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JP3624608B2 - 印刷装置及びその制御方法 - Google Patents

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JP3624608B2
JP3624608B2 JP00501397A JP501397A JP3624608B2 JP 3624608 B2 JP3624608 B2 JP 3624608B2 JP 00501397 A JP00501397 A JP 00501397A JP 501397 A JP501397 A JP 501397A JP 3624608 B2 JP3624608 B2 JP 3624608B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホスト装置から受信したコマンド等のデータに基づいて印字処理を行うプリンタに係り、特に、 消耗部品が消耗した際にこれの補充があるまで印字処理を中断するプリンタにおける印字処理の再開処理プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、POS/ECRの分野においては、データ入力装置、ホスト装置、及びプリンタが一体となったスタンドアロン型の装置によって専用システムが構成されていた。
【0003】
しかし近年では、データ処理の迅速性やシステム構成の柔軟性から、データ入力装置、ホスト装置、プリンタがそれぞれ分離され、互いに離間した場所で使用される分散型システムが広く用いられるようになって来た。
【0004】
このような分散型システムに用いられるプリンタは、一般にはターミナルプリンターと呼ばれている。以下、この種のプリンタを用いるシステムをレストラン等の飲食店で用いられるものを例示して説明する。ここで用いられるプリンタはキッチンプリンターと称されており、接客者が店内フロアーで受注したオーダーを携帯型のデータ入力装置に入力するとオーダーが直ちにホスト装置1に送信され、厨房内に置かれたキッチンプリンターがオーダー内容を印字出力するように構成されている。このようなシステムによれば、オペレータが印字内容を見ながら処理できるのでミスが防止でき、販売内容の管理、処理も容易にできることから種々の業種に導入されつつある。
【0005】
しかしながらこのようなプリンタが置かれる場所では、調理器具や金庫等の他の設備を優先的に配置しなければならない場合が多く、そのため、データプリンタには、小型で設置面積が小さいものであることが求められており、装着されるロール紙やインクカートリッジのインク等の消耗部品の量には限界がある。また、ホスト装置は使用環境の制約等から離れた場所に設置されるのが通例である。他方、そのようなプリンタは多量のデータを印字処理しているため、システムの稼働中にインク等の消耗部品を使い尽くしてしまう場合が多い。
【0006】
ロール紙の残量は、ロール紙がなくなったことを検出するペーパアウトセンサや、ロール紙の残りが少ないことを検出する周知のニアエンドセンサによって検出される。また、装着されたインクカートリッジ内のインク残量はインク残量検出器で監視されている。これらの消耗部品がなくなるとプリンタは直ちに印字処理を停止し、更なるデータの受信を行わないか、あるいはその蓄積を保証しない状態、即ちオフライン状態となる。更に、これをホスト装置に知らせることによってホスト装置から受信するデータの喪失を防止していた。
【0007】
そしてホスト装置はオフライン状態を検知すると、ランプの点滅やブザー音で消耗部品の補充が必要なことをオペレータに知らせる。そして、補充後は、オンラインスイッチが押されるか、ロール紙やインクカートリッジを覆っているカバーが閉じられるかするとオンライン状態に回復して印字処理を再開していた。すなわち、ロール紙の補充やインクカートリッジの交換が終了した場合には、オペレータは図示しないオンラインスイッチを操作してオンライン状態に回復させ、印字処理を再開させる。または、消耗部品の補充後に閉成される上記のカバーを取り付けてある場合には、カバーセンサーがその閉成を検出してプリンタはオンライン状態に回復し、印字処理が再開されるのである。
【0008】
なお、ロール紙の補充の際には、オペレータはペーパフィードスイッチを操作して損傷や変色のあるロール紙の先端部分を更に空送りした後上記の操作によりオンライン状態に移行させる。また、インクカートリッジの種類によっては、インクが吐出されるインクノズル近傍のインクが増粘してインクの吐出不良が発生する場合があるため、インクカートリッジの交換後、スイッチ操作によって、増粘したインクの強制吐出、いわゆるフラッシングを行わせた後、更に前述の操作を行ってオンラインに回復させる必要があった。
【0009】
上記はロール紙やインクが消耗した場合についての例であるが、従来技術においては、例えば熱転写プリンタにおけるインクリボンのような消耗部品が無くなるか又は残量が少なくなった場合も、プリンタによって一旦オフライン状態とした後、オペレータが同様の処理を行ってオンライン状態に回復させていた。
【0010】
しかしながら近年、低価格、高信頼性への要求が一層強くなり、機能を維持した上での部品点数の削減が求められている。そしてカバーセンサーや専用のオンラインスイッチもその必要性が再検討された。
【0011】
従来、これらのオンラインスイッチやカバーセンサーを省略する技術は、特開平6−47992号公報に開示されているように、プリンタがオフライン状態になった後、予め設定されている所定時間の経過によりインク等の消耗部品の補充作業が完了したものとして、自動的にオンライン状態に復帰するものであった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、オペレータの熟練度によってロール紙等の消耗部品の交換に要する時間が異なり、また、ロ−ル紙の交換に引き続いてインクカートリッジ等の他の消耗部品の交換をもしなければならない場合もあり、必ずしも一定の時間内に印字を再開できる状態になるとは限らない。そして、印字を再開できる状態になる前に印字を行った場合には、印字が正しく行われず、印字データが失われてしまうおそれがある。従って、前述のキッチンプリンターやレジスター等に従来の技術を用いた場合には、印字データが失われて業務が混乱するおそれがあった。
【0013】
