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JP3626389B2 - 面ファスナー - Google Patents

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JP3626389B2
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  • Slide Fasteners, Snap Fasteners, And Hook Fasteners (AREA)
  • Details Of Garments (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、経糸、緯糸によって織製した基布に面ファスナーの係合素子用糸を織り込み、この係合素子用糸に絡み糸を添装して係合阻止用糸を基布に固定して面ファスナーに仕上げ、さらにまた強靭な面ファスナーに仕上げるため、熱溶融糸を用いて係合素子用糸を基布に固定した面ファスナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、面ファスナーにおいてループ状係合素子またはフック状係合素子を形成するための係合素子用糸を絡み糸によって基布に絡み付けて固定することは知られていない。これとは別に係合素子用糸を経糸、緯糸で織製された基布に織り込んで、係合素子用糸を基布に強固に固定して頑丈な面ファスナーに仕上げるため、また面ファスナーを所定幅に切断するとき、切断端縁の経糸がほつれるのを防止するため、織製基布の裏面全体にポリエステルやポリウレタンなどの熱可塑性樹脂を塗布して係合素子用糸を固定する、いわゆるバックコーティング方式を施すことが知られている。たとえば特開平11−244010号公報、または実用新案登録第2593380号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前項で述べた公知の面ファスナーは、経糸、緯糸によって織製した基布にループ状係合素子またはフック状係合素子を形成する係合素子用糸を織り込み、織製した基布の裏面全体にポリエステルやポリウレタンなどの熱可塑性樹脂を塗布するバックコーティングを施すため、仕上げられた面ファスナーの基布は強張って柔軟性を欠き、たとえバックコーティング後においてエアノズルを配してエアを吹き付け、基布の織糸間に介在する樹脂薄膜を破断したとしても、風合のない面ファスナーに仕上がる。またバックコーティングを施すため、樹脂の選定、塗工管理などが面倒でコスト高になるなど問題点がある。
【0004】
この発明は、上述の問題点を考慮して発明されたものであり、この発明のうち請求項1記載の発明は、簡単な形態でループ状係合素子およびフック状係合素子またはキノコ状係合素子を形成する係合素子用糸を強固に基布に固定し、耐久性のある面ファスナーであってしかも柔軟性があり、風合のある品質のよい面ファスナーに仕上げることができ、また製作が簡易で経済的にも廉価である面ファスナーを提供することが主たる目的である。
【0005】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、絡み糸を効率よく的確に係合素子用糸に絡み付け、係合素子用のためのループ部を容易に基布に固定できる面ファスナーを提供することが目的である。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、ループ状係合素子またはフック状係合素子を形成する係合素子用糸に熱溶融糸を絡み付け、熱溶融糸を溶融して係合素子用糸が基布と交絡する部分を固定する、製作が簡易で風合のある面ファスナーを提供することが目的である。
【0007】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、ループ状係合素子またはフック状係合素子を形成する係合素子用糸に絡み糸を絡み付けて、この糸に隣接する位置に熱溶融糸を織り込み、熱溶融糸を溶融して係合素子用糸が基布と交絡する部分を固定する、製作が簡易で風合のある面ファスナーを提供することが目的である。
【0008】
