JP3635462B2 - アデノウイルスベクター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アデノウイルスのファイバーのHIループに外来ペプチドが付与されたファイバーミュータントアデノウイルスベクターの作製方法に関する。
【0002】
【従来技術】
アデノウイルスベクターは、種々のタイプの細胞へin vivoまたはin vitroで遺伝子を導入するための魅力的なビヒクルとして汎用されている。
アデノウイルスはエンベロープを持たず、252個のカプソメアよりなる正20面体構造をしている。そのうち頂点にある12個のカプソメアは突起構造を持ったペントン(ペントンベースとファイバーから成る)と呼ばれ、他の240個はヘキソンと呼ばれる。ウイルスの細胞内への侵入(感染)は、ファイバーが受容体のCARに結合し(詳細については、Bergelson J M ら、Isolation of a common receptor for Coxsackie B viruses and adenoviruses 2 and 5. Science 275:1320-1323, 1997を参照されたい)、その後ペントンベースのRGDモチーフが細胞表面上のインテグリンに結合することによって起こる(Bai M, Harfe B, Freimuth P、Mutations that alter an Arg-Gly-Asp (RGD) sequence in the adenovirus type 2 penton base protein abolish its cell-rounding activity and delay virus reproduction in flat cells.,J Virol 67: 5198-5205, 1993;Wickham T Jら、Integrins αvβ3 and αvβ5 promote adenovirus internalization but not virus attachment. Cell 73:309-319, 1993)。エンドソームに達したウイルスは酸性条件下でカプシド蛋白質の構造変化を起こし、エンドソームを破壊して、細胞質内に侵入する。従って、細胞表面上の受容体であるCARに、ウイルスのファイバーが結合するのが第一ステップであり、ファイバーを修飾することにより、ベクターの感染域を変えることができると考えられる(Paillard, F.,Dressing up adenoviruses to modify their tropism. Hum Gene Ther 10:2575-2576, 1999)。
【0003】
ファイバー遺伝子はウイルス後期遺伝子のL5領域に位置し、5型ウイルスにおいては581アミノ酸からなり3量体を形成している。その構造はテール、シャフト、ノブの部分に分けられ、C末端のノブが受容体のCARと結合する。
従来のアデノウイルスベクターの大きな問題点として、ベクターの感染域に組織特異性がなく、全身投与した場合多くの組織細胞に非特異的に移行すること、また、アデノウイルス受容体(coxsackievirus-adenovirus receptor (CAR);遺伝子治療のためのベクターとして通常用いられているアデノウイルス2型や5型における受容体。詳細については、Bergelson J M ら、上掲、を参照されたい)の発現がない細胞には感染できないことがあげられる。
【0004】
当初、ファイバー分子のC末端にヘパラン硫酸との親和性があるポリリジン配列を有したアデノウイルスベクターが作製され、このベクターが期待通り、広い感染域をもつことが報告された(Wickham T Jら、Increased in vitro and in vivo gene transfer by adenovirus vectors containing chimeric fiber proteins., J. Virol. 71:8221-8229, 1997;Yoshida Yら、Generation of fiber-mutant recombinant adenoviruses for gene therapy of malignant glioma.,Hum Gene Ther 9:2503-2515, 1998;Gonzalez Rら、Increased gene transfer in acute myeloid leukemic cells by an adenovirus vector containing a modified fiber protein., Gene Ther. 6: 314-320, 1999;Bouri Kら、Poly-lysine Modification of adenoviral fiber protein enhances muscle cell transduction.,Hum Gene Ther 10:1633-1640, 1999)。しかしながら、この領域への外来ペプチドの挿入は、ファイバーの3量体形成を阻害し、ウイルスのタイターが野生型のファイバーを有するベクターに比べ1-2オーダー以上劣ること、また、ファイバーのC末端はウイルスの内側に向かっていることが明らかとなり、現在では外来ペプチドの挿入に最適な部位ではないと考えられている。
