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JP3623016B2 - 竪型焼成炉 - Google Patents

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JP3623016B2
JP3623016B2 JP16712395A JP16712395A JP3623016B2 JP 3623016 B2 JP3623016 B2 JP 3623016B2 JP 16712395 A JP16712395 A JP 16712395A JP 16712395 A JP16712395 A JP 16712395A JP 3623016 B2 JP3623016 B2 JP 3623016B2
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Chisaki Co Ltd
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    • F27DDETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
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  • Feeding, Discharge, Calcimining, Fusing, And Gas-Generation Devices (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は石灰石、ドロマイト、マグネサイトのような鉱物あるいは各種の無機物質を混合・成形して作ったペレットなどの粉粒あるいは粉塊の原料(以下、「原料」という)を高温下で焼成して製品を得る技術分野において利用され、特にそのための竪型焼成炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の竪型焼成炉としては特許第1200742号(特公昭58−32307)において開示されているものが知られている。この公知の焼成炉は、鉛直軸線を中心として回転する環板状の回転炉床を炉蓋の下方に設け、外部から焼成されるべき原料を供給するための原料供給管を通して該回転炉床上の予熱空間に落下供給して原料の一次堆積層を形成する。該一次堆積層は原料供給管側の上部自由表面と燃焼室に面する下部自由表面とを安息角をもって形成する。上記炉蓋の直下で回転炉床の中央空間部に形成される燃焼室に対面する上記一次堆積層の下部自由表面に対する燃焼室の高温の炎・燃焼ガスから放射伝熱および上記一次堆積層を上方に貫流し上部自由表面へ流出する燃焼ガスからの対流伝熱によって上記原料を加熱して50〜60%程度の焼成(半焼成)を達成し、炉の周囲に配置した複数のプッシャーの作用で上記回転炉床の中央部に形成された落下口から上記半焼成の原料を落下させて、上記炉床に連続して下方に延びるように設けられた筒状の炉本体の下部空間に上記半焼成原料の二次堆積層を形成させここで完全なる焼成を行っている。上記炉本体内には、中央部にデイフューザ及びエジェクタが配置されている。デイフューザは縦筒状をなし上方に向けテーパ状に拡径された内径の貫通した送気孔が形成されており、該デイフューザの下部開口に、外部からの燃焼用の空気を噴出するエジェクタが臨んでいる。上記炉床から炉本体に落下した半焼成の原料の上記二次堆積層は上記デイフューザの外周に形成され該デイフューザの上端近傍にまで達している。上記二次堆積層は、デイフューザの上端外周にて燃焼室に面する上部自由表面とデイフューザの下端の内側でエジェクタの周囲に下部自由表面とを安息角をもって形成する。かかるデイフューザ及びエジェクタによると、空気がエジェクタからデイフューザの送気口に向け噴出されると、デイフューザの周囲に形成された上記二次堆積層のエジェクタの周囲部分に形成された下部自由表面の領域が低圧となるため、デイフューザの上端外周に形成された二次堆積層の上部自由表面から該二次堆積層内に燃焼室内の燃焼ガスの一部が吸引され下部自由表面に向かって貫流する。