請求項5、6および7記載の発明は、それぞれ請求項3または4記載の発明の目的に加え、ループ状係合素子またはフック状係合素子を形成する係合素子用糸を基布に固定するために用いる熱溶融糸の材質、形態を特定することによって、各種の熱溶融糸を用いて係合素子用糸を基布に固定する、品質のよい風合のある面ファスナーを提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の発明は、経糸2と緯糸3とによって織製する面ファスナー基布1において、ループ状係合素子4およびフック状係合素子5またはキノコ状係合素子を形成する係合素子用糸6を一定間隔で基布1に織り込み、織り込む係合素子用糸6に絡み糸7を添装し、この絡み糸7によって係合素子用糸6が基布1と交錯している部分、すなわち絡み糸7との交絡点9を基布1に固定した面ファスナーを主な構成とするものである。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、絡み糸7は、係合素子用糸6が係合素子用のために基布1上に形成するループ部8の前後において、係合素子用糸6を基布1に絡み付けて固定した面ファスナーである。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、基布1よりも融点の低い熱溶融糸10を絡み糸7として用い、この熱溶融糸10をループ状係合素子4またはフック状係合素子5を形成する係合素子用糸6に絡み付けて溶融し、係合素子用糸6が基布1と交絡している部分、すなわち絡み糸7との交絡点9を基布1に固定した面ファスナーである。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、ループ状係合素子4またはフック状係合素子5を形成する係合素子用糸6に絡み糸7を絡み付け、この糸6、7に隣接した個所に基布1よりも融点の低い熱溶融糸10を経糸2として織り込んで溶融し、係合素子用糸6が基布1と交絡する部分、すなわち絡み糸7との交絡点9を基布1に固定した面ファスナーである。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の発明の構成に加え、熱溶融糸10に、融点の低い合成繊維と融点の高い合成繊維とを並列状または混合した複合糸を用い、熱溶融糸10の融点の低い合成繊維を溶融して係合素子用糸6が基布1と交絡している部分、すなわち絡み糸7との交絡点9を基布1に固定した面ファスナーである。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項3または4記載の発明の構成に加え、熱溶融糸10に、熱溶融が難しい繊維と、基布1よりも融点の低い熱溶融可能なる繊維とを混紡した混紡糸を用い、熱溶融糸10の熱溶融可能な繊維を溶融して係合素子用糸6が基布1と交絡している部分、すなわち絡み糸7との交絡点9を基布1に固定した面ファスナーである。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項3または4記載の発明の構成に加え、熱溶融糸10に、融点の高い合成繊維または熱溶融が難しい繊維を芯糸に用い、芯糸の周囲に芯糸よりも低くかつ基布1よりも融点の低い熱可塑性樹脂を被覆した被覆糸を用い、熱溶融糸10の融点の低い熱可塑性樹脂を溶融して係合素子用糸6が基布1と交絡している部分、すなわち絡み糸7との交絡点9を基布に固定した面ファスナーである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の面ファスナーの実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0017】
この発明の面ファスナーは、図1に示す面ファスナーがループ状係合素子4を備えた面ファスナーであり、図2に示す面ファスナーはフック状係合素子5を備えた面ファスナーである。図1に示すループ状面ファスナーについて説明すると、面ファスナーの基布1は経糸2と緯糸3とを織製手段によって織製し、この基布1に面ファスナーとしてのループ状係合素子4を形成するため、係合素子用糸6を基布1に織り込む。たとえば基布1はニードル織製による経糸2とダブルピックの緯糸3とによって織製され、基布1の経糸2、緯糸3はポリアミド系、ポリエステエル系、ポリプロピレン系などの合成繊維のマルチフィラメントから形成する。
【0018】