本発明は、このような従来の技術における不具合を解消し、機能を維持した上でオンラインスイッチやカバーセンサを省略しようとするものであり、特に、印字データを失うことなく、オンライン状態に回復することができるプリンタを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の印刷装置は、印刷媒体を搬送する搬送機構と、この印刷媒体に印刷を行う印刷手段とを用い、ホスト装置から受信したデータに基づいて印刷処理を行うように構成されるとともに、そのデータの処理を保証する第1の状態、いわゆるオンライン状態と、データの処理を保証しない第2の状態、いわゆるオフライン状態とを選択的に取り、且つその状態をホスト装置に通知する印刷装置であって、印刷処理に伴い消費されるロール紙やインク等の消費材の消耗または無し、及び補充または有りを検出するペーパエンドセンサやインク残量センサ等の消費材検出手段と、手動操作可能であり、且つオフライン状態からオンライン状態への遷移を指示するオンライン機能と、消費材の補充に伴って印刷装置が行うべきペーパフィードやインクノズルのリフレッシュ等の処理を指示する第2の機能とを選択的に備えた操作手段と、消費材検出手段による消費材の消耗または無しの検出に基づいて印刷装置をオフライン状態に遷移させる第1の状態遷移手段と、この第1の状態遷移手段によるオフライン状態への遷移の後、消費材検出手段による消費材の補充または有りの検出に基づいて操作手段のオンライン機能を選択する機能選択手段とを有することを特徴とする。
【0015】
この場合の第1の状態は、いわゆるオンライン状態を意味しており、本発明では印字装置内に設けられた記憶装置から印字すべきデータを取り出して印刷媒体に印字処理を行う状態の他、記憶装置を有しない印字装置では、受信したデータを直ちに印刷媒体に印字処理する状態も含まれる。また、本発明における第2の状態は、いわゆるオフライン状態を意味しており、この状態ではホスト装置はデータの送信を停止するのが普通である。しかし、この状態で印字装置がデータを受信した場合には、記憶装置がオーバーフローしたり、印字手段が動作しない等によって、印字処理すべきデータが失われることがあるものの、データを受信しない状態ではないものとする。
【0016】
また、この場合の消耗及び補充は、単純に有無としても良く、消耗検出器は単純に消費材の有無を検出する、消費材検出器としてもよい。
【0017】
これにより、印字処理に伴って消費される消費材が消耗し、消耗検出器による消耗の検出に基づいて印字装置がオフライン状態となった場合には、操作者が当該消費材を補充した後、操作手段を操作するば印字装置をオンライン状態に回復させられる機能、すなわちオンライン復帰機能を持たせることができる。
【0018】
例えば、消費材として印刷媒体である印字用紙を、その消耗を検出する消耗検出器としてペーパエンドセンサを、また、操作手段としてペーパフィードスイッチを挙げることができる。この場合には、ペーパフィードスイッチの本来の機能は、印字用紙を所定量搬送することであり、消費材であるロール紙の補充に伴って印刷装置が行うべき処理である。これによれば、ロ−ル紙のような印字用紙がなくなって、印字装置がオフライン状態となった場合には、操作者が印字用紙の補充を行った後ペーパフィードスイッチを操作すれば、印字装置はオンライン状態に回復し、印字処理を正常に継続することができる。
【0019】
この場合において、操作手段のオンライン指定機能の選択は、消耗検出器又は消費材検出器の補充又は有りの検出の時から、所定の期間の経過の後に行われることが望ましい。これにより、消費材を補充した後に操作手段の本来の機能を用いることができ、消費材の補充を一層確実に行うことができる。上記の例においては、所定の期間内にペーパフィードスイッチを操作することにより、ペーパフィードを行うことができ、印字用紙の装填を容易且つ確実に行うことができる。
【0020】
更に、この場合において、所定の期間内に操作手段が操作された場合には、最後の操作の時から所定の期間が経過した後にオンライン指定機能の選択が行われるようにすることが望ましい。これにより、消費材補充後に操作手段の本来の機能を用いる場合の時間的制約を排除することができる。上記の例では、印字用紙補充後に多量のペーパフィードを行っても、その操作の途中でペーパフィードスイッチの機能がオンライン指定機能に切り替わり、意に反してオンライン状態に遷移することを避けることができる。
【0021】
以上の場合において、操作手段のオンライン指定機能の選択の時から所定の期間の経過の後に、操作手段の本来の機能が選択されるとともにオンライン状態に遷移するようにしてもよい。これにより、操作手段の操作を行うことが煩雑な場合や、操作をし忘れた場合にも、所定の期間の経過により自動的に操作手段は本来の機能に戻り、印字装置はオンライン状態に回復することができる。
【0022】
また、これらの場合において、操作手段のオンライン指定機能の選択の後は、ホスト装置から受信した時に印字装置のオンライン、オフラインの状態に拘わらず即時に実行されるコマンド、即ちリアルタイムコマンドに基づき、オンライン状態に遷移するようにしてもよい。これにより、手動操作及びコマンドによるオンライン状態への回復が可能となり、ホスト装置が離れた場所に設置されている場合には、何れか近い方の装置から操作できる。
【0023】
更に本発明は印刷装置の制御方法としても表現することができ、上記と同様の作用効果を奏するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例を図面を用いて説明する。
図1は、本発明のプリンタ2の外観斜視図であり、該プリンタ2の内部には、図2に示すような、不図示のステッピングモーターや紙送りローラ7a、7b等で構成され、ロール紙の搬送を行う紙送り機構と、インクリボン17と印刷ヘッド9等で構成され、ロール紙10への印字を行う印字部と、対向型のフォトセンサ若しくはレバースイッチ等で構成されたの周知のペーパエンドセンサ29とが設けられている。
【0025】
プリンタ2はオペレータが誤って印字部に触れないようにこれを保護するカバー11を有し、カバー11はプリンタ操作パネル16の側を上方に持ち上げることにより、後方のヒンジを支点として回動し、開放状態とすることができる。カバー11の中央部には、印字の行われたロ−ル紙が排出されるための開口部12が設けられており、プリンタ2がレシート発行用に用いられる場合には、切断されたレシートが開口部12より排出される。
【0026】
尚、カバー11は必ずしもヒンジを介してプリンタ本体2に接続されている必要はなく、全体がプリンタ本体2から取り外せるように装着されてもよい。この場合には、上記の開口部12の左右であってカバー11の前後方向の重心位置近傍に、指の入る窪み11aを設けておくことが望ましい。また、プリンタ本体2の側面には、インクリボン17の交換を容易に行えるようにするために凹部11bが設けられている。
【0027】
プリンタ2の前面には操作パネル16及び電源スイッチ13が設けられている。操作パネル16はオペレータが誤って触れることがないようにプリンタ2の前面より窪んだ位置に設けられており、ロール紙の搬送を指示するためのスイッチ14及びプリンタ2の状態をオペレータに知らせるための表示器15を備えている。尚、本例では表示器15として発光ダイオード(LED)を用いているが、本発明はこれに限らず、液晶表示器等の周知の表示装置を用いることができる。また、本例ではスイッチ14として導電ゴムスイッチを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、周知のプッシュスイッチやモーメンタリスイッチを用いることができる。また、電源スイッチ13はオペレータが誤って操作してしまうことがないように、スイッチ操作部がプリンタ2の前面から突出しない位置まで前面より窪んだ状態で取り付けられている。
