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JP3638104B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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JP3638104B2 JP30987899A JP30987899A JP3638104B2 JP 3638104 B2 JP3638104 B2 JP 3638104B2 JP 30987899 A JP30987899 A JP 30987899A JP 30987899 A JP30987899 A JP 30987899A JP 3638104 B2 JP3638104 B2 JP 3638104B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成装置に関し、特に、自動原稿読取装置あるいは両面原稿自動読取装置等の自動原稿処理装置を備えて記録媒体としての転写紙(以下、記録用紙という)の表裏両面への印字(複写)を行う画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、複写機あるいはプリンタ等の画像形成装置は、感光体ドラム上に書込み形成された原稿画像の静電潜像を、現像器から供給される現像剤により現像し、そのトナー像を給紙カセット内から供給される紙などの記録媒体上に転写した後、この記録用紙上に転写されたトナー像を定着手段、例えば、熱ローラによって定着、印字して排紙することにより、画像形成プロセスを形成している。
【0003】
この画像形成プロセスに用いられている定着器としては、例えば、内部にヒータを備えた熱ローラと、この熱ローラの外周面に圧接される加圧ローラとで構成され、これら両ローラのニップ部に未定着トナーを保持した記録用紙を通紙させることにより、トナーを加熱溶融しながら記録用紙上にトナー像を定着させるようになっている。
【0004】
また、この種の定着器を備えた画像形成装置では、現像・転写時の画像形成プロセスにおいて、例えば、黒ベタ(ソリッド)の画像に対する未定着トナー像が記録用紙の先端から転写された場合、定着器による未定着トナー像の記録用紙上への定着後に、記録用紙が熱ローラに付着して巻き付いてしまい、熱ローラへの記録用紙の巻付きによる用紙搬送障害、所謂、定着ジャムが発生し易い。
【0005】
そこで、上記したような不具合を解消するために、従来では、記録用紙の先端部から所定量(例えば、5mm程度)の画像余白(ボイド)を強制的に設定することによって、記録用紙の特定部分に対して画像を形成しない領域を設けているのが現状である。
【0006】
例えば、特開平4−55864号公報(先行例1)には、合成モードにおいて記録用紙の移動方向先端側に白抜き量が可変自在な所定の白抜き領域をイレースランプ、帯電器にて強制的に作成制御し、これによって、記録用紙の熱ローラへの巻き付きを防止するようにしてなる構成が開示されている。また、原稿圧板センサを設け、記録用紙の先端に黒ベタの画像が存在すると、熱ローラ及び加圧ローラ間が僅かに開放されるために、この圧板開放状態を一意的に検出して、記録用紙の先端に黒ベタの画像の存在を判断し、記録用紙の移動方向先端に強制的に非画像領を作成する方法が提案されている。
【0007】
また、特開平5−142928号公報(先行例2)には、記録用紙の搬送方向の先端領域に転写される入力画像情報の画像密度を解析して、記録用紙上に形成される画像余白量を可変設定制御し、これによって、出力する画像情報に応じて画像余白量を加減しても、定着ジャムを発生させずに画像欠落が少ない画像を形成し排紙してなる構成が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した先行例1及び先行例2に開示された画像形成装置にあっては、いずれも記録用紙の片面のみに画像形成を行う場合の片面印字における定着ジャムの発生防止について着目して発案されたものであり、記録用紙の片面への画像形成後に、記録用紙を反転させて、その他の面にも画像形成を行う両面印字に対する考慮はなされていなかった。
【0009】
一方、近年、複写機、プリンタ等の両面印字を行うにおいては、作業効率の向上のために、両面印字が望まれており、例えば、自動原稿読取装置あるいは両面原稿自動読取装置等の自動原稿処理装置を備えて、記録用紙の表裏両面への画像形成を連続的に行うようにしているものが多くなっている。従って、一度、片面に画像形成した記録用紙を再給紙する場合でも、確実に用紙搬送を行うことが要求されている。
【0010】
従来の画像形成装置に自動原稿処理装置を搭載して両面印字を行う場合、例えば、図7に示すように、給紙カセットaから給紙される記録用紙Pの片面(第1印字面)P1に、感光体ドラムb上のトナー像を転写し、この記録用紙Pの第1印字面P1上に転写された未定着トナー像を定着器の熱ローラc及び加圧ローラ(ゴムローラ)dによって定着し印字した後、一時的に用紙搬送路e上に搬送する。
【0011】
次いで、この用紙搬送路e上の記録用紙Pを、図8に示すように、後退させて反転搬送路fにて天地が逆になるように反転搬送させ、再度、記録用紙Pの他面(第2印字面)P2に未定着トナー像を転写して、熱ローラc及び加圧ローラdによって定着し印字して用紙搬送路eを経由させて排紙するようになっているもので、この記録用紙Pの第2印字面P2への未定着トナー像の定着時に、記録用紙Pは、その第1印字面P1に定着された形成画像が加圧ローラd側に接しながら、両ローラc,d間のニップ部を通過する。
【0012】
