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JP3742060B2 - 移動体ipパケット通信システム - Google Patents

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JP3742060B2
JP3742060B2 JP2002570553A JP2002570553A JP3742060B2 JP 3742060 B2 JP3742060 B2 JP 3742060B2 JP 2002570553 A JP2002570553 A JP 2002570553A JP 2002570553 A JP2002570553 A JP 2002570553A JP 3742060 B2 JP3742060 B2 JP 3742060B2
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Description

技術分野
この発明は、移動体パケット通信において、移動端末もしくは固定端末に対するパケットを、送信元となる加入者パケット交換装置が、ホーム・ロケーション・レジスタまたはビジター・ロケーション・レジスタより送信先となる移動端末の位置情報を取得することなく、マルチキャスト・アドレスでカプセル化し、転送する移動体IPパケット通信システムに関するものである。
背景技術
近年、インターネット通信に対する要求が高まりを見せる中、移動通信の分野においても、IP(Internet Protocol)を中心としたパケット通信システムが種々開発されている。特に第3世代の移動通信システムとして位置づけられているIMT(International Mobile Telecommunication)−2000では、これまでにない高速・広帯域化が図られようとしており、移動通信の分野におけるIPを中心としたパケット通信がおおいに利用されるようになる。
この種のパケット伝送システムに関する従来技術として、例えばWO96/21328号再公表公報(パケット転送方式および移動通信システム)、特開平8−186605号公報(移動パケット通信方式)などがある。
第17図はWO96/21328号再公表公報に開示された従来のパケット通信網の構成を示すブロック図である。図において、8は移動端末、21はデータベース、22b、22cはパケット交換装置、23a〜23cは信号処理回路、24は加入者情報メモリ、25は加入者情報キャッシュメモリ、26は在圏加入者情報メモリである。
次に動作について説明する。
ここで、図18図はこのように構成されたパケット通信網における制御を説明するためのシーケンス図である。パケット交換装置22bに対して着パケットが到着した場合(2001)、まず加入者情報のキャッシュの有無を判定して、キャッシュされた情報が存在しなければ、データベース21に対して加入者情報の読み出し(2004〜2008)を行い、加入者情報キャッシュメモリ25に格納する(2009〜2011)。キャッシュされた情報が存在する場合には、加入者情報キャッシュメモリ25から加入者情報を取得する(2018〜2020)。
取得した加入者情報から着パケットをいずれのパケット交換装置に転送すればよいかを判定して(2012あるいは2021)、移動端末8が在圏しているパケット交換装置22cに着パケットの転送(2013あるいは2022)を行う。着パケットが到着したパケット交換装置22cでは、着パケットに対応する移動端末8の無線チャネル番号を検索(2014〜2016)し、移動端末8が在圏しているパケット交換装置22cからその移動端末8への着パケットの転送を、その検索された無線チャネルを介して行う。上述した一連の処理により、移動端末8宛てのパケットが順々に転送される。
また、第19図は特開平8−186605号公報に開示された従来の移動パケット通信システムの構成を示すブロック図である。図において、27はホーム交換局、28a,28bは交換局、29a,29bはそれぞれのルーティングエリア、30,31は通信端末、32は旧経路、33は新経路、34はパケット通信制御情報未到達パケットまたはセグメントである。
次に動作について説明する。
ここで、第20図はこのように構成された移動パケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。ホーム交換局27は送信元の通信端末31から通信端末30宛てに送られてくるデータパケット“1”(2101、2102)をセグメント単位に分割して、最初に生成されるセグメント“1−1”から順次、送信先の通信端末30へ無線送信する(2104)。このとき、交換局28aは通信端末30からの受信完了の送達確認信号が得られるまで未送達のセグメントを記憶しておく。
ここで、通信端末30が後続のセグメント“1−2”を受信する前に、交換局28bのルーティングエリア29bに移動すると、移動先の交換局28bは通信端末30からの位置登録要求(2106)をホーム交換局27へ転送し、通信端末30が自局のルーティングエリア29bに在圏していることをホーム交換局27へ通知する(2107)。ホーム交換局27はこの位置登録要求に応じて通信端末30の位置情報を更新した後、通信端末30の移動元のルーティングエリア29aを管理する交換局が交換局28aであることを位置登録応答とともに交換局28bへ通知する(2108)。
この通知に応じて交換局28bは、移動元の交換局28aに対してパケット関連情報の転送を要求する(2109)。交換局28aはこの要求に応じて、通信端末30に関するパケット通信の制御情報とセグメント“1−2”以後の未到達セグメントとを交換局28bへ転送する(2110)。交換局28bは取得したパケット通信の制御情報に基づいて、未到達セグメントを順次通信端末30へ無線送信する(2113)。
ホーム交換局27は通信端末30の位置情報の更新を行った後、パケットの送信元である通信端末31から通信端末30宛てのデータパケット“2”を受信する(2115)と、該パケット2を移動先の交換局28bへ転送する。交通局28bは上記データパケット“2”を受信する(2116)と、そのデータパケット“2”をセグメント単位に分割し、最初のセグメント“2−1”より通信端末30へ無線送信する。
上記WO96/21328号再公表公報に記載された従来の移動体IPパケット通信システムは以上のように構成されているので、外部に移動端末8の位置情報を格納するためのデータベース21を有するパケット交換装置22bに、移動端末8が行った位置登録における在圏エリアの情報を、そのデータベース21あるいは自装置内の加入者情報キャッシュメモリ25に格納しておき、上記移動端末8宛てのパケットに対しては、上記パケット交換装置22bが格納しておいた、移動端末8の位置情報の読み出しを行い、その位置情報をもとに移動端末8が在圏しているパケット交換装置22cに着パケットをルーティングし、在圏パケット交換装置22cは検索した無線チャネルを介して移動端末8へ転送しているため、移動端末8同士のパケット通信においても、移動端末8の在圏エリア情報を有するパケット交換装置を経由する必要があり、在圏パケット交換装置間で直接パケットをルーティングできないという課題があった。
また、上記特開平8−186605号公報に記載の移動体IPパケット通信システムは以上のように構成されているので、通信端末30の移動元と移動先の在圏交換局28aと28bとの間で、移動した通信端末30のパケット通信を継続させるために必要な制御情報と分割されたセグメントを含む未送達パケットの授受が行われるが、移動後の通信経路(新経路33)は移動前の通信経路(旧経路32)と同様に、ホーム交換局27から通信端末30が在圏している交換局28bへ転送されるため、パケット通信中の通信端末が移動した場合でも、通信端末が在圏しているパケット交換装置間で、直接パケットをルーティングできないという課題があった。
なお、この他にも、このような従来の移動体IPパケット通信システムに関する記載のある文献としては、例えば特開2000−217157号公報、特開2000−92562号公報、特開2000−183873号公報、特開平11−266278号公報などが知られている。なお、上記特開2000−217157号公報は、IPパケット通信網におけるマルチキャスト通信を移動通信に適応する際のシステム効率を向上できる移動通信用マルチキャストパケットの伝送システムに関するものである。また、特開2000−92562号公報は、移動端末の移動を高速に検出するルータ装置に関するものであり、特開2000−183873号公報は、再送制御およびフロー制御を有するデータ伝送方式の、マルチキャストによるローカル制御とユニキャストによるグローバル制御に関するもの、特開平11−266278号公報は、ルーティング情報の更新と仮想コネクションを用いたスイッチングに関するものである。
しかしながら、これら各先行技術文献には、パケットをマルチキャスト・アドレスによりカプセル化して、送信先と送信先の加入者パケット交換装置の間で直接パケットルーティングすることにより、ルーティング経路の最適化をはかり、移動端末間のパケット伝送遅延を減少させることに関してはなにもふれられてはいない。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、移動端末間の移動通信においてルーティング経路の最適化により転送遅延を減少させ、パケット転送を効率よく行うことができる移動体IPパケット通信システムを得ることを目的とする。
発明の開示
この発明による移動体IPパケット通信システムは、加入者パケット交換装置が送信元の移動端末から受信したパケットを、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置へ転送する場合に、ホームもしくはビジターのロケーション・レジスタより、送信先となる移動端末の位置情報を取得することなく、マルチキャスト・アドレスでカプセル化して転送するようにしたものである。このことによって、転送遅延が減少して移動端末間のパケット伝送を効率よく行うことができる。
また、この発明による移動体IPパケット通信システムは、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の移動端末宛てのパケットを受信した、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置が、カプセル化を解いて、その送信先の移動端末に対してパケットを転送するとともに、送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信するようにしたものである。このことによって、移動体IPパケット通信ネットワーク内の信号量を押さえられるとともに、転送遅延が減少してパケット伝送を効率よく行うことができる。
また、この発明による移動体IPパケット通信システムは、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の移動端末宛てのパケットを受信した、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置が、カプセル化を解いて、その送信先の移動端末に対してパケットを転送するとともに、送信元の加入者パケット交換装置に対して在圏応答メッセージを送信する際に、タイマを起動してこのタイマが満了するまでは、在圏応答メッセージを繰り返して送信するようにしたものである。このことによって、確実に応答メッセージが授受されて移動体IPパケット通信ネットワーク内の信号量が押さえられるとともに、転送遅延が減少してパケット伝送を効率よく行うことができる。
また、この発明による移動体IPパケット通信システムは、加入者パケット交換装置が送信元の移動端末から受信したパケットを、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置へマルチキャスト・アドレスでカプセル化して転送するに際して、ヘッダ領域にあらかじめ状態通知用の領域を設けておき、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置からの在圏応答メッセージを受信した場合に、その状態通知用の領域を用いて在圏応答メッセージを受信済みであることを送信先の加入者パケット交換装置に対して示すようにしたものである。このことによって、確実に応答メッセージが授受されて移動体IPパケット通信ネットワーク内の信号量を押さえられるとともに、転送遅延が減少してパケット伝送を効率よく行うことができる。
また、この発明による移動体IPパケット通信システムは、送信先の加入者パケット交換装置から送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信する時点で、送信先の移動端末から送信元の移動端末に対するパケット送信が行われた場合には、在圏応答メッセージ相当の情報を送信先の移動端末から送信元の移動端末に対するパケットに重畳して送信するようにしたものである。このことによって、応答メッセージを使用せずに移動体IPパケット通信ネットワーク内の信号量が押さえられるとともに、転送遅延が減少してパケット伝送を効率よく行うことができる。
また、この発明による移動体IPパケット通信システムは、加入者パケット交換装置が送信元の移動端末から受信したパケットを、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置、もしくは送信先の固定端末が属している外部のパケット・データ・ネットワークへ転送する場合に、他の移動端末宛てか固定端末宛てかを判定し、固定端末宛てであれば、マルチキャスト・アドレスでカプセル化せずにゲートウェイ・パケット交換装置へ転送するようにしたものである。このことによって、移動端末宛てに対してのみに適用することが可能となり、転送遅延が減少してパケット伝送を効率よく行うことができる。
また、この発明による移動体IPパケット通信システムは、加入者パケット交換装置が送信元の移動端末から受信したパケットを、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置、もしくは送信先の固定端末が属している外部のパケット・データ・ネットワークへ転送する場合に、他の移動端末宛てか固定端末宛てかを判定せずに、マルチキャスト・アドレスでカプセル化して転送し、固定端末宛ての場合、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の固定端末宛てのパケットを受信したゲートウェイ・パケット交換装置は、カプセル化を解いて、その送信先の固定端末に対してパケットを転送するとともに、送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信するようにしたものである。このことによって、移動端末宛てか固定端末宛てかを問わずに適用することが可能となり、転送遅延が減少してパケット伝送を効率よく行うことができる。
また、この発明による移動体IPパケット通信システムは、加入者パケット交換装置が送信元の移動端末から受信したパケットを、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置、もしくは送信先の固定端末が属している外部のパケット・データ・ネットワークへ転送する場合に、他の移動端末宛てか固定端末宛てかを判定し、他の移動端末宛て、かつリアルタイム型のパケット通信時に、ホームもしくはビジターのロケーション・レジスタより、送信先となる移動端末の位置情報を取得することなく、マルチキャスト・アドレスでカプセル化して転送するようにしたものである。このことによって、リアルタイム通信における転送遅延が減少して、パケット伝送を効率よく行うことができる。
