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JP3742302B2 - 放電灯点灯回路 - Google Patents

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  • Power Engineering (AREA)
  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の放電灯について点灯制御を行う放電灯点灯回路において、熱的ストレスに起因する放電灯の劣化や短寿命化を防止するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
放電灯(メタルハライドランプ等)の点灯回路については、直流電源回路、直流−交流変換回路、起動回路(所謂スタータ回路)を備えた構成が知られている。例えば、直流電源回路にDC−DCコンバータの構成を用い、直流−交流(DC−AC)変換回路にはフルブリッジ型回路(4つの半導体スイッチング素子をそれぞれ2組にしてオン/オフ制御を行うように構成された回路)及びそのドライバ回路を使用した構成では、DC−DCコンバータの出力する正極性(又は負極性)電圧がフルブリッジ型回路において矩形波状電圧に変換された後、放電灯に供給される。
【0003】
ところで、放電灯の点灯性を良好にするには、当該放電灯の点灯(あるいはブレークダウン)直後において、放電灯への供給電圧の極性を一時的に固定することにより直流的な期間(以下、「点灯後極性固定期間」という。)を設けることが好ましい。
【0004】
図20は、放電灯に供給される矩形波出力の電流波形を概略的に示したものである。
【0005】
図中に矢印「ST」で示す時点が、起動パルスによる放電灯の点灯時点を示しており、その直後から所定幅をもった期間「Tdcf」が上記点灯後極性固定期間の前半期間を示し、期間「Tdcr」が上記点灯後極性固定期間の後半期間(Tdcfでの極性とは反対極性である。)を示している。
【0006】
しかしながら、点灯後極性固定期間の長さに対して何らかの制限を設けないと、例えば、起動回路によって発生される高電圧の起動パルスを放電灯に印加しても直ぐには点灯状態に移行しない状況下では、供給電圧の極性を固定している期間が長くなる。これによって、下記の事項が問題となる。
【0007】
・直流−交流変換回路を構成する半導体スイッチング素子の駆動回路にブートストラップ方式の構成を採用している場合には、電源からコンデンサに蓄積される電荷量を確保する必要性からコンデンサの容量を大きな値に設定しておかなければならない。
【0008】
・複数の放電灯に係る点灯制御を共通の回路で行うことができるように構成された点灯回路において、ある放電灯については既に点灯しており、他の放電灯を点灯させたい場合に、当該他の放電灯について点灯状態に移行しない症状が起きると、既に点灯している放電灯にとってはその供給電圧の極性が固定されたままの状態が長時間に亘って継続することになるので、放電灯の電極に対して熱的ストレスが加わることに起因する悪影響(短寿命化や劣化等)が惹き起こされる虞がある。
【0009】
また、放電灯が点灯する前においても、放電灯への供給電圧の極性を一時的に固定することにより直流的な期間(以下、「点灯前極性固定期間」という。)を設けることが好ましく、図20では、これを期間「Tdcb」で示している(この間の極性は上記期間「Tdcf」での極性と同じである。)。そして、点灯前極性固定期間についてもその長さを制限しないと、上記と同様の事項が問題となる。
【0010】
そこで、点灯前極性固定期間や点灯後極性固定期間の長さが一定時間以上を超えないように時間的な制限を課すことによって、制限時間に応じたブートストラップのコンデンサ容量を設定できるとともに、放電灯に対する熱的ストレスの影響を低減することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した方法では、熱的ストレスへの対策が不充分であり、以下に示すような不都合が生じ得る。
【0012】
放電灯に対して許容される極性固定期間については、当該放電灯の寿命を考慮して各極性それぞれに電流と時間との積(所謂、電流時間積)から決まる上限が課せられる。つまり、極性を固定したままで放電灯に流す電流が大きいほど、当該電流を流す期間である極性固定期間の長さを短くしなければならない。
【0013】
今仮に2つの放電灯について点灯制御を行う回路を想定した場合に、先に点灯した放電灯の電流波形は、後に点灯させようとする放電灯が点灯する際には、図20に示したようになる。電流時間積の許容範囲を20〜30A・mS(A:アンペア、mS:ミリ秒)とした場合に、起動回路内のコンデンサが満充電するまでの時間等を考慮して、点灯前極性固定期間Tdcbに対する期間長の制限幅を16mSに設定したすると、先に点灯している放電灯の電流値が仮に2.5Aである場合には、電流時間積が16・2.5=40A・mSとなって上記の許容範囲を超えてしまうことになる。
【0014】
その原因は、極性固定期間に対する時間制限を一律に規定したことにあり、よって、放電灯に流れる電流値との積が予め規定した値になるまでの時間によって極性固定期間(極性を固定したまま直流点灯を行う期間)の長さを決めてやれば良い。つまり、放電灯の電流値が大きい場合には当該期間の長さが短くなり、逆に電流値が小さい場合には当該期間の長さが長くなるので、放電灯の状態に応じて極性固定期間の長さを動的に制限できる。例えば、2つの放電灯を点灯させる場合には、各放電灯に流れる電流のうち、大きい方の電流値を採用して当該値で規定の電流時間積を割った値として得られる時間によって極性固定期間の長さを制限すれば、双方の放電灯ともに規定の電流時間積を超えることはなくなる。
【0015】
しかしながら、例えば、図20に示したように、点灯前極性固定期間Tdcbに引き続いて点灯後極性固定期間の前半期間Tdcfが到来し、両期間中は同一極性とされるため(これは矢印STで示す後の放電灯の点灯時点で極性が変化すると点灯状態が不安定化するため。)、期間Tdcbが延長されたのと同様の結果をもたらし、放電灯の劣化や短寿命化に悪影響を及ぼすことになる。放電灯の点灯性能を確保しつつ、劣化等の影響を極力低減するためには、点灯前後における極性固定期間中の電流時間積を、許容範囲内に抑える必要がある。
【0016】
そこで、本発明は、複数の放電灯に係る点灯制御において、放電灯にかかる熱的ストレスの影響を低減することにより、短寿命化及び劣化を防止することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した課題を解決するために、正極性及び負極性の直流電圧を出力する直流電源回路と、該直流電源回路の出力電圧を、複数のスイッチング素子によって交流電圧に変換した後に複数の放電灯にそれぞれ供給するための直流−交流変換回路とを備えた放電灯点灯回路において、下記の(イ)乃至(ニ)に示す構成を有するものである。
(イ)直流電源回路の2つの出力端子からそれぞれ出力される正極性及び負極性の電圧が直流−交流変換回路に送出されること。
(ロ)直流電源回路の出力電圧を切り換えるために上記直流−交流変換回路内に設けられた2対のスイッチング素子がフルブリッジ型の回路構成をしており、各スイッチング素子がそれらの駆動回路によって対をなして交番動作されることで生成される交流電圧が各放電灯に供給されるようにしたこと。
(ハ)複数の放電灯のうち、ある放電灯を点灯させる場合には、当該放電灯の点灯前又は点灯後に直流−交流変換回路から放電灯に供給される電圧の極性が正極性又は負極性のいずれか一方に規定される極性固定期間を設け、該極性固定期間に上記スイッチング素子の状態が一時的に固定され、当該放電灯の点灯後又は点灯後であって上記極性固定期間の経過後に当該スイッチング素子の交番動作が行われること。
(ニ)極性固定期間中に、予め規定されている上限時間を越えると放電灯に供給される電圧の極性を強制的に反転させる極性反転手段を設けるとともに、極性固定期間中の放電灯に流れる電流が予め決められた制限電流値を超えないようにするための制限回路を設け、極性固定期間における放電灯の電流値と上限時間との積を、放電灯に許容される電流時間積以下に設定したこと。
【0018】
従って、本発明によれば、放電灯の点灯前又は点灯直後において当該放電灯に供給される電圧の極性を一方の極性に固定するための極性固定期間中に、放電灯に流れる電流値を制限することによって、放電灯への熱的ストレスによる劣化等を防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に係る点灯回路の構成について説明する前に、1つの放電灯に関する回路の基本構成について図1により説明する。
【0020】
放電灯点灯回路1は、電源2、直流電源回路3、直流−交流変換回路4、起動回路5を備えている。
【0021】
直流電源回路3は、電源2からの直流入力電圧(これを「Vin」と記す。)を受けて所望の直流電圧を出力するものであり、制御回路7からの制御信号に応じてその出力電圧が可変制御される。この直流電源回路3には、スイッチングレギュレータの構成を有するDC−DCコンバータ(チョッパー式、フライバック式等。)が用いられるが、正極性の電圧出力(正電圧出力)を得るための第1の回路部(DC−DCコンバータ3A)と負極性の電圧出力(負電圧出力)を得るための第2の回路部(DC−DCコンバータ3B)とが互いに並列の関係をもって配置されている。
【0022】
図2及び図3は直流電源回路の構成例を示したものである。
【0023】
