JP3636963B2 - 充電式電動工具 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリーパックを電源としてハウジングに装着する丸鋸機等の充電式電動工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば丸鋸機は、ベースと、モータを収容するモータハウジングに対して円盤状の鋸刃が直交状に設けられる本体とからなり、モータハウジングの側方にはハンドルハウジングが連設されて、ハンドルハウジングの端部にバッテリーパックが着脱可能に装着される。このような丸鋸機において、鋸刃を交換等する際は、モータハウジングを下にした姿勢で作業台等にセットし、六角棒スパナ等を用いて鋸刃の中心を固定するボルトを緊締或いは解除する作業を行っていた。又、本体には、本体に押し込まれるロック位置でモータの出力軸又は鋸刃が直接固定されるスピンドルの回転をロック可能なロック部材が、本体から突出するロック解除位置に付勢されて設けられており、このロック部材をロック位置に押し込んで出力軸又はスピンドルの回転をロックすることで、ボルトの緊締或いは解除操作を可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、充電式電動工具の普及はめざましいものがあるが、それに伴い、一回の充電当たりの作業量の増大がユーザーから望まれてきている。その解決策としてバッテリーの高容量化も進んできているが、現行技術ではまだ限度がある。
そのため、バッテリーパック自体を大きくする(高電圧化)傾向にあり、24Vのバッテリーパックであるとそれ自体の重量が1.5kgとなってしまっている。
このようなバッテリーパックを使用する上記丸鋸機にあって、鋸刃の着脱作業においては、本体の側方に重量の大きいバッテリーパックが位置することで、丸鋸機の座りが悪く、作業しづらくなるため、バッテリーパックを予め取り外しておくのが望ましい。よって、実用新案登録第2541084号公報に開示の如く、六角棒スパナ等の専用工具を、取り外し方向にバッテリーパックが位置するようにハウジングへ装着し、バッテリーパックをハウジングから取り外さないと専用工具も取り外せない構成とすれば、専用工具の使用時には先にバッテリーパックが取り外される手順となる。しかし、専用工具をハウジングから外したままでもバッテリーパックが単独で着脱できる構造であるため、鋸刃の着脱時には確実にバッテリーパックが取り外されるとは限らない。
【0004】
そこで、請求項1に記載の発明は、専用工具の有無にかかわりなく、鋸刃の着脱時には確実にバッテリーパックが取り外される充電式電動工具を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、モータを収容したハウジングにバッテリーパックを着脱可能に装着する一方、前記ハウジング内に、前記モータの出力軸又は前記出力軸からトルク伝達されるスピンドルのうち何れか一の回転をロックするロック位置と、そのロックを解除するロック解除位置との間をスライド可能なロック部材を、前記ロック解除位置へ付勢して設けた充電式電動工具であって、前記ロック部材に、前記ロック位置へのスライドに連動し、前記ロック位置への到達前に前記バッテリーパックに当接して前記ロック部材のスライドを阻止可能な連動体を、前記ロック部材と一体又は別体に設けたことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は充電式丸鋸機(以下「丸鋸機」という。)の断面説明図、図2はその背面説明図、図3はその平面説明図で、丸鋸機1は、四角形状のベース2と、ベース2上に配置される本体3とからなる。本体3において、4はブレードケースで、後方(図1の右側を後方として説明する。)の筒状部5には、モータ7を内蔵したモータハウジング6が連結されて、モータ7の出力軸8が筒状部5内に突出してボールベアリング9に軸支されている。又、筒状部5内では、ボールベアリング10,11によってスピンドル12が出力軸8と平行に軸支され、スピンドル12と一体のギヤ13が出力軸8と噛合し、出力軸8の回転をスピンドル12に伝達可能となっている。更に、スピンドル12の先端では、円盤状の鋸刃15が、スピンドル12の面取部14に嵌着されるインナーフランジ16とアウターフランジ17とで狭持され、アウターフランジ17の前方からスピンドル12に螺合される六角孔付ボルト18をねじ込むことで、鋸刃15がスピンドル12と一体に緊締される。
