JP3626089B2 - ウィンドプロファイラにおける信号処理装置および信号処理方法 - Google Patents
ウィンドプロファイラにおける信号処理装置および信号処理方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、上空の風速分布を測定するウィンドプロファイラにおける信号処理装置および信号処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
風向・風速の情報は気象予報に必要な情報の一つである。風向・風速を計測する最も一般的な方法としては、地上に風向・風速計を設置することである。しかしながら、その場合には地表付近の風しか測定できない。気象予報をより正確にするためには上空の風向・風速のデータも知ることが必要である。そのため、従来、ゾンデ等を用いて上空の風向・風速の観測を行っていた。このゾンデを用いた観測では、ゾンデを上げた時刻における風向・風速のデータしか得ることができないため、観測の時間分解能が数時間以上と低いことが欠点であった。
【0003】
それに対して、近年、ウィンドプロファイラと呼ばれる大気レーダを用いて上空の風向・風速を計測する技術が確立されつつある。ウィンドプロファイラでは、1分〜数分毎に上空の風向・風速を計測することが可能となる。このような高い時間分解能による上空の風向・風速のデータは、気象予報の精度向上に有効となると期待されている。このようなウィンドプロファイラについては、例えばCarter et al., Development in UHF lower troposheric wind profiling at NOAA’s Aeronomy Laboratory, Radio Science, vol.30, no.4, pp.97〜1001, 1995.に紹介されたものなどがある。
【0004】
ここで、ウィンドプロファイラで大気を計測する原理を説明する。
ウィンドプロファイラはドップラレーダの一種であり、一般的に図13に示すように、空中線101、送受信装置102、信号処理装置103、風速ベクトル算出装置104、表示・記録装置105によって構成されている。このように構成されたウィンドプロファイラでは、空中線101より空中に放射された電磁波の反射波が空中線101にて受信され、その受信された電磁波が送受信装置102によって増幅、周波数変換、検波されてビデオ信号に変換される。このビデオ信号に信号処理装置103で周波数解析処理を行うことにより、ドップラ周波数を算出し、そのドップラ周波数からドップラ速度を算出して風速ベクトル算出装置104に送り、そこで算出された風速ベクトルを表示・記録装置105に表示もしくは記録する。
【0005】
なお、上記従来のウィンドプロファイラでは信号処理装置103として、例えば図14に示すような構成のものが一般に用いられている。この図14において、1はFFT処理部、2はインコヒーレント積分部、3はドップラ速度算出部、4は品質管理・時間平均処理部である。
【0006】
次にその動作について説明する。
送受信装置102より出力された受信信号のデータは、FFT処理部1に入力される。FFT処理部1では受信信号のデータに対してフーリエ変換を施す。このフーリエ変換後の受信信号のデータはインコヒーレント積分部2に入力される。ここでは、受信信号のデータのフーリエ変換から電力値を求めることによって得られるパワースペクトルを算出した後、複数の時刻に得られたパワースペクトルを積算する処理、すなわちインコヒーレント積分の処理を行う。受信信号のデータのパワースペクトルには、大気乱流エコーのスペクトル、すなわち信号スペクトルと雑音スペクトルが含まれる。このインコヒーレント積分処理により、雑音成分のゆらぎおよび信号成分のゆらぎの幅が小さくなる。そのため、インコヒーレント積分を行うことで信号検出の精度をあげることができる。ただし、インコヒーレント積分は複数の時刻のデータを用いるため、時間分解能を低下させることになる。
【0007】
ドップラ速度算出部3では、インコヒーレント積分後の安定化されたパワースペクトルから信号スペクトルのピークを検出し、その中心ドップラ周波数から平均ドップラ周波数を算出し、さらに、そのドップラ周波数をドップラ速度に変換することにより、ターゲットである大気乱流の視線方向速度を算出する。
【0008】
ただし、ドップラレーダで直接計測される風速は、実際の風速の視線方向への射影成分のみとなる。そこで、風速ベクトル算出装置104では、レーダ上空のある一定領域の風速分布が一様であると仮定して、レーダの観測方向を複数方向に変えて測定を行うことにより、3次元の風速ベクトルの合成を行う。
【0009】
なお、このようなウィンドプロファイラでは、インコヒーレント積分時間が高度によらず一定である。しかし、ウィンドプロファイラのターゲットである大気乱流のレーダ反射率は、高度の上昇とともに急激に減少するため、実際には高度によって最適な積分時間が異なる。すなわち、SN比の高い低高度よりも、SN比が低下する高高度の方が長い積分時間を必要とする。
【0010】
また、高高度の風速は地表面の影響をあまり受けないため、風速の時間変化が低高度の場合よりも小さい。このことからも、高高度ではインコヒーレント積分時間を長くすることが有利となる。
【0011】
このように、ウィンドプロファイラのインコヒーレント積分時間は、高度によって最適な値が異なるものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来のウィンドプロファイラにおける信号処理装置は以上のように構成されているので、インコヒーレント積分時間が高度によらず一定であり、高高度ではインコヒーレント積分時間が不足するため、十分な信号検出性能が得られず、データ取得率が低下するという課題があった。
【0013】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、高度に応じてインコヒーレント積分時間を設定することにより、できるだけ広い高度範囲でデータ取得率を向上させた、ウィンドプロファイラにおける信号処理装置および信号処理方法を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るウィンドプロファイラにおける信号処理装置は、受信信号のデータにフーリエ変換を施すフーリエ変換処理部と、高度毎に最適なインコヒーレント積分時間を設定する積分時間設定部と、フーリエ変換されたデータからパワースペクトルを算出し、設定されたインコヒーレント積分時間だけそのパワースペクトルを時間積分するインコヒーレント積分部と、パワースペクトルから信号スペクトルのピークを検出し、そのドップラ周波数から大気の視線方向速度を算出するドップラ速度算出部と、低品質のドップラ速度のデータを取り除くとともに時間平均を行う品質管理・時間平均処理部とを備え、風速の測定を行うようにしたものである。
【0015】
この発明に係るウィンドプロファイラにおける信号処理装置は、インコヒーレント積分時間を、低高度においては短く、高高度においては長く設定するようにしたものである。
【0016】
この発明に係るウィンドプロファイラにおける信号処理装置は、積分時間設定部が、ドップラ速度算出部の出力するドップラ速度データよりデータ取得率を算出するデータ取得率算出部からのデータ取得率に応じて、インコヒーレント積分時間を設定するようにしたものである。
【0017】
この発明に係るウィンドプロファイラにおける信号処理装置は、積分時間設定部が、品質管理・時間平均処理部の出力するドップラ速度データよりデータ取得率を算出するデータ取得率算出部からのデータ取得率に応じて、インコヒーレント積分時間を設定するようにしたものである。
【0018】
この発明に係るウィンドプロファイラにおける信号処理装置は、各高度のインコヒーレント積分時間を、積分時間設定部が、データ取得率算出部にて算出されたその高度のデータ取得率をもとに設定するようにしたものである。
【0019】
