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JP3631522B2 - 帯 - Google Patents

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JP3631522B2
JP3631522B2 JP07463595A JP7463595A JP3631522B2 JP 3631522 B2 JP3631522 B2 JP 3631522B2 JP 07463595 A JP07463595 A JP 07463595A JP 7463595 A JP7463595 A JP 7463595A JP 3631522 B2 JP3631522 B2 JP 3631522B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、着物用の帯に係り、例えば祭り用ハッピの帯として最適な帯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、着物を着る際には帯を使用するが、一般的に、このような帯は結び目を作って締めるものであった。なお、簡単な帯としては、例えばマジックテープのような密着手段によって締めるものがあるが、これは下帯や寝巻用の帯等、必ずしも結び目を必要としないものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしなから、上述したような結び目を作って締める帯は、緩み易いという問題があった。特に、例えば祭りのハッピの帯として使用している場合、神輿担ぎや山車巡行等の練、或いは大凧上げ等の時に、大勢の人と群れて接触すると、結び目が緩んできて帯が簡単に解けてしまう。また、子供等は自分で帯を結び直すのが難しいこともあった。さらに、伝統的な祭りによっては帯を独特な結び目で締めることが粋とされており、このような結び目を作って締めることは、子供は勿論のこと、大人でも慣れないと難しかった。
【0004】
そこで本発明は、極めて簡単に締めることができて緩むことがなく、しかも使用時には結び目を作って締めたものと全く同様な外観の帯を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による帯は、長尺状をなす帯本体と、この帯本体とは別体に形成されて帯本体の長手方向に沿って移動自在に嵌装された結び目とからなり、前記帯本体の一端側の裏面に離着自在の着接部を設けると共に、前記帯本体の他端に前記一端側が挿通可能な環状部を設け、前記帯本体の一端側を前記環状部に挿通してその裏面どうしが密着するように折り返して前記着接部により固定すると共に、前記結び目を前記環状部の方向へ移動させてその結び目により環状部を覆い隠すように構成したことを特徴とする。
【0006】
なお、前記帯において、前記結び目を袋状に形成し、この結び目の内部に一方から挿入された前記環状部を他方へ通過不能に保持するように構成したことを特徴とする。
【0007】
また、本発明による帯は、長尺状をなす帯本体の一端側の裏面に離着自在の着接部を設けると共に、前記帯本体の他端に前記一端側が挿通可能な環状部を設け、かつ、前記環状部を覆い隠すように前記帯本体の他端に固定の結び目を設け、前記結び目の裏側において前記帯本体の一端側を前記環状部に挿通してその裏面どうしが密着するように折り返して前記着接部により固定するように構成したことを特徴とする。
【0008】
【作用】
上記のように構成された本発明の帯においては、帯本体の一端側を他端の環状部に挿通し、その裏面どうしが密着するように折り返して、着接部により固定することによって、帯を極めて簡単に締めることができる。そして、この状態では、一端側の折り返し部分が内側になって体に密着するので、着接部がズレたり離れたりすることはなく、帯が緩むことはない。
【0009】
また、結び目は予め形成されているので、この結び目が緩むこともない。そして、帯本体の長手方向に沿って移動自在とした別体の結び目を環状部の方向へ移動させてその結び目により環状部を覆い隠すことによって、または、帯本体の他端に設けた固定の結び目により環状部を覆い隠すことによって、帯本体の折り返し部分及び環状部を隠すことができるので、使用時には結び目を作って締めたものと全く同様な外観を得ることができる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明による帯の実施例について図面を参照して説明する。
【0011】
まず、図1に示すように、本実施例の帯は、長尺状の帯本体1と、この帯本体1に嵌装された別体の結び目2とからなっている。
【0012】
帯本体1は例えば綿素材等により形成され、その内部には例えばナイロンベルト等の補強材が挿入されている。帯本体1の一端側1aの裏面には、例えばマジックテープのような互いに離着自在の着接部11a及び11bが、縫い込みや接着等により固定されている。なお、先端の着接部11aに対して他方の着接部11bは長い寸法のものが用いられている。また、一端側1aの先端には引張輪12が設けられている。
【0013】
帯本体1の他端1bは細く折られ、その他端1bに環状部13が設けられている。本実施例においては、他端1bに円形の金属製リングを係止させて環状部13を構成しているが、樹脂製や布製のリングとしてもよい。
【0014】
次に、図1〜図3に示すように、帯本体1と別体の結び目2は、その帯本体1の長手方向に沿って移動自在に構成されている。本実施例における結び目2は、帯本体1の共布を折り曲げて、その表側と裏側とを例えば糸21により固定して袋状に形成されたものであり、結び目2の内部に帯本体1が挿通されている。なお、この結び目2の形状は様々に変形が可能であり、一般の人が結べないような特殊な結び方であってもよい。そして、帯本体1が挿通された結び目2の部分において、一方の開口部2aは前記環状部13よりも大きく形成され、他方の開口部2bは環状部13よりも小さく形成されている。従って、結び目2は、開口部2a側から環状部13が挿入可能で、その環状部13を開口部2b側へ通過不能に保持するように構成されている。