したがって、この二次堆積層は上記貫流する燃焼ガスにより完全に焼成されて製品となる。製品は炉本体の底部の取出口から落下して取り出されるが、その際取出口から炉本体内に流入する空気及びエジェクタを介して、該エジェクタ内を流れる空気により冷却される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の焼成炉にあっては、炉床上の一次堆積層の表面へ向けて供給管を通じて原料を落下供給する際に原料と共に多くの空気が外部から炉内へ流入し、その結果、該外部から流入した空気が、燃焼室から上記炉床上の一次堆積層へ貫入し該一次堆積層の上部自由表面から流出後に外部に取り出される燃焼ガスと混合されてしまう。焼成時に発生するこの燃焼ガスたる二酸化炭素ガスを高濃度のまま取り出すことが要求される場合、上記の空気混合は該二酸化炭素ガスの濃度を低下させるので具合が悪い。
【0004】
また、上記の取り出される二酸化炭素ガスの濃度が低くともよい場合には、燃焼室の温度を低目に制御するために、大きい値の過剰空気を用いて燃焼を行うことがある。
【0005】
このように大きな値の過剰空気を用いて燃料を燃焼すると、上記焼成炉の炉床上の一次堆積層を貫通して上方に排出される燃焼ガスの温度が高くなり、その結果として、排出される燃焼ガスが外部にもち出す熱エネルギー量は大きくなってしまい、原料焼成のための燃料熱原単位(単位量の原料を焼成するのに必要な熱量)の値が増加するという不具合が生ずる。
【0006】
また、上記公知の焼成炉においては燃料供給管から気体または流体状の燃料を燃焼室に供給して燃焼するが、粗粒を含む石油コークス、粉炭、プラスチック破砕片、草木質破砕片などの粉粒片状可燃物を使用することはできない。特に管理型廃棄物として処理費の大きな上記破砕片を燃料として使用することができれば、環境保全と同時に燃料コストを大幅に低下させることがきることになるが、その利点を活用できない。
【0007】
さらに、上記の公知の焼成炉にあっては、二次堆積層における半焼成原料の焼成をより効果的に行うためにデイフューザとエジェクタを用いているが、外部からの燃焼用空気をエジェクタから噴出すると、既述のごとくエジェクタの周囲の該二次堆積層の下部自由表面の領域における圧力が低下するので、製品の取出口から炉本体内に流入する空気が上記下部自由表面に向けて貫流し、燃焼室に面する二次堆積層の上部自由表面からの燃焼ガスの流入が少なくなり、焼成の効果が然程期待できない。
【0008】
本発明はかかる問題を解決し、原料供給管を通じて外部から空気が流入することを防止し、又、燃焼に充分な過剰空気を用いなくても燃焼室内の温度制御さらには取り出す二酸化炭素の濃度の制御を行うことのできる竪型焼成炉を提供することを第一の目的とする。
【0009】
また、気密供給機構に多少の空気漏洩が生じても、これを改善することを第二の目的としている。さらには、排気させる燃焼ガスの熱を利用して燃焼室における熱効率を向上し、また炉本体で焼成される二次堆積層内での燃焼ガスの循環をより積極的に行って焼成を高め、結果的に熱効率を向上せしめることを第三の目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記第一の目的は、鉛直軸線まわりに回転し中央部に原料の落下口が形成された環状の炉床と該炉床の上方位置に固定して配された炉蓋とを有し、該炉蓋の周囲には上記落下口より大径の外径をもち該炉蓋に連続して設けられた内筒部と該内筒部に上部で接続される外筒部が設けられ、該外筒部が内筒部よりも下方に長く延びて形成され、上記炉蓋には直下に形成される燃焼室に外部から燃料を供給する燃料供給口が設けられ、上記炉床と外筒部の下端との間には外部に対し気密なシール装置が設けられて炉床の炉蓋に対する相対回転を