【0007】
尚、ブレードケース4は、図2,3に示す如く、ベース2の長手方向での一方の端部(図2,3の左側)は、ベース2と回動可能に連結され、他方の端部は、ベース2上に立設された円弧状のガイド部材19に沿ってスライド可能に連結されて、他方の端部をガイド部材19の任意の位置でレバー20によって緊締することで、ベース2の下方からの鋸刃15の突出量(切込量)が調整可能となっている。
一方、21は、モータハウジング6の上方で鋸刃15と平行に連設されたハンドルで、ハンドル21の後端には、複数の蓄電池を内蔵したバッテリーパック24の装着部22が開口し、装着部22の左右に、一対の平行なガイドレール23,23が突設されている。このガイドレール23,23間にバッテリーパック24の上面両側に形成された一対のスライドレール25,25を嵌合させてスライドさせることで、バッテリーパック24が装着部22に装着されると共に、装着部22に設けられる正負の端子26(図4に図示)がバッテリーパック24側の図示しない正負の充電端子と電気的接続する。42はハンドル21の上方に設けられたスイッチレバーである。
【0008】
又、ブレードケース4の筒状部5内において、出力軸8を軸支するボールベアリング9の後方には、ロック部材としての帯板状のシャフトロック27がベース2の長手方向に沿ってスライド可能に収容されている。このシャフトロック27は、中央に出力軸8が貫通するリング部28を有し、リング部28の上方に折曲されたストッパ片29が、シャフトロック27のスライド方向と平行に筒状部5に凹設される凹部33内にあって、凹部33に収容されるコイルバネ34によってブレードケース4の軸支側(図2,3の左側、以下シャフトロック27と後述するジョイント35においては、図2,3の左側を後方、右側を前方として説明する。)へ付勢される。そして、ストッパ片29が凹部33の後方内面に当接して停止する図2,3のロック解除位置では、出力軸8をリング部28の中央に位置させると共に、後端の押込み部31を筒状部5の側方から突出させる。一方、リング部28の内周には、出力軸8に形成された二面幅の面取部8aに嵌合可能な嵌合凹部30が形成されて、シャフトロック27をコイルバネ34の付勢に抗して筒状部5内に押し込むことで、嵌合凹部30を面取部8aに嵌合させ、出力軸8の回転をロック可能となっている(ロック位置)。
【0009】
更に、ハンドル21内で、シャフトロック27の押込み方向に延設された当接部32の延長上には、連動体としての帯板状のジョイント35が、ベース2の長手方向に沿ってスライド可能に収容されている。このジョイント35も、上方に延設されるストッパ片36が、ハンドル21でジョイント35と平行に形成される凹部39内にあって、凹部39に収容されるコイルバネ40によって後方へ付勢され、上方へ斜めに形成された後端の折曲部37がハンドル21内のボス41に当接して停止する図2,3の最後退位置では、前端部38がハンドル21に装着したバッテリーパック24の上面に近接し、後端の折曲部37は、シャフトロック27の当接部32の前方にあって、シャフトロック27のロック位置までの前進を規制可能となっている。
【0010】
以上の如く構成された丸鋸機1においては、鋸刃15を交換等するために取り外す場合は、モータハウジング6を下にした姿勢で丸鋸機1を作業台等にセットし、六角孔付ボルト18を六角棒スパナ等で緩める。このとき、スピンドル12が回転しないようにシャフトロック27を押し込むと、前進したシャフトロック27の当接部32がジョイント35の折曲部37に当接してジョイント35を前進させようとするが、ここでハンドル21の装着部22にバッテリーパック24が装着されていると、ジョイント35の前端部38がバッテリーパック24の上面にすぐ当接して停止し、シャフトロック27の前進を規制するため、シャフトロック27は図2の二点鎖線で示すように、嵌合凹部30が出力軸8の面取部8aに嵌合するロック位置に至らず、出力軸8及びスピンドル12の回転をロックできない。
そこで、バッテリーパック24をガイドレール23,23に沿って装着部22から取り外すと、ジョイント35の前方が解放されるため、シャフトロック27の押込みに伴いジョイント35が障害なく前進することで、シャフトロック27も図4,5のようにロック位置まで前進でき、嵌合凹部30を出力軸8の面取部8aに嵌合させる。よって、出力軸8の回転はロックされ、出力軸8と噛合するスピンドル12の回転もロックされるため、六角孔付ボルト18の回転操作が可能となる。これは鋸刃15をスピンドル12へ装着する場合も同様である。
