燃性を向上させたポリアセタール樹脂組成物が提案されているが、熱安定が不十分であり良好な成形加工性が得られない。
【0005】
一方、ポリアセタール樹脂にフェノール樹脂やポリカーボネート樹脂を添加することは従来から知られており、例えば、特公昭49−42662号公報にはフェノール樹脂を酸化防止剤としてポリアセタール樹脂に添加することが開示されている。又、特開平6−248163号公報、特開平6−329873号公報、特開平7−11101号公報、特開平7−292186号公報には、ポリアセタール樹脂とポリカーボネート、ポリスチレン、脂肪族ポリエーテル、芳香族ポリエーテルとの組成物にフェノール樹脂を添加することにより、親和性、分散性を改良し、機械的性質や成形収縮率を改善する方法に関して開示されている。しかしながら、ポリアセタール樹脂にフェノール樹脂やポリカーボネート樹脂を添加することにより難燃性を向上させることに関する知見はない。
以上述べたとおり、ポリアセタール樹脂の難燃性付与はその樹脂特性から非常に困難であり、ポリアセタール樹脂の優れた物性と難燃性を併せ持つ組成物は現段階において実在しないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリアセタール樹脂の優れた物性を保持しつつ難燃性を付与することによって、これまで制限されていた分野へ材料を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは難燃性ポリアセタール樹脂に関して鋭意研究を重ねた結果、赤リンとフェノール樹脂および/またはポリカーボネート樹脂とをポリアセタール樹脂に配合することによりポリアセタール樹脂の難燃化を達成出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、
1.(A)ポリアセタール樹脂60〜90重量%、(B)赤リン1〜30重量%、(C)フェノール樹脂およびポリカーボネート樹脂より選ばれる少なくとも1種1〜13重量%および(D)熱安定剤として脂肪酸リチウム塩0.1〜5重量%よりなることを特徴とする難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
2.赤リンが無機物および/または樹脂で被覆されていることを特徴とする1記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
3.赤リンが0.1〜100μmの平均粒子径であることを特徴とする1または2記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
4.赤リンが5〜15重量%であることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
5.(C)がノボラック型フェノール樹脂を含み、該フェノール樹脂の重量平均分子量が500〜10,000であることを特徴とする1記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
6.(C)がフェノール樹脂を含み、該フェノール樹脂がパラキシリレンあるいはアルキルベンゼンで変性されていることを特徴とする1または5記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
7.(C)がフェノール樹脂を含み、該フェノール樹脂が5%以下の未反応フェノールを含有することを特徴とする1、5または6のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
8.(D)熱安定剤として、脂肪酸リチウム塩に加えて更に脂肪酸リチウム塩以外のアルカリ金属脂肪酸塩、アルカリ土類金属脂肪酸塩およびホルムアルデヒドと反応し得る窒素含有化合物から選ばれる少なくとも1種である1〜7のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
9.(D)脂肪酸リチウム塩がステアリン酸リチウムである1〜8のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
10.脂肪酸リチウム塩に加えて更に配合される熱安定剤がステアリン酸カルシウム、メラミンおよびポリアミド樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする9記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
11.さらに(E)シリコン系潤滑剤を5重量%以下含有することを特徴とする1〜10のいずれかに記載の難燃性ポリアセタール樹脂組成物、
に関する。
【0009】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のポリアセタール樹脂はホルムアルデヒドの単量体またはその3量体であるトリオキサン、4量体のテトラオキサンを単独重合し、末端をエステル末端やエーテル末端で封鎖したホモポリマーや前記トリオキサンやテトラオキサンとエチレンオキシド、1、3−ジオキソラン、1、4−ブタンジオール等の環状エーテルとを共重合して得られる炭素数2〜8のオキシアルキレン単位を含有するコポリマー、更にポリオキシアルキレン等の異種成分セグメントを導入してなるブロックポリマー、グリシジルエーテル等を反応させて得られる分岐ポリマー、更にはジグリシジルエーテル等により架橋させた架橋ポリマー等が挙げられ、本発明においてはこれらのポリマーも使用可能で特に制限されない。又、その重合度に関しても成形加工性を有するもの(例えば190℃、2160g荷重下でのメルトフロー値(MFR)が1〜100)であればよく何ら制限はない。
【0010】