係合素子用糸6も基布1の経糸および緯糸3と同様にポリアミド系、ポリエステル系、ポリプロピレン系などの合成繊維のマルチフィラメントから形成され、係合素子用糸6と経糸2および緯糸3とに同系列の合成繊維または異系列の合成繊維を用いるかは用途に応じて適宜選択自由である。そして係合素子用糸6は基布1上にループ状係合素子4として形成するループ部8を一定間隔で起立状態に植設する。そのため図面では、ループ部8をダブルピックの緯糸3を3本置きに形成するが、間隔は適宜変更できる。さらに係合素子用糸6はループ部8を形成する前後の緯糸3の部分において、絡み糸7によって絡み糸7、係合素子用糸6、緯糸3が一体に絡み付けられる。
【0019】
したがって、係合素子用糸6がループ状係合素子4を形成するために形成するループ部8を、ループ部8の前後において緯糸3すなわち基布1に絡み糸7の絡み付け操作によって、強固に固定することができ、簡単な構造でループ部8がずれ動くことがない安定した状態に形成し、品質のよい面ファスナーに仕上げることができる。
【0020】
この絡み糸7は、係合素子用糸6または基布1の経糸2および緯糸3と同様にポリアミド系、ポリエステル系、ポリプロピレン系などの合成繊維のマルチフィラメントから形成され、絡み糸7に係合素子用糸6または経糸2および緯糸3と同系列の合成繊維または異系列の合成繊維を用いるかは用途に応じて適宜選択自由である。また好ましくは絡み糸7として基布1を形成する経糸2、緯糸3よりも熱溶融点が低い合成繊維を用いる。たとえば基布1を形成する経糸2、緯糸3にポリアミド系のナイロン66繊維を用い、絡み糸7にはナイロン66繊維に比較して熱溶融点の低いナイロン6繊維を用いることによって、絡み糸7を低温度で溶融し、係合素子用6と絡み糸7とが交絡する。他に熱溶融点の低い合成繊維としてポリアミド共重合体やポリエステル共重合体などの合成繊維を用いてもよい。係合素子用糸6のループ部8の前後における緯糸3に係合素子用糸6を溶着固定する。基布1に固定された係合素子用糸6のループ部8はナッピングまたはブラッシングして、ループ状係合素子4を形成しループ状面ファスナーに仕上げられ、強靭な面ファスナーが得られる。
【0021】
次に図2に示すフック状面ファスナーについて説明すると、面ファスナーの基布1は前例のループ状面ファスナーの基布1と同一形態であり、基布1はニードル織製による経糸2とダブルピックの緯糸3とによって織製し、基布1の経糸2、緯糸3はポリアミド系、ポリエステル系、ポリプロピレン系などの合成繊維のマルチフィラメントから形成する。
【0022】
係合素子用糸6も基布1の経糸2および緯糸3と同様にポリアミド系、ポリエステル系、ポリプロピレン系などの合成繊維のマルチフィラメントから形成され、係合素子用糸6と経糸2および緯糸3とに同系列の合成繊維または異系列の合成繊維を用いるかは用途に応じて適宜選択自由である。そして、係合素子用糸6は基布1上にフック状係合素子5として形成するループ部8を一定間隔で起立状態に植設する。そのため図面ではループ部8を、ダブルピックの緯糸3を3本置きに形成するが間隔は適宜変更できる。さらに係合素子用糸6はループ部8の前後の緯糸3の部分において、絡み糸7によって絡み糸7、係合素子用糸6、緯糸3が一体に絡み付けられる。
【0023】
したがってこの場合も、係合素子用糸6がフック状係合素子5を形成するために形成するループ部8を、ループ部8の前後において緯糸3すなわち基布1に絡み糸7の絡み付け操作によって、強固に固定することができ、簡単な構造でループ部8がずれ動くことがない安定した状態に形成し、品質のよい面ファスナーに仕上げることができる。
【0024】
この絡み糸7は、係合素子用糸6または基布1の経糸2および緯糸3と同様にポリアミド系、ポリエステル系、ポリプロピレン系などの合成繊維のマルチフィラメントから形成され、絡み糸7に係合素子用糸6または経糸2および緯糸3と同系列の合成繊維または異系列の合成繊維を用いるかは用途に応じて適宜選択自由である。また好ましくは絡み糸7として基布1を形成する経糸2、緯糸3よりも熱溶融点が低い合成繊維を用いる。たとえば基布1の経糸2、緯糸3にナイロン66繊維を用い、絡み糸7にナイロン6繊維などを用いるのも一例である。熱溶融点の低い絡み糸7を熱溶融することによって、係合素子用糸6と絡み糸7とが交絡する。他に熱溶融点の低い合成繊維としてポリアミド共重合体やポリエステル共重合体などの合成繊維を用いてもよい。そして係合素子用糸6のループ部8の前後における緯糸3に係合素子用糸6を溶着固定する。基布1に固定された係合素子用糸6はループ部8の一側をカットしてフック状係合素子5を形成しフック状面ファスナーが仕上げられ、強靭な面ファスナーが得られる。