図2に示す例では、トランスTの1次巻線Tpの一端が直流入力端子「ta」に接続されることで電圧Vinが入力されるようになっており、1次巻線Tpの他端は半導体スイッチング素子SW(図には単にスイッチの記号で示すが、FET(電界効果トランジスタ)等が用いられる。)及び電流検出用抵抗Rsを介して接地されている(この抵抗Rsについては任意であり、特に設けなくても良い)。尚、半導体スイッチング素子SWの制御端子(FETの場合にはゲート)には制御回路7からの信号「Sc」が供給されてそのスイッチング制御が行われる。
【0024】
トランスTの2次巻線Tsについては、その一端がダイオードD1のアノードに接続され、該ダイオードD1のカソードがコンデンサC1の一端に接続されるとともに端子「to1」に接続され、当該端子から出力電圧(これを「Vdcp」と記す。)が得られる。そして、コンデンサC1の他端は2次巻線Tsの中間タップに接続されるとともに、抵抗Riを介して接地されている。
【0025】
2次巻線Tsの他端はダイオードD2のカソードに接続されており、該ダイオードD2のアノードがコンデンサC2と端子「to2」に接続され、当該端子を介して出力電圧(これを「Vdcn」と記す。)が得られる。
【0026】
抵抗Riは、放電灯6に流れる電流に関する検出信号を得るための電流検出用素子であり、当該抵抗に流れる電流を電圧変換することで電流検出を行うものである。尚、抵抗Riと、コンデンサC1やC2との接続点には検出端子「toi」が接続されており、ここから検出信号「Vi」が得られる。
【0027】
以上のように直流電源回路3は、正極性及び負極性の電圧Vdcp、Vdcnを2つの出力端子「to1」、「to2」から各別に出力する構成となっている。
【0028】
尚、トランスTの巻線に付した「・」印は巻き始めを示しており、例えば、2次巻線TsについてはダイオードD2との接続端及び中間タップにおける巻き始端にそれぞれ「・」印が付されている。
【0029】
また、図3に示す直流電源回路3′では、2つのトランスT1(1次巻線T1p、2次巻線T1s)、T2(1次巻線T2p、2次巻線T2s)を有する構成とされる。
【0030】
各トランスの1次巻線T1p、T2pの一方の端子が直流入力端子taに接続され、他方の端子がスイッチング素子SW1、SW2(これらには半導体スイッチング素子が用いられるが、図には単にスイッチの記号で示す。)をそれぞれ介して接地されており、これらのスイッチング素子SW1、SW2を、制御回路7からの制御信号Sc1、Sc2によって各別にオン/オフ制御することで、各2次出力を独立に可変制御することができる。
【0031】
尚、1次巻線T1p、T2pに対して並列に設けられたコンデンサC0は、その一端が直流入力端子taに接続されるとともに他端が接地されている。
【0032】
DC−DCコンバータ3′Aは、トランスT1及びスイッチング素子SW1、そして2次巻線T1sに接続された整流用ダイオードD1や平滑用コンデンサC1、電流検出用抵抗Ri1を含む構成とされる。つまり、2次巻線T1sの一端がダイオードD1のアノードに接続され、該ダイオードのカソードが出力端子to1に接続されるとともにコンデンサC1の一端に接続されている。そして、該コンデンサC1の他端が2次巻線T1sの巻き始端側端子に接続されるとともに、電流検出用抵抗Ri1を介して接地されている。
【0033】
よって、この回路部では、制御信号Sc1に基づくスイッチング素子SW1のオン/オフ制御によってトランスT1の1次巻線T1pに流れる電流が制御され、2次巻線T1sからダイオードD1、コンデンサC1を経て出力端子to1に正極性電圧Vdcpが得られる。尚、端子「toi1」は、コンデンサC1と電流検出用抵抗Ri1との接続点に接続された電流検出端子であり、当該端子から検出信号「Vi1」が得られる。
【0034】
他方、DC−DCコンバータ3′Bは、トランスT2及びスイッチング素子SW2、そして2次巻線T2sに接続された整流用ダイオードD2や平滑用コンデンサC2、電流検出用抵抗Ri2を含む構成とされる。つまり、2次巻線T2sの一端(巻き始端側の端子)がダイオードD2のカソードに接続され、該ダイオードのアノードが出力端子to2に接続されるとともにコンデンサC2の一端に接続されている。そして、該コンデンサC2の他端が2次巻線T2sの終端側端子に接続されるとともに、電流検出用抵抗Ri2を介して接地されている。
【0035】
よって、この回路部では、制御信号Sc2に基づくスイッチング素子SW2のオン/オフ制御によってトランスT2の1次巻線T2pに流れる電流が制御され、2次巻線T2sからダイオードD2、コンデンサC2を経て出力端子to2に電圧Vdcnが得られる。尚、端子「toi2」は、コンデンサC2と電流検出用抵抗Ri2との接続点に接続された電流検出端子であり、当該端子から検出信号「Vi2」が得られる。
【0036】
直流電源回路3の後段に配置された直流−交流変換回路4(図1参照。)は、該直流電源回路3の出力電圧を交流電圧に変換した後でこれを放電灯6に供給するために設けられており、直流電源回路3の2つの出力端子からそれぞれ各別に出力される正極性及び負極性の電圧が送出されてくる。そして、DC−DCコンバータ3Aの出力電圧Vdcpと、DC−DCコンバータ3Bの出力電圧Vdcnとを切り換えるために、直流−交流変換回路4内に設けられた1対の半導体スイッチング素子sw1、sw2(これらの素子には電界効果トランジスタ等が用いられるが、図には単にスイッチの記号で示す。)がそれらの駆動回路DRVによって交番動作され、これによって生成される交流電圧が放電灯6に供給される。
【0037】
つまり、直流電源回路3の出力段において直列に接続された2つのスイッチング素子sw1、sw2については、その一方の素子sw1がDC−DCコンバータ3Aの出力端子に接続されるとともに、素子sw2を介してDC−DCコンバータ3Bの出力端子に接続されている。そして、これらのスイッチング素子をそれぞれ相反的にスイッチング制御する駆動回路DRVについては、例えば、ハーフブリッジドライバとして既知のIC(集積回路)が使用される。つまり、駆動回路DRVからの各スイッチング素子の制御端子にそれぞれ供給される信号により、素子sw1がオン状態のとき、素子sw2がオフ状態となり、逆に素子sw1がオフ状態のとき、素子sw2がオン状態となるようにハーフブリッジの交番動作が行われて直流電圧が交流電圧に変換される。
【0038】
尚、素子sw1、sw2として電界効果トランジスタを使用した場合における駆動回路としてブートストラップ式の構成例を図4に示す。
【0039】
本図においてドライブ用IC内部のスイッチング素子を等価的にスイッチの記号で示すように、2つの素子Q1、Q2による直列回路及び2つの素子Q3、Q4による直列回路を備えている。
【0040】
これらの素子Q1乃至Q4への電源については、電源端子Vcから供給されるようになっており、素子Q1及びQ2には当該電源端子VcからダイオードD3を介して電源供給が行われ、また、素子Q3及びQ4には電源端子Vcからそのまま電源供給が行われる。つまり、ダイオードD3のカソードがコンデンサC3を介してNチャンネルFETsw1とsw2との接続点に接続されるとともに、当該カソードが素子Q1に接続されている。そして、素子Q1とQ2との接続点がFETsw1のゲートに接続され、素子Q2のうち素子Q1との接続点とは反対側の端子がFETsw1とsw2との接続点に接続されている。
【0041】
他方、素子Q3及びQ4については、素子Q3の一端が電源端子Vcに接続され、両素子の接続点がFETsw2のゲートに接続されており、素子Q4のうち素子Q3との接続点とは反対側の端子がFETsw2(のソース)に接続されている。
【0042】
尚、これらの素子Q1乃至Q4に関して、制御回路7からDRV用のICに供給される制御信号によって各素子がそれぞれ制御されることは勿論である。
【0043】
本回路において、例えば、2つのFETのうち図の上方に位置したFETsw1をオン状態にするにあたっては、一旦、電源端子VcからダイオードD3を介してコンデンサC3を充電して電荷を蓄えておき、その電荷を用いて当該FETをオンさせる必要がある(素子Q1をオン状態にし、素子Q2をオフ状態にする。尚、このとき下方のFETをオフ状態とするためには、素子Q3をオフ状態にし、素子Q4をオン状態にすれば良い。)。
【0044】
起動回路5(図1参照。)は、放電灯6に起動用高電圧信号(起動パルス)を発生させて放電灯6に起動をかけるために設けられており、当該起動信号は直流−交流変換回路4の出力する交流電圧「Vout」に重畳されて放電灯6に印加される。つまり、起動回路5内には誘導性負荷成分(トリガートランスの2次巻線等のインダクタンス成分)が含まれており、放電灯6の一方の電極端子が誘導性負荷を介して2つのスイッチング素子sw1、sw2同士の接続点Aに接続され、他方の電極端子がグランド(GND)に接地されるか又は電流検出用抵抗「ri」(図2や図3に示した電流検出用抵抗を設けない場合)を介して接地される。
【0045】
放電灯6に係る電圧又は電流を検出するための検出回路としては、電流検出用抵抗「Ri」又は「ri」を用いて放電灯に流れる電流値を検出する電流検出回路8(図1参照。)の他に、放電灯の管電圧又はその相当電圧を検出するための電圧検出回路が挙げられる。尚、例えば、後者の例としては、直流電源回路3を構成する各DC−DCコンバータ3A、3Bの直後に電圧検出手段(例えば、分圧抵抗等を使って出力電圧を検出する回路)をそれぞれ設け、当該手段によって検出される出力電圧(Vdcp、Vdcn)の検出信号を放電灯6にかかる電圧の検出信号の代替信号として用いることができる。
【0046】
図5は、電流検出回路8の構成例を示すものであり、電流検出用抵抗Riによる電圧降下に対して非反転増幅回路及び反転増幅回路を互いに並列に設け、両者の出力電圧を選択的に出力する構成とされる。
【0047】