【0028】
図2に本例で用いるロール紙プリンタ機構の横断面図を示す。プリンタ機構3にはすでにロール紙10が装填されている。ロール紙の補充は以下のように行われる。ロール紙給紙口5にロール紙10の先端11を挿入し、紙案内板4に当接させて滑らせながら挿入すると、ペーパーエンドセンサ29がロール紙10の先端11を検出する。この状態でスイッチ14を押すと、紙送りローラ6a、6b、7a及び7bが矢印の方向へ回転し、紙送りローラー6aと6bとがロール紙10の先端部11をつかみ、ローディング動作が開始される。所定量の紙送りが行われると、ロール紙10は印字ヘッド9とプラテン18との間を通過して搬送され、印字が可能な状態に設定される。その後、ロール紙10のプリンタ機構3外に搬送された部分は、プリンタ機構3の上部に配置されたカッター19で切断される。なお、給紙口5には繰り出しローラー8が配置されており、ロール紙10の慣性モーメントに起因する紙送り負荷を軽減している。
【0029】
図3に本例のプリンタ2の機能を説明するためのブロック図を示し、これを用いて本例のプリンタ2を更に詳細に説明する。本例のプリンタ2においては、ホスト装置1から送信されるコマンド及び印字データ39をプリンタ2内部のホストインタフェース25で受信し、ホストインタフェース25はこれを内部入力データ38に変換した後コマンド解釈部26に渡す。コマンド解釈部26では内部入力データ38を解釈し、直ちに実行すべきコマンド(リアルタイムコマンド)36であればこれを制御ユニット28に渡し、それ以外のコマンド、即ち通常のコマンドあるいは印字データ37であればこれをデータバッファ27に格納する。データバッファ27はいわゆるFIFOバッファであり、制御ユニット28の要求に応じて、格納されているコマンドまたは印字データ37をコマンド解釈部26から渡された順に制御ユニット28に渡す。
【0030】
制御ユニット28はコマンド解釈部26から渡されたリアルタイムコマンド36があればこれを最優先で実行し、これが無ければデータバッファ27から通常のコマンド等37を順次に読み出して実行する。また、制御ユニット28はコマンドの実行のために必要があればプリンタ機構3及び操作パネルとの間で所用の信号の授受を行い、また、必要があれば内部出力データ33をホストインタフェース25に渡す。この場合には、ホストインタフェース25は内部出力データ33をプリンタステータスデータ40に変換してホスト装置1に送信する。
【0031】
前述のように、プリンタ機構3にはロール紙10が装填されており、ロール紙10の有無を検出するペーパエンドセンサ29が設けられている。ペーパエンドセンサ29からの検出信号31は制御ユニット28に入力され周知の回路によって2値化される。また、ペーパエンドセンサ29自身によって2値化されていてもよい。この信号を、また、ペーパアウト信号31と称し、低レベルでロール紙がなくなっている状態を示すものとする。
【0032】
また、制御ユニット28からはプリンタ機構3に対しロール紙の搬送を指示するペーパフィード信号32が供給されている。この信号が高レベルとなるとロール紙の搬送を開始し、この信号が低レベルとなるまでロール紙の搬送を続ける。
【0033】
操作パネル16に設けられたスイッチ14からのスイッチ信号35は制御ユニット28に入力されており、後述するように、制御ユニット28は当該信号に応じて複数の処理を選択的に実行する。
【0034】
すなわち、制御ユニット28は、オンライン状態では、プリンタ機構3を動作させ、印字データ等に基づいてロール紙に印字処理ができるように構成されており、また、スイッチ14が操作されたことを検出すると、その時にスイッチ14に付与されている機能に従って処理を行うように構成されている。また、ペーパエンドセンサ29がロール紙がなくなったことを検出すると、制御ユニット28は上記の印字処理を中止し、従ってデータバッファ27からの制御ユニット28へのデータ等の取り出しも停止される。そして、データバッファ27の記憶容量を超えてデータが送られることによってデータが失われるのを回避するため、プリンタ2がデータを受け付けない状態、即ちオフライン状態とし、これをホスト装置1へプリンタステータスデータ40として通知する。
【0035】
オフライン状態においても、実際にはコマンド/データ39の受信及び解析は実行されるが、それらのコマンド/データ39を変換した通常コマンド等37はデータバッファ27の残り容量が無くなった場合には格納することができないので失われることになる。従って、ホスト装置1は、オフライン状態の通知を受信した後は、後述するリアルタイムコマンド36を除き、データ39の送信を速やかに停止し、且つ、その後に送信したデータは別途保存しておく必要がある。
【0036】
次に、図4に示すフローチャートに基づいて本例のプリンタ2におけるロール紙の補充処理を詳細に説明する。
ステップS61においてロール紙がなくなった状態(ペーパアウト信号31)が検出されると、制御ユニット28はステップS62においてオフライン状態に遷移する。この状態では印字処理やデータバッファ27からのコマンド及びデータの取り出しは行われず、データーバッファ27のオーバフローを回避するため、制御ユニット28は、ホストインターフェース25を介して、オフライン状態となったことをホスト装置1に通知し、データの送信停止を促す。一方、ペーパアウト信号31が検出されなければ、直ちにロール紙補充処理を終了して通常の処理、例えば印字処理を続行する。
【0037】
ステップS62でオフライン状態に設定された後は、ロール紙10が補充されるまで待機する(ステップS63)。そしてロール紙10が補充されてペーパアウト信号31が紙有りを示すと、ステップS64においてロール紙10のローディング動作を行う。すなわち、制御ユニット28はペーパフィード信号32をアクティブとしてプリンタ機構3に所定量のペーパフィードを行わせるのである。そして、ローディング動作終了後ステップS65においてタイマー(t1)がセットされる。
【0038】
ここで設定される時間t1はスイッチ14の機能の設定をペーパフィードのままにしておく時間であり、この間にオペレータはオフライン状態のままでロール紙の搬送を行わせることができる。従って、例えばロール紙の先端部分が損傷していたり変色していた場合は、ロール紙のローディング後にこの部分を必要なだけプリンタ機構3から排出することができる。
【0039】
その後、ステップS66においてスイッチ14が操作されたか否かがチェックされ、操作されていたらステップS67においてペーパフィード信号をプリンタ機構3に出力し、さらにペーパフィードを行う。
【0040】
