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JP3625840B2 - 内燃機関の燃料噴射弁 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射弁 Download PDF

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Description

背景技術
本発明は請求項1の上位概念部に記載の形式の内燃機関の燃料噴射弁装置に関する。この形式の通常の燃料噴射弁装置では燃料供給通路が弁本体中において弁エレメント(ノズルニードル)のための中心軸線に同軸的に延びている案内孔に並んで中心軸線に対して傾斜して延び、かつバックテーパ状切欠きとして形成された圧力室側方に開口している。供給通路が傾斜して延びていることによって、弁本体の壁は、供給通路と案内孔との間の、圧力室内への供給通路の開口に近い部分では、僅かな壁厚しか有していない。さらに、弁本体の、圧力室を取り囲んでいる壁は燃料の分配のために必要な幅によって壁厚及び強度が最も小さくなっている。噴射圧が400バールまでは公知の燃料噴射弁では言うにたる障害は発生しない。しかし、今日の直接噴射式内燃機関においてほぼ1800バールまで達するより高い噴射圧では、案内孔と圧力室の供給通路との間の中間壁(楔形部分)の端部が破損することがあり、該破損は時間の経過と共に進行して燃料噴射弁の弁本体の破壊を生じることがある。殊にこのような破損は、弁本体が締めナットによって弁保持体に締め付けられかつ噴射弁自体が締めナットで内燃機関のケーシング内の対応ストッパに対して押圧されることによる静的応力と結び付いた高い動力学的な内部圧力の負荷に起因するものである。高圧ポンプと直接組み合わされた燃料噴射弁、所謂ポンプノズルではさらに、圧力惹起時にポンプの軸方向のケーシング圧力が保持体を介して弁本体へ伝達される。
圧力室の範囲における弁本体の破損の危険を避けるために、圧力室を取り囲む壁の璧厚の減少をできるだけ少なくすることが公知になっている。この目的で、圧力室の円形の拡張室の代わりに供給通路の開口範囲だけに偏心的な切欠きが配置され(US−PS3511442号明細書)、その結果供給通路が出来るだけ急勾配で傾斜して延びているように形成されている。さらに、供給通路を圧力室の高さまで案内孔に対して平行に形成し、この部位から、半径方向又は僅かな傾斜の又は湾曲した接続通路によって、比較的狭く形成した圧力室に接続することが公知になっている(EP−A−425236,EP−A−363142号明細書)。しかしこのような接続通路の製作は複雑でありかつ極めて高い経費を必要とする。
DE−OS4142430号明細書によればさらに、弁本体を軸方向で弁保持体に対して締め付ける締めナットの環状肩の、弁保持体側とは反対側の端部を円錐形に形成した燃料噴射弁が公知になっている。しかしこの公知の燃料噴射弁の場合も、燃料噴射弁全体が内燃機関のケーシング内において緊締されることによって、軸方向の負荷に基いて締めナットの拡張を生じることがあり、その結果締めナットから圧力室に向かってかけられる、弁本体壁を安全に確保すべき圧力が著しく減少するという欠点を有している。
発明の効果
請求項1記載の特徴を有する本発明の内燃機関の燃料噴射弁装置は従来技術に対して、圧力室内の圧力が極めて高圧(ほぼ1800バール)である場合にも弁本体の破損を確実に避けることができる利点を有している。このことは、有利な形式では、締めナットと弁本体との間及び内燃機関ケーシングと締めナットとの間の2つの円錐形に形成された力伝達面を組み合わせることによって達成され、この組み合わせにより、保持体に対して弁本体を締め付けるさいの締めナットの緊締力並びに内燃機関のケーシング内への噴射弁の締め込みのさいの締め込み力が弁本体に対して一緒に、それも、高い燃料圧力下にあるる圧力室の圧力に抗して、特に供給通路の入口における先細になっている楔形部分に逆向きに、作用する。
この場合殊に締めナット及び内燃機関内の対応ストッパ面の当接支持面が円錐形に形成されていることによって、燃料噴射弁にかかる締付力の大部分が半径方向の力成分に変換され、該半径方向力が楔形部分における弁本体の円錐形の環状段部に直接に伝達され、かつ、問題の範囲において極めて高い動力学的圧力負荷に基づいて生じる可能性がある弁本体の据え込み変形に抗して逆向きに作用する。このような形式で、圧力室から生じる合成された力成分が、負荷される締め力によって効果的に補償され、その結果弁本体の破損の危険性が著しく減少し、運転圧力が高い場合にも燃料噴射弁全体の耐用寿命は著しく高められる。