【0011】
このように上記形態によれば、鋸刃15の着脱時に使用されるシャフトロック27を利用して、シャフトロック27に、ロック位置へのスライドに連動し、ロック位置への到達前にバッテリーパック24に当接してシャフトロック27のスライドを阻止可能なジョイント35を設けたことで、バッテリーパック24を装着した状態ではシャフトロック27の押込み(スピンドル12のロック)が行えない構成となるため、バッテリーパック24を取り外してからシャフトロック27を押し込んでスピンドル12をロックし、鋸刃15を着脱するという手順が確立される。特にこの手順は、丸鋸機1自体に装着される六角棒スパナ等の専用工具の有無にかかわらず確立されるため、鋸刃15の着脱の際には確実にバッテリーパック24が取り外されることとなる。よって、常に安定した状態で丸鋸機1をセットして鋸刃15の着脱作業を良好な作業性で行うことができる。又、誤ってスイッチレバー42を操作しても鋸刃15が回転するおそれはない。
【0012】
尚、上記形態では、シャフトロック27とジョイント35との間に間隔を設けて、シャフトロック27の若干のスライド後にジョイント35を連動させる構造としているが、このような動作の遅れをなくして、ジョイント35を同時に連動させる構造としても良い。又、ジョイント35等の連動体は、シャフトロック27と一体に連結したり、バッテリーパック24との距離によっては、一体化した連動体部分を短くしたりしても差し支えない。更に、ロック部材の形状もシャフトロック27のような形態に限らず、出力軸との嵌合凹部を側方に設ける等の形状変更は可能である。
【0013】
一方、上記形態では、ロック部材と連動体とを直線上に配置し、その延長上に位置するバッテリーパックとの当接を図る構成としているが、例えばロック部材の隣りにバッテリーパックが装着されるような場合であっても、中央を回動可能に軸支した連動体の一端がロック部材に、他端がバッテリーパックに当接するように配置することで、ロック部材のスライドに伴い連動体を揺動させてバッテリーパックとの当接を図る構成も考えられる。
又、上記形態では、出力軸をロックする構造としているが、バッテリーパックの装着位置等によっては、スピンドルをロックする構造としても良い。その他バッテリーパックの装着構造は、上記形態のようなスライド装着に限らず、装着部に挿脱される構造でも良いし、電動工具の種類も、ロック部材が設けられるものであれば、丸鋸機に限らずカッタやグラインダ等にも本発明は適用可能である。
【0014】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、出力軸又はスピンドルの回転をロック可能なロック部材に、ロック位置へのスライドに連動し、ロック位置への到達前にバッテリーパックに当接してロック部材のスライドを阻止可能な連動体を、ロック部材と一体又は別体に設けたことで、バッテリーパックを装着した状態ではロック部材の押込みが行えない構成となるため、バッテリーパックを取り外してからロック部材を押し込んで出力軸又はスピンドルをロックするという手順が確立される。特にこの手順は、ハウジングに装着される六角棒スパナ等の専用工具の有無にかかわらず確立されるため、丸鋸機の鋸刃の交換時等には確実にバッテリーパックが取り外されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】丸鋸機の断面説明図である。
【図2】丸鋸機の背面説明図である。
【図3】丸鋸機の平面説明図である。
【図4】丸鋸機の背面説明図である(シャフトロックを押し込んだ状態)。
【図5】丸鋸機の平面説明図である(シャフトロックを押し込んだ状態)。
【符号の説明】
1・・丸鋸機、2・・ベース、3・・本体、4・・ブレードケース、5・・筒状部、6・・モータハウジング、7・・モータ、8・・出力軸、12・・スピンドル、15・・鋸刃、18・・六角孔付ボルト、21・・ハンドル、24・・バッテリーパック、27・・シャフトロック、30・・嵌合凹部、35・・ジョイント。