このペーパフィード動作にはある程度の時間を要するので、その後はt1にセットされたタイマーを、セットしなおしてもよい。図中▲1▼の経路はこの場合を示し、タイマーはステップS68においてペーパフィード動作に要した時間を考慮して新たな値t2にリセットされる。また、▲2▼の経路はタイマーの値を変更しない場合の例であり、▲3▼の経路はタイマーを初期の値即ちt1にリセットする場合の例である。
【0041】
ステップS69においてタイマーが所定の時間の計測を終了すると、ステップS70において、後述するリアルタイムコマンドのチェックが行われる。そして、当該コマンドが検出されなければ、ステップS71においてスイッチ14の機能をオンライン状態への遷移を指示する機能(オンライン機能)に切り替える。ステップS72においてタイマーをt3にセットし、ステップS73でスイッチ14が操作されたかをチェックする。そして、当該スイッチ14が押されていたら制御ユニット28は、印字処理が可能な状態に回復したものと判断し、ステップS77においてオンライン状態に遷移するとともに、データバッファ27にデータが蓄積されている場合には当該データの処理及び印字処理が再開される。このとき、ホスト装置1に対してその旨を通知することはいうまでもない。また、この状態ではスイッチ14に割り当てられたオンライン機能はもはや必要が無いため、ステップS76においてスイッチ14の機能を通常のペーパフィード機能に戻しておく。
【0042】
ところで、本例において、オンライン状態に復帰するためには必ずスイッチ14を押さなければならないこととすると、当該スイッチを押し忘れた場合には、印字処理が再開されず、また、ホスト装置1からのデータ等39の送信ができないので、プリンタ2への消耗部品の補充が完了しているにもかかわらず、ホスト装置1を含めた情報処理システム全体の停止状態が継続してしまう。そこで、本例のプリンタ2は上記の他に、更に次に述べる機能をも備えている。
【0043】
第1の機能はオンライン回復を指定するリアルタイムコマンド(以下、オンライン回復コマンドと称する。)である。上述のように、プリンタ2は、割込処理回路によるコマンド解析部26によってデータを解析した結果、そのデータがリアルタイムコマンドであると判断した場合には、データバッファ27に蓄えられている未処理のデータにかかわらず、当該コマンドを制御ユニット28へ即刻送信する。そして、制御ユニット28においては当該コマンドが直ちに実行されるのである。なお、上記の割込処理回路はいわゆる割込回路の他にも、定期的なポーリングや、一連の処理の終了時に要求の有無を検出する処理等、比較的頻繁に処理が行われる回路及び処理方法をも含むものとする。
【0044】
以下、図4に示すフローチャートに従って当該処理を説明する。制御ユニット28は、オンライン回復コマンドを受信すると以下の処理を行う。先ず上述のスイッチ14の機能を切り換えるべき時刻(タイマーt1のオーバフローが発生した時刻。以下時刻Qという。)となっているか否かがステップS69において検知される。当該時刻Qにおいては、所要のローディング及びペーパフィード処理が行われたものと考えられるから、これ以降であればロール紙10の補充が完了している蓋然性が高いものと考えられる。従って、当該時刻Q以降に当該コマンドを受信した場合には(ステップS70)、ステップS77において直ちに印字処理を可能とし、オンライン状態へ遷移する。一方、当該コマンドの受信が当該時刻Qより前であれば、当該時刻Qまで待って(ステップS70)、同様の処理を実行する。これにより、スイッチ14を操作し忘れた場合等でも、ホスト装置1からの制御コマンドによってプリンタをオンライン状態へ回復させることが可能となる。
【0045】
第2の機能はいわゆるタイムアウト機能である。即ち、図4のフローチャートにおいて、上述のスイッチ14の機能を切り換えるべき時刻Qの後、所定の時間t3が経過した時(ステップS74)までにスイッチ14が操作されておらず(ステップS73)、且つオンライン回復コマンドを受信していない場合(ステップS75)には、その後に、自動的に印字処理の可能な状態に復帰し、オンライン状態に遷移する(ステップS77)。なお、このときペーパフィードスイッチの機能は通常のペーパフィード機能に遷移することはいうまでもない(ステップS76)。この場合、t3はロール紙の補充作業を完了するのに充分な時間とすることが必要である。これにより、スイッチ14の操作を行わなかった場合でも、補充作業の終了の後に装置をオンライン状態に回復させることができる。
【0046】
なお、上記の所定時間t1、t2、及びt3の値はプリンタの初期化動作時に設定しても良く、また、ホスト装置1から制御コマンドを用いて予め設定することも可能である。本例においては、これらの所定時間はマイクロプロセッサに内蔵されたタイマーを用いて測定し、所定時間の経過の時にイベント割込を発生してそれぞれの処理を行っているが、これに限らず、積分回路、微分回路等の時定数、NE555等のタイマーICを用いても実現できる。時間の設定はカウンタへの数値の設定、D/A変換器からの電圧出力等の周知の方法によって行うことができる。
【0047】
図5にスイッチ14の機能の切り替えを説明するためのブロック図を示す。上記のスイッチ14の機能の遷移は、スイッチ信号35をオンライン信号生成部28a及びペーパフィード信号生成部28bに選択的に接続する信号切替部28cと、当該接続の切換を指示するスイッチ機能切換信号34とによって行われる。スイッチ14が押され、入力バッファ14aに低レベルの信号が入力されると、入力バッファ14aからはスイッチ信号35として反転信号、即ち高レベルの信号が出力される。そして、スイッチ信号35は信号切替部28cによって、スイッチ機能切替信号34に応じてオンライン信号生成部28aまたはペーパフィード信号生成部28bに供給される。
【0048】
具体的には制御ユニット28内部におけるスイッチ信号35の解釈を変更することによって行われる。本例においては制御ユニット28はマイクロプロセッサによって実現されており、その処理プログラムの中でスイッチ信号35の接続された入力ポートの状態をペーパフィード動作の指定と判断するか、あるいはオンライン状態への遷移の指定と判断するかに応じて、機能の遷移が可能となるのである。他の例としては、信号切替部28cを周知のデータセレクタを用いて構成し、その選択信号として、マイクロプロセッサからスイッチ機能切替信号34を供給してもよい。その場合には、データセレクタの出力がそれぞれマイクロプロセッサの入力端子に接続され、それぞれの機能を要求する信号として用いられる。
【0049】
上記の例ではロール紙10という消耗部品の有無をペーパエンドセンサ29を用いて検出する場合について示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばロール紙10の残量を周知のニアエンドセンサを用いて検出する場合や、インクリボンの残量をリボンセンサを用いて検出する場合、インクジェットプリンタのインク残量をインク残量検出器によって検出する場合等にも用いることができる。
