JP3629792B2 - カラー液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ツイステッドネマチック液晶を用いて無彩色表示を行い、かつ赤、青、および緑の各カラー表示が可能なカラー液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、両電極間の液晶分子のツイスト角を大きくして、鋭い電圧−透過率変化を起こし、高密度のドットマトリックス表示をする方法として、スーパーツイスト素子(T.J.Scheffer and J.Nehring, Appl.Phys.Lett.45(10)1021−1023(1984))が知られていた。
【0003】
しかし、この方法は用いる液晶表示素子の液晶の複屈折率Δnと液晶層の厚みdとの積Δn・dの値が実質的に0.8〜1.2μmの間に設けられていた(特開昭60−10720、従来例1)。表示色としては黄緑色と暗青色、青紫色と淡黄色など、特定の色相の組み合わせでのみ良好なコントラストが得られていた。
【0004】
このようにこの液晶表示素子では白黒表示ができない欠点があった。そこで、白黒表示が可能でかつコントラストの高い液晶表示装置として、互いに逆螺旋の液晶セルを二層積層し、一方のセルにのみ電圧を印加し、他方のセルを単なる光学的な補償板として使用する方法が提案された(奥村ほか、テレビジョン学会技術報告、11(27)79(1987))。
【0005】
また、液晶層と偏光板の間に複屈折板を配置することにより、白黒表示を可能にする方法も提案された。従来、パーソナルコンピュータなどのOA機器に用いられるカラー液晶表示装置は、前述した白黒表示が可能な液晶表示装置とカラーフィルタを用いて実現していた。
【0006】
ところがカラーフィルタは高価であり、かつ赤、青、緑の3画素で表示をするために光利用効率が著しく低い。例えば、白を表示するために、赤、青、緑の3画素をオン状態にしたとしても明るさは1/3となるため、暗い表示しかできない。
【0007】
したがって、カラーフィルタを用いないカラー表示装置としていくつかの手法が提案されている。例えば、複屈折制御(ECB)効果型の液晶表示装置などが知られている。これは、階調電圧(例えば8階調の電圧)を画素に印加すると、印加された階調電圧に応じて液晶分子の配向が変化し、これにともなって液晶セルのΔn・dが変化する。そして、複屈折にともなう様々な色相変化を用いる。しかし、このECB効果型の液晶表示装置は、液晶がツイストしていないため、印加電圧に応じた液晶の状態変化が小さくなり、マルチプレックス駆動ができない問題があった。
【0008】
特開平2−118516(従来例2)には、ツイストした液晶セルにおいて印加電圧を変化させることにより様々な色相変化が可能であることが示されている。しかし、従来例2の場合は、その発色は黄、赤、紫、青紫、青緑、緑であり、無彩色である黒または白は表示できないという課題を残している。黒または白の表示がないと一般の表示としての視認性は大きく低下することが知られている。
【0009】
例えば、グラフを表示するとき、背景色としての色は白または黒の無彩色が選ばれることが多い。なぜなら、背景色は面積的に広い部分を占めているので、この部分に例えば黄色または緑色の表示を用いると全体的に落ち着きのある表示を得がたくなる。
【0010】
表示の基本は紙に記した文字のように、白地の上に黒の線図の表現が基本的である。この形態が通常求められている。本来、白と黒を表示することが可能で、青または緑または赤が表示できることが好ましい。したがって、白または黒の表示が得られない表示装置は視認性に欠けることになる。
【0011】
また、従来例2では、補償セルを用いて二層にすることにより白黒表示が可能であることが示されている。しかし、色を出すときに補償セルに電圧を印加し、補償セルが光学的に存在しないような状態におくことによって発色を達成している。よって、マルチプレックス駆動を行ったとき、白または黒と、青や緑などの色を混在させることができないという問題がある。
【0012】
特開平2−183220(従来例3)では、補償セル側も画素を形成し、表示を行うことによってマルチプレックス駆動を行ったとき、白または黒と、青や緑などの色を混在させうるとしているが、二層の液晶パネルは両者の各画素を一画素ずつ対応させて形成しなければならない。これは製造が困難になることと、斜めから見た場合の視差が生じて色が滲んで見えてしまうという欠点が起こることになる。
【0013】
これでは実用に供しうる表示品質が得られない。また、二層であるために重いという欠点もあり、液晶セルのギャップを制御することが難しく、歩留がさらに低下することなどの欠点がある。
【0014】
特開平6−175125(従来例4)には、位相差板を用いることにより色を改善できると開示されている。しかし、無彩色(白または黒)を出すことまでは開示されていない。従来例4の特許請求の範囲に記載された数式規定による液晶層と複屈折素子の二つのΔn・dの範囲(N=1を想定した場合)を図28の符号Rの領域で示す。しかし、従来例4には、複屈折板を一枚とした場合の構成は開示されていない。
【0015】
特開平6−301006(従来例5)の実施例では、青、緑、白、赤の表示が可能であると開示されている。しかし、印加電圧が低いときには青の表示色となり、印加電圧を大きくしたときに白が発色するようになっている。そのため、格子状のマトリックス駆動を行った場合、駆動電極の線間が青色であると、画素が白でも、全体的に青い表示となってしまい、色純度の良い白を発色させがたいという問題が起こる。
【0016】
したがって、線間は無彩色であることが好ましい。つまり、電圧が印加されていないとき、ほぼ無彩色であることが望ましい。また、中間調の電圧で無彩色を出すようにすると、中間電圧での液晶状態は電圧のわずかな変化に対しても急峻な変化をするような状態なので、全体の無彩色表示を行うときに、わずかな電圧変動に対して発色が変化してしまい、きれいな無彩色表示ができない。
【0017】
中間電圧である色を全体に表示するときにも同様なことがいえる。しかし、一般に背景色には無彩色が用いられることが多く、無彩色は大きな面積を占めることとなる。この大きな面積を占める色が色むらを起こすと表示としての美しさが大きく低下する。均一な色を出すには無彩色が中間電圧で発色されることを回避することが望ましい。
【0018】
以上のような課題を考慮すると、電圧が印加されていないとき、またはマルチプレックス駆動を行ったときのオフ波形の際に無彩色の表示が得られることが好ましい。
【0019】
また、従来例5の実施例5では、白、青、緑の表示が可能であることが示されている。しかし、白を発色する印加電圧が0.2V以下であり、青を発色する印加電圧が1.3〜2.2Vであり、緑を発色する印加電圧が3.0V以上である。これは明らかにマルチプレックス駆動(時分割駆動)が困難な素子設計となっている。このような駆動電圧は特定した用途にしか用いることが難しくなる。
【0020】
特開平6−301026(従来例6)の実施例6では、0.9Vまたは1.6V以下において白表示ができると示されている。しかし、これも緑や赤や青の表示を行う場合、マルチプレックス駆動時にデューティ比を大きくできない。
【0021】
特開平6−337397(従来例7)の実施例では、オフ波形で白表示ができると示されている。しかし、この従来例7では赤の表示が得られてはいない。
【0022】
また、日経マイクロデバイセズの1994年6月号の34〜39頁に、白色の発色を有する反射型液晶表示装置が市場において期待されていることが紹介されている。そして、白−赤−青−緑の発色シーケンスがこの文献の38頁の図5に記載されている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記内容を鑑みて、カラーフィルタを用いずに、マルチプレックス駆動が可能で、オフ波形のときに明るい白表示が可能で、オン波形またはオン波形とオフ波形の中間の電圧を印加したときに、青または緑または赤の発色が可能とすることである。言い換えれば、電圧を印加されないとき、または電圧が低いときにほぼ無彩色表示ができ、かつ電圧を印加してカラー表示を実現でき、かつ視野角の広いカラー液晶表示装置を提供することである。
【0024】
なお、本発明において後述する実施例の液晶表示装置は実際に形成され、実験が行われた。さらに、本発明では液晶表示装置を実際に作成する以外に、補助的に液晶デバイスシミュレータを用いた。それは液晶の光学計算に広く用いられているバールマン(Berreman)の4×4マトリックス法という計算手法である。
【0025】
この計算手法では、最初に液晶の印加電圧に対する配向状態を計算する。次に、液晶、補償フィルム、偏光板等の光学部材を適当な厚みの層に分割し、その分割した層ごとに局所伝播マトリックス(local propagation matrix)を計算する。その後、各層の局所伝播マトリックスを掛け合わせ、光学部材全体の伝播マトリックス(propagation matrix)を計算する。最後に、その伝播マトリックスを用いて入射光に対する反射光および透過光を計算する。