同図において、演算増幅器OP1は非反転増幅回路を構成しており、その非反転入力端子が抵抗R1aを介して上記検出端子「toi」(電流検出用抵抗Riと平滑用コンデンサC1、C2との接続点)に接続されている。尚、ダイオードD1aはそのカソードが演算増幅器OP1の非反転入力端子に接続され、そのアノードが接地されている(当該ダイオードD1aや後述するダイオードD2aは演算増幅器への入力電圧が負値に反転したときに当該演算増幅器を保護する目的で付設される。)。
【0048】
演算増幅器OP1の出力端子はダイオードD1bのアノードに接続され、該ダイオードD1bのカソードが電流検出出力端子「tDET」に接続されるとともに抵抗R2cを介して接地されている。そして、演算増幅器OP1の反転入力端子は抵抗R1bを介して接地されるとともに抵抗R1cを介してダイオードD1bのカソードに接続されている。尚、抵抗R1a、R1b、R1cの抵抗値は同じ値に設定されている。
【0049】
演算増幅器OP2は反転増幅回路を構成しており、その反転入力端子が抵抗R2aを介して検出端子「toi」に接続されている。尚、ダイオードD2aはそのカソードが演算増幅器OP2の反転入力端子に接続され、そのアノードが接地されている。
【0050】
演算増幅器OP2の出力端子はダイオードD2bのアノードに接続され、該ダイオードD2bのカソードが電流検出出力端子「tDET」に接続されるとともに抵抗R2cを介して接地されている。尚、演算増幅器OP2の反転入力端子は抵抗R2b(その抵抗値は抵抗R2aの抵抗値の2倍に設定されている。)を介してダイオードD2bのカソードに接続されており、また、演算増幅器OP2の非反転入力端子は接地されている。
【0051】
しかして、本回路では電流検出用抵抗Riにおける電圧降下分が、演算増幅器OP1による非反転増幅回路によって2倍の電圧に増幅され、他方、演算増幅器OP2による反転増幅回路によって「−2」倍の電圧に増幅される。そして、各演算増幅器の出力端子に設けられたダイオードD1b、D2bによって両者のうち高い方の電圧が選択されて、これが電流検出出力端子「tDET」から取り出される。即ち、放電灯6への供給電圧について、その極性が負極性の時には、演算増幅器OP1による非反転増幅回路の出力電圧が電流検出出力端子「tDET」に得られ、また、放電灯6への供給電圧の極性が正極性の時には、演算増幅器OP2による反転増幅回路の出力電圧が電流検出出力端子「tDET」に得られることになる。尚、こうして得られる検出電圧は放電灯6が点灯したか否かを判断するための信号や、放電灯6の点灯状態を判別して供給電力を規定するための信号等に用いられる。
【0052】
制御回路7(図1参照。)は電流検出回路8からの検出信号を含む放電灯6の状態検出信号に応じて当該放電灯の電圧若しくは電流又は供給電力を制御するために設けられており、直流電源回路3に対して制御信号(Sc)を送出することでこれらの出力電圧を制御したり、あるいは上記駆動回路DRVに制御信号(SD)を送出してブリッジの極性切換についての制御を行う。尚、放電灯6の点灯前には当該放電灯への供給電圧をあるレベルまで高めておくことで、放電灯6の点灯を確実にするための出力制御を行うことも制御回路7の役目である。
【0053】
また、放電灯6の点灯前には、制御回路7から駆動回路DRVに送出される制御信号により上記スイッチング素子sw1、sw2のオン/オフ状態が規定され、放電灯6の点灯前に直流−交流変換回路4から放電灯6に供給される電圧の極性が正極性又は負極性のいずれか一方に規定される。そして、上記した点灯前極性固定期間の長さが予め規定されている上限時間を越えたか否かを判断した上で当該電圧の極性を強制的に反転させるための極性反転手段(具体的な回路例については後述する。)が制御回路7内に設けられている。つまり、点灯前極性固定期間に対する制限時間を予め決定しておけば、当該時間を超えて放電灯への電圧極性が長時間に亘って継続することに起因する前記の不都合が解消される。
【0054】
上記した図1の回路を、2つの放電灯に係る点灯制御が可能な回路に拡張するためには、例えば、正極性及び負極性の直流出力を得るための直流電源回路として図3に示した構成を用いるとともに、図6に示す点灯回路1Aのように、4つの半導体スイッチング素子を使用したフルブリッジ型回路構成の直流−交流変換回路4Aを採用した場合において、2つの放電灯のうち、その一方の放電灯が既に点灯しており、他方の放電灯をこれから点灯させようとするに際して、上記したように、点灯済みの放電灯にかかる熱的ストレスが問題となる。
【0055】
図6において、4つのスイッチング素子のうち、互いに直列接続とされることにより第1の組をなすスイッチング素子sw1、sw2については、その一方sw1の一端がDC−DCコンバータ3′Aの出力端子に接続され、当該スイッチング素子sw1の他端がスイッチング素子sw2を介してDC−DCコンバータ3′Bの出力端子に接続されている。そして両スイッチング素子同士の接続点αに対して第1の放電灯6_1が起動回路5_1(内の誘導性負荷成分)を介して接続されている。
【0056】
また、互いに直列接続されることで第2の組をなすスイッチング素子sw3、sw4については、その一方sw3の一端がDC−DCコンバータ3′Aの出力端子に接続され、当該スイッチング素子sw3の他端がスイッチング素子sw4を介してDC−DCコンバータ3′Bの出力端子に接続されている。そして、両スイッチング素子同士の接続点βに対して第2の放電灯6_2が起動回路5_2(内の誘導性負荷成分)を介して接続されている。
【0057】
各放電灯6_1、6_2におけるそれぞれの電極端子のうち、上記接続点αやβに接続されない方の端子についてはいずれも接地されている。尚、上記した電流検出用抵抗Ri1、Ri2を用いない場合には、これに代わる検出用抵抗をそれぞれ介して各放電灯の一端を接地した構成を採れば良い。
【0058】
駆動回路DRV1、DRV2についてはともにハーフブリッジドライバ用ICが使用され、制御回路7Aからの信号をそれぞれ受けてブリッジの極性を規定する。
【0059】
複数のスイッチング素子sw1乃至sw4を有する直流−交流変換回路4Aにおいて、一方の駆動回路DRV1がスイッチング素子sw1、sw2のオン/オフ制御を担当し、他方の駆動回路DRV2がスイッチング素子sw3、sw4のオン/オフ制御を担当している。即ち、ある時刻において、駆動回路DRV1によりスイッチング素子sw1がオン状態、スイッチング素子sw2がオフ状態となるように各素子の状態が規定されたとすると、このとき、駆動回路DRV2によりスイッチング素子sw3がオフ状態、スイッチング素子sw4がオン状態となるように各素子の状態が規定される。また、別の時刻において、駆動回路DRV1によりスイッチング素子sw1がオフ状態、スイッチング素子sw2がオン状態となるように各素子の状態が規定されたとすると、このとき、駆動回路DRV2によりスイッチング素子sw3がオン状態、スイッチング素子sw4がオフ状態となるように各素子の状態が規定される。このようにしてスイッチング素子sw1とsw4とが同じ状態、スイッチング素子sw2とsw3とが同じ状態となって、これらが相反的に交番動作する。
【0060】
従って、2組のスイッチング素子のオン/オフ動作によって、例えば、第1の放電灯6_1に正極性の電圧が供給される間、第2の放電灯6_2には負極性の電圧が供給される(逆に、第1の放電灯6_1に負極性の電圧が供給される間、第2の放電灯6_2には正極性の電圧が供給される。)。
【0061】
尚、制御回路7Aからの制御信号(これらを「SD1」、「SD2」と記すが、その詳細については後述する。)は、アイソレータ9_1、9_2をそれぞれ経た上で各駆動回路DRV1、DRV2に送られる。つまり、図6に示す例では、各駆動回路における低電位側電圧(グランド電位)が負極性出力用DC−DCコンバータ3′Bからの出力電圧とされているので、この電圧に対してH(ハイ)レベルやL(ロー)レベルを規定するとともに、上記制御信号(2値状態信号)を受けて各スイッチング素子sw1乃至sw4のオン/オフ制御を行うのにアイソレーションが必要となる。勿論、アイソレート機能を具備したブリッジドライバ用ICを各駆動回路に使用するのであれば、上記制御信号をそれぞれの駆動回路に直接的に入力してやれば良い。
【0062】
上記した点灯回路1Aにおいて、2つの放電灯のうち、その一方の放電灯に供給される電圧の極性が正極性であるときに、他方の放電灯に供給される電圧の極性が負極性となるように素子sw1乃至sw4のスイッチング制御が行われる。従って、一方の放電灯が既に点灯している場合に、他方の放電灯が点灯したとすると、当該放電灯に対する点灯前極性固定期間中の制御が、既に点灯済みの放電灯に対しても同様に行われてしまうことになる。よって、点灯済みの放電灯にとってみれば、安定した状態で点灯しているにもかかわらず、この状態から長い期間に亘って電圧極性が固定されることになると、電極への負担(熱的ストレス)が増加してしまう。
【0063】
そこで、上記のような不都合を解消するためには、点灯前極性固定期間の長さがその許容上限値を越えて継続しないように制限することが好ましく、例えば、図7に示す回路構成例が挙げられる。
【0064】
図7は制御回路7Aのうち駆動回路(DRV1、DRV2)への制御信号を生成部分についてその要部の構成例10を示したものであり、本図において使用される各信号の意味は下記の通りである。
【0065】
・信号「LT1」=放電灯6_1に対する点灯指示信号
・信号「LT2」=放電灯6_2に対する点灯指示信号
・信号「SL1」=放電灯6_1の点消灯状態に係る判別信号
・信号「SL2」=放電灯6_2の点消灯状態に係る判別信号
・信号「SK1」=基準クロック信号(例えば、周波数1kHzの矩形波信号)
・信号「SK2」=基準クロック信号(例えば、周波数500Hzの矩形波信号)
