【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、古紙を主原料とした古紙ボードの製造方法に関するものであり、物品の破損、傷つけ、つぶれ等を防止する目的で使用される緩衝材や、断熱、保温材等として広範囲な使用が可能である。
【0002】
【従来の技術】
工場、商店、オフィス、一般家庭等から排出される多量の古紙は、環境保護および資源の有効活用の観点から、近年その利用分野、利用方法の拡大が急務となっている。古紙を緩衝材の原料として用いる方法としては、古紙を水で解繊して作製した古紙パルプを、金型に導入し乾燥させることにより、卵の破損防止用パック状緩衝材等を得る、いわゆるモールド法が広く利用されている。しかしながら、この方法で得られる古紙パルプ緩衝材は、水で解繊した古紙パルプを乾燥させて成型するため、パルプ間に強固な水素結合が形成され、金型の形状により、見かけの嵩は高くできる一方で、得られた基材の真比重は高く、しかも硬いため、緩衝性能は不十分であった。また、基材自体が硬いために、シート状の緩衝材としては、利用できなかった。更に、用途に応じて高価な金型を作る必要があるという問題もあった。
【0003】
これらの問題を解決する方法としては、例えば、特開昭56−41142号公報には、古紙パルプと繊維長10mm以上の繊維と熱硬化性樹脂粉末を乾式で混合後、加熱成型したパレットが開示されている。この方法を用いれば、パルプ間に水素結合がほとんど存在しないために、嵩高いシートの製造が可能である。しかしながら、熱硬化性樹脂粉末をバインダーとして使用しているために、加熱成型後のシートが硬くなり、緩衝性能が劣るばかりでなく、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂粉末を古紙パルプや繊維と混合するさい、あるいはその後の製造工程において、該熱硬化性樹脂粉末が飛散し、更に熱処理時にフェノールやホルマリンが発生する等、作業環境の悪化という問題があった。
【0004】
一方、特公昭52−20588号公報には、ダンボール、板紙等の古紙に対して、1〜50重量%の合成パルプを加え、これを乾式レファイナー等の解繊機を用いて乾燥状態で混合解繊後、フォーメーションワイヤー上に堆積し、次いで熱プレスにより平板状シートを製造する方法が開示されている。この方法を用いれば、シート形成の段階で水が存在しないため、水素結合の形成によりシートが硬くなり、シートの密度も上昇する等の問題はなく、しかも接着剤としてフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂粉末を使用していないため、製造時の熱硬化性樹脂粉末の飛散や、加熱処理時に発生するフェノールやホルマリンによる、作業環境の悪化は無い。しかし、古紙と合成パルプを乾式レファイナーで混合解繊するために、レファイナー内部の温度上昇により合成パルプが融解し、古紙パルプフロックを形成したり、レファイナー内部に融解した合成パルプが付着する等の問題点があり、また使用する古紙パルプの繊維長分布を特定の範囲にしていないため、多量の粉状微細パルプ繊維成分による作業環境の悪化や、パルプの長繊維成分の不足による、強度や成型性の不足等の問題により、安定して高品質の古紙ボードを作製することができなかった。
【0005】
更に、本発明者らは上記欠点に対して鋭意検討した結果、特願平06−229615に開示した古紙パルプの長さ加重平均長さ(Length−weighted average Length)が0.5mm以上となる様に空気中で乾式解繊してなる古紙パルプと、熱可塑性樹脂の微細繊維とを、乾式で混合した繊維集合体から成る古紙ボードが上記問題点の改良に優れていることを見い出した。しかしこの方法により得られた古紙ボードでも、衝撃を与えると混在する粉状微細パルプ繊維成分、填料等がボード表面から落ちるいわゆる粉落ち現象を生じ易い為、更に改良が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、古紙を主原料とすることにより、使用後に原料として再利用が可能であり、廃棄する場合でも土中への埋設により微生物で分解され、焼却処理する場合でも、有毒ガスの発生が無い、環境に優しい古紙ボードの製造方法を提供することにある。更に、製造工程で水を使用することに起因するボードの硬さがなく、製造時におけるバインダーや紙粉の飛散による環境の悪化がほとんど無く、使用したバインダーからのフェノールやホルマリン等の有害物質の発生なしに、古紙を有効に利用して、緩衝性、断熱性等に優れ、良好な強度と熱成型性を有する嵩高で且つ微細パルプ繊維、填料等の粉落ちが著しく少ない古紙ボードを安定かつ容易に製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
古紙を水を用いず空気中で乾式解繊した古紙パルプと熱可塑性樹脂の微細繊維とを、乾式で混合した繊維集合体を、該熱可塑性樹脂の融点以上の温度で加熱することにより、該熱可塑性樹脂微細繊維の一部叉は全部を溶解し、古紙パルプ同士の結合を行って作製したボードにおいて、ボード表面層に水を塗布した後に、加圧することを特徴とする古紙ボードである。
古紙を水を用いず空気中で乾式解繊した古紙パルプと熱可塑性樹脂の微細繊維とを、乾式で混合した繊維集合体を、該熱可塑性樹脂の融点以上の温度で加熱することにより、該熱可塑性樹脂微細繊維の一部叉は全部を溶解し、古紙パルプ同士の結合を行って作製したボードにおいて、ボード表面層に水系叉は非水系の樹脂を塗布すること特徴とする古紙ボードである。
叉、前記ボード表面に、水系叉は非水系の樹脂の塗布をボード形成後に行うことを特徴とする古紙ボードである。
叉、前記ボード表面に、 水系及び非水系の樹脂の塗布をボード形成前叉は同時に行うことを特徴とする古紙ボードである。
【0008】
古紙パルプの長さ加重平均長さ(Length−weighted average Length)が0.5mm以上であること、古紙パルプと熱可塑性樹脂の微細繊維の絶乾状態の重量比が、古紙パルプ/熱可塑性樹脂の微細繊維=95〜60/5〜40であること、更に、前記ボード表面層への接着剤の塗布量が、固形分として0.1〜5g/m2で得られる古紙ボードは、緩衝性、断熱性、粉落ち防止、成型性に優れていることを見い出し、本発明を完成した。
【0009】
【作用】
本発明に使用する古紙は、パルプ繊維を主体として形成されたものであれば特に限定されるものではないが、例えば新聞紙、雑誌、本、ダンボール、板紙、上質紙、チラシ、パンフレット、包装用紙等の古紙を使用することができる。解繊処理前の古紙の水分が、2〜15%、好ましくは2.5〜12%の範囲であるのが好ましい。古紙の水分が、2%より小さいと、シートが硬くなり、乾式での解繊時に低密度ボードの製造に適さない微細パルプ成分が増加する為好ましくない。