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリーパックを電源としてハウジングに装着する丸鋸機等の充電式電動工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば丸鋸機は、ベースと、モータを収容するモータハウジングに対して円盤状の鋸刃が直交状に設けられる本体とからなり、モータハウジングの側方にはハンドルハウジングが連設されて、ハンドルハウジングの端部にバッテリーパックが着脱可能に装着される。このような丸鋸機において、鋸刃を交換等する際は、モータハウジングを下にした姿勢で作業台等にセットし、六角棒スパナ等を用いて鋸刃の中心を固定するボルトを緊締或いは解除する作業を行っていた。又、本体には、本体に押し込まれるロック位置でモータの出力軸又は鋸刃が直接固定されるスピンドルの回転をロック可能なロック部材が、本体から突出するロック解除位置に付勢されて設けられており、このロック部材をロック位置に押し込んで出力軸又はスピンドルの回転をロックすることで、ボルトの緊締或いは解除操作を可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、充電式電動工具の普及はめざましいものがあるが、それに伴い、一回の充電当たりの作業量の増大がユーザーから望まれてきている。その解決策としてバッテリーの高容量化も進んできているが、現行技術ではまだ限度がある。
そのため、バッテリーパック自体を大きくする(高電圧化)傾向にあり、24Vのバッテリーパックであるとそれ自体の重量が1.5kgとなってしまっている。
このようなバッテリーパックを使用する上記丸鋸機にあって、鋸刃の着脱作業においては、本体の側方に重量の大きいバッテリーパックが位置することで、丸鋸機の座りが悪く、作業しづらくなるため、バッテリーパックを予め取り外しておくのが望ましい。よって、実用新案登録第2541084号公報に開示の如く、六角棒スパナ等の専用工具を、取り外し方向にバッテリーパックが位置するようにハウジングへ装着し、バッテリーパックをハウジングから取り外さないと専用工具も取り外せない構成とすれば、専用工具の使用時には先にバッテリーパックが取り外される手順となる。しかし、専用工具をハウジングから外したままでもバッテリーパックが単独で着脱できる構造であるため、鋸刃の着脱時には確実にバッテリーパックが取り外されるとは限らない。
【0004】
そこで、請求項1に記載の発明は、専用工具の有無にかかわりなく、鋸刃の着脱時には確実にバッテリーパックが取り外される充電式電動工具を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、モータを収容したハウジングにバッテリーパックを着脱可能に装着する一方、前記ハウジング内に、前記モータの出力軸又は前記出力軸からトルク伝達されるスピンドルのうち何れか一の回転をロックするロック位置と、そのロックを解除するロック解除位置との間をスライド可能なロック部材を、前記ロック解除位置へ付勢して設けた充電式電動工具であって、前記ロック部材に、前記ロック位置へのスライドに連動し、前記ロック位置への到達前に前記バッテリーパックに当接して前記ロック部材のスライドを阻止可能な連動体を、前記ロック部材と一体又は別体に設けたことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は充電式丸鋸機(以下「丸鋸機」という。)の断面説明図、図2はその背面説明図、図3はその平面説明図で、丸鋸機1は、四角形状のベース2と、ベース2上に配置される本体3とからなる。本体3において、4はブレードケースで、後方(図1の右側を後方として説明する。)の筒状部5には、モータ7を内蔵したモータハウジング6が連結されて、モータ7の出力軸8が筒状部5内に突出してボールベアリング9に軸支されている。又、筒状部5内では、ボールベアリング10,11によってスピンドル12が出力軸8と平行に軸支され、スピンドル12と一体のギヤ13が出力軸8と噛合し、出力軸8の回転をスピンドル12に伝達可能となっている。更に、スピンドル12の先端では、円盤状の鋸刃15が、スピンドル12の面取部14に嵌着されるインナーフランジ16とアウターフランジ17とで狭持され、アウターフランジ17の前方からスピンドル12に螺合される六角孔付ボルト18をねじ込むことで、鋸刃15がスピンドル12と一体に緊締される。
【0007】
尚、ブレードケース4は、図2,3に示す如く、ベース2の長手方向での一方の端部(図2,3の左側)は、ベース2と回動可能に連結され、他方の端部は、ベース2上に立設された円弧状のガイド部材19に沿ってスライド可能に連結されて、他方の端部をガイド部材19の任意の位置でレバー20によって緊締することで、ベース2の下方からの鋸刃15の突出量(切込量)が調整可能となっている。