さらに、締めナットと内燃機関ケーシングとの当接支持面が円錐形に形成されていることによって、締め込み力に基づく締めナットの拡開に抗する作用が生じる。
この場合、申し分のない力の伝達のためには、円錐面が一様な傾斜角度を有する一様な円錐面として形成されることが有利であるが、上記の作用効果は非一様に形成された、例えば湾曲した移行面によってもえられる。弁本体に対する特に良好な力の伝達は、円錐面の傾斜角度がほぼ10゜〜60゜、有利には30゜であるときにえられ、この場合円錐面に対する垂線は、圧力室内へ案内孔が移行する移行部における楔形部分の方向に向けられる。
本発明の装置のさらに別の利点及び有利な構成は以下の説明、図面及び請求の範囲から明らかにされる。
図面
本発明による内燃機関の燃料噴射弁の一実施例が図面に示されており以下に詳細に説明する。
第1図は内燃機関のケーシング内への燃料噴射弁の組付け位置を示す図、第2図は燃料噴射弁の燃焼室側部分の縦断面図、第3図は第2図の燃料噴射弁の一部の拡大図である。
実施例の説明
第1図は円筒形の燃料噴射弁1を示し、これは、燃料を供給されるべき内燃機関のケーシング5の受容孔3内にはめ込まれている。受容孔3はこの場合段付き孔として形成されていて、その円錐形に形成された横断面移行部が対応ストッパ7を形成する。この対応ストッパ7に対して燃料噴射弁1は同様に横断面を減少させることによって形成された円錐形の当接面9をもって締め込み装置11により軸方向に締め込まれている。締め込み装置11はこの目的で図示の実施例では燃料噴射弁1のケーシング側とは反対側の端面13に作用する締め込み皿15を有し、これはその外周に分配された複数の締めねじ17によってケーシング5にねじ固定され、従って燃料噴射弁1は内燃機関のケーシング5内の対応ストッパ7に軸方向で不動に緊締される。第2図においてその燃焼室側範囲で断面して示されている燃料噴射弁1は弁本体19を有し、該弁本体は中間ディスク21を間挿してスリーブ状の締めナット23により弁保持体25に固定されている。段付きピストン状の弁エレメント27(弁ニードル)は弁本体19の軸方向孔29内において移動可能であり、このさい弁エレメント27はその燃焼室側端部に弁シール面31を有し、該シール面で弁エレメントは弁本体19の燃焼室側球形部35内の内部に向いた弁座33と協働し、弁本体の下流側には複数の噴射孔37が配置されている。弁本体19はこの場合回転対称体として構成されており、上側の太い区分39と下側の細い区分41とを有し、下側の細い区分の燃焼室側の端部は球形部35によって閉じられている。孔29の、上側の区分39中に配置されている部分は、弁エレメント27の、横断面が大きい方の案内部分45のための案内部分43として形成されている。孔29の、下側の区分41中に延びている部分は弁エレメント27のシャフト47と共に、弁座33まで達している環状ギャップ49を形成している。弁本体19の上側の区分39内には、下側の区分41に近い、孔29の案内区分43と環状ギャップ49との間に直径が拡大したバックテーパの圧力室51が配置されており、その外側の制限壁53は有利には円弧状に形成されていて環状ギャップ49内へ移行している。
弁保持体25の袋孔55内に配置されている弁閉鎖ばね57はこの場合弁エレメント27を燃料噴射弁1の閉鎖時に閉鎖方向で弁座33に押圧している。
燃料供給のために、図示されていない高圧噴射導管に接続される供給通路59が、弁保持体25、中間ディスク21及び弁本体19の上側の太い区分39、それも該区分の上側端面から発して孔29の案内区分43の近くを通って圧力室25へ延びている。供給通路59は圧力室25に、楔形部分を形成しながら側方上側から交叉し、このさい供給通路59は案内区分43に対して、圧力室25の直径をできるだけ小さくとどめかつ開口部の横断面をできるだけ大きくするために斜めに延びている。
弁本体19の上側の区分39上に係合し雌ねじ山61で弁保持体25の雄ねじ山63にねじはめられている、キャップナットとして形成された締めナット23は内側の環状肩65を有し、該肩に弁本体19が、上側区分39から上側の細い区分41へ移る移行部にある環状段部67で支持されている。この場合環状肩65及び環状段部67は円錐形に、有利には円錐台形に、弁エレメント27の軸線に直交する半径方向平面69に対して等しい傾斜角度α(第3図)をもって、形成されている。