更に、低水分の為に、静電気の帯電が著しく、作業性を低下させる為、好ましくない。逆に、古紙の水分が15%を越えると乾式での解繊が、不十分になり、紙片やパルプフロックが存在しやすくなるばかりでなく、古紙ボード製造時の加熱処理工程で、トラブル発生の原因となる為好ましくない。
本発明においては、古紙は水を用いず空気中で解繊される。解繊の方法は通常のドライパルプ製造装置や乾式レファイナー等が使用可能である。この場合、古紙はシュレッダー等の断裁装置や破砕装置で、解繊前に事前に粗砕しても良い。
【0010】
本発明は、古紙パルプと熱可塑性樹脂の微細繊維とを、乾式で混合した繊維集合体を該熱可塑性樹脂の融点以上の温度で加熱し、該熱可塑性樹脂微細繊維の一部または全部を溶解し、古紙パルプ同士の結合を行って作製したボードにおいて、ボード表面層に水系叉は非水系の樹脂を塗布乾燥することである。
水系叉は非水系の樹脂としては、澱粉、カゼイン、ロジン等の天然高分子、ニトロセルロース、アセチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−酢ビ共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の合成高分子が挙げられる。形態としては溶液接着剤、エマルジョン系接着剤、感圧接着剤、再湿性接着剤、ホットメルト型接着剤、フィルム状接着剤、重・縮合型無溶剤接着剤に分かれる。
【0011】
本発明においてボード表面に水を塗布する場合に、水量としては、1〜500cc/m2が望ましい。1cc/m2未満の場合は粉落ち防止効果が弱く、500cc/m2を越えると加熱加圧した場合、離型時に古紙ボードの表面層が加圧ロール叉はプレートに部分的に付着し、表面が凹凸になり易く好ましく無い。好ましくは5〜300cc/m2である。
【0012】
ボード表面に塗布する接着剤の固形量は0.1〜5g/m2であるが、好ましくは0.5〜4g/m2である。4.0g/m2を越えると表面が硬くなり過ぎる為、緩衝性能が低下する。叉、0.1未満の場合、強い衝撃の場合の粉落ち適性に問題があり好ましくない。
【0013】
塗布方法としては、ブレード、エアーナイフ、ロール、リバースロール、ゲートロール、ロッド、グラビヤ、スライド、ディプ、カーテン、ファウンテン、押出し等の塗工及びサイズプレス更にスプレー方式、含浸、サイズプレス方式等各種方式を用いることができ、併用も可能である。中でもロール、ロッド、グラビヤ塗工、含浸及びスプレーが好ましい。
【0014】
ところで、乾燥方法としては公知のヤンキーシリンダー、カウンターフロー、インピンジメント(高速エアキャップ式、トンネル式)、エアスルー、エアフローティング、赤外線、マイクロ波、誘導加熱等が有るが、特に限定されない。
叉、用途に応じて乾燥と同時に圧力をかける加熱加圧方法が好ましい。この場合、熱プレスまたは熱キャレンダー掛けが好ましく、多段叉は併用で使用しても良い。
【0015】
また第二の特徴は、乾式で解繊後の長さ加重平均長さが0.5mm以上、好ましくは0.6mm以上の古紙パルプを用いることである。
パルプの長さ加重平均長さとは、パルプ中の各繊維長さを、Li(i=1,2,3──nは繊維の本数)とし、Liの自乗の総和を、Liの総和で除した数値である。古紙パルプの長さ加重平均繊維長さは、古紙パルプ中から、面積1mm2以上の未離解の紙片を除去後、バルメット・オートメーション社のカヤニー繊維長測定機(FS−2000)を用いて測定することが可能である。
【0016】
ところで本発明に使用可能な熱可塑性樹脂の微細繊維は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂、あるいはこれらの樹脂の共重合物を短繊維状に加工したもの、または上記樹脂の2種以上を同時に紡糸した、いわゆるサイドバイサイドタイプや、シースコアタイプの複合繊維を短繊維状に加工したものであり、これらの1種以上を使用することが可能である。特に、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂より製造された、パルプ状多分岐繊維が好ましい。
【0017】
また、熱可塑性樹脂の微細繊維の重量平均繊維長は、0.2〜15mmの範囲、好ましくは0.3〜5mmの範囲である。重量平均繊維長が0.2mm未満の場合は、作製した古紙ボードの強度が低下するため好ましくない。逆に重量平均繊維長が15mmを越えるとパルプ中の熱可塑性樹脂微細繊維の分散が不均一になり、好ましくない。熱可塑性樹脂の微細繊維の重量平均繊維長は、JIS P8207に示された装置を用い、TAPPI T233に示された方法で測定することが可能である。
【0018】
古紙パルプと熱可塑性微細繊維との絶乾重量配合比率は、古紙パルプ/微細繊維=95〜60/5〜40、好ましくは90〜70/10〜30の範囲とする。熱可塑性繊維の配合率が5%未満では作成した古紙ボードの強度が弱く、配合率が40%を越えるとボードが硬くなりすぎて好ましくない。
本発明においては、製品である古紙ボードの強度と成型性を向上させるために、古紙パルプ中に繊維の長い針葉樹パルプを配合することも可能である。
使用する針葉樹パルプとは、特に限定するものではないが、例えば針葉樹材をクラフト法、ソーダ法、ポリサルファイト法等で蒸解した化学パルプ、または、グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ等の機械パルプを晒若しくは未晒の状態で、単独でまたは混合して使用することができ、好ましくは未使用のパルプの方が良い。
【0019】
ボードの製法として、一般的に以下の様な方法が取られている。古紙パルプと熱可塑性微細繊維は加熱処理に先立ち、乾式でエアーや機械的な攪拌等により均一に混合し、均一に混合された古紙パルプと針葉樹パルプの混合パルプと熱可塑性微細繊維との繊維集合体は、移動するベルト状搬送用支持体上に積層され、加熱処理装置へ移送される。この場合、古紙パルプと熱可塑性微細繊維との混合繊維積層体を上下から通気性の搬送用支持体で挟んでもよいし、熱伝導性の高い、金属ベルト等ではさんで搬送しても良い。加熱装置としては、混合繊維積層体中の熱可塑性微細繊維の溶融が可能であれば、特に限定するものではなく、例えば、熱風炉やマイクロウエーブ等が使用できる。熱風炉の場合には、古紙パルプや熱可塑性微細繊維の飛散を防止するために、搬送用支持体の下から吸引しておくことが好ましい。加熱装置の加熱温度は、260℃以下であることが好ましい。加熱温度が260℃を越えると、パルプ繊維の炭化や発火の恐れがあり、好ましくない。
加熱装置により熱可塑性樹脂微細繊維の融点以上に加熱された古紙パルプおよび熱可塑性樹脂微細繊維の混合繊維積層体は、加熱装置内あるいは加熱装置を出た後で、プレスロール等の加圧装置によって加圧され、所望の厚さおよび密度の低密度ボードを得ることができる。この場合、加圧処理は加熱装置の中および加熱装置を出た後の両方で行ってもよい。
【0020】