本発明の(B)として用いられる赤リンは通常の市販されているものを用いることが出来る。一般的に用いられている未処理の赤リンは約260℃で自己発火すると同時に加水分解されてホスフィンを発生する。本発明においてはこの一般的な赤リンやこの赤リンに表面処理を施して自己発火温度を高くした安定化赤リンが用いられる。表面処理された赤リンとして具体的には、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の金属水酸化物の被膜で被覆処理された赤リンや水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の金属水酸化物と樹脂の混合物で被覆処理された赤リン、更には水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の金属水酸化物の被膜の上に更に樹脂で2層に被覆処理された赤リン、更には各種オイルで表面処理した赤リンが挙げられる。
【0011】
ここで、被覆処理用の樹脂としては特に制限されないが、例えばフェノール樹脂が挙げられる。本発明における好ましい赤リンは、金属水酸化物および/または樹脂により被覆安定化された赤リン、金属水酸化物と樹脂により2層に被覆安定化された赤リンである。又、用いる赤リンの粒子径は通常200μm以下のものであり、本発明においては特に制限されないが、0.1〜100μmの粒子径のものが好ましく、特に好ましくは1〜50μmの粒径を有する赤リンが用いられる。粒子径の測定方法としては、シーラス社のレーザー回折式粒度分析計を用いる方法が挙げられ、赤リン粉末を純水中に投入し粒度分布曲線から平均粒径を求める方法が挙げられる。赤リンの具体例としては、燐化学工業(株)製のノーバレッド120、ノーバエクセル140、ノーバエクセルF5(いずれも商品名)等が挙げられる。
【0012】
本発明における赤リンの全組成物中の濃度は1〜30重量%であり、好ましくは5〜15重量%である。赤リンの濃度が1重量%以下では難燃性が不十分であり、30重量%以上の添加量にすると機械物性、特に耐衝撃性が著しく低下するために好ましくない。
本発明の(C)は、フェノール樹脂および/またはポリカーボネート樹脂より選ばれる少なくとも1種の成分である。本発明におけるフェノール樹脂はフェノールとホルムアルデヒドとを反応させて得られるが、酸性触媒を用いて反応させたノボラック型とアルカリ性触媒を用いて反応させたレゾール型が挙げられ、本発明においては共に使用出来るが、特にノボラック型のフェノール樹脂が好ましい。分子量としては、500〜10,000の重量平均分子量を有するものが好ましいが、特に制限されない。又、フェノール樹脂はパラキシリレン或いはアルキルベンゼンで変性したものが好ましく、特にアルキルベンゼン変性(変成率40%以上)が好ましい。
【0013】
さらにフェノール樹脂中には一般的に未反応のフェノールを数%含有するが、本発明においては5%以下の未反応フェノールを含有するフェノール樹脂が好ましく、特に2%以下の未反応フェノールを含有するフェノール樹脂が好ましい。未反応フェノールの濃度が5%以上のフェノール樹脂を用いた場合、熱安定性を損なうと同時に未反応フェノールの臭気が問題となり好ましくない。具体的なフェノール樹脂としては、住友デュレズ(株)製のスミライトレジンPR−50731、PR−53647、PR−54443,R−54537、PR−51992や旭有機材工業(株)製のフェノールレジンCP−504等(いずれも商品名)が挙げられる。
【0014】
本発明におけるもうひとつの(C)であるポリカーボネート樹脂は特に制限されないが、二価フェノールとホスゲンとの反応、または二価フェノールとジフェニルカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネート樹脂を挙げることが出来る。二価フェノールとしては、ビスフェノール類が挙げられ、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられるが、特に制限されない。又、この二価フェノールは二価フェノールのホモポリマー、2種以上の二価フェノールのコポリマーであってもよい。
【0015】
更に、本発明においてはポリカーボネート樹脂としてポリエステルカーボネート等のポリカーボネート共重合体や分岐したポリカーボネート樹脂を用いることも可能である。具体的なポリカーボネート樹脂としては、帝人化成(株)製のパンライトL−1225(商品名)、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製のユーピロンS2000、S2000R、S3000、S3000R(いずれも商品名)等が挙げられる。
本発明における(C)成分の全組成物中の濃度は1〜40重量%である。添加量が1重量%以下の場合は充分な難燃性が得られない。又、40重量%以上添加すると難燃性は充分であるもののポリアセタール樹脂の有する機械物性が低下し好ましくない。
【0016】
更に本発明の(D)成分の熱安定剤は脂肪酸リチウム塩である。具体的にはミリスチン酸リチウム、パルミチン酸リチウム、ヘプタデシル酸リチウム、ステアリン酸リチウム等が挙げられ、ステアリン酸リチウムが特に好ましい。
また、脂肪酸リチウム塩に加えて更に、脂肪酸リチウム塩以外のアルカリ金属脂肪酸塩、アルキル土類金属脂肪酸塩およびホルムアルデヒドと反応し得る化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を添加しても良い。
【0017】
アルカリ金属脂肪酸塩およびアルキル土類金属脂肪酸塩の具体例としては、ジミリスチン酸カルシウム、ジパルミチン酸カルシウム、ジヘプタデシル酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、(ミリスチン酸−パルミチン酸)カルシウム、(ミリスチン酸−ステアリン酸)カルシウム、(パルミチン酸−ステアリン酸)カルシウムなどが挙げられる。好ましくはジステアリン酸カルシウムである。なお、これらは単独で用いても良いし、2種以上の混合物として使用してもよい。