また、この発明による移動体IPパケット通信システムは、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の固定端末宛てのパケットを受信したゲートウェイ・パケット交換装置が、その送信先の固定端末に対して、カプセル化を解いてパケットを転送するとともに、送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信する際にタイマを起動し、このタイマが満了するまで、もしくはヘッダ領域に設けた状態通知用の領域で在圏応答メッセージを受信済みと通知されるまでは、在圏応答メッセージを繰り返して送信するようにしたものである。このことによって、移動端末宛てか固定端末宛てかを問わずに適用することが可能となり、確実に応答メッセージが授受されて移動体IPパケット通信ネットワーク内の信号量が押さえられるとともに、転送遅延が減してパケット伝送を効率よく行うことができる。
また、この発明による移動体IPパケット通信システムは、ゲートウェイ・パケット交換装置から送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信する時点で、送信先の固定端末から送信元の移動端末に対するパケット送信が行われた場合は、在圏応答メッセージを送信先の固定端末から送信元の移動端末に対するパケットに重畳して送信するようにしたものである。このことによって、移動端末宛てか固定端末宛てかを問わずに適応することが可能となり、応答メッセージを使用せずに移動体IPパケット通信ネットワーク内の信号量が押さえられるとともに、転送遅延が減少してパケット伝送を効率よく行うことができる。
また、この発明による移動体IPパケット通信システムは、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の端末宛てのパケットを受信した、加入者パケット交換装置もしくはゲートウェイ・パケット交換装置が、その送信先の端末に対して、カプセル化を解いてパケットを転送するとともに、送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージとして、RSVPのリザーブ・メッセージを送信して帯域予約するようにしたものである。このことによって、サービス品質が保証されるとともに、転送遅延が減少してパケット伝送を効率よく行うことができる。
また、この発明による移動体IPパケット通信システムは、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の端末宛てのパケットを受信した、加入者パケット交換装置もしくはゲートウェイ・パケット交換装置が、その送信先の端末に対して、カプセル化を解いてパケットを転送するとともに、送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージとして、MPLSのLDPメッセージを送信して仮想通信路を設定するようにしたものである。このことによって、サービス品質が保証されるとともに、転送遅延が減少してパケット伝送を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の移動体IPパケット通信システムの構成を、外部のパケット・データ・ネットワークとともに示すブロック図、第2図はこの発明の実施の形態1における移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図、第3図はこの発明のパケット・データ・ゲートウェイ装置(データウェイ・パケット交換装置)とパケット・データ・サポート装置(加入者パケット交換装置)との間、およびパケット・データ・サポート装置相互の間でユーザのパケットを転送する際の転送形態を示す説明図、第4図は実施の形態2における移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図、第5図はこの発明の在圏応答メッセージを示すデータ構成図、第6図は実施の形態3における移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図、第7図は実施の形態4における移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図、第8図はこの発明のパケット・データ・ゲートウェイ装置とパケット・データ・サポート装置との間、およびパケット・データ・サポート装置間でユーザのパケットを転送する際にステータスを通知するためのオプション領域を持つ該パケットの転送形態を示す説明図、第9図は実施の形態5における移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図、第10図は実施の形態6における移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図、第11図は実施の形態7における移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図、第12図は実施の形態8における移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図、第13図は実施の形態9における移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図、第14図は実施の形態10における移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図、第15図は実施の形態11における移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図、第16図は実施の形態12における移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図であり、第17図は従来例における移動体IPパケット通信システムの一構成例を示すブロック図、第18図は第17図に示す移動体IPパケット通信システムの制御を説明するためのシーケンス図、第19図は従来例における移動体IPパケット通信システムの他の構成例を示すブロック図、第20図は第19図に示す移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するために最良の形態について、添付の図面に従ってこれを説明する。
実施の形態1.
ここでは、加入者パケット交換装置が、送信元となる在圏の移動端末からのデータパケットを受信した際に、ホームもしくはビジターのロケーション・レジスタより、送信先となる移動端末の位置情報を取得することなく、マルチキャスト・アドレスでカプセル化し、転送を行う移動体IPパケット通信システムについて説明する。
第1図はこの発明の移動体IPパケット通信システムの構成例を、外部のパケット・データ・ネットワークとともに示したブロック図である。図において、1は外部のパケット・データ・ネットワークとの間のゲートウェイ機能を備たゲートウェイ・パケット交換装置である。2は後述する移動端末8a,8bの位置(在圏するルーティングエリア)や移動端末8a,8b毎のサービス契約内容、課金などの情報を格納する機能を備えたホーム・ロケーション・レジスタである。
3a,3bは移動端末8a,8bの通信状態と、後述するルーティングエリア13a,13bとを管理し、上記移動端末8a,8bにマルチキャスト・アドレスを含むデータパケットを転送する機能を備た加入者パケット交換装置である。なお、移動端末8a,8bの通信状態には、アイドル・ネットワークに接続していない状態、スタンバイ・ネットワークに接続しているが一定期間データパケットの送信が行われていない状態、およびレディー・ネットワークに接続してデータパケットの送信を行っている状態などがある。4a,4bは移動端末8a,8bが在圏している、後述する在圏ゾーン14a,14bなどの情報を格納する機能を備えたビジター・ロケーション・レジスタである。
5a,5bは無線基地局6a〜6cを複数管理して無線回線の制御を行う機能を備えた基地局制御装置であり、6a〜6cは複数の移動端末8a,8bと無線チャネルで接続され、複数の移動端末8a,8bの送信制御を行う無線基地局である。7は各装置間を接続する伝送路であり、8a〜8bは各無線基地局6a〜6cに接続してデータパケットの送受信機能を備えている移動端末である。
9はインターネット/イントラネット等の外部のパケット・データ・ネットワークであり、10はこのパケット・データ・ネットワーク9に接続されてパケット通信を行うデータ端末(固定端末)である。11は外部のパケット・データ・ネットワーク9側の、上記構成の移動体IPパケット通信システムのネットワークとのゲートウェイであり、12a,12bはパケット・データ・ネットワーク9において、ネットワーク内の経路情報に従ってパケットのルーティングを行うルータである。13a,13bは複数の無線基地局6a〜6cおよび基地局制御装置5a,5bからなるルーティングエリアであり、14a、14bは移動端末8a,8bが在圏するルーティングゾーン(在圏ゾーン)である。
なお、第1図においては、加入者パケット交換装置3a,3bとビジター・ロケーション・レジスタ4a,4bとを各々別々に分けた構成例について示しているが、破線で示したように同一の装置として実装してもよい。
次に動作について説明する。
第2図は、この実施の形態1における移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。以下、この第2図のシーケンス図に基づいて、この実施の形態1における移動体IPパケット通信システムの動作について説明する。ここで、この発明の移動体IPパケット通信システムにおける、ゲートウェイ・パケット交換装置1と加入者パケット交換装置3a,3bとの間、および加入者パケット交換装置3a,3bの相互間で、ユーザのデータパケットを転送する際の、当該パケットの転送形態を第3図に示す。
この第3図において、15a〜15nはエンドユーザ(図示の場合には送信元あるいは送信先となる移動端末8a,8b)間で送受信されるデータパケットであり、16はパケット・データ・ゲートウェイ装置とパケット・データ・サポート装置との間、およびパケット・データ・サポート装置間で送受信されるデータフレームである。なお、図示の例では、データパケット15a〜15nとしてIPパケットを用いたものを示しているが、IPパケットに限らず別のプロトコルのパケットであってもよい。
ここで、エンドユーザ間で送受信されるデータパケット15a〜15nに付与されるアドレスは、通信相手の識別の他に、通信し合う端末が互いに位置が変わらないことを前提とした位置情報も兼ね備えている。しかしながら、移動通信の場合はエンドユーザ、すなわち移動端末が移動してゆくため、宛て先アドレスそのものは通信相手先を識別する役割しか持たなくなる。
そこで、第3図を示すように、エンドユーザ間のデータパケット15a〜15nを別のデータフレーム16で一旦カプセル化して転送することによって、エンドユーザ間で送受信されるデータパケット15a〜15nのアドレス情報によらず、装置間でデータパケット15a〜15nをルーティングすることができるようにしている。なお、上記データフレーム16は装置間で取り決めたプロトコルで規定するフレームを使用してもよいし、ユーザ間のパケットと同様なIP等の汎用プロトコルのものを使用してもよい。また、データフレーム16には、同一在圏のルーティングエリア先に存在する移動端末宛てであれば、異なる移動端末宛てのデータパケットを一緒に、かつ複数同時にカプセル化してもよいし、唯一の移動端末宛てのデータパケットを単一、または複数同時にカプセル化してもよい。
送信元となる移動端末8aおよび送信先となる移動端末8bはそれぞれ、移動通信ネットワークと接続するために加入者パケット交換装置3aまたは3bに対して位置登録要求を行う(101)。加入者パケット交換装置3a,3bは受信した位置登録要求の情報より在圏情報登録要求をそれぞれ発生し、いずれの無線基地局6a〜6cおよび基地局制御装置5a,5bの配下に存在しているかを示す在圏ゾーンの情報や、移動端末8a,8bのIDなどを、それぞれビジター・ロケーション・レジスタ4a,4bに対して登録する(102,103)。その後、加入者パケット交換装置3a,3bは、ビジター・ロケーション・レジスタ4a,4bからの在圏情報登録応答を受け取ると(104)、自装置の位置するルーティングエリア13a,13bのコードを付与し、その位置登録要求をホーム・ロケーション・レジスタ2に対して送信する(105)。
ホーム・ロケーション・レジスタ2では、受信した位置登録要求から移動端末8a,8bに対する認証をそれぞれ行い、自身が管理する移動通信ネットワークの加入者か否かの確認を行う。当該確認ができたら、加入者パケット交換装置3a,3bから送られてきたルーティングエリア13a,13bのコードを移動端末8a,8bのIDとそれぞれ合わせて記憶することで位置情報の更新を行い、位置登録要求を送信してきた加入者パケット交換装置3a,3bを介して、移動端末8a,8bにそれぞれ位置登録応答を返送する(107、108)。
加入者パケット交換装置3aは移動端末8aから移動端末8b宛てのデータパケット“1”(109)を受信すると、それを必要とする方路数分だけ複製するとともに(110)、その複製した方路数分のデータパケットを、自身を除く加入者パケット交換装置のマルチキャスト・グループ・アドレスを用いてカプセル化を行い(111)、そのカプセル化されたデータパケット“1”の転送を行う(112)。
上記マルチキャスト・アドレスによってカプセル化されたデータパケット“1”を受信した加入者パケット交換装置3bは、そのカプセル化を解く(デカプセル化する)ことによって(113)、移動端末8b宛てのデータパケット“1”を取り出し、ビジター・ロケーション・レジスタ4bから移動端末8bの在圏情報を取得する(114、115)。加入者パケット交換装置3bは次に、その移動端末8bが在圏するか否かを判定して(116)、在圏する場合には在圏ゾーン13bを特定した後に、その無線基地局および基地局制御装置を介して、そのデータパケット“1”を移動端末8bへ転送する(117)。なお、加入者パケット交換装置3bは受信したデータパケット“1”が在圏している移動端末8b宛てでない場合は、そのデータパケット“1”を廃棄する(118)。
以上のように、この実施の形態1によれば、加入者パケット交換装置が送信元の移動端末から受信したパケットを送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置へ転送する場合に、ホーム・ロケーション・レジスタもしくはビジター・ロケーション・レジスタより、送信先となる移動端末の位置情報を取得することなく、マルチキャスト・アドレスでカプセル化して転送しているので、送信元の移動端末からデータパケットを受けた加入者パケット交換装置が、送信先の移動端末が在圏する加入者パケット交換装置へ、直接ルーティングを行うことが可能となり、転送遅延を減少させて移動端末間のパケット伝送を効率よく行えるという効果がある。
実施の形態2.