【0050】
以下、消耗部品の他の例として、インクカートリッジの交換を行う場合について説明する。なお、上述したロール紙の補充の場合と同様の部分については説明を省略する。
【0051】
本例の印字部は、インクカートリッジの先端部に配設されたインクジェットヘッドを用いてロール紙への印字を行うように構成されており、インクカートリッジの近傍にはインクカートリッジ内のインクの残量を検出するためのインク残量センサが設けられている。尚、本例においてはインク残量センサとして、インクカートリッジ内のインク流路に一対の電極を設け、この電極間の抵抗値を検出する方式のものを用いているが、本発明はこれに限らず、インク袋の一部に設けられた反射板に赤外光を投射し、この反射光を検出することによってインク袋の変形量を検出する方式等の周知のインク残量センサを用いることができる。
【0052】
図6に本例のプリンタ102で用いるプリンタ機構103の斜視図を示す。ロ−ル紙等の記録用紙は紙送りユニット104によってインクカートリッジ118等からなる印字部へ搬送され、インクカートリッジ118はキャリッジ117に搬送されて記録紙の搬送方向と直角方向に移動する。従って、記録紙の全面に印字を行うことができる。尚、当該移動は、キャリッジモータ120の回転をベルト123を介してキャリッジ117に伝達することによって行われる。
【0053】
インクカートリッジ118の交換は、交換レバー119を操作することによって行う。即ち、交換レバー119を紙面右側に倒すように操作するとキャリッジ117とインクカートリッジ118との係合が解除され、インクカートリッジ118はオペレータによって容易に取り外すことが可能となる。また、新しいインクカートリッジ118をキャリッジ117の所定の位置にセットした後、交換レバー119を元の位置に戻せば、インクカートリッジ118とキャリッジ117との係合が施錠される。
【0054】
プリンタ機構103にはプリンタ制御回路より多数の電気信号が配線されている。ケーブル121はプリンタ機構103の固定部、例えばキャリッジモータ120や印字タイミングを検出するためのキャリッジ駆動系位置センサ(不図示)への配線を含んでおり、フレキシブルケーブル122はキャリッジに搭載されたインクジェットヘッド(カートリッジ)118及びインク残量センサ(不図示)への配線を含んでいる。前述のようにキャリッジは記録紙の搬送方向と直角方向に移動可能となっているので、キャリッジへの配線はフレキシブルケーブル122で行う必要がある。
【0055】
図7は本例のプリンタ機構103及び紙送りユニット104の分解斜視図である。図示したように、プリンタ機構103と紙送りユニット104とはドライブシャフト124を介して結合されており、紙送りユニット104の駆動力はキャリッジモータ120からドライブシャフト124を介して供給されている。ただし、紙送りユニット側には当該駆動力を間欠的に紙送りに用いるための輪列が用意されており、いわゆる一行分に相当するキャリッジの移動が行われるまでは紙送りを行わず、その後次の行の先頭桁にキャリッジが移動するまでの間に一行分の紙送りが行われるようになっている。
【0056】
インクカートリッジ118の前面にはインクジェットヘッドが取り付けられており、そのインクノズル118aが露出している。本例のインクジェットヘッドはインクノズルの間隔(ノズルピッチ)と印刷すべきドットの紙送り方向の間隔(ドットピッチ)との関係を調整するために、紙送り方向と平行に配列されておらず、所定の角度を有して配列されている。
【0057】
本例のプリンタ102の機能を説明するためのブロック図は上述の例で示したブロック図(図3)と同様であるので、説明を省略する。すなわち、図3に示すブロック図において、ロール紙10をインクカートリッジ18に、ペーパエンドセンサ29をインク残量検出器129に、また、ペーパフィード信号32をリフレッシュ信号132にそれぞれ置き換えることによって、本例のブロック図を得ることができる。
【0058】
前述のように、プリンタ機構103はインクカートリッジ18及びインク残量検出器129を有している。本例におけるインク残量検出はインクカートリッジ118内のインク流路に設けた2本の電極の間の抵抗を検出する方式のものであるので、本例におけるインク残量検出器129は当該電極を言うものとする。尚、当該電極間の抵抗値を基にインクの残量を検出するための回路は、例えば抵抗値を電圧に変換するための定電流回路と、当該電圧を所定の電圧値と比較するコンパレータとから周知の構成で実現することができる。インク残量検出器129からのインク残量検出信号131は制御ユニット28に入力される。このインク残量検出信号131は、以降の信号処理を考慮すれば、上記の回路またはインク残量検出器129自身によって2値化されることが望ましい。この2値化された信号を、また、インク残量信号131と称する。
【0059】
また、制御ユニット28からのリフレッシュ信号132に応じて、プリンタ機構103はインクノズル118aのフラッシングを行う。すなわち、この信号が高レベルとなるとキャリッジをリフレッシュ動作に適した所定の位置まで移動させた後、この信号が低レベルとなるまでノズルのフラッシングを続けるのである。
【0060】
次に、図8に示すフローチャートを用いて、本例のプリンタ102におけるインクカートリッジ交換処理を詳細に説明する。この処理も上述の例とほぼ同様であるので、異なる部分のみの説明に止めることとする。
【0061】
本例では、インクカートリッジ118をキャリッジ117に搭載しているため、カートリッジの交換を検出した直後(ステップS83)にリフレッシュ動作を開始することは危険である。オペレータがインクカートリッジ118から手を離したか否かを検出することができないからである。従って、この時には上述の例とは異なり、プリンタ102はリフレッシュ動作を開始しない。
【0062】
ただし、インクカートリッジ交換後に初めて行われるリフレッシュ動作におけるフラッシングの回数を、その後にスイッチ操作に応じて行われるリフレッシュ動作におけるものより多く設定することは有効である。交換直後のカートリッジであっても、ノズル内のインクは増粘している場合があり、これを十分に排出する必要が有るからである。これにより、その後のスイッチ操作に応じて行われるリフレッシュ動作におけるインクの吐出量を必要以上に増大させることを防止できる。また、リフレッシュスイッチが押されている間はフラッシングを継続して行ってもよい。これにより、リフレッシュ時のインク吐出量をオペレータの任意に行うことができる。
【0063】
本例の場合には、インクカートリッジ118の交換を検出した後、スイッチ14が操作された場合に、オペレータの準備が整ったと判断して、初回のリフレッシュ動作を行う。また、タイマーt1がオーバフローするまでは、スイッチ14の操作に応じて更にフラッシングを行う。
【0064】