また、ホルムアルデヒドと反応し得る化合物としてはアミノ基を有するトリアジン類化合物およびアミド基を有するポリアミド樹脂等が挙げられる。具体的なトリアジン類化合物として、メラミン、ベンゾグアナミン、メラム、メレム、メロン、1、2−ビス−(3、5−ジアミノ−2、4、6−トリアジニル)エタン、1、3−ビス−(3、5−ジアミノ−2、4、6−トリアジニル)プロパン等が挙げられ、これらの中でも特にメラミンが好ましい。
【0018】
又、アミド基を有するポリアミド樹脂等としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン46、ナイロン12、ナイロン3、ナイロン6/66/610等のポリアミド樹脂、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリ−N−ビニルホルムアミド等が挙げられるが、特に制限されない。ポリアセタール樹脂の通常の成形加工温度において溶融しない化合物、例えば、ナイロン66、ナイロン3、ポリ−N−ビニルアセトアミド等を用いる場合は粒径を50μm以下、好ましくは10μm以下の粒径として用いることが望ましい。
全組成物中における(D)熱安定剤の量は0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%である。0.1重量%以下の場合は赤リンの分解で生成するリン酸やフェノール樹脂中の未反応フェノールの影響により熱安定性が劣り好ましくない。5重量%を超えると、難燃性が低下し好ましくない。
【0019】
さらに本発明においては、摺動性を付与する為に(E)シリコン系潤滑剤を添加しても良い。本発明におけるシリコン系潤滑剤は、公知のシリコン化合物、およびその変性品から必要に応じて選ばれるものである。また、他の樹脂にシリコンをグラフト重合させたものも使用できる。これらのシリコン化合物は2種以上を併用しても使用できる。さらにこれらのシリコン化合物は、取り扱いの利便性から他の樹脂(例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリアセタール樹脂などの熱可塑性樹脂)と予め混錬し、ペレット化されたマスターバッチを用いることや、他の樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂)にシリコン化合物をグラフトさせたものなどを用いることも可能である。
【0020】
シリコン化合物をグラフトさせるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)などが挙げられる。シリコン化合物の具体的な例としては、信越化学工業(株)製のシリコンガムマスターバッチ(ポリアセタール40%/シリコン60%)、ダウコーニングアジア(株)製のマスターペレットSP−100(シリコン60%−EMMA40%グラフト)、SP−300(シリコン40%−LDPE60%グラフト)、SP−350(シリコン50%−LDPE50%グラフト)等(いずれも商品名)が挙げられる。
【0021】
本発明における(E)シリコン系潤滑剤の全組成物中の濃度は5重量%以下である。5重量%を超える濃度は、成形剥離性、難燃性、機械物性が低下するため好ましくない。
又、本発明の組成物には、更にその目的に応じて所望の特性を付与する為に、本発明の目的を損なわない範囲において、従来公知の添加剤を添加しても良い。例えば、ヒンダードフェノール系などの酸化防止剤、エチレンビスアミド等の離型剤、潤滑剤、更に帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加することが可能である。更に、ガラスファイバー、カーボンファイバー、炭酸カルシウム等のフィラー類も添加することが可能である。
【0022】
本発明の組成物は、通常行われている溶融混練機を用いて得られる。溶融混練機としては単軸押出機、2軸押出機、ニーダー等が挙げられる。本発明の(B)、(C)および(D)はポリアセタール樹脂と一緒に溶融混練機に供給され溶融混練されるが、添加方法や混練方法等は特に制限されず、従来公知の方法で添加することが可能である。例えば、ポリアセタール樹脂と赤リン粉末、フェノール樹脂やポリカーボネート樹脂、熱安定剤等とを混合して押出後ペレットとする方法が挙げられる。
【0023】
又、赤リンと熱安定剤を一旦ポリアセタール樹脂のマスターバッチペレットとして、その後マスターバッチペレットとフェノール樹脂やポリカーボネート樹脂、更に熱安定剤等を混合して押出後ペレットとする方法等を用いることも可能であり、本発明では特に制限されない。赤リンは衝撃や摩擦により発火しやすい性質を有しており、粉末状赤リンを取り扱う際には多大の注意が必要である。赤リンの取り扱いの改善方法として、上記に述べたように、例えば赤リンをポリアセタール樹脂のマスターバッチペレットとする方法が好ましく、マスターバッチペレットとすることにより取り扱い性が容易となり、粉末状赤リンに対し取り扱いが大幅に改善される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下実施例などを挙げて、本発明を詳細に説明する。尚、本発明の実施例および比較例で使用する成分は次の通りである。
【0025】
【0026】
【0027】
更に本発明の実施例および比較例の難燃性、物性、熱安定性の評価方法は次の通りである。
(1)難燃性;
127×12.7×3mmの試験片5本を、23℃、50%湿度で2日間放置後、UL耐炎試験規格に準じて2回接炎した時の各燃焼時間および合計10回の接炎した時の合計燃焼時間(秒)からUL耐炎性試験規格のランクを求めた。
(2)曲げ弾性率;
東芝(株)製、IS−100E射出成形機を用い、シリンダー温度200℃、射出圧力6MPa、射出時間25秒、冷却時間15秒、金型温度70℃で試験片を作成し、ASTM−D790に基づき測定した。
【0028】
(3)アイゾット衝撃値;
東芝(株)製、IS−100E射出成形機を用い、シリンダー温度200℃、射出圧力6MPa、射出時間25秒、冷却時間15秒、金型温度70℃で試験片を作成し、ノッチを付け、ASTM−D256に基づき測定した。