一方、古紙パルプと熱可塑性微細繊維の混合繊維を加熱機能を有するプレス機で熱プレスすることによっても、上記方法と同様に古紙ボードを得ることが可能である。即ち、均一に混合された混合パルプと熱可塑性微細繊維の混合繊維を、所望の古紙ボードの厚さと同じ厚さのスペーサーを置いた、熱プレスの試料保持側(下側)のプレス板の上に積層し、該熱可塑性微細繊維の融点以上の温度で熱プレスすることによって、上記方法と同様に古紙ボードを作製することができるのである。この場合、熱プレスの加熱温度は、260℃以下であることが好ましい。加熱温度が260℃を越えると、パルプ繊維の炭化や発火の恐れがあり、好ましくない。プレス成型時の圧力は、混合繊維の積層体をスペーサーの厚みまで圧縮できる圧力であれば良く、特に限定するものではない。即ち、圧力を高くしても、スペーサーが存在することにより、スペーサーの厚み以下に混合繊維の積層体が潰されることは無い。
【0021】
上記方法等により得られる古紙ボードの密度は0.01〜0.4g/cm3、好ましくは0.05〜0.3g/cm3の範囲であることが好ましい。作成した古紙ボードの密度が0.01g/cm3より小さいと、ボードの強度が低下する為好ましく無く、逆に、ボードの密度が0.4g/cm3を越えると、作成したボードが硬くなり過ぎ、緩衝性能が低下する為好ましく無い。
【0022】
本発明によるボードは、古紙をその主原料とするため、廃棄物の有効利用が可能となり、使用後のボードは再度解繊されて古紙ボードの原料として使用可能である。更に、廃棄する場合でも土中への埋設立により、微生物による分解が可能であり、焼却処理する場合でも、有毒ガスの発生が無い、環境に極めて優しい資材である。本発明により、このような利点を有する古紙ボードを、製造工程でのバインダーの飛散による作業環境の悪化がほとんど無く、製造中にフェノールやホルマリン等の有害物質の発生無しに、安定かつ容易に製造することが可能となり、熱成型、打ち抜き、貼合せ等、必要に応じて種々加工されて、緩衝材、断熱、保温材等として使用することができる。
【0023】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものではない。尚、以下の実施例において、部および%は、特に指定がない場合には、全て重量部および重量%である。
【0024】
実施例1
新聞古紙とNBKPシートをそれぞれ単独でパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)製、TYPE FR−160)を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞光鉄工(株)製、TYPE P−270)を用いて乾式で解繊し、古紙パルプとNBKPを得た。得られた古紙パルプの長さ加重平均長さは1.07mmであり、NBKPの長さ加重平均長は2.69mmであった。得られた古紙パルプとNBKPを古紙パルプ/NBKP=45/55の割合で混合し、長さ加重平均長さ1.96mmの混合パルプを得た。得られた混合パルプと、乾式で解繊された乾燥された多分岐状合成パルプ(三井石油化学(株)製、商品名SWP、E780)を、混合パルプ/合成パルプ=80/20の割合で配合し、ミキサーで均一に混合して混合繊維を得た。合成パルプの融点は130℃であり平均繊維長は1.6mmであった。
次に、該混合繊維を8mmの高さのスペーサーを置いた熱プレス装置((株)東洋精機製作所製、ラボプレス30T)の間に積層し、5kg/cm2の圧力、170℃の温度で10分間保持し、ボードを得た。 更にこのボードに対して、100cc/m2の水をスプレーを使用して均一塗布し、7.5mmの間隙で、熱キャレンダー(温度:180℃)に通し、古紙ボードを作製した。得られた古紙ボードの密度は0.15g/cm3であり、坪量は1500g/cm2であった。
【0025】
実施例2
新聞古紙とNBKPシートをそれぞれ単独でパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)製、TYPE FR−160)を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞光鉄工(株)製、TYPE P−270)を用いて乾式で解繊し、古紙パルプとNBKPを得た。得られた古紙パルプの長さ加重平均長さは1.07mmであり、NBKPの長さ加重平均長は2.69mmであった。得られた古紙パルプとNBKPを古紙パルプ/NBKP=45/55の割合で混合し、長さ加重平均長さ1.96mmの混合パルプを得た。得られた混合パルプと、乾式で解繊された乾燥された多分岐状合成パルプ(三井石油化学(株)製、商品名SWP、E780)を、混合パルプ/合成パルプ=80/20の割合で配合し、ミキサーで均一に混合して混合繊維を得た。合成パルプの融点は130℃であり平均繊維長は1.6mmであった。
次に、該混合繊維を8mmの高さのスペーサーを置いた熱プレス装置((株)東洋精機製作所製、ラボプレス30T)の間に積層し、5kg/cm2の圧力、170℃の温度で10分間保持し、ボードを得た。 更にこのボードに対して、固形分1.0g/m2となるように酸化澱粉をスプレーを使用して均一塗布し、7.5mmの間隙で、熱キャレンダー(温度:180℃)に通し、古紙ボードを作製した。得られた古紙ボードの密度は0.15g/cm3であり、坪量は1500g/m2であった。
【0026】
実施例3
新聞古紙をパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)製、TYPE FR−160)を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞光鉄工(株)製、TYPE P−270)を用いて乾式で解繊し、古紙パルプを得た。得られた古紙パルプの長さ加重平均長さは1.07mmであった。得られた古紙パルプと、乾式で解繊された乾燥された多分岐状合成パルプ(三井石油化学(株)製、商品名SWP、E780)を、混合パルプ/合成パルプ=80/20の割合で配合し、ミキサーで均一に混合して混合繊維を得た。合成パルプの融点は130℃であり平均繊維長は1.6mmであった。
次に、該混合繊維を8mmの高さのスペーサーを置いた熱プレス装置((株)東洋精機製作所製、ラボプレス30T)の間に積層し、5kg/cm2の圧力、170℃の温度で10分間保持し、ボードを得た。 更にこのボードに対して、固形分1.0g/m2となるように酸化澱粉をスプレーを使用して均一塗布し、7.0mmの高さのスペーサーを置いた熱プレス装置((株)東洋精機製作所製、ラボプレス30T)に再度挟み、5kg/cm2の圧力で170℃の温度を10分間保持しボードを得た。得られた古紙ボードの密度は0.15g/cm3であり、坪量は1500g/m2であった。
【0027】
実施例4