許容しており、上部で接続された内筒部及び外筒部と上記炉床により囲まれて形成された環状の予熱空間には外部から原料を該予熱空間に落下供給する原料供給管が設けられ、該予熱空間は上記燃焼室に連通するように半径方向内方に開放され、上記炉床の中央部に形成された上記落下口の縁部からは縦筒状の炉本体が下方に延びて設けられ、上記予熱空間内の原料が燃焼室に面する側から落下するようになっており、上記落下口から落下して該炉本体内で焼成された原料を製品として取り出すための取出口が炉本体の下部に形成されている竪型焼成炉において、炉蓋の外部上方位置に焼成されるべき原料の貯留装置が設けられ、該貯留装置は上記原料供給管により予熱空間へ原料を落下供給可能に接続されており、上記貯留装置と原料供給管の間には外部から空気が流入するのを阻止した状態で上記原料の落下供給を行う気密供給機構が設けられており、予熱空間の上部と燃焼室とが燃焼ガス導管により接続されていて予熱空間内の原料を貫流して上方に向け排気される燃焼ガスの一部が燃焼室に帰還可能な帰還路を形成し、予熱空間の上部空間が、内筒部と外筒部の間で予熱空間の中間位置まで下方に垂下する筒状の仕切壁により内側空間と外側空間に区分されており、内側空間及び外側空間の一方に原料供給管が接続され、他方に燃焼ガス導管が接続されていることにより達成される。この場合、気密供給機構は貯留装置を上部貯留装置と下部貯留装置とに区分し、ロータリバルブを両者の間に設けることできる。
【0014】
また、第二の目的は、貯留装置に、気密供給機構の下方に配され該貯留装置内の空気を外部に向けて吸引するための吸引装置を備えていることにより達成され、原料の供給時に気密供給機構で多少の空気が漏洩流入しても、この流入した空気を外部へ吸引して改善できる。
さらに、第三の目的は、燃焼室に燃焼のための空気を外部から受ける燃焼用空気供給管が接続され、該燃焼用空気供給管は、該燃焼用空気供給管内の空気が燃焼ガス導管内の燃焼ガスと熱交換を行う熱交換器を介して燃焼室に接続されていることとしたり、あるいは、炉本体内に、縦方向に延び上方に向けて拡径して貫通する送気孔が形成され炉本体により支持されている筒状のデイフューザと、該デイフューザの送気孔の下端開口に噴出口が臨み上記送気孔に対し外部から受けた燃焼用の空気を上方に噴出するエジェクタと、上記外部からの燃焼用空気を送入する送気管に対して気密状態で回転可能な回転継手とを備え、上記デイフューザの筒状の壁体内には周方向に連通する環状空間が形成され、上記回転継手はその内部空間が上記デイフューザの環状空間の一部と第一管路により接続され、該環状空間の他部とエジェクタの下部とが第二管路により接続されており、デイフューザの送気孔は上方に向け拡がる内径を有し、該送気孔に耐熱金属板から成る保護管が接面して配設されていることにより達成される。
【0015】
【作用】
かかる本発明にあっては、原料が貯留装置から原料供給管を通して予熱空間に供給される際に、原料は気密供給機構を経て落下するため、外部からの空気の流入が防止される。
【0016】
予熱空間に投入され炉床に落下した原料は該予熱空間にて一次堆積層を形成し、燃焼室内の炎及び燃焼ガスからの放射伝熱、及び該一次堆積層を下部自由表面から流入し上方に流れ上部自由表面へ貫通する燃焼ガスの対流伝熱により半焼成状態となる。
【0017】
半焼成の原料は、プッシャー等の作用により炉床の落下口より炉本体内に落下して炉本体内で二次堆積層を形成し、ここで完全に焼成され、下方より供給される燃焼用空気と熱交換して冷却されて、製品として下部の取出口から取り出される。
【0018】
燃料として固形可燃物をも利用したいときには、固形可燃物を固形燃料供給口から投入する。
【0019】
燃焼室内の温度制御あるいは取り出される二酸化炭素の濃度の制御を行うときには、予熱空間から排気されるべき燃焼ガスの一部が燃焼室に帰還される。
【0020】
外部から受ける燃焼用の空気の温度を燃焼ガスの熱を利用して高めるには、該空気は熱交換器にて燃焼ガスとの間で熱交換を行って加熱される。