この発明に係るウィンドプロファイラにおける信号処理装置は、あらかじめ分割された高度範囲毎のインコヒーレント積分時間を、積分時間設定部が、データ取得率算出部にて算出されたあらかじめ分割された高度範囲毎のデータ取得率をもとに設定するようにしたものである。
【0020】
この発明に係るウィンドプロファイラにおける信号処理装置は、インコヒーレント積分時間を長く設定した高度については、データ補間処理部で時間方向にデータを補間して、高度によらず一定の時間分解能のドップラ速度を品質管理・時間平均処理部に出力するようにしたものである。
【0021】
この発明に係るウィンドプロファイラにおける信号処理装置は、インコヒーレント積分時間に反比例するデータ数を用いて、品質管理・時間平均処理部による時間平均処理を行い、データの時間分解能が高度によらず一定となるドップラ速度を出力するようにしたものである。
【0022】
この発明に係るウィンドプロファイラにおける信号処理装置は、インコヒーレント積分の時間方向の積分範囲の更新幅をインコヒーレント積分時間によらず一定とし、インコヒーレント積分部からの積分後のデータの時間分解能を高度によらず一定となるようにしたものである。
【0023】
この発明に係るウィンドプロファイラにおける信号処理方法は、受信信号のデータを読込んでフーリエ変換を施し、高度毎にインコヒーレント積分時間を設定し、フーリエ変換されたデータからパワースペクトルを算出して、設定されたインコヒーレント積分時間だけインコヒーレント積分を行い、そのインコヒーレント積分後のパワースペクトルから信号スペクトルを検出して、ドップラ周波数からドップラ速度を算出し、処理対象となっている時刻に関する全高度のデータの処理が未終了であれば、処理対象の高度を次の高度へ更新した後、インコヒーレント積分時間の設定に処理を戻し、終了していれば、処理対象の時刻を次の時刻に進めるとともに処理対象となる高度を初期化し、処理をデータの読込みに戻すことによって、風速の測定を行うようにしたものである。
【0024】
この発明に係るウィンドプロファイラにおける信号処理方法は、受信信号のデータを読込んでフーリエ変換を施し、インコヒーレント積分時間の初期値を設定し、フーリエ変換されたデータからパワースペクトルを算出して、設定されたインコヒーレント積分時間だけインコヒーレント積分を行い、そのインコヒーレント積分後のパワースペクトルから信号スペクトルを検出して、ドップラ周波数からドップラ速度を算出し、そのドップラ速度から処理対象となっている高度のデータ取得率の算出を行って、そのデータ取得率があらかじめ定められたしきい値未満であり、かつインコヒーレント積分時間がその上限未満であれば、インコヒーレント積分時間の設定を増加させて、インコヒーレント積分の処理に戻し、それ以外の場合には、処理対象となっている時刻に関する全高度のデータの処理が終了していることを確認し、未終了であれば、処理対象の高度を次の高度へ更新した後、インコヒーレント積分時間の設定に処理を戻し、終了していれば、処理対象の時刻を次の時刻に進めるとともに、処理対象となる高度を初期化し、処理をデータの読込みに戻すことによって、風速の測定を行うようにしたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるウィンドプロファイラにおける信号処理装置を示すブロック図である。なお、ウィンドプロファイラの全体構成は図13に示した従来の場合と同様であり、この図1に示した信号処理装置103は、図13に示されるウィンドプロファイラの一部分を形成している。
【0026】
図13において、101は電磁波の送受信を行う空中線であり、102は空中線101で送受信される電磁波の入出力処理を行う送受信装置である。103は図1にその構成を示すこの発明の実施の形態1による信号処理装置である。104は信号処理装置103の出力より3次元の風速ベクトルの合成を行う風速ベクトル算出装置であり、105はこの風速ベクトル算出装置104の計算結果の表示あるいは記録を行う表示・記録装置である。
【0027】
また、図1において、1は送受信装置102で受信された受信信号のデータにフーリエ変換を施すフーリエ変換処理部であり、ここでは、例えば高速フーリエ変換(FFT)を施すFFT処理部が用いられている。2はFFT処理部1にてフーリエ変換されて出力された受信信号のデータからパワースペクトルを算出するとともに、複数の時刻で得られたパワースペクトルをあつめて積分するインコヒーレント積分部である。3はインコヒーレント積分部2から出力されたパワースペクトルから信号スペクトルを検出し、その中心周波数からターゲットのドップラ速度、すなわちターゲットの視線方向速度を算出するドップラ速度算出部である。4はドップラ速度算出部3で算出されたドップラ速度データのうちから品質の低下したデータを除去した後、その時間平均を行って風速ベクトル算出装置104に出力する品質管理・時間平均処理部である。5は高度に応じてインコヒーレント積分時間を設定し、インコヒーレント積分部2に積分時間を指示する積分時間設定部である。
【0028】
次に動作について説明する。
図13に示すように構成されたウィンドプロファイラでは、送受信装置102で生成した電磁波を空中線101より空中に放射する。空中に放射された電磁波は大気の屈折率の粗密が散乱体となって反射される。反射された電磁波は空中線101によって受信され、送受信装置102に入力される。散乱体が上空の風と共に流れていると、受信された電磁波はドップラ効果によって周波数が変化する。この周波数の変化を一般のドップラレーダと同様に検出することにより、上空の風速を測定する。具体的には、送受信装置102によって、受信された電磁波の増幅、周波数変換、検波を行うことによりビデオ信号に変換し、それを信号処理装置103へ出力する。信号処理装置103では、そのビデオ信号に周波数解析処理を行うことにより、ドップラ周波数を算出する。さらにドップラ周波数からドップラ速度を算出する。
【0029】
以下に、実施の形態1による信号処理装置103の詳細な処理動作について説明する。
図13に示す送受信装置102から出力された受信信号のデータは、図1のFFT処理部1に入力されてフーリエ変換が施される。FFT処理部1にてフーリエ変換された受信信号のデータはインコヒーレント積分部2に入力される。インコヒーレント積分部2では、周波数毎に振幅の絶対値の二乗を計算することによってパワースペクトルを算出する。インコヒーレント積分部2はさらに、複数の時刻のデータから算出されたパワースペクトルを集めてそれを積分する。なお、積分処理において積算する時間方向のデータ数は、積分時間設定部5において高度毎に設定された積分時間によって定める。
【0030】
インコヒーレント積分後のパワースペクトルはインコヒーレント積分部2よりドップラ速度算出部3に入力される。ドップラ速度算出部3では、インコヒーレント積分後の安定化されたパワースペクトルから信号スペクトルのピークを検出して、その中心ドップラ周波数から平均ドップラ周波数を算出し、さらに、そのドップラ周波数をドップラ速度に変換することにより、ターゲットである大気乱流の視線方向速度を算出する。
【0031】
ただし、ドップラレーダで直接計測される風速は、実際の風速の視線方向への射影成分のみとなる。そこで、レーダ上空のある一定領域の風速分布が一様であると仮定して、レーダの観測方向を複数方向に変えて測定を行い、風速ベクトル算出装置104でそれを3次元の風速ベクトルに合成する。
【0032】
この3次元風速ベクトルの算出原理を図2を用いて説明する。図2(a)はウィンドプロファイラにおけるビーム方向の例である。この例では天頂、および東、西、南、北の計5つの方向にビームを向けて観測している。天頂方向以外のビームの天頂角は、例えば10度程度に設定される。なお、3次元風速ベクトルは東西方向成分、南北方向成分、鉛直方向成分に分けることができる。鉛直方向成分は天頂方向に指向したビーム(以下天頂ビームという)で得られるドップラ速度そのものとなる。東西方向成分は東方向に指向したビーム(以下東ビームといい、他の方角についても同様とする)のドップラ速度と西ビームのドップラ速度を用いて求めることができる。