新聞古紙とNBKPシートをそれぞれ単独でパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)製、TYPE FR−160)を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞光鉄工(株)製、TYPE P−270)を用いて乾式で解繊し、古紙パルプとNBKPを得た。得られた古紙パルプの長さ加重平均長さは1.07mmであり、得られたNBKPの長さ加重平均長は2.69mmであった。得られた古紙パルプとNBKPを古紙パルプ/NBKP=70/30の割合で混合し、長さ加重平均長さ1.80mmの混合パルプを得た。得られた混合パルプと、乾式で解繊された乾燥された多分岐状合成パルプ(三井石油化学(株)製、商品名SWP、E780)を、混合パルプ/合成パルプ=80/20の割合で配合し、ミキサーで均一に混合して混合繊維を得た。合成パルプの融点は130℃であり平均繊維長は1.6mmであった。
次に、該混合繊維を、下部から吸引された多孔質材料よりなる搬送用ベルト上に積層し、熱風ドライヤー中へ導入した。ドライヤーの温度は180℃であった。次いで、ドライヤー出口に設置したプレスロールで、加熱処理した混合繊維積層体の厚みが15mmに成型したボードを得た。
更にこのボードに対して1.0g/m2のスチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名SN307:住友ダウ(株)製)をスプレーでほぼ均一に塗布し、8mmの間隔で、熱キャレンダー(温度:180℃)を2回通し、古紙ボードを作製した。得られた古紙ボードの密度は0.12g/cm3であり、坪量は1500g/m2であった。
【0028】
実施例5
新聞古紙をパルプ粗砕機(瑞光鉄工(株)製、TYPE FR−160)を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(瑞光鉄工(株)製、TYPE P−270)を用いて乾式で解繊し、古紙パルプを得た。得られた古紙パルプの長さ加重平均長さは1.07mmであった。得られた古紙パルプと、乾式で解繊された乾燥された多分岐状合成パルプ(三井石油化学(株)製、商品名SWP、E780)を、混合パルプ/合成パルプ=80/20の割合で配合し、ミキサーで均一に混合して混合繊維を得た。合成パルプの融点は130℃であり平均繊維長は1.6mmであった。
次に、該混合繊維を、下部から吸引された多孔質材料よりなる搬送用ベルト上に積層し、熱風ドライヤー中へ導入した。ドライヤーの温度は180℃であった。次いで、ドライヤー出口に設置したプレスロールで、加熱処理した混合繊維積層体の厚みが15mmに成型したボードを得た。
更にこのボードに対して、ほぼ1.0g/m2のカルボキシメチルセルロース(商品名セロゲンWSC 第一製薬(株)製)をスプレーで塗布させ、その後、該混合繊維を8mmの高さのスペーサーを置いた熱プレス装置((株)東洋精機製作所製、ラボプレス30T)の間に積層し、5kg/cm2の圧力、170℃の温度で10分間保持し、古紙ボードを得た。得られた古紙ボードの密度は0.15g/cm3であり、坪量は1500g/m2であった。
【0029】
比較例1
実施例1と同様の方法で得られたボードに対して、100cc/m2の水をスプレーを使用して均一塗布するだけで、熱カレンダー処理は行わずに古紙ボードを作製した。得られた古紙ボードの密度は0.13g/cm3であり、坪量は1500g/cm2であった。
比較例2
実施例4と同様の方法で得られたボードに対して、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名SN307:住友ダウ(株)製)を塗らなかったこと以外は実施例4と同様にして、古紙ボードを作製した。得られた古紙ボードの密度は0.11g/cm3であり、坪量は1500g/m2であった。
【0030】
実施例1〜5、比較例1〜2で得られたシートを下記の試験方法で試験し、その品質を評価した。結果は表1および表2に示す通りである。
試験方法
(1)古紙パルプの、長さ平均加重長さ:バルメット・オートメーション社製、カヤーニ繊維長測定機(FS−200)を用いて測定。
(2)熱性微細繊維の重量平均繊維長:JIS P8207にしめされた装置を用い、TAPPI T233に示された方法で測定。
(3)坪量:JIS P8126に示された方法を用いて測定。
(4)密度:JIS P8118に示された方法を用いて測定。
(5)引張強度:JIS P8113に示された方法を用いて測定。
(6)L型成型性:L型金具2枚にサンプルを曲げてはさみ、しやこ万力ではさんで固定後、170℃で10分保持したものにつき、L型成型性を以下の5段階で評価した。
5・・・成型後の戻りや曲げ部分のひび割れが全くなく極めて良好である。
4・・・成型性が良好である。
3・・・成型性が普通である。
2・・・成型後に戻りがあり、ひび割れも目立つ。
1・・・成型性が全くない。
(7)ボード緩衝性:古紙ボードの緩衝性能を官能評価で、次の5段階で評価した。
5・・・緩衝性が極めて良好である。
4・・・緩衝性が良好である。
3・・・緩衝性が普通である。
2・・・緩衝性が劣る。
1・・・緩衝性が極めて劣る。
(8)粉落ち適性:黒い厚紙を敷いた上で低密度ボードを50cmの高さから落とすことを20回繰り返しその時の粉落ち量を目視評価する。
5・・・粉落ちが殆ど無い。
4・・・少し粉落ちはあるが良好である。
3・・・粉落ちはあるが、実用上問題無しレベル。
2・・・粉落ちが有り実用上問題有りレベル。
1・・・粉落ちが多く極めて劣る。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わる古紙ボードの製造方法は、古紙の新たな用途を提供するものであり、従来から使用されている、ポリスチレン発泡体等に比較して燃焼エネルギーが低く、有毒ガスの発生もなく、土中へ埋設した場合には土中の微生物で容易に分解し、更に使用済みのボードはパルプ原料として容易に再利用が可能である。本発明に示した方法に従い、平均繊維長が特定の長さ以上である古紙パルプを主原料と熱可塑性樹脂の微細繊維とを、乾式で混合した繊維集合体からなる古紙ボードおいて、水を塗布した後に加圧する、あるいは水系叉は非水系の樹脂をボード表面へ塗布することを特徴とする古紙ボードであり、緩衝性及び強度に優れ、しかも成型性及び衝撃による微細繊維、填料等の粉落ちの少ない古紙ボードを容易に製造することが可能となった。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a method for producing waste paper board using waste paper as a main raw material, and is widely used as a cushioning material used for the purpose of preventing breakage, damage, crushing, etc. of articles, heat insulation, heat insulation, etc. Is possible.