【0021】
炉本体内にデイフューザとエジェクタを有しているときには、回転継手へ供給される外部からの空気がデイフューザ内の環状空間で加熱された後、エジェクタから燃焼室へ向け噴出される。
【0022】
狭落下路を形成する取出筒体を有しているときには、炉本体内の二次堆積層では、取出口より原料の粒塊間の空間を経て流入しようとする空気に対して大きな抵抗を示すので、燃焼室からの燃焼ガスは上記二次堆積層の上部自由表面から層内への貫入が効果的になされる。
【0023】
気密供給機構の下に回転シュートが備えられているときには、原料は周方向に均一に堆積され、原料は均一な焼成がなされる。
【0024】
【実施例】
以下、添付図面にもとづき本発明の実施例を説明する。
【0025】
図1において、符号1は耐熱材から成る炉蓋であり、該炉蓋1の外周には内筒部2が連続して設けられ、該内筒部2の外側に外筒部3が設けられている。内筒部2と外筒部3は上部にて接続部4により接続されており、外筒部3は内筒部2よりも下方に延びている。
【0026】
上記炉蓋1の中央部には、外部から気体あるいは液体の燃料を送るバーナ5が設けられ、該バーナ5の周囲には、後述する燃焼用空気供給管6と燃焼ガス帰還路としての燃焼ガス供給管7が設けられている。
【0027】
上記炉蓋1の下方には耐熱材から成る環板状の炉床8が回転自在に設けられている。該炉床8は図示しない外部の駆動装置により回転される。該炉床8の外周縁と上記外筒部3の下端との間には、両者の間を気密とするシール装置9、例えば公知の水シールが設けられており、該シール装置9により、外部に対して気密を維持しつつ炉床8の回転が許容される。該炉床8の中央部には落下口8Aが形成されており、該落下口8Aの周縁から下方に縦筒状の炉本体10が連続して設けられている。本実施例の場合、該炉本体10は下部に向け末つぼまり状となっている。上記炉本体10内の上部位置には該炉本体10に設けられた支持部11によりデイフューザ12が設けられている。該デイフューザ12は縦筒状で上方に向け内径が拡がる貫通した送気孔13が形成されている。上記デイフューザ12の下部開口にエジェクタ14が臨むように配設されている。該エジェクタ14は、炉本体10の支持部15により支えられている熱交換器16に接続されている。上記エジェクタ14の下部は炉外にあって、外部からの空気を送り込む送気管17との相対回転を許容する回転継手18により該送気管17と連通している。上記炉本体10の底部には上記エジェクタ14の下部が貫通する底板19が設けられており、該底板19と上記炉本体10の下端縁との間に取出口20が形成されている。
【0028】
上記炉蓋1の直下には燃焼室21が形成され、これを取り囲むようにして内筒部2、外筒部3、接続部4そして炉床8によって環状の予熱空間22が形成され、該予熱空間22はその半径内方にて上記燃焼室21に向け開放されている。該予熱空間22には外方からロッド状のプッシャー22Aが外筒部3を貫通して設けられ、炉の半径方向(ロッドの長手方向)に適宜往復動するようになっている。
【0029】
上記炉蓋1の上方位置には、焼成されるべき原料、例えば、石灰石、ドロマイト、マグネサイトのような鉱物あるいは各種の無機物質を混合・成形して作ったペレット等を予め貯留しておく貯留装置23が配設されている。本実施例の場合には、貯留装置23は、上部貯留装置23Aと下部貯留装置23Bとを有しており、両者は気密供給機構たるロータリバルブ24を介して接続されている。下部貯留装置23Bの上部には該下部貯留装置23B内の空気の圧力を上記の予熱空間22の上部の空間の圧力とほぼ等しくするためのブロワー等の吸引装置25が接続されている。上記ロータリバルブ24は、本実施例の場合、四つの室に区分されていて、該ロータリーバルブ24が回転することにより上方に位置する室で上部貯留装置23Aから原料Sを受け、該ロータリバルブ24の回転に伴い上記室が下方に位置したときに該原料Sを下部貯留装置23Bに落下せしめるようになっており、このように下部貯留装置23Bは外気から遮断されている。