【0033】
図2(b)は、東西方向に水平に風が吹いている場合に、東ビームと西ビームでどのようなドップラ速度が観測されるかを示したものである。図示のように、西から東に風が吹いている場合、西ビームでは近づく方向のドップラ速度が観測され、東ビームでは遠ざかる方向のドップラ速度が観測される。このように、異なるビーム方向で同一の風を観測すると、異なるドップラ速度が得られる。従って、ビーム間のドップラ速度の差異から水平風成分を算出することが可能となる。同様にして、北ビームと南ビームを用いれば、風速の南北方向成分を算出することができる。
【0034】
なお、図3はウィンドプロファイラで観測される受信信号のデータのパワースペクトルを模式的に示した説明図である。SN比が高い場合には、信号スペクトルのピークを容易に検出することができるが、SN比が小さくなると、信号スペクトルのピーク値が低くなり、雑音のゆらぎと識別しずらくなる。インコヒーレント積分部2による積分は、雑音および信号の統計的なゆらぎを小さくする効果がある。そのため、積分時間設定部5によってインコヒーレント積分時間を長くすれば、図3に示した雑音電力密度の標準偏差が小さくなり、SN比が小さく、信号スペクトルのピーク値が低い場合にも、信号スペクトルのピークを検出することが可能となる。
【0035】
ドップラ速度算出部3はこのようにしてパワースペクトルから大気乱流エコーのピークを検出し、その中心ドップラ周波数から、大気乱流エコーのドップラ速度、すなわち視線方向風速を求める。ドップラ速度算出部3から出力された視線方向風速は品質管理・時間平均処理部4において低品質なデータを除去した後、時間平均処理が施されて風速ベクトル算出装置104へと出力される。風速ベクトル算出装置104では、異なるビーム方向で観測したデータを合成することによって3次元風速ベクトルを算出する。この風速ベクトル算出装置104の計算結果は、表示・記録装置105に送られて表示あるいは記録される。
【0036】
積分時間設定部5では、高度毎に最適となるインコヒーレント積分時間を設定する。低高度の範囲ではレーダとターゲットの距離が近いこと、および大気濃度が濃いため、大気乱流による電磁波の反射率が高い。そのため、比較的高いSN比の受信信号が観測される。よって、インコヒーレント積分時間が短くても、パワースペクトルから信号スペクトルを容易に検出することができる。また、低高度の風は地表面の影響を受け易く、風向・風速の時間変化が短時間で生じる。そのため、3次元風速ベクトルの測定は高い時間分解能で行うことが望ましい。インコヒーレント積分後に時間平均処理を行う場合においても、地表面の影響を受けてある時刻のみに特異な風が生じた場合においても、高い時間分解能で風速ベクトルを求めておけば、特異な風速を品質管理処理によって除去し、卓越する傾向の風速ベクトルデータのみを用いて平均風速を求めることができる。
【0037】
一方、高高度の範囲ではレーダとターゲットの距離が大きいこと、および大気濃度が薄くなって大気乱流の電磁波反射率が急激に減少することにより、受信信号のSN比は低くなることが多い。従って、信号スペクトルを正確に検出するためには、インコヒーレント積分数を多くしてパワースペクトルのゆらぎを小さくする必要がある。また、高高度では、風が地表面の影響をあまり受けないことから、風速ベクトルの時間変化は小さい。そのことから、風速ベクトル算出の時間分解能は低高度の場合より低くてもあまり問題とならない。
【0038】
以上のことから、インコヒーレント積分時間を、低高度で短く、高高度で長くすることが、一般的には適切な信号処理方法となると考えられる。典型的な例を図4に示す。この図では、インコヒーレント積分時間を、低高度である高度範囲1では1分、中程度の高度である高度範囲2では5分、高高度である高度範囲3では10分とすることを示している。
【0039】
以下、このような信号処理装置103の動作について、図5に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
まずデータ読込みステップST1において、送受信装置102からの受信信号のデータを信号処理装置103に入力する。信号処理装置103ではその入力された受信信号のデータに対して、フーリエ変換ステップ(以下FFTステップという)ST2において高速フーリエ変換を施す。次に積分時間設定ステップST3に進み、高度毎のインコヒーレント積分時間を設定する。次にインコヒーレント積分ステップST4において、FFTステップST2で得られた受信信号のデータのフーリエ変換からパワースペクトルを算出し、積分時間設定ステップST3で設定されたインコヒーレント積分時間だけ、インコヒーレント積分を実施する。
【0040】
次にドップラ速度算出ステップST5において、インコヒーレント積分ステップST4で算出されたインコヒーレント積分後のパワースペクトルから信号スペクトルを検出し、そのドップラ周波数からドップラ速度を算出する。その後、処理対象となっている時刻のデータについて、全高度のデータが処理されたか否かを、全高度処理終了判定ステップST6において判定する。判定の結果、全高度についての処理が済んでいなければ、高度更新ステップST7に進んで、処理対象となる高度を次の高度に更新した後、処理を積分時間設定ステップST3に戻す。一方、全高度についての処理が済んでいれば、時刻更新ステップST8において処理対象となる時刻を次の時刻に進めるとともに、処理対象となる高度を初期化して、処理をデータ読込みステップST1に戻す。
【0041】
なお、品質管理・時間平均処理部4では品質管理処理および時間平均処理を実施する。この品質管理処理は品質が劣化したと判断されるデータを除去するための処理であり、ある時間・空間範囲でのデータの連続性を仮定することにより、不連続なデータを除去して品質の高いデータのみを残している。
【0042】
この品質管理・時間平均処理部4で不連続なデータを除去する際、従来の品質管理処理では、データが全ての高度で同じ時間分解能で得られるということを前提にしているか、もしくは全ての高度で同じ時間分解能であることが望ましい処理方式となっていることがある。そのような場合、品質管理・時間平均処理部4において、入力されたドップラ速度データに補間処理を行うことも有効であると考えられる。
【0043】
このようなデータ補間処理が行われる、この発明の実施の形態1におけるウィンドプロファイラの信号処理装置の構成例を図6に示す。図において、6はドップラ速度算出部3より入力されたドップラ速度データに補間処理を施し、品質管理・時間平均処理部4に出力するデータ補間処理部である。
【0044】
このデータ補間処理部6では、全高度範囲のうち、最も時間分解能の高い高度における時間分解能と同一の時間分解能となるように、他の高度において時間方向にデータ補間を行う。例えば、インコヒーレント積分時間を長くしたことによって、品質管理処理を行う時間範囲に時間方向に一つのデータしか存在しない場合には、全補間点で同一の風速値を仮定すればよい。
【0045】
以上のように、この実施の形態1によれば、高度毎にインコヒーレント積分時間の設定を行っているので、高度毎のターゲットの性質に応じて、適切な時間分解能で、かつ検出精度の高い信号処理を実現することができるという効果が得られる。
【0046】
また、インコヒーレント積分時間を、低高度では短く、高高度では長く設定しているので、地表面に近い低高度では高い時間分解能で風速ベクトルを測定するとともに、SN比が低下する高高度でも検出精度を高めることが可能になるという効果も得られる。
【0047】
さらに、データ補間処理を組合せることにより、高度毎にインコヒーレント積分時間が異なる場合にも、出力されるドップラ速度の時間分解能は高度によらず一定となるという効果も得られる。
【0048】
なお、全高度において同じ時間間隔でドップラ速度データ、あるいは風速データが得られれば、数値気象予測の初期値として風速データを利用することをはじめとする風速データの2次利用において、データを利用しやすい形で出力することが可能になるという効果が得られる。
【0049】
実施の形態2.