この実施の形態2による移動体IPパケット通信システムは、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の移動端末宛てのパケットを受信した、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置が、カプセル化を解いてその送信先の移動端末に対してパケットを転送するとともに、送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信するものである。以下、図面を参照しながらこの実施の形態2による移動体IPパケット通信システムについて説明する。
この実施の形態2において、移動体IPパケット通信システムの構成は、第1図に示すものと同じである。また、ゲートウェイ・パケット交換装置と加入者パケット交換装置間、および加入者パケット交換装置間でユーザのパケットを転送する際のパケットの転送形態も、第3図に示すものと同じである。
ここで、第4図はこの発明の実施の形態2による移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。以下、この第4図に示すのシーケンス図に基づいて、この実施の形態2における移動体IPパケット通信システムの動作について説明する。
なお、送信元となる移動端末8aおよび送信先となる移動端末8bの位置登録手順は、実施の形態1の場合と同様(101〜108)であるため、ここではその説明を省略する。
加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから、送信先の移動端末8b宛ての最初のデータパケット“1”(201)を受信すると、このデータパケット“1”を送出すべき方路について判定する(202)。なお、この時点では送信先の移動端末8bの在圏ルーティング先が不明であるため、実施の形態1の場合と同様に、必要とする方路数分だけデータパケット“1”を複製し(203)、そのデータパケット“1”をマルチキャスト・アドレスでカプセル化した上で(204)、それを自身以外の加入者パケット交換装置に転送する(205)。
このマルチキャスト・アドレスによってカプセル化されたデータパケット“1”を受信した加入者パケット交換装置3bは、それをデカプセル化して(206)、移動端末8b宛てのデータパケット“1”を取り出し、ビジター・ロケーション・レジスタ4bからその移動端末8bの在圏情報を取得する(207、208)。次に、その在圏情報に基づいて移動端末8bが在圏するか否かの判定を行い(209)、在圏する場合には在圏するゾーンを特定した後、このデータパケット“1”を無線基地局および基地局制御装置を介して、送信先の移動端末8bへ転送する(212)。
その際、カプセル化されたデータパケット“1”を送信してきた加入者パケット交換装置3aに対して、在圏応答メッセージを送信する(210)。この在圏応答メッセージのデータ構成を第5図に示す。この在圏応答メッセージ(210)を受信した加入者パケット交換装置3aは、それを移動端末8b宛ての方路として記憶する(211)。
その後、加入者パケット交換装置3aにおいて送信元の移動端末8aから移動端末8b宛ての次のデータパケット“2”(213)を受信した場合、最初のデータパケット“1”の受信時と同様に、送出すべき方路の判定を行うが(214)、ここでは上記在圏応答メッセージにより在圏ルーティング先が判明しているため、必要とする方路分の複製(215)は行わずに、ユニキャスト・アドレスによりカプセル化し(216)、そのカプセル化したデータパケット“2”を在圏ルーティング先の加入者パケット交換装置3bだけに転送する(217)。
ユニキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“2”を受信した加入者パケット交換装置3bは、上記マルチキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“1”を受信した際と同様の処理を行い(218,219)、デカプセル化したデータパケット“2”を送信先の移動端末8bへ転送する(220)。
なお、この送信先の移動端末8bへのデータパケット“2”の転送において、第2図では特にビジター・ロケーション・レジスタ4bへの在圏情報の取得はしていないが、これは、データパケット“1”の転送時に取得した在圏情報をキャッシュしておくことを前提としているためで、キャッシュしない場合は、データパケット“1”の転送時と同様に在圏情報を取得(207、208)するものとする。
以上のように、この実施の形態2によれば、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の移動端末宛てのパケットを受信した加入者パケット交換装置が、送信元の加入者パケット交換装置に対して在圏応答メッセージを送信しているため、送信元の移動端末からデータパケットを受けた加入者パケット交換装置が、宛て先の移動端末が在圏する加入者パケット交換装置へ、直接ルーティングを行うことが可能となり、送信先の加入者パケット交換装置から在圏応答メッセージを送信することで、以降のデータパケット転送時は、ユニキャスト・アドレスでのカプセル化が可能になって、移動体IPパケット通信システム内の信号量が抑えられるとともに、転送遅延が減少して、パケット伝送を効率よく行えるという効果がある。
実施の形態3.
この実施の形態3による移動体IPパケット通信システムは、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の移動端末宛てのパケットを受信した、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置が、カプセル化を解いてその送信先の移動端末に対してパケットを転送するとともに、送信元の加入者パケット交換装置に対して在圏応答メッセージを送信する際にタイマを起動し、このタイマが満了するまでは、上記在圏応答メッセージを繰り返して送信を行うようにしたものである。以下、図面を参照しながらこの実施の形態3による移動体IPパケット通信システムについて説明する。
この実施の形態3において、移動体IPパケット通信システムの構成は、第1図に示すものと同じである。また、ゲートウェイ・パケット交換装置と加入者パケット交換装置間、および加入者パケット交換装置間でユーザのパケットを転送する際のパケットの転送形態も、第3図に示すものと同じである。
ここで、第6図はこの発明の実施の形態3による移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。以下、この第6図に示すシーケンス図に基づいて、この実施の形態3における移動体IPパケット通信システムの動作について説明する。
なお、送信元となる移動端末8aおよび送信先となる移動端末8bの位置登録手順は、実施の形態1の場合と同様(101〜108)であるため、ここではその説明を省略する。
加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから、送信先の移動端末8b宛ての最初のデータパケット“1”(301)を受信すると、このデータパケット“1”を送出すべき方路について判定する(302)。なお、この時点では送信先の移動端末8bの在圏ルーティング先が不明であるため、実施の形態1、2の場合と同様に、必要とする方路数分だけデータパケット“1”を複製し(303)、それらをマルチキャスト・アドレスでカプセル化した上で(304)、自身以外の加入者パケット交換装置に転送する(305)。
このマルチキャスト・アドレスによってカプセル化されたデータパケット“1”を受信した加入者パケット交換装置3bは、それをデカプセル化して(306)、移動端末8b宛てのデータパケット“1”を取り出し、ビジター・ロケーション・レジスタ4bからその移動端末8bの在圏情報を取得する(307、308)。次に、その在圏情報に基づいて移動端末8bが在圏するか否かの判定を行い(309)、在圏する場合には在圏するゾーンを特定した後、このデータパケット“1”を無線基地局および基地局制御装置を介して、送信先の移動端末8bへ転送する(313)。
その際、カプセル化されたデータパケット“1”を送信してきた加入者パケット交換装置3aに対して、タイマ(315)を起動させ、このタイマがタイムアウトするまでの間、第5図にそのデータ構成を示す在圏応答メッセージの連続的な送信を行う(310〜312)。加入者パケット交換装置3aはその在圏応答メッセージを受信したところで(311)、それを移動端末8b宛ての方路として記憶する(314)。
その後、実施の形態2の場合と同様に、加入者パケット交換装置3aにおいて送信元移動端末8aから移動端末8b宛ての次のデータパケット“2”(316)を受信した場合、最初のデータパケット“1”の受信時と同様に、送出すべき方路の判定を行うが(317)、ここでは上記在圏応答メッセージにより、在圏ルーティング先が判明しているため、必要とする方路分の複製(318)は行わずに、ユニキャスト・アドレスによりカプセル化し(319)、このカプセル化したデータパケット“2”を在圏ルーティング先の加入者パケット交換装置3bだけに転送する(320)。
ユニキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“2”を受信した加入者パケット交換装置3bは、上記マルチキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“1”を受信した際と同様に処理を行い(321,322)、デカプセル化したデータパケット“2”を送信先の移動端末8bへ転送する(323)。
なお、この送信先の移動端末8bへのデータパケット“2”の転送において、第6図では特にビジター・ロケーション・レジスタ4bへの在圏情報の取得はしていないが、これは、データパケット“1”の転送時に取得した在圏情報をキャッシュしておくことを前提としているためで、キャッシュしない場合は、データパケット“1”の転送時と同様に在圏情報を取得(307、308)するものとする。
以上のように、この実施の形態3によれば、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の移動端末宛てのパケットを受信した加入者パケット交換装置が、送信者の加入者パケット交換装置に対して在圏応答メッセージを送信する際、タイマを起動してそれがタイムアウトするまで、在圏応答メッセージの送信を繰り返しているため、送信元の移動端末からデータパケットを受けた加入者パケット交換装置が、宛て先の移動端末が在圏する加入者パケット交換装置へ、直接ルーティングを行うことが可能となり、送信先の加入者パケット交換装置がタイマ制御により在圏応答メッセージを連続的に送信することで、送信元の加入者パケット交換装置が確実に上記在圏応答メッセージを受信することができ、以降のデータパケット転送時は、ユニキャスト・アドレスでのカプセル化が可能になって、確実に在圏応答メッセージを授受することができて移動体IPパケット通信システム内の信号量が抑えられるとともに、転送遅延が減少して、パケット伝送を効率よく行えるという効果がある。
実施の形態4.