【0030】
上記予熱空間22の上壁を形成する接続部4には、上記下部貯留装置23Bから原料を上記予熱空間22内へ落下供給する複数の原料供給管26と、予熱空間22の上部から燃焼ガスを導き出す燃焼ガス導管27とが接続されている。
【0031】
上記炉蓋1に接続された燃焼用空気供給管6は熱交換器28を経て、ブロワー29により外部から空気を受けて燃焼室21へ供給するようになっている。又、該燃焼用空気供給管6には、粉粒片状の可燃物をも適宜空気と共に燃焼室21へ供給可能とする固形燃料供給口30が設けられている。燃焼ガス導管27は上記熱交換器28そして集塵器31を経てブロワー32に接続されており、予熱空間22から排出される燃焼ガスは、ブロワー29で吸引された燃焼用空気を熱交換器28にて昇温せしめて燃焼ガス自体が降温した後に、上記集塵器31にて燃焼粉塵が上記集塵器31で分離された後に外部に排気されるようになっている。
【0032】
上記燃焼ガス導管27は熱交換器28と集塵器31との間で分管されていて、降温した燃焼ガスの一部がブロワー33により抜き取られるようになっている。該ブロワー33より下流位置では、さらに分管されていて一方の枝管34は弁35を経て燃焼用空気供給管6に合流し、他方の枝管36は弁37を経て燃焼ガス供給管7として炉蓋1に接続されている。
【0033】
かかる構成の本実施例装置では、原料は次の要領で焼成される。
【0034】
(1)ロータリバルブ24にて外部からの空気の流入が阻止されながら、原料は上部貯留装置23Aから落下し下部貯留装置23Bに貯留される。
【0035】
(2)ロータリバルブ24の回転羽根と固定ケースのすき間から、下部貯留装置23Bに若干空気が漏洩流入することがあるが、そのときはブロワー等の吸引装置25により上記下部貯留装置23B内の空気が予熱空間22の上部空間内の圧力とほぼ等しくなるように吸引が行われる。その際、予熱空間22から燃焼ガスの一部が上記下部貯留装置23Bに流入してくる場合には、該燃焼ガスは上記下部貯留装置23B内の空気と共に外部へ吸引される。
【0036】
(3)下部貯留装置23B内の原料は原料供給管26を経て落下して予熱空間22の底面を形成する炉床8上に原料の一次堆積層を形成する。この一次堆積層は安息角をもって原料供給管26側に上部自由表面38を、そして燃焼室21側に下部自由表面39を形成する。
【0037】
(4)バーナ5から噴出される燃料は、燃焼用空気供給管6を通じてバーナ5の尖端付近に送り出される空気流によって燃焼室21内で燃焼し、炎・燃焼ガスからの放射伝熱によって上記一次堆積層の下部自由表面39を加熱する。燃焼ガスは燃焼室21から一次堆積層の下部自由表面39をよぎって該一次堆積層の内部を貫流し、対流伝熱によって該一次堆積層内の原料を加熱する。かくして、下部自由表面39付近の原料は半焼成を受ける。
【0038】
(5)外筒部3の周囲には該外筒部3に案内されて炉の半径方向に往復動可能な複数個のプッシャー22Aが設置されており、その作用によって上記一次堆積層の半焼成原料を下部自由表面39の下部付近より落下口8Aに向け押し出して落下させる。炉床8は鉛直中心軸のまわりに回転し、これに伴い該炉床8上の一次堆積層も回転するが、プッシャー22Aは空間に固定された外筒部3に支持されて周方向には移動せず半径方向にのみ往復動するので、プッシャー22Aは相対的に周方向に移動する原料の一次堆積層を周方向で均等に押し出すことができる。
【0039】
回転せる炉床8上の一次堆積層で加熱され焼成をうけた半焼成の原料は、プッシャー22Aの作用により下部自由表面39側から炉床の中央部の落下口8Aより落下し、炉本体10内で二次堆積層を形成する。炉本体10の中心部にはデイフューザ12が設置されているので、上記炉本体10内の二次堆積層はデイフューザ12のまわりに環状をなして形成され、デイフューザ12の上端近傍の外周に上部自由表面40を、デイフューザ12の下端側でエジェクタの周囲に下部自由表面41を形成する。炉本体10は回転せる炉床8と一体に接続されているので、炉床8と共に回転する。