(4)熱安定性;
230℃、窒素気流中において加熱溶融し、30分間に発生するホルムアルデヒドを亜硫酸ナトリウム水溶液に吸収させ、硫酸水溶液を用いて滴定して測定した。
【0029】
【実施例1】
ポリアセタール樹脂68重量%、(B1)赤リン30重量%、(D1)熱安定剤2重量%を配合して2軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM−30)を用いて190℃でペレタイズし、30%の赤リンマスターバッチを得た。このマスターバッチに全組成物中の濃度がポリアセタール樹脂83重量%、(B1)赤リン10重量%、(C1)フェノール樹脂6重量%、(D1)熱安定剤1重量%となるようにポリアセタール樹脂、(C1)フェノール樹脂、(D1)熱安定剤を配合して2軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM−30)を用いて190℃でペレタイズした。得られたペレットを成形して試験片を得、温度23℃、湿度50%に制御された室内に2日放置後、難燃性、曲げ弾性率およびアイゾット衝撃試験の測定を行った。更にペレットの熱安定性を測定した。評価結果を表1に示す。
【0030】
【実施例2】
ポリアセタール樹脂83重量%、(B1)赤リン10重量%、(C1)フェノール樹脂6重量%、(D1)熱安定剤1重量%を配合して2軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM−30)を用いて190℃でペレタイズした。得られたペレットを成形して試験片を得、温度23℃、湿度50%に制御された室内に2日放置後難燃性、曲げ弾性率およびアイゾット衝撃試験の測定を行った。評価結果を表1に示す。
【0031】
【実施例3〜11】
実施例1のフェノール樹脂、難燃剤、熱安定剤の種類、濃度を表1に示す如くに変えた以外は実施例1と同様にペレタイズを行い評価した。評価結果を表1に示す。
【実施例12】
実施例10に(E)シリコン系潤滑剤2重量%を加えた以外は実施例10と全く同様にペレタイズを行い評価した。評価結果を表1に示す。
【比較例1〜15】
実施例1のフェノール樹脂、難燃剤、熱安定剤の種類、濃度を表2に示す如くに変えた以外は実施例1と同様にペレタイズを行い評価した。評価結果を表2に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
本発明のポリアセタール組成物は従来ポリアセタール樹脂の有する優れた物性を保持しつつ難燃性を付与するものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polyacetal resin composition having excellent flame retardancy. More specifically, the present invention relates to a flame retardant polyacetal resin composition having excellent thermal stability and mechanical properties.
[0002]
[Prior art]
Polyacetal resins are used in a wide range of fields, mainly automobile parts and OA equipment parts, as engineering resins having balanced mechanical properties and excellent moldability. However, in applications where flame retardancy is required due to flammability, the use is limited, and the present situation is that other resins imparted with flame retardancy are used in the applications.
[0003]
Conventionally, various methods have been proposed for imparting flame retardancy to polyacetal resins. For example, Japanese Patent Publication No. 43-22671 discloses a method of adding ammonium phosphate, and Japanese Patent Publication No. 53-31899 discloses a method of adding guanidine phosphate, melamine and ammonium polymetaphosphate to a polyacetal resin. Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-324105 discloses a method of adding ammonium polyphosphate having a particle size of 30 μm or less alone or in combination with ammonium polyphosphate and melamine. However, the above method has a drawback that although the flame retardancy is sufficient, the addition amount is large, and thus the physical properties of the polyacetal resin are remarkably impaired.