このとき、記録用紙Pの天側先端部Paは、その地側後端部Pbと逆転して搬送されるとともに、記録用紙Pの第2印字面P2への画像形成は、従前の公知技術と同様に、第1印字面P1の形成画像に対して天地が逆になるようにして行われ、それらの天地関係を一致させて印字制御処理が施される。
【0013】
ところが、記録用紙Pの第2印字面P2への定着時において、記録用紙Pの天側先端部Paは、地側となり、その地側後端部Pbが天側となって定着処理を行うことから、記録用紙Pの第1印字面P1の地側後端部Pbに黒ベタ画像Qが存在すると、熱ローラcの加熱による黒ベタ画像Qの再溶融によって、記録用紙Pの地側後端部Pbが加圧ローラdに巻き付いて定着ジャムを発生し、このような加圧ローラdへの記録用紙Pの巻き付きによる用紙搬送障害は、記録用紙P上のトナー量が多いほど発生し易い。
【0014】
このため従来では、図9に示すように、熱ローラcへの第1のスクレパgと共に、加圧ローラd側にも第2のスクレパhをそれぞれ接触させて設け、これら各々のスクレパg,hにより熱ローラcまたは加圧ローラdに付着しようとする記録用紙Pを剥離するようになっているものであるが、特に、記録用紙Pの第1印字面P1の地側後端部Pb側に黒ベタ画像Qが、記録用紙Pの最後端まで形成されている場合等には、図10に示すように、加圧ローラdへの記録用紙Pの巻き付きにより、第2のスクレパhによる加圧ローラd上からの記録用紙Pの剥離が容易に行えず、用紙搬送障害が発生する。
【0015】
また、上述したような記録用紙Pの天側先端部Pa側への先端余白領域(ボイド)の形成と同様に、その地側後端部Pb側にも後端ボイドを形成すれば、加圧ローラd上に記録用紙Pの地側後端部Pbが付着しないために、記録用紙Pの剥離が容易に行えるが、このような記録用紙Pの後端ボイドの形成は、記録用紙Pの第1印字面P1への印字工程において行う必要がある。
【0016】
この場合、従来では、記録用紙Pの第1印字面P1への印字工程における記録用紙Pの後端ボイドの形成位置を用紙サイズに基づいて設定されるように制御している。
【0017】
そして、用紙サイズに基づく記録用紙Pの後端ボイドの形成位置を設定するにおいては、画像形成装置内に記録用紙が用紙サイズ毎にそれぞれ単一に収容された複数の給紙カセットが組み込まれる比較的高級な機種では、各々の給紙カセット内の用紙サイズが、用紙サイズ検知機能によって選択的に判別可能になっていることから、選択された給紙カセットによって用紙サイズを予め認識することができるために、記録用紙Pに後端ボイドを形成するに際してのボイド形成位置の設定が容易に行える。
【0018】
しかしながら、画像形成装置自体の小型化のために、1つの給紙カセットしか組み込めない中・低級の機種では、給紙カセットが複数種の用紙サイズに対応して収容可能なユニバーサルカセットになっているとともに、高級機種のような用紙サイズ検知機能が省略されていることがあり、これによって、カセット内の用紙交換後や機体の電源投入直後のように、給紙カセット内の用紙サイズが区別できないために、用紙サイズを認識した後でないと、記録用紙Pの地側後端部Pbへのボイド形成位置を設定することができない。
【0019】
ところで、画像形成装置には、給紙カセットから画像形成プロセスのトナー像の転写位置までの間に、通常、給紙された記録用紙の通過を検知するためのセンサ(レジスト前検知スイッチ)が設置されており、このセンサによって用紙サイズが検知可能であるが、中・低級の機種のように、装置全体の小型化に伴い、センサの設置位置からトナー像の転写位置までの距離がきわめて短くなっている。このため、前記センサによる用紙サイズの検知結果に基づいて、記録用紙Pに後端ボイドの形成位置を設定することは、感光体ドラムへの静電潜像の書込み位置からトナー像の転写位置までの距離をも考慮すると、ほとんど不可能であるか、もしくは、きわめて困難である。
【0020】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、カセット内の用紙交換後や機体の電源投入直後に、用紙サイズが区別できない中・低級の機種などで両面印字を行う際、カセット内の用紙サイズが認識不能の場合においても、記録用紙の第1印字面への印字工程における記録用紙の地側後端部へのボイドの形成を可能にして、定着部位での用紙搬送障害の発生を確実に防止することにより、記録用紙の両面印字を高効率に行うことができるようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明は、原稿を移動させて該原稿の画像を読み取る原稿読取手段と、給紙カセット内から給紙される原稿と同一の用紙サイズの記録用紙の第1及び第2の表裏両印字面への両面印字を行う画像形成手段と、前記原稿読取手段にて読み取られる原稿の原稿サイズを検出する原稿サイズ検出手段と、前記給紙カセット内から給紙される記録用紙の用紙サイズを検出する用紙サイズ検出手段とを備え、前記原稿サイズ検出手段にて検出された原稿サイズと用紙サイズ検出手段にて検出された用紙サイズに基づいて、前記記録用紙の搬送方向後端部側の所定位置に後端ボイドの形成位置を設定してなる画像形成装置において、前記画像形成手段による記録用紙の第1印字面への印字工程時に、前記給紙カセット内から給紙される記録用紙の用紙サイズを検出して、2枚以上の記録用紙に印字を行う際に、1枚目の記録用紙の第1の印字面に対してのみ原稿サイズに基づいて後端ボイドの形成位置を設定し、1枚目の記録用紙の第2の印字面と2枚目以降の記録用紙に対しては、1枚目の記録用紙の第1の印字面への印字工程時に検出される用紙サイズに基づいて後端ボイドの形成位置を設定してなることを特徴とする。