【0005】
1998年、CurielらのグループはファイバーのHI ループがウイルスの表面につきだした構造をとっていることに着目し、この部位へ外来ペプチドを挿入するとウイルス表面にペプチドを表現できること、ウイルスの増殖を全く阻害しないことを報告し、外来ペプチドの表現部位として最適である可能性を示した(Krasnykh V Iら、Characterization of an adenovirus vector containing a heterologous peptide epitope in the HI loop of the fiber knob., J Virol 72:1844-1852, 1998;Dmitriev Iら、An adenovirus vector with genetically modified fibers demonstrates expanded tropism via utilization of a Coxsackievirus and adenovirus receptor-independent cell entry mechanism., J Virol 72:9706-9713, 1998)。しかしながら、彼らはこのようなベクターを特別な大腸菌を用いた相同組換えを利用した方法で作製しており、その作製法は現状ではそれほど簡便ではないため、広く普及するには至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、ファイバーのHIループコード遺伝子配列に簡便な操作で任意のペプチドを導入した、ファイバーミュータントアデノウイルスベクターの作製方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ファイバーのHIループをコードする遺伝子領域に、ユニークな制限酵素の認識部位を挿入することにより、該領域に任意のペプチドをコードするオリゴDNAを簡便に導入できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、ファイバーのHIループコード遺伝子配列に、ユニークな制限酵素認識配列を挿入し、該遺伝子配列中に外来ペプチドコードDNAを導入することを特徴とする、ファイバーミュータントアデノウイルスベクターの作製方法である。
【0009】
また本発明は、上記の方法により作製されるファイバーミュータントアデノウイルスベクターである。
さらに本発明は、ファイバーのHIループコード遺伝子配列に、ユニークな制限酵素認識部位を有することを特徴とする、アデノウイルスベクターである。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のファイバーミュータントアデノウイルスベクターの作製方法は、ファイバーのHIループコード遺伝子配列にユニークな制限酵素認識配列を挿入し、該遺伝子配列中に外来ペプチドコードDNAを導入することを特徴とするものである。
【0011】
ファイバーのHIループコード遺伝子配列とは、ファイバー分子のアミノ酸537から549までの領域をコードする塩基配列をさす。HIループのアミノ酸は大部分が親水基であり、ノブ領域の外側に配向している。この領域に外来ペプチドが挿入されてもファイバーの3量体形成には影響を及ぼさない。例えば、5型アデノウイルスでは、該ウイルスのゲノムDNAの32647〜32685番目に相当する。
【0012】
ユニークな制限酵素認識配列とは、アデノウイルスゲノムDNAに本来存在しない制限酵素認識配列を意味し、例えば、制限酵素Csp45I、ClaI、SwaI、PacI、I-CeuI、PI-SceI、I-PpoI、I-SceIにより認識される配列が挙げられる。
ユニークな制限酵素としてCsp45IおよびClaIを使用した場合、これらの制限酵素は互いに適合性を有する接着型末端を生じ、上記オリゴヌクレオチドをいずれの方向でも挿入することができる。従って、オリゴヌクレオチドが順方向に挿入されたもの(陽性クローン)がCsp45I認識配列を有し、かつClaI認識配列を含まないように前記オリゴヌクレオチドを設計することにより、陽性クローンを制限酵素Csp45IおよびClaIの切断パターンの違いにより容易に同定することができる。このように設計されたオリゴヌクレオチドとしては、限定するものではないが、配列番号10〜13に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを挙げることができる。