・信号「SK3」=基準クロック信号(例えば、周波数2kHzの矩形波信号)
・信号「SR」 =強制反転指示信号(該信号がHレベルのときに放電灯への電圧極性が一時的に反転される。)。
【0066】
上記の信号LT1、LT2については、そのレベルがHレベルのときに放電灯の点灯が指示され、Lレベルのときに放電灯の消灯が指示されるものとし、また、信号SL1、SL2については、そのレベルがHレベルのときに放電灯の点灯状態が判別され、Lレベルのときに放電灯の消灯状態が判別されるものとする。尚、点消灯状態の判別回路としては、例えば、図5に示す回路の後段にコンパレータを設けて検出電流値を所定の基準値と比較することで放電灯の点消灯を判断する回路や、放電灯の発光量を検出してこれを基準値と比較して点消灯の如何を判断する回路等、各種形態が挙げられる。
【0067】
信号「SK1」は、図示しないクロック信号生成回路により発生された後、Dフリップフロップ11のクロック信号入力端子(CK)に送出される。尚、Dフリップフロップ11は、ローアクティブ入力のプリセット端子(「PR」の上にバー記号「 ̄」を付して示す。)及びリセット端子(「R」の上にバー記号「 ̄」を付して示す。)を備えており、そのD入力端子がQバー出力端子(「Q」の上にバー記号「 ̄」を付して示す。)に接続されている。そして、Q出力信号及びQバー出力信号が駆動回路DRV1、DRV2への制御信号SD1、SD2となる。
【0068】
点灯指示信号LT1は、2入力AND(論理積)ゲート12の一方の入力端子に供給され、当該ゲートの他方の入力端子には、放電灯6_1に係る判別信号SL1がNOT(論理否定)ゲート13を介して供給される。
【0069】
ANDゲート12の出力信号は、NOTゲート14を介して2入力OR(論理和)ゲート15の一方の入力端子に送出される。尚、ORゲート15の他方の入力端子には、後述するカウンタ(24)の出力信号がNOTゲート(26)を介して供給されるようになっている。
【0070】
そして、ORゲート15の出力信号はDフリップフロップ11のプリセット端子に供給される。
【0071】
放電灯6_2に係る点灯指示信号LT2は、2入力ANDゲート16の一方の入力端子に供給され、当該ゲートの他方の入力端子には、放電灯6_2に係る判別信号SL2がNOTゲート17を介して供給される。
【0072】
ANDゲート16の出力信号はNOTゲート18を介して2入力ORゲート19の一方の入力端子に送出される。尚、ORゲート19の他方の入力端子には、上記ANDゲート12の出力信号が供給されるようになっている。
【0073】
ORゲート19の出力信号は、後段に位置する2入力ORゲート20の一方の入力端子に供給され、当該ゲート20の他方の入力端子には、後述するカウンタ(24)の出力信号がNOTゲート(26)を介して供給されるようになっている。
【0074】
そして、ORゲート20の出力信号はDフリップフロップ11のリセット端子に供給される。
【0075】
上記ORゲート15、20の各出力信号は、2入力ANDゲート21にそれぞれ送出され、当該ゲートの出力信号は、カウンタ(バイナリ・カウンタ)22のリセット端子(RST)に供給される。
【0076】
カウンタ22のクロック信号入力端子(図にはローアクティブ入力の端子として、「CK」の上にバー記号「 ̄」を付して示す。)には、図示しないクロック信号発生回路からの信号SK2が供給されるようになっており、当該カウンタの出力端子「Q4」(段位を示す整数指標を「i」とするとき、「Qi」はi段目の出力端子を示す。)から得られる分周信号が後段の2入力ORゲート23の一方の入力端子に送出される。
【0077】
この2入力ORゲート23の他方の入力端子には、フルブリッジ型回路の構成素子(スイッチング素子sw1乃至sw4)に対する強制反転指示信号SRが供給されるようになっており、当該ゲートの出力信号が後段のカウンタ(バイナリ・カウンタ)24のリセット端子(RST)に供給される。尚、強制反転信号SRの生成回路に係る構成例については後で詳述する。
【0078】
カウンタ24のクロック信号入力端子(図にはローアクティブ入力の端子として、「CK」の上にバー記号「 ̄」を付して示す。)には、図示しないクロック信号発生回路からの信号SK3が2入力ORゲート25を介して供給されるようになっており、当該ゲート25の他方の入力端子にはカウンタ24の出力端子Q4からの信号が供給される。また、当該出力端子Q4から出力される信号はNOTゲート26を介して上記したORゲート15や20の入力端子にそれぞれ供給される。
【0079】
図8、図9は本回路の動作説明に必要な信号を示すタイミングチャート図であり、以下では、2つの放電灯のうちの一方6_1が既に点灯しているものとし、他方の放電灯6_2をこれから点灯させようとする状況を想定して説明する。尚、これらの図において、各信号の意味は以下の通りである。
【0080】
・「S11PR」=Dフリップフロップ11のプリセット端子への入力信号
・「S11R」 =Dフリップフロップ11のリセット端子への入力信号
・「S21」 =ANDゲート21の出力信号
・「S23」 =ORゲート23の出力信号
・「S26」 =NOTゲート26の出力信号
・「S11」 =Dフリップフロップ11の出力信号(「Q」がQ出力信号を示し、「Q」の上にバー記号「 ̄」を付して示す信号がQバー出力信号である。)。
【0081】
尚、信号「LT2」、「SL2」については既述の通りであり、図中に示す「H」はハイレベル、「L」はローレベルをそれぞれ示す。
【0082】
図8は放電灯6_2の点灯前の時点及び放電灯が問題なく点灯した後の時点を含む期間について回路動作を説明するための図である。
【0083】
点灯前には、放電灯6_2への点灯指示が出されているので信号LT2はHレベルとされ、また、放電灯6_2は消灯しているので信号SL2がLレベルである。よって、ANDゲート16の出力信号はHレベルであって、これがNOTゲート18を経ることで反転(論理否定)されてORゲート19に送られる。尚、放電灯6_1については上記した通り点灯中であるため、信号LT1、SL1ともにHレベル信号とされ、よってANDゲート12の出力がLレベルとなり、これがNOTゲート14を経て反転されてからORゲート15を介してDフリップフロップ11のプリセット端子に供給される。また、ORゲート19の出力信号がLレベルであり、カウンタ24からNOTゲート26、ORゲート20を介してDフリップフロップ11のリセット端子に供給される信号S26がHレベルである期間中(図の「Th」を参照。)は当該フリップフロップ11がリセットされないので、そのQ出力端子及びQバー出力端子に交番出力(信号SK1に関する2分の1分周信号)が得られるが、当該期間が経過すると信号S26がLレベルとなってDフリップフロップ11がリセット状態になる。
【0084】
そして、放電灯6_2が点灯するまでの間(点灯時点を図8に矢印「U」で示す。)、信号S21については信号S11PRとS11Rとの論理積演算によりLレベルである。
【0085】
カウンタ22による計時動作は、信号S21がHレベルからLレベルに変化した時点から開始されるが、そのQ4出力がLレベルである期間中(本例では16ミリ秒の間)は信号S23がLレベルであるため後段のカウンタ24はリセットされない(但し、信号SRについてはLレベルであるものとする。)。
【0086】
カウンタ24については信号S23がLレベルとなり、Q4出力がLレベルである間、信号SK3に基づく計時動作を行うが、所定時間(本例では4ミリ秒)が経過するとQ4出力がHレベルとなるので信号SK3を受け付けなくなる。
【0087】
こうして、信号S26がORゲート20を経てDフリップフロップ11のリセット端子にLレベル信号として供給されて当該フリップフロップがリセットされたままの状態が点灯時点まで続く。
【0088】
放電灯6_2が点灯すると、信号SL2がHレベルになるのでANDゲート16の出力信号がLレベルに変化し、その論理否定信号(Hレベル信号)がORゲート19、20を介してDフリップフロップ11のリセット端子に供給されるので、当該フリップフロップのリセットが解除される。
【0089】
そして、点灯時点から信号S21がHレベルに変化し、これがカウンタ22のリセット端子に供給されることで当該カウンタにリセットがかかる。尚、カウンタ24については信号S23がLレベルであるのでカウントアップしたままの状態とされて、Q4出力の論理否定信号S26はLレベルである。
【0090】
Dフリップフロップ11のリセット解除により、信号SK1に対する分周信号がQ出力端子及びQバー出力端子から得られるようになって、これらが信号SD1、SD2として駆動回路DRV1、DRV2にそれぞれ送出される。
【0091】
図9は放電灯6_2の点灯前の時点から所定の時間が経過しても放電灯が点灯しない状況について回路動作を説明するための図である。
【0092】
この場合には、信号S11RやS21、S26がHレベルからLレベルに変化した時点から規定時間が経過するまでの期間(図には「Tf」で示す。)が過ぎてもいっこうに放電灯6_2が点灯しないので、Hレベルであり続ける信号LT2に対して、信号SL2はLレベルのままとなる。
【0093】
従って、カウンタ22のQ4出力がHレベルとなり、後段のカウンタ24にリセットがかかって信号S26がHレベルとなった時点で信号S11R、S21がLレベルからHレベルに変化するので、これによってカウンタ24にもリセットがかかる結果、信号S23としてはパルス幅の狭いHレベル信号が得られる。
【0094】
信号S23がHレベルからLレベルに変化した時点からカウンタ24のリセットが解除され、そのQ4出力がHレベルになるまでの間、信号S11R、S21、S26がHレベルとなるので、Dフリップフロップ11のQ出力端子及びQバー出力端子から得られる交番出力が駆動回路DRV1、DRV2にそれぞれ送出される。