【0040】
(6)外部にて加圧された空気は、回転継手18を通って熱交換器16に達し、ここで周囲の炉本体10内の二次堆積層からの熱により加熱され、エジェクタ14からデイフューザ12に向け上方に噴出される。上記エジェクタ14からの空気の高速噴出により、エジェクタ14の周囲に形成された下部自由表面41の領域の圧力が低下するので、燃焼室21内の高温の燃焼ガスの一部は、上記二次堆積層の上部自由表面40から下部自由表面41の方向に向け該二次堆積層の内部を盛んに貫流し、半焼成の原料のその後の焼成を効果的に完成する。なお、上記熱交換器16の形式、寸法、数は任意である。また、熱交換器を使用しなくても差し支えない。
【0041】
(7)炉本体10内の二次堆積層の焼成完了した原料は取出口20から製品として排出されるが、その際取出口20から原料の粒子間を通って炉本体10へ流入する空気と上記熱交換器16により冷却されて低温になり、固定された底板19と炉本体10の間の相対回転の作用により上記取出口20から外方に排出される。この場合の排出機構は必ずしも図1のものに限定されず、任意である。
【0042】
(8)本実施例では、予熱空間22内に形成された原料の一次堆積層を上方に貫流して原料を加熱することにより温度の低下した燃焼ガスは、燃焼ガス導管27を通って熱交換器28に送入される。一方、空気ブロワー29により外部から取り入れられた燃焼用空気は上記熱交換器28に送入され上記燃焼ガスとの間で熱交換を行って予熱された後、燃焼用空気供給管6を経て、バーナ5の尖端付近に噴出されて燃料を燃焼する。
【0043】
(9)熱交換器28を出て温度の低下した燃焼ガスは集塵器31にて粉塵が除去されて清浄化された状態でブロワー32を経て大気に放出される。上記燃焼ガスの一部はブロワー33の作用により、燃焼室21内に帰還送入される。その際、燃焼ガスの送入方法は図1のものに限定されず、その位置・形式・寸法・数は任意である。燃焼ガスは上記のごとく燃焼用空気と別々に送入することに限定されず、弁37を閉め、弁35を開くことにより、燃焼用空気供給管6内の空気と混合して燃焼室21に送入してもよい。このようにして、燃焼ガスの一部を燃焼室21に帰還せしめることにより、外部に取り出す二酸化炭素の濃度を制御できる。すなわち、燃焼室21内での二酸化炭素・濃度を所定値に制御し、原料の焼成を改善できる。
【0044】
(10)粗粒を含む石油コークス、粉炭、プラスチック破砕片、草木質破砕片などの粉粒片状の固体の可燃物をも燃料として使用したいときには、炉蓋1に設けられた固体燃料供給口42、燃焼用空気供給管6に設けられた固体燃料供給口30そしてブロワー33の下流位置に設けられた固体燃料供給口43のいずれかあるいは全部から上記粉粒片状の固体可燃物を送入する。固体燃料供給口の位置、寸法、数は任意である。
【0045】
図1の装置において上部貯留装置23Aと下部貯留装置23Bとの間に配される気密供給機構は必ずしも図示のロータリバルブに限らず、図2に示される三段ダンパー50であってもよい。図2は三段ダンパーの原理を示すものであり、上部貯留装置23Aと下部貯留装置23Bとを結ぶ通路に三枚のゲート板51,52,53を備えており、図示の状態からゲート板52を閉じ、ゲート板53を開けば、図2においてゲート板53により塞ぎ止められていた一定量の原料が気密を保持したまま下部貯留装置23Bに落下することとなる。このような原理の供給方法であれば、その形式、寸法、数に関しては任意である。
【0046】
また、取出口20からの焼成完了の製品の取出は図1の形式に限定されない。例えば、図3のごとく、取出口20に非回転の排出ロッド54を設けて、炉本体10と底板19との相対回転により上記取出口20から落下する製品の落下を促進させることができる。その場合、取出シュート55と炉本体10との間に水シール等のシール装置56を設ければ該シール装置56での空気の漏洩がなくなるので、取出口20からの空気の圧入を効果的に行うことができる。