【0013】
上記認識配列のHIループコード遺伝子配列への挿入は、例えば本実施例に記載したようにして実施することができる。
外来ペプチドをコードするDNAの導入は、例えば、該ペプチドコードDNAと上記のユニークな制限酵素認識配列とを有するオリゴヌクレオチドDNAを合成し、対応する酵素で消化したHIループコード配列に直接ライゲーションすることによって達成することができる。
【0014】
外来ペプチドをコードするDNAとしては、限定されるものではないが、例えば、RGDを含むペプチドをコードするDNA、NGRを含むペプチドをコードするDNA、ヘパラン硫酸との親和性を有するペプチド(KKKKKKK:配列番号1)をコードするDNA、ラミニン受容体との親和性を有するペプチド(TS(GYIGSR)3SS:配列番号2またはTSAA(SIKVAV)2:配列番号3)をコードするDNA、E-セレクチンとの親和性を有するペプチド(TRSDITWDQLWDLMKTS:配列番号4)をコードするDNA等を選択することにより、ベクターの行き先(組織・細胞等)における遺伝子導入効率を改善することができる。従って、外来ペプチドとして例えば腫瘍血管内皮細胞に対して指向性を有することが報告されているペプチド、例えばRGDやNGRを含むペプチドを選択すれば、種々の腫瘍の治療に有用なベクターを作製することができる。
【0015】
RGDを含むペプチドとしては、RGD配列を含みかつ細胞表面のインテグリンに対する結合親和性を有する限り限定されるものではないが、例えば、RGDを含めて5〜20個のアミノ酸からなるものが好ましく、具体的には、例えば、RGD-4Cペプチド(CDCRGDCFC:配列番号5)を挙げることができる。
【0016】
外来ペプチドとしてRGD-4Cペプチドを選択した場合、該ペプチドはCARだけでなくインテグリンとも結合親和性を有することから、アデノウイルス感受性の細胞だけでなく、CARの発現が乏しいために従来のウイルスベクターが適用できない細胞、例えば、CHO細胞、気道上皮細胞、平滑筋細胞、血管内皮細胞、T細胞、マクロファージ、造血幹細胞、樹状細胞、インテグリンを細胞表面に有する癌細胞(例えばヒトグリオーマ細胞LN444)等への遺伝子導入効率を改善することができる。
【0017】
またNGRを含むペプチドとしては、NGR配列を含みかつ細胞表面のアミノペプチダーゼN(CD13)に対する結合親和性を有する限り限定されるものではないが、例えば、NGRを含めて5〜20個のアミノ酸からなるものが好ましく、具体的には、例えば、NGR関連ペプチド(CNGRCVSGCAGRC:配列番号6)を挙げることができる。
【0018】
外来ペプチドとしてNGR関連ペプチドを選択した場合、該ペプチドはCARだけでなくアミノペプチダーゼN/CD13とも結合親和性を有することから、アデノウイルス感受性の細胞だけでなく、CARの発現が乏しいために従来のウイルスベクターが適用できない細胞、例えば癌新生血管等のCD13発現細胞(例えばヒトグリオーマ細胞LN444)への特異的な遺伝子導入を達成することができる。
【0019】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
〔実施例1〕 ファイバーのHIループに外来ペプチドを付与したアデノウイルスベクターの作製−1
本実施例では、ファイバーのHIループをコードする遺伝子配列部分にユニークな制限酵素であるCsp45IおよびClaIの認識部位を利用した。
まず、ベクタープラスミドpAdHM15,16,17および18を以下のようにして構築した。
【0020】
5型アデノウイルスゲノムの右末端部(27331位の塩基から右末端まで(途中、27865〜30995位(E3領域)は欠損している)を含むプラスミドpEco-ITR1を制限酵素ApaIおよびMunIで切断した。これをpBR-322由来のプラスミドpBR-AM2(AatIIとBsaIの認識配列の間にAgeIとMunIの認識配列を有し、PvuII認識配列からBst 1107Iの認識配列までが欠損している)のApaI/MunI制限断片と連結することにより、pBR-AM3を得た。このpBR-AM3はアデノウイルスゲノムの31905〜32825位を有していた。
【0021】