【0022】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記用紙サイズ検出手段は、検出された最新の用紙サイズを給紙カセット内の用紙交換や機体の電源が遮断されるまで記憶維持する用紙サイズ記憶手段を有し、該用紙サイズ記憶手段に記憶された用紙サイズに基づいて、次の記録用紙の後端ボイドの形成位置を設定してなることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1から図6に示す図面を参照しながら詳細に説明すると、図1は、本発明に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示し、符号1は装置本体(機体)である。
【0025】
この装置本体1の上面部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台2が設けられ、この原稿載置台2の下方には、原稿読取手段であるスキャナ部3が配置されている。
【0026】
このスキャナ部3は、原稿載置台2の下方に配置されて平行に往復移動する第1走査ユニット4及び第2の走査ユニット5と、光学レンズ体6と、光電変換素子(CCD)7を備えた原稿画像読取りユニットにて構成されている。
【0027】
第1の走査ユニット4は、露光ランプ4Aと、この露光ランプ4Aからの光を原稿画像表面に露光させるリフレクタ4Bと、このリフレクタ4Bを介して露光され反射される原稿からの反射光像を所定の方向に向かって導くための第1のミラー4Cとを有し、原稿載置台2の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査速度で平行に往復移動制御されるようになっている。
【0028】
第2の走査ユニット5は、第1の走査ユニット4の第1のミラー4Cにより導かれた原稿からの反射光像を更に所定の方向に向かって導くための第2のミラー5A及び第3のミラー5Bを有し、第1の走査ユニット4と一定の速度関係を保って平行に往復移動制御されるようになっている。
【0029】
光学レンズ体6は、第2の走査ユニット5の第3のミラー5Bにより導かれされた原稿画像の反射光の光路上に配置され、その光像を光電変換素子7に結像させるようになっているもので、この光電変換素子7は、光学レンズ体6により結像された原稿画像の光像を読み取って原稿画像データとして画像処理されて電気信号に光電変換することにより、レーザスキャニングユニット(LSU)8の画像データ入力部へと転送されるようになっている。
【0030】
そして、レーザスキャニングユニット8は、光電変換素子7にて画像処理された原稿の画像データに応じてレーザ光を、画像形成部(画像形成プロセス)10を構成する感光体ドラム11の表面に照射することにより、感光体ドラム11に原稿画像の静電潜像が書込み形成されるようになっている。
【0031】
感光体ドラム11は、矢印方向に回転駆動し、その周囲には、画像データを静電潜像に画像化させるための感光体ドラム11の表面を所定の電位に帯電させる主帯電器12と、この主帯電器12の帯電にて画像化された静電潜像をトナーにより現像して顕像化する現像装置13と、この現像装置13にて顕像化された原稿画像のトナー像を後述する給紙カセット23から給紙搬送路を介して給紙される記録用紙P上に転写する転写チャージャ14及びこの転写チャージャ14による転写後の感光体ドラム11上に残留する残留トナーをクリーニングするクリーニング装置15がそれぞれ配置されている。
【0032】
これら画像形成部10を構成する各々の装置は、感光体ドラム11へのレーザ照射点Lから回転方向に向かって現像装置13、転写チャージャ14、クリーニング装置15及び主帯電器12の順に配置されているとともに、主帯電器12には、クリーニング装置15によるクリーニング後の感光体ドラム11表面の電荷を除電する図示しない除電装置が組み込まれている。
【0033】
また、転写チャージャ14によるトナー像の転写後の記録用紙Pは、感光体ドラム11上から剥離されて主搬送路16に搬送されるとともに、定着装置30の熱ローラ31と加圧ローラ32との間のニップ部に搬送されて、記録用紙Pに転写された未定着トナー像の定着が行われるもので、この定着装置30による定着後の記録用紙Pは、排紙搬送路17に搬送されて排紙搬送ローラ18にて排紙口20側の排紙ローラ19に向け搬送されるようになっている。
【0034】
排紙搬送路17に搬送される記録用紙Pは、定着装置30の下流側に設けた定着検知スイッチ21Aにて通過状態が検知され、通常の片面印字の場合には、そのまま排紙搬送ローラ18及び排紙ローラ19の回転駆動により、排紙口20からスキャナ部3の下部空間に設置した排紙カセット22上に排紙されるもので、この排紙ローラ19の記録用紙Pの通過状態は、排紙ローラ19の上流側に設けた排紙検知スイッチ21Bにて検知されるようになっている。
【0035】
さらに、装置本体1の内底部側には、記録用紙Pが所定の用紙サイズ毎に積載収容された交換可能な給紙カセット23が配置され、この給紙カセット23の排紙側上部には、半月状の用紙ピックアップローラ24が配置されていて、この用紙ピックアップローラ24にて給紙カセット23内に積載収容された記録用紙Pを最上層から1枚づつピックアップし、給紙搬送路25のレジストローラ26まで搬送させるようになっているものである。
【0036】
レジストローラ26の上流側には、レジスト前検知スイッチ21Cが設けられていて、このレジスト前検知スイッチ21Cにて給紙カセット23から給紙搬送される記録用紙Pを検知し、その信号を基に給紙タイミングを図りながら、上述した画像形成部10に給紙するようになっている。