[0002]
[Prior art]
From the viewpoint of environmental protection and effective use of resources, in recent years, there has been an urgent need to expand the fields and methods of use of large amounts of used paper discharged from factories, shops, offices, general households, and the like. As a method of using waste paper as a raw material for cushioning material, waste paper pulp produced by defibrating waste paper with water is introduced into a mold and dried to obtain a pack-like cushioning material for preventing damage to eggs, so-called The mold method is widely used. However, the waste paper pulp buffer material obtained by this method is formed by drying waste paper pulp that has been defibrated with water, so that strong hydrogen bonds are formed between the pulps, and the apparent bulk is high due to the shape of the mold. On the other hand, since the true specific gravity of the obtained base material was high and hard, the buffer performance was insufficient. Moreover, since the base material itself was hard, it could not be used as a sheet-like cushioning material. Furthermore, there is a problem that it is necessary to make an expensive mold according to the application.
[0003]
As a method for solving these problems, for example, JP-A-56-41142 discloses a pallet obtained by mixing waste paper pulp, fibers having a fiber length of 10 mm or more, and thermosetting resin powder in a dry manner, followed by heat molding. Has been. If this method is used, since there is almost no hydrogen bond between pulps, a bulky sheet can be produced. However, since thermosetting resin powder is used as a binder, the sheet after heat molding becomes hard and the buffering performance is inferior, and the thermosetting resin powder such as phenol resin is mixed with waste paper pulp and fibers. On the other hand, in the subsequent manufacturing process, the thermosetting resin powder is scattered, and further, there is a problem that the working environment is deteriorated such that phenol and formalin are generated during the heat treatment.
[0004]
On the other hand, in Japanese Patent Publication No. 52-20588, 1-50% by weight of synthetic pulp is added to used paper such as cardboard and paperboard, and this is mixed and defibrated in a dry state using a defibrator such as a dry refiner. Subsequently, a method of depositing on a formation wire and then producing a flat sheet by hot pressing is disclosed. If this method is used, water does not exist at the stage of sheet formation, so there is no problem of the sheet becoming hard due to the formation of hydrogen bonds and the density of the sheet also increases, and thermosetting such as phenol resin as an adhesive. Since the resin powder is not used, there is no deterioration of the working environment due to the scattering of the thermosetting resin powder during production and the phenol and formalin generated during the heat treatment. However, in order to mix and defibrate waste paper and synthetic pulp with a dry refiner, the synthetic pulp melts due to the temperature rise inside the refiner, forming waste paper pulp flock, and the melted synthetic pulp adheres inside the refiner. Since there is a point, and the fiber length distribution of used paper pulp is not in a specific range, strength and moldability due to deterioration of working environment due to a large amount of fine powdery pulp fiber component and shortage of pulp long fiber component Due to problems such as shortage, it was impossible to stably produce high-quality waste paper boards.
[0005]
Furthermore, as a result of intensive studies on the above-mentioned defects, the present inventors have found that the length-weighted average length of waste paper pulp disclosed in Japanese Patent Application No. 06-229615 is 0.5 mm or more. In addition, the present inventors have found that a waste paper board comprising a fiber aggregate obtained by dry-mixing dry pulp in the air and fine fibers of a thermoplastic resin is excellent in improving the above problems. However, even in the waste paper board obtained by this method, when a shock is applied, the powdery fine pulp fiber component, filler, etc. which are mixed easily fall off from the board surface, so that further improvement has been desired.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to use waste paper as a main raw material, so that it can be reused as a raw material after use, and even if it is discarded or decomposed by microorganisms by being buried in the soil and incinerated, An object is to provide an environmentally friendly method for producing waste paper board that does not generate any problems. Furthermore, there is no board hardness resulting from the use of water in the manufacturing process, there is almost no deterioration of the environment due to the scattering of binder and paper powder during manufacturing, and there are no harmful substances such as phenol and formalin from the used binder. Effectively using waste paper without generation, it is excellent in buffering properties, heat insulation, etc. The object is to provide a method of manufacturing easily.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
By heating a fiber assembly obtained by dry-mixing waste paper pulp obtained by dry defibrating waste paper in the air without using water and a fine fiber of thermoplastic resin at a temperature equal to or higher than the melting point of the thermoplastic resin, A waste paper board, wherein a part or all of thermoplastic resin fine fibers are dissolved and the paper pulps are bonded to each other, and water is applied to the board surface layer and then pressurized.
By heating a fiber assembly obtained by dry-mixing waste paper pulp obtained by dry defibrating waste paper in the air without using water and a fine fiber of thermoplastic resin at a temperature equal to or higher than the melting point of the thermoplastic resin, A waste paper board characterized by applying a water-based or non-aqueous resin to the board surface layer in a board produced by dissolving some or all of the thermoplastic resin fine fibers and bonding the used paper pulp together. .
The used paper board is characterized in that an aqueous or non-aqueous resin is applied to the surface of the board after the board is formed.
In addition, the used paper board is characterized in that aqueous and non-aqueous resins are applied to the surface of the board before or at the same time as the board is formed.
[0008]
The length-weighted average length of the waste paper pulp is 0.5 mm or more, and the weight ratio of the waste paper pulp to the fine fibers of the thermoplastic resin is the ratio of the waste paper pulp / thermoplastic resin. Fine fiber = 95 to 60/5 to 40, and the coating amount of the adhesive to the board surface layer is 0.1 to 5 g / m as a solid content. 2 And found that the used paper board is excellent in buffering property, heat insulating property, prevention of powder falling off, and moldability, and completed the present invention.
[0009]
[Action]
The waste paper used in the present invention is not particularly limited as long as it is formed mainly of pulp fiber, for example, newspaper, magazine, book, cardboard, paperboard, fine paper, flyer, brochure, packaging paper, etc. Old paper can be used. It is preferable that the water content of the waste paper before defibrating is in the range of 2 to 15%, preferably 2.5 to 12%. If the water content of the waste paper is less than 2%, the sheet becomes hard and undesirably increases the fine pulp components that are not suitable for the production of low density boards at the time of dry defibration.
Furthermore, the low moisture content is not preferable because static electricity is remarkably charged and the workability is lowered. On the contrary, if the water content of the used paper exceeds 15%, dry defibration becomes insufficient, and not only paper fragments and pulp flocs are likely to be present, but also troubles may occur in the heat treatment process during used paper board manufacturing. It is not preferable because it causes.
In the present invention, waste paper is defibrated in the air without using water. As a method of defibration, a normal dry pulp production apparatus, a dry refiner, or the like can be used. In this case, the waste paper may be roughly crushed in advance by a cutting device such as a shredder or a crushing device before defibration.
[0010]
The present invention heats a fiber assembly obtained by mixing waste paper pulp and thermoplastic resin fine fibers in a dry manner at a temperature equal to or higher than the melting point of the thermoplastic resin, and dissolves some or all of the thermoplastic resin fine fibers. In a board produced by bonding waste paper pulps, an aqueous or non-aqueous resin is applied to the board surface layer and dried.
