JP3742028B2 - カラー舗装用バインダー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカラー舗装用バインダー組成物に関する。特に、歩道舗装、車道舗装、透水・排水舗装ならびに公園・広場などの舗装に適用可能なカラー舗装用バインダー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー舗装用バインダー組成物としては、液状軟化剤に潤滑油留分あるいは溶剤脱れき油をフルフラール溶剤などの溶剤で抽出した芳香族油、粘着付与樹脂に石油樹脂、熱可塑性高分子化合物にスチレン−ブタジエン系のポリマーなどを用いたものが知られている。
しかし近年、これら芳香族油に含まれる多環芳香族炭化水素の人体、環境に対する有害性が問題となっており、多環芳香族炭化水素を低減したカラー舗装用バインダー組成物の開発が急がれている。
また、芳香族油や石油樹脂を使用した従来のカラー舗装用バインダーは褐色もしくは緑色を帯びた褐色の色相を示す組成物となり、しかも骨材やフィラーとの加熱混合時あるいは施工後の供用時に酸化劣化によりバインダーの色相が悪化するという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、組成成分的に人体・環境に対し優しいカラー舗装用バインダー組成物を提供し、併せて、色相に優れ、加熱時、供用時に色相変化が小さなカラー舗装用バインダー組成物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】
本発明者は上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、液状軟化剤として多環芳香族炭化水素の含有量が一定以下であり、かつ芳香族成分(%CA)、動粘度および引火点についても特定の値を有する石油系重質油を用い、さらに粘着付与樹脂として水添により分子中の二重結合を完全にまたは部分的に排除した石油樹脂を用いることにより、そして熱可塑性高分子化合物として好ましくはスチレンとブタジエンのブロック共重合体を用い、これらを特定の割合で組み合わせることにより、上記の2つの課題が同時に、しかも大幅に改善できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0005】
すなわち、本発明は、液状軟化剤、粘着付与樹脂および熱可塑性高分子化合物を配合して成るカラー舗装用バインダー組成物であって、液状軟化剤が、多環芳香族含有量が3質量%未満、芳香族分(%CA)が15%以下、40℃における動粘度が300mm2/s以上および引火点が230℃以上の石油系重質油であり、粘着付与樹脂が水添石油樹脂であることを特徴とするカラー舗装用バインダー組成物に関する。
【0006】
本発明のカラー舗装用バインダー組成物においては、前記粘着付与樹脂が、脂肪族系石油樹脂(C5系石油樹脂)、芳香族系石油樹脂(C9系石油樹脂)、ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびC5/C9共重合系石油樹脂から成る群から選ばれる石油樹脂を水添して得られる水添石油樹脂であることが好ましい。
【0007】
本発明のカラー舗装用バインダー組成物においては、前記粘着付与樹脂が、前記水添石油樹脂100質量部に対し、水添していない石油樹脂を50質量部以下含有するものであることが好ましい。
【0008】
本発明のカラー舗装用バインダー組成物においては、前記熱可塑性高分子化合物がスチレンとブタジエンのブロック共重合体であることが好ましい。
【0009】
本発明のカラー舗装用バインダー組成物においては、前記液状軟化剤100質量部に対して、前記粘着付与樹脂80〜250質量部および前記熱可塑性高分子化合物5〜30質量部を配合したものが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳述する。
本発明に用いる液状軟化剤は、多環芳香族炭化水素含有量が3質量%未満であり、かつ芳香族分(%CA)が15%以下、40℃における動粘度が300mm2/s以上、および引火点が230℃以上の石油系重質油である。