【0026】
この4×4マトリックス法を用いることにより各波長毎の透過率および反射率を計算できる。透感透過率および視感反射率を計算できるだけでなく、本発明のカラー液晶表示装置の色度座標のx値、y値等を高速かつ高精度で計算できた。
【0027】
この4×4マトリックス法は数値計算により実験結果を見事に再現できる手法として知られている。本発明の実施例について実験結果と対比した結果は有効精度内でほぼ一致することが確認できた。
【0028】
実際のLCDには或る有限の透過率と波長特性を持つITOや、ガラス基板や、ギャップ制御用のスペーサなどがある。それらの影響を考慮すると、計算された透過率−印加電圧特性は実測結果をよく再現している。
【0029】
また、色度の計算結果についても、実測結果と良く一致しており、この4×4マトリックス法による計算は実験を代替することができる。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明の態様1は、透明電極と配向膜をそれぞれ有しほぼ平行に設けられた二つの基板間に旋光性物質を含有した誘電率異方性が正のネマチック液晶が挟持され、
各基板の配向膜によって形成される液晶分子の配向方向による液晶層のねじれ角が220〜260°とされ、
液晶層の外側に一対の偏光板が備えられ、透明電極間に駆動電圧を印加する駆動回路が備えられたカラー液晶表示装置であって、
液晶層と一対の偏光板のいずれか一方との間に一枚の複屈折板が配置され、
二つの基板のうち複屈折板が配置された側の基板が第1の基板、残る一方が第2の基板とされ、液晶層での液晶の屈折率異方性Δn1 と液晶層の厚みd1 との積Δn1・d1 が1.3〜1.8μmとされ、
nX 、nY を複屈折板面内方向の屈折率とし、nZ を複屈折板の厚み方向の屈折率とした場合、nX ≧nZ ≧nY となるように設けられ(但し、nX >nY 、かつnX =nZ =nY の場合を除く)、
遅相軸(nX が決まる面内方向)と進相軸(nY が決まる面内方向)の屈折率異方性と厚みによる垂直方向の複屈折の総和Δn2・d2 が1.4〜1.9μmとされ、
前記遅相軸と第1の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ 2 が75〜110°であり、第1の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と前記配向方向との角度θ 1 が120〜165°であり、第2の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と第2の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ 3 が120〜150°であり、3値以上の電圧値が選択されて透明電極間に1/64以上の高デューティのマルチプレックス駆動によって電圧が印加され、オフ電圧で白の発色が行われることを特徴とするカラー液晶表示装置を提供する。
【0037】
態様2は、透明電極と配向膜をそれぞれ有しほぼ平行に設けられた二つの基板間に旋光性物質を含有した誘電率異方性が正のネマチック液晶が挟持され、
各基板の配向膜によって形成される液晶分子の配向方向による液晶層のねじれ角が230〜250°とされ、
液晶層の外側に一対の偏光板が備えられ、透明電極間に駆動電圧を印加する駆動回路が備えられたカラー液晶表示装置であって、
液晶層と一対の偏光板のいずれか一方との間に一枚の複屈折板が配置され、
二つの基板のうち複屈折板が配置された側の基板が第1の基板、残る一方が第2の基板とされ、液晶層での液晶の屈折率異方性Δn 1 と液晶層の厚みd 1 との積Δn1・d1 が1.3〜1.4μmとされ、
n X 、n Y を複屈折板面内方向の屈折率とし、n Z を複屈折板の厚み方向の屈折率とした場合、n X ≧n Z ≧n Y となるように設けられ(但し、n X >n Y 、かつn X =n Z =n Y の場合を除く)、
遅相軸(n X が決まる面内方向)と進相軸(n Y が決まる面内方向)の屈折率異方性と厚みによる垂直方向の複屈折の総和Δn2・d2 が1.4〜1.5μmとされ、
前記遅相軸と第1の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ2 が90〜110°であり、第1の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と前記配向方向との角度θ1 が130〜150°であり、第2の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と第2の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ3 が125〜145°であり、3値以上の電圧値が選択されて透明電極間に1/64以上の高デューティのマルチプレックス駆動によって電圧が印加され、オフ電圧で白の発色が行われることを特徴とするカラー液晶表示装置を提供する。
【0038】
態様3は、透明電極と配向膜をそれぞれ有しほぼ平行に設けられた二つの基板間に旋光性物質を含有した誘電率異方性が正のネマチック液晶が挟持され、
各基板の配向膜によって形成される液晶分子の配向方向による液晶層のねじれ角が230〜250°とされ、
液晶層の外側に一対の偏光板が備えられ、透明電極間に駆動電圧を印加する駆動回路が備えられたカラー液晶表示装置であって、
液晶層と一対の偏光板のいずれか一方との間に一枚の複屈折板が配置され、
二つの基板のうち複屈折板が配置された側の基板が第1の基板、残る一方が第2の基板とされ、液晶層での液晶の屈折率異方性Δn 1 と液晶層の厚みd 1 との積Δn1・d1 が1.65〜1.75μmとされ、
n X 、n Y を複屈折板面内方向の屈折率とし、n Z を複屈折板の厚み方向の屈折率とした場合、n X ≧n Z ≧n Y となるように設けられ(但し、n X >n Y 、かつn X =n Z =n Y の場合を除く)、
遅相軸(n X が決まる面内方向)と進相軸(n Y が決まる面内方向)の屈折率異方性と厚みによる垂直方向の複屈折の総和Δn2・d2 が1.75〜1.85μmとされ、
前記遅相軸と第1の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ2 が85〜105°であり、第1の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と前記配向方向との角度θ1 が140〜160°であり、第2の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と第2の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ3 が125〜145°であり、3値以上の電圧値が選択されて透明電極間に1/64以上の高デューティのマルチプレックス駆動によって電圧が印加され、オフ電圧で白の発色が行われることを特徴とするカラー液晶表示装置を提供する。
【0039】
態様4は、透明電極と配向膜をそれぞれ有しほぼ平行に設けられた二つの基板間に旋光性物質を含有した誘電率異方性が正のネマチック液晶が挟持され、
各基板の配向膜によって形成される液晶分子の配向方向による液晶層のねじれ角が230〜250°とされ、
液晶層の外側に一対の偏光板が備えられ、透明電極間に駆動電圧を印加する駆動回路が備えられたカラー液晶表示装置であって、
液晶層と一対の偏光板のいずれか一方との間に一枚の複屈折板が配置され、
二つの基板のうち複屈折板が配置された側の基板が第1の基板、残る一方が第2の基板とされ、液晶層での液晶の屈折率異方性Δn 1 と液晶層の厚みd 1 との積Δn1・d1 が1.65〜1.75μmとされ、
n X 、n Y を複屈折板面内方向の屈折率とし、n Z を複屈折板の厚み方向の屈折率とした場合、n X ≧n Z ≧n Y となるように設けられ(但し、n X >n Y 、かつn X =n Z =n Y の場合を除く)、
遅相軸(n X が決まる面内方向)と進相軸(n Y が決まる面内方向)の屈折率異方性と厚みによる垂直方向の複屈折の総和Δn2・d2 が1.75〜1.85μmとされ、
前記遅相軸と第1の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ2 が90〜110°であり、第1の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と前記配向方向との角度θ1 が145〜165°であり、第2の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と第2の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ3 が125〜145°であり、3値以上の電圧値が選択されて透明電極間に1/64以上の高デューティのマルチプレックス駆動によって電圧が印加され、オフ電圧で白の発色が行われることを特徴とするカラー液晶表示装置を提供する。