次に、pBR-AM3のApaI/AseI制限断片、ApaI/BsmAI制限断片、BsaAI制限断片、ならびにオリゴヌクレオチド1(5'−AACAGGAGACACAACTTCGAAC[ATCGAT]CCAAGTGCATACTCTATGTCATTTTCATGGGACTGGTCTGGCCACAACTACAT−3':配列番号7)および2(5'−TAATGTAGTTGTGGCCAGACCAGTCCCATGAAAATGACATAGAGTATGCACTTGG[ATCGAT]GTTCGAAGTTGTGTCTCC−3':配列番号8)を使用(Csp45IおよびClaI(ジアンチピリルメタン(Dam)でメチル化されている)認識部位をそれぞれ下線および括弧[]で示す)して、4-ピースライゲーション反応を行ない、プラスミドpBR-AM4を得た。
【0022】
さらに、pBR-AM4のHpaI/MunI制限断片とpEco-ITR5(5型アデノウイルスゲノムの右末端(27331位の塩基からゲノムの右末端まで(途中、28133〜30818位(E3領域)が欠損している))を含む)のHpaI/MunI制限断片とを連結してpEco-AM4を構築した。
【0023】
最後に、pAdHM2の誘導体であるpAdHM2-1のSrfI/ClaI制限断片と上記pEco-AM4のSrfI/ClaI制限断片とを連結し、その後アデノウイルスゲノムの右末端のClaI認識配列を、オリゴヌクレオチド3(5'−CGTTAATTAA−3':配列番号9;PacI認識配列を下線で示す)を用いてライゲ−ションすることにより、PacI認識配列に置き換えてpAdHM15を得た。また、pAdHM16,17および18も同様にして構築した(図1A)。
【0024】
これらのプラスミドpAdHM15,16,17および18はE1/E3領域を除く全アデノウイルスゲノムを有しており、E1欠損領域にはユニーク部位のI-CeuI、SwaI、およびPI-SceI認識配列を、またゲノム32679位と32680位(それぞれ、ファイバータンパク質のトレオニン残基(546位)およびプロリン残基(547位)に対応している)の間には、それぞれCsp45IとClaI(Damでメチル化されている)(pAdHM15)、ClaI(pAdHM16)、Csp45I(pAdHM17,18)認識配列を有していた(図1)。それぞれのプラスミドのHIループ領域は、制限酵素認識配列の違いにより、新たに付与された2〜3アミノ酸が異なっており、目的に応じて使い分けることができる。
【0025】
次に、外来ペプチドに対応するオリゴヌクレオチドDNAを有するプラスミドベクターを構築した。
外来ペプチドとして、RGD-4Cペプチド(CDCRGDCFC:配列番号5)を選択し、このペプチドに対応するオリゴヌクレオチドDNA(オリゴヌクレオチド4および5)を使用した。
まず、上記で構築したpAdHM15を、Csp45I/ClaIで切断し、オリゴヌクレオチド4(5'−CGAAGTGTGACTGCCGCGGAGACTGTTTCTG−3':配列番号10)および5(5'−CGCAGAAACAGTCTCCGCGGCAGTCACACTT−3':配列番号11)と連結した。
【0026】
次いで、連結した上記DNAを大腸菌DH5株に導入して形質転換し、pAdHM15-RGDを得た(図2)。pAdHM15,16,17および18について、外来オリゴヌクレオチドの挿入部位周辺の配列、および各ベクタープラスミドに対して合成されうるオリゴヌクレオチドを図1(それぞれB、C)に示す。
【0027】
制限酵素Csp45IおよびClaIは互いに適合性を有する接着型末端を生じ、上記オリゴヌクレオチドをいずれの方向でも挿入することができるため、陽性プラスミド(オリゴヌクレオチドが順方向に挿入されたもの)がCsp45I認識配列を有し、かつClaI認識配列を含まないように、これらのオリゴヌクレオチドを設計した(図2)。自己連結させたプラスミド、および上記オリゴヌクレオチドが逆方向に連結されているプラスミドでは、いずれもCsp45I認識配列を有していなかった。このため、陽性クローンを制限酵素Csp45IおよびClaIの切断パターンの違いにより容易に同定することができた。さらに、pAdHM15-RGDに挿入されたオリゴヌクレオチドの配列を遺伝子配列解析によって決定することにより、クローンが適切な配列を含んでいることを確認した。
【0028】
次いで、シャトルプラスミドpHMCMV5(H.Mizuguchi, M.A.Kay., A simple method for constructing E1 and E1/E4 deleted recombinant adenovirus vector. Hum.Gene Ther.10(1999)2013-2017)にpCMVβ(クロンテック社)由来のβガラクトシダーゼ(LacZ)遺伝子を挿入することにより、pHMCMVLacZ-1を作製した。