【0037】
一方、両面印字を行う場合には、画像形成部10による記録用紙Pの片面印字後、排紙搬送路17に搬送された定着装置30からの通過後の記録用紙Pを、一旦、排紙ローラ19側に搬送し、この状態で、用紙切換えゲート27を切換え制御して、排紙ローラ19の逆転駆動により記録用紙Pをスイッチバックさせて用紙反転させる副搬送路28に導入させ、この副搬送路28に設けた副搬送ローラ29の回転駆動にて、再び、レジストローラ26の上流側に記録用紙Pを搬送することにより、記録用紙Pの他面印字を行うようになっている。
【0038】
ところで、装置本体1の原稿載置台2上には、例えば、原稿移動方式による両面原稿自動読取装置(R−SPF)からなる原稿押えカバーを兼用する自動原稿処理装置40が開閉自在に搭載されている。
【0039】
この自動原稿処理装置40は、図2に示すように、原稿Gが載置される原稿トレイ41を有し、この原稿トレイ41上に載置された原稿Gを原稿ピックアップローラ42にてピックアップして、原稿Gを原稿搬送ローラ43を介して原稿搬送路44に導入してレジストローラ(PSローラ)45の上流側に案内搬送されるようになっている。
【0040】
このPSローラ45の上流側には、原稿Gの原稿サイズが検出可能な原稿サイズ検出手段を構成する原稿入紙センサ46が設けられ、この原稿入紙センサ46にて原稿Gの先端及び後端を検知し、その信号を基に搬送タイミングを図りながら、原稿Gを原稿載置台2の片側に隣接させて配置したスリットガラスからなる原稿読取台9上に向け搬送制御するようになっている。
【0041】
この場合、スキャナ部3の第1の走査ユニット4は、原稿読取台9の下方に待機し位置するように移動制御されている。
【0042】
この原稿読取台9上に搬送される原稿Gは、その移動と共に片面側の第1画像読取面G1がスキャナ部3の第1の走査ユニット4にて走査されて、その原稿画像の反射光像を第2の走査ユニット5及び光学レンズ体6を介して光電変換素子7に結像され、原稿画像データとして画像処理されるようになっているもので、このように画像処理された原稿Gの第1画像読取面G1の画像データは、電気信号に光電変換されてレーザスキャニングユニット8の画像データ入力部へと転送される。
【0043】
この場合、画像形成装置の印字方式には、フエースダウン方式とフエースアップ方式とがあり、フエースアップ方式を採用してなる機種にあっては、原稿Gの第1画像読取面G1の画像データに基づき、直接、記録用紙Pの第1印字面P1への印字処理が行われる。
【0044】
本発明に係る画像形成装置では、その印字方式として、フエースダウン方式を採用してなる機種を一実施形態として説明してなるもので、この場合には、レーザスキャニングユニット8の画像データ入力部へと転送された原稿Gの第1画像読取面G1の画像データは、一旦、図示しない制御部のメモリに記憶されるようになっている。
【0045】
その理由は、フエースダウン方式で印字を行う際に、記録用紙Pの第1印字面P1への原稿Gの第1画像読取面G1の画像の印字処理後、記録用紙Pの第1印字面P1の天地が逆になって搬送されるために、このような状態で、原稿Gの第1画像読取面G1の画像を記録用紙Pの第2印字面に印字すると、例えば、複数枚に及ぶ原稿Gを頁順に連続して印字する場合、排紙された両面印字済の記録用紙P・・・の頁順が、2頁、1頁、4頁、3頁・・・などのように、奇数頁と偶数頁との順序が入れ代わってしまうことによる。
【0046】
そして、原稿読取台9上での画像読取り後の原稿Gは、搬送ローラ47を介して原稿排紙路48の原稿排紙ローラ49側に搬送され、片面読取りのみ場合は、原稿切換えゲート50の切換え制御により原稿排紙トレイ51上に排紙されるようになっている。
【0047】
一方、両面原稿読取りを行う場合は、原稿Gを原稿切換えゲート50の切換え制御により、一旦、原稿トレイ41と原稿排紙トレイ51との間に配置された中間トレイ52上に向け排紙した後、原稿排紙ローラ49を逆転駆動させてスイッチバックさせることにより、原稿反転路53に導入し、再び、原稿搬送路44に原稿Gを搬送することにより、原稿Gの裏側の画像読取面の原稿画像の読み取りが行われるとともに、上述した片面印字工程と同様に、記録用紙Pの第1印字面P1に、原稿Gの裏面側の原稿画像が印字されるようになっている。
【0048】
この記録用紙Pの第1印字面P1への印字工程が終了すると、記録用紙Pは、上述した用紙反転機構にて反転され、再び、画像形成部10に搬送されて、その第印字面P2に、予めメモリに記憶された原稿Gの表面側の原稿画像が印字されるようになっている。
【0049】
なお、上記したような両面印字モードの動作は、「両面原稿読取り−両面用紙印字」の印字モード(以下、「D−D」モードという)ついて説明してなるものであるが、後述するような「片面原稿読取り−両面用紙印字」の印字モード(以下、「S−D」モードという)の印字動作においても適用可能であることは云うまでもない。
【0050】
すなわち、D−D字モードにおいて、自動原稿処理装置40による原稿Gの画像読取動作と画像形成部10での印字動作は、まず、第1工程として、例えば原稿トレイ41上に複数枚の原稿Gが載置されている場合、自動原稿処理装置40にて1枚目の原稿Gの第1画像読取面G1の原稿画像が読み取られる。
【0051】
このとき、原稿Gは、原稿トレイ41から原稿読取台9上を通過するように搬送させて、その第1画像読取面G1の原稿画像が原稿読取台9上で読み取られた後、中間トレイ52上に搬送されるもので、読み取られた画像データは、印字されることなく、一旦、メモリに記憶される。
【0052】