【0043】
態様5は、マルチプレックス駆動で1/100以上の高デューティで駆動することを特徴とする態様2に記載のカラー液晶表示装置を提供する。また、態様6は、マルチプレックス駆動で1/200以上の高デューティで駆動することを特徴とする態様4に記載のカラー液晶表示装置を提供する。
【0044】
態様7は、前記一対の偏光板のうち一方の偏光板の外側に反射板が配置されたことを特徴とする態様1〜6のいずれかに記載のカラー液晶表示装置を提供する。
【0045】
態様8は、用いる液晶のΔnが0.20以上であり、かつ粘度ηが17cSt以下であることを特徴とする態様1〜7のいずれかに記載のカラー液晶表示装置を提供する。
【0046】
また、上記のいずれかの態様において、所望の実効電圧レベルを設定するために、マルチプレックス駆動によるオフ波形を印加する場合を選択するか、オン波形を印加する場合を選択するか、オン波形のフレームとオフ波形のフレームが混ざって印加される場合を選択することにより、3値以上の実効電圧値が印加されることを特徴とするカラー液晶表示装置を提供する。
【0047】
また、上記のいずれかの態様において、所望の実効電圧レベルを設定するために、マルチプレックス駆動によるオフ波形を印加する場合を選択するか、オン波形を印加する場合を選択するか、オン波形のフレームとオフ波形のフレームが混ざって印加される場合を選択することにより、4値以上の実効電圧値が印加されることを特徴とするカラー液晶表示装置を提供する。
【0048】
また、上記のいずれかの態様において、マルチプレックス駆動によるオフ波形を印加することにより明るい白表示が行われ、オン波形を印加する場合を選択するか、オン波形のフレームとオフ波形のフレームが混ざって印加される場合を選択することにより、赤、青、緑のカラー表示が行われることを特徴とするカラー液晶表示装置を提供する。
【0050】
さらに、上記の態様において、反射板を銀反射板としたことを特徴とするカラー液晶表示装置を提供する。
【0051】
本発明において両電極間での液晶分子のツイスト角を160〜300°とすればよい。160°未満では急峻な透過率変化が必要とされる高デューティ比での時分割駆動をした際の液晶の状態変化が少なく、300°超ではヒステリシスや光を散乱するドメインを生じやすい。
【0052】
また、液晶層の液晶の屈折率異方性(Δn1 )とその液晶層の厚み(d1 )との積Δn1・d1 が1.2〜2.5μmとされる。1.2μm未満では電圧を印加したときの液晶の状態変化が小さく、2.5μm超では無彩色を表示することが難しくなるし視角や応答が悪くなる。
【0053】
特に、無彩色の発色を可能とし、電圧に対する色変化を大きくするために、液晶層のΔn1・d1 は1.3〜1.8μmとされることが好ましい。
【0054】
なお、このΔn1・d1 の範囲は、その液晶表示素子の使用温度範囲内で満足するようにされることが好ましく、使用温度範囲内で美しい表示が得られる。もっとも室外使用を目的とした性能要求のために、使用温度範囲内の一部でのみ、この関係を満足するようにされることもある。この場合には、Δn1・d1 の範囲が上記範囲から外れる温度範囲では、表示の色が所望のものから外れたり、視野角特性が低下したりすることになる。
【0055】
次に本発明のカラー液晶表示装置の全体構成について説明する。
【0056】
所望のパターンにパターニングをしたITO(In2 O3 −SnO2 )、SnO2 等の透明電極を設けたプラスチック、ガラス等の基板の表面にポリイミド、ポリアミド等の膜を設け、この表面をラビングしたり、SiO等を斜め蒸着したりして配向制御膜を形成した透明電極付きの基板の間に、前記した誘電率異方性が正のネマチック液晶による160〜300°ツイストの液晶層を挟持するようにされる。
【0057】
この代表例には、多数の行列状の電極が形成されたドットマトリックス液晶表示素子があり、一方の基板に640本のストライプ状の電極が形成され、他方の基板にこれに直交するように400本のストライプ状の電極が形成され、640×400ドットのような表示がなされる。通常、ドットを形成する1画素の寸法は270μm×270μm程度であり、画素間の間隙は30μm程度である。
【0058】
なお、電極と配向制御膜との間に基板間短絡防止のためにTiO2 、SiO2 、Al2 O3 等の絶縁膜を設けたり、透明電極にAl、Cr、Ti等の低抵抗のリード電極を併設したりしてもよい。
【0059】
この液晶層の両外側に一対の偏光板を配置する。この偏光板自体もセルを構成する基板の外側に配置することが一般的である。性能が許せば、基板自体を偏光板と複屈折板で構成したり、基板と電極との間に複屈折層と偏光層として設けてもよい。また、この複屈折板は液晶層と偏光板との間に設ければよく、例えば、液晶層と電極の間に層状に設けたり、電極と基板の間に層状に設けたり、基板自体を複屈折板としたり、基板と偏光板との間に層状に設けたり、それらを組み合わせて設けたりすればよい。
【0060】
色の選択は階調電圧レベルを選択することにより行う。電圧を階調する方法としては、フレーム階調、振幅階調、パルス幅階調など種々の方法が公知である。液晶に印加される実効電圧の大きさを変化させられる手法であれば、どんな方法でもよい。現在一般に採用されているのはフレーム階調であるが、この手法を用いても良好な表示が得られる。疑似階調を用いてもよい。
【0061】
また、複数の行電極を同時に選択する駆動法(MLS:マルチラインセレクション法、または、MLA:マルチラインアドレッシング法などと呼ばれる)も採用できる。この場合、△n・dを1.2以上とするために液晶の応答速度が遅くなっる。この場合、用いる液晶または液晶組成物の物性値として△n≧0.20、かつ粘度η≦17cStとすることが好ましい。そして、この高速駆動を用いるとちらつきが少なく、高速の表示であって、コントラストを落さずに明るいカラー表示が得られる。
【0062】
マルチプレックス駆動を用いるためには、電圧に対する光学的変化を大きくする必要がある。本発明において、それを実現するために以下の点について配慮しなければならない。
【0063】
まず第一に、液晶のツイスト角度を大きくすることである。これはシェーファー(Scheffer)らによって指摘されていたことである。これにより、電圧に対する液晶分子の変化を大きくでき、電圧に対する光学的変化を大きくできる。
【0064】
第二に液晶層のΔn・dそのものを大きくすることである。これにより、電圧に対する液晶層の液晶分子の変化は同じでも、液晶層が有するΔn・dの値が大きいため光学的変化を大きできる。
【0065】
一般に、光の偏光状態を表すのにポアンカレ球表示を用いる。これは図6に示すように、赤道上は直線偏光を示し、緯度は楕円率を示し、北極、南極は円偏光を表す。経度は楕円偏光の楕円軸方向を表す。
【0066】
軌跡はポアンカレ球の表面をあちこちいったり、ぐるぐる回ったりしている。黒のドットは見えている側に位置し、白のドットは裏側に位置することを意味する(図18〜27)。白の発色を有する反射型カラー液晶表示装置を作成しようとする場合、偏光板は赤道上の位置に配置される。図6において、(1)s0 2=s1 2+s2 2+s3 2;(2)s1 =s0 cos(2β)・cos(2θ)、s2 =s0 cos(2β)・sin(2θ)、およびs3 =s0 sin(2β)、および(3)θは長軸方向、βは楕円率角度、およびs0 は強度を表す。
【0067】
図7には、例えば400〜700nmの可視域の直線偏光が240°ツイストでΔn・dが1.4μmの液晶を通過したときの楕円偏光状態を示す。分図(a)はS1 −S2 −S3 空間における状態を示す。図中のマーク一つのステップが10nmの単位を表し、400〜700nmまでの変化を示す。図中のλ400 とλ700 は端点を示す。そして、S1 −S2 平面への投影した状態を分図(b)に示す。後述する各ポアンカレ球も同様に示す。
【0068】
このような状態のときに偏光板が矢印Aの位置に置かれるとすると、光は偏光板の位置からの距離に応じた大きさしか透過してこないため、例えば400nmや700nm近傍の光はほとんど透過してこないことが読み取れる。
【0069】
これに複屈折板を組み合わせて用いることにより、400〜700nmまでの可視域の波長をほぼポアンカレ球の一か所に集めうる。例えば、液晶の△n1・d1 が1.4μmで、複屈折板の△n2・d2 が1.3μmの場合、図8に示すように、矢印Bの位置に、ほぼ可視光域の波長の光を集めうる。つまり、矢印Bの位置に偏光板を置くとほぼ白の表示が可能となる。
【0070】