[0004]
Moreover, methods for imparting flame retardancy by adding red phosphorus and a triazine compound to a polyacetal resin are disclosed in JP-A-48-7044 and JP-B-55-35421. In order to obtain flammability, it is necessary to add a large amount of triazine compounds such as melamine, guanidine phosphate, cyanoguanidine, etc., and the physical properties of polyacetal resin deteriorate significantly, especially when melamine is used in large amounts, such as bleed and mold deposit Have problems. Japanese Patent Application Laid-Open No. 55-84348 proposes a polyacetal resin composition having improved flame retardancy by the combined use of red phosphorus and a molybdenum compound, but has insufficient heat stability and good molding processing. Sex cannot be obtained.
[0005]
On the other hand, it has been conventionally known to add a phenol resin or a polycarbonate resin to a polyacetal resin. For example, Japanese Patent Publication No. 49-42662 discloses that a phenol resin is added to a polyacetal resin as an antioxidant. Yes. JP-A-6-248163, JP-A-6-329873, JP-A-7-11101, and JP-A-7-292186 disclose polyacetal resin and polycarbonate, polystyrene, aliphatic polyether, aromatic. A method for improving affinity and dispersibility and improving mechanical properties and molding shrinkage ratio by adding a phenol resin to a composition with a polyether is disclosed. However, there is no knowledge about improving flame retardancy by adding a phenol resin or a polycarbonate resin to the polyacetal resin.
As described above, it is very difficult to impart flame retardancy of the polyacetal resin due to its resin characteristics, and there is no actual composition that has both excellent physical properties and flame retardancy of the polyacetal resin at this stage.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides materials to previously limited fields by imparting flame retardancy while maintaining the excellent physical properties of polyacetal resin.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of earnest research on the flame-retardant polyacetal resin, the present inventors have found that flame retardancy of the polyacetal resin can be achieved by blending red phosphorus and phenol resin and / or polycarbonate resin into the polyacetal resin, The present invention has been completed.
[0008]
That is, the present invention
1. (A) 60 to 90% by weight of polyacetal resin, (B) 1 to 30% by weight of red phosphorus, (C) 1 to 13 % by weight selected from phenol resin and polycarbonate resin, and (D) fatty acid as heat stabilizer A flame retardant polyacetal resin composition comprising 0.1 to 5% by weight of a lithium salt,
2. 2. The flame retardant polyacetal resin composition according to 1, wherein red phosphorus is coated with an inorganic substance and / or a resin;
3. The flame retardant polyacetal resin composition according to 1 or 2, wherein red phosphorus has an average particle diameter of 0.1 to 100 µm,
4). The flame-retardant polyacetal resin composition according to any one of 1 to 3, wherein red phosphorus is 5 to 15% by weight,
5. (C) includes a novolac type phenol resin, and the weight average molecular weight of the phenol resin is 500 to 10,000, The flame retardant polyacetal resin composition according to 1,
6). (C) includes a phenol resin, and the phenol resin is modified with paraxylylene or alkylbenzene, The flame retardant polyacetal resin composition according to 1 or 5,
7). (C) contains a phenol resin, and the phenol resin contains 5% or less of unreacted phenol, The flame retardant polyacetal resin composition according to any one of 1, 5 and 6,
8). (D) As a heat stabilizer, in addition to the fatty acid lithium salt, it is at least one selected from an alkali metal fatty acid salt other than the fatty acid lithium salt, an alkaline earth metal fatty acid salt, and a nitrogen-containing compound that can react with formaldehyde. flame-retardant polyacetal resin composition according to any one of 7,
9. (D) The flame retardant polyacetal resin composition according to any one of 1 to 8, wherein the fatty acid lithium salt is lithium stearate,
10. The flame retardant polyacetal resin composition according to 9, wherein the heat stabilizer further blended in addition to the fatty acid lithium salt is at least one selected from calcium stearate, melamine, and polyamide resin,
11. The flame retardant polyacetal resin composition according to any one of 1 to 10, further comprising (E) 5% by weight or less of a silicon-based lubricant,
About.
[0009]
The present invention will be described in detail below.
The polyacetal resin of the present invention is a homopolymer obtained by homopolymerizing formaldehyde monomer or its trimer trioxane or tetramer tetraoxane and blocking the end with an ester end or an ether end, the trioxane or tetraoxane and ethylene oxide, Copolymers containing oxyalkylene units having 2 to 8 carbon atoms obtained by copolymerization with cyclic ethers such as 1,3-dioxolane and 1,4-butanediol, and further introducing different component segments such as polyoxyalkylene. And a branched polymer obtained by reacting glycidyl ether and the like, and a crosslinked polymer crosslinked with diglycidyl ether and the like. These polymers can be used in the present invention and are not particularly limited. The degree of polymerization is not particularly limited as long as it has moldability (for example, 190 ° C., melt flow value (MFR) under a load of 2160 g is 1 to 100).