次いで、第1工程の終了後、第2工程として、中間トレイ52上の原稿Gは、反転状態で原稿読取台9上を通過するように搬送され、その第2原稿画像面G2が読み取られ、この読み取られた画像データは、メモリに記憶されることなく、直接、記録用紙Pの第1印字面P1に印字される。
【0053】
この第2工程の終了後、第3工程として、第1工程にて読み取られてメモリに記憶された原稿Gの第1画像読取面G1の画像データが読み出され、反転された記録用紙Pの第2印字面P2に印字される。
【0054】
このような第1〜3の工程により、1枚分の原稿Gの読取・印字が完了し、これらの第1〜3の工程を繰り返すことにより、原稿トレイ41上に載置された複数枚の原稿Gの連続した印字処理が行われる。
【0055】
一方、「S−D」モードにおける自動原稿処理装置40による原稿Gの画像読取動作と画像形成部10での印字動作は、まず、第1工程として、例えば原稿トレイ41上に複数枚の原稿が載置されている場合、「D−D」モードと同様に、自動原稿処理装置40にて1枚目の原稿Gの片面側の画像読取面G1が読み取られる。
【0056】
このとき、原稿Gは、原稿トレイ41から原稿読取台9上を通過するように搬送させて、原稿読取台9上でその画像読取面G1の原稿画像が読み取られた後、排紙トレイ22上に搬送されるもので、読み取られた画像データは、印字されることなく、一旦、メモリに記憶される。
【0057】
次いで、第1工程の終了後、第2工程として、原稿トレイ41上の2枚目の原稿Gが原稿読取台9上を通過するように搬送され、その片面側の原稿画像面が読み取られた後、排紙トレイ22上に搬送されるもので、この読み取られた画像データは、メモリに記憶されることなく、直接、記録用紙Pの第1印字面P1に印字される。
【0058】
この第2工程の終了後、第3工程として、第1工程にて読み取られてメモリに記憶された1枚目の原稿Gの画像読取面G1の画像データが読み出され、反転された記録用紙Pの第2印字面P2に印字される。
【0059】
このとき、メモリから読み出される1枚目の原稿Gの画像読取面G1の画像データは、第1工程による読取り時の向きと、第1工程における読出し時の向きととが天地を逆に反転制御されて読み出され、この反転状態で記録用紙Pの第2印字面P2への印字が行われる。
【0060】
すなわち、「S−D」モードにおいて、原稿読取り画像データを反転制御する理由は、原稿Gの読取りが片面のみであることから、その読出し方向は常に一定であるのに対して、記録用紙Pへの印字は、両面印字であるため、記録用紙Pの第1印字面P1への印字工程後、記録用紙Pにはスイッチバックが入り、記録用紙Pの第2印字面P2への印字の向きが逆方向になることによる。
【0061】
そして、このような第1〜3の工程により、2枚分の原稿Gの読取・印字が完了し、これらの第1〜3の工程を繰り返すことにより、原稿トレイ41上に載置された複数枚の原稿Gの連続した印字処理が行われるものである。
【0062】
なお、上記した「D−D」モードにおいては、原稿G及び記録用紙Pの双方にスイッチバックが入るために、「S−D」モードのような原稿読取り画像データの反転制御を行う必要がない。
【0063】
ところで、本発明に係る画像形成装置は、装置本体1の小型化のために、1つの給紙カセット23しか組み込めない中・低級機種の形態を有するもので、高級機種のような用紙サイズ検知機能が省略されているために、例えば、給紙カセット23自体の交換による用紙交換後、あるいは、ユニバーサルカセットのようなカセット内の記録用紙Pを印字しようとする用紙サイズ毎に用紙交換しなければならない機種における用紙交換後や、機体の電源投入直後のように、カセット内の用紙サイズが区別できなく不明となる。
【0064】
これによって、両面印字を行う場合に、記録用紙Pの第1印字面P1への片面印字工程後、記録用紙Pの第1印字面P1への印字工程中において、記録用紙Pの印字済側の第1印字面P1が定着装置30の熱ローラ31によって加熱溶融されて加圧ローラ32に付着して巻付き、用紙搬送障害を発生し易いという不具合が生じる。
【0065】
このため、本発明に係る画像形成装置においても、従前のように、記録用紙Pの第1印字面P1への印字工程時に、記録用紙Pの地側後端部Pbの所定位置にボイドを形成する必要があるが、上述したように、カセット内の用紙交換後や機体の電源投入直後に、給紙カセット23内の用紙サイズが区別できなく不明となることから、用紙サイズの認識に基づくような後端ボイドの形成位置の設定が行えない。
【0066】
そこで、本発明に係る画像形成装置では、自動原稿処理装置40にて原稿Gの画像を読み取る際に、原稿Gの先端及び後端を検知する原稿入紙センサ46にて原稿サイズを検出可能にしてなるもので、この場合、原稿入紙センサ46にて検出される原稿サイズと、印字される用紙サイズとは同一であることから、この原稿サイズに基づいて、後端ボイドの形成位置の設定を自動的に行うようになっている。
【0067】
この場合、原稿Gの先端及び後端を検知する原稿入紙センサ46は、図1及び図2に示すように、原稿トレイ41から原稿読取台9に至る原稿搬送路44の途上に設置され、原稿Gの先端が通過することによってON状態となり、原稿Gの後端が通過することによってOFF状態となって、そのON状態の期間を検知することにより、原稿搬送方向における原稿サイズ(長さ)を検出する原稿サイズ検出手段を構成している。
【0068】
以下、本発明に係る画像形成装置における記録用紙Pへの後端ボイドの形成動作を、図3及び図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0069】