Water-based or non-aqueous resins include natural polymers such as starch, casein, and rosin; semi-synthetic polymers such as nitrocellulose, acetylcellulose, and carboxymethylcellulose; polyvinyl alcohol, styrene-butadiene rubber, and ethylene-vinyl acetate. Synthetic polymers such as polymers, acrylic acid-acrylic acid ester copolymers, epoxy resins, phenol resins, alkyd resins and the like can be mentioned. Forms are divided into solution adhesives, emulsion adhesives, pressure sensitive adhesives, rehumidifying adhesives, hot melt adhesives, film adhesives, and polycondensation solventless adhesives.
[0011]
In the present invention, when water is applied to the board surface, the amount of water is 1 to 500 cc / m. 2 Is desirable. 1cc / m 2 If it is less than 500 cc / m, the powder fall-off preventing effect is weak. 2 When the pressure is exceeded, the surface layer of the used paper board partially adheres to the pressure roll or plate at the time of releasing, and the surface tends to become uneven, which is not preferable. Preferably 5 to 300cc / m 2 It is.
[0012]
The solid amount of the adhesive applied to the board surface is 0.1 to 5 g / m. 2 But preferably 0.5-4 g / m 2 It is. 4.0 g / m 2 If it exceeds 1, the surface becomes too hard and the buffering performance is reduced. If it is less than 0.1, there is a problem in suitability for powder removal in the case of a strong impact, which is not preferable.
[0013]
Coating methods include blades, air knives, rolls, reverse rolls, gate rolls, rods, gravure, slides, dip, curtains, fountains, extrusions, and other types of spraying, impregnation, size pressing, etc. Can be used, and can be used in combination. Of these, rolls, rods, gravure coating, impregnation and spraying are preferred.
[0014]
By the way, as a drying method, there are known Yankee cylinder, counter flow, impingement (high speed air cap type, tunnel type), air through, air floating, infrared ray, microwave, induction heating, etc., but it is not particularly limited.
In addition, a heating and pressurizing method in which pressure is applied simultaneously with drying depending on the application is preferable. In this case, heat pressing or heat calendaring is preferable, and it may be used in multiple stages or in combination.
[0015]
The second feature is that used paper pulp is dry and has a weight-weighted average length after defibration of 0.5 mm or more, preferably 0.6 mm or more.
Pulp length Weighted average length is the length of each fiber in the pulp, Li (i = 1, 2, 3-n is the number of fibers), and the sum of the square of Li is divided by the sum of Li. It is a numerical value. The length-weighted average fiber length of waste paper pulp is 1mm in area from the waste paper pulp. 2 After removing the above undissolved piece of paper, it can be measured using a Kaney fiber length measuring machine (FS-2000) manufactured by Valmet Automation.
[0016]
By the way, the fine fibers of the thermoplastic resin that can be used in the present invention are short of polyolefin resins such as polyethylene and polypropylene, polyamide resins such as nylon, thermoplastic resins such as polyester resins, or copolymers of these resins. Processed into a fibrous form, or a so-called side-by-side type or seascore type composite fiber obtained by simultaneously spinning two or more of the above-mentioned resins into a short fiber, and using one or more of these Is possible. In particular, a pulp-like multibranched fiber manufactured from a polyolefin resin such as polyethylene or polypropylene is preferable.
[0017]
Moreover, the weight average fiber length of the fine fiber of a thermoplastic resin is the range of 0.2-15 mm, Preferably it is the range of 0.3-5 mm. A weight average fiber length of less than 0.2 mm is not preferable because the strength of the produced waste paper board decreases. On the other hand, if the weight average fiber length exceeds 15 mm, the dispersion of the thermoplastic resin fine fibers in the pulp becomes non-uniform, which is not preferable. The weight average fiber length of the fine fibers of the thermoplastic resin can be measured by a method shown in TAPPI T233 using an apparatus shown in JIS P8207.
[0018]
The absolute dry weight blending ratio between the waste paper pulp and the thermoplastic fine fiber is in the range of waste paper pulp / fine fiber = 95 to 60/5 to 40, preferably 90 to 70/10 to 30. If the blending ratio of the thermoplastic fiber is less than 5%, the strength of the prepared waste paper board is weak, and if the blending ratio exceeds 40%, the board becomes too hard.
In the present invention, in order to improve the strength and moldability of the used paper board, which is a product, it is also possible to blend soft wood pulp having long fibers into the used paper pulp.
The softwood pulp to be used is not particularly limited. Alternatively, they can be used alone or mixed in an unbleached state, and preferably unused pulp is better.
[0019]
As a board manufacturing method, the following methods are generally taken. Prior to heat treatment, waste paper pulp and thermoplastic fine fibers are uniformly mixed by air, mechanical stirring, etc. in a dry process, and a fiber aggregate of the mixed pulp of waste paper pulp and softwood pulp and thermoplastic fine fibers that are uniformly mixed The body is laminated on the moving belt-like conveyance support and transferred to the heat treatment apparatus. In this case, a mixed fiber laminate of waste paper pulp and thermoplastic fine fibers may be sandwiched from above and below by a breathable carrier support, or may be conveyed by a metal belt or the like having high thermal conductivity. The heating device is not particularly limited as long as the thermoplastic fine fibers in the mixed fiber laminate can be melted. For example, a hot stove or a microwave can be used. In the case of a hot stove, it is preferable to suck from the bottom of the conveying support in order to prevent scattering of waste paper pulp and thermoplastic fine fibers. The heating temperature of the heating device is preferably 260 ° C. or lower. When the heating temperature exceeds 260 ° C., there is a fear of carbonization or ignition of the pulp fiber, which is not preferable.
The waste paper pulp and the mixed fiber laminate of thermoplastic resin fine fibers heated by the heating device to a temperature higher than the melting point of the thermoplastic resin fine fibers are put in the heating device or after leaving the heating device by a pressing device such as a press roll. Pressurized to obtain a low density board of desired thickness and density. In this case, the pressure treatment may be performed both in the heating device and after leaving the heating device.
[0020]
On the other hand, it is possible to obtain a used paper board in the same manner as in the above method by heat-pressing a mixed fiber of used paper pulp and thermoplastic fine fibers with a press having a heating function. That is, the mixed fiber of uniformly mixed pulp and thermoplastic fine fiber is placed on the press plate on the sample holding side (lower side) of the heat press with a spacer having the same thickness as the desired waste paper board thickness. The used paper board can be produced in the same manner as in the above method by laminating the film and hot pressing at a temperature equal to or higher than the melting point of the thermoplastic fine fiber. In this case, it is preferable that the heating temperature of a hot press is 260 degrees C or less. When the heating temperature exceeds 260 ° C., there is a fear of carbonization or ignition of the pulp fiber, which is not preferable. The pressure at the time of press molding is not particularly limited as long as it is a pressure capable of compressing the laminated body of mixed fibers to the thickness of the spacer. That is, even if the pressure is increased, the presence of the spacer does not cause the mixed fiber laminate to be crushed below the thickness of the spacer.