【0047】
<第二実施例>
図4において炉床上に原料の一次堆積層を形成する内筒部2と外筒部3の間に、中間まで下方に延びる筒状の仕切壁61を設置することにより予熱空間の上部を内側空間62と外側空間63に区分して、上記一次堆積層の上部を上記内側空間62と外側空間63に存在する二つの部分に環状に分割し、原料供給管26の下端に近い部分から排出される燃焼ガスを燃焼ガス導管64を経て炉外に排出する。残りの燃焼ガスは高温のまま、内側空間62に接続されている燃焼ガス導管65に集められ、循環ブロワー66の作用により燃焼室21に帰還送入される。その際、固体燃料供給口30,42,43については第一実施例の場合と同様である。
【0048】
図4において燃焼ガス導管65に集められた高温の燃焼ガスは必ずしもそのままブロワー66に吸引されることに限定されず、図5のように熱交換器67を通って該燃焼ガス自体の温度を低下させたのちに、循環ブロワー68の作用によって燃焼空室21に送入することもできる。こうすることにより、循環ブロワー29により送り込まれる燃焼用空気供給管6内の空気は予熱昇温されて高熱効率のもとで燃料を燃焼する。また弁37を閉じ、弁35を開いて燃焼ガスの一部を燃焼空気に混合して燃焼室21に送入することができる。
【0049】
図5における弁69は燃焼ガスを二つの燃焼ガス導管に分配するための調節用である。すなわち、該弁69を閉じる方向に調節すると、燃焼導管64へ流れる量が減少して熱交換器67に向かう燃焼導管65へ流れる量が増大する。
【0050】
炉床上の原料の一次堆積層の上部領域を環状に二つの部分に分割する仕切壁61の設置方法は必ずしも図4、図5のものに限定されず、図6のように内筒部2に寄った位置に原料供給管26が設置されるものであっても差し支えない。
【0051】
<第三実施例>
原料の貯留装置は図1に示されたものに限定されることはない。例えば、図7に示すごとく、図1の場合と同様に、上部貯留装置23Aと下部貯留装置23Bとの間に、ロータリバルブ24を設けると共に、下部貯留装置23Bの上部にブロワー等の吸引装置25を設け、さらに本実施例では、これらに加え、上記ロータリバルブ24の直下に回転シュート71が設けられている。該回転シュート71は受部72とシュート73そしてモータ74とを有しており、ロータリバルブ24から落下する原料を受部72で受けこの原料をシュート73の下端口から落下させる。モータ74は中央の支柱75に取りつけられており、上記受部72と該受部72に接続されているシュート73を回転させる。回転するシュート73から落下する原料は下部貯留装置23B内において周方向に均一に堆積する。原料は、上部貯留装置23A内にて種々の粒径が偏在していることがあり、かかる本実施例によれば、下部貯留装置23B内で周方向に均一に堆積されるので、原料供給管76を経て炉床8に落下する原料も予熱空間22内に周方向に均一な一次堆積層を形成し、その結果半焼成も均一となる。
【0052】
<第四実施例>
次に、デイフューザとエジェクタ及びその周辺についても、図1に示されたものに限定されず図8に示される本実施例のごとくに変形が可能である。
【0053】
本実施例において、炉本体10の直下に取出筒体81が設けられている。該取出筒体8は、焼成後に冷却された製品を取り出すためのものであり、特に耐熱材で作られている必要はない。該取出筒体81は図9にその断面がみられるように、周方向の四箇所に狭落下路82が設けられている。該狭路下路82は図にも見られるように、それらの下部が半径内方に開放されて取出口83に連通している。上記取出筒体81は非回転であり、炉本体10との間で水シール等のシール装置84により、炉本体10との相対回転を許容している。
【0054】