この実施の形態4による移動体IPパケット通信システムは、加入者パケット交換装置が送信元の移動端末から受信したパケットを、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置へマルチキャスト・アドレスでカプセル化して転送する場合に、ヘッダ領域にあらかじめ状態通知用の領域を設けておき、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置からの在圏応答メッセージを受信した場合に、このヘッダ領域に設けた状態通知用の領域で在圏応答メッセージを受信済みであることを送信先の加入者パケット交換装置に対して示すようにしたものである。以下、図面を参照しながらこの実施の形態4による移動体IPパケット通信システムについて説明する。
この実施の形態4において、移動体IPパケット通信システムの構成は、第1図に示すものと同じである。また、ゲートウェイ・パケット交換装置と加入者パケット交換装置間、および加入者パケット交換装置間でユーザのパケットを転送する際のパケットの転送形態も、第3図に示すものと同じである。
ここで、第7図はこの発明の実施の形態4による移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。以下、この第7図に示すシーケンス図に基づいて、この実施の形態4における移動体IPパケット通信システムの動作について説明する。
なお、送信元となる移動端末8aおよび送信先となる移動端末8bの位置登録手順は、実施の形態1の場合と同様(101〜108)であるため、ここではその説明を省略する。
加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから、送信先の移動端末8b宛ての最初のデータパケット“1”(401)を受信すると、このデータパケット“1”を送出すべき方路について判定する(402)。なお、この時点では送信先の移動端末8bの在圏ルーティング先が不明であるため、実施の形態1〜3の場合と同様に、必要とする方路数分だけデータパケット“1”を複製し(403)、それらをマルチキャスト・アドレスでカプセル化した上で(404)、自身以外の加入者パケット交換装置に転送する(405)。
このマルチキャスト・アドレスによってカプセル化されたデータパケット“1”を受信した加入者パケット交換装置3bは、それをデカプセル化して(406)、移動端末8b宛てのデータパケット“1”を取り出し、ビジター・ロケーション・レジスタ4bからその移動端末8bの在圏情報を取得する(407、408)。次に、その在圏情報に基づいて移動端末8bが在圏するか否かの判定を行い(409)、在圏する場合には在圏するゾーンを特定した後、このデータパケット“1”を無線基地局および基地局制御装置を介して、送信先の移動端末8bへ転送する(412)。
その際、在圏応答メッセージ受信済みを表す交換装置間のデータパケットを受信するまでの間、カプセル化されたデータパケット“1”を送信してきた加入者パケット交換装置3aに対して、第5図に示すデータ構成の在圏応答メッセージを連続的に送信する(410)。なお、その時の、ゲートウェイ・パケット交換装置(パケット・データ・ゲートウェイ装置)と加入者パケット交換装置(パケット・データ・サポート装置)の間、および加入者パケット交換装置相互の間におけるユーザのパケットの転送形態を第8図に示す。この第8図に示すカプセル化されたパケットがデータフレーム16のヘッダ領域に、ステータスを通知するためのオプション領域(状態通知用の領域)17を備えている点で、第3図に示したものとは異なっている。上記「在圏応答メッセージ受信済み」の通知はこのオプション領域17を用いて行われる。
加入者パケット交換装置3aはこの在圏応答メッセージを受信したところで(410)、それを移動端末8b宛ての方路として記憶する(411)。その後、実施の形態2,3の場合と同様に、加入者パケット交換装置3aにおいて送信元の移動端末8aから移動端末8b宛ての次のデータパケット“2”(413)を受信した場合、最初のデータパケット“1”の受信時と同様に、送出すべき方路の判定を行う(414)。ただし、ここでは上記在圏応答メッセージにより在圏ルーティング先が判明しているため、必要とする方路分の複製(415)は行わずに、ユニキャスト・アドレスによりカプセル化し(416)、このカプセル化されたデータパケット“2”を在圏ルーティング先の加入者パケット交換装置3bだけに転送する(417)。この転送の際、すでに在圏応答メッセージを受信しているため、第8図に示すオプション領域17を用いて、在圏応答メッセージ受信済みとする。
ユニキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“2”を受信した加入者パケット交換装置3bは、上記マルチキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“1”を受信した際と同様に、そのデカプセル化を行うとともに、オプション領域17で在圏応答メッセージが受信済みとなっているため、あわせて在圏応答メッセージの連続的な送信を停止させる処理も行う(418)。その後、送信先の移動端末8bの在圏判定を行い(419)、そのデータパケット“2”の移動端末8bへの転送を行う(419,420)。
なお、この送信先の移動端末8bへのデータパケット“2”の転送において、第7図では特にビジター・ロケーション・レジスタ4bへの在圏情報の取得はしていないが、これは、データパケット“1”の転送時に取得した在圏情報をキャッシュしておくことを前提としているためで、キャッシュしない場合は、データパケット“1”の転送時と同様に在圏情報を取得(407,408)するものとする。
以上のように、この実施の形態4によれば、ヘッダ領域にあらかじめオプション領域を設けておき、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置からの在圏応答メッセージを受信した場合に、そのオプション領域を用いて在圏応答メッセージを受信済みであることを送信先の加入者パケット交換装置に対して示しているため、送信元の移動端末からデータパケットを受けた加入者パケット交換装置が、宛て先の移動端末が在圏する加入者パケット交換装置へ、直接ルーティングを行うことが可能となり、送信先の加入者パケット交換装置が送信元からの受領済みの通知を受けるまで在圏応答メッセージを連続的に送信することで、送信元の加入者パケット交換装置に確実に上記在圏応答メッセージを受信することができ、以降のデータパケット転送時は、ユニキャスト・アドレスでのカプセル化が可能になって、確実に在圏応答メッセージを授受することができて移動体IPパケット通信システム内の信号量が抑えられるとともに、転送遅延が減少して、パケット伝送を効率よく行えるという効果がある。
実施の形態5.
この実施の形態5による移動体IPパケット通信システムは、送信先の加入者パケット交換装置から送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信する時点で、送信先の移動端末から送信元の移動端末に対するパケット送信が行われた場合に、在圏応答メッセージ相当の情報を送信先の移動端末から送信元の移動端末に対するパケットに重畳して送信するようにしたものである。以下、図面を参照しながらこの実施の形態5による移動体IPパケット通信システムについて説明する。
この実施の形態5において、移動体IPパケット通信システムの構成は、第1図に示すものと同じである。また、ゲートウェイ・パケット交換装置と加入者パケット交換装置間、および加入者パケット交換装置間でユーザのパケットを転送する際のパケットの転送形態も、第3図に示すものと同じである。
ここで、第9図はこの発明の実施の形態5による移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。以下、この第9図に示すシーケンス図に基づいて、この実施の形態5における移動体IPパケット通信システムの動作について説明する。
なお、送信元となる移動端末8aおよび送信先となる移動端末8bの位置登録手順は、実施の形態1の場合と同様(101〜108)であるため、ここではその説明を省略する。
加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから、送信先の移動端末8b宛ての最初のデータパケット“1”(501)を受信すると、そのデータパケット“1”を送出すべき方路について判定する(502)。なお、この時点では送信先の移動端末8bの在圏ルーティング先が不明であるため、実施の形態1〜4の場合と同様に、必要とする方路数分だけデータパケット“1”を複製し(503)、それらをマルチキャスト・アドレスでカプセル化した上で(504)、自身以外の加入者パケット交換装置に転送する(505)。
このマルチキャスト・アドレスによってカプセル化されたデータパケット“1”を受信した加入者パケット交換装置3bは、それをデカプセル化して(506)、移動端末8b宛てのデータパケット“1”を取り出し、ビジター・ロケーション・レジスタ4bからその移動端末8bの在圏情報を取得する(507、508)。次に、その在圏情報に基づいて移動端末8bが在圏するか否かの判定を行い(509)、在圏する場合には在圏するゾーンを特定した後、このデータパケット“1”を無線基地局および基地局制御装置を介して、送信先の移動端末8bへ転送する(510)。
このデータパケット“1”転送直後に、送信先の移動端末8bから送信元の移動端末8aに対するデータパケット“1a”の送信が行われた場合(511)、加入者パケット交換装置3bは実施の形態2〜4で説明した在圏応答メッセージの加入者パケット交換装置3aへの返送を行うことなく、このデータパケット“1a”の転送処理を行う。なお、ここでの転送処理は、先のデータパケット“1”の転送において、送信元の移動端末8aは加入者パケット交換装置3aが関するルーティングエリア13aに在圏していることが分かっているので、送信先の移動端末8bからデータパケット“1a”を受信した加入者パケット交換装置3bが、第8図に示すオプション領域17で在圏応答メッセージを表す形態で、ユニキャスト・アドレスによるカプセル化を行い、そのデータパケット“1a”を加入者パケット交換装置3aに転送する(512)ものである。
ユニキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“1a”を受信した加入者パケット交換装置3aは、そのデカプセル化を行うとともに、オプション領域17で在圏応答が示されているため、あわせて移動端末8b宛ての方路を記憶する処理も行う(513)。そして、デカプセル化されたデータパケット“1a”の移動端末8aへの送信を行う(514)。
送信元の移動端末8aから送信先の移動端末8b宛ての次のデータパケット“2”(515)を受信した場合、実施の形態2〜4の場合と同様に、最初のデータパケット“1”の受信時と同様に送出すべき方路の判定を行う(516)。その時、上記在圏応答により在圏ルーティング先が判明しているため、ここでは必要とする方路分の複製(517)は行わず、ユニキャスト・アドレスによりカプセル化したデータパケット“2”を在圏ルーティング先の加入者パケット交換装置3bだけに転送する(519)。この転送の際、すでに在圏応答メッセージを受信しているため、第8図に示すオプション領域17を用いて在圏応答メッセージ受信済みとする。
ユニキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“2”を受信した加入者パケット交換装置3bは、上記マルチキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“1”を受信した際と同様に、そのデカプセル化を行う(520)。その後、送信先の移動端末8bの在圏判定を行い(521)、そのデータパケット“2”の移動端末8bへの転送を行う(522)。
なお、この送信先の移動端末8bへのデータパケット“2”の転送において、第9図では特にビジター・ロケーション・レジスタ4bへの在圏情報の取得はしていないが、これは、データパケット“1”の転送時に取得した在圏情報をキャッシュしておくことを前提としているためで、キャッシュしない場合は、データパケット“1”の転送時と同様に在圏情報を取得(507,508)するものとする。
以上のように、この実施の形態5によれば、在圏応答メッセージを送信する時点で、送信先の移動端末から送信元の移動端末に対するパケット送信が行われた場合に、上記在圏応答メッセージ相当の情報を送信先の移動端末から送信元の移動端末に対するパケットに重畳して送信しているため、送信元の移動端末からデータパケットを受けた加入者パケット交換装置が、宛て先の移動端末が在圏する加入者パケット交換装置へ、直接ルーティングを行うことが可能となり、送信先の加入者パケット交換装置が在圏応答メッセージ相当の情報を送信先の移動端末から送信元の移動端末に対するパケットに重畳して送信することで、以降のデータパケット転送時は、ユニキャスト・アドレスでのカプセル化が可能になり、在圏応答メッセージを使用せずに移動体IPパケット通信システム内の信号量が抑えられるとともに、転送遅延が減少して、パケット伝送を効率よく行えるという効果がある。
実施の形態6.