本発明においては、液状軟化剤における多環芳香族炭化水素含有量が3質量%未満であることが必要である。液状軟化剤の多環芳香族炭化水素含有量が3質量%以上になると人体・環境に対し悪影響を及ぼす可能性が高くなるため好ましくない。なお、多環芳香族炭化水素の含有量はIP346/92に準拠して測定される値である。
【0011】
また本発明における液状軟化剤の芳香族分(%CA)は15%以下であり、好ましくは7〜10%である。なお、芳香族分(%CA)はJIS K2283に準拠して測定される値である。
液状軟化剤の芳香族分(%CA)が15%を超える場合は、得られるバインダーの色相が悪くなるおそれがあり、また加熱時、供用時にバインダー組成物の色相が大きく変化する。さらには、熱可塑性高分子化合物であるスチレンブタジエンブロック共重合体中のスチレンドメインとの相溶性が大きくなりすぎるため、スチレンドメインが本来果たすべく架橋点の形成が困難となり、バインダー組成物の軟化点および60℃粘度を十分に高めることが困難となるおそれがある。
【0012】
40℃における動粘度は300mm2/s以上であり、好ましくは400mm2/s以上である。
40℃における動粘度が300mm2/s未満の場合は、舗装用に適したバインダー性状を得るために多量の粘着付与樹脂を配合する必要が生じ経済的に不利となる。
液状軟化剤と粘着付与樹脂の配合割合については、これら2成分の混合後の針入度(JIS K2207)が、30〜200(単位:1/10mm)、好ましくは50〜150(単位:1/10mm)、さらに好ましくは70〜100(単位:1/10mm)となるように配合するのが望ましい。
【0013】
本発明に用いる液状軟化剤としては、例えばパラフィン基原油、ナフテン基原油、または混合基原油より得られる潤滑油留分をフルフラールなどの溶剤により抽出処理した後のラフィネート分が挙げられる。あるいは溶剤抽出処理に加えてさらに水素化精製処理および/または脱ろう処理などの各種の精製処理をして得られる精製油などが挙げられる。なお、この場合の精製処理の順序は任意である。本発明に用いる液状軟化剤として特に好ましいものとしてはブライトストックを挙げることができる。
【0014】
本発明に用いる粘着付与樹脂は、水添石油樹脂である。本発明において水添石油樹脂とは、石油樹脂中の不飽和結合を全部水素化した石油樹脂はもちろんのこと、石油樹脂中の不飽和結合を部分的に水素化した石油樹脂を含む意味である。部分的に水素化した石油樹脂とは、臭素価が1〜10、好ましくは3〜6の範囲となる石油樹脂をいう。本発明においては、粘着付与樹脂として完全水添石油樹脂と部分水添石油樹脂を混合して使用しても良い。
【0015】
特に、本発明において用いる粘着付与樹脂としては、脂肪族系石油樹脂(C5系石油樹脂)、芳香族系石油樹脂(C9系石油樹脂)、ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびC5/C9共重合系石油樹脂から成る群から選ばれる石油樹脂を水添して得られる水添石油樹脂であることが好ましい。中でも、芳香族系石油樹脂(C9系石油樹脂)および/またはジシクロペンタジエン系石油樹脂を水添して得られる石油樹脂が特に好ましい。
【0016】
石油樹脂を水添する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を採用することができる。例えば、粉末状のニッケル触媒、白金触媒などを水添触媒として、反応温度200〜350℃、反応圧力3〜30MPa、水素供給量を石油樹脂の理論水素吸収量の2〜50倍とすることで通常実施することができる。
【0017】
本発明に用いる粘着付与樹脂の軟化点は90℃〜150℃であることが好ましく、特に120℃〜140℃であることが好ましい。
【0018】
また、これら水添石油樹脂に水添していない石油樹脂を混合して用いることもできる。すなわち、未水添の石油樹脂を配合することによりバインダーの粘度が低下してハンドリング性が向上する場合があり、このような場合に必要に応じ水添していない石油樹脂を混合して用いることができる。水添していない石油樹脂の配合割合は、水添石油樹脂100質量部に対し、50質量部以下が好ましく、より好ましくは30質量部以下である。水添していない石油樹脂の割合が50質量部を超えたり、または水添していない石油樹脂を単独で使用した場合は、加熱時、供用時に色相の変化が大きくなるおそれがあり、また液状軟化剤との相溶性が悪くなるため、場合によっては得られるバインダー組成物自体の色相が白濁してしまい、カラー舗装を行うためのバインダーという本来の目的を達成することができなくなる。