一方、21は、モータハウジング6の上方で鋸刃15と平行に連設されたハンドルで、ハンドル21の後端には、複数の蓄電池を内蔵したバッテリーパック24の装着部22が開口し、装着部22の左右に、一対の平行なガイドレール23,23が突設されている。このガイドレール23,23間にバッテリーパック24の上面両側に形成された一対のスライドレール25,25を嵌合させてスライドさせることで、バッテリーパック24が装着部22に装着されると共に、装着部22に設けられる正負の端子26(図4に図示)がバッテリーパック24側の図示しない正負の充電端子と電気的接続する。42はハンドル21の上方に設けられたスイッチレバーである。
【0008】
又、ブレードケース4の筒状部5内において、出力軸8を軸支するボールベアリング9の後方には、ロック部材としての帯板状のシャフトロック27がベース2の長手方向に沿ってスライド可能に収容されている。このシャフトロック27は、中央に出力軸8が貫通するリング部28を有し、リング部28の上方に折曲されたストッパ片29が、シャフトロック27のスライド方向と平行に筒状部5に凹設される凹部33内にあって、凹部33に収容されるコイルバネ34によってブレードケース4の軸支側(図2,3の左側、以下シャフトロック27と後述するジョイント35においては、図2,3の左側を後方、右側を前方として説明する。)へ付勢される。そして、ストッパ片29が凹部33の後方内面に当接して停止する図2,3のロック解除位置では、出力軸8をリング部28の中央に位置させると共に、後端の押込み部31を筒状部5の側方から突出させる。一方、リング部28の内周には、出力軸8に形成された二面幅の面取部8aに嵌合可能な嵌合凹部30が形成されて、シャフトロック27をコイルバネ34の付勢に抗して筒状部5内に押し込むことで、嵌合凹部30を面取部8aに嵌合させ、出力軸8の回転をロック可能となっている(ロック位置)。
【0009】
更に、ハンドル21内で、シャフトロック27の押込み方向に延設された当接部32の延長上には、連動体としての帯板状のジョイント35が、ベース2の長手方向に沿ってスライド可能に収容されている。このジョイント35も、上方に延設されるストッパ片36が、ハンドル21でジョイント35と平行に形成される凹部39内にあって、凹部39に収容されるコイルバネ40によって後方へ付勢され、上方へ斜めに形成された後端の折曲部37がハンドル21内のボス41に当接して停止する図2,3の最後退位置では、前端部38がハンドル21に装着したバッテリーパック24の上面に近接し、後端の折曲部37は、シャフトロック27の当接部32の前方にあって、シャフトロック27のロック位置までの前進を規制可能となっている。
【0010】
以上の如く構成された丸鋸機1においては、鋸刃15を交換等するために取り外す場合は、モータハウジング6を下にした姿勢で丸鋸機1を作業台等にセットし、六角孔付ボルト18を六角棒スパナ等で緩める。このとき、スピンドル12が回転しないようにシャフトロック27を押し込むと、前進したシャフトロック27の当接部32がジョイント35の折曲部37に当接してジョイント35を前進させようとするが、ここでハンドル21の装着部22にバッテリーパック24が装着されていると、ジョイント35の前端部38がバッテリーパック24の上面にすぐ当接して停止し、シャフトロック27の前進を規制するため、シャフトロック27は図2の二点鎖線で示すように、嵌合凹部30が出力軸8の面取部8aに嵌合するロック位置に至らず、出力軸8及びスピンドル12の回転をロックできない。
そこで、バッテリーパック24をガイドレール23,23に沿って装着部22から取り外すと、ジョイント35の前方が解放されるため、シャフトロック27の押込みに伴いジョイント35が障害なく前進することで、シャフトロック27も図4,5のようにロック位置まで前進でき、嵌合凹部30を出力軸8の面取部8aに嵌合させる。よって、出力軸8の回転はロックされ、出力軸8と噛合するスピンドル12の回転もロックされるため、六角孔付ボルト18の回転操作が可能となる。これは鋸刃15をスピンドル12へ装着する場合も同様である。
【0011】