【0029】
さらに、I-CeuI/PI-SceIで消化したpAdHM15-RGD およびpHMCMVLacZ-1をin vitroライゲーションにより連結し、pAdHM15-RGD-LacZを構築した(図2)。ここで、I-CeuIおよびPI-SceIは、それぞれ少なくとも9〜10、11塩基からなる配列を認識する稀な切断酵素である。
【0030】
野生型ファイバータンパク質を有する対照ウイルス調製用プラスミドとして、pAdHM4とpHMCMVLacZ-1とを連結してpAdHM4-LacZを構築した。
上記pAdHM15-RGD-LacZ とpAdHM4-LacZはいずれも、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター駆動性LacZ遺伝子およびウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナルを含んでいた。
【0031】
次に、上記2つのプラスミドpAdHM15-RGD-LacZ およびpAdHM4-LacZをPacIで消化して線状化し、これをフェノール−クロロホルム抽出およびエタノール沈殿に供して精製した。線状化したpAdHM15-RGD-LacZ とpAdHM4-LacZを293細胞にトランスフェクトして各プラスミド由来のウイルスを調製し(AdHM15-RGD-LacZ、AdHM4-LacZ)、CsCl2段階勾配超遠心、次いでCsCl2直線勾配超遠心に供して精製した。
【0032】
ウイルス粒子の力価はMaizelらの方法(Maizel,J.V.J., White,D.O. and Scharff,M.D. (1968). The polypeptides of adenovirus. I. Evidence for multiple protein components in the virion and a comparison of types 2, 7A, and 12. Virology. 36, 115-125.)に従い、ウイルスDNAを分光光学的に測定した。その結果、AdHM15-RGD-LacZの力価は5.28×1011 particle titer/mL、AdHM4-LacZの力価は2.02×1012 particle titer/mLであった。
【0033】
また、ベクタープラスミド(pAdHM15-RGDもしくはpAdHM15-RGD-LacZ)またはファイバー中にRGDペプチドを有するLacZ発現組換えアデノウイルスDNA(AdHM15-RGD-LacZ)について、DNA制限分析(制限酵素としてHindIII/PacI、Csp45I/PacI、HindIIIまたはCsp45Iを使用し、0.7%アガロースゲル上で電気泳動)を行なった。各レーンは以下の通りである。
【0034】
レーン1:1kb DNAラダーマーカー。
レーン2:HindIII/PacI消化したpAdHM15-RGD。
レーン3:Csp45I/PacI消化したpAdHM15-RGD。
レーン4:HindIII/PacI消化したpAdHM15-RGD-LacZ。
レーン5:Csp45I/PacI消化したpAdHM15-RGD-LacZ。
レーン6:HindIII消化したAdHM15-RGD-LacZウイルスDNA。
レーン7:Csp45I消化したAdHM15-RGD-LacZウイルスDNA。
結果を図3Aに示す。
【0035】
(結果)
結果より、LacZカセットを含むかまたは含まないベクタープラスミド、すなわち、pAdHM15-RGD、pAdHM15-RGD-LacZ、あるいはウイルスDNA、即ち、AdHM15-RGD-LacZが、予想された断片(表1)を含むことが示された(図3)。
【0036】
【表1】
【0037】
得られたベクターAdHM15-RGD-LacZの遺伝子導入効率を、後述の実施例4において解析した。
【0038】
〔実施例2〕 ファイバーのHIループに外来ペプチドを付与したアデノウイルスベクターの作製−2
ベクタープラスミドpAdHM15-RGDの構築方法は、実施例1に示した通りである。
【0039】
シャトルプラスミドpHMCMV6(H.Mizuguchi, M.A.Kay., A simple method for constructing E1 and E1/E4 deleted recombinant adenovirus vector. Hum.Gene Ther.10(1999)2013-2017)にpGL3-Control(プロメガ社)由来のルシフェラーゼ(Luc)遺伝子を挿入することにより、pCMVL1を作製した。
【0040】