この実施の形態6による移動体IPパケット通信システムは、加入者パケット交換装置が送信元の移動端末から受信したパケットを送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置、もしくは送信先の固定端末が属している外部のパケット・データ・ネットワークへ転送する場合に、パケットの送信先が他の移動端末宛てであるか固定端末宛てであるかの判定を行い、上記移動端末宛てならばマルチキャスト・アドレスでカプセル化して、送信先の加入者パケット交換装置へ転送するようにしたものである。以下、図面を参照しながらこの実施の形態6による移動体IPパケット通信システムについて説明する。
この実施の形態6において、移動体IPパケット通信システムの構成は、第1図に示すものと同じである。また、ゲートウェイ・パケット交換装置と加入者パケット交換装置間、および加入者パケット交換装置間でユーザのパケットを転送する際のパケットの転送形態も、第3図に示すものと同じである。
ここで、第10図はこの発明の実施の形態6による移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。以下、この第10図に示すシーケンス図に基づいて、この実施の形態6における移動体IPパケット通信システムの動作について説明する。
なお、送信元となる移動端末8aの位置登録手順は、実施の形態1の場合と同様(101〜108)であるため、ここではその説明を省略する。
加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから送信先の移動端末8b宛てのデータパケット“1”(601)を受信すると、このデータパケット“1”を送出すべき方路の判定を行う(602)。その際、受信したデータパケット“1”が、インターネット/イントラネット等の外部のパケット・データ・ネットワーク9に対して転送すべきものであるか、内部の移動体IPパケット通信ネットワークへ転送すべきものであるかの判定を、その宛て先アドレスに基づいて行う。
上記方路判定の結果、受信したデータパケット“1”が外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10へ転送すべきものであった場合には、ユニキャスト・アドレスでカプセル化した後、ゲートウェイ・パケット交換装置1に対してそのカプセル化されたデータパケット“1”を転送する(603,604)。このカプセル化されたデータパケット1を受信したゲートウェイ・パケット交換装置1は、それをデカプセル化した後(605)、このデータパケット“1”の宛て先を判定する(606)。宛先判定の結果、外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10宛ての場合には、外部のパケット・データ・ネットワーク9へ、このデカプセル化したデータパケット1を転送する(607)。
また、上記宛先判定の結果、内部の移動体IPパケット通信ネットワーク宛ての場合には、宛て先アドレスをキーとしてホーム・ロケーション・レジスタ2に対して、在圏するルーティングエリア先を問い合わせて(619,620)、その結果によりそのデータパケット“1”をユニキャスト・アドレスで再度カプセル化し(621)、カプセル化されたデータパケット“1”を所定の加入者パケット交換装置に対して転送する(622)。
一方、加入者パケット交換装置3aにおける上記方路判定の結果、受信したデータパケット“1”が内部の移動体IPパケット通信ネットワークへ転送すべきものであった場合には、実施の形態1〜5の場合と同様に、方路判定を行った(608)後、データパケット“1”を必要とする方路分に複製するとともに(609)、複製した方路分のデータパケット“1”を、自身を除く加入者パケット交換装置のマルチキャスト・グループ・アドレスを用いてカプセル化し(610)、カプセル化されたデータパケット“1”の転送を行う(611)。なお、この後の動作は、実施の形態1〜5のいずれかと同様である。
以上のように、この実施の形態6によれば、加入者パケット交換装置が送信元の移動端末から受信したパケットを転送する場合に、パケットの送信先が他の移動端末宛てか固定端末宛てかを判定し、固定端末宛てならばマルチキャスト・アドレスでカプセル化せずに、ゲートウェイ・パケット交換装置へ転送しているため、移動端末宛てに対してのみに適用することができ、送信元の移動端末が在圏する加入者パケット交換装置へ直接ルーティングを行うことが可能になるとともに、転送遅延が減少して、パケット伝送を効率よく行うことができるという効果がある。
実施の形態7.
この実施の形態7による移動体IPパケット通信システムは、加入者パケット交換装置が送信元の移動端末から受信したパケットを送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置、もしくは送信先の固定端末が属している外部のパケット・データ・ネットワークへ転送する場合に、そのパケットの送信先が移動端末宛てであるか固定端末宛てであるかの判定をせずに、マルチキャスト・アドレスでカプセル化して転送を行い、このマルチキャスト・アドレスでカプセル化されたパケットを受信したゲートウェイ・パケット交換装置は、そのパケットが固定端末宛ての場合、そのカプセル化を解いて送信先の固定端末に転送するとともに、送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信するようにしたものである。以下、図面を参照しながらこの実施の形態5による移動体IPパケット通信システムについて説明する。
この実施の形態7において、移動体IPパケット通信システムの構成は、第1図に示すものと同じである。また、ゲートウェイ・パケット交換装置と加入者パケット交換装置間、および加入者パケット交換装置間でユーザのパケットを転送する際のパケットの転送形態も、第3図に示すものと同じである。
ここで、第11図はこの発明の実施の形態7による移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。以下、この第11図に示すシーケンス図に基づいて、この実施の形態7における移動体IPパケット通信システムの動作について説明する。
なお、送信元となる移動端末8aの位置登録手順は、実施の形態1の場合と同様(101〜108)であるため、ここではその説明を省略する。
加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから、送信先の移動端末8b宛ての最初のデータパケット“1”(701)を受信すると、このデータパケット“1”を送出すべき方路について判定する(702)。なお、この時点では送信元の端末の在圏ルーティング先のものか、もしくは外部のパケット・データ・ネットワークに対して転送すべきパケットか不明であるため、実施の形態1〜6の場合と同様に、必要とする方路数分だけこのデータパケット“1”を複製し(703)、それらをマルチキャスト・アドレスでカプセル化した上で(704)、自身以外の加入者パケット交換装置に転送する(705)。
ゲートウェイ・パケット交換装置1はこのマルチキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“1”を受信すると、それをデカプセル化し(706)、デカプセル化されたデータパケット“1”の宛て先を判定する(707)。その結果、外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10宛ての場合は、外部のパケット・データ・ネットワーク9に対して上記データパケット“1”の転送を行う(708)。その際、カプセル化されたデータパケット“1”を送信してきた加入者パケット交換装置3aに対して、第5図に示す在圏応答メッセージを送信する(709)。
また、デカプセル化後の宛て先の判定において、内部の移動体IPパケット通信ネットワーク宛ての場合には、そのデータパケット“1”は放棄する(マルチキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケットは、すでに内部の移動体IPパケット通信ネットワークにもマルチキャストされているため、廃棄とする)。
一方、加入者パケット交換装置3bはこのマルチキャスト・アドレスによってカプセル化されたデータパケット“1”を受信すると、そのデカプセル化を行って(710)、ビジター・ロケーション・レジスタ4bからその移動端末8bの在圏情報を取得する(711,712)。次に、その在圏情報に基づいて移動端末8bが在圏するか否かの判定を行い(713)、在圏していない場合にはこのデータパケット“1”を廃棄する。
ゲートウェイ・パケット交換装置1からの在圏応答メッセージ(709)を受信した加入者パケット交換装置3aは、それを外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10宛ての方路として記憶する(714)。加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10宛ての次のデータパケット“2”(715)を受信した場合、最初のデータパケット“1”の受信時と同様に、送出すべき方路の判定を行う(716)。ここでは上記在圏応答メッセージにより在圏ルーティング先が判明しているため、必要とする方路数分の複製(717)は行わずに、このデータパケット“2”をユニキャスト・アドレスによってカプセル化し(718)、それを在圏ルーティング先のゲートウェイ・パケット交換装置1だけに転送する(719)。
ゲートウェイ・パケット交換装置1はこのユニキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“2”を受信すると、それをデカプセル化した後(720)、その宛て先を判定する(721)。その結果、外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10宛ての場合には、外部のパケット・データ・ネットワーク9に対して上記データパケット“1”を転送する(722)。また、内部の移動体IPパケット通信ネットワーク宛ての場合には、宛て先アドレスをキーとして、ホーム・ロケーション・レジスタ2に対して在圏するルーティングエリア先の問い合わせを行い(723、724)、その結果により、ユニキャスト・アドレスでカプセル化して(725)、所定の加入者パケット交換装置に対して転送を行う(726)。
以上のように、この実施の形態7によれば、加入者パケット交換装置が送信元の移動端末から受信したパケットを送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置、もしくは送信先の固定端末が属している外部のパケット・データ・ネットワークへ転送する場合に、他の移動端末宛てか固定端末宛てかを判定ぜずに、マルチキャスト・アドレスでカプセル化して転送を行い、固定端末宛てにおいて、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の固定端末宛てのパケットを受信したゲートウェイ・パケット交換装置は、そのカプセル化を解いたパケットを、送信先の固定端末に対し転送するとともに、送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信しているため、移動端末宛てか固定端末宛てかを問わずに適用することが可能であり、転送遅延が減少して、パケット伝送を効率よく行うことができるという効果がある。
実施の形態8.