[0010]
As the red phosphorus used as (B) in the present invention, those commercially available can be used. Commonly used untreated red phosphorus autoignites at about 260 ° C. and simultaneously hydrolyzes to generate phosphine. In the present invention, this general red phosphorus or stabilized red phosphorus having a self-ignition temperature increased by subjecting the red phosphorus to a surface treatment is used. Specific examples of surface-treated red phosphorus include red phosphorus, magnesium hydroxide, and aluminum hydroxide coated with a metal hydroxide film such as magnesium hydroxide, aluminum hydroxide, zinc hydroxide, and titanium hydroxide. Red phosphorus coated with a mixture of a metal hydroxide such as zinc hydroxide or titanium hydroxide and a resin, and a metal hydroxide such as magnesium hydroxide, aluminum hydroxide, zinc hydroxide or titanium hydroxide. Further, red phosphorus coated with two layers of resin on the coating, and red phosphorus surface-treated with various oils can be used.
[0011]
Here, the resin for the coating treatment is not particularly limited, and examples thereof include a phenol resin. Preferred red phosphorus in the present invention is red phosphorus coated and stabilized with a metal hydroxide and / or resin, and red phosphorus coated and stabilized in two layers with a metal hydroxide and a resin. The particle size of red phosphorus used is usually 200 μm or less, and is not particularly limited in the present invention, but preferably has a particle size of 0.1 to 100 μm, particularly preferably 1 to 50 μm. Red phosphorus is used. Examples of the method for measuring the particle size include a method using a laser diffraction particle size analyzer manufactured by Cirrus, and a method for obtaining an average particle size from a particle size distribution curve by introducing red phosphorus powder into pure water. Specific examples of red phosphorus include Nova Red 120, Nova Excel 140, Nova Excel F5 (all trade names) manufactured by Rin Chemical Industry Co., Ltd., and the like.
[0012]
The concentration of red phosphorus in the total composition in the present invention is 1 to 30% by weight, preferably 5 to 15% by weight. If the concentration of red phosphorus is 1% by weight or less, the flame retardancy is insufficient, and if it is added in an amount of 30% by weight or more, the mechanical properties, particularly the impact resistance, is remarkably lowered.
(C) of the present invention is at least one component selected from a phenol resin and / or a polycarbonate resin. The phenol resin in the present invention is obtained by reacting phenol with formaldehyde, and examples thereof include a novolak type reacted with an acidic catalyst and a resol type reacted with an alkaline catalyst, and can be used together in the present invention. However, a novolac type phenol resin is particularly preferable. The molecular weight is preferably one having a weight average molecular weight of 500 to 10,000, but is not particularly limited. Further, the phenol resin is preferably modified with paraxylylene or alkylbenzene, particularly preferably modified with alkylbenzene (modification rate of 40% or more).
[0013]
Further, the phenol resin generally contains several percent of unreacted phenol, but in the present invention, a phenol resin containing 5% or less of unreacted phenol is preferable, and particularly contains 2% or less of unreacted phenol. Phenol resin is preferred. When a phenol resin having a concentration of unreacted phenol of 5% or more is used, the thermal stability is impaired and the odor of unreacted phenol becomes a problem, which is not preferable. Specific phenol resins include Sumitomo Durez Co., Ltd. Sumitrite Resin PR-50731, PR-53647, PR-54443, R-54537, PR-51992, and Asahi Organic Materials Co., Ltd. Phenol Resin CP. -504 etc. (all are brand names).
[0014]
The polycarbonate resin which is another (C) in the present invention is not particularly limited, and examples thereof include a polycarbonate resin obtained by a reaction between a dihydric phenol and phosgene or a transesterification reaction between a dihydric phenol and diphenyl carbonate. . Bivalent phenols include bisphenols, such as bisphenol A (2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane), hydroquinone, 4,4′-dihydroxybiphenyl, bis (4-hydroxyphenyl) alkane, bis ( 4-hydroxyphenyl) sulfide, bis (4-hydroxyphenyl) cycloalkane, bis (4-hydroxyphenyl) sulfone and the like can be mentioned, but are not particularly limited. The dihydric phenol may be a homopolymer of dihydric phenol or a copolymer of two or more dihydric phenols.
[0015]
Furthermore, in the present invention, a polycarbonate copolymer such as polyester carbonate or a branched polycarbonate resin can be used as the polycarbonate resin. Specific polycarbonate resins include Panlite L-1225 (trade name) manufactured by Teijin Chemicals Limited, Iupilon S2000, S2000R, S3000, and S3000R (all trade names) manufactured by Mitsubishi Engineering Plastics Co., Ltd. Can be mentioned.