さらに、前記pAdHM15-RGD およびルシフェラーゼをコードしたpCMVL1をI-CeuI/PI-SceIで消化後、in vitroライゲーションにより連結してpAdHM15-RGD-CMVL2を構築した(図4)。
【0041】
野生型ファイバータンパク質を有する対照ウイルス調製用プラスミドとして、pAdHM4とpCMVL1とを連結してpAdHM4-CMVL2を構築した。
上記pAdHM15-RGD-CMVL2 とpAdHM4-CMVL2はいずれも、CMVプロモーター駆動性Luc遺伝子およびBGHポリアデニル化シグナルを含んでいた。
【0042】
次に、上記2つのプラスミドpAdHM15-RGD-CMVL2およびpAdHM4-CMVL2をPacIで消化して線状化し、これをフェノール−クロロホルム抽出およびエタノール沈殿に供して精製した。線状化したpAdHM15-RGD-CMVL2とpAdHM4-CMVL2を293細胞にトランスフェクトして各プラスミド由来のウイルスを調製し(AdHM15-RGD-L2、AdHM4-L2)、CsCl2段階勾配超遠心、次いでCsCl2直線勾配超遠心に供して精製した。
得られたベクターAdHM15-RGD-L2およびAdHM4-L2(対照)の遺伝子導入効率を、後述の実施例5において解析した。
【0043】
〔実施例3〕 ファイバーのHIループに外来ペプチドを付与したアデノウイルスベクターの作製−3
ベクタープラスミドpAdHM15の構築方法は、実施例1に示した通りである。
外来ペプチドとして、NGR関連ペプチド(CNGRCVSGCAGRC:配列番号6)を選択し、このペプチドに対応するオリゴヌクレオチドDNA(オリゴヌクレオチド6および7)を使用した。
【0044】
まず、上記で構築したpAdHM15を、Csp45I/ClaIで切断し、オリゴヌクレオチド6(5'−CGGCTGCAACGGCCGCTGCGTGAGCGGCTGCGCCGGCCGCTG−3':配列番号12)および7(5'−CGCAGCGGCCGGCGCAGCCGCTCACGCAGCGGCCGTTGCAGC−3':配列番号13)と連結した。次いで、連結した上記DNAを大腸菌DH5株に導入して形質転換し、pAdHM15-NGRを得た。
I-CeuI/PI-SceIで消化したpAdHM15-NGR およびpCMVL1をin vitroライゲーションにより連結し、pAdHM15-NGR-CMVL2を構築した。pAdHM15-NGR-CMVL2は、CMVプロモーター駆動性Luc遺伝子およびBGHポリアデニル化シグナルを含んでいた。
【0045】
次に、プラスミドpAdHM15-NGR-CMVL2をPacIで消化して線状化し、これをフェノール−クロロホルム抽出およびエタノール沈殿に供して精製した。線状化したpAdHM15-NGR-CMVL2を293細胞にトランスフェクトしてプラスミド由来のウイルス(AdHM15-NGR-L2)を調製し、CsCl2段階勾配超遠心、次いでCsCl2直線勾配超遠心に供して精製した。
得られたベクターAdHM15-NGR-L2の遺伝子導入効率を、後述の実施例5において解析した。
【0046】
〔実施例4〕 遺伝子導入効率の解析−1
実施例1で作製したベクターAdHM15-RGD-LacZ中に挿入したRGD-4Cペプチドの機能を調べるために、AdHM15-RGD-LacZおよびAdHM4-LacZ(対照)の遺伝子導入効率を、CARの発現を有しアデノウイルスに感受性のSK-HEP1細胞と、非感受性(CARの発現がないため)のCHO細胞を用いて解析した。ここで、SK-HEP1細胞はヒト肝臓血管内皮細胞に由来し、Dr.Mark A.Kay(Stanford Univ.)より供与されたものである。またCHO細胞(chinese hamster ovary cell)は、Dr.Tadanori Mayumi(真弓忠範博士,大阪大学)より供与されたものである。
【0047】
まず、SK-HEP1細胞およびCHO細胞を、AdHM15-RGD-LacZ とAdHM4-LacZのベクター粒子1200個/細胞および8000個/細胞のスケールで1.5時間形質転換した。
2日後、LacZタンパク質の発現(すなわちLacZ酵素活性)を、発光β-ガラクトシダーゼ検出キット(クロンテック社)を用いた発光アッセイおよびX-gal(5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシド)染色により確認した(図5)。LacZ酵素活性の程度は、キットに付属の標準物質を指標として評価した。
【0048】
(結果)