この実施の形態8による移動体IPパケット通信システムは、加入者パケット交換装置が送信元の移動端末から受信したパケットを送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置、もしくは送信先の固定端末が属している外部のパケット・データ・ネットワークへ転送する場合に、他の移動端末宛てか固定端末宛てかを判定し、他の移動端末宛てであり、かつリアルタイム型のパケット通信時に、ホームもしくはビジターのロケーション・レジスタより、送信先となる移動端末の位置情報を取得することなく、マルチキャスト・アドレスでカプセル化して転送するようにしたものである。以下、図面を参照しながらこの実施の形態8による移動体IPパケット通信システムについて説明する。
この実施の形態8において、移動体IPパケット通信システムの構成は、第1図に示すものと同じである。また、ゲートウェイ・パケット交換装置と加入者パケット交換装置間、および加入者パケット交換装置間でユーザのパケットを転送する際のパケットの転送形態も、第3図に示すものと同じである。
ここで、第12図はこの発明の実施の形態8による移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。以下、この第12図に示すシーケンス図に基づいて、この実施の形態8における移動体IPパケット通信システムの動作について説明する。
なお、送信元となる移動端末8aの位置登録手順は、実施の形態1の場合と同様(101〜108)であるため、ここではその説明を省略する。
加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから、送信先の移動端末8b宛ての最初のデータパケット“1”(801)を受信すると、このデータパケット“1”を送出すべき方路について判定する(802)。そのとき、この受信したデータパケット“1”の宛て先アドレスから、インターネット/イントラネット等の外部のパケット・データ・ネットワーク9に対して転送すべきデータパケットであるか、内部の移動体IPパケット通信ネットワークへ転送すべきもので、かつリアルタイム通信用のデータパケットであるかの判定を行う。
方路判定の結果、そのデータパケット“1”が外部のパケット・データ・ネットワーク9へ転送すべきものであり、かつ非リアルタイム通信用のものであった場合には、それをユニキャスト・アドレスでカプセル化して(803)、ゲートウェイ・パケット交換装置1に対して転送する(804)。このカプセル化されたデータパケット“1”を受信したゲートウェイ・パケット交換装置1は、受信したパケットのデカプセル化を行った後(805)、その宛て先を判定する(806)。
この宛先判定の結果、外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10宛ての場合には、外部のパケット・データ・ネットワーク9に対して上記データパケット“1”を転送する(807)。また、内部の移動体IPパケット通信ネットワーク宛ての場合には、ホーム・ロケーション・レジスタ2に対して、宛て先アドレスをキーとして在圏するルーティングエリア先を問い合わせ(819、820)、その結果により、ユニキャスト・アドレスによるカプセル化を行い(821)、所定の加入者パケット交換装置に対してカプセル化されたデータパケット“1”を転送する(822)。
一方、上記方路判定の結果、内部の移動体IPパケット通信ネットワークへ転送すべきものであり、かつリアルタイム通信用のデータパケットであった場合には、実施の形態1〜7の場合と同様に、方路判定を行った(808)後、データパケット“1”を必要とする方路分に複製するとともに(809)、複製した方路分のデータパケット“1”を、自身を除く加入者パケット交換装置のマルチキャスト・グループ・アドレスを用いてカプセル化し(810)、カプセル化されたデータパケット“1”の転送を行う(811)。なお、この後の動作は、実施の形態1〜7のいずれかと同様である。
以上のように、この実施の形態8によれば、加入者パケット交換装置が送信元の移動端末から受信したパケットを送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置、もしくは送信先の固定端末が属している外部のパケット・データ・ネットワークへ転送する場合に、他の移動端末宛てか固定端末宛てかを判定し、他の移動端末宛て、かつリアルタイム型のパケット通信時に、ホームもしくはビジターのロケーション・レジスタより、送信先となる移動端末の位置情報を取得することなく、マルチキャスト・アドレスでカプセル化して転送しているため、送信先の移動端末が在圏する加入者パケット交換装置へ、直接ルーティングを行うことが可能となり、リアルタイム通信において、転送遅延が減少し、パケット伝送の効率が向上するという効果がある。
実施の形態9.
この実施の形態9による移動体IPパケット通信システムは、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の固定端末宛てのパケットを受信したゲートウェイ・パケット交換装置が、カプセル化を解いて送信先の固定端末に対してパケットを転送するとともに、送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信する際にはタイマを起動し、そのタイマが満了するまで、もしくはヘッダ領域に設けた状態通知用の領域で在圏応答メッセージを受信済みと通知されるまでは、上記在圏応答メッセージを繰り返し送信するようにしたものである。以下、図面を参照しながらこの実施の形態9による移動体IPパケット通信システムについて説明する。
この実施の形態9において、移動体IPパケット通信システムの構成は、第1図に示すものと同じである。また、ゲートウェイ・パケット交換装置と加入者パケット交換装置間、および加入者パケット交換装置間でユーザのパケットを転送する際のパケットの転送形態も、第3図に示すものと同じである。
ここで、第13図はこの発明の実施の形態9による移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。以下、この第13図に示すシーケンス図に基づいて、この実施の形態9における移動体IPパケット通信システムの動作について説明する。
なお、送信元となる移動端末8aの位置登録手順は、実施の形態1の場合と同様(101〜108)であるため、ここではその説明を省略する。
加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから、送信先の移動端末8b宛ての最初のデータパケット“1”(901)を受信すると、このデータパケット“1”を送出すべき方路について判定する(902)。なお、この時点では送信先の端末の在圏ルーティング先のものか、もしくは外部のパケット・データ・ネットワークに対して転送すべきパケットか不明であるため、実施の形態1の場合と同様に、必要とする方路数分だけこのデータパケット“1”を複製し(903)、それらをマルチキャスト・アドレスでカプセル化した上で(904)、自身以外の加入者パケット交換装置に転送する(905)。
このカプセル化されたデータパケット“1”を受信したゲートウェイ・パケット交換装置1は、受信したパケットのデカプセル化を行った後(906)、その宛て先を判定する(907)。判定の結果、外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10宛ての場合には、外部のパケット・データ・ネットワーク9に対してこのデータパケット“1”の転送を行う(908)。その際、カプセル化されたデータパケット“1”を送信してきた加入者パケット交換装置3aに対して、タイマを起動し(909)、このタイマがタイムアップするまで、もしくは第8図に示すヘッダ領域に設けた状態通知用の領域で在圏応答メッセージを受信済みと通知されるまでは、第5図に示す在圏応答メッセージを繰り返し送信する(910)。なお、この第13図においては、タイマの起動からタイムアップまでの間、在圏応答メッセージの繰り返し送信を行う場合について例示している。
なお、上記宛先判定(907)の結果、内部の移動体IPパケット通信ネットワーク宛てであった場合には、そのデータパケット“1”は廃棄する(マルチキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケットは、すでに内部の移動体IPパケット通信ネットワークにもマルチキャストされているため、廃棄とする)。
また、加入者パケット交換装置3bはマルチキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“1”を、送信元の加入者パケット交換装置3aより受信すると、そのデカプセル化を行って(911)、ビジター・ロケーション・レジスタ4bからその移動端末8bの在圏情報を取得する(912,913)。次に、その在圏情報に基づいて移動端末8bが在圏するか否かの判定を行い(714)、在圏していない場合にはこのデータパケット“1”を廃棄する。
ゲートウェイ・パケット交換装置1からの在圏応答メッセージ(909)を受信した加入者パケット交換装置3aは、それを外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10宛ての方路として記憶する(915)。加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10宛ての次のデータパケット“2”(916)を受信した場合は、最初のデータパケット“1”の受信時と同様に、送出すべき方路の判定を行う(917)。ここでは上記在圏応答メッセージにより在圏ルーティング先が判明しているため、必要とする方路数分の複製(918)は行わず、このデータパケット“2”をユニキャスト・アドレスによってカプセル化し(919)、それを在圏ルーティング先の加入者パケット交換装置3bだけに転送する(920)。
ゲートウェイ・パケット交換装置1はこのユニキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“2”を受信すると、それをデカプセル化した後(921)、その宛て先を判定する(922)。その結果、外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10宛ての場合には、外部のパケット・データ・ネットワーク9に対して上記データパケット“2”を転送する(923)。また、内部の移動体IPパケット通信ネットワーク宛ての場合には、宛て先アドレスをキーとして、ホーム・ロケーション・レジスタ2に対して、在圏するルーティングエリア先の問い合わせを行い(924,925)、その結果により、ユニキャスト・アドレスでカプセル化して(926)、所定の加入者パケット交換装置に対して転送を行う(927)。
以上のように、この実施の形態9によれば、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の固定端末宛てのパケットを受信したゲートウェイ・パケット交換装置が、そのカプセル化を解いたパケットを送信先の固定端末に対して転送するとともに、送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信する際にタイマを起動し、それがタイムアップするまで、もしくはヘッダ領域に設けた状態通知用の領域で在圏応答メッセージを受信済みと通知されるまでは、在圏応答メッセージを繰り返して送信しているため、移動端末宛てか固定端末宛てかを問わず、そのいずれにも適用することが可能となり、確実に応答メッセージを授受することができて移動体IPパケット通信ネットワーク内の信号量を抑えることが可能になるとともに、転送遅延が減少して、パケット伝送を効率よく行うことができるという効果がある。
実施の形態10.