ここで、大気の状態は天候によって変化するため、最適なインコヒーレント積分時間は時間とともに変化する。上記実施の形態1では、高度毎にインコヒーレント積分時間をあらかじめ定めるものについて説明したが、大気の状態によって適応的に高度毎にインコヒーレント積分時間を設定するようにしてもよい。この実施の形態2は、そのような大気の状態によって適応的に高度毎にインコヒーレント積分時間を設定する、ウィンドプロファイラにおける信号処理装置および信号処理方法に関するものである。
【0050】
図7はこの発明の実施の形態2による、そのようなウィンドプロファイラの信号処理装置を示すブロック図である。図において、103は信号処理装置、1はFFT処理部、2はインコヒーレント積分部、3はドップラ速度算出部、4は品質管理・時間平均処理部、5は積分時間設定部であり、これらは図1に同一符号を付したものと同等のものであるため、詳細な説明は省略する。また、7はドップラ速度算出部3の出力するドップラ速度データを入力してデータ取得率を算出し、それを積分時間設定部5に入力するデータ取得率算出部である。なお、積分時間設定部5は、データ取得率算出部7で算出されたデータ取得率をもとにインコヒーレント積分時間を設定している点で、図1に同一符号を付したものとは異なっている。
【0051】
次に動作について説明する。
ここで、この図7に示す構成の信号処理装置103において、FFT処理部1による受信信号のデータのフーリエ変換、インコヒーレント積分部2によるインコヒーレント積分、ドップラ速度算出部3による信号スペクトルの検出およびドップラ速度算出、品質管理・時間平均処理部4によるドップラ速度の時間平均の各処理については、図1に示した実施の形態1の場合と同様の動作となる。なお、この実施の形態2において特徴的であるのは、データ取得率算出部7の算出したデータ取得率をもとに、積分時間設定部5がインコヒーレント積分時間を設定することにある。
【0052】
ドップラ速度算出部3の算出した各高度、各ビームでのドップラ速度は、品質管理・時間平均処理部4とともに、データ取得率算出部7にも入力される。このドップラ速度算出部3で得られたドップラ速度は、SN比の低下などにより信号スペクトルが検出されなかった場合には、その高度およびビームのドップラ速度は欠損となる。データ取得率算出部7では、このドップラ速度算出部3からのドップラ速度データより、全データに対する欠損でないデータの比率をデータ取得率として算出する。なお、このデータ取得率は各高度、各ビーム毎に、複数の時刻のデータから算出することができる。
【0053】
また、一つの時刻のデータからデータ取得率を算出するために、観測高度範囲をいくつかの高度範囲に分割し、その高度範囲内のデータからデータ取得率を算出するようにしてもよい。その場合、データ取得率算出部7であらかじめ分割された高度範囲毎のデータ取得率を算出し、その高度範囲毎のデータ取得率をもとに、積分時間設定部5にてあらかじめ分割された高度範囲毎のインコヒーレント積分時間の設定を行う。
【0054】
データ取得率算出部7で算出されたデータ取得率は、積分時間設定部5に入力される。積分時間設定部5では、あらかじめ設定したしきい値よりも取得率が低くなる高度においてインコヒーレント積分時間を増加させ、標準値よりも大きくなるようにする。データ取得率に対するしきい値は全高度で同じでもよいし、あるいは高度によって異なるしきい値を用いてもよい。
【0055】
以下、このような信号処理装置103の動作について、図8に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
まずデータ読込みステップST10にて、送受信装置102の出力する受信信号のデータを信号処理装置103に入力し、FFTステップST11においてその入力された受信信号のデータに対して高速フーリエ変換を施す。次に積分時間初期値設定ステップST12に進み、インコヒーレント積分時間の初期値の設定を行う。次にインコヒーレント積分ステップST13にて、FFTステップST11で得られたフーリエ変換された受信信号のデータからパワースペクトルを算出し、積分時間初期値設定ステップST12において設定されたインコヒーレント積分時間だけ、インコヒーレント積分を実施する。
【0056】
次にドップラ速度算出ステップST14において、上記インコヒーレント積分ステップST13で算出されたインコヒーレント積分後のパワースペクトルから信号スペクトルを検出し、そのドップラ周波数からドップラ速度を算出する。次にデータ取得率算出ステップST15に進み、上記ドップラ速度算出ステップST14にて算出されたドップラ速度から、現在処理対象となっている高度のデータ取得率を算出する。その後、データ取得率判定ステップST16において、上記データ取得率算出ステップST15にて算出されたデータ取得率をあらかじめ定めたしきい値と比較する。
【0057】
比較の結果、ドップラ速度のデータ取得率がしきい値を下回る場合には積分時間判定ステップST17へ進み、しきい値以上のデータ取得率でドップラ速度が得られている場合には、後述する全高度処理終了判定ステップST19に進む。積分時間判定ステップST17では、現時点のインコヒーレント積分時間があらかじめ定められたインコヒーレント積分時間(上限)を超えているか否かを識別し、現時点のインコヒーレント積分時間が上限を超えている場合には後述する全高度処理終了判定ステップST19に進み、それ以外の場合には積分時間増加ステップST18に進む。この積分時間増加ステップST18ではインコヒーレント積分時間の設定を増加させた後、インコヒーレント積分ステップST13に処理を戻す。
【0058】
また、上記全高度処理終了判定ステップST19では、処理対象となっている時刻のデータについて、全高度のデータが処理されたか否かについて判定する。判定の結果、全高度についての処理が済んでいなければ、高度更新ステップST20に進んで、処理対象となる高度を次の高度へと更新し、処理を積分時間初期値設定ステップST12に戻す。一方、全高度についての処理が済んでいれば、時刻更新ステップST21において処理対象となる時刻を次の時刻に進めるとともに、処理対象となる高度を初期化して、処理をデータ読込みステップST10に戻す。
【0059】
以上の処理ステップについて、データ数や積分時間をもう少し具体的に記述することにより補足する。
データ読込みステップST10において入力される受信信号のデータは、インコヒーレント積分時間の上限と等しい時間分のデータ量を有している。ここで、このインコヒーレント積分時間の上限をTmaxとする。また、FFTステップST11にて、各高度において、時間方向にFFT点数で区切られたデータに対してフーリエ変換を施す。次に積分時間初期値設定ステップST12にてインコヒーレント積分時間の最小値となるインコヒーレント積分時間の初期値を設定する。
【0060】
次にインコヒーレント積分ステップST13では、フーリエ変換されたデータをインコヒーレント積分時間毎にまとめ、インコヒーレント積分を行う。今、インコヒーレント積分時間がTiであるとすると、1つの高度に対してTmax/Ti個のインコヒーレント積分後のパワースペクトルが得られる。それぞれのパワースペクトルから信号スペクトルピークを検出し、ドップラ速度算出ステップST14にてそのドップラ速度を算出する。この時点で最大Tmax/Ti個のドップラ速度が算出される。ただし、SN比が低い場合などには、信号スペクトルが検出できない場合があるため、実際に得られるドップラ速度はTmax/Ti個よりも小さい。