この液晶のΔn・dの値と、複屈折板のΔn・dの値には白を表示するための最適値が存在する。図9に横軸に液晶のΔn・d、縦軸に複屈折板のΔn・dの最適値を示している。これは最も白いC光源に近い条件を見出したもので、この前後であればほぼ白表示が可能となる。
【0071】
図10は、そのときの白色度を示すものであり、液晶のΔn・dは1.1〜1.4、1.6〜1.8μmがC光源に近い白であることがわかる。縦軸のS3 は表示される光の白色度を意味する。この最適条件は、また複屈折板の波長分散によっても変化する。前述の図9では複屈折板としてポリカーボネートを用いた(ギャップ長=8.1μm)。図11、図12は複屈折板としてポリスルホンを用いた場合を示す(ギャップ長=8.1μm)。白を発色させる最適な液晶のΔn・dが変化していることがわかる。
【0072】
このように、複屈折板の波長分散によっても最適なΔn・dの値が異なるので用いる材料と液晶層との組み合わせが重要である。液晶のΔn・dを2.5μm以上にすると、複屈折板で補償しても白が出にくくなっていることがわかる。したがって、液晶のΔn・dを2.5μm以上にすることは好ましくない。言い換えれば、白の表示状態は可視域の波長光の位相がほぼ揃った状態である。
【0073】
図9および図11の特性曲線は縦軸が位相差フィルムのΔn・d、横軸が液晶のΔn・dであるグラフの対角にほぼ位置している。そして、この特性曲線は周期を持つ階段状の変化を示す。これは、Δn1 ・d1 −Δn2 ・d2 の相関関係の中心曲線と呼ばれる。
【0074】
後述する例1、2、3、7、4、および8は実質的に線上またはその近傍にある。例5および6は、例1および2などに関係する中心曲線に平行な第2、または第3の曲線に関係している。しかし、これらの曲線(図では省略している)は中心曲線に比較すると、色、特に白色の純度が悪い傾向がある。
【0075】
図10において、縦軸はポアンカレ球に示された、或るΔn1 ・d1 についての、λ400 からλ700 までの31ドットのS3 の値を積算したものを示す。北極または南極のS3 値は図6に示すように1に正規化されている。
【0076】
白の発色の良好な特性を示すような液晶のΔn1 ・d1 および複屈折板(位相差フィルム)のΔn2 ・d2 の最適な組み合わせについてのコンピュータシミュレーションが行われた。
【0077】
その結果、斜めの踊り場を持つ階段のように見える対角線が得られた。この対角線は液晶のΔn1 ・d1 に対する位相差フィルムのΔn2 ・d2 の最大値を意味する。図9の対角線の各ポイントに対する積算されたS3 が図10に示される。この図10のS3 −Δn1 ・d1 (液晶)の特性曲線の谷底は、液晶のΔn1 ・d1 の軸において、よりよい白が得られるので、さらに好ましい。
【0078】
図13は横軸にΔn・dの変化を示し、縦軸は450nmの青色、550nmの緑色、650nmの赤色を代表した透過率を示す。Δn・dの変化により、一般に透過率はcos2 (2π・Δn・d/λ)に比例する。
【0079】
Δn・dの変化に対する光の波長の透過率変化の周期が異なることがわかる。この図によれば、白の次は、黒表示、青、緑、赤と変化させうる。通常の白黒の液晶表示装置では、液晶のΔn・dの変化は白から黒程度の変化に設定しているが、本発明における液晶のΔn・dの変化は白から赤の変化に設定している。前述したように、印加電圧に対する液晶の光学的変化を大きくすることが必要となる。このような変化を利用したものとして例2があり、後で詳述する。
【0080】
本発明において、カラー光の発色は図4に示すように、白から赤、青、緑へと可能である。偏光板の角度を90°ずらして組み合わせた場合、白に対して黒が得られ、また各色の補色が得られ、黒からシアン、黄、赤紫というような色変化が得られる。また、このシーケンスで各カラー色を得る際高速に駆動することで途中の色は実質的に視認されないようにできる。
【0081】
また、マルチプレックス駆動を1/100デューティ比以上で駆動しようとすると、印加電圧に対する液晶の光学変化をかなり大きくしなければならない。これを実現するための一つの手法として液晶のツイスト角度を変化させることがあるが、ツイスト角度を大きくしすぎることはドメイン不良を発生させ望ましくない。また、Δn・dを大きくすることも、白を出すには好ましくないし、応答や視角特性を劣化させるので採用できない。
【0082】
液晶のΔn・dを複屈折板で完全に補償せず、図14に示すように、赤の位相が遅れていて、青の位相が進んでいる状態でほぼ白を実現させて配置すると、液晶のΔn・dが変化したときに最初に赤の表示が得られ、その次に青、緑と表示できることがわかる。この手法を用いると電圧に対する液晶の光学変化を大きくせずにマルチプレックス駆動したときに、オフ波形で白表示が得られ、赤、青、緑の表示を1/100デューティ比以上でも可能となる。
【0083】
マルチプレックス駆動を行うとき、画素に印加される最小実効電圧はVOFF である。このVOFF 電圧が印加されたときに白表示ができるように設計することが好ましい。これを実現するには、液晶が少し立ち上がった状態を、複屈折板で補償するように設計すればよい。こうすることによりマルチプレックス駆動したときに明るい白が得られるようになる。
【0084】
一般に複屈折板のΔn2・d2 を表現するときには、二種類の方法がある。分光法によるものと590nm近傍の波長を用いて測定したものである。分光法で、例えば500nmとは、500nmの波長の光で測定したときに、500nmのΔn・dであることを示す。しかし、本発明におけるΔn・dは全て590nm近傍の波長で測定したときの値を示すこととする。また、一般にΔn・dの大きさは温度によって変化するが、ほぼ室温での測定結果を示すものとする。
【0085】
なお、Δn・dの範囲は、その液晶表示装置の使用温度範囲内で満足するようにされることが好ましく、使用温度範囲内で美しい表示が得られる。もっとも室外使用を目的とした性能要求のために、使用温度範囲内の一部でのみ、この関係を満足するように構成されることもある。この場合には、Δn・dの範囲が上記範囲から外れる温度範囲では、表示の色が所望のものから外れたり、視野角特性が低下したりする。
【0086】
次に、複屈折板の屈折率について考察する。本発明では、複屈折板とは、三つの主屈折率をnX 、nY 、nZ とし、nX 、nY を複屈折板面内方向の屈折率とし(nX >nY )、nZ を複屈折板の厚み方向の屈折率とした場合、nX ≧nZ ≧nY とした複屈折板を用いる。複屈折板としては、複屈折性を示す透明板であれば使用でき、二軸延伸フイルム、雲母、硝石等の無機の二軸性結晶板が使用できる。nX >nZ >nY の場合が二軸性の複屈折板である。
【0087】
従来の液晶表示素子の最適化は、液晶表示素子の垂直方向に入射する光に対してであり、一軸性の複屈折板を用いると考えれば十分である。しかし、一軸性の複屈折板で補償した場合には、垂直方向ではうまく補償しても、斜め方向では補償がずれてしまう。
【0088】
本発明では、nX ≧nZ ≧nY と設定することにより、斜め方向から見た場合の色変化を防止し、見栄えを大きく向上させうる。このnZ は、nX より大きくても、nY より小さくても、角度依存性は低下し、斜め方向から見た場合の見栄えが低下する。特に上述した数2の関係を満足することにより、この効果がさらに発揮される。このような複屈折板は通常NZ 板と呼ばれる。
【0089】
このため、一軸性の複屈折板を用いた場合に比して、斜め方向から見た場合の表示の品位の劣化が少なく、視野角の広いカラー液晶表示装置が得られる。所望の複屈折効果を得るために、Δnとdを調整して使用するが、一枚の板では調整できない場合には、同じまたは異なる複屈折板を複数枚組み合わせて用いてもよい。特に角度依存性を良くするために、nZ の調整が必要である。
【0090】
本発明では、特に上記の数2の関係を満たすことが好ましい。0.2未満や0.7超の場合には、視角が狭くなる。NZ =1(一軸性)の複屈折板がコストパフォーマンスや、求められる視角の許容範囲のなかで用いられる。
【0091】
以上の説明では、複屈折板の厚み方向の屈折率nZ が厚み方向に対して均一であると仮定しているが、必ずしも均一である必要はなく、厚み方向の平均の屈折率が前記した条件を満足していればよく、厚み方向に対しnZ が不均一でも同様な効果を生じる。
【0092】
色の選択は階調電圧レベルを選択することにより行う。電圧を階調する方法としては、フレーム階調、振幅階調、パルス幅階調など種々の方法が提案されており、液晶に印加される実効電圧の大きさを変化させられる手法であれば、どんな方法でもよい。現在一般に用いられているのはフレーム階調であり、この手法を用いても良好な表示が得られる。疑似階調を用いてもよい。
【0093】
例えば、1/200デューティ比の場合、オンオフ比を1.07とすると中間電圧は1/8(駆動の階調数)で割った値となる。1/100デューティ比の場合は1.1055(≒1.11)となる。駆動の階調数に応じて色度座標の発色を示すループの中の色相が得られる。