[0021]
The density of the used paper board obtained by the above method is 0.01 to 0.4 g / cm. 3 , Preferably 0.05 to 0.3 g / cm 3 It is preferable that it is the range of these. The density of the used waste paper board is 0.01g / cm 3 If it is smaller, the strength of the board decreases, which is not preferable. Conversely, the density of the board is 0.4 g / cm. 3 Exceeding this is not preferable because the board produced becomes too hard and the buffer performance is reduced.
[0022]
Since the board according to the present invention uses waste paper as its main raw material, it is possible to effectively use waste, and the used board can be defibrated again and used as a raw material for waste paper board. Furthermore, even if it is discarded, it can be decomposed by microorganisms by being established in the soil, and it is an environmentally friendly material that does not generate toxic gas even when incinerated. According to the present invention, the waste paper board having such advantages can be manufactured stably and easily with almost no deterioration of the working environment due to the scattering of the binder in the manufacturing process and without generation of harmful substances such as phenol and formalin during the manufacturing. And can be used as a cushioning material, a heat insulating material, a heat insulating material, and the like after being variously processed as necessary, such as thermoforming, punching, and bonding.
[0023]
【Example】
The present invention will be described more specifically with reference to the following examples. However, the present invention is not limited to these examples. In the following examples, “parts” and “%” are all “parts by weight” and “% by weight” unless otherwise specified.
[0024]
Example 1
Newspaper waste paper and NBKP sheet were crushed independently using a pulp crusher (manufactured by Ruikou Iron Works Co., Ltd., TYPE FR-160), and then used as a pulp crusher (manufactured by Ruikou Iron Works Co., Ltd., TYPE P-270) And then defibrated by dry method to obtain waste paper pulp and NBKP. The length-weighted average length of the obtained waste paper pulp was 1.07 mm, and the length-weighted average length of NBKP was 2.69 mm. The obtained waste paper pulp and NBKP were mixed at a ratio of waste paper pulp / NBKP = 45/55 to obtain a mixed pulp having a length weighted average length of 1.96 mm. The obtained mixed pulp and the dried multi-branched synthetic pulp (trade name SWP, E780, manufactured by Mitsui Petrochemical Co., Ltd.) that has been defibrated in a dry manner are mixed pulp / synthetic pulp = 80/20. The mixed fiber was obtained by mixing and uniformly mixing with a mixer. The melting point of the synthetic pulp was 130 ° C., and the average fiber length was 1.6 mm.
Next, the mixed fiber is laminated between a heat press apparatus (laboratory press 30T, manufactured by Toyo Seiki Seisakusho Co., Ltd.) having a spacer of 8 mm height, and 5 kg / cm. 2 At a temperature of 170 ° C. for 10 minutes to obtain a board. Furthermore, for this board, 100cc / m 2 Water was uniformly applied using a spray and passed through a heat calendar (temperature: 180 ° C.) with a gap of 7.5 mm to produce a waste paper board. The density of the obtained waste paper board is 0.15 g / cm 3 The basis weight is 1500 g / cm 2 Met.
[0025]
Example 2
Newspaper waste paper and NBKP sheet were crushed independently using a pulp crusher (manufactured by Ruikou Iron Works Co., Ltd., TYPE FR-160), and then used as a pulp crusher (manufactured by Ruikou Iron Works Co., Ltd., TYPE P-270) And then defibrated by dry method to obtain waste paper pulp and NBKP. The length-weighted average length of the obtained waste paper pulp was 1.07 mm, and the length-weighted average length of NBKP was 2.69 mm. The obtained waste paper pulp and NBKP were mixed at a ratio of waste paper pulp / NBKP = 45/55 to obtain a mixed pulp having a length weighted average length of 1.96 mm. The obtained mixed pulp and the dried multi-branched synthetic pulp (trade name SWP, E780, manufactured by Mitsui Petrochemical Co., Ltd.) that has been defibrated in a dry manner are mixed pulp / synthetic pulp = 80/20. The mixed fiber was obtained by mixing and uniformly mixing with a mixer. The melting point of the synthetic pulp was 130 ° C., and the average fiber length was 1.6 mm.
Next, the mixed fiber is laminated between a heat press apparatus (laboratory press 30T, manufactured by Toyo Seiki Seisakusho Co., Ltd.) having a spacer of 8 mm height, and 5 kg / cm. 2 At a temperature of 170 ° C. for 10 minutes to obtain a board. Furthermore, solid content 1.0g / m for this board 2 Oxidized starch was uniformly applied using a spray so as to be, and passed through a heat calendar (temperature: 180 ° C.) with a gap of 7.5 mm to produce a used paper board. The density of the obtained waste paper board is 0.15 g / cm 3 The basis weight is 1500 g / m 2 Met.
[0026]
Example 3
Newspaper waste paper is crushed using a pulp crusher (TYPE FR-160, manufactured by Ruikou Iron Works Co., Ltd.), and then defibrated using a pulp crusher (manufactured by Zuikou Iron Works, TYPE P-270). , Obtained waste paper pulp. The length-weighted average length of the obtained waste paper pulp was 1.07 mm. The obtained waste paper pulp and the dried multi-branched synthetic pulp (trade name SWP, E780, manufactured by Mitsui Petrochemical Co., Ltd.) that has been defibrated in a dry manner are mixed pulp / synthetic pulp = 80/20 The mixed fiber was obtained by mixing and uniformly mixing with a mixer. The melting point of the synthetic pulp was 130 ° C., and the average fiber length was 1.6 mm.
Next, the mixed fiber is laminated between a heat press apparatus (laboratory press 30T, manufactured by Toyo Seiki Seisakusho Co., Ltd.) having a spacer of 8 mm height, and 5 kg / cm. 2 At a temperature of 170 ° C. for 10 minutes to obtain a board. Furthermore, solid content 1.0g / m for this board 2 Oxidized starch was uniformly applied using a spray so as to be, and sandwiched again with a heat press apparatus (Lab Press 30T, manufactured by Toyo Seiki Seisakusho Co., Ltd.) with a spacer of 7.0 mm in height, 5 kg / cm 2 A board was obtained by maintaining a temperature of 170 ° C. for 10 minutes at a pressure of The density of the obtained waste paper board is 0.15 g / cm 3 The basis weight is 1500 g / m 2 Met.