図3及び図4は、「D−D」モード時における動作例を示すもので、図3に示すように、まず、自動原稿処理装置40の原稿トレイ41上に原稿Gを載置した後(ステップ1:以下、S1と略記する)、図示しない操作部において印字条件及び原稿読取り条件の入力を行う(S2)。
【0070】
次いで、操作部におけるスタートキーを入力することによって(S3)、原稿トレイ41上に載置された1枚目の原稿Gを原稿ピックアップローラ42の回転にてピックアップするとともに、原稿搬送ローラ43を介して原稿搬送路44に導入する(S4)。
【0071】
原稿搬送路44に導入された原稿Gは、原稿搬送路44の途上に設置された原稿入紙センサ46を通過し、この原稿入紙センサ46のON・OFF動作によって、原稿Gの先端及び後端が検知され、原稿サイズ(長さ)が検出されるもので(S5)、この原稿Gの原稿サイズは、メモリに記憶される(S6)。
【0072】
そして、原稿Gは、PSローラ45を介して原稿読取台9上に案内搬送され、原稿読取台9の下方に待機するスキャナ部3の第1の走査ユニット4にて原稿G表面側の第1原稿画像面G1の画像読取りが行われ(S7)、この画像データもまた、一旦、メモリに記憶される(S8)。
【0073】
このように原稿読取台9上での画像読取り後の原稿Gは、搬送ローラ47を介して原稿排紙路48の原稿排紙ローラ49側に搬送され、一旦、中間トレイ52上に排紙されるもので、このとき、原稿Gの後端部は、原稿排紙ローラ49にてチャックされ保持された状態で停止している(S9)。
【0074】
この状態で、所定タイミングの経過後に、原稿排紙ローラ49を逆転駆動させてスイッチバックさせることにより、原稿Gを原稿反転路53に導入し、再び、原稿搬送路44に搬送される(S10)。
【0075】
そして、原稿読取台9上に原稿Gが搬送されると、原稿Gの裏面側の第2画像読取面G2の画像読取り処理と(S11)、画像形成部10の動作による記録用紙Pの第1印字面P1への印字処理(S12)とが同時に並行処理される。
【0076】
このような記録用紙Pの第1印字工程における並行処理において、記録用紙Pの先端部Pa及び後端部Pb側の先端及び後端ボイドの形成が行われるもので、このボイド形成動作を、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0077】
S10にて原稿Gの裏面側の第2画像読取面G2が原稿搬送路44に搬送されると、まず、装置本体1側の給紙カセット23の用紙ピックアップ24が回転駆動し、給紙カセット23内の最上層の記録用紙Pは、給紙搬送路25を介してレジストローラ26の上流側に導かれる(S101)。
【0078】
このレジストローラ26の上流側に導かれた記録用紙Pは、レジスト前検知スイッチ21Cにて検知され、S11での画像読取り処理による原稿Gの第2画像読取面G2の画像データ(画像情報)の先端部と、記録用紙Pの第1印字面P1の天側先端部Paとを整合させるための給紙タイミングを図るために、一旦、停止する(S102)。
【0079】
このとき、原稿Gの第2画像読取面G2の画像情報は、図示しない制御部で、S6において検出された原稿Gの原稿サイズ(長さ)を基に、記録用紙Pの天側先端部Pa側への印字用の先端ボイドと、記録用紙Pの地側後端部Pb側への印字用の後端ボイドの形成位置が設定される(S103)。
【0080】
このような記録用紙Pへの先端・後端ボイドの形成位置が設定された原稿Gの第2画像読取面G2の画像情報は、レーザスキャナユニット8に転送されるとともに、レーザ光を用いて画像形成部10の感光体ドラム11上への照射が行われる(S104)。
【0081】
このように照射された原稿Gの第2画像読取面G2の画像情報は、感光体ドラム11上にて静電潜像化及びトナーによる顕像化され(S105)、S102にて、一旦、停止していた記録用紙Pをレジストローラ26の回転駆動で画像形成部10に搬送することにより(S106)、そのトナー画像の先端と記録用紙Pの先端とを整合させた状態で、転写チャージャ14にて記録用紙P上に転写される(S107)。
【0082】
転写チャージャ14にて転写された記録用紙Pは、主搬送路16を介して定着装置30に搬送されて、熱ローラ31と加圧ローラ32との間のニップ部を通過させ、記録用紙P上に転写された未定着トナーを加熱・溶融させて固着することにより定着し(S108)、これによって、S103にて設定されたボイド形成位置の情報に基づいて、記録用紙Pの第1印字面P1への先端ボイドと後端ボイドの形成が行われる。
【0083】
定着後の記録用紙Pは、排紙搬送路17側に搬送され定着装置30の下流側に設けた定着検知スイッチ21Aにて通過状態を検知されるようになっているとともに、この定着検知スイッチ21Aは、用紙通過検知と共に記録用紙Pの通過によるON・OFF動作時おけるON状態の時間と用紙搬送速度とによって、記録用紙Pの用紙サイズ(長さ)を検出可能にする用紙サイズ検出手段を兼ねるようになっているもので(S109)、その用紙サイズの情報は、メモリに記憶される(S110)。
【0084】
このように、原稿Gの第2画像読取面G2の画像情報の記録用紙Pへの印字処理(ダイレクト印字)による第1印字工程後に、記録用紙Pは、排紙搬送ローラ18にて排紙搬送路17を通して排紙ローラ19側に向け搬送され、その後端部Pbを排紙搬送ローラ18にて挾んだ状態でチャックし保持して、一旦、停止する(S111)。
【0085】
記録用紙Pへの第1印字工程後、用紙切換えゲート27の切換え制御と共に排紙搬送ローラ18を逆回転駆動させることにより、記録用紙Pをスイッチバックさせて、副搬送路28に導入し(S112)、この副搬送路28の途上に設けた副搬送ローラ29の回転駆動にて、再び、レジストローラ26の上流側に搬送して、予め、S109にてメモリに記憶された原稿Gの表面側の第1画像読取面G1の画像情報の先端と、記録用紙Pの第2印字面P2の先端とを整合させるために、一旦、停止させる(S113)。