【0061】
そこで、データ取得率算出ステップST15において、現在注目している高度のデータ取得率を算出する。次にデータ取得率判定ステップST16でそのデータ取得率をしきい値と比較し、データ取得率があらかじめ設定したしきい値よりも大きければ、全高度処理終了判定ステップST19に進む。逆にデータ取得率がしきい値よりも小さければ、積分時間判定ステップST17において、現時点のインコヒーレント積分時間が上限を超えていないことを確認する。上限を超えていないことが確認されれば、積分時間増加ステップST18にてインコヒーレント積分時間を増加させて、再度インコヒーレント積分ステップST13に戻ってインコヒーレント積分からの処理を繰り返す。以降、このインコヒーレント積分ステップST13から積分時間増加ステップST18までの処理を、処理中の高度のデータ取得率がしきい値を超えるか、あるいはインコヒーレント積分時間が上限を超えるまで繰り返す。
【0062】
以上、1高度毎にデータ取得率を算出する場合についての処理フローを説明したが、高度範囲毎にデータ取得率を算出する場合には、FFTステップST11から積分時間増加ステップST18までの処理を1つの高度範囲毎に実施し、高度更新ステップST20で高度範囲の単位で高度の更新を行うことになる。この場合、高度範囲毎にインコヒーレント積分時間の修正処理を行っているため、1高度毎にインコヒーレント積分時間を設定するのに比べて処理が簡略化され、信号処理の負荷を小さくすることができる。
【0063】
なお、上記実施の形態2の説明では、データ取得率の算出を、ドップラ速度算出部3から出力されたドップラ速度データを用いて行っているものについて示したが、品質管理・時間平均処理部4から出力された時間平均後のドップラ速度をデータ取得率算出部7に入力して、データ取得率を算出するようにしてもよい。図9のブロック図にはそのような構成によるウィンドプロファイラにおける信号処理装置を示す。この場合、データ取得率算出部7へのデータ入力が、ドップラ速度算出部3からではなく、品質管理・時間平均処理部4から行われているだけで、その他は図7と同一である。
【0064】
また、この実施の形態2においても、上記実施の形態1の場合と同様に、ドップラ速度算出部3と品質管理・時間平均処理部4との間にデータ補間処理部6を設け、ドップラ速度算出部3より入力されたドップラ速度データに補間処理を施して、品質管理・時間平均処理部4に高度によらず一定の時間分解能のドップラ速度を出力するようにしてもよい。
【0065】
以上のように、この実施の形態2によれば、気象状況の変化によってデータ取得率が変化した場合にも、適切なインコヒーレント積分時間を適応的に設定することが可能になるため、信号処理の性能を常に最適な状態に保つことができ、また、上空風の特性が観測地によって異なっても、この実施の形態2では自動的にインコヒーレント積分時間を設定しているため、設置時の信号処理設定が容易になるなどの効果が得られる。
【0066】
実施の形態3.
なお、上記各実施の形態では、高度毎にインコヒーレント積分時間が異なるため、最終的に得られる風速データの時間間隔は高度によってまちまちになることがあるが、気象予測のためなどにデータを利用する際は、全高度において同じ時間間隔で風速データが得られる方が便利なことが多いと考えられる。そのため、最終的に全ての高度で同じ時間間隔で風速データが出力されるように、インコヒーレント積分後のデータの時間分解能の差を、時間平均を行う際の時間平均数の差によって吸収することも考えられる。この実施の形態3は、そのようなウィンドプロファイラにおける信号処理装置に関するものである。
【0067】
図10はこの発明の実施の形態3による、そのようなウィンドプロファイラの信号処理装置を示すブロック図であり、実施の形態2の各部に相当する部分には図7と同一符号を付してその説明を省略する。図において、8は積分時間設定部5から出力される各高度におけるインコヒーレント積分時間を受けて、そのインコヒーレント積分時間に反比例するデータ数を各高度の時間平均数として設定し、品質管理・時間平均処理部4に各高度の時間平均数を指示する高度毎時間平均数設定部である。
【0068】
次に動作について説明する。
ここで、この図10に示した信号処理装置103における、FFT処理部1による受信信号のデータのフーリエ変換、インコヒーレント積分部2によるインコヒーレント積分、ドップラ速度算出部3による信号スペクトルの検出およびドップラ速度算出、データ取得率算出部7によるデータ取得率の算出、および積分時間設定部5による高度毎のインコヒーレント積分時間の設定の各処理については、図7に示した実施の形態2と同一の動作となる。この実施の形態3で特徴的なのは、データを平均する時間が高度によらず一定となるように、インコヒーレント積分時間に反比例する数のデータを用いて時間平均処理を行うようにしたことにある。
【0069】
データ取得率算出部7ではドップラ速度算出部3からのドップラ速度データよりデータ取得率を算出し、積分時間設定部5に入力する。積分時間設定部5はこのデータ取得率算出部7の算出したデータ取得率をもとに、各高度範囲のインコヒーレント積分時間を設定する。この積分時間設定部5から出力される各高度におけるインコヒーレント積分時間はインコヒーレント積分部2とともに、高度毎時間平均数設定部8にも入力される。高度毎時間平均数設定部8では入力されたインコヒーレント積分時間に反比例するデータ数を各高度の時間平均数に設定する。品質管理・時間平均処理部4はこの時間平均数を用いて時間平均処理を行う。その結果、品質管理・時間平均処理部4から出力されるドップラ速度データは高度によらず同じ時間間隔で出力される。
【0070】
なお、上記実施の形態3の説明では、ドップラ速度算出部3から出力されたドップラ速度データを用いてデータ取得率を算出しているものを示したが、品質管理・時間平均処理部4から出力された時間平均後のドップラ速度をデータ取得率算出部7に入力して、データ取得率を算出するようにしてもよい。図11のブロック図にはそのような構成によるウィンドプロファイラにおける信号処理装置を示す。この場合、データ取得率算出部7へのデータ入力を、ドップラ速度算出部3に代えて品質管理・時間平均処理部4から行っているだけで、その他は図10と同一である。
【0071】
また、この実施の形態3においても、上記各実施の形態の場合と同様に、ドップラ速度算出部3と品質管理・時間平均処理部4との間にデータ補間処理部6を設け、ドップラ速度算出部3より入力されたドップラ速度データに補間処理を施して、品質管理・時間平均処理部4に高度によらず一定の時間分解能のドップラ速度を出力するようにしてもよい。
【0072】
以上のように、この実施の形態3によれば、高度毎時間平均数設定部8より品質管理・時間平均処理部4に、各高度の時間平均数を指示しているので、全高度において同じ時間間隔でドップラ速度データあるいは風速データを得ることができるため、数値気象予測の初期値として風速データを利用することをはじめとする風速データの2次利用において、データを利用しやすい形で出力することが可能になるという効果が得られる。
【0073】
実施の形態4.