【0094】
さらに詳細に説明する。マルチプレックス駆動において、表示画素(オン画素)を作るための波形をオン波形、非表示画素(オフ画素)を作るための波形をオフ波形と呼ぶ。また、デューティ比やバイアス電圧によって、オン波形、オフ波形の形状やオン波形とオフ波形の印加実効電圧比が決定される。
【0095】
オン波形、オフ波形の1フレームでの印加実効電圧をそれぞれVON、VOFF とする。例えば、最適バイアス法を用いると、1/200デューティの場合、VON/VOFF =1.07であり、1/128デューティのとき、VON/VOFF =1.09であり、1/64デューティのとき、VON/VOFF =1.13であり、1/32デューティのとき、VON/VOFF =1.20であり、1/16デューティのとき、VON/VOFF =1.29である。
【0096】
通常、表示画素はVONの実効電圧が印加され、非表示画素はVOFF の実効電圧が印加されるだけである。つまり、VONとVOFF の中間の実効電圧を印加できない。
【0097】
しかし、今、仮に7フレームのうちで、1回オン波形のフレームを印加し、6回オフ波形のフレームを印加するように設定すると、画素には、1フレームに対して(VON+VOFF ×6)/7の平均実効電圧が印加されることとなる。つまり、VONとVOFF の中間の実効電圧が印加可能となることを意味する。7フレームの中で、3回オン波形のフレームを印加し、4回オフ波形のフレームを印加するように設定すると、画素には、1フレームに対して(VON×3+VOFF ×4)/7の平均実効電圧が印加されることとなる。このような手法によれば、7フレームを用いることにより、8階調の実効電圧レベルが可能となる。
【0098】
図15を参照し、より詳細に説明する。図15は駆動波形を示し、縦軸が電圧値、横軸が時間である。V3、V2、V1は基準0Vからの電圧値を示し、T1、T2、T3は時間幅を示す。マルチプレックス駆動により、一画素に印加される波形は、例えば1/200デューティ、1/15バイアスで駆動したときに、表示画素に印加されるオン波形は分図(A)のように、非表示画素に印加されるオフ波形は分図(B)のようになる。
【0099】
1/200デューティで1/15バイアスのとき、V3:V2:V1=15:13:1であり、(T1+T2+T3):T2=200:1である。ここで、(T1+T2+T3)を1フレームと呼ぶ。T2は走査時を表し、T1とT3は非走査時を表す。V1は走査時の表示画素に印加される電圧の高さを、V2は走査時の非表示画素に印加される電圧の高さを、V3は非走査時に印加される電圧の高さを表す。
【0100】
分図(A)の1フレームで印加される実効電圧はVONで表され、分図(B)の1フレームで印加される実効電圧はVOFF で表されるものとする。一般に、液晶に印加される電圧は交流化される。なぜなら、液晶にDC電圧が印加されると液晶の分解が起こるなどのためである。
【0101】
分図(A)は、1フレームの後に、反転させたフレームを印加させ交流化する方法を示す。このように、2フレーム毎で交流化すると低周波成分が増大するため、解決策としてライン反転駆動方式を採用するのが一般的である。1フレーム内でも、一定のライン数を駆動する毎に極性を変えていく方法である。以下、2フレーム毎で交流化することを考えると、8階調を行うのに14フレームを必要とする。
【0102】
分図(A)に14フレーム全てが走査時の電圧がV1または−V1の波形を表す。このとき印加される1フレームの平均実効電圧はVONとなる。分図(B)に14フレーム全てが走査時の電圧がV2または−V2の波形を表す。このとき印加される1フレームの平均実効電圧はVOFF となる。分図(C)に14フレーム中の6フレームだけがV1で8フレームがV2の波形を表す。
【0103】
このとき印加される1フレームの平均実効電圧は(VON×6+VOFF ×8)/14の値となる。分図(D)に14フレーム中の2フレームがV1で12フレームがV2の波形を示す。このとき印加される1フレームの平均実効電圧は(VON×2+VOFF ×12)/14となる。
【0104】
このように、オン波形のフレームとオフ波形のフレームが混ざって印加される場合を選択することにより、オン波形のみによる実効電圧とオフ波形のみによる実効電圧の間の実効電圧を選択できる。
【0105】
次に、従来の白黒STN液晶表示装置における構成と本発明における構成との差異について説明する。
【0106】
従来STN液晶表示素子を白黒表示するために、複屈折板を用いて表示色の補償を行っている。例えば、構成として液晶のツイスト角240°、液晶の△n・d=0.85μm、複屈折板の△n・d=0.58μm、θ1 =135°、θ2 =90°、θ3 =135°とする。
【0107】
このときの印加電圧Va(V)に対する透過率T(%)変化を図16、発色の色変化を図17に示す。色変化はC光源に近い位置から、印加電圧を増大するにしたがい暗い青へと変化する。途中の電圧で赤い色や緑の座標を通過しない。この場合、液晶に印加される実効電圧がマルチプレックス駆動したとき、VONとVOFF の中間電圧を印加されたとしても、白黒の階調性の(グレイ)表示を呈するだけであって、色は発色されない。
【0108】
これは、本発明の例1、2に示す中間電圧で、白と暗い青の間に赤の表示が可能である色変化とは異なる変化を示している。この理由を、先のポアンカレ球表示を用いて説明すると、液晶の△n・d=0.85μmの場合、複屈折板によって補償された状態が図18および図19のように表せる。マルチプレクッス駆動したときのVOFF を印加した状態(図18)とVONを印加した状態(図19)を示す。
【0109】
VOFF 状態もVON状態も400〜700nmの波長の光がほぼ固まった状態としてある場所に存在すること、VOFF 状態とVON状態で光が固まっている場所は、中心に対してほぼ反対の場所に集まっていることがわかる。つまり、偏光板が矢印Cの場所に置かれているとすると、VOFF 状態のとき、白表示が可能となり、VON状態のとき、暗い表示が可能となる。また、中間の電圧のときは、ほぼ400〜700nmの波長の光がほぼ固まって動くことから、グレイ表示となることが理解できる。つまり、中間の電圧では発色しない。
【0110】
ところが、本発明の例1に示すように、VONを印加したときの状態を図20に示す。ほぼ400〜700nmの波長の光がある場所に固まっていることがわかる。中間の電圧を印加するとそれぞれ図21、図22と遷移していき、VONを印加すると、図23に示す状態に変化する。図21、図22、図23のとき、400〜700nmの波長の光が大きく広がっていることがわかる。図20から図21へ変化するときに、短波長(400nm近傍)は中心に対して反対側に移動しているにもかかわらず、長波長(700nm近傍)の光はまだVOFF の場所に残っている。図22、図23に変化するとさらにその広がりは大きくなっている。偏光板を矢印Dの位置に置くと、図20のとき白表示、図21のとき赤表示、図22のとき青表示、図23のとき緑表示となる。
【0111】
つまり、VOFF で明るい白表示を行い、電圧を増大しても、暗い表示ができず赤、青、緑の発色が可能であることがわかる。
【0112】
同様に、本発明の例2を参照して説明すると、VOFF を印加したときの状態を図24に示す。ほぼ400〜700nmの波長の光がある場所に固まっていることがわかる。中間の電圧を印加するとそれぞれ図25、図26となり、VONを印加すると、図27の状態に変化する。図25、図26、図27のとき、400nmから700nmの波長の光が大きく広がっていることがわかる。図24、図25へ変化するときに短波長は中心に対して反対側に移動しているにもかかわらず、長波長の光はまだVOFF 状態の場所に残っている。図26、図27に変化するとさらにその広がりは大きくなっている。偏光板を矢印Eの位置に置くと、図24のときに白表示、図25のとき青表示、図26のとき緑表示、図27のとき赤表示となる。
【0113】
このように、従来のセル構成は白黒、またはグレイを出すために好ましい条件を提供するが、本発明で開示するセルの構成は明るい白、赤、青、緑を発色させるために最適な条件を提供する。
【0114】
【作用】
本発明では、カラーフィルタを用いずに一つの画素でいくつかの色を出しうるので、透過型として用いると、非常に明るい表示素子となる。そして、バックライトの消費電力を抑えうるので、低消費電力化でき、特に携帯用に適する。なお、明るい表示が可能であるので、反射板を用いることにより、バックライトの不要な反射型カラー液晶表示装置としても使用できる。
【0115】
反射型として用いると、可視光はカラー液晶表示装置を二度通過することになり、色純度は向上する。例えば液晶表示装置が赤を通過する状態であるとすると、可視光は赤のフィルタを一度通過し赤色となり、次に反射板により反射され、再度赤のフィルタを通過して人間の目に到達する。
【0116】