In the present invention, the concentration of the component (C) in the entire composition is 1 to 40% by weight. When the addition amount is 1% by weight or less, sufficient flame retardancy cannot be obtained. Addition of 40% by weight or more is not preferable because flame retardancy is sufficient but mechanical properties of the polyacetal resin are lowered.
[0016]
Furthermore, the heat stabilizer of the component (D) of the present invention is a fatty acid lithium salt. Specific examples include lithium myristate, lithium palmitate, lithium heptadecylate, lithium stearate and the like, and lithium stearate is particularly preferable.
In addition to the fatty acid lithium salt, at least one compound selected from the group consisting of alkali metal fatty acid salts other than fatty acid lithium salts, alkyl earth metal fatty acid salts and compounds capable of reacting with formaldehyde may be added. .
[0017]
Specific examples of alkali metal fatty acid salts and alkyl earth metal fatty acid salts include calcium dimyristate, calcium dipalmitate, calcium diheptadecylate, calcium distearate, (myristic acid-palmitic acid) calcium, and (myristic acid-stearic acid). ) Calcium, (palmitic acid-stearic acid) calcium and the like. Preferably it is calcium distearate. In addition, these may be used independently and may be used as a 2 or more types of mixture.
Examples of the compound capable of reacting with formaldehyde include triazine compounds having an amino group and polyamide resins having an amide group. Specific triazine compounds include melamine, benzoguanamine, melam, melem, melon, 1,2-bis- (3,5-diamino-2,4,6-triazinyl) ethane, 1,3-bis- (3, 5-diamino-2,4,6-triazinyl) propane and the like, and among them, melamine is particularly preferable.
[0018]
Examples of the polyamide resin having an amide group include polyamide resins such as nylon 6, nylon 66, nylon 610, nylon 612, nylon 11, nylon 46, nylon 12, nylon 3, nylon 6/66/610, and the like. Examples include acrylamide, poly-N-vinylacetamide, poly-N-vinylformamide, and the like, but are not particularly limited. When using a compound that does not melt at the normal molding processing temperature of polyacetal resin, such as nylon 66, nylon 3, poly-N-vinylacetamide, etc., it is desirable to use a particle size of 50 μm or less, preferably 10 μm or less. .
The amount of (D) heat stabilizer in the total composition is 0.1 to 5% by weight, preferably 0.2 to 3% by weight. In the case of 0.1% by weight or less, the thermal stability is inferior due to the influence of phosphoric acid produced by the decomposition of red phosphorus and unreacted phenol in the phenol resin, which is not preferable. When it exceeds 5% by weight, the flame retardancy is lowered, which is not preferable.
[0019]
Further, in the present invention, (E) a silicon-based lubricant may be added to impart slidability. The silicon-based lubricant in the present invention is selected from known silicon compounds and modified products thereof as necessary. In addition, a resin obtained by graft polymerization of silicon to another resin can also be used. These silicon compounds can be used even if two or more kinds are used in combination. Furthermore, these silicon compounds should be kneaded in advance with other resins (for example, olefinic resins such as polyethylene and polypropylene, thermoplastic resins such as polyacetal resin) for the convenience of handling, and use a pelletized masterbatch. It is also possible to use a resin obtained by grafting a silicon compound to another resin (polyolefin resin such as polyethylene or polypropylene).
[0020]
Examples of the polyolefin resin to which the silicon compound is grafted include low density polyethylene (LDPE), high density polyethylene, ethylene-vinyl acetate copolymer, ethylene-methyl methacrylate copolymer (EMMA), and the like. Specific examples of the silicon compound include silicon gum master batch (polyacetal 40% / silicon 60%) manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., master pellet SP-100 (silicon 60%- EMMA 40% graft), SP-300 (silicon 40% -LDPE 60% graft), SP-350 (silicon 50% -LDPE 50% graft), etc. (all trade names).
[0021]
In the present invention, the concentration of the (E) silicon-based lubricant in the entire composition is 5% by weight or less. Concentrations exceeding 5% by weight are not preferable because the mold peelability, flame retardancy and mechanical properties are reduced.
In addition, a conventionally known additive may be added to the composition of the present invention within a range not impairing the object of the present invention in order to impart desired characteristics according to the purpose. For example, an antioxidant such as a hindered phenol, a release agent such as ethylene bisamide, a lubricant, an antistatic agent, an ultraviolet absorber, and a light stabilizer can be added. Furthermore, fillers such as glass fiber, carbon fiber, and calcium carbonate can be added.
[0022]
The composition of the present invention is obtained using a commonly used melt kneader. Examples of the melt kneader include a single screw extruder, a twin screw extruder, and a kneader. (B), (C) and (D) of the present invention are supplied to the melt kneader together with the polyacetal resin and melt kneaded, but the addition method and kneading method are not particularly limited, and are added by a conventionally known method. Is possible. For example, there is a method in which a polyacetal resin and red phosphorus powder, a phenol resin, a polycarbonate resin, a heat stabilizer and the like are mixed to form pellets after extrusion.