また、上記実施の形態3では、ドップラ速度データが高度によらず同じ時間間隔で出力されるものについて説明したが、この発明はそれにのみ限定されるものではない。以下、図12を用いてそのようなこの発明の実施の形態4について説明する。
【0074】
図12はこの発明の実施の形態4におけるインコヒーレント積分の時間範囲の更新方法を示す説明図である。この図12では、低高度でインコヒーレント積分時間が短く、高高度でインコヒーレント積分が長く設定されている状況を想定している。高高度ではインコヒーレント積分の時間範囲を更新する際に、前後の時間帯のインコヒーレント積分において、インコヒーレント積分時間範囲が重なるようにし、低高度と同じ時間間隔で更新されるようにしている。これにより、高度によってインコヒーレント積分時間が異なっていても、出力されるドップラ速度の時間間隔は高度に依存しなくなる。
【0075】
以上のように、この実施の形態4によれば、インコヒーレント積分における時間方向の積分範囲の更新幅を、インコヒーレント積分時間によらず一定としているので、インコヒーレント積分部2から出力されるインコヒーレント積分後のデータの時間分解能を、高度によらず一定とすることが可能になるという効果が得られる。
【0076】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、入力された受信信号のデータにFFT処理部でフーリエ変換を施して、積分時間設定部で高度毎に最適なインコヒーレント積分時間を設定し、そのフーリエ変換されたデータから、インコヒーレント積分部においてパワースペクトルを算出するとともに、設定されたインコヒーレント積分時間だけパワースペクトルを時間積分し、ドップラ速度算出部で、そのパワースペクトルから信号スペクトルのピークを検出して、そのドップラ周波数から大気の視線方向速度を算出し、品質管理・時間平均処理部にて、低品質のドップラ速度のデータを取り除くとともに時間平均を行うことによって、風速の測定を行うように構成したので、高度毎にインコヒーレント積分時間が設定され、高度毎のターゲットの性質に応じた適切な時間分解能で、高い検出性能の信号処理を実現することができる、ウィンドプロファイラにおける信号処理装置が得られるという効果がある。
【0077】
この発明によれば、低高度におけるインコヒーレント積分時間を短くし、高高度におけるインコヒーレント積分時間を長く設定するように構成したので、地表面に近い低高度では高い時間分解能で風速ベクトルを測定することが可能になるとともに、SN比が低下する高高度でも高いデータ取得率を維持することができるという効果がある。
【0078】
この発明によれば、データ取得率算出部がドップラ速度算出部の出力するドップラ速度データより算出したデータ取得率に応じて、積分時間設定部がインコヒーレント積分時間を設定するように構成したので、データ取得率の低い高度においてはインコヒーレント積分時間を増加させることにより、気象状況の変化によってデータ取得率が変化した場合にも、適切なインコヒーレント積分時間を適応的に設定することができるため、信号処理の性能を常に最適な状態に保つことが可能となり、また、上空風の特性が観測地によって異なっても、自動的にインコヒーレント積分時間を設定するため、設置時の信号処理設定が容易になるなどの効果がある。
【0079】
この発明によれば、データ取得率算出部が品質管理・時間平均処理部の出力するドップラ速度データより算出したデータ取得率に応じて、積分時間設定部がインコヒーレント積分時間を設定するように構成したので、データ取得率の低い高度においてはインコヒーレント積分時間を増加させることにより、気象状況の変化によってデータ取得率が変化した場合にも、適切なインコヒーレント積分時間を適応的に設定することができるため、信号処理の性能を常に最適な状態に保つことが可能となり、また、上空風の特性が観測地によって異っても、自動的にインコヒーレント積分時間を設定するため、設置時の信号処理設定が容易になるなどの効果がある。
【0080】
この発明によれば、データ取得率算出部の算出した高度毎のデータ取得率をもとに、積分時間設定部が各高度のインコヒーレント積分時間を設定するように構成したので、その高度のインコヒーレント積分時間をより的確に設定することができるという効果がある。
【0081】
この発明によれば、データ取得率算出部からのあらかじめ分割された高度範囲毎のデータ取得率をもとに、積分時間設定部があらかじめ分割された高度範囲毎のインコヒーレント積分時間を設定するように構成したので、各高度毎にインコヒーレント積分時間を設定するよりも処理が簡略化され、インコヒーレント積分時間決定に要する処理負荷を低減することができるという効果がある。
【0082】
この発明によれば、インコヒーレント積分時間が長く設定された高度では、データ補間処理部で時間方向にデータを補間し、ドップラ速度を高度によらず一定の時間分解能で品質管理・時間平均処理部に出力するように構成したので、全高度において同じ時間間隔で、ドップラ速度データあるいは風速データを得ることとができ、数値気象予測の初期値として風速データを利用する場合など、風速データを2次利用する際に利用しやすい形でデータ出力することが可能になるという効果がある。
【0083】
この発明によれば、品質管理・時間平均処理部による時間平均処理を、インコヒーレント積分時間に反比例するデータ数を用いて行い、データの時間分解能が高度によらず一定となるドップラ速度を出力するように構成したので、全高度において同じ時間間隔で、ドップラ速度データあるいは風速データを得ることができ、数値気象予測の初期値として風速データを利用する場合など、風速データを2次利用する際に、利用しやすい形でデータを出力することが可能となるという効果がある。
【0084】
この発明によれば、インコヒーレント積分における時間方向の積分範囲の更新幅を、インコヒーレント積分時間によらず一定とし、インコヒーレント積分部が出力する積分後のデータの時間分解能を、高度によらず一定となるように構成したので、全高度において同じ時間間隔で、ドップラ速度データあるいは風速データを得ることができ、数値気象予測の初期値として風速データを利用する場合などに、風速データを2次利用しやすい形で出力することが可能になるという効果がある。
【0085】