【0025】
なお、係合素子用糸6のループ部8の上部をカットした後にその切断端部を加熱して溶融させ、先端が膨大状に形成してキノコ状係合素子を形成し、キノコ状面ファスナーに仕上げることもできる。
【0026】
図3に示す面ファスナーの基布1は、前記図1、2とは形態が多少異なる。ループ状係合素子4を備えた面ファスナーの基布1について説明すると、基布1はニードル織製による経糸2とダブルピックの緯糸3とによって織製され、また基布1にはループ状係合素子4を形成するための係合素子用糸6が横幅方向に所定間隔をおいて配され、ループ部8は前例と同様、緯糸を3本置きに形成する。そして係合素子用糸6はループ部8を形成する前後の緯糸3の部分において、絡み糸7によって緯糸3に絡み付けられる。経糸2、緯糸3、係合素子用糸6、絡み糸7は、前例と同様にポリアミド系、ポリエステル系、ポリプロピレン系などの合成繊維のマルチフィラメントから形成され、各糸に同系列の合成繊維または異系列の合成繊維を用いるかは用途に応じて適宜選択自由である。
【0027】
以上説明した基布1の地組織において、係合素子用糸6に絡み付いた絡み糸7の両隣りに経糸2として熱溶融糸10を織り込む。経糸2として織り込まれる熱溶融糸10は適宜間隔でダブルピックの緯糸3と交錯するが、たとえば図面においては熱溶融糸10は、係合素子用糸6がループ部8を形成している緯糸3上に浮き、他の3本の緯糸3では沈んだ状態で織り込まれている。
【0028】
そして熱溶融糸10は経糸2、緯糸3、係合素子用糸6、絡み糸7の各糸よりも熱溶融点が低い合成繊維のマルチフィラメント、またはモノフィラメントから形成され、この熱溶融糸10を熱溶融すると、係合素子用糸6はループ部8の前後で絡み糸7とともに緯糸3に溶着固定される。したがって前例よりも強固に係合素子用糸6を基布1に固定することができる。
【0029】
基布1に固定された係合素子用糸6におけるループ部8はナッピングされてループ状係合素子4を形成し、ループ状面ファスナーが得られる。なおフック状係合素子5を備えた面ファスナーの場合は、基布1に織り込むフック状係合素子5を形成する係合素子用糸6に合成繊維のモノフィラメントを用いる以外は、上記ループ状面ファスナーの形態と全く同一であり、織り込まれた係合素子用糸6はループ部8において、一側をカットすればフック状係合素子5が形成され、フック状面ファスナーが得られる。
【0030】
最後に面ファスナーに用いられる熱溶融糸10の形態について説明すると、熱溶融糸10は上記実施例のように基布1の経糸2、緯糸3、係合素子用糸6よりも融点の低い合成繊維の単糸であってもよく、また融点の低い合成繊維と融点の高い合成繊維とを並列状に組み合せた糸、またこれらの繊維を混合した複合糸に形成し、熱溶融糸10の一部を溶融し、他の部分を残存させることもできる。さらに熱溶融が難しくまたは溶融しない繊維と熱溶融可能な繊維とを混紡した形の混紡糸であってもよく、その他融点の高い合成繊維または熱溶融が難しい繊維を芯糸に用い、その芯糸の周囲に芯糸よりも低く、かつ基布1の構成糸よりも融点の低い熱可塑性樹脂を被覆し、またはパイプ状に形成した樹脂によって被覆した被覆糸を用いてもよい。これら複合子、混合糸、被覆糸などを絡み糸7に用いると、絡み糸7の一部が基布1上に残存し、絡み付け強度をより向上させることができる。
【0031】
【発明の効果】
この発明の面ファスナーは、以上説明したとおりの構成であり、この構成によって下記の効果を奏する。
【0032】
この発明のうち請求項1記載の発明は、経糸と緯糸とによって織製する面ファスナー基布において、ループ状係合素子およびフック状係合素子またはキノコ状係合素子を形成する係合素子用糸を一定間隔で基布に織り込み、係合素子用糸に絡み糸を添装し、絡み糸によって係合素子用糸を基布に絡み付けて固定したことによって、ループ係合素子、フック係合素子を形成する係合素子用糸に添装する絡み糸によって、きわめて簡単な手段で係合素子用糸を基布に固定することができ、製品は強度性、柔軟性において優れ、風合のある、しかも廉価な面ファスナーに仕上げられる効果がある。
【0033】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、絡み糸は係合素子用糸が形成するループ部の前後において、係合素子用糸を基布に絡み付けて固定したことによって、絡み糸を有効に活用して係合素子用糸に絡み付け、係合素子用のループ部を容易かつ的確に基布へ固定できる効果がある。