【0095】
その後に、信号S11R、S21、S26がLレベルとなったときには、再びDフリップフロップ11がリセット状態になる。
【0096】
尚、上記の例では説明を簡単化するために、放電灯が点灯した直後から規定周波数の電圧を放電灯に供給する構成を示したが、規定周波数の電圧をいきなり供給するのではなく、前記した点灯後極性固定期間を設けることができる(その詳細については後述する。)。
【0097】
また、放電灯が点灯状態から消灯状態に移行したことを検出し、そのときに、放電灯への供給電圧の極性を反転させることが好ましい。その理由は、例えば、放電灯の点灯直後に極性固定期間(点灯後極性固定期間)を設けた場合において、当該期間の前半期に放電灯が消灯したとすると、点灯前の極性が固定された状態のままになるため、場合によっては永遠に極性反転が行われない状況に陥ってしまう虞が生じるからである。
【0098】
このような不都合は回避するためには、例えば、図10及び図12に示す回路例から得られる出力信号を上記強制反転指示信号SRとして利用すれば良い。
【0099】
尚、回路構成の説明の前に信号について説明する。
【0100】
図11は放電灯の点消灯状態の判別信号(これを「SL」と記す。)及び当該信号に基づいて生成される信号(これを「SF」と記す。)を示すものである。
【0101】
両信号については、Hレベルが放電灯の点灯状態を示し、Lレベルが放電灯の消灯状態を示している点で共通性がある。しかし、信号SLでは、LレベルからHレベルへの変化時点が「t1」とされ、信号SFでは当該時点「t1」よりもやや遅れた時点「t2」でLレベルからHレベルに変化しており、また、両者にはHレベル期間の長さにも相違がある。つまり、信号SFの方が信号SLよりも図に「Td」で示す期間(「t3」に示す信号SLの立ち下がり時点から「t4」の時点に亘る期間)だけ信号幅が長くなっている。これは、放電灯の点灯状態から消灯状態への移行に対する検出感度を故意に落とすためであり(例えば、放電灯に流れる電流が瞬間的に低下しただけで放電灯の消灯状態が判断されてしまうと、一過性の判別信号が頻繁に発生することによる誤動作や過敏な応答制御等が問題となるので、このような事態を避ける必要がある。)、信号SFは信号SLに比べて反応が鈍感になっている。
【0102】
図10は信号SFの生成回路例27を示すものであり、ローアクティブ入力とされるプリセット端子及びリセット端子を備えたDフリップフロップを3つ縦列接続して各フリップフロップのQ出力信号について論理和信号を得る構成とされる。
【0103】
即ち、信号SLが初段のDフリップフロップ28のD入力端子に供給されるとともに、当該信号がNOTゲート29を介してプリセット端子(「PR」の上にバー記号「 ̄」を付して示す。)に供給されるようになっており、クロック信号入力端子(CK)には図示しない信号発生回路からのクロック信号(これを「SK」と記す。)が入力される。
【0104】
そして、Dフリップフロップ28のQ出力信号が次段のDフリップフロップ30のD入力端子に送出されるとともに3入力ORゲート31に送出される。
【0105】
Dフリップフロップ30のクロック信号入力端子(CK)にはクロック信号SKが供給され、そのQ出力信号が最終段に位置するDフリップフロップ32のD入力端子に送出されるとともに、3入力ORゲート31に送出される。
【0106】
Dフリップフロップ32についても、そのクロック信号入力端子(CK)にクロック信号SKが供給され、そのQ出力信号が3入力ORゲート31に送出される。
【0107】
この回路27では、信号SLの反転信号によって初段のDフリップフロップ28がプリセットされるので、この間にHレベルとなるQ出力が得られ、これが次段以降のDフリップフロップ30、32により信号SKの立ち上がり時点に同期して順次に遅れた信号となり、各DフリップフロップのQ出力信号の論理和信号として信号SFが得られる結果、図11に示したように信号SLに対して遅延の期間Tdが付加される。
【0108】
図12は強制反転指示信号SRの生成回路部について構成例33を示したものである。
【0109】
信号SFはNOTゲート34を介してDフリップフロップ35のD入力端子に供給されるとともに、2入力ANDゲート36の一方の入力端子に供給される。そして、Dフリップフロップ35のクロック信号入力端子(CK)には、図示しない信号発生回路からのクロック信号(これを「Sck」と記す。)が入力されるようになっており、Dフリップフロップ35のQバー出力信号がANDゲート36の残りの入力端子に供給される。
【0110】
そして、ANDゲート36の出力信号が上記信号SRとなって、これが図7のORゲート23に送られる。つまり、当該信号がHレベルの期間において、カウンタ24がリセットされるので信号S26がHレベルとなり、所定時間(4ミリ秒)の間500Hzの周波数をもってDフリップフロップ11の反転動作が行われることが分かる。
【0111】
尚、本回路の動作については、信号SFの反転信号がDフリップフロップ35のD入力信号とされるので、当該信号の立ち下がり時点以後における最初のクロック信号Sckの立ち上がり時点に同期してQバー出力信号がHレベルに変化するとともに、信号SFの反転信号が立ち上がった時点以後における最初のクロック信号Sckの立ち上がり時点に同期してQバー出力信号がLレベルに変化する。従って、Qバー出力信号と、信号SFの反転信号との論理積信号である信号SRは信号SFの立ち下がり時点に同期してHレベルとなった後に、Qバー出力信号の立ち下がり時点に同期してLレベルに変化するパルス信号である。
【0112】
この他、放電灯がブレークダウンした後に安定した点灯状態へと移行しなかった場合に、上記した信号SL及びSFの双方の信号を利用して強制反転指示信号SRを生成するための回路として、図13に示すような構成例37が挙げられる。
【0113】
本例と図12の構成との相違点は下記に示す通りである。
【0114】
・NOTゲート38への入力信号が信号SFではなく、放電灯に係る点消灯状態の判別信号SLとされており、当該ゲートの出力信号がDフリップフロップ39のD入力端子に供給されること。
【0115】
・Dフリップフロップ39のQバー出力信号及び上記NOTゲート38の出力信号が入力されるANDゲート40の後段に、さらに別の2入力ANDゲート41が配置されており、当該ゲートの入力端子の一方にはANDゲート40の出力信号が供給され、他の入力端子には信号SFがNOTゲート42を介して供給され、ANDゲート41の出力信号が強制反転指示信号SRとなること。
【0116】
尚、本回路は、信号SFが応答できないような短時間の点灯時において信号SRが発生されるように動作する。即ち、上記したように信号SFは放電灯の点消灯状態の検出感度において信号SLよりも反応が鈍感であるため、例えば、放電灯のブレークダウン時等において、信号SLが短い幅でHレベルのパルス信号となっても信号SFについては依然Lレベル信号のままといった状況が生じる。この場合には、幅狭のHレベル信号SLが反転されてDフリップフロップ39のD入力端子に供給されるとともにクロック信号SckがDフリップフロップ39のクロック信号入力端子に供給されるため、クロック信号Sckの前縁に同期してDフリップフロップ39のQバー出力端子には幅狭のHレベル信号が得られ、これと信号SLの反転(論理否定)信号との論理積演算結果及び信号SFの論理否定信号(Hレベル信号)との論理積演算出力がパルス信号となって、図7のORゲート23に送られる。よって、当該信号がHレベルの期間において、カウンタ24がリセットされるので信号S26がHレベルとなり、所定時間(4ミリ秒)の間500Hzの周波数をもってDフリップフロップ11の反転動作が行われる。
【0117】
しかして、図7に示す回路構成において、放電灯への供給電圧極性を直接的に決めているのはDフリップフロップ11の各出力であるが、放電灯6_1に関する各論理ゲート12乃至15を経てDフリップフロップ11のプリセット端子にLレベル信号が供給された時にはそのQ出力信号が強制的にHレベルとなり、また、放電灯6_2に関する各論理ゲート16乃至20を経てDフリップフロップ11のリセット端子にLレベル信号が供給された時にはそのQ出力信号が強制的にLレベルとなるので、これらの回路素子によって極性規定手段が構成されていることが分かる。
【0118】
そして、Dフリップフロップ11が信号SK1に応じて反転動作するのは、プリセット端子及びリセット端子にHレベル信号が供給されている場合である。即ち、計時手段であるカウンタ22のQ4出力信号がHレベルとなったときの瞬間的なパルス信号又は図12や図13に示した回路(33、37)からのパルス信号SRがORゲート23を介してカウンタ24に送出されることで当該カウンタがリセットされるので、そのQ4出力信号の論理否定信号がHレベルとなってこれがORゲート15、16を介してDフリップフロップ11のプリセット端子及びリセット端子に供給される結果、カウンタ24の設定時間で決まる期間中、Dフリップフロップ11はその反転動作が許可される。つまり、これらの回路素子(21乃至26)によって極性反転手段が構成されていることが分かる。
【0119】
このようにして、点灯前極性固定期間の長さが規定時間を超えないように制限されるので、例えば、図4に示すようなブートストラップ方式の回路において、スイッチング素子のオン状態を維持する時間についても時間制限がかかり、よってコンデンサの容量を大きくする必要がなくなる。
【0120】
また、2つの放電灯に係る点灯回路において、一方の放電灯が既に点灯している場合に、他方の放電灯を点灯させるときには、点灯前極性固定期間の長さについて時間制限がかかるので、当該放電灯の電極に過大な熱的ストレスが加わらないようにすることができる。