本発明によれば、さらに、燃料噴射弁1の、締めナット23の燃焼室側の端面に形成された当接面9及び内燃機関のケーシング5内の、受容孔3の一部を形成する、第1図に示された対応ストッパ7の面は、有利には円錐台形に形成されている。この場合、これらの円錐面の、第3図に拡大して示されている、弁エレメント17の軸線に直交する半径方向平面に対する傾斜角度βは有利には環状肩65及び環状段部67の傾斜角度αに等しい。この場合角度α若しくはβは、円錐面65、67、7、9に対する垂線が、孔29の案内区分43の圧力室51への移行部若しくは供給通路59の圧力室51内への入口開口へ向くように、設定すべきである。傾斜角度α若しくはβはこの目的で半径方向平面69に対して10゜〜60゜、有利には30゜に設定されている。
締めナット23によって弁保持体25に対して弁本体19が軸方向に締め込まれる場合及び内燃機関のケーシング5内に全燃料噴射弁1が軸方向で緊締される場合、力伝達面として作用する円錐面65、67、7、9に基いて軸方向の締め力の他にさらに半径方向力も弁本体19へ伝達され、該半径方向力は、燃料噴射弁1の圧力負荷時に、圧力室51内の内圧に基く圧力及び応力に抗する力として作用する。円錐面の角度α若しくはβによるこの反力は、特に破壊に関して殊に問題のある範囲、即ち圧力室25内への供給通路59の開口部の楔形部分に作用する。
従って本発明による燃料噴射弁1によれば、簡単な構造形式で、極めて高い運転圧時にも、圧力室の範囲における弁本体の長期間の持続的使用による破壊の危険が、壁厚を増大することなく、最小限に減少せしめられ、その結果燃焼噴射弁全体の耐用寿命を長くすることができる。

Claims (7)

  1. 内燃機関の燃料噴射弁装置であって、
    弁保持体(25)に緊締された弁本体(19)を有し、該弁本体内には、弁エレメント(27)が案内孔(29)内に軸方向に移動可能に案内されておりかつ上記案内孔(29、43)に半径方向に拡張された圧力室(51)が接続していて、該圧力室内に、案内孔(29、43)に並んで弁本体(19)中に延びている供給通路(59)が開口しており、かつ、
    締めナット(23)が設けられていて、該締めナットが内側の円錐形に形成された環状肩(65)で、弁本体(19)の、圧力室(51)の高さに配置された円錐状段部(67)に当接して該円錐状段部を弁保持体(25)に締め付けており
    内燃機関のケーシング(5)が設けられており、かつ、
    軸方向で弁保持体(25)に作用する締め込み装置(11)が設けられていて、該締め込み装置が、締めナット(23)の、弁保持体(25)側とは反対側の端面に形成された当接面(9)を内燃機関のケーシング(5)内に形成された対応ストッパ(7)に当接させることによって、燃料噴射弁を緊締する形式のものにおいて、
    締めナット(23)の当接面(9)及び内燃機関のケーシング(5)内の対応ストッパ(7)が、軸方向緊締力の他に、半径方向の緊締力成分が、圧力室(51)の高さにおける弁本体(19)へ伝達されるように、円錐形に形成されていることを特徴とする、内燃機関の燃料噴射弁。
  2. 弁本体(19)の円錐形の環状段部(6)の面、締めナット(23)の円錐形の当接面(9)及び円錐形の環状肩(65)並びにケーシング(5)の対応ストッパ(7)が、これらに対する垂線が案内孔(29、43)の、圧力室(51)内へ移行する移行部へ向かって延びるように、形成されていることを特徴とする、請求項1記載の燃料噴射弁。
  3. 弁本体(19)の円錐形の環状段部(65)、締めナット(23)の円錐形の当接面(9)及び円錐形の環状肩(65)並びにケーシング(5)の円錐形の対応ストッパ(7)が、それぞれ、燃料噴射弁の、弁エレメント(27)の軸線に直交する半径方向平面(69)に対して、等しい傾斜角度(α、β)をなして傾斜していることを特徴とする、請求項1記載の燃料噴射弁。
  4. 傾斜角度(α、β)が半径方向平面(69)に対して10゜〜60゜の範囲にあることを特徴とする、請求項3記載の燃料噴射弁。
  5. 傾斜角度(α、β)が半径方向平面(69)に対して、有利には、30゜であることを特徴とする、請求項4記載の燃料噴射弁。
  6. 締めナット(23)の円錐形の環状肩(65)及びケーシング(5)内の円錐形の対応ストッパ(7)が中空円錐台形に、かつ弁本体の(19)円錐形の環状段部(67)及び締めナット(23)の円錐形の当接面(9)が円錐台形に形成されていることを特徴とする、請求項1記載の燃料噴射弁。
  7. 締め込み装置(11)が内燃機関のケーシング(5)に向かって軸方向に弁保持体(25)に作用する構造部分(15)を有し、該構造部分自体がケーシング(5)内へねじはめられる少なくとも1つの固定部材、有利には締めねじ(17)によって軸方向で弁保持体(25)に対して緊締されることを特徴とする、請求項1記載の燃料噴射弁。
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