つまり、可視光が二度赤のフィルタを通過することによって赤の純度が増す。したがって、特に反射型として用いる場合に本発明のカラー液晶表示装置の特性を効果的に利用できる。この際、反射板の材料として銀を用いるとその高い反射能と合わせてより明るいカラー表示が得られる。
【0117】
また、半透過半反射板を用いて、後方にEL、CFLなどのバックライトを設けてもよい。本発明では、この他、本発明の効果を損しない範囲内で、種々の応用装置に適用できる。
【0118】
【実施例】
次に図面を参照して実施例を詳細に説明する。図1は本発明によるカラー液晶表示装置を模式的に表す斜視図である。図2と図3は、それぞれ上から見た図1の上側の偏光板の吸収軸方向、複数枚の複屈折板の遅相軸方向および液晶層の上側の液晶分子の長軸方向、ならびに、下側の偏光板の吸収軸方向および液晶層の下側の液晶分子の長軸方向の相対位置を示す平面図である。
【0119】
図1において、1、2は一対の偏光板、3は文字や図形の表示用のΔn1・d1 が1.2〜2.5μmの誘電率異方性が正のネマチック液晶によるねじれ角が160〜300°の液晶層、4は液晶層の上に積層された複屈折板、5は上側の偏光板の吸収軸、6は下側の偏光板の吸収軸、7は液晶層の上側の液晶分子の長軸方向(実質的に一方の配向方向)、8は液晶層の下側の液晶分子の長軸方向(残る一方の配向方向)、9は積層された複屈折板の軸方向(遅相軸)を表す。
【0120】
図2と図3において、液晶層の上側の液晶分子7の長軸方向からみた上側の偏光板の吸収軸5の方向を時計回りに計ったものをθ1 、液晶層の上側の液晶分子7の長軸方向から見た上側(偏光板側)の複屈折板4の軸方向(遅相軸)9を時計回りに計ったものをθ2 、液晶層の下側の液晶分子8の長軸方向から見た下側の偏光板の吸収軸6の方向を時計回りに計ったものをθ3 とする。
【0121】
本発明における複屈折板は、x、y、zの3方向で屈折率が異なる。このため、複屈折板の面内方向での屈折率の大きい方向をx軸方向とし、屈折率の小さい方向をy軸方向とし、厚み方向をz軸方向とする。このそれぞれの方向の屈折率をnX 、nY 、nX とする。この場合、nX >nY であり、Δn2 =nX −nY であり、本実施例では、nX ≧nZ ≧nY とされる。なお、d2 は複屈折板の厚みである。ここで、NZ =(nX −nZ )/(nX −nY )の関係がある。
【0122】
本発明では、このθ1 、θ2 、θ3 と液晶層のΔn1・d1 、液晶層のツイスト角、複屈折板のΔn2・d2 、およびNzの値を最適化する。これによって電圧を印加していないときにほぼ無彩色を表示し、電圧を印加したときに赤、青、緑の色を出すことができ、かつ視野角の広いカラー表示装置が作成できる。
【0123】
以下の例では、液晶層を左螺旋としたが、螺旋が逆であっても液晶層の液晶分子の長軸方向、偏光板の偏光軸方向、複屈折板の遅相軸方向との関係θ1 、θ2 、θ3 を反時計方向にすることにより、上記左螺旋の例と同様に容易にカラー表示が得られる。
【0124】
液晶セルの形成は以下のように行った。ガラス基板上に設けられたITO透明電極をストライプ状にパターニングし、絶縁膜を形成し、ポリイミドのオーバーコートを形成し、これをラビングして配向制御膜を形成した基板を作成した。このようにして作成した二枚の基板の周辺をシール材でシールして、液晶セルを形成し、この液晶セル内に誘電率異方性が正のネマチック液晶を注入し、注入孔を封止材で封止した。以下に例を詳細に説明する。なお、例1〜8および例10〜17がオフ電圧で白を発色する例、例9と例18がオフ電圧で白を発色しない例である。
【0125】
(例1)
液晶の屈折率異方性Δn1 と液晶層の厚みd1 を調整し液晶層のΔn1・d1 を1.35μmとした。複屈折板のΔn2・d2 は1.46μmとし、液晶層のツイスト角は240°、θ1 =140°、θ2 =100°、θ3 =135°と設定した。用いる液晶の物性値は△n=0.206、粘度η=16.8cSt(周囲温度Ta =20℃)、そして、NZ =0.6と設定した。
【0126】
1/200デューティで8階調表示駆動を行った。その結果、図4の色度図に示すように印加実効電圧が大きくなるにしたがい、明るい白、オレンジ赤、暗い青、緑の表示が可能となった。この際、視野角も一軸性の複屈折板を用いた場合に比べて広くなった。
【0127】
さらに反射板を設置することにより、色純度の良好な、視野角の広い反射型カラー液晶表示が可能となった。表1に色度図における座標データを示す。なおこの色相は開口率約80%のドットマトリックス型表示素子の画素のない線間の部分のノイズを含んだものであって、実際に視認される色にほぼ近い。画素領域における発色(色純度)はこの表1のデータ値よりも約30%よい値を示す。
【0128】
【表1】
【0129】
表示画面の大きさとしては320×400ドットの表示を行った。本例のカラー液晶表示装置を用いてグラフの表示を行った。背景色が白であって、棒グラフを赤、青、緑の3色表示とした。そのため視認性がきわめて向上した。また、日程管理を表す場合に、重要な会議を赤表示として注意を促すことができた。また、カレンダーの表示を行う際には、土曜日と日曜日を赤表示とし、平日を青表示とし、今日の曜日を緑表示とした。この場合も背景色は白とした。
【0130】
また、文章の表示を行った。背景色は同様に白として、文字を青表示とし、文中の或るブロックについて赤表示としてマーキングとした。表題は緑色表示とし、アンダーラインを緑または赤で表示した。
【0131】
また、グラフィック表示は、白と赤と青と緑とを用い、中間電圧を多用することにより、白っぽい赤、紫、青緑を用いて、人間の顔を表現したり、景色をカラー表示することができた。
【0132】
このように本例において、単純な白黒表示に比較すると視認性がよく、また作業性のよい環境を提供できた。
【0133】
また、この液晶表示素子を1/100デューティ比で駆動すると、フレーム4階調で、VOFF で明るい白、電圧を大きくしてオレンジ赤、暗い青、VONで緑表示が可能となった。
【0134】
(例2)
液晶の屈折率異方性Δn1 と液晶層の厚みd1 を調整し液晶層のΔn1・d1 を1.7μmとした。複屈折板のΔn2・d2 は1.8μmとし、液晶層のツイスト角は240°、θ1 =150°、θ2 =95°、θ3 =135°と設定した。用いる液晶の物性値は△n=0.206、粘度η=15.1cSt(Ta =20℃)、そして、NZ =0.6と設定した。
【0135】
1/64デューティで8階調表示駆動を行った。その結果、図5の色度図に示すように印加実効電圧が大きくなるにしたがい、明るい白、オレンジ赤、青、緑、ピンク赤の表示が可能となった。また、視野角も一軸性の複屈折板を用いた場合に比べて広くなった。さらに反射板を設置することにより、色純度の良い、視野角の広い反射型カラー液晶表示が可能となった。
【0136】
256×128ドットの表示を行った。本例も上述した例1と同様にグラフ表示、日程表示、文章表示、グラフィック表示を行った。なお、表2に本施例の色度図における座標データを示す。特に、従来なかったピンク色の発色を得ることができた。
【0137】
【表2】
【0138】
(例3)
液晶の屈折率異方性Δn1 と液晶層の厚みd1 を調整し液晶層のΔn1・d1 を1.71μmとした。複屈折板のΔn2・d2 は1.80μmとし、液晶層のツイスト角は240°、θ1 =155°、θ2 =100°、θ3 =135°と設定した。用いる液晶の物性値は△n=0.211、粘度η=14.9cSt(Ta =20℃)、また、NZ =0.5と設定した。
【0139】
1/200デューティで8階調表示駆動を行った。その結果、印加実効電圧が大きくなるにしたがい、明るい白、オレンジ赤、暗い青、明るい緑の表示が可能となった。視野角も一軸性の複屈折板を用いた場合に比べて広くなった。さらに反射板を設置することにより、色純度の良く視野角の広い反射型カラー液晶表示を得ることが可能となった。
【0140】
(例4)
液晶の屈折率異方性Δn1 と液晶層の厚みd1 を調整し液晶層のΔn1・d1 を2.06μmとした。複屈折板のΔn2・d2 は2.10μmとし、液晶層のツイスト角は240°、θ1 =140°、θ2 =95°、θ3 =135°と設定した。例1と同様の物性値を有する液晶組成物を用いた。また、NZ =0.5と設定した。
【0141】
1/200デューティで8階調表示駆動を行った。その結果、印加実効電圧が大きくなるにしたがい、明るい白、暗い青、明るい緑、ピンク赤の表示が可能となった。視野角も一軸性の複屈折板を用いた場合に比べて広くなった。さらに反射板を設置することにより、色純度の良くかつ視野角の広い反射型カラー液晶表示を得ることが可能となった。
【0142】
(例5)
液晶の屈折率異方性Δn1 と液晶層の厚みd1 を調整し液晶層のΔn1・d1 を2.06μmとした。複屈折板のΔn2・d2 は1.78μmとし、液晶層のツイスト角は240°、θ1 =40°、θ2 =85°、θ3 =135°と設定した。用いる液晶の物性値は例1と同様とした。また、NZ =0.7と設定した。
