JP3741903B2 - 通信システム及びその冗長系切り替え方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は通信システム及びその冗長系切り替え方法に関し、特にポイント−ポイントにて接続される光加入者線伝送における通信システム及びその冗長系切り替え方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の冗長系切り替え方法は、光加入者線伝送における局側加入者線終端装置と回線終端装置間にて冗長構成をとり、ユーザ側装置区間をも含めた冗長構成を行うためには、接続されるユーザ側装置の冗長構成にて回線の冗長構成を行い、回線断等の障害に対して運用サービスへの影響を最小限にしている。図4には、従来の局側装置とユーザ側装置との冗長構成の一例をブロック図の形にて示す。
【0003】
図4において、従来の光伝送システムは、“0”系及び“1”系加入者線にそれぞれ接続されているユーザ(加入者)(光端末)装置11,12、加入者線光インタフェース区間を終端する回線終端装置3,5、加入者中継区間を延長する中継装置あるいは遠隔加入者終端装置4,6、局側の加入者線終端装置7にて構成される。また、加入者線終端装置7は、回線切り替え部8を含む。
【0004】
局側からユーザ側への下り信号bは、加入者線終端装置7の回線切り替え部8にて信号が分岐される。例えば、回線切り替え部8が“0”系を選択している場合は、“0”系の中継装置あるいは遠隔加入者終端装置4及び回線終端装置3を介して、ユーザ装置(加入者光端末装置)11に接続される。ユーザ装置11からの上り方向信号は、回線終端装置3及び中継装置4を介して、加入者線終端装置7の回線切り替え部8を経由して上り信号bとなる。
【0005】
同様に、回線切り替え部8が“1”系を選択している場合は、“1”系の中継装置あるいは遠隔加入者終端装置6及び回線終端装置5を介してユーザ装置12に接続される。ユーザ装置12からの上り方向信号は、回線終端装置5及び中継装置6を介して、加入者線終端装置7の回線切り替え部8を経由して上り信号bとなる。
【0006】
特開平6−125374号公報に記載されたディジタル回線終端装置は、加入者線及びユーザ線に冗長構成を備えるディジタル回線終端装置であり、1つのディジタル回線終端装置を用いて加入者線冗長、ユーザ線冗長を構成するものである。
【0007】
特開平10−117168号公報に記載された光加入者線インタフェースの冗長系切り替え方式は、ブランチ装置と対向するセンタ装置の光加入者線インタフェース部とが、冗長系を取る光加入者線インタフェースにブランチ状に接続され冗長を構成する冗長切り替え方式である。
【0008】
特開平8−340301号公報に記載された二重化切り替え方式は、局側終端装置の現用系及び予備系の各光加入者線終端部が光加入者線及びスターカプラによる分岐を経て複数の加入者側装置に接続され、複数の加入者側装置と双方向伝送を行う光バースト信号多重伝送システムの二重化切り替え方式である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図1に示す従来の光伝送システムは、局側装置からユーザ側装置までの加入者線ユーザインタフェースに冗長構成がとれない問題がある。すなわち、局側装置とユーザ側装置とがポイント−ポイント(1対1の関係にて)の網構成にて対向しているためである。また、加入者線終端装置からユーザ装置間を冗長構成にした場合、別(途)のユーザ装置を追加設置しなくてはならない問題がある。すなわち、ポイント−ポイントの網構成にて冗長構成にするためには、局側装置とユーザ側装置を2対向構成することが必要となる。このため、ユーザ側装置を追加設置する必要が生じる。
【0010】
さらに、ユーザ側装置を増設することなく冗長系を構成しようとした場合、回線終端装置のユーザ装置側への光ユーザインタフェース信号を単純に分岐・結合すると、局側装置及びユーザ装置間にて正常に通信できなくなる問題がある。すなわち、ユーザ側装置を増設することなく、2つの回線終端装置との光ユーザインタフェースを光分岐・結合すると、信号同士が衝突して正常な状態にて局側装置とユーザ側装置間にて通信ができない。