【0086】
このとき、S109にて図示しない制御部のメモリに記憶された原稿Gの第1画像読取面G1の画像情報は、S110にて検出され記憶された記録用紙Pの用紙サイズ(長さ)に基づいて、記録用紙Pの天側先端部Pa側への印字用の先端ボイドと、記録用紙Pの地側後端部Pb側への印字用の後端ボイドの形成位置を設定する(S114)。
【0087】
このような記録用紙Pへの先端・後端ボイドの形成位置が設定された原稿Gの第1画像読取面G1の画像情報は、レーザスキャナユニット8に転送されるとともに、レーザ光を用いて画像形成部10の感光体ドラム11上への照射が行われるとともに(S115)、感光体ドラム11上に静電潜像化及びトナーによる顕像化されたトナー像を形成する(S116)。
【0088】
そして、S113にて、一旦、停止していた記録用紙Pを、その先端と、トナー画像の先端とを整合させた状態で、レジストローラ26の回転駆動で画像形成部10に搬送することにより(S117)、原稿Gの第1画像読取面G1の画像を転写チャージャ14にて記録用紙P上に転写する(S118)。
【0089】
転写チャージャ14にて転写された記録用紙Pは、主搬送路16を介して定着装置30に搬送されて、熱ローラ31と加圧ローラ32との間のニップ部を通過させ、記録用紙P上に転写された未定着トナーを加熱・溶融させて固着して定着し(S119)、これによって、S114にて設定されたボイド形成位置の情報に基づいて、記録用紙Pの第2印字面P2への先端ボイドと後端ボイドの形成が行われた後、排紙搬送路17側に搬送されて排紙搬送ローラ18及び排紙ローラ19を介して排紙口20から排紙カセット22上に排出するようになっているものである(S120)。
【0090】
上記したような「D−D」モードにおける印字処理において、原稿トレイ41上の1枚分の原稿Gの印字処理が終了したときに、原稿トレイ41上に、更に、印字すべき複数枚の原稿Gが複数枚存在する場合には、上述したような印字処理を原稿枚数分だけ繰り返し続行すれば良いが、2枚目以降の原稿Gの印字処理については、1枚目の原稿Gの印字処理時において、S109における定着検知スイッチ21Aにて検出されて、S110にてメモリに記憶された記録用紙Pの用紙サイズ(長さ)に基づき、2枚目以降の記録用紙Pへの後端ボイドの形成位置の設定を行う。
【0091】
すなわち、自動原稿処理装置40による原稿Gの画像の読取り時においては、ある程度の許容誤差が認められるために、S6にてメモリに記憶された原稿サイズに基づいて、後端ボイドの形成位置を設定する場合よりも、S110にてメモリに記憶された用紙サイズに基づいて行う方が、より正確な後端ボイドの形成位置の設定が可能になる。
【0092】
また、上記したような印字処理工程を行った後に、カセット内の用紙交換や、機体の電源が遮断されていない場合には、S110にてメモリに記憶された用紙サイズが、そのままメモリに記憶されままの状態となっているために、続いて、印字処理工程を行うときには、原稿Gの一枚目の印字処理工程から、メモリに記憶された用紙サイズに基づいて、より正確に後端ボイドの形成位置の設定を行うことが可能になる。
【0093】
このように、本発明に係る画像形成装置によれば、記録用紙Pへの両面印字時おいて、記録用紙Pの第1印字面P1への印字工程時に、記録用紙Pの天側先端部Pa側への先端ボイドの形成と共に、その地側後端部Pb側にも後端ボイドを形成してなるために、特に、記録用紙Pの第1印字面P1への第1印字工程後に反転されて、第2印字工程にて記録用紙Pの第2印字面P2に未定着トナー像が転写された記録用紙Pの地側後端部Pbが、図5に示すように、定着装置30の熱ローラ31と加圧ローラ32との間のニップ部に通過しても、加圧ローラ32に付着することがない。
【0094】
これによって、図6に示すように、定着装置30の熱ローラ31側に設けた第1のスクレパ33による第1印字工程における記録用紙Pの天側先端部Paの剥離と共に、加圧ローラ32側に設けた第2のスクレパ34による第2印字工程における記録用紙Pの地側後端部Pbの剥離が容易に行え、これによって、従前のような加圧ローラ32への記録用紙Pの巻き付きによる定着ジャム、すなわち、用紙搬送障害の発生が確実に防止される。
【0095】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を免脱しない範囲で種々変更実施可能なことは云うまでもない。
【0096】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る請求項1に記載の発明は、
原稿を移動させて該原稿の画像を読み取る原稿読取手段と、給紙カセット内から給紙される原稿と同一の用紙サイズの記録用紙の第1及び第2の表裏両印字面への両面印字を行う画像形成手段を有する画像形成装置において、前記画像形成手段は、原稿の表裏両面の画像を読み取る原稿読取手段と、該原稿読取手段にて読み取られる原稿の原稿サイズを検出する原稿サイズ検出手段とを有し、前記原稿サイズ検出手段にて検出された原稿サイズに基づいて、前記記録用紙の搬送方向後端部側の所定位置に後端ボイドの形成位置を設定してなることを特徴とし、特に、装置本体に組み込まれる給紙カセットによる用紙サイズの区別が認識できない中・低級機種での両面印字を行う際に、カセット交換後や機体の電源投入直後の用紙サイズが認識できない場合においても、記録用紙への原稿画像の第1印字工程時に、記録用紙への後端ボイドの形成を容易に行うことができるために、記録用紙への原稿画像の第2印字工程時における定着部位での用紙巻付きジャムによる用紙搬送障害を確実に防止することができる。