【0143】
1/200デューティで8階調表示駆動を行った。その結果、印加実効電圧が大きくなるにしたがい、明るい白、暗い青、明るい緑、ピンク赤の表示が可能となった。視野角も一軸性の複屈折板を用いた場合に比べて広くなった。さらに反射板を設置することにより、色純度の良く、視野角の広い反射型カラー液晶表示を得ることが可能となった。
【0144】
(例6)
液晶の屈折率異方性Δn1 と液晶層の厚みd1 を調整し液晶層のΔn1・d1 を2.06μmとした。複屈折板のΔn2・d2 は1.40μmとし、液晶層のツイスト角は240°、θ1 =130°、θ2 =85°、θ3 =135°と設定した。用いる液晶の物性値は例1と同様とした。また、NZ =0.3と設定した。
【0145】
1/200デューティで8階調表示駆動を行った。その結果、印加実効電圧が大きくなるにしたがい、明るい白、暗い青、明るい緑、ピンク赤の表示が可能となった。視野角も一軸性の複屈折板を用いた場合に比べて広くなった。さらに反射板を設置することにより、色純度の良くかつ視野角の広い反射型カラー液晶表示が可能となった。
【0146】
(例7)
液晶の屈折率異方性Δn1 と液晶層の厚みd1 を調整し液晶層のΔn1・d1 を1.78μmとした。複屈折板のΔn2・d2 は1.87μmとし、液晶層のツイスト角は240°、θ1 =150°、θ2 =95°、θ3 =135°と設定した。用いる液晶の物性値は例1と同様とした。また、NZ =0.5と設定した。
【0147】
1/128デューティで8階調表示駆動を行った。その結果、印加実効電圧が大きくなるにしたがい、明るい白、暗い青、明るい緑、ピンク赤の表示が可能となった。視野角も一軸性の複屈折板を用いた場合に比べて広くなった。さらに反射板を設置することにより、色純度の良く視野角の広い反射型カラー液晶表示が可能となった。
【0148】
(例8)
液晶の屈折率異方性Δn1 と液晶層の厚みd1 を調整し液晶層のΔn1・d1 を2.42μmとした。複屈折板のΔn2・d2 は2.36μmとし、液晶層のツイスト角は240°、θ1 =135°、θ2 =85°、θ3 =135°と設定した。用いる液晶の物性値は例1と同様とした。また、NZ =0.5と設定した。
【0149】
1/200デューティで8階調表示駆動を行った。その結果、印加実効電圧が大きくなるにしたがい、明るい白、暗い青、明るい緑、ピンク赤の表示が可能となった。視野角も一軸性の複屈折板を用いた場合に比べて広くなった。さらに反射板を設置することにより、色純度の良く視野角の広い反射型カラー液晶表示が可能となった。
【0150】
(例9)
液晶の屈折率異方性Δn1 と液晶層の厚みd1 を調整し液晶層のΔn1・d1 を1.70μmとした。複屈折板のΔn2・d2 は1.29μmとし、液晶層のツイスト角は240°、θ1 =150°、θ2 =100°、θ3 =135°と設定した。用いる液晶の物性値は例1と同様とした。また、NZ =0.5と設定した。
【0151】
1/64デューティで8階調表示駆動を行った。その結果、印加実効電圧が大きくなるにしたがい、黒、白、赤の表示が可能となった。また、視野角も一軸性の複屈折板を用いた場合に比べて広くなった。さらに反射板を設置することにより、色純度の良く視野角の広い反射型カラー液晶表示が可能となった。
【0152】
(例10〜18)
一軸性の複屈折板が用いられた。すなわち、nX >nY =nZ のものである。例10〜18の各例の条件はNZ 値以外は上述した例1〜9の各例のものと同様の条件である。その結果、4色以上(視認しやすい4色以上、例えば、白→赤→青→緑→(ピンク赤))が印加電圧の増加にともなって得られた。
【0153】
視角範囲は二軸性の複屈折板を用いた例1〜9に比較すると狭くなった。反射板を配置して得られた、反射型カラー液晶表示装置は良好な色純度が得られた。
【0154】
表3には例1〜18の結果を要約する。表3において、「白1 >白2 」は色の発色における総合特性(明るさ、色純度)の差を意味する。また、上述したポアンカレ球の座標データを表4〜13に示す。それぞれ図18〜27に対応する。
【0155】
【表3】
【0156】
【表4】
【0157】
【表5】
【0158】
【表6】
【0159】
【表7】
【0160】
【表8】
【0161】
【表9】
【0162】
【表10】
【0163】
【表11】
【0164】
【表12】
【0165】
【表13】
【0166】
【発明の効果】
本発明により、カラーフィルタを用いずに、一画素で、電圧が印加されないとき、または電圧が低いときにほぼ無彩色表示ができ、かつ電圧を印加することにより赤または青または緑のカラー表示が実現できるカラー液晶表示装置を実現できる。低消費電力で明るく携帯に適したカラー表示装置が可能となる。特に反射型として使用するとその効果は非常に大きい。
【0167】
透過型で用いる場合、画素以外の背景部分を印刷などによる遮光膜で覆うことが好ましい。さらに、色コントラストを向上せしめうる。
【0168】
また、銀反射膜は反射率がアルミニウムよりも約20%よいのでさらに光の利用効率が改善される。銀とアルミニウムでは反射の際の波長依存性が異なり、一般に銀の反射は青色の波長域の反射率が低く、反射光は黄色っぽくなる。色度図上で液晶セルの表示が全体的に青色側に寄った使用にすることで総合の表示特性が改善され、明るく色純度のよい表示が得られる。
【0169】
本発明の液晶表示素子はパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、魚群探知機、車載用のインスツルメンツパネル、情報端末機、産業用の情報表示機器(例えば、コピー機の操作パネルにおける動作状態表示(赤をコピー中、枚数を緑表示、線を青表示、背景を白表示とする)または動力機器の運転表示(背景色を白、運転状態を緑、危険表示を赤とする)など)、各種の民生用のドットマトリックス表示装置(オーディオ機器、時計、ゲーム機器、アミューズメント、通信機器、カーナビゲーション、カメラ、TV電話、電卓の表示)などの表示機能を担う機能要素として使用できる。
【0170】
特に、本発明のカラー液晶表示装置は低消費電力で使用できるので、なかでも携帯用の電子機器、例えば、携帯電話、電子手帳、電子ブック(商品名)、電子辞書、PDA(携帯情報端末)、ページャー(ポケットベル)などに用いた場合に、その高い視認性、表現力と合わせて高い機能性を発揮する。さらに、本発明はその効果を損しない範囲で種々の応用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置を模式的に表す斜視図。
【図2】本発明の液晶表示装置を上からみた上側の液晶分子の長軸方向、偏光板の吸収軸方向および複屈折板の遅相軸方向の相対位置を示す平面図。
【図3】本発明の液晶表示装置を上からみた下側の液晶分子の長軸方向、偏光板の吸収軸方向の相対位置を示す平面図。
【図4】実施例1の電圧に対する色変化を示す色度図。
【図5】実施例2の電圧に対する色変化を示す色度図。
【図6】光の偏光状態を示すポアンカレ球図。
【図7】(a)400〜700nmの可視域の偏光状態を示すポアンカレ球図、(b)S1 −S2 平面への投影図。
【図8】(a)複屈折板を併用した場合の400〜700nmの可視域の偏光状態を示すポアンカレ球図、(b)S1 −S2 平面への投影図。
【図9】液晶と複屈折板(ポリカーボネート)のΔn・dの相関を示すグラフ。
【図10】複屈折板(ポリカーボネート)を用いた場合のΔn・dとS3 の相関を示すグラフ。
【図11】液晶と複屈折板(ポリスルホン)のΔn・dの相関を示すグラフ。
【図12】複屈折板(ポリスルホン)を用いた場合のΔn・dとS3 の相関を示すグラフ。
【図13】白黒青緑赤と発色させる場合のΔn・dと透過率の関係を示すグラフ。
【図14】白赤青緑と発色させる場合のΔn・dと透過率の関係を示すグラフ。
【図15】マルチプレックス駆動の波形を示すグラフ。
【図16】従来の白黒STNにおける電圧に対する透過率を示すグラフ。
【図17】従来の白黒STNにおける電圧に対する色変化を示す色度図。
【図18】従来の白黒STNにおけるVOFF 状態でのポアンカレ球図。
【図19】従来の白黒STNにおけるVON状態でのポアンカレ球図。
【図20】実施例1の白状態におけるポアンカレ球図。
【図21】実施例1の赤状態におけるポアンカレ球図。
【図22】実施例1の青状態におけるポアンカレ球図。
【図23】実施例1の緑状態におけるポアンカレ球図。
【図24】実施例2の白状態におけるポアンカレ球図。
【図25】実施例2の青状態におけるポアンカレ球図。
【図26】実施例2の緑状態におけるポアンカレ球図。
【図27】実施例2の赤状態におけるポアンカレ球図。
【図28】本発明の液晶表示装置の液晶と複屈折板のΔn・dの相関関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1、2:一対の偏光板、
3:液晶層、