水添していない石油樹脂の軟化点は、90〜150℃のものが好ましい。
【0019】
本発明に用いる熱可塑性高分子化合物は、スチレンと他のモノマーとの共重合体であって、スチレン単位の含量が10〜45質量%である熱可塑性エラストマーが好ましい。
本発明において用いる熱可塑性高分子化合物の好ましい例としては、スチレン−ブタジエン−スチレンのトリブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンのトリブロック共重合体とスチレン−ブタジエンのジブロック共重合体の混合物を挙げることができる。これらはスチレン−ブタジエンのランダム共重合体を含んでいても良い。また上記以外の熱可塑性高分子化合物の好ましい例としては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)およびスチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)を挙げることができる。これらの熱可塑性高分子化合物は、単独もしくは混合して使用することができる。
【0020】
さらに、前述した本発明に用いられる熱可塑性高分子化合物には、クロロプレンゴム、天然ゴム等のゴム、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのエチレン系共重合体等を混合して用いることができる。この場合の混合割合は、前述の熱可塑性高分子化合物100質量部に対して100質量部以下が好ましい。
【0021】
本発明のカラー舗装用バインダーは、液状軟化剤、粘着付与樹脂および熱可塑性高分子化合物を構成成分として含有する組成物であり、それぞれの含有割合は液状軟化剤100質量部に対して、粘着付与樹脂80〜250質量部、好ましくは100〜200質量部、熱可塑性高分子化合物5〜30質量部、好ましくは10〜25質量部である。
【0022】
液状軟化剤100質量部に対して粘着付与樹脂が80質量部未満では、得られるバインダー組成物が軟らかくなり過ぎ、舗装体にわだちが生じやすくなる。また液状軟化剤100質量部に対して粘着付与樹脂が250質量部を超えると逆にバインダー組成物が硬くなり過ぎ、舗装体にひび割れが生じやすくなる。一方、液状軟化剤100質量部に対して熱可塑性高分子化合物が5質量部未満では、バインダー組成物が低温下で脆化しやすく、また軟化点、60℃粘度を十分に高めることができず、舗装体の供用性が低下する。他方、液状軟化剤100質量部に対して熱可塑性高分子化合物が30質量部を超える場合は、バインダー組成物の溶融粘度が高くなり過ぎ、作業性および骨材との混合性が悪くなるなどの問題がある。
【0023】
本発明のカラー舗装用バインダーは、液状軟化剤に粘着付与樹脂および熱可塑性高分子化合物を配合し、温度130〜200℃、好ましくは温度150〜180℃で、通常30分〜20時間、好ましくは2〜10時間混合することにより調製できる。各成分の配合方法は特に制限されるものではないが、あらかじめ130〜200℃の所定温度に加熱した液状軟化剤に、粘着付与樹脂および熱可塑性高分子化合物を添加する方法が望ましい。また、配合した各成分の混合はプロペラ式攪拌機、ホモジナイザーなどの種々の攪拌機で行うことができるが、高せん断ミキサーで攪拌すると比較的短時間で混合することができる。
【0024】
また本発明のカラー舗装用バインダー組成物は、上記構成材料の他に各種の添加剤を配合することができる。配合することができる添加剤としては、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤など)、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤など)、光安定剤(ヒンダードアミン系光安定剤など)などのようなバインダーの劣化を抑制する添加剤が挙げられる。また骨材との接着性を向上させる剥離防止剤、例えばマレイン化有機化合物、アミン系有機化合物などを添加してもよい。
【0025】