【0097】
また、前記画像形成手段による記録用紙の第1印字面への印字工程時に、前記給紙カセット内から給紙される記録用紙の用紙サイズを検出する用紙サイズ検出手段を有し、2枚以上の記録用紙に印字を行うにおいて、1枚目の記録用紙に対してのみ原稿サイズに基づいて後端ボイドの形成位置を設定し、2枚目以降の記録用紙に対しては、1枚目の記録用紙への印字工程時に検出される用紙サイズに基づいて後端ボイドの形成位置を設定してなることを特徴とし、原稿の2枚目以降の記録用紙への印字工程時に、用紙サイズに基づいて、後端ボイドの形成位置の設定が行えるために、より正確な後端ボイドの形成位置の設定を行うことができる。
【0098】
請求項に記載の発明は、前記用紙サイズ検出手段が、検出された最新の用紙サイズを給紙カセット内の用紙交換や機体の電源が遮断されるまで記憶維持する用紙サイズ記憶手段を有し、該用紙サイズ記憶手段に記憶された用紙サイズに基づいて、次の記録用紙の後端ボイドの形成位置を設定してなることを特徴とし、印字処理工程を行った後に、カセット内の用紙交換や、機体の電源が遮断されていない場合には、用紙サイズが、そのままメモリに記憶されままの状態となっているために、続いて、印字処理工程を行うときには、原稿の一枚目の印字処理工程からメモリに記憶された用紙サイズに基づいて、より正確に後端ボイドの形成位置の設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態の全体構成を概略的に示す説明図である。
【図2】同じく自動原稿処理装置を拡大して示す説明図である。
【図3】同じく原稿読取り処理と印字処理の動作を示すフローチャートである。
【図4】同じく第1印字工程時における記録用紙への先端・後端ボイドの形成動作を示すフローチャートである。
【図5】同じく第2印字工程時における定着部位での記録用紙の定着状態を示す説明図である。
【図6】同じく第2印字工程時における定着部位での記録用紙の定着状態を示す説明図である。
【図7】従来の画像形成装置の両面印字時における記録用紙の定着後の搬送状態を概略的に示す説明図である。
【図8】同じく従来の画像形成装置における記録用紙のスイッチバックによる印字状態を概略的に示す説明図である。
【図9】同じく従来の第2印字工程時における定着部位での記録用紙の定着状態を示す説明図である。
【図10】同じく従来の第2印字工程時における定着部位での記録用紙の定着状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 装置本体
2 原稿載置台
3 スキャナ部
4 第1の走査ユニット
5 第2の走査ユニット
6 光学レンズ体
7 光電変換素子
8 レーザスキャニングユニット(LSU)
9 原稿読取台
10 画像形成部
16 主搬送路
17 排紙搬送路
18 排紙搬送ローラ
19 排紙ローラ
20 排紙口
21A 用紙サイズ検出手段(定着検知スイッチ)
21B 排紙検知スイッチ
21C レジスト前検知スイッチ
22 配置カセット
23 給紙カセット
26 レジストローラ
27 用紙切換えゲート
28 副搬送路
30 定着装置
31 熱ローラ
32 加圧ローラ
40 自動原稿処理装置(R−SPF)
41 原稿トレイ
44 原稿搬送路
45 レジストローラ(PSローラ)
46 原稿サイズ検出手段(原稿入紙センサ)
50 原稿切換えゲート
51 原稿排紙トレイ
52 中間トレイ
53 原稿反転路
G 原稿
G1 第1画像読取面(表面)
G2 第2画像読取面(裏面)
P 記録用紙
P1 第1印字面(表面)
P2 第2印字面(裏面)
Pa 天側先端部
Pb 地側後端部

Claims (2)

  1. 原稿を移動させて該原稿の画像を読み取る原稿読取手段と、給紙カセット内から給紙される原稿と同一の用紙サイズの記録用紙の第1及び第2の表裏両印字面への両面印字を行う画像形成手段と、前記原稿読取手段にて読み取られる原稿の原稿サイズを検出する原稿サイズ検出手段と、前記給紙カセット内から給紙される記録用紙の用紙サイズを検出する用紙サイズ検出手段とを備え、前記画像形成手段は、前記原稿サイズ検出手段にて検出された原稿サイズと用紙サイズ検出手段にて検出された用紙サイズに基づいて、前記記録用紙の搬送方向後端部側の所定位置に後端ボイドの形成位置を設定してなる画像形成装置において、
    前記画像形成手段による記録用紙の第1印字面への印字工程時に、前記給紙カセット内から給紙される記録用紙の用紙サイズを検出して、
    2枚以上の記録用紙に印字を行う際に、1枚目の記録用紙の第1の印字面に対してのみ原稿サイズに基づいて後端ボイドの形成位置を設定し、1枚目の記録用紙の第2の印字面と2枚目以降の記録用紙に対しては、1枚目の記録用紙の第1の印字面への印字工程時に検出される用紙サイズに基づいて後端ボイドの形成位置を設定してなることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記用紙サイズ検出手段は、検出された最新の用紙サイズを給紙カセット内の用紙交換や機体の電源が遮断されるまで記憶維持する用紙サイズ記憶手段を有し、該用紙サイズ記憶手段に記憶された用紙サイズに基づいて、次の記録用紙の後端ボイドの形成位置を設定してなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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