以上述べたように、本発明は、消耗部品の残量が所定量よりも少なくなったことがセンサによって検出された場合にオフライン状態となるプリンタにおいて、当該消耗部品の補充の完了を、専用のスイッチ等を用いないでプリンタに知らしめるための有効な方法及び装置を提供するものである。従って、当該分野における通常の知識を有する者であれば、上記の例に基づき必要な変形を施すことによって、あらゆる消耗部品について本発明を実施することが可能である。
【0065】
以上、プリンタの消耗部品または消耗品がなくなったかあるいは残り少なくなったことが検出された場合の処理について詳述したが、オンライン/オフラインの切替を指定する専用のスイッチまたはカバー開放センサを省略した場合には、使用環境や応用分野によっては更に次の課題を生じることがある。すなわち、プリンタが判断できない障害が発生したり、誤った印刷データをプリンタに送信してしまった等の場合に、プリンタの電源を切ることでしかプリンタの印刷動作を停止させることができないのである。そして、この場合には、すでにプリンタに送信され、これに格納されているコマンドや印刷データが全て失われてしまうこととなる。以下に述べる実施例はプリンタの電源を切ることなく印刷動作の中断を行うことができる有効な装置及び方法に関するものである。
【0066】
本例においては印字装置の記録用紙の搬送を指示するペーパーフィードスイッチを印字装置の状況に対応してその機能を選択的に切り替えることにより、この不都合を解消している。すなわち、プリンタが印字動作を開始すると当該印字動作が終了するまでは、ペーパーフィードスイッチやリフレッシュスイッチ等は、通常は、使用されることはない。従って、この期間に、それらのスイッチの機能を切り替え、オンライン/オフラインスイッチとして利用しようとするものである。本例においては、印字がスタートした後、このスイッチが操作されると、印字の制御を行う制御ユニットはプリンタの状態をオンラインからオフラインに切り替え、受信されたデータの格納が保証されない状態となり、印字動作も停止する。
【0067】
本例のプリンタ202の構成は上述のプリンタ2の構成と類似しているので、図示は省略し、相違点のみを説明することとする。なお、参照符号の下二桁はそれぞれ対応する構成要素を示している。
【0068】
まず、後述するようなプリンタの複数の動作状態を表示するため、LED215は複数設けられておりLED群を構成している。これらのLED215は印字制御を行う制御ユニット228によって点灯消灯の制御が行われる。
【0069】
また、制御ユニット228内部にはデータバッファ227から取り出した印刷データが1行毎のビットマップデータに展開されて格納される印字バッファ228dを備えられている。印字バッファ228dのビットマップデータは印刷ヘッド209の印刷要素の配列に応じて読み出され、読み出された後は消去される。また、印字バッファ228dへのデータの格納は、一行の印字が終了して紙送り等の改行処理を行う際に平行して行われる。従って、印字バッファ228dにデータが存在していれば一行の印刷処理の実行中または待機中である。
【0070】
次に、本例のプリンタの制御方法の一実施例を、図9に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
ステップS210でプリンタ202は印字処理のための周知の初期化処理を行った後通常の処理を開始する。。ステップS211でオンライン状態となりデータ受信待ちとなる。この状態で、スイッチ214が操作されると(ステップS223)、スイッチを押された時間または回数等に応じた所定量の紙送りが実行される(ステップS224)。
【0071】
一方、データの受信が開始されると、受信バッファのデータを展開し印字バッファ228dに一行分のデータが揃ったところでステップS213で印字処理がスタートする。なお、本例のプリンタはいわゆるシリアルプリンタであるために、印字バッファ228dとして一行分のビットマップを格納するものを用いているが、本発明はページプリンタにも適用可能であり、その場合には印字バッファ228dは一ページ分のビットマップデータを格納する。
【0072】
その後、ステップS214においてスイッチ214が操作されていなかった場合には、ステップS215で印字バッファ228dに次の行の印字データが有るか無いか確認し、印字データがなければ、ステップS216で受信データバッファ227に未処理の印字データがないか確認して、未処理の印字データが存在する場合には印字処理を継続する(ステップS213)。当該データが存在しない場合にはステップS217で印字処理を停止し、ステップS218で受信バッファ、印字バッファ等をクリアし、ステップS219でオンライン状態に遷移する。その後はステップS212へループしてホストからのデータを待つ。
【0073】
印字処理中、スイッチ214が操作されると(ステップS214)、プリンタ202は、緊急停止指令を受けたと判断し、印字データの受信を禁止するため、ステップS220でオフライン状態に遷移する。そして印字動作を中断し(ステップS221)、印字バッファ228d、受信データバッファ227内のデータは、そのまま保存され(ステップS222)、ステップS225以下において、印字中断が解除されるのを待つ。
【0074】
本例では、スイッチ214がペーパーフィードスイッチとして機能するか、オンライン/オフライン切り替えスイッチとして機能するかは、受信データバッファ227にデータが有るかないかに応じて設定される。すなわち、ホスト装置1からのデータの受信が開始されると同時に、スイッチ214の機能の切り替えが行われる(ステップS212)。
【0075】
オペレータによって緊急停止したプリンタ202は、本例では、スイッチ214を用いて、その中断した印字処理を再開することができる。ステップS225で所定の待機時間を設定した後、スイッチ214の操作を待ち(ステップS226)、スイッチ214が操作されると、プリンタ202は不具合が解消されたものと判断して印刷を開始する。
【0076】
なお、処理中の印刷をキャンセルしたい場合は、ホスト装置21からリアルタイムコマンドによって印字バッファ228d及びデータバッファ227のクリアを指示することもできる。ステップS227では、これを可能にするため、スイッチ214の操作を待ちながら同時に印刷取り消しを指示するリアルタイムコマンドの入力を確認する。そして入力があれば、バッファのクリア等の取り消し処理を実行する。更に、これらの処理の指定を待ちながら上記ステップS225で設定した所定の待機時間の経過を検知し(ステップS228)、当該待機時間が経過した場合は、エラー処理として例えばLED215等の表示手段あるいはブザー等を用いて警告を発生する。
【0077】
本例では印字処理中のスイッチ214の操作を一行分の印字処理(ステップS213)の後に行っている(ステップS214)が本発明はこれに限らず、例えば周知の割り込み処理などを用いて、当該印字処理の中で平行して 行ってもよい。
【0078】