本発明のカラー舗装用バインダー組成物は、従来のアスファルト混合物製造プラントで加熱した骨材と混合することができ、また従来の施工機械でその組成物を施工することが可能である。
また組成物を着色するために顔料を添加し使用することができる。顔料としては、通常の無機顔料、例えば酸化鉄、酸化クロム、水酸化鉄、酸化チタンなどの顔料などが使用できる。顔料の添加順序は特に限定されるものではないが、アスファルト混合物製造プラントにてバインダーと骨材およびフィラーを混合するときに添加することが好ましい。顔料の添加量は、通常、組成物の2〜3質量%である。
本発明のカラー舗装用バインダー組成物は、通常の密粒度混合物のみならず、空隙率が20%程度の透水性混合物、排水性混合物の製造にも適用ができる。
【0026】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
各実施例、比較例の組成物は表1に示す組成に従って調製した。表1中の各材料の詳細は以下に示すとおりである。
【0027】
a)液状軟化剤A:多環芳香族炭化水素の含有量が2.3質量%、芳香族分(%CA)が9%、40℃での動粘度が480mm2/s、引火点310℃の鉱油系重質油である。
b)液状軟化剤B:多環芳香族炭化水素の含有量が18.3質量%、芳香族分(%CA)が33%、40℃での動粘度が4830mm2/s、引火点310℃の鉱油系重質油である。
c)粘着付与樹脂A:C9留分を原料とした石油樹脂の完全水添物で、その性状は軟化点140℃、酸価0KOHmg/g(JIS K0070)、臭素価0gBr/100g樹脂、色調40(ハーゼン)のものである。
d)粘着付与樹脂B:ジシクロペンタジエンを原料とする石油樹脂の部分水添物で、その性状は軟化点120℃、酸価0.01KOHmg/g未満(JISK0070)、臭素価4gBr/100g樹脂、色相30(ハーゼン)のものである。
e)粘着付与剤樹脂C:C9留分を原料とした石油樹脂で水添されておらず、その性状は軟化点120℃、酸価0KOHmg/g(JIS K0070)、臭素価25gBr/100g樹脂、色相3(ガードナー、2g/25mlトルエン溶液)のものである。
f)熱可塑性高分子化合物A:スチレン−ブタジエン−スチレンのブロック共重合体であり、その性状は比重0.94、メルトフローレート(ASTM1238、200℃、5kg)1g/10分以下、引張り強さ26MPa(JIS K6251)、25%トルエン溶液粘度7500cpsのものである。
【0028】
各実施例、比較例に示す色相の透明性の判断は、バインダー組成物を膜厚200μmとなるようガラス板上に成形しその透明性を目視にて判断した。加熱時の色相変化の評価は、バインダー組成物400gを500mlのアルミ缶に入れ、180℃の溶融加熱状態で5日間保持し、試験前後の色相変化を目視にて確認した。屋外暴露時の色相変化の評価は、バインダー組成物をJIS2207に記載のストレートアスファルトの軟化点測定用のリングに取り、1ヶ月間屋外に暴露することにより行い、暴露前後の色相変化を目視にて確認した。バインダーの物理性状はJIS2207に準拠して測定した。
【0029】
[実施例1]
液状軟化剤Aを43質量部、粘着付与樹脂Aを50質量部、および熱可塑性高分子化合物Aを7質量部を170℃の加熱溶融状態にて3時間攪拌混合して淡黄色透明で色相に優れた組成物を得た。なお、液状軟化剤A43質量部と粘着付与樹脂A50質量部からなる組成物の針入度は94(単位:1/10mm)であった。
得られたバインダー組成物中の多環芳香族炭化水素の量は僅かであるため、環境および人体への影響はほとんどない。またこのバインダー組成物は高温下での貯蔵時、屋外での暴露時において色相の変化は見られなかった。このバインダー組成物の物理性状は、軽交通用道路用、重交通用道路用のバインダー品質を十分満足するものであり、舗装用バインダーとして十分供用に耐えうるものであった。
【0030】
[実施例2]
液状軟化剤Aを31質量部、粘着付与樹脂Bを62質量部、および熱可塑性高分子化合物Aを7質量部を170℃の加熱溶融状態にて3時間攪拌混合して淡黄色透明で色相に優れた組成物を得た。なお、液状軟化剤A31質量部と粘着付与樹脂B62質量部からなる組成物の針入度は72(単位:1/10mm)であった。