【0121】
次に、放電灯の点灯後極性固定期間に対する時間的制限について説明する。
【0122】
図14は放電灯に供給される矩形波状電圧を概略的に示したものであり、矢印Uで示す時点で放電灯が点灯したものとして、点灯後極性固定期間「Tdc」(そのうち、「Tdcf」が前半期、「Tdcr」が後半期をそれぞれ示す。)に示す直流点灯の後に規定の点灯周波数へと移行する様子を示している。
【0123】
本制御では、期間「Tdc」の長さが電流値の大小によって変化することになる。
【0124】
尚、電流値(I)と時間(t)に対してその電流時間積(=I・t)の値(設定値)については、これが大きいほど放電灯の点灯性能が良くなるが、その反面、放電灯の点灯直後に放電状態が不安定になる虞が生じるので、積値の設定には注意を要する。また、Tdcの期間長が長すぎる場合に、放電灯の電極に熱的なストレスがかかり、短寿命化等をもたらす虞があることにも配慮すべきである。
【0125】
例えば、「I・t=30(A・mS)」に設定したと仮定した場合に、放電灯に流れる電流値が2Aであるとすると、Tdcの期間長が15mSとなるし、また、電源電圧の低下等によって点灯回路の電力供給能力が下がってしまい、放電灯に流れる電流値が1.2Aになってしまった時には、Tdcの期間長が25mSにまで長くなる。このように放電灯の状態を電流値に基づいて判断し、直流−交流変換回路の出力電圧に係る極性切換のタイミングを制御する(つまり、電流値が小さいときほど、極性切換の時点を遅くする。)ことで、放電灯の立ち消えの頻度を低減することができる。
【0126】
ところで、放電灯に流れる電流値が小さいときには、下記に示す不都合が生じるために、その解決策が必要となる。
【0127】
例えば、放電灯が消灯した時点から未だ間もないときには、当該放電灯が暖まっており、この状態で放電灯を点灯させる場合を想定する。
【0128】
このとき放電灯に流れる電流値が仮に0.3Aであるとすると、上記した電流時間積の設定値によれば、直流点灯の期間長が100mSとなり、かなり長い。これが放電灯の寿命に対して顕著に影響してしまうということはないが、例えば、図4に示すようなブートストラップ式の回路構成を採用した場合にはコスト面で不利である。
【0129】
即ち、この方式では、コンデンサC3の蓄積電荷が無くなったり、電荷量が不足した場合に、上段のFETについてそのオン状態を維持することができなくなる。このような事態の発生原因にはFETのゲートのリークやブリッジ駆動回路内部でのリーク等が挙げられ、これをゼロアンペアにすることは困難である。よって、FETのオン状態を維持する時間が長ければ長い程、コンデンサC3の静電容量を大きく設定する必要が生じるので、これがコスト上昇の原因となってしまうことになる。
【0130】
そこで、上記のような不都合を解消するためには、点灯後極性固定期間の長さを単に電流時間積により決定するだけでなく、当該期間の長さがその上限値を越えて継続しないように時間制限を課すことが好ましく、例えば、図15に示す回路例が挙げられる。
【0131】
図では、制御回路において駆動回路(DRV1、DRV2)への制御信号の生成部分についてその要部の構成例100を示している(図には一方の放電灯に関する部分だけを示す。)。
【0132】
2つのコンパレータ101、102は、放電灯に流れる電流を示す電流検出信号(図にはこれを電流値として表現するために電流源の記号で示し、その電流値を「IL」と記す。)によって充電されるコンデンサCTの端子電圧を、所定の基準電圧とそれぞれ比較するために設けられている。
【0133】
一方のコンパレータ101については、その正入力端子がコンデンサCTの一端に接続され、その負入力端子には所定の基準電圧(図にはこれを定電圧源の記号で示し、その電圧値を「VREF」と記す。)が供給される。また、他方のコンパレータ102については、その正入力端子がコンデンサCTの一端に接続され、その負入力端子が抵抗103を介して電圧源VREFに接続されるとともに、抵抗104を介して接地されている。尚、抵抗103、104についてそれらの抵抗値は等しい。
【0134】
コンパレータ102の出力段にはDフリップフロップ105が設けられており、そのD入力端子にはコンパレータ102の出力信号が供給される。尚、当該フリップフロップのクロック信号入力端子(CK)には、図示しない信号発生回路からのクロック信号(これを「SK2」と記す。)が供給される。
【0135】
そして、2入力AND(論理積)ゲート106において、その一方の入力端子には、Dフリップフロップ105のQバー出力端子(図にはQの上にバー記号「 ̄」を付して示す。)からの信号が供給され、他方の入力端子にはコンパレータ102の出力信号が供給される。
【0136】
コンパレータ101の出力信号は、2入力ANDゲート107の一方の入力端子に送出され、当該ANDゲートの他方の入力端子には、図示しない信号発生回路からのクロック信号(これを「SK1」と記す。)が供給される。当該ANDゲート107及び上記ANDゲート106の各出力信号は、2入力OR(論理和)ゲート108に送られ、当該ORゲートの出力信号はDフリップフロップ109のクロック信号入力端子(CK)に供給される。
【0137】
Dフリップフロップ109は、その出力信号が上記駆動回路DRV1、DRV2への制御信号となるものであり、そのD入力端子がQバー出力端子に接続されて当該端子から得られる信号が制御信号SD2となる。また、そのQ出力端子から得られる信号が制御信号SD1となる。尚、Dフリップフロップ109はLアクティブ入力のリセット端子(図にはRの上にバー記号「 ̄」を付して示す。)を有しており、当該端子には図示しない点灯状態判別回路(例えば、図5に示す回路の後段にコンパレータを設けて検出電流値を所定の基準値と比較することで放電灯が点灯したか否かを判別する回路等。)からの状態判別信号(これを「SL」と記し、本信号のレベルがHレベルのときに放電灯の点灯を意味し、Lレベルのときに放電灯の消灯を意味するものとする。)が供給される。
【0138】
Dフリップフロップ105の下方に示すカウンタ(バイナリ・カウンタ)110については、そのリセット端子(RST)に上記ANDゲート106の出力信号が2入力ORゲート111を介して供給される。尚、ORゲート111の他方の入力として、上記状態判別信号SLがNOT(論理否定)ゲート112を介して供給される。また、カウンタ110のクロック信号入力端子(CK)には、上記クロック信号SK1が2入力ORゲート113を介して供給されるようになっており、カウンタ110の出力端子(Q3、Q4。尚、段位を示す整数指標を「i」とするとき、「Qi」はi段目の出力端子を示す。)から得られるそれぞれの信号は、2入力ANDゲート114に送出される。
【0139】
2入力ANDゲート114の出力信号は、上記ORゲート113に送出されるとともに、アナログスイッチ素子115(図には、バイポーラ素子やユニポーラ素子等の如何を問わずに使用できるように、半導体素子を略記号で示す。)の制御端子(FETの場合にはゲート)に送出される。
【0140】
アナログスイッチ素子115の非制御端子については、その一方の端子に所定電圧VREFが供給され、他方の端子が抵抗116を介してコンデンサCTの一端及びコンパレータ101、102の正入力端子に接続されている。
【0141】
尚、上記したクロック信号SK1の周波数については、例えば、500Hz程度とされ、また、クロック信号SK2の周波数については、放電灯の点灯周波数に比べて充分に高い周波数(数十キロHz)に設定すれば良い。
【0142】
図16及び図17は上記した回路における主要な信号波形を示すものであり、各信号の意味は以下の通りである。
【0143】
・「VREF/2」=基準電圧VREFの示すレベルに対してその半分のレベル
・「V_CT」=コンデンサCTの端子電位
・「CMP102」=コンパレータ102の出力信号
・「CMP101」=コンパレータ101の出力信号
・「S_106」=ANDゲート106の出力信号
・「S_114」=ANDゲート114の出力信号
・「S_108」=ORゲート108の出力信号。
【0144】
尚、信号「SL」については既述の通りであり、図中に示す「H」はハイレベル、「L」はローレベルをそれぞれ示す。
【0145】
上記の回路10では、コンデンサCTが充電されてその端子電圧がVREFに達するまでの期間が、点灯後極性固定期間に相当しており、放電灯に係る電流検出値が大きいほどコンデンサCTの充電時間が短くなるので、これに伴って上記TdcfやTdcrの期間長が短くなる。
【0146】
図16は直流点灯の期間に対して時間制限がかからない場合(つまり、放電灯の電流検出値から決まる極性固定期間の長さがその上限値未満の場合)について回路の動作状況を示したものである。
【0147】
点灯させたい放電灯が消灯している場合には、状態判別信号SLがLレベルになっているため、Dフリップフロップ109がリセットされてそのQ出力信号がLレベルとなっている。そして、状態判別信号SLがNOTゲート112を介してHレベル信号に反転されてカウンタ110のリセット端子RSTに供給されて該カウンタがリセット状態となっているので、カウンタ110の後段に位置するANDゲート114の出力信号はLレベルである(よって、アナログスイッチ素子115がオフ状態である。)。
【0148】
その後に、放電灯が点灯すると、状態判別信号SLのレベルがHレベルに変化し、Dフリップフロップ109に対するリセットが解除されてクロック入力待ちの状態となり、同時にコンデンサCTの端子電圧が上昇し始める。それから当該端子電圧がVREF/2に達するとコンパレータ102の出力信号がHレベルとなってANDゲート106の出力にHレベルのパルスが出て、これによりカウンタ110がリセットされると同時に、Dフリップフロップ109の出力信号が反転する。つまり、放電灯が点灯した時点からDフリップフロップ109の出力反転までの期間が前記した前半期Tdcfに相当する。