このように上記形態によれば、鋸刃15の着脱時に使用されるシャフトロック27を利用して、シャフトロック27に、ロック位置へのスライドに連動し、ロック位置への到達前にバッテリーパック24に当接してシャフトロック27のスライドを阻止可能なジョイント35を設けたことで、バッテリーパック24を装着した状態ではシャフトロック27の押込み(スピンドル12のロック)が行えない構成となるため、バッテリーパック24を取り外してからシャフトロック27を押し込んでスピンドル12をロックし、鋸刃15を着脱するという手順が確立される。特にこの手順は、丸鋸機1自体に装着される六角棒スパナ等の専用工具の有無にかかわらず確立されるため、鋸刃15の着脱の際には確実にバッテリーパック24が取り外されることとなる。よって、常に安定した状態で丸鋸機1をセットして鋸刃15の着脱作業を良好な作業性で行うことができる。又、誤ってスイッチレバー42を操作しても鋸刃15が回転するおそれはない。
【0012】
尚、上記形態では、シャフトロック27とジョイント35との間に間隔を設けて、シャフトロック27の若干のスライド後にジョイント35を連動させる構造としているが、このような動作の遅れをなくして、ジョイント35を同時に連動させる構造としても良い。又、ジョイント35等の連動体は、シャフトロック27と一体に連結したり、バッテリーパック24との距離によっては、一体化した連動体部分を短くしたりしても差し支えない。更に、ロック部材の形状もシャフトロック27のような形態に限らず、出力軸との嵌合凹部を側方に設ける等の形状変更は可能である。
【0013】
一方、上記形態では、ロック部材と連動体とを直線上に配置し、その延長上に位置するバッテリーパックとの当接を図る構成としているが、例えばロック部材の隣りにバッテリーパックが装着されるような場合であっても、中央を回動可能に軸支した連動体の一端がロック部材に、他端がバッテリーパックに当接するように配置することで、ロック部材のスライドに伴い連動体を揺動させてバッテリーパックとの当接を図る構成も考えられる。
又、上記形態では、出力軸をロックする構造としているが、バッテリーパックの装着位置等によっては、スピンドルをロックする構造としても良い。その他バッテリーパックの装着構造は、上記形態のようなスライド装着に限らず、装着部に挿脱される構造でも良いし、電動工具の種類も、ロック部材が設けられるものであれば、丸鋸機に限らずカッタやグラインダ等にも本発明は適用可能である。
【0014】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、出力軸又はスピンドルの回転をロック可能なロック部材に、ロック位置へのスライドに連動し、ロック位置への到達前にバッテリーパックに当接してロック部材のスライドを阻止可能な連動体を、ロック部材と一体又は別体に設けたことで、バッテリーパックを装着した状態ではロック部材の押込みが行えない構成となるため、バッテリーパックを取り外してからロック部材を押し込んで出力軸又はスピンドルをロックするという手順が確立される。特にこの手順は、ハウジングに装着される六角棒スパナ等の専用工具の有無にかかわらず確立されるため、丸鋸機の鋸刃の交換時等には確実にバッテリーパックが取り外されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】丸鋸機の断面説明図である。
【図2】丸鋸機の背面説明図である。
【図3】丸鋸機の平面説明図である。
【図4】丸鋸機の背面説明図である(シャフトロックを押し込んだ状態)。
【図5】丸鋸機の平面説明図である(シャフトロックを押し込んだ状態)。
【符号の説明】
1・・丸鋸機、2・・ベース、3・・本体、4・・ブレードケース、5・・筒状部、6・・モータハウジング、7・・モータ、8・・出力軸、12・・スピンドル、15・・鋸刃、18・・六角孔付ボルト、21・・ハンドル、24・・バッテリーパック、27・・シャフトロック、30・・嵌合凹部、35・・ジョイント。
Claims (1)
- モータを収容したハウジングにバッテリーパックを着脱可能に装着する一方、前記ハウジング内に、前記モータの出力軸又は前記出力軸からトルク伝達されるスピンドルのうち何れか一の回転をロックするロック位置と、そのロックを解除するロック解除位置との間でスライド操作可能なロック部材を、前記ロック解除位置へ付勢して設けた充電式電動工具であって、
前記ロック部材に、前記ロック位置へのスライドに連動し、前記ロック位置への到達前に前記バッテリーパックに当接して前記ロック部材のスライドを阻止可能な連動体を、前記ロック部材と一体又は別体に設けたことを特徴とする充電式電動工具。
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