この発明によれば、受信信号のデータを読込むデータ読込みステップと、受信信号のデータにフーリエ変換を施すFFTステップと、高度毎のインコヒーレント積分時間を設定する積分時間設定ステップと、受信信号のデータのフーリエ変換からパワースペクトルを算出し、設定されたインコヒーレント積分時間だけインコヒーレント積分を実施するインコヒーレント積分ステップと、インコヒーレント積分後のパワースペクトルから信号スペクトルを検出し、そのドップラ周波数からドップラ速度を算出するドップラ速度算出ステップと、処理対象となっている時刻のデータについて、全高度のデータが処理されたか否かを判定する全高度処理終了判定ステップと、処理が未終了の場合に処理対象となる高度を次の高度へと更新し、積分時間設定ステップに戻る高度更新ステップと、処理が終了している場合に処理対象となる時刻を次の時刻に進めるとともに、処理対象となる高度を初期化し、データ読込みステップに戻る時刻更新ステップとからなる信号処理方法により、高度毎にインコヒーレント積分時間を設定するように構成したので、高度毎のターゲットの性質に応じて適切な時間分解能で、かつ高い検出性能の信号処理を実現できるウィンドプロファイラにおける信号処理方法が得られるという効果がある。
【0086】
この発明によれば、受信信号のデータを読込むデータ読込みステップと、受信信号のデータにフーリエ変換を施すFFTステップと、インコヒーレント積分時間の初期値を設定する積分時間初期値設定ステップと、受信信号のデータのフーリエ変換からパワースペクトルを算出し、設定されたインコヒーレント積分時間だけインコヒーレント積分を実施するインコヒーレント積分ステップと、インコヒーレント積分後のパワースペクトルから信号スペクトルを検出し、そのドップラ周波数からドップラ速度を算出するドップラ速度算出ステップと、算出されたドップラ速度から、現在処理対象となっている高度のデータ取得率を算出するデータ取得率算出ステップと、算出されたデータ取得率をあらかじめ定めたしきい値と比較するデータ取得率判定ステップと、データ取得率がしきい値未満のとき、現時点のインコヒーレント積分時間とあらかじめ定められたインコヒーレント積分時間を比較する積分時間判定ステップと、現時点のインコヒーレント積分時間があらかじめ定められたインコヒーレント積分時間未満の場合に、インコヒーレント積分時間の設定を増加させて、インコヒーレント積分ステップに戻る積分時間増加ステップと、データ取得率がしきい値以上の場合、あるいは現時点のインコヒーレント積分時間があらかじめ定められたインコヒーレント積分時間以上の場合に、処理対象となっている時刻のデータについて、全高度のデータが処理されたか否かを判定する全高度処理終了判定ステップと、処理が未終了の場合に処理対象となる高度を次の高度へと更新し、積分時間初期値設定ステップに戻る高度更新ステップと、処理が終了している場合に処理対象となる時刻を次の時刻に進めるとともに、処理対象となる高度を初期化し、データ読込みステップに戻る時刻更新ステップとからなる信号処理方法により、高度毎にインコヒーレント積分時間を設定するように構成したので、気象状況の変化によってデータ取得率が変化した場合にも、適切なインコヒーレント積分時間を適応的に設定することができるため、信号処理の性能を常に最適な状態に保つことが可能となり、また、上空風の特性が観測地によって異なっても、自動的にインコヒーレント積分時間を設定するため、設置時の信号処理設定が容易となるウィンドプロファイラにおける信号処理方法が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1のウィンドプロファイラにおける信号処理装置を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1における風速ベクトル算出の原理を示す説明図である。
【図3】実施の形態1における大気乱流エコーの検出の原理を示す説明図である。
【図4】実施の形態1における信号処理装置で出力される速度データが高度によって異なる時間分解能を持つことを示す説明図である。
【図5】実施の形態1のウィンドプロファイラにおける信号処理方法を記すフローチャートである。
【図6】実施の形態1における信号処理装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態2のウィンドプロファイラにおける信号処理装置を示すブロック図。
【図8】実施の形態2のウィンドプロファイラにおける信号処理方法を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態2における信号処理装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態3のウィンドプロファイラにおける信号処理装置を示すブロック図である。
【図11】実施の形態3における信号処理装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態4におけるインコヒーレント積分の時間範囲の更新方法を示す説明図である。
【図13】この発明および従来の信号処理装置および信号処理方法が適用される、一般的なウィンドプロファイラを示すブロック図である。
【図14】従来のウィンドプロファイラにおける信号処理装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 FFT処理部、2 インコヒーレント積分部、3 ドップラ速度算出部、4 品質管理・時間平均処理部、5 積分時間設定部、6 データ補間処理部、7 データ取得率算出部、8 高度毎時間平均数設定部、101 空中線、102 送受信装置、103 信号処理装置、104 風速ベクトル算出装置、105 表示・記録装置。
Claims (11)
- 空間に電磁波を放射し、大気で反射された前記電磁波を受信して、そのドップラ周波数から風速を測定するウィンドプロファイラにおける信号処理装置において、
受信した前記電磁波による受信信号のデータにフーリエ変換を施すフーリエ変換処理部と、
前記フーリエ変換処理部でフーリエ変換された受信信号のデータからパワースペクトルを算出するとともに、複数の時刻で得られるパワースペクトルを、入力されたインコヒーレント積分時間だけ時間積分するインコヒーレント積分部と、
前記パワースペクトルを時間積分する際の最適なインコヒーレント積分時間を高度に応じて設定し、それを前記インコヒーレント積分部に入力する積分時間設定部と、
前記インコヒーレント積分部で出力されたパワースペクトルから信号スペクトルのピークを検出し、その中心ドップラ周波数から大気の視線方向速度を算出するドップラ速度算出部と、
前記ドップラ速度算出部から出力されたドップラ速度のうちの、低品質のデータを取り除くとともに時間平均を行う品質管理・時間平均処理部とを備えたことを特徴とするウィンドプロファイラにおける信号処理装置。 - 積分時間設定部が、低高度においては短いインコヒーレント積分時間を設定し、高高度においては長いインコヒーレント積分時間を設定するものであることを特徴とする請求項1記載のウィンドプロファイラにおける信号処理装置。
- ドップラ速度算出部から出力されるドップラ速度データを入力して、データ取得率を算出するデータ取得率算出部を有し、