[0027]
Example 4
Newspaper waste paper and NBKP sheet were crushed independently using a pulp crusher (manufactured by Ruikou Iron Works Co., Ltd., TYPE FR-160), and then used as a pulp crusher (manufactured by Ruikou Iron Works Co., Ltd., TYPE P-270) And then defibrated by dry method to obtain waste paper pulp and NBKP. The length-weighted average length of the obtained waste paper pulp was 1.07 mm, and the length-weighted average length of the obtained NBKP was 2.69 mm. The obtained waste paper pulp and NBKP were mixed at a ratio of waste paper pulp / NBKP = 70/30 to obtain a mixed pulp having a length weighted average length of 1.80 mm. The obtained mixed pulp and the dried multi-branched synthetic pulp (trade name SWP, E780, manufactured by Mitsui Petrochemical Co., Ltd.) that has been defibrated in a dry manner are mixed pulp / synthetic pulp = 80/20. The mixed fiber was obtained by mixing and uniformly mixing with a mixer. The melting point of the synthetic pulp was 130 ° C., and the average fiber length was 1.6 mm.
Next, the mixed fiber was laminated on a conveying belt made of a porous material sucked from the lower part and introduced into a hot air dryer. The dryer temperature was 180 ° C. Subsequently, the board which shape | molded the thickness of the mixed fiber laminated body heat-processed with the press roll installed in the dryer exit to 15 mm was obtained.
Furthermore, 1.0g / m for this board 2 Styrene-butadiene latex (trade name SN307: manufactured by Sumitomo Dow Co., Ltd.) was applied almost uniformly with a spray, and a heat calendar (temperature: 180 ° C.) was passed twice at intervals of 8 mm to produce a waste paper board. did. The density of the obtained waste paper board is 0.12 g / cm 3 The basis weight is 1500 g / m 2 Met.
[0028]
Example 5
Newspaper waste paper is crushed using a pulp crusher (TYPE FR-160, manufactured by Ruikou Iron Works Co., Ltd.), and then defibrated using a pulp crusher (manufactured by Zuikou Iron Works, TYPE P-270). , Obtained waste paper pulp. The length-weighted average length of the obtained waste paper pulp was 1.07 mm. The obtained waste paper pulp and the dried multi-branched synthetic pulp (trade name SWP, E780, manufactured by Mitsui Petrochemical Co., Ltd.) that has been defibrated in a dry manner are mixed pulp / synthetic pulp = 80/20 The mixed fiber was obtained by mixing and uniformly mixing with a mixer. The melting point of the synthetic pulp was 130 ° C., and the average fiber length was 1.6 mm.
Next, the mixed fiber was laminated on a conveying belt made of a porous material sucked from the lower part and introduced into a hot air dryer. The dryer temperature was 180 ° C. Subsequently, the board which shape | molded the thickness of the mixed fiber laminated body heat-processed with the press roll installed in the dryer exit to 15 mm was obtained.
Furthermore, about 1.0 g / m for this board 2 Carboxymethylcellulose (trade name Serogen WSC, manufactured by Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd.) was applied by spraying, and then the mixed fiber was placed on a hot press device (manufactured by Toyo Seiki Seisakusho Co., Ltd., Lab Press). 30T), and 5kg / cm 2 Was maintained at a temperature of 170 ° C. for 10 minutes to obtain a used paper board. The density of the obtained waste paper board is 0.15 g / cm 3 The basis weight is 1500 g / m 2 Met.
[0029]
Comparative Example 1
100 cc / m for the board obtained in the same manner as in Example 1. 2 The used paper board was produced by simply applying a uniform amount of water using a spray and without performing a heat calendar process. The density of the obtained waste paper board is 0.13 g / cm 3 The basis weight is 1500 g / cm 2 Met.
Comparative Example 2
Waste paper board in the same manner as in Example 4 except that the styrene-butadiene latex (trade name SN307: manufactured by Sumitomo Dow Co., Ltd.) was not applied to the board obtained by the same method as in Example 4. Was made. The density of the obtained waste paper board is 0.11 g / cm 3 The basis weight is 1500 g / m 2 Met.
[0030]
The sheet | seat obtained in Examples 1-5 and Comparative Examples 1-2 was tested with the following test method, and the quality was evaluated. The results are as shown in Tables 1 and 2.
Test method
(1) Length average weighted length of waste paper pulp: Measured using a Kajaani fiber length measuring machine (FS-200) manufactured by Valmet Automation.
(2) Weight average fiber length of thermal fine fibers: Measured by a method shown in TAPPI T233 using an apparatus shown in JIS P8207.
(3) Basis weight: Measured using the method shown in JIS P8126.
(4) Density: Measured using the method shown in JIS P8118.
(5) Tensile strength: measured using the method described in JIS P8113.
(6) L-shaped moldability: L-shaped moldability is divided into two L-shaped metal fittings, held between 170 ° C for 10 minutes after being clamped with shiyako vise, and the L-shaped moldability is divided into the following 5 levels. evaluated.
5: Very good with no return after molding or cracks in the bent part.
4 ... Good moldability.
3 ... Formability is normal.
2 ... There is a return after molding, and cracks are conspicuous.
1 ... No moldability.
(7) Board buffering property: The buffering performance of the used paper board was evaluated by sensory evaluation in the following five stages.
5: The buffering property is very good.
4 ... Buffering property is good.
3 ... Buffering is normal.
2 ... Buffering property is inferior.
1 ... Buffering property is extremely inferior.
(8) Appropriateness of powder fall: After laying black cardboard, dropping a low-density board from a height of 50 cm is repeated 20 times, and the amount of powder fall off at that time is visually evaluated.
5 ... Almost no powder fall off.
4 ... Slightly powdered but good.
3 ... Although there is powder fall, there is no problem in practical use.
2 ... Powder falling and practically problematic level.
1 ... Much powder falling off and very inferior.
[0031]
[Table 1]
[0032]
[Table 2]
[0033]
【The invention's effect】
As described above, the method for producing used paper board according to the present invention provides a new use of used paper, and has lower combustion energy than existing polystyrene foam and the like. There is no generation of poisonous gas, and when it is buried in the soil, it is easily decomposed by microorganisms in the soil, and the used board can be easily reused as a pulp raw material. In accordance with the method shown in the present invention, in a waste paper board comprising a fiber aggregate in which waste paper pulp having an average fiber length equal to or longer than a specific length and a main raw material and fine fibers of a thermoplastic resin are mixed in a dry manner, water is added. A used paper board characterized by applying pressure after application or by applying aqueous or non-aqueous resin to the board surface. It has excellent cushioning and strength, and it is a fine fiber and filler powder due to moldability and impact. It has become possible to easily manufacture waste paper boards with few drops.