SK HEP-1細胞では、AdHM15-RGD-LacZ(RGDファイバー)とAdHM4-LacZ(野生型ファイバー)での形質転換後に検出されたLacZ酵素活性の差は2倍程度であったが(図5A)、CHO細胞においてはその差は40倍にも達し、AdHM15-RGD-LacZで形質転換した方がその活性が高かった。また、AdHM15-RGD-LacZおよびAdHM4-LacZで形質転換したCHO細胞における X-gal陽性細胞の割合は、上記発光アッセイの結果と非常によく相関していた(図5B)。
【0049】
これらのことから、RGDファイバーを有するAdHM15-RGD-LacZ がRGD-CAR結合経由だけでなくRGD-インテグリン結合経由でも感染し、遺伝子を効率的に導入できることが確認された(ペントンベースのRGDモチーフとインテグリンとの結合は、感染の第一ステップとしては働かないことが知られている)。
【0050】
尚、AdHM15-RGD-LacZ はCARとインテグリンのどちらを経由しても感染できるため、SK-HEP1細胞ではAdHM4-LacZに比べやや遺伝子導入効率が高くなったものと考えられる。
従って、ファイバーにRGD-4Cペプチドを付与することにより、CHO細胞等のCAR欠損細胞に効率的に遺伝子を導入できることが示された。
【0051】
〔実施例5〕 遺伝子導入効率の解析 2
実施例2で作製したベクターAdHM15-RGD-L2中に挿入したRGD-4Cペプチドおよび、実施例3で作製したベクターAdHM15-NGR-L2中に挿入したNGR関連ペプチドの機能を調べるために、AdHM15-RGD-L2、AdHM15-NGR-L2およびAdHM4-L2(対照)の遺伝子導入効率を、CARの発現を有しアデノウイルスに感受性のSK-HEP1細胞と、非感受性(CARの発現がないため)のLN444細胞を用いて解析した。ここで、LN444細胞はヒトグリオーマ細胞であり、Dr.Mitsuhiro Tada(多田光宏博士,北海道大学)より供与されたものであり、その細胞表面にはRGDペプチドのターゲットインテグリン(αvβ3あるいはαvβ5)およびアミノペプチダーゼN/CD13を発現している。
【0052】
まず、SK-HEP1細胞およびLN444細胞それぞれ5×104個を、AdHM4-L2、AdHM15-RGD-L2およびAdHM15-NGR-L2のベクター粒子100個/細胞、300個/細胞、1000個/細胞および3000個/細胞のスケールで1.5時間形質転換した。
2日後、ルシフェラーゼ(Luc)タンパク質の発現(すなわちLuc酵素活性)を、ルシフェラーゼレポーターアッセイキット(クロンテック社)を用いて確認した(図6)。
【0053】
(結果)
SK HEP-1細胞では、AdHM15-NGR-L2 (NGRファイバー;▲)とAdHM4-L2 (対照:野生型ファイバー;○)での形質転換後に検出されたLuc酵素活性の差は2倍程度であったが、AdHM15-RGD-L2(RGDファイバー;●)においてはその差は10倍に達し、AdHM15-RGD-L2で形質転換した方がその活性が高かった(図6A)。LN444細胞においては、AdHM15-NGR-L2(▲)とAdHM4-L2(対照;○)での形質転換後に検出されたLuc酵素活性の差は100倍に達し、AdHM15-NGR-L2で形質転換した方がその活性が高かった。また、AdHM15-RGD-L2(●)においてはその差は約1000倍に達した(図6B)。尚、図6横軸中の「VP」は、vector particles(ベクター粒子数)を示す。
【0054】
これらのことから、RGDファイバーを有するAdHM15-RGD-L2が、RGD-CAR結合経由だけでなくRGD-インテグリン結合経由でも感染し、遺伝子を効率的に導入できることが再度確認された。さらに、NGRファイバーを有するAdHM15-NGR-L2がRGD-CAR結合経由だけでなくNGR-CD13結合経由でも感染し、遺伝子を効率的に導入できることが確認された。
従って、ファイバーにNGR関連ペプチドを付与することにより、LN444細胞等のCD13発現細胞に効率的に遺伝子を導入できることが示された。
【0055】
【発明の効果】
本発明の方法では、1ステップのin vitroライゲーションにより、任意のペプチドをファイバーHIループコード遺伝子配列に導入することができる。従って、遺伝子導入効率の高いアデノウイルスベクターを簡易な操作により作製することができる。
【0056】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】ベクタープラスミドの特徴を示す。(A)ベクタープラスミドpAdHM15,16,17および18は、E1/E3欠損アデノウイルスゲノムDNAを含み、このゲノムDNAの32679位と32680位との間にCsp45Iおよび/またはClaI部位を含み、E1欠損領域にI-CeuI/SwaI/PI-SceI部位を含む。(B)各ベクタープラスミドについて、外来オリゴヌクレオチド挿入部位周辺の配列を示す。外来オリゴヌクレオチドはイタリック体で示す。(C)各プラスミドベクター用に合成するオリゴヌクレオチドを示す。pAdHM15については、オリゴヌクレオチドが挿入された陽性のクローンが、Csp45Iでは切断されるがClaIでは切断されないように設計した時のオリゴヌクレオチドが示されている。