【0011】
本発明の目的は、ユーザ装置と局側装置との間を冗長構成にした通信システム及びその冗長系切り替え方法を提供することである。
【0012】
すなわち、局側装置と回線終端装置とがポイント−ポイントにて接続される光加入者システムにおいて、局側装置とユーザ側装置との間にて構成される通信系にて、冗長切り替え構成を提供し、光加入者線区間の信頼性を向上することにある。また、ユーザ側装置に関係なく光加入者線を冗長構成でき、ユーザ側装置の増設設置をともなわないため、ユーザ側装置構成が簡易化できる。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による通信システムは、加入者側のユーザ端末装置から回線終端装置及び加入者線にて構成される通信系を介して局側の加入者線終端装置へ接続する通信システムであって、冗長系を構成する複数の前記通信系と、前記局側から前記加入者側への下り信号に関して複数の前記回線終端装置の出力信号を合成して前記ユーザ端末装置へ接続する結合手段と、前記加入者側から前記局側への上り信号に関して前記ユーザ端末装置の出力信号を分岐して複数の前記回線終端装置へ接続する分岐手段とを含み、前記回線終端装置は、前記下り信号に挿入された制御信号により前記局側から出力シャットダウン制御されることを特徴とする。
【0014】
本発明による他の通信システムは、加入者側のユーザ端末装置から回線終端装置及び加入者線にて構成される通信系を介して局側の加入者線終端装置へ接続する通信システムであって、冗長系を構成する複数の前記通信系と、前記局側から前記加入者側への下り信号に関して複数の前記回線終端装置の出力信号を合成して前記ユーザ端末装置へ接続する結合手段と、前記加入者側から前記局側への上り信号に関して前記ユーザ端末装置の出力信号を分岐して複数の前記回線終端装置へ接続する分岐手段とを含み、前記回線終端装置は、前記下り信号に障害が発生した場合に、前記下り信号に障害情報を挿入して前記ユーザ端末装置に対して警報することを特徴とする。
【0015】
本発明による冗長系切り替え方法は、加入者側のユーザ端末装置から複数の回線終端装置及び加入者線にて構成される複数の通信系を介して局側の加入者線終端装置へ接続する通信システムの前記複数の通信系にて構成される運用系/非運用系の冗長系切り替え方法であって、前記局側から前記加入者側への下り信号に障害が発生した場合に、前記運用系の前記回線終端装置により、前記下り信号に障害情報を挿入して前記ユーザ端末装置に対して警報するステップと、前記加入者側から前記局側への上り信号に前記ユーザ端末装置への前記下り信号に、前記障害が発生したことを状態信号として挿入して前記局側へ通知するステップと、前記下り信号に挿入した制御信号により、前記運用系の回線終端装置の出力シャットダウンを行うステップと、前記非運用系の回線終端装置の出力シャットダウンを解除するステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
さらに、前記運用系の通信系からの上り信号に障害が発生した場合に、前記局側が前記下り信号に挿入した制御信号により、前記運用系の回線終端装置の出力シャットダウンを行うステップと、前記非運用系の回線終端装置の出力シャットダウンを解除するステップとを含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の作用を述べる。加入者線の冗長系構成を簡易化するため、加入者線終端装置に回線状態を監視し、通信系の冗長切り替え制御を行う監視制御手段と、回線終端装置の切り替え制御及び切り替え制御の状態を監視・制御する監視制御手段とを設ける。また、光信号を分岐する光分岐器と光信号を結合する光結合器とを設けて、加入者線終端装置からの切り替え動作制御手段により、非運用系の(通信系の)回線終端装置のユーザ側への光出力信号をシャットダウンする。その結果、運用系の(通信系の)回線終端装置からの光信号出力がユーザ側装置に送出されることにより、冗長系を構成する。
【0018】