【0149】
コンデンサCTの端子電圧がさら上昇した後、最終的にVREFに達すると、この時点でコンパレータ101の出力信号がHレベルになる。よって、この信号とクロック信号SK1との論理積信号がORゲート108を介してDフリップフロップ109のクロック信号入力端子に供給されるので、当該フリップフロップによる2分の1の分周出力(周波数=250Hz)が信号SD1、SD2として得られることになる。この間の期間、つまり、「V_CT=VREF/2」の時点から「V_CT=VREF」の時点までの期間が前記した後半期Tdcrに相当する。
【0150】
カウンタ110については、NOTゲート112からの信号がLレベル(つまり、信号SLがHレベル)であって、かつ、ANDゲート106の出力信号がLレベルのときからリセットが解除され、信号SK1を受けてカウントアップ動作を始める。その後、Q3出力信号及びQ4出力信号で決まる基準時間(本例では24ミリ秒)が経過した時点でANDゲート114の出力信号がHレべルとなってこれがORゲート113に送出されるので、カウントアップを停止した状態になる。
【0151】
図17は直流点灯の期間に対して時間制限がかかった場合(放電灯の電流検出値から決まる極性固定期間の長さがその上限値以上の場合)について回路の動作状況を示したものである。
【0152】
この場合には、放電灯が点灯した後に、コンデンサCTの端子電圧についてその上昇の度合が小さい(∵検出電流値が小さいから。)ので、当該端子電圧がVREF/2に達するまでに時間がかかることになる。そして、上記の基準時間を経過してしまうと、ANDゲート114の出力信号がHレベルとなるため、アナログスイッチ素子115がオン状態となる。これによりコンデンサCTが抵抗116を介してVREFの電圧源に接続されるので端子電圧V_CTが一気に上昇し、これがVREF/2に達するとコンパレータ102の出力信号がHレベルとなる。よって、上記と同様にカウンタ110のリセット及びDフリップフロップ109の反転動作が行われる。
【0153】
そして、ANDゲート114の出力信号がLレベルとなってから、端子電圧V_CTがまたしても徐々にしか上昇せずに上記基準時間が経過してしまったときには、ANDゲート114の出力信号がHレベルとなるので、アナログスイッチ素子115がオン状態となる。これによってV_CTが一気に上昇してVREFに達した時点でコンパレータ101の出力信号がHレベルとなるので、上記したようにDフリップフロップ109による分周出力が信号SD1、SD2として得られることになる。
【0154】
しかして、上記した回路では、期間Tdcf、Tdcrの長さを所定の基準時間以内に制限するために、カウンタ110が基準時間の計時手段として設けられており、基準時間の経過時にはアナログスイッチ素子115を介してコンデンサCTを強制的に充電することによって時間制限手段(110、115、116を含む。)を構成しているので、放電灯に係る電流検出値が小さい場合でも、直流点灯の期間(Tdcf、Tdcr)が必要以上に長く継続することがないように時間制限の作用が働く。
【0155】
よって、図4に示すようなブートストラップ方式の回路において、スイッチング素子のオン状態を維持する時間についても時間制限がかかるので、コンデンサの容量を大きくする必要がない。
【0156】
また、2つの放電灯に係る点灯回路において、一方の放電灯が既に点灯している場合に、他方の放電灯が点灯したときには、点灯後極性固定期間について時間制限がかかるので、電極への熱的ストレスを抑えることができる。
【0157】
尚、上記した基準時間(制限時間)の設定値については、放電灯の寿命や点灯性能に対する影響を考慮して決定すべきである(つまり、基準時間が必要以上に長い設定では既に点灯している放電灯の寿命を縮める虞が生じるとともにブートストラップコンデンサの容量増加を余儀なくされることになり、反対に基準時間が短かすぎると点灯性能の悪化を招く虞があるので、両事項を勘案して基準時間を決めれば良い。)。また、上記の例では期間Tdcf、Tdcrに対する基準時間値をともに等しい値に設定することで回路構成を簡単化を図るようにしたが、各期間について異なる基準時間値をそれぞれ設定しても良いことは勿論である。
【0158】
以上では、点灯前極性固定期間や点灯後極性固定期間に対する時間制限の方法について説明したが、これらのみでは、前記したように放電灯の劣化や短寿命化についての防止対策としては万全ではないため、それらの極性固定期間において放電灯に流れる電流が予め決められた制限電流値を超えないように規制することが望ましい。つまり、放電灯を良好に点灯させる場合には、その点灯前若しくは点灯後又は点灯前及び点灯後において、直流−交流変換回路から放電灯に供給される電圧の極性が正極性又は負極性のいずれか一方に規定される極性固定期間を設けることが有効であるが、それに加えて、点灯前極性固定期間又は点灯後極性固定期間において放電灯に流れる電流の最大値を制限することによって、放電灯の劣化等を極力防ぐことができる。さらに好ましくは、これらの極性固定期間中における放電灯の電流値と、当該期間に対する時間制限の上限時間との積を、放電灯に許容される電流時間積以下の値に設定すれば、最適な供給電流及び時間をもって放電灯を点灯させることができるので、例えば、複数の放電灯を点灯させる場合において、点灯済みの放電灯に対して過大な電流が供給されることがなくなる。
【0159】
図18はPWM(パルス幅変調)制御方式の制御回路について説明するためのものであり、PWM制御を用いた直流−直流変換回路の出力制御については良く知られているので(勿論、他の制御方式への適用も可能である。)、その要部だけを示す。尚、本図には1つの放電灯についての回路例を示すが、放電灯の数が複数の場合にも容易に拡張できることは、以下の説明から明らかである。
【0160】
エラーアンプ200の正側入力端子には所定の基準電圧「Eref」(図には定電圧源の記号で示す。)が供給され、負側入力端子には、下記に示す回路が接続されている(括弧内の数字は符号を示す。)。
【0161】
・放電灯にかかる電圧検出回路(201)
・放電灯に流れる電流検出回路(202)
・最大投入電力規定回路(203)
・定常電力調整回路(204)
・最大電流制限回路(205)。
【0162】
これらのうち、電圧検出回路201や電流検出回路202は、放電灯についての電圧検出や電流検出を行うものである。
【0163】
放電灯の点灯制御について、当該放電灯が安定するまでの過渡域と、安定した定常点灯が行われる定常域とに分けた場合に、最大投入電力規定回路203は、放電灯を冷えた状態から点灯する場合(所謂コールドスタート)等において過渡域での供給電力値の最大値(あるいは上限許容値)を規定するための回路である。また、定常電力調整回路204は定常域での定電力制御における供給電力値を微調整するのに必要な回路である。
【0164】
最大電流制限回路205は、放電灯に流れる電流検出回路202からの検出信号を受けて、点灯前極性固定期間又は点灯後極性固定期間、あるいは両期間に亘って放電灯に流れる電流がその最大値として予め規定されている電流値を超えないように制限するために設けられている。
【0165】
尚、本構成では、エラーアンプ200の出力電圧が大きい程、放電灯への供給電力が増大するようになっており(エラーアンプはその負側入力電圧が基準電圧Erefに等しくなるように直流電源回路の出力電圧を調整する。)、エラーアンプ200の出力電圧は、図示しないPWM制御部(PWM制御用の汎用IC等を用いて構成される回路部であり、入力電圧と鋸歯状波とのレベル比較結果に応じてデューディーサイクルの変化するパルス信号を生成する。)や駆動回路等を経て直流電源回路(直流−直流変換回路)内のスイッチング素子(半導体素子)への制御信号に変換される。尚、PFM(パルス周波数変調)制御等に適用する場合には、エラーアンプ200の出力を当該制御に要する回路部に送出すれば良い。
【0166】
また、図中にA1乃至A5で示す矢印は、各部がエラーアンプ200への入力電流に対する寄与分をそれぞれ表しており、矢印の向きが各部による制御電流の向きの基準となる。例えば、電圧検出回路201(矢印A1を参照。)や最大投入電力規定回路203(矢印A3を参照。)についてはそれらの制御電流の向きがエラーアンプ200から遠ざかる向き(電流シンクの方向)とされているので、この向きに流れる電流値が大きくなる程、放電灯への供給電力が大きくなる。これとは逆に、電流検出回路202(矢印A2を参照。)や最大電流制限回路205(矢印A5を参照。)についてはその制御電流の向きがエラーアンプ200に近づく向き(電流ソースの方向)とされているので、この向きに流れる電流値が大きくなる程、放電灯への供給電力が小さくなる。尚、定常電力調整回路204による制御電流については両矢印A4で示すとおり、どちらの向きでも電力調整ができ、エラーアンプ200から遠ざかる向きに調整した場合には定常域での供給電力が増える(逆にエラーアンプに近づく向きに調整した場合には定常域での供給電力が減る。)。
【0167】
過渡域では、電圧検出回路201や電流検出回路202、最大投入電力規定回路203による制御電流の寄与によって放電灯への供給電力が当該放電灯の点灯状態に応じて規定される。例えば、放電灯にかかる電圧が低い場合には放電灯に大きな電力が投入されるし(但し、電圧検出回路201から最大投入電力規定回路203に向かう矢印から分かるように、その最大電力値は検出電圧を参照して決定される。)、また、放電灯に流れる電流が大きくなれば、放電灯への供給電力を減少させようとする。