4:複屈折板、
5:上側の偏光板の吸収軸、
6:下側の偏光板の吸収軸、
7:液晶層の上側の液晶分子(一方の配向方向)、
8:液晶層の下側の液晶分子(第2の配向方向)、
9:積層された複屈折板の遅相軸方向。
Claims (8)
- 透明電極と配向膜をそれぞれ有しほぼ平行に設けられた二つの基板間に旋光性物質を含有した誘電率異方性が正のネマチック液晶が挟持され、
各基板の配向膜によって形成される液晶分子の配向方向による液晶層のねじれ角が220〜260°とされ、
液晶層の外側に一対の偏光板が備えられ、透明電極間に駆動電圧を印加する駆動回路が備えられたカラー液晶表示装置であって、
液晶層と一対の偏光板のいずれか一方との間に一枚の複屈折板が配置され、
二つの基板のうち複屈折板が配置された側の基板が第1の基板、残る一方が第2の基板とされ、液晶層での液晶の屈折率異方性Δn1 と液晶層の厚みd1 との積Δn1・d1 が1.3〜1.8μmとされ、
nX 、nY を複屈折板面内方向の屈折率とし、nZ を複屈折板の厚み方向の屈折率とした場合、nX ≧nZ ≧nY となるように設けられ(但し、nX >nY 、かつnX =nZ =nY の場合を除く)、
遅相軸(nX が決まる面内方向)と進相軸(nY が決まる面内方向)の屈折率異方性と厚みによる垂直方向の複屈折の総和Δn2・d2 が1.4〜1.9μmとされ、
前記遅相軸と第1の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ 2 が75〜110°であり、第1の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と前記配向方向との角度θ 1 が120〜165°であり、第2の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と第2の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ 3 が120〜150°であり、
3値以上の電圧値が選択されて透明電極間に1/64以上の高デューティのマルチプレックス駆動によって電圧が印加され、オフ電圧で白の発色が行われることを特徴とするカラー液晶表示装置。 - 透明電極と配向膜をそれぞれ有しほぼ平行に設けられた二つの基板間に旋光性物質を含有した誘電率異方性が正のネマチック液晶が挟持され、
各基板の配向膜によって形成される液晶分子の配向方向による液晶層のねじれ角が230〜250°とされ、
液晶層の外側に一対の偏光板が備えられ、透明電極間に駆動電圧を印加する駆動回路が備えられたカラー液晶表示装置であって、
液晶層と一対の偏光板のいずれか一方との間に一枚の複屈折板が配置され、
二つの基板のうち複屈折板が配置された側の基板が第1の基板、残る一方が第2の基板とされ、液晶層での液晶の屈折率異方性Δn 1 と液晶層の厚みd 1 との積Δn 1 ・d 1 が1.3〜1.4μmとされ、
n X 、n Y を複屈折板面内方向の屈折率とし、n Z を複屈折板の厚み方向の屈折率とした場合、n X ≧n Z ≧n Y となるように設けられ(但し、n X >n Y 、かつn X =n Z =n Y の場合を除く)、
遅相軸(n X が決まる面内方向)と進相軸(n Y が決まる面内方向)の屈折率異方性と厚みによる垂直方向の複屈折の総和Δn 2 ・d 2 が1.4〜1.5μmとされ、
前記遅相軸と第1の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ 2 が90〜110°であり、第1の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と前記配向方向との角度θ 1 が130〜150°であり、第2の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と第2の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ 3 が125〜145°であり、
3値以上の電圧値が選択されて透明電極間に1/64以上の高デューティのマルチプレックス駆動によって電圧が印加され、
オフ電圧で白の発色が行われることを特徴とするカラー液晶表示装置。 - 透明電極と配向膜をそれぞれ有しほぼ平行に設けられた二つの基板間に旋光性物質を含有した誘電率異方性が正のネマチック液晶が挟持され、
各基板の配向膜によって形成される液晶分子の配向方向による液晶層のねじれ角が230〜250°とされ、
液晶層の外側に一対の偏光板が備えられ、透明電極間に駆動電圧を印加する駆動回路が備えられたカラー液晶表示装置であって、
液晶層と一対の偏光板のいずれか一方との間に一枚の複屈折板が配置され、
二つの基板のうち複屈折板が配置された側の基板が第1の基板、残る一方が第2の基板とされ、液晶層での液晶の屈折率異方性Δn 1 と液晶層の厚みd 1 との積Δn 1 ・d 1 が1.65〜1.75μmとされ、
n X 、n Y を複屈折板面内方向の屈折率とし、n Z を複屈折板の厚み方向の屈折率とした場合、n X ≧n Z ≧n Y となるように設けられ(但し、n X >n Y 、かつn X =n Z =n Y の場合を除く)、
遅相軸(n X が決まる面内方向)と進相軸(n Y が決まる面内方向)の屈折率異方性と厚みによる垂直方向の複屈折の総和Δn 2 ・d 2 が1.75〜1.85μmとされ、
前記遅相軸と第1の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ 2 が85〜105°であり、第1の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と前記配向方向との角度θ 1 が140〜160°であり、第2の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と第2の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ 3 が125〜145°であり、
3値以上の電圧値が選択されて透明電極間に1/64以上の高デューティのマルチプレックス駆動によって電圧が印加され、
オフ電圧で白の発色が行われることを特徴とするカラー液晶表示装置。 - 透明電極と配向膜をそれぞれ有しほぼ平行に設けられた二つの基板間に旋光性物質を含有した誘電率異方性が正のネマチック液晶が挟持され、
各基板の配向膜によって形成される液晶分子の配向方向による液晶層のねじれ角が230〜250°とされ、
液晶層の外側に一対の偏光板が備えられ、透明電極間に駆動電圧を印加する駆動回路が備えられたカラー液晶表示装置であって、
液晶層と一対の偏光板のいずれか一方との間に一枚の複屈折板が配置され、
二つの基板のうち複屈折板が配置された側の基板が第1の基板、残る一方が第2の基板とされ、液晶層での液晶の屈折率異方性Δn 1 と液晶層の厚みd 1 との積Δn 1 ・d 1 が1.65〜1.75μmとされ、
n X 、n Y を複屈折板面内方向の屈折率とし、n Z を複屈折板の厚み方向の屈折率とした場合、n X ≧n Z ≧n Y となるように設けられ(但し、n X >n Y 、かつn X =n Z =n Y の場合を除く)、
遅相軸(n X が決まる面内方向)と進相軸(n Y が決まる面内方向)の屈折率異方性と厚みによる垂直方向の複屈折の総和Δn 2 ・d 2 が1.75〜1.85μmとされ、
前記遅相軸と第1の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ 2 が90〜110°であり、第1の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と前記配向方向との角度θ 1 が145〜165°であり、第2の基板側の偏光板の偏光軸または吸収軸と第2の基板側の液晶分子の配向方向との角度θ 3 が125〜145°である
3値以上の電圧値が選択されて透明電極間に1/64以上の高デューティのマルチプレックス駆動によって電圧が印加され、
オフ電圧で白の発色が行われることを特徴とするカラー液晶表示装置。 - マルチプレックス駆動で1/100以上の高デューティで駆動することを特徴とする請求項2に記載のカラー液晶表示装置。
- マルチプレックス駆動で1/200以上の高デューティで駆動することを特徴とする請求項4に記載のカラー液晶表示装置。
- 前記一対の偏光板のうち一方の偏光板の外側に反射板が配置されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラー液晶表示装置。
- 用いる液晶のΔnが0.20以上であり、かつ粘度ηが17cSt以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のカラー液晶表示装置。
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