積分時間設定部が、前記データ取得率算出部で算出されたデータ取得率に応じてインコヒーレント積分時間を設定するものであることを特徴とする請求項1記載のウィンドプロファイラにおける信号処理装置。 - 品質管理・時間平均処理部から出力されるドップラ速度データを入力して、データ取得率を算出するデータ取得率算出部を有し、
積分時間設定部が、前記データ取得率算出部で算出されたデータ取得率に応じてインコヒーレント積分時間を設定するものであることを特徴とする請求項1記載のウィンドプロファイラにおける信号処理装置。 - データ取得率算出部が各高度毎のデータ取得率を算出するものであり、
積分時間設定部が、前記データ取得率算出部にて算出されたデータ取得率をもとに、その高度のインコヒーレント積分時間の設定を行うものであることを特徴とする請求項3または請求項4記載のウィンドプロファイラにおける信号処理装置。 - データ取得率算出部があらかじめ分割された高度範囲毎のデータ取得率を算出するものであり、
積分時間設定部が、前記データ取得率算出部にて算出されたデータ取得率をもとに、あらかじめ分割された高度範囲毎のインコヒーレント積分時間の設定を行うものであることを特徴とする請求項3または請求項4記載のウィンドプロファイラにおける信号処理装置。 - ドップラ速度算出部から出力されたデータを入力し、インコヒーレント積分時間を長く設定した高度において時間方向にデータを補間することにより、高度によらず一定の時間分解能でドップラ速度を出力するデータ補間処理部を有し、
品質管理・時間平均処理部が、前記データ補間処理部から出力されるドップラ速度を入力するものであることを特徴とする請求項1、請求項3、あるいは請求項4のうちのいずれか1項記載のウィンドプロファイラにおける信号処理装置。 - 積分時間設定部から出力される各高度におけるインコヒーレント積分時間が入力され、そのインコヒーレント積分時間に反比例するデータ数を各高度の時間平均数として設定する高度毎時間平均数設定部を有し、
品質管理・時間平均処理部が、前記高度毎時間平均数設定部から出力される各高度の時間平均数を用いて時間平均の処理を行うことを特徴とする請求項1、請求項3、あるいは請求項4のうちのいずれか1項記載のウィンドプロファイラにおける信号処理装置。 - インコヒーレント積分部が、インコヒーレント積分を行う際に、時間方向の積分範囲の更新幅をインコヒーレント積分時間によらず一定にすることを特徴とする請求項1、請求項3、あるいは請求項4のうちのいずれか1項記載のウィンドプロファイラにおける信号処理装置。
- 空間に電磁波を放射し、大気で反射された前記電磁波を受信して、そのドップラ周波数から風速を測定するウィンドプロファイラにおける信号処理方法において、
受信信号のデータを入力するデータ読込みステップと、
前記データ読込みステップにて入力された受信信号のデータにフーリエ変換を施すフーリエ変換ステップと、
高度毎にインコヒーレント積分時間を設定する積分時間設定ステップと、
前記フーリエ変換ステップにてフーリエ変換された受信信号のデータからパワースペクトルを算出し、前記積分時間設定ステップにて設定されたインコヒーレント積分時間だけインコヒーレント積分を実施するインコヒーレント積分ステップと、
前記インコヒーレント積分ステップによるインコヒーレント積分後のパワースペクトルから信号スペクトルを検出し、そのドップラ周波数からドップラ速度を算出するドップラ速度算出ステップと、
処理対象となっている時刻のデータについて、全高度のデータが処理されたか否かを判定する全高度処理終了判定ステップと、
前記全高度処理終了判定ステップにて全高度データの処理が終了していないと判定された場合に、処理対象となる高度を次の高度へと更新し、前記積分時間設定ステップに処理を戻す高度更新ステップと、
前記全高度処理終了判定ステップにて全高度データの処理が終了したと判定された場合に、処理対象となる時刻を次の時刻に進めるとともに、処理対象となる高度を初期化し、前記データ読込みステップに処理を戻す時刻更新ステップを有することを特徴とするウィンドプロファイラにおける信号処理方法。 - 空間に電磁波を放射し、大気で反射された前記電磁波を受信して、そのドップラ周波数から風速を測定するウィンドプロファイラにおける信号処理方法において、
受信信号のデータを入力するデータ読込みステップと、
前記データ読込みステップにて入力された受信信号のデータにフーリエ変換を施すフーリエ変換ステップと、
インコヒーレント積分時間の初期値の設定を行う積分時間初期値設定ステップと、
前記フーリエ変換ステップにてフーリエ変換された受信信号のデータからパワースペクトルを算出し、前記積分時間設定ステップにて設定されたインコヒーレント積分時間だけインコヒーレント積分を実施するインコヒーレント積分ステップと、
前記インコヒーレント積分ステップによるインコヒーレント積分後のパワースペクトルから信号スペクトルを検出し、そのドップラ周波数からドップラ速度を算出するドップラ速度算出ステップと、
前記ドップラ速度算出ステップで算出されたドップラ速度から、現在処理対象となっている高度のデータ取得率を算出するデータ取得率算出ステップと、
前記データ取得率算出ステップで算出されたデータ取得率をあらかじめ定められたしきい値と比較するデータ取得率判定ステップと、
前記データ取得率判定ステップにてデータ取得率がしきい値未満と判定された場合に、現時点のインコヒーレント積分時間とあらかじめ定められたインコヒーレント積分時間とを比較する積分時間判定ステップと、
前記積分時間判定ステップにてインコヒーレント積分時間があらかじめ定められたインコヒーレント積分時間値未満と判定された場合に、インコヒーレント積分時間の設定を増加させて、処理をインコヒーレント積分ステップに戻す積分時間増加ステップと、
前記データ取得率判定ステップにてデータ取得率がしきい値以上と判定された場合、もしくは前記積分時間判定ステップにてインコヒーレント積分時間が上限値以上と判定された場合に、処理対象となっている時刻のデータについて、全高度のデータが処理されたか否かを判定する全高度処理終了判定ステップと、
前記全高度処理終了判定ステップにて全高度データの処理が終了していないと判定された場合に、処理対象となる高度を次の高度へと更新し、前記積分時間設定ステップに処理を戻す高度更新ステップと、
前記全高度処理終了判定ステップにて全高度データの処理が終了したと判定された場合に、処理対象となる時刻を次の時刻に進めるとともに、処理対象となる高度を初期化し、前記データ読込みステップに処理を戻す時刻更新ステップを有することを特徴とするウィンドプロファイラにおける信号処理方法。
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