【0034】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、絡み糸に熱溶融糸を用い、熱溶融糸を係合素子用糸に絡み付けて溶融し、係合素子用糸を基布に固定したことによって、熱溶融糸を絡み糸に用いたので、係合素子用糸を的確かつ強固に基布に溶着固定することができる効果がある。
【0035】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、係合素子用糸に絡み糸を絡み付け、この糸に隣接して熱溶融糸を織り込んで溶融し、係合素子用糸を基布に固定したことによって、係合素子用糸は絡み糸により強固に固定し、さらに隣接する熱溶融糸により絡み付け部分を溶着固定するから、頑丈で風合のある面ファスナーが得られる効果がある。
【0036】
請求項5、6および7記載の発明は、それぞれ請求項3または4記載の発明の効果に加え、熱溶融糸として、融点の低い合成繊維と融点の高い合成繊維とを並列状または混合した複合糸、または熱溶融が難しい繊維と熱溶融可能な繊維とを混紡した混紡糸、あるいは融点の高い合成繊維または熱溶融が難しい繊維を芯糸に用い、その芯糸の周囲に芯糸よりも融点の低い熱可塑性樹脂を被覆した被覆糸を係合素子用糸に添装し、これら熱溶融糸を溶融して係合素子用糸を基布に固定したことによって、各種形態の熱溶融糸を容易に利用することができ、しかも熱溶融糸は一部が溶融し、一部が残存するため、係合素子用糸を強固に固定するとともに、係合素子用糸を基布に溶着できるので、2通りの機能が発揮でき、補強された面ファスナーの製造が簡易に行える効果があるなど、この発明が奏する効果はきわめて顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ループ状係合素子用糸と絡み糸とを組み合せた状態を示す斜視図である。
【図2】フック係合素子用糸と絡み糸とを組み合わせた状態を示す斜視図である。
【図3】ループ状係合素子用糸と絡み糸および熱溶融糸とを組み合せた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基布
2 経糸
3 緯糸
4 ループ状係合素子
5 フック状係合素子
6 係合素子用糸
7 絡み糸
8 ループ部
9 交絡点
10 熱溶融糸

Claims (7)

  1. 経糸2と緯糸3とによって織製する面ファスナー基布1において、ループ状係合素子4およびフック状係合素子5またはキノコ状係合素子を形成する係合素子用糸6を一定間隔で基布1に織り込み、該係合素子用糸6に絡み糸7を添装し、絡み糸7によって係合素子用糸6を基布1に絡み付けて固定してなることを特徴とする面ファスナー。
  2. 絡み糸7は、係合素子用糸6が形成するループ部8の前後において、係合素子用糸6を基布1に絡み付けて固定してなる請求項1記載の面ファスナー。
  3. 絡み糸7に熱溶融糸10を用い、熱溶融糸10を係合素子用糸6に絡み付けて溶融し、係合素子用糸6を基布1に固定してなる請求項1記載の面ファスナー。
  4. 係合素子用糸6に絡み糸7を絡み付け、該糸6、7に隣接して熱溶融糸10を織り込んで溶融し、係合素子用糸6を基布1に固定してなる請求項1記載の面ファスナー。
  5. 熱溶融糸10として、融点の低い合成繊維と融点の高い合成繊維とを並列状または混合した複合糸を用い、熱溶融糸10の融点の低い合成繊維を溶融して係合素子用糸6を基布1に固定してなる請求項3または4記載の面ファスナー。
  6. 熱溶融糸10として、熱溶融が難しい繊維と熱溶融可能なる繊維とを混紡した混紡糸を用い、熱溶融糸10の熱溶融可能な繊維を溶融して係合素子用糸6を基布1に固定してなる請求項3または4記載の面ファスナー。
  7. 熱溶融糸10として融点の高い合成繊維または熱溶融が難しい繊維を芯糸に用い、芯糸の周囲に芯糸よりも熱溶融点の低い熱可塑性樹脂を被覆した被覆糸を用い、熱溶融糸10の融点の低い熱可塑性樹脂を溶融して係合素子用糸6を基布1に固定してなる請求項3または4記載の面ファスナー。
JP2000053960A 2000-02-29 2000-02-29 面ファスナー Expired - Fee Related JP3626389B2 (ja)

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