【0168】
放電灯の定常域における定電力制御については、管電圧を「V」、管電流を「I」とし、定格電力値を「W」とするとき、「V・I=W」の関係式、あるいはこれに対して直線近似から得られる関係式「V+I=W」等が成立するように制御が行われることは周知の通りである(さらに近似を良くするためには、多数の折れ線を用いて定電力曲線に対する近似を行うように電圧検出回路や電流検出回路の構成を複雑にすれば良いが、部品点数の増加に伴うデメリットを考慮する必要が出て来る。)。
【0169】
そして、定常域では最大投入電力規定回路203による制御電流がないと考えて良いので、電圧検出回路201や電流検出回路202、定常電力調整回路204による制御電流が合計でゼロアンペアとなるように制御される(即ち、この状態ではエラーアンプ200における入力電圧と基準電圧との均衡が保たれているが、これが崩れた場合に、例えば、入力電圧が低くなれば、アンプの出力電圧が増加して供給電力が増加し、逆に入力電圧が高くなればアンプの出力電圧が下がって供給電力が減少することになる。)。
【0170】
尚、上記のように、放電灯を起動させる際の点灯前極性固定期間又は点灯後極性固定期間における放電灯の電流制限に関与するのが、最大電流制限回路205であり、当該期間中に放電灯に流れる電流の検出値が、予め決められた閾値を超えた場合に、矢印A5に示す向きに電流が流れ、その結果として放電灯に流れる電流値が制限される。
【0171】
図19は極性固定期間において制限電流を厳しくするための最大電流制限回路205の構成例を示したものである。
【0172】
演算増幅器206において、その非反転入力端子には放電灯の電流検出回路からの検出信号(前記のtDET等)が直流電圧として供給され、演算増幅器206の反転入力端子については、直列の抵抗207、208を介して接地されるとともに、抵抗209を介して演算増幅器206の出力端子に接続されている。
【0173】
抵抗208に対して並列に設けられたスイッチ素子210(図には、簡略記号で示すが、電界効果トランジスタによるアナログスイッチ等を使用する。)については、点灯前極性固定期間又は点灯後極性固定期間であるか否かを示す判定信号(これを、「Sp」と記す。)によってオン/オフ制御がなされ、点灯前極性固定期間又は点灯後極性固定期間であるという判定が得られた場合にスイッチ素子210がオン状態となって抵抗207と208との接続点を接地電位とする。尚、点灯前極性固定期間であることを検知するためには、図8に示した信号S21を利用すれば良く、当該信号がLレベルとなった期間中が点灯前極性固定期間である(判定信号としては、S21の論理否定信号を使えば良い。)。また、点灯後極性固定期間であることを検知するためには、図15に示した2つのコンパレータ101、102のどちらかの出力信号がLレベルであって、かつ点灯信号SLがHレベルである期間中が点灯後極性固定期間である(判定信号としては、CMP101の論理否定信号とCMP102の論理否定信号との論理和をとったものと、信号SLとの論理積をとった信号、あるいは同じことであるが、CMP101とCMP102との論理積をとった信号の論理否定信号と、信号SLとの論理積信号を使えば良い。)。
【0174】
演算増幅器206の出力信号は、後段のバッファ211を構成する演算増幅器212の非反転入力端子に送られる。尚、当該演算増幅器212の出力端子には順方向のダイオード213が接続されており、当該ダイオードのカソードが抵抗214を介して上記エラーアンプ200の負入力端子に接続されるとともに、演算増幅器212の反転入力端子に接続されている。
【0175】
本回路では、点灯前極性固定期間又は点灯後極性固定期間が検知された場合にスイッチ素子210がオン状態となって、演算増幅器206の増幅率が大きくなるため、スイッチ素子210がオフ状態の場合に比して、より少ない電流によって上記矢印A5の電流が流れ始め、その結果、放電灯に流れる電流が制限されて電流値が小さくなる。
【0176】
尚、点灯前極性固定期間及び点灯後極性固定期間について電流時間積が規定値以下となるように電流制限を行うには、これらの極性固定期間の判定信号の論理和をとった信号をスイッチ素子210に供給すれば良く、また、点灯前極性固定期間と点灯後極性固定期間の前半期間(図14の「Tdcf」参照。)での電流時間積が規定値以下となるように電流制限を行う(つまり、同一極性に亘る期間中の電流時間積が規定値を超えないようにする。)等、各種の実施形態が可能であることは勿論である。
【0177】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、請求項1に係る発明によれば、放電灯の点灯前や点灯直後に当該放電灯への供給電圧極性を一方の極性に固定することで放電灯の良好な点灯性を保証するとともに、極性固定期間中には、放電灯に流れる電流値を制限することによって、放電灯への熱的ストレスによる劣化等を防止することができる。よって、例えば、既に点灯している先の放電灯に対して、後に点灯させる放電灯が点灯する際の当該放電灯に対する出力極性の一時固定制御によって先の放電灯にかかる熱的ストレスの影響を少なくすることができ、劣化や短寿命化を防止することができる。
【0178】
放電灯への供給電圧極性を一時的に固定する期間長に対して制限を設けることにより、一方の放電灯が点灯している状態で他方の放電灯を点灯させる際には、前者についての極性固定状態が必要以上の長時間に亘って継続されることがないので、放電灯の電極に対して過度の熱的ストレスを与える虞がなくなる。そして、極性固定期間中における放電灯の電流時間積が、放電灯に許容される電流時間積を超えることがないように設定することで、熱的ストレスに起因する弊害について充分な対策を講じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放電灯点灯回路の基本構成を示す回路ブロック図である。
【図2】直流電源回路の構成例を示す回路図である。
【図3】直流電源回路の構成例について別例を示す回路図である。
【図4】ブートストラップ式駆動回路の構成について説明するための図である。
【図5】電流検出回路の構成例を示す回路図である。
【図6】2つの放電灯を点灯させる場合の回路構成例を示す図である。
【図7】制御回路の要部について構成例を示す回路図である。
【図8】図9とともに図7に示す回路の動作について説明するためのタイミングチャート図であり、本図は放電灯が正常に点灯した場合の状況を示す。
【図9】所定時間が経過しても放電灯が点灯しない場合の回路動作を説明するための図である。
【図10】放電灯の点消灯状態に係る判別信号SLに基づいて故意に検出感度を下げた信号SFを得るための回路例を示す図である、
【図11】図10の信号SL、SFを示すタイミングチャート図である。
【図12】強制反転指示信号の生成回路について一例を示す回路図である。
【図13】強制反転指示信号の生成回路について別例を示す回路図である。
【図14】点灯後極性固定期間について説明するための図である。
【図15】点灯後極性固定期間の長さを制限するための制御について回路構成例を示す回路図である。
【図16】点灯後極性固定期間に対して時間制限がかからない状況について図15に示す回路の動作を説明するための図である。
【図17】点灯後極性固定期間に対して時間制限がかかった状況について図15に示す回路の動作を説明するための図である。
【図18】放電灯の点灯制御に関する制御回路についてその要部の構成を示す図である。
【図19】最大電流制限回路の構成例を示す回路図である。
【図20】放電灯に供給される矩形波出力の電流波形を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1、1A…放電灯点灯回路、3、3′…直流電源回路、4、4A…直流−交流変換回路、6、6_1、6_2…放電灯、21乃至26…極性反転手段、205…制限回路、sw1、sw2、sw3、sw4…スイッチング素子、DRV、DRV1、DRV2…駆動回路

Claims (1)

  1. 正極性及び負極性の直流電圧を出力する直流電源回路と、該直流電源回路の出力電圧を、複数のスイッチング素子によって交流電圧に変換した後に複数の放電灯にそれぞれ供給するための直流−交流変換回路とを備えた放電灯点灯回路において、
    (イ)上記直流電源回路の2つの出力端子からそれぞれ出力される正極性及び負極性の電圧が上記直流−交流変換回路に送出されること、
    (ロ)上記直流電源回路の出力電圧を切り換えるために上記直流−交流変換回路内に設けられた2対のスイッチング素子がフルブリッジ型の回路構成をしており、各スイッチング素子がそれらの駆動回路によって対をなして交番動作されることで生成される交流電圧が各放電灯に供給されるようにしたこと、
    (ハ)複数の放電灯のうち、ある放電灯を点灯させる場合には、当該放電灯の点灯前又は点灯後に直流−交流変換回路から放電灯に供給される電圧の極性が正極性又は負極性のいずれか一方に規定される極性固定期間を設け、該極性固定期間に上記スイッチング素子の状態が一時的に固定され、当該放電灯の点灯後又は点灯後であって上記極性固定期間の経過後に当該スイッチング素子の交番動作が行われること、
    (ニ)上記極性固定期間中に、予め規定されている上限時間を越えると放電灯に供給される電圧の極性を強制的に反転させる極性反転手段を設けるとともに、上記極性固定期間中の放電灯に流れる電流が予め決められた制限電流値を超えないようにするための制限回路を設け、上記極性固定期間における放電灯の電流値と、上記上限時間との積を、放電灯に許容される電流時間積以下に設定したこと、
    を特徴とする放電灯点灯回路。
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