加入者線終端装置の監視制御部は、運用系に対して運用系制御情報を通知する。回線終端装置はこの運用系制御情報を監視し、運用系と判断して正常にユーザ側に信号を出力する。一方、非運用系と判断された場合は、ユーザ側への出力信号をシャットダウン(遮断)する。この時、“0”系、“1”系の両通信系の回線終端装置からユーザ側への光出力信号が衝突しないように、加入者線終端装置からの制御を行う。また、非運用を認識した回線終端装置は、即時シャットダウン動作を行い、運用系を認識した回線終端装置は保護時間Tを経過した後に、ユーザ側装置に対して光出力信号を送出する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明による通信システムの実施例の構成を示すブロック図であり、図4と同等部分は同一符号にて示している。図1において、本発明による通信システムは、加入者(ユーザ)と接続するユーザ装置(光端末装置)1、ユーザ装置1からの光信号を分岐する光分岐器21、ユーザ装置1への光信号を合成する光結合器22を有する。また、光(ユーザインタフェース)信号にて例えば光ファイバケーブルを介して、“0”系及び“1”系(現用;運用系及び予備;非運用系)の通信系側の加入者線にそれぞれ接続され、加入者線光インタフェース区間を終端する回線終端装置3,5を有する。
【0020】
さらに、加入者中継区間を延長する中継装置あるいは遠隔加入者終端装置4,6、局(公衆通信回線網)側に設置されて加入者線を終端する加入者線終端装置7を有して構成される。さらにまた、加入者線終端装置7は、“0”系あるいは“1”系の回線を切り替え選択する回線切り替え部8、“0”系及び“1”系の通信系の回線状態を監視し、冗長切り替え制御を行う監視制御部9を有する。
【0021】
加入者線終端装置7は局側のインタフェース部であり、回線終端装置3,5はユーザ側のインタフェース部であって、この間は中継装置あるいは遠隔加入者終端装置4,6を含めて、加入者線(例えば光ファイバケーブル)にて接続される。
【0022】
本発明の実施例の動作を図1〜3により説明する。図1において、“0”系加入者線及び“1”系加入者線が両系とも正常状態であり、“0”系の冗長系を現用系として選択している状態における動作を説明する。まず、局側からユーザ側への信号の流れについて説明する。局側からユーザ側への下り信号bは、回線切り替え部8にて信号が分岐されると同時に、ユーザ側から局側への“0”系及び“1”系の回線状態を監視し、冗長切り替え制御を行う監視制御部9からの制御信号(“0”系ACT;作動信号及び“1”系ACT信号)を挿入し、“0”系及び“1”系光加入者線インタフェースに信号を出力する。
【0023】
この時、“0”系の冗長系を現用系として選択しているため、“0”系出力のACT信号:ACT(0)=“1(アクティブ;作動)”、“1”系出力のACT信号:ACT(1)=“0(非作動)”となる。“0”系の中継装置あるいは遠隔加入者終端装置4、及び“1”系中継装置あるいは遠隔加入者終端装置6は、制御信号を終端せずに通過(スルー)させる。“0”系側加入者線に接続された回線終端装置3は、加入者線光インタフェース区間を終端するとともに、制御信号(ACT信号)を監視し、ユーザ側への光ユーザインタフェース信号の光出力を制御する。
【0024】
ACT(0)=“1”を局側より受信してユーザ側への光信号を出力する。この時、回線終端装置3は、局側への上り信号に対しての状態信号(ST信号)を折返して出力する。正常なら状態信号:ST=“0”、異常なら状態信号:ST=“1”を出力する。回線終端装置3は、局側より受信する下り光加入者線信号が正常であるため、“0”系の状態信号:ST(0)=“0”を局側へ出力する。
【0025】
一方、“1”系側加入者線に接続された回線終端装置5も同様に、加入者線光インタフェース区間を終端するとともに、制御信号(ACT信号)を監視し、ユーザ側への光ユーザインタフェース信号の光出力を制御する。ACT(1)=“0”を局側より受信してユーザ側への光信号を停止(消光状態)する。この時、回線終端装置5は、局側への上り信号に対しての状態信号(ST信号)を折返し出力する。回線終端装置5は、局側より受信する下り光加入者線信号が正常であるため、“1”系の状態信号:ST(1)=“0”を局側へ出力する。光結合器22の入力において、“1”系側の回線終端装置5からの光信号が停止しているため、“0”系の回線終端装置3からの光出力信号がユーザ装置1にて正常に受信される。