[0023]
It is also possible to use red phosphorus and heat stabilizer as a master batch pellet of polyacetal resin, then mix the master batch pellet with phenol resin or polycarbonate resin, heat stabilizer, etc. to make a pellet after extrusion, etc. And is not particularly limited in the present invention. Red phosphorus has the property of being easily ignited by impact and friction, and great care must be taken when handling powdered red phosphorus. As described above, as a method for improving the handling of red phosphorus, for example, a method in which red phosphorus is used as a master batch pellet of polyacetal resin is preferable. On the other hand, handling is greatly improved.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to examples. The components used in the examples and comparative examples of the present invention are as follows.
[0025]
[0026]
[0027]
Furthermore, the evaluation methods of flame retardancy, physical properties, and thermal stability of Examples and Comparative Examples of the present invention are as follows.
(1) Flame retardancy;
Five test pieces of 127 × 12.7 × 3 mm were left at 23 ° C. and 50% humidity for 2 days, and then burned twice according to UL flame resistance test standards, and a total of 10 flame contact times. The rank of the UL flame resistance test standard was determined from the total burning time (seconds) at the time.
(2) flexural modulus;
Using an IS-100E injection molding machine manufactured by Toshiba Corporation, a test piece was prepared at a cylinder temperature of 200 ° C., an injection pressure of 6 MPa, an injection time of 25 seconds, a cooling time of 15 seconds, and a mold temperature of 70 ° C. Measured based on.
[0028]
(3) Izod impact value;
Using an IS-100E injection molding machine manufactured by Toshiba Corporation, a test piece was created at a cylinder temperature of 200 ° C., an injection pressure of 6 MPa, an injection time of 25 seconds, a cooling time of 15 seconds, and a mold temperature of 70 ° C. Measured based on ASTM-D256.
(4) thermal stability;
It was melted by heating in a nitrogen stream at 230 ° C., and formaldehyde generated in 30 minutes was absorbed in an aqueous sodium sulfite solution and titrated with an aqueous sulfuric acid solution for measurement.
[0029]
[Example 1]
Polyacetal resin 68% by weight, (B1) red phosphorus 30% by weight, (D1) heat stabilizer 2% by weight and blended at 190 ° C. using a twin screw extruder (Ikegai Iron Works Co., Ltd., PCM-30) Pelletized to give a 30% red phosphorus masterbatch. In this master batch, the polyacetal resin has a concentration of 83% by weight of polyacetal resin, (B1) 10% by weight of red phosphorus, (C1) 6% by weight of phenol resin, and (D1) 1% by weight of heat stabilizer. (C1) A phenol resin and (D1) a heat stabilizer were blended and pelletized at 190 ° C. using a twin screw extruder (Ikegai Iron Works, PCM-30). The obtained pellets were molded to obtain test pieces, which were left in a room controlled at a temperature of 23 ° C. and a humidity of 50% for 2 days, and then measured for flame retardancy, flexural modulus and Izod impact test. Furthermore, the thermal stability of the pellet was measured. The evaluation results are shown in Table 1.
[0030]
[Example 2]
Polyacetal resin 83% by weight, (B1) Red phosphorus 10% by weight, (C1) Phenol resin 6% by weight, (D1) Thermal stabilizer 1% by weight, twin screw extruder (Ikegai Iron Works, PCM) -30) and pelletized at 190 ° C. The obtained pellets were molded to obtain test pieces, which were then allowed to stand for 2 days in a room controlled at a temperature of 23 ° C. and a humidity of 50%, and measured for flame retardancy, flexural modulus and Izod impact test. The evaluation results are shown in Table 1.
[0031]
Examples 3 to 11
Evaluation was performed by pelletizing in the same manner as in Example 1 except that the types and concentrations of the phenol resin, flame retardant, and heat stabilizer in Example 1 were changed as shown in Table 1. The evaluation results are shown in Table 1.
Example 12
Evaluation was performed by pelletizing in the same manner as in Example 10 except that 2% by weight of (E) silicon-based lubricant was added to Example 10. The evaluation results are shown in Table 1.
[Comparative Examples 1-15]
Evaluation was performed by pelletizing in the same manner as in Example 1 except that the types and concentrations of the phenol resin, flame retardant, and heat stabilizer in Example 1 were changed as shown in Table 2. The evaluation results are shown in Table 2.
[0032]
[Table 1]
[0033]
[Table 2]
[0034]
【The invention's effect】
The polyacetal composition of the present invention imparts flame retardancy while maintaining the excellent physical properties of conventional polyacetal resins.
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