さて、上述した例においては、操作を行ったオペレータにはプリンタの状態がわかっているはずであるが、他のオペレータには、プリンタがどの状態にあるのかがわからない場合がある。すなわち、印字処理の中断によって停止しているのか、データ受信まちで停止しているのか判断しにくいのである。そこで、更に以下に説明する制御装置及び方法を追加した例によればこの点が改善される。
【0079】
図10は本発明のプリンタ202の制御ユニット228における制御方法の別の例を示すフローチャートである。図9と同一の処理ステップは同一記号で示し説明を省略する。
【0080】
ステップS212でデータ受信待ちの時、ステップS230でスイッチ214が操作されると、ステップS231で一端オフライン状態となり、所定時間を計測するタイマーをセットした後次のスイッチ操作を待つ。ステップS232でスイッチ214が操作されると操作に応じた所定量の紙送りが実行される(ステップS233)。この場合は上記のタイマーをリセットしておく。これにより紙送りが継続して行われる場合にはオフライン状態が維持される。しかし、所定時間経過しても何の操作もないと(ステップS234)、自動的にオンライン状態に復帰する(ステップS235)。従って、本例では、一端オンラインからオフラインに遷移した後、記録用紙の搬送指示を待つ点が上記の例と異なる。
【0081】
そして、緊急停止と、ペーパーフィード待ちとを区別するため、操作パネル上の表示部のLEDを用いてそれぞれに対応して表示する。
【0082】
例えば、LEDは以下のように定義する。
Figure 0003624608
このようなLED215の点灯制御は、制御ユニット228によって行われる。なお、点滅は制御ユニット228を構成するマイクロプロセッサに内蔵されているタイマー割り込み機能等を用いて周知の方法によって実現可能であり、説明を省略する。従って、図4、図9及び図10のフローチャートにおいて、次のようなLED制御の設定を行えばよい。
【0083】
図4中、ステップS62においてLED2:OFF(消灯)及びLED3:ON(点灯)、ステップS64においてLED3:OFF、ステップS71においてLED3:BK(点滅)、ステップS76においてLED3:OFF、ステップS77においてLED2:ON。
【0084】
図9中、ステップ210においてLED1:ON、ステップS211においてLED2:ON、ステップS219においてLED2:ON、ステップS220においてLED2:OFF、ステップS221においてLED1:BK、ステップS226においてスイッチ214の操作が検出されたらLED1:ON。
【0085】
図10中、ステップ231においてLED2:BK、ステップS235においてLED2:ON。
【0086】
このような表示の差別化により、使用者はプリンタ202が現在どのような状態にあるか一目で分かり極めて便利である。
【0087】
このような制御装置及び方法にによって、例えばペーパーフィードスイッチとオンラインオフライン切り替えスイッチとを1つのスイッチで兼用させ且つ操作ミスを防止することが可能となる。
【0088】
以上述べた本発明のプリンタは、シリアル型のプリンタ202限定されるものでなく、パラレル型のプリンタにも適用可能であり、又、本発明の制御方法は、すでに述べたようにロール紙の消耗だけでなく、インパクトドットプリンタやサーマルプリンタのインクリボンの寿命、インクジェットプリンタのインクの消耗等のあらゆる消耗品の消耗の検出に適用可能である。
【0089】
【発明の効果】
以上詳細に説明したとおり、本発明によれば、オンライン状態に復帰するためのオンラインスイッチやカバーセンサーを省略できるので、プリンタの小型化、低コスト化及び信頼性の向上を達成することが可能となった。また、消耗部品が補充された後十分な時間が経過すれば、スイッチの操作によらなくても確実にオンライン状態に回復させることが可能となる。
【0090】
更に、スイッチ操作に関わるプリンタの状態を的確に表示する手段によって操作ミスを防止し、確実な操作を実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のプリンタの外観を示す斜視図。
【図2】本発明の一実施例に用いるプリンタ機構を示す横断面図。
【図3】本発明の一実施例であるプリンタの機能ブロック図。
【図4】本発明の一実施例であるプリンタの動作を示すフローチャート。
【図5】本発明の実施例のスイッチ機能の切替部を示すブロック図。
【図6】本発明の他の実施例に用いるプリンタ機構を示す斜視図。
【図7】本発明の他の実施例に用いるプリンタ機構を示す分解斜視図。
【図8】本発明の他の実施例であるプリンタの動作を示すフローチャート。
【図9】本発明の他の実施例に係る制御方法を示すフローチャート。
【図10】本発明の他の実施例に係る制御方法を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 ・・・ ホスト装置
2 ・・・ プリンタ
3 ・・・ プリンタ機構
14 ・・・ スイッチ
15 ・・・ 表示器
16 ・・・ 操作パネル
118 ・・・ インクカートリッジ
25 ・・・ ホストインタフェース
26 ・・・ コマンド解釈部
27 ・・・ データバッファ
28 ・・・ 制御ユニット
129 ・・・ インク残量検出器
33 ・・・ 内部出力データ
36 ・・・ リアルタイムコマンド
37 ・・・ 通常コマンド
38 ・・・ 内部入力データ
39 ・・・ コマンド/データ
40 ・・・ プリンタステータスデータ

Claims (17)

  1. 印刷媒体を搬送する搬送機構と、前記印刷媒体に印刷を行う印刷手段とを用い、ホスト装置から受信したデータに基づいて印刷処理を行うように構成されるとともに、前記データの処理を保証する第1の状態と、前記データの処理を保証しない第2の状態とを選択的に取り、且つ当該状態を前記ホスト装置に通知する印刷装置であって、
    印刷処理に伴い消費される消費材の消耗または無し、及び補充または有りを検出する消費材検出手段と、
    手動操作可能であり、且つ前記第2の状態から前記第1の状態への遷移を指示する第1の機能と、前記消費材に係わる処理を指示する第2の機能とを選択的に備えた操作手段と、
    前記消費材検出手段による前記消費材の消耗または無しの検出に基づいて前記印刷装置を前記第2の状態に遷移させる第1の状態遷移手段と、
    前記消費材検出手段による前記消費材の補充または有りの検出に基づいて第1の所定の期間を計測する第1のタイミング手段と、