【0026】
次に、ユーザ側から局側への信号の流れについて説明する。ユーザ装置1からの上り方向信号は、光分岐器21にて“0”系及び“1”系信号にそれぞれ分岐され、“0”系及び“1”系の回線終端装置3,5にてユーザ装置1からの信号を受信する。局側より受信する下り光加入者線信号が正常であるため、“0”系の回線終端装置3からST(0)=“0”、“1”系の回線終端装置5からST(1)=“0”を局側へ出力する。また、“0”系及び“1”系の中継装置あるいは遠隔加入者終端装置4,6は、制御信号を終端せずに通過(スルー)させ、加入者線終端装置7にて“0”系及び“1”系信号とも受信される。
【0027】
“0”系あるいは“1”系の回線を切り替え選択する回線切り替え部8にては、“0”系及び“1”系の下り回線状態(“0”系及び“1”系からのST信号が、それぞれ正常状態:ST=“0”であるために切り替え制御は実行されず、“0”系の選択運用のままの状態となる)を監視する。また、冗長切り替え制御を行う監視制御部9からの制御にて“0”系回線を選択し、ユーザ側から局側への上り信号aへ出力される。
【0028】
本発明による光伝送システムの切り替え動作フローについて、図2を参照して説明する。図2において、“0”系及び“1”系の両系とも正常状態にあり、冗長切り替えが“0”系を選択している状態にあって、“0”系下り(ユーザ側から局側)方向の障害が発生した場合の切り替えフローの一例を示す。加入者線終端装置7からの下り方向の信号cは、両系とも正常であり、“0”系側が運用状態にあるため、“0”系及び“1”系の制御信号はそれぞれACT(0)=“1”及びACT(1)=“0”であり、“0”系回線終端装置3はユーザ側に正常に信号を出力し、“1”系回線終端装置5はACT(1)=“0”のためユーザ側光信号を停止する。これによりユーザ装置1にては、加入者線終端装置7からの下り信号を正常に受信できる。
【0029】
ユーザ装置1からの上り方向の信号dは分岐21された後、回線終端装置3,5にて状態信号をそれぞれ挿入(ST(0)=“0”、ST(1)=“0”)し、加入者線終端装置7にては状態信号が正常のため、制御信号(ACT信号)は変更なし、切り替え状態も“0”系選択のまま状態変更なしとなる。下り方向の信号eが伝送されたとき、両系とも正常であって“0”系側運用状態のため、“0”系及び“1”系の制御信号はそれぞれACT(0)=“1”及びACT(1)=“0”の状態中に、“0”系下り回線に障害が発生したとする。
【0030】
この時、“0”系の回線終端装置3は加入者線の障害を検出し、ユーザ側及び局側への出力に回線障害を知らせる伝送路警報転送を出力する。また、回線終端装置3は下り方向の制御異常(ユーザ側への制御異常[光出力中])を表す状態信号:ST(0)=“1”を局側への上り方向信号fへ出力する。回線終端装置5にては“1”系正常のため、ST(1)=“0”を上り方向信号fとして出力する。加入者線終端装置7はこのとき伝送路警報によって“0”系の運用系に加入者伝送路故障の発生を“1”系の非運用系の正常を認識する。伝送路警報転送による障害(発生)認識とともに、制御状態:ST(0)=“1”を検出し、運用系障害のため切り替え動作を開始する。
【0031】
“0”系運用系の故障を認識したことにより、加入者線終端装置7は下り方向の信号gにより、“0”系側を非運用系状態とするためにACT(0)=“0”を出力し、“1”系はまだ非運用状態のためACT(1)=“0”を出力する。“0”系の回線終端装置3は一定時間:T以上継続して加入者線の障害を検出した後、ユーザ側への光出力を停止し、回線終端装置3の制御が正常(この場合はユーザ側への制御[光出力停止])を表す状態信号ST(0)=“0”を局側への上り方向信号hとして出力する。
【0032】