この実施の形態10による移動体IPパケット通信システムは、ゲートウェイ・パケット交換装置から送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信する時点で、送信先の固定端末から送信元の移動端末に対するパケット送信が行われた場合、上記在圏応答メッセージを送信先の固定端末から送信元の移動端末に対するパケットに重畳して送信するようにしたものである。以下、図面を参照しながらこの実施の形態10による移動体IPパケット通信システムについて説明する。
この実施の形態10において、移動体IPパケット通信システムの構成は、第1図に示すものと同じである。また、ゲートウェイ・パケット交換装置と加入者パケット交換装置間、および加入者パケット交換装置間でユーザのパケットを転送する際のパケットの転送形態も、第3図に示すものと同じである。
ここで、第14図はこの発明の実施の形態10による移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。以下、この第14図に示すシーケンス図に基づいて、この実施の形態10における移動体IPパケット通信システムの動作について説明する。
なお、送信元となる移動端末8aの位置登録手順は、実施の形態1の場合と同様(101〜108)であるため、ここではその説明を省略する。
加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから、送信先の移動端末8b宛ての最初のデータパケット“1”(1001)を受信すると、このデータパケット“1”を送出すべき方路の判定を行う(1002)。なお、この時点では送信先の端末の在圏ルーティング先、もしくは外部のパケット・データ・ネットワークへ転送すべきパケットか不明であるため、実施の形態1の場合と同様に、必要とする方路数分だけこのデータパケット“1”を複製し(1003)、それらをマルチキャスト・アドレスでカプセル化した上で(1004)、自身以外の加入者パケット交換装置に転送する(1005)。
このカプセル化されたデータパケット“1”を受信したゲートウェイ・パケット交換装置1は、受信したパケットのデカプセル化を行った後(1006)、その宛て先を判定する(1007)。判定の結果、外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10宛ての場合には、外部のパケット・データ・ネットワーク9に対してこのデータパケット“1”の転送を行う(1008)。
その直後に、外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10から、移動端末8aに対するデータパケット“1a”の送信が行われた場合(1009)、実施の形態7、9で説明した在圏応答メッセージを加入者パケット交換装置3aへ返すことなく、データパケット“1a”の転送処理を行う。ここでの転送処理においては、ホーム・ロケーション・レジスタ2との間で、位置情報読出要求と位置情報読出応答のメッセージを授受して、移動端末8aの在圏するルーティングエリア先を取得し(1010、1011)、外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10からデータパケット“1a”を受信したゲートウェイ・パケット交換装置1は、それをユニキャスト・アドレスで、かつ第8図に示すオプション領域で在圏応答メッセージを表す形態でカプセル化して、加入者パケット交換装置3aへの転送を行う(1012、1013)。
加入者パケット交換装置3aはこのようにしてユニキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“1a”を受信すると、そのデカプセル化を行うともに、そのオプション領域に在圏応答が示されているため、その在圏応答メッセージを外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10宛ての方路として記憶する(1014)。そして、デカプセル化したデータパケット“1a”を移動端末8aへ送信する(1015)。
なお、ゲートウェイ・パケット交換装置1において、デカプセル化後に行った宛先判定(1007)の結果、内部の移動体IPパケット通信ネットワーク宛てであった場合には、そのデータパケット“1”を廃棄する(マルチキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケットは、すでに内部の移動体IPパケット通信ネットワークにもマルチキャストされているため、廃棄とする)。
加入者パケット交換装置3aはその後、送信元の移動端末8aから外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10宛ての次のデータパケット“2”(1016)を受信すると、最初のデータパケット“1”の受信時と同様に、送出すべき方路の判定を行う(1017)。この場合、上記在圏応答により在圏ルーティング先が判明しているため、必要とする方路数分の複製(1018)は行わず、このデータパケット“2”をユニキャスト・アドレスによってカプセル化し(1019)、それを在圏ルーティング先の加入者パケット交換装置3bだけに転送する(1020)。
このカプセル化されたデータパケット“2”を受信したゲートウェイ・パケット交換装置1は、それをデカプセル化した後(1021)、宛て先を判定する(1022)。判定の結果、外部のパケット・データ・ネットワーク9に接続された固定端末10宛ての場合には、外部のパケット・データ・ネットワーク9に対して、デカプセル化したデータパケット“2”を転送する(1023)。また、内部の移動体IPパケット通信ネットワーク宛ての場合には、ホーム・ロケーション・レジスタ2に対して、宛て先アドレスをキーとして在圏するルーティングエリア先の問い合わせを行い(1024、1025)、その結果により、データパケット“2”を再度ユニキャスト・アドレスでカプセル化し(1026)、そのカプセル化したデータパケット“2”を所定の加入者パケット交換装置に対して転送する(1027)。
以上のように、この実施の形態10によれば、ゲートウェイ・パケット交換装置から送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信する時点で、送信先の固定端末から送信元の移動端末に対するパケット送信が行われた場合に、その在圏応答メッセージを送信先の固定端末から送信元の移動端末に対するパケットに重畳して送信しているため、移動端末宛てか固定端末か宛てかを問わず、そのいずれにも適用することが可能であり、応答メッセージを使用していないので移動体IPパケット通信ネットワーク内の信号量を抑えることができるとともに、転送遅延が減少して、パケット伝送を効率よく行うことができるという効果がある。
実施の形態11.
この実施の形態11による移動体IPパケット通信システムは、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の端末宛てのパケットを受信した、加入者パケット交換装置もしくはゲートウェイ・パケット交換装置が、送信先の端末に対して、そのカプセル化を解いたパケットの転送を行うとともに、IETFのRFC2205に規定されたRSVPのリザーブ・メッセージを在圏応答メッセージとして、送信元の加入者パケット交換装置に対して送信し、帯域予約をするようにしたものである。以下、図面を参照しながらこの実施の形態11による移動体IPパケット通信システムについて説明する。
この実施の形態11において、移動体IPパケット通信システムの構成は、第1図に示すものと同じである。また、ゲートウェイ・パケット交換装置と加入者パケット交換装置間、および加入者パケット交換装置間でユーザのパケットを転送する際のパケットの転送形態も、第3図に示すものと同じである。
ここで、第15図はこの発明の実施の形態11による移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。以下、この第15図に示すシーケンス図に基づいて、この実施の形態11における移動体IPパケット通信システムの動作について説明する。
なお、送信元となる移動端末8aおよび送信先となる移動端末8bの位置登録手順は、実施の形態1の場合と同様(101〜108)であるため、ここではその説明を省略する。
加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから、送信先の移動端末8b宛ての最初のデータパケット“1”(1101)を受信すると、このデータパケット“1”を送出すべき方路の判定を行う(1102)。なお、この時点では送信先の端末の在圏ルーティング先が不明であるため、実施の形態2の場合と同様に、必要とする方路数分だけこのデータパケット“1”を複製し(1103)、それらをマルチキャスト・アドレスでカプセル化した上で(1104)、自身以外の加入者パケット交換装置に転送する(1105)。
このカプセル化されたデータパケット“1”を受信した加入者パケット交換装置3bは、受信したパケットのデカプセル化を行った後(1106)、移動端末8b宛てのデータパケットを取り出して、ビジター・ロケーション・レジスタ4bに対して在圏するルーティングエリア先の問い合わせを行い、移動端末8bの在圏情報を取得して(1107、1108)、在圏するか否かを判定する(1109)。その結果、在圏する場合には、在圏するゾーンを特定した後、そのデータパケット“1”を無線基地局および基地局制御装置を介して送信先の移動端末8bへ転送する(1110)。
その際、このマルチキャスト・アドレスでカプセル化したデータパケット“1”を送信してきた加入者パケット交換装置3aに対して、在圏応答メッセージとしてRSVPのリザーブ・メッセージを送信する(1111)。このRSVPのリザーブ・メッセージを受信した加入者パケット交換装置3aは、それを移動端末8b宛ての方路として記憶するとともに、このRSVPのリザーブ・メッセージによって帯域の確保を行い、送信元の加入者パケット交換装置3aと送信先の加入者パケット交換装置3bとの間のパケット転送用のサービス品質を確保する(1112)。
加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから移動端末8b宛ての次のデータパケット“2”(1113)を受信した場合、最初のデータパケット“1”の受信時と同様に、送出すべき方路の判定を行う(1114)。この場合、RSVPのリザーブ・メッセージによる在圏応答メッセージにて在圏ルーティング先が判明しているため、必要とする方路数分の複製(1115)は行わず、このデータパケット“2”をユニキャスト・アドレスによってカプセル化し(1116)、それを在圏ルーティング先の加入者パケット交換装置3bだけに転送する(1117)。
加入者パケット交換装置3bはこのユニキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“2”を受信すると、マルチキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“1”を受信した場合と同様の処理を行う。すなわち、加入者パケット交換装置3bはこのカプセル化されたデータパケット“2”を受信すると、それをデカプセル化し(1118)、送信先の移動端末8bの在圏判定を行って(1119)、在圏していれば、そのデータパケット“2”を送信先の移動端末8bへ転送する(1120)を行う。
なお、この送信先の移動端末8bへのデータパケット“2”の転送において、第15図では特にビジター・ロケーション・レジスタ4bへの在圏情報の取得はしていないが、これは、データパケット“1”の転送時に取得した在圏情報をキャッシュしておくことを前提としているためであり、キャッシュしない場合は、データパケット“1”の転送時と同様に、在圏情報を取得(1107、1108)するものとする。
以上のように、この実施の形態11によれば、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された、送信先の端末宛てのパケットを受信した、加入者パケット交換装置もしくはゲートウェイ・パケット交換装置が、そのパケットのカプセル化を解いて、送信先の端末に転送するとともに、送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージとして、RSVPのリザーブ・メッセージを送信して帯域予約するようにているため、宛て先の移動端末が在圏する加入者パケット交換装置へ直接ルーティングを行うことが可能となり、送信先の加入者パケット交換装置から在圏応答メッセージを送信することで、以降のデータパケット転送時には、ユニキャスト・アドレスでのカプセル化を行うともに、在圏応答メッセージとしてRSVPのリザーブ・メッセージを用いることで、所望のサービス品質を確保することが可能となり、転送遅延が減少して、パケット伝送を効率よく行うことができるという効果がある。
実施の形態12.