    前記第1の状態遷移手段による前記第2の状態への遷移の後、前記第1の所定の期間の計測が完了する前は前記操作手段の前記第2の機能を選択し、前記第1の所定の期間の計測が完了した後は前記操作手段の前記第1の機能を選択する機能選択手段とを有することを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置において、前記消費材検出手段はロール紙のペーパエンドセンサであり、前記操作手段の前記第2の機能は前記ロール紙の搬送を指示する機能であることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1又は2記載の印刷装置において、前記消費材検出手段はインクジェットヘッドに用いるインクカートリッジのインク残量センサであり、前記操作手段の前記第2の機能は前記インクヘッドのリフレッシュ動作を指示する機能であることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項記載の印刷装置において、前記第1のタイミング手段は、前記第1の所定の期間の計測が完了する前に前記操作手段が操作された場合には、前記所定の期間を延長することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の印刷装置において、前記機能選択手段による前記操作手段の前記第1の機能の選択に基づいて第2の所定の期間の計測を行う第2のタイミング手段と、
    前記第2のタイミング手段に応じて前記印刷装置を前記第1の状態に遷移させる第2の状態遷移手段とをさらに有することを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の印刷装置において、前記第1のタイミング手段による前記第1の所定の期間の計測が完了した後に、前記ホスト装置から受信した所定のデータに基づき、前記印刷装置を前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させる第3の状態遷移手段をさらに有することを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の印刷装置において、前記操作手段は前記印刷装置に前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を指示する第3の機能をさらに有し、
    前記印刷装置は、前記印刷処理の実行中は前記操作手段の前記第3の機能を選択する第3の機能選択手段と、
    前記印刷処理の実行中における前記操作手段の操作に応じて、前記印刷処理を停止する印刷処理停止手段とをさらに有することを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項記載の印刷装置において、前記操作手段は前記印刷装置に前記停止した印刷処理の再開を指示する第4の機能をさらに有し、
    前記印刷処理の停止後、前記操作手段の前記第4の機能を選択する第4の機能選択手段をさらに有することを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項記載の印刷装置において、前記第4の機能選択手段に応じて第3の所定の時間を計測する第3のタイミング手段と、
    前記第3のタイミング手段に応じて、且つ前記操作手段の操作が行われなかった場合に、所定の警告を発生するエラー出力手段とを有することを特徴とする印刷装置。
  10. 請求項1乃至9の何れかに記載の印刷装置において、前記操作手段は前記印刷装置に前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を指示する第3の機能をさらに有し、
    前記印刷装置は、前記データが受信されていない場合に前記操作手段の前記第3の機能を選択する第5の機能選択手段をさらに有することを特徴とする印刷装置。
  11. 請求項10記載の印刷装置において、前記第5の機能選択手段に応じて第4のタイミングを計測する第4のタイミング手段をさらに有し、
    前記第4のタイミング手段に応じて前記印刷装置を前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させる第4の状態遷移手段とを有することを特徴とする印刷装置。
  12. 請求項1乃至11の何れかに記載の印刷装置において、前記操作手段の前記複数の機能に対応した前記印刷装置の状態を表示する表示手段をさらに有することを特徴とする印刷装置。
  13. 手動操作可能な操作手段を有し、印刷媒体に印刷を行う印刷手段を用いてホスト装置から受信したデータに基づいて印刷処理を行う印刷装置を制御する方法であって、前記データの処理を保証する第1の状態に遷移する工程と、前記データの処理を保証しない第2の状態に遷移する工程と、前記第1及び第2の状態を前記ホスト装置に通知する工程とを有する方法において、
    印刷処理に伴い消費される消費材の消耗または無し、及び補充または有りを検出する第1の消費材検出工程と、
    前記第1の消費材検出工程における前記消費材の消耗または無しの検出に基づいて前記印刷装置を前記第2の状態に遷移させる第1の状態遷移工程と、
    前記第1の状態遷移工程の後に前記消費材の補充または有りを検出する第2の消費材検出工程と、
    前記第2の消費材検出工程に基づいて第1の所定の期間を計測する第1のタイミング工程と、
    前記第1のタイミング工程の終了前における前記操作手段の操作に基づいて、前記消費材に係わる処理を行う工程と、
    前記第1のタイミング工程の終了後における前記操作手段の操作に基づいて、前記印刷装置を前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させる第2の状態遷移工程とを有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
  14. 請求項13記載の制御方法において、前記第1のタイミング工程における前記第1の所定の期間は、前記第1の所定の期間の計測が完了する前に前記操作手段が操作された場合には、延長されることを特徴とする制御方法。
  15. 請求項13又は14記載の制御方法において、前記第1のタイミング工程の終了後に第2の所定の期間の計測を行う第2のタイミング工程と、
    前記第2のタイミング工程に応じて前記印刷装置を前記第1の状態に遷移させる第3の状態遷移工程とをさらに有することを特徴とする制御方法。
  16. 請求項13乃至15の何れかに記載の制御方法において、前記第1のタイミング工程の終了後に、前記ホスト装置から受信した所定のデータに基づき前記印刷装置を前記第1の状態に遷移させる第4の状態遷移工程をさらに有することを特徴とする制御方法。
  17. 請求項13乃至16の何れかに記載の制御方法において、前記印刷処理実行中の前記操作手段の操作に基づいて、前記印刷装置を前記第1の状態から前記第2の状態に遷移させる第5の状態遷移工程と、
    前記第5の状態遷移工程に同期して前記印刷処理を停止する印刷処理停止程と、
    前記印刷処理停止工程の後の前記操作手段の操作に応じて、印刷処理を再開する印刷処理再開工程とをさらに有することを特徴とする制御方法。
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