回線終端装置5は“1”系正常のため、ST(1)=“0”を上り方向信号hとして出力する。加入者線終端装置7はこのとき、伝送路警報転送によって“0”系の運用系に加入者伝送路故障発生、及び制御状態の正常ST(0)=“0”と、“1”系側の非運用系の正常を検出する。そのため、“0”系側を非運用系状態とするためにACT(0)=“0”を出力した後、回線終端装置3からの状態信号:ST(0)=“1”→“0”の変化を検出し、運用系の切り替え(“0”系から“1”系)を実行する。
【0033】
加入者線終端装置7からの下り方向の信号iは運用系の切り替え(“0”系から“1”系)を実行するために、制御信号(ACT信号)として、“0”系側に非運用系状態:ACT(0)=“0”を出力し、“1”系側に運用状態:ACT(1)=“1”を出力する。“0”系の回線終端装置3は非運用状態を継続してユーザ側への光出力を停止した状態に保ち、回線終端装置3の制御の正常を表す状態信号:ST(0)=“0”を局側への上り方向信号jとして出力する。回線終端装置5は、運用状態:ACT(1)=“1”を受信し、ユーザ側への光出力を開始する。
【0034】
この動作が正常に実行できた後、回線終端装置5の制御が正常(この場合はユーザ側への制御[光出力]動作)を表す状態信号:ST(1)=“0”を局側への上り方向信号jとして出力する。加入者線終端装置7は上り方向信号jを受信し、“0”系には加入者伝送路の警報なし、回線終端装置3の制御状態の正常:ST(0)=“0”にて、“0”系側の非運用系として正常状態を検出する。また、“1”系には加入者伝送路の警報なし、回線終端装置5の制御状態の正常:ST(1)=“0”により、回線終端装置5のACT(1)=“1”による制御が正常に動作したこと及び“1”系側の運用系としての正常状態を検出し、一連の切り替え手順を完了する。
【0035】
なお、局側の加入者線終端装置7の監視制御部9が“0”系側からの上り信号に異常(障害発生)を検出した場合も、制御信号(ACT信号)として、“0”系側に非運用系状態:ACT(0)=“0”を出力し、“1”系側に運用状態:ACT(1)=“1”を出力する。
【0036】
次に、回線終端装置3,5の詳細動作について図3を参照して説明する。回線終端装置3,5への加入者線側(局側)から受信した光入力信号(下り信号)mは、光−電気変換回路38にて電気信号に変換される。また、加入者線OH(オーバヘッド)終端部37は加入者線の終端を行い、伝送路警報、伝送路エラーの検出及び冗長系切り替え制御用の信号(ACT信号)を監視し、この監視結果を監視・制御部39に送出する。
【0037】
ユーザインタフェースOH挿入部36は、加入者線OH終端部37からの主信号にオーバヘッド信号を挿入するとともに、監視・制御部39からの制御にて電気−光変換回路35へ出力する信号をシャットダウンする機能を有する。また、ユーザインタフェースOH挿入部36は主信号を電気−光変換回路35へ出力し、主信号は電気−光変換回路35にて光信号に変換され、ユーザ側(光結合器22を経てユーザ装置1)への光出力信号(下り信号)nとして出力される。
【0038】
一方、ユーザ側(ユーザ装置1から光分岐器21を経て)からの光入力信号(上り信号)kは、光−電気変換回路31にて電気信号に変換される。また、ユーザインタフェースOH終端部32はユーザインタフェース区間の終端を行い、伝送路警報、伝送路エラーの検出を行い、この結果を監視・制御部39に送出する。加入者線OH挿入部33はユーザインタフェースOH終端部32からの主信号にオーバヘッド信号を挿入するとともに、監視・制御部39からの制御により回線終端装置3,5の状態信号(ST信号)を挿入し、電気−光変換回路34へ出力する。この主信号は電気−光変換回路34にて光信号に変換され、加入者線側へ光出力信号(上り方向)lとして出力される。
【0039】