得られたバインダー組成物中の多環芳香族炭化水素の量は僅かであるため、環境および人体への影響はほとんどない。またこのバインダー組成物は高温下での貯蔵時、屋外での暴露時において色相の変化は見られなかった。このバインダー組成物の物理性状は、軽交通用道路用、重交通用道路用のバインダー品質を十分満足するものであり、舗装用バインダーとして十分供用に耐えうるものであった。
【0031】
[実施例3]
液状軟化剤Aを43質量部、粘着付与樹脂Aを43質量部、粘着付与樹脂Cを9質量部、および熱可塑性高分子化合物Aを5質量部を170℃の加熱溶融状態にて3時間攪拌混合して淡黄色透明で色相に優れた組成物を得た。なお、液状軟化剤A43質量部と粘着付与樹脂A43質量部からなる組成物の針入度は90(単位:1/10mm)であった。
得られたバインダー組成物中の多環芳香族炭化水素の量は僅かであるため、環境および人体への影響はほとんどない。またこのバインダー組成物は高温下での貯蔵時、屋外での暴露時において色相の変化は見られなかった。このバインダー組成物の物理性状は、軽交通用道路用、重交通用道路用のバインダー品質を十分満足するものであり、舗装用バインダーとして十分供用に耐えうるものであった。
【0032】
[比較例1]
液状軟化剤Bを65質量部、粘着付与樹脂Cを28質量部、および熱可塑性高分子化合物Aを7質量部を170℃の加熱溶融状態にて3時間攪拌混合した。なお、液状軟化剤B65質量部と粘着付与樹脂C28質量部からなる組成物の針入度は50(単位:1/10mm)であった。
このバインダー組成物には液状軟化剤Bを使用したため、環境および人体への影響が疑われる多環芳香族炭化水素を3質量%以上含む原材料が混合された。得られた組成物は緑色を帯びた褐色となりその色相は悪かった。また加熱時および屋外暴露時に組成物の色相が悪化し耐久性に劣るバインダー組成物であった。
【0033】
[比較例2]
液状軟化剤Aを31質量部、粘着付与樹脂Cを62質量部、および熱可塑性高分子化合物Aを7質量部を170℃の加熱溶融状態にて3時間攪拌混合した。
このバインダー組成物は液状軟化剤Aと粘着付与樹脂Cの組み合わせが悪く、これらの相溶性が低いがため組成物は透明性を有せず白濁し、本来、カラー舗装用のバインダー組成物が有すべく色相上の性能を有していなかった。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】
本発明のカラー舗装用バインダー組成物は、多環芳香族炭化水素を3質量%以上含む原材料が存在しないため人体・環境に対して優しく、また高温下での貯蔵時や屋外での暴露時などにおいても色相の変化が小さく、軽交通用道路用、重交通用道路用、排水性舗装用のバインダーとして好適に用いることができる。
Claims (5)
- 液状軟化剤、粘着付与樹脂および熱可塑性高分子化合物を配合して成るカラー舗装用バインダー組成物であって、液状軟化剤が多環芳香族炭化水素含有量が3質量%未満、芳香族分(%CA)が15%以下、40℃における動粘度が300mm2/s以上、引火点が230℃以上の石油系重質油であり、粘着付与樹脂が水添石油樹脂であることを特徴とするカラー舗装用バインダー組成物。
- 粘着付与樹脂が、脂肪族系石油樹脂(C5系石油樹脂)、芳香族系石油樹脂(C9系石油樹脂)、ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびC5/C9共重合系石油樹脂から成る群から選ばれる石油樹脂を水添して得られる水添石油樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のカラー舗装用バインダー組成物。
- 粘着付与樹脂が、水添石油樹脂100質量部に対し、水添していない石油樹脂を50質量部以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載のカラー舗装用バインダー組成物。
- 熱可塑性高分子化合物がスチレンとブタジエンのブロック共重合体であることを特徴とする請求項1、2または3に記載のカラー舗装用バインダー組成物。
- 液状軟化剤100質量部に対して、粘着付与樹脂80〜250質量部および熱可塑性高分子化合物5〜30質量部を配合して成る請求項1、2、3または4に記載のカラー舗装用バインダー組成物。
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