【0015】
上記のように構成された帯を使用する時には、まず、帯本体1の表裏を逆にして体に巻き、一端側1aを他端1bの環状部13に通し、その一端側1aを引っ張りながら裏面どうしが密着するように折り返して、着接部11a及び11bどうしを互いに接触させて固定する。この後、帯本体1を裏返す。そして、帯本体1を裏返した後(裏返す前でもよい)に、図2から図3に示すように、結び目2を帯本体1に沿って環状部13の方向へ移動させる。結び目2によって環状部13を覆い隠し、その環状部13は結び目2の内部で保持される。
【0016】
このようにして、帯を極めて簡単に締めることができる。そして、帯を締めた状態では、帯本体1の一端側1aの折り返し部分が内側になって体に密着するので、着接部11a及び11bがズレたり離れたりすることはなく、帯が緩むことはない。
【0017】
また、結び目2は予め形成されているので、この結び目2が緩むこともない。そして、結び目2により環状部13を覆い隠すことによって、帯本体1の折り返し部分及び環状部13を隠すことができるので、図4に示すように、使用時には結び目2を作って締めたものと全く同様な外観を得ることができる。
【0018】
特に、結び目2の内部に環状部13が入り込んで保持されるので、結び目2と環状部13との位置を固定することができる。また、環状部13が結び目2の内部にあるので、帯本体1の折り返し部分及び環状部13が結び目2によって保護されることになり、特に帯本体1の折り返し部分の損傷を防止することができる。さらに、帯本体1の折り返し部分及び環状部13が体に対して違和感を与えるようなこともない。
【0019】
なお、本実施例においては、帯本体1の一端側1aの先端に引張輪12が設けられているので、その一端側1aを環状部13に通して折り返す際には、容易に引っ張ることができる。また、他方の着接部11bを長くしてあるので、腰回り長さの調整範囲を大きくすることができる。さらに、帯本体1の内部に補強材が挿入されているので、帯本体1は適度に固くなって形が崩れ難く、特に洗濯機で洗濯しても形崩れするようなことがない。
【0020】
なお、上述した実施例においては環状部13を円形としたが、図5は別の実施例を示すものであり、環状部13′を略矩形としている。この例によれば、帯本体1が例えば西陣織のような硬い素材の場合でも、環状部13′によって帯本体1の一端側1aの折り返し部分が撚れるような心配がない。
【0021】
また、上述した実施例においては、結び目2を帯本体1に沿って移動自在としたが、予め結び目2を帯本体1に固定してもよい。この場合には、結び目2を帯本体1の他端1bに設けて、その結び目2の裏側で環状部13(13′)を覆い隠すようにすればよい。このようにしても、帯本体1の折り返し部分及び環状部13(13′)は外側から見えず、外観上は結び目2を作って帯を締めたものと全く同様である。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、極めて簡単に締めることができて緩むことがなく、しかも使用時には結び目を作って締めたものと全く同様な外観の帯を得ることができる。特に、例えば祭りのハッピの帯として使用する場合でも、大勢の人との接触で帯が緩んで解けるようなことを防止することができる。また、予め形成された結び目は緩むことがないので、自分で帯を結び直すのが難しい子供等でも容易に使用することができる。さらに、結び目を作る必要がないので、例えば伝統的な祭りで独特な結び目を作る帯を誰でも簡単に締めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による帯の外観を示す斜視図である。
【図2】上記実施例による帯の結び目で環状部を隠す前の状態の裏面図である。
【図3】上記実施例による帯の結び目で環状部を隠した後の状態の裏面図である。
【図4】上記実施例による帯の使用時を示す正面図である。
【図5】別の実施例による帯の環状部を示す正面図である。
【符号の説明】
1 帯本体
1a 一端側
1b 他端
11a、11b 着接部
12 引張輪
13 環状部
2 結び目
2a、2b 開口部
21 固定用の糸

Claims (3)

  1. 長尺状をなす帯本体と、この帯本体とは別体に形成されて帯本体の長手方向に沿って移動自在に嵌装された結び目とからなり、
    前記帯本体の一端側の裏面に離着自在の着接部を設けると共に、前記帯本体の他端に前記一端側が挿通可能な環状部を設け、
    前記帯本体の一端側を前記環状部に挿通してその裏面どうしが密着するように折り返して前記着接部により固定すると共に、前記結び目を前記環状部の方向へ移動させてその結び目により環状部を覆い隠すように構成したことを特徴とする帯。
  2. 前記結び目を袋状に形成し、この結び目の内部に一方から挿入された前記環状部を他方へ通過不能に保持するように構成したことを特徴とする請求項2記載の帯。
  3. 長尺状をなす帯本体の一端側の裏面に離着自在の着接部を設けると共に、前記帯本体の他端に前記一端側が挿通可能な環状部を設け、かつ、前記環状部を覆い隠すように前記帯本体の他端に固定の結び目を設け、
    前記結び目の裏側において前記帯本体の一端側を前記環状部に挿通してその裏面どうしが密着するように折り返して前記着接部により固定するように構成したことを特徴とする帯。
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