監視・制御部39は、加入者線OH終端部37からの伝送路警報、伝送路エラー検出結果及び冗長系切り替え制御用の信号(ACT信号)を常時監視し、障害発生あるいは非運用系時に、保護時間(一定時間:T)後にユーザインタフェースOH挿入部36に対し、光信号出力シャットダウン制御を行う。また、受信信号及び切り替え制御状態が正常あるいは障害発生の場合に、加入者線OH挿入部53に対して、回線終端装置3,5の状態信号(ST信号)の挿入制御を行う。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、局側装置とユーザ側装置との間の通信系にて冗長切り替え構成を提供するとき、ユーザ側装置構成を簡易化し、光加入者線区間の信頼性を向上する効果がある。すなわち、局側装置と回線終端装置とがポイント−ポイントにて接続される光伝送システムにおいて、加入者線終端装置と回線終端装置とにて切り替え監視制御を行うことにより、冗長系の切り替え制御を可能とし、ユーザ側装置の増設設置をともなわずに低コストにて冗長構成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のブロック図である。
【図2】本発明の実施例の動作フロー図である。
【図3】回線終端装置の詳細ブロック図である。
【図4】従来の光伝送システムの一例のブロック図である。
【符号の説明】
1 ユーザ装置
21 光分岐器
22 光結合器
3,5 回線終端装置
4,6 中継装置あるいは遠隔加入者終端装置
7 加入者線終端装置
8 回線切り替え部
9 監視制御部
Claims (5)
- 加入者側のユーザ端末装置から回線終端装置及び加入者線にて構成される通信系を介して局側の加入者線終端装置へ接続する通信システムであって、
冗長系を構成する複数の前記通信系と、
前記局側から前記加入者側への下り信号に関して複数の前記回線終端装置の出力信号を合成して前記ユーザ端末装置へ接続する結合手段と、
前記加入者側から前記局側への上り信号に関して前記ユーザ端末装置の出力信号を分岐して複数の前記回線終端装置へ接続する分岐手段とを含み、
前記回線終端装置は、前記下り信号に挿入された制御信号により前記局側から出力シャットダウン制御されることを特徴とする通信システム。 - 加入者側のユーザ端末装置から回線終端装置及び加入者線にて構成される通信系を介して局側の加入者線終端装置へ接続する通信システムであって、
冗長系を構成する複数の前記通信系と、
前記局側から前記加入者側への下り信号に関して複数の前記回線終端装置の出力信号を合成して前記ユーザ端末装置へ接続する結合手段と、
前記加入者側から前記局側への上り信号に関して前記ユーザ端末装置の出力信号を分岐して複数の前記回線終端装置へ接続する分岐手段とを含み、
前記回線終端装置は、前記下り信号に障害が発生した場合に、前記下り信号に障害情報を挿入して前記ユーザ端末装置に対して警報することを特徴とする通信システム。 - 前記回線終端装置は、前記ユーザ端末装置への前記下り信号の障害状態を状態信号として前記上り信号に挿入して前記局側へ通知することを特徴とする請求項1あるいは2記載の通信システム。
- 加入者側のユーザ端末装置から複数の回線終端装置及び加入者線にて構成される複数の通信系を介して局側の加入者線終端装置へ接続する通信システムの前記複数の通信系にて構成される運用系/非運用系の冗長系切り替え方法であって、
前記局側から前記加入者側への下り信号に障害が発生した場合に、前記運用系の前記回線終端装置により、前記下り信号に障害情報を挿入して前記ユーザ端末装置に対して警報するステップと、
前記加入者側から前記局側への上り信号に前記ユーザ端末装置への前記下り信号に、前記障害が発生したことを状態信号として挿入して前記局側へ通知するステップと、
前記下り信号に挿入した制御信号により、前記運用系の回線終端装置の出力シャットダウンを行うステップと、
前記非運用系の回線終端装置の出力シャットダウンを解除するステップとを含むことを特徴とする冗長系切り替え方法。 - さらに、前記運用系の通信系からの上り信号に障害が発生した場合に、前記局側が前記下り信号に挿入した制御信号により、前記運用系の回線終端装置の出力シャットダウンを行うステップと、
前記非運用系の回線終端装置の出力シャットダウンを解除するステップとを含むことを特徴とする請求項4記載の冗長系切り替え方法。
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