この実施の形態12による移動体IPパケット通信システムは、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された送信先の端末宛てのパケットを受信した、加入者パケット交換装置もしくはゲートウェイ・パケット交換装置が、送信先の端末に対して、そのカプセル化を解いたパケットの転送を行うとともに、IETFのインターネット・ドラフト(Internet Draft)によるMPLSのLDPメッセージを在圏応答メッセージとして、送信元の加入者パケット交換装置に対して送信し、仮想通信路を設定するようにしたものである。以下、図面を参照しながらこの実施の形態12による移動体IPパケット通信システムについて説明する。
この実施の形態12において、移動体IPパケット通信システムの構成は、第1図に示すものと同じである。また、ゲートウェイ・パケット交換装置と加入者パケット交換装置間、および加入者パケット交換装置間でユーザのパケットを転送する際のパケットの転送形態も、第3図に示すものと同じである。
ここで、第16図はこの発明の実施の形態12による移動体IPパケット通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。以下、この第16図に示すシーケンス図に基づいて、この実施の形態12における移動体IPパケット通信システムの動作について説明する。
なお、送信元となる移動端末8aおよび送信先となる移動端末8bの位置登録手順は、実施の形態1の場合と同様(101〜108)であるため、ここではその説明を省略する。
加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから、送信先の移動端末8b宛ての最初のデータパケット“1”(1201)を受信すると、このデータパケット“1”を送出すべき方路の判定を行う(1202)。なお、この時点では送信先の端末の在圏ルーティング先が不明であるため、実施の形態2の場合と同様に、必要とする方路数分だけこのデータパケット“1”を複製し(1203)、それらをマルチキャスト・アドレスでカプセル化した上で(1204)、自身以外の加入者パケット交換装置に転送する(1205)。
このカプセル化されたデータパケット“1”を受信した加入者パケット交換装置3bは、受信したパケットのデカプセル化を行った後(1206)、移動端末8b宛てのデータパケットを取り出して、ビジター・ロケーション・レジスタ4bに対して在圏するルーティングエリア先の問い合わせを行い、移動端末8bの在圏情報を取得して(1207、1208)、在圏するか否かを判定する(1209)。その結果、在圏する場合には、在圏するゾーンを特定した後、そのデータパケット“1”を無線基地局および基地局制御装置を介して送信先の移動端末8bへ転送する(1210)。
その際、このマルチキャスト・アドレスでカプセル化したデータパケット“1”を送信してきた加入者パケット交換装置3aに対して、在圏応答メッセージとしてMPLSのLDPメッセージを送信する(1211)。このMPLSのLDPメッセージを受信した加入者パケット交換装置3aは、それを移動端末8b宛ての方路として記憶するとともに、このMPLSのLDPメッセージによって仮想通信路の設定を行い、送信元の加入者パケット交換装置3aと送信先の加入者パケット交換装置3bとの間のパケット転送用のサービス品質を確保する。
加入者パケット交換装置3aは送信元の移動端末8aから移動端末8b宛ての次のデータパケット“2”(1213)を受信した場合、最初のデータパケット“1”の受信時と同様に、送出すべき方路の判定を行う(1214)。この場合、MPLSのLDPメッセージによる在圏応答メッセージにて在圏ルーティング先が判明しているため、必要とする方路数分の複製(1215)は行わず、このデータパケット“2”をユニキャスト・アドレスによってカプセル化し(1216)、それを在圏ルーティング先の加入者パケット交換装置3bだけに転送する(1217)。
加入者パケット交換装置3bはこのユニキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“2”を受信すると、マルチキャスト・アドレスでカプセル化されたデータパケット“1”を受信した場合と同様の処理を行う。すなわち、加入者パケット交換装置3bはこのカプセル化されたデータパケット“2”を受信すると、それをデカプセル化し(1218)、送信先の移動端末8bの在圏判定を行って(1219)、在圏していれば、そのデータパケット“2”を送信先の移動端末8bへ転送する(1220)。
なお、この送信先の移動端末8bへのデータパケット“2”の転送において、第16図では特にビジター・ロケーション・レジスタ4bへの在圏情報の取得はしていないが、これは、データパケット“1”の転送時に取得した在圏情報をキャッシュしておくことを前提としているためであり、キャッシュしない場合は、データパケット“1”の転送時と同様に、在圏情報を取得(1207、1208)するものとする。
以上のように、この実施の形態12によれば、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された、送信先の端末宛てのパケットを受信した、加入者パケット交換装置もしくはゲートウェイ・パケット交換装置が、そのパケットのカプセル化を解いて、送信先の端末に転送するとともに、送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージとして、MPLSのLDPメッセージを送信して仮想通信路を設定するようにしているため、宛て先の移動端末が在圏する加入者パケット交換装置へ直接ルーティングを行うことが可能となり、送信先の加入者パケット交換装置から在圏応答メッセージを送信することで、以降のデータパケット転送時には、ユニキャスト・アドレスでのカプセル化を行うともに、在圏応答メッセージとしてMPLSのLDPメッセージを用いることで、所望のサービス品質を確保することが可能となり、転送遅延が減少して、パケット伝送を効率よく行うことができるという効果がある。
産業上の利用可能性
以上のように、この発明に係る移動体IPパケット通信システムは、移動端末もしくは固定端末に対するパケットを、送信元となる加入者パケット交換装置が、ホーム・ロケーション・レジスタまたはビジター・ロケーション・レジスタより送信先となる移動端末の位置情報を取得することなく、マルチキャスト・アドレスでカプセル化して転送する移動体通信システムとして、また、送信先の加入者パケット交換装置から送信元の加入者パケット交換装置に在圏応答メッセージを送信し、ネットワーク内の信号量の減少をはかった移動体通信システムとして、さらに、応答情報を転送するデータパケットに重畳して応答メッセージを不要とした移動体通信システムとして有効であり、特に、在圏応答メッセージとして、RSVPのリザーブ・メッセージ、あるいはMPSLのLDPメッセージを送信する移動体通信システムに用いるのに適している。

Claims (13)

  1. 移動端末と、
    前記移動端末と交信する無線基地局と、
    前記無線基地局を複数管理して無線回線の制御を行う基地局制御装置と、
    前記複数の無線基地局と基地局制御装置からなるルーティングエリアを管理して、上記移動端末宛てのパケットの転送制御を行う加入者パケット交換装置と、
    前記加入者パケット交換装置と外部のデータパケットネットワークとの間のゲートウェイ機能を有するゲートウェイ・パケット交換装置と、
    前記移動端末の在圏するルーティングエリアの情報を管理するホーム・ロケーション・レジスタと、
    前記ルーティングエリア内において、移動端末の在圏するゾーンの情報を管理するビジター・ロケーション・レジスタとを備え、
    前記加入者パケット交換装置と前記ゲートウェイ・パケット交換装置の間、または前記加入者パケット交換装置間にて、送信先となる前記移動端末が在圏するルーティングエリアを管理する前記加入者パケット交換装置に対するパケットの転送を、前記送信先となる加入者パケット交換装置宛てのアドレス情報を付与してカプセル化し、転送する移動体IPパケット通信システムにおいて、
    前記加入者パケット交換装置が前記送信元の移動端末から受信したパケットを前記送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置へ転送する場合に、
    前記ホーム・ロケーション・レジスタもしくはビジター・ロケーション・レジスタより、前記送信先となる移動端末の位置情報を取得することなく、マルチキャスト・アドレスでカプセル化することを特徴とする移動体IPパケット通信システム。
  2. 送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置は、マルチキャスト・アドレスでカプセル化された、前記送信先の移動端末宛てのパケットを受信すると、受信したパケットのカプセル化を解き、前記送信先の移動端末に対して、そのカプセル化が解かれたパケットを転送するとともに、
    送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信することを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動体IPパケット通信システム。
  3. マルチキャスト・アドレスでカプセル化された、送信先の移動端末宛てのパケットを受信した、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置は、そのカプセル化を解いて、前記送信先の移動端末に対してパケットの転送を行うとともに、
    送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信する際にタイマを起動し、そのタイマが満了するまでは、上記在圏応答メッセージを繰り返し送信することを特徴とする請求の範囲第2項記載の移動体IPパケット通信システム。
  4. 加入者パケット交換装置が送信元の移動端末から受信したパケットを、送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置へマルチキャスト・アドレスでカプセル化して転送する場合に、
    ヘッダ領域にあらかじめ状態通知用の領域を設けておき、
    前記送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置からの在圏応答メッセージを受信した場合に、前記在圏応答メッセージを受信済みであることを、前記ヘッダ領域に設けた状態通知用の領域で前記送信先の加入者パケット交換装置に対して示すことを特徴とする請求の範囲第2項記載の移動体IPパケット通信システム。
  5. 送信先の加入者パケット交換装置から送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信する時点で、送信先の移動端末から送信元の移動端末に対するパケット送信が行われた場合に、
    前記在圏応答メッセージ相当の情報を前記送信先の移動端末から前記送信元の移動端末に対するパケットに重畳して送信することを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動体IPパケット通信システム。
  6. 加入者パケット交換装置が、送信元の移動端末から受信したパケットを、送信先の他の移動端末が属している加入者パケット交換装置、もしくは送信先の固定端末が属している外部のパケット・データ・ネットワークに転送する場合に、
    前記他の移動端末宛てか固定端末宛てかを判定し、前記移動端末宛ての場合にはマルチキャスト・アドレスでカプセル化して、前記送信先の移動端末が属している加入者パケット交換装置へ転送すること特徴とする請求の範囲第1項記載の移動体IPパケット通信システム。
  7. 加入者パケット交換装置が、送信元の移動端末から受信したパケットを、送信先の他の移動端末が属している加入者パケット交換装置、もしくは送信先の固定端末が属している外部のパケット・データ・ネットワークへ転送する場合に、
    前記他の移動端末宛てか固定端末宛てかを判定ぜずに、マルチキャスト・アドレスでカプセル化してその転送を行い、
    マルチキャスト・アドレスでカプセル化された、送信先の前記固定端末宛てのパケットを受信したゲートウェイ・パケット交換装置は、送信先の固定端末に対して、受信したパケットのカプセル化を解いてその転送を行うとともに、
    送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信することを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動体IPパケット通信システム。
  8. 加入者パケット交換装置が、送信元の移動端末から受信したパケットを、送信先の他の移動端末が属している加入者パケット交換装置、もしくは送信先の固定端末が属している外部のパケット・データ・ネットワークへ転送する場合に、
    前記他の移動端末宛てか固定端末宛てかを判定し、前記他の移動端末宛てであり、かつリアルタイム型のパケット通信時に、ホーム・ロケーション・レジスタもしくはビジター・ロケーション・レジスタより、前記送信先となる移動端末の位置情報を取得することなく、前記パケットをマルチキャスト・アドレスでカプセル化して転送することを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動体IPパケット通信システム。
  9. マルチキャスト・アドレスでカプセル化された、送信先の固定端末宛てのパケットを受信したゲートウェイ・パケット交換装置が、前記送信先の固定端末に対して、受信したパケットのカプセル化を解いてその転送を行うとともに、
    送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信する際には、タイマを起動して、このタイマが満了するまで、もしくは、前記パケットのヘッダ領域に設けた状態通知用の領域で在圏応答メッセージを受信済みと通知されるまでは、前記上記在圏応答メッセージを繰り返し送信することを特徴とする請求の範囲第7項記載の移動体IPパケット通信システム。
  10. ゲートウェイ・パケット交換装置から送信元の加入者パケット交換装置に対して、在圏応答メッセージを送信する時点で、送信先の固定端末から送信元の移動端末に対するパケット送信が行われた場合に、
    前記在圏応答メッセージを前記送信先の固定端末から送信元の移動端末に対するパケットに重畳して送信することを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動体IPパケット通信システム。
  11. マルチキャスト・アドレスでカプセル化された、送信先の端末宛てのパケットを受信した、加入者パケット交換装置もしくはゲートウェイ・パケット交換装置が、前記送信先の端末に対して、受信したパケットのカプセル化を解いてその転送を行うとともに、
    送信元の加入者パケット交換装置に対して、RSVPのリザーブ・メッセージを在圏応答メッセージとして送信し、帯域予約することを特徴とする請求の範囲第2項記載の移動体IPパケット通信システム。
  12. マルチキャスト・アドレスでカプセル化された、送信先の端末宛てのパケットを受信した、加入者パケット交換装置もしくはゲートウェイ・パケット交換装置が、前記送信先の端末に対して、受信したパケットのカプセル化を解いてその転送を行うとともに、
    送信元の加入者パケット交換装置に対して、MPLSのLDPメッセージを在圏応答メッセージとして送信し、仮想通信路を設定することを特徴とする請求の範囲第2項記載の移動体IPパケット通信システム。
  13. 所定のルーティングエリアを有する交換局を複数備えた移動体IPパケット通信システムであって、
    前記交換局は、
    宛て先アドレスが付与されたデータパケットを受信し、所定のマルチキャスト・アドレスを用いて前記データパケットをカプセル化したデータフレームを生成し、前記マルチキャスト・アドレスに対応する複数の交換局に前記データフレームを送信するパケット交換手段と、
    前記ルーティングエリア内に在園する移動端末の情報を管理するビジター・ロケーション・レジスタとを備え、
    前記パケット交換手段が、他の交換局からデータフレームを受信すると前記データフレームからデータパケットを分離し、前記データパケットに付与された宛て先アドレスが示す移動端末が自ら有するルーティングエリアに在園するか否かを前記ビジター・ロケーション・レジスタが管理する移動端末の情報に基づいて判定し、在園していると判定した場合に当該移動端末へ前記データパケットを転送することを特徴とする移動体IPパケット通信システム。
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