【図2】ファイバーノブのHIループにRGD-4Cペプチドを含有し、E1欠損領域にLacZ発現カセットを含有するアデノウイルスベクターの構築計画を示す。
【図3】制限エンドヌクレアーゼ分析の結果を示す。(A)ベクタープラスミド(pAdHM15-RGDもしくはpAdHM15-RGD-LacZ)またはファイバー中にRGDペプチドを有するLacZ発現組換えアデノウイルスDNA(AdHM15-RGD-LacZ)をHindIII/PacI、Csp45I/PacI、HindIIIまたはCsp45Iで消化し、0.7%アガロースゲル上で電位泳動した結果である。
レーン1:1kb DNAラダーマーカー。
レーン2:HindIII/PacI消化したpAdHM15-RGD。
レーン3:Csp45I/PacI消化したpAdHM15-RGD。
レーン4:HindIII/PacI消化したpAdHM15-RGD-LacZ。
レーン5:Csp45I/PacI消化したpAdHM15-RGD-LacZ。
レーン6:HindIII消化したAdHM15-RGD-LacZウイルスDNA。
レーン7:Csp45I消化したAdHM15-RGD-LacZウイルスDNA。
(B)組換えアデノウイルスベクター(AdHM15-RGD-LacZ)のHindIIIとCsp45I制限地図を示す。断片のサイズ(kb)をゲノムの上下に示す。CMVはサイトメガロウイルス中間-初期プロモーター/エンハンサーを表わし、P(A)はウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナルを表わす。
【図4】ファイバーノブのHIループにRGD-4Cペプチドを含有し、E1欠損領域にLuc発現カセットを含有するアデノウイルスベクターの構築計画を示す。
【図5】 AdHM4-LacZとAdHM15-RGD-LacZにより形質導入された培養細胞におけるLacZ発現を比較した図である。(A)LacZ発現を発光アッセイにより測定した結果。図中(a)、(b)はそれぞれ、ベクター粒子を(a) 1200個/細胞、(b)8000個/細胞用いた場合の結果を示す。データは3回ずつ行なった試験データの平均値±S.D.で示す。(B)CHO細胞(ベクター粒子1200個/細胞)におけるX-gal染色の結果。(a)はAdHM4-LacZ、(b)はAdHM15-RGD-LacZについての結果である。
【図6】 AdHM4-L2、AdHM15-RGD-L2およびAdHM15-NGR-L2により形質導入された培養細胞におけるLuc発現を比較した図である。それぞれAdHM4-L2は白丸(○)、AdHM15-RGD-L2は黒丸(●)、AdHM15-NGR-L2は黒三角(▲)で示す。(A)SK HEP-1細胞におけるLuc発現を測定した結果。(B)LN444細胞におけるLuc発現を測定した結果。データは4回ずつ行なった試験データの平均値±S.D.で示す。
Claims (6)
- Csp45I および/または ClaI 認識配列を挿入したファイバーの HI ループコード遺伝子配列を有し、かつ、 E1/E3 領域を除く全アデノウイルスゲノムを含むプラスミドを調製し、該 HI ループコード遺伝子配列中に外来ペプチドコード DNA をライゲーション反応により導入することを特徴とする、ファイバーミュータントアデノウイルスベクターの作製方法。
- 外来ペプチドが腫瘍血管内皮細胞に対して指向性を有するペプチドである、請求項1記載の方法。
- 腫瘍血管内皮細胞に対して指向性を有するペプチドがトリペプチド:R-G-Dを含むペプチドである、請求項2記載の方法。
- 腫瘍血管内皮細胞に対して指向性を有するペプチドがトリペプチド:N-G-Rを含むペプチドである、請求項2記載の方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法により作製されるファイバーミュータントアデノウイルスベクター。
- ファイバーの HI ループコード遺伝子配列を有し、かつ、 E1/E3 領域を除く全アデノウイルスゲノムを含むプラスミドの該 HI ループコード遺伝子配列に、 Csp45I および/または ClaI 認識配列を挿入したことを特徴とする、アデノウイルスベクター。
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