上記取出筒体81の上方位置には回転継手85が炉本体10の支持部86により支持されている。該回転継手85は閉じられた円筒体状をなし、ブロワー87により外部からの空気を送り込む送気管88がシール状態で回転継手85の回転を許容するようにして該回転継手85の内部に進入している。
【0055】
デイフューザ89は図1のものとほぼ同じ外形をなしているが、下部には内部に環状空間90が形成されており、該環状空間90の一部と上記回転継手85の側部とが第一管路91により接続されて連通している。上記回転継手85にはエジェクタ92が上方に向け垂立して取りつけられている。該エジェクタ92には上記環状空間90の他部と第二管路93により接続され連通している。
【0056】
上記デイフューザ89にはテーパ状に上方に向け拡がる送気孔93が形成されているが、この送気孔93には、このテーパにほぼ合致した耐熱金属板から成る錐形状の保護管94が上方から抜出自在に嵌入されている。
【0057】
又、上記取出筒体81の中央空間には、モータ95が設けられ、弯曲しながら半径外方に延びる翼体96を回転している。該翼体96は該取出筒体81の底面に近接して回転する。
【0058】
かかる本実施例にあっては、ブロワー87により取り入れられた空気は、第一管路91、環状空間90、第二管路93を経る間に周囲の焼成された原料との熱交換により加熱されて昇温し、高温状態でエジェクタ92から噴出され、熱の有効利用が図れる。又、この熱交換は原料が十分に焼成される領域より下方の位置で行われるので、取り出される製品の冷却を促進せしめるという効果もある。
【0059】
又、取出筒体81では製品の取出が狭落下路82を経るために、燃焼室内の燃焼ガスが二次堆積層の上部自由表面97から該二次堆積層内に流入する際の内部抵抗に比べ、狭落下路82での内部抵抗の方が大きくなる。したがって、上記上部自由表面97から二次堆積層内に流入した燃焼ガスは、エジェクタ92の噴出口近傍の下部自由98に向け貫流する循環流を積極的に形成し、二次堆積層上部での焼成をより高めると共に取出口83からの空気の流入が極力小さく抑えられる。
【0060】
さらに、保護管94には粉塵が付着してもデイフューザ89との熱膨張率の差から簡単に付着物は剥離落下し、また、付着物が多少残存しても該保護管94を上方に取り出して清掃できる。かくしてデイフューザ89の送気孔の形状及び表面が正常の状態に保て、デイフューザの機能を維持できる。
【0061】
上記のデイフューザとエジェクタの下方位置に狭落下路を持つ取出筒体を備えた本実施例装置に、第一実施例装置の気密供給機構をも備えた焼成炉とするならば、原料の供給側そして製品取出側の両方からの外部の空気の漏洩流入を図ることができ、排気される二酸化炭素の濃度を高めることができると共にデイフューザにおける熱効率を上げることができる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明は外部からの空気の漏洩流入を防ぐことができ、また燃焼室の温度調節のために多量の過剰空気を送入する必要がなくなるから、焼成炉から排出される燃焼ガスの温度を低下させ、したがって燃料熱原単位を下げるとともに燃焼ガス中の二酸化炭素の濃度を増加することができる。また、保護管の使用によりデイフューザの機能を正常に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例装置の縦断面図である。
【図2】図1装置に適用可能な気密供給機構の変形例を示す縦断面図である。
【図3】図1装置に適用可能な炉本体の取出口近傍の変形例を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第二実施例装置の縦断面図である。
【図5】図4装置の燃焼ガス配管に関する変形を示す縦断面図である。
【図6】図4装置の燃焼ガス配管に関する他の変形を示す縦断面図である。
【図7】本発明の第三実施例装置の縦断面図である。
【図8】本発明の第四実施例装置の縦断面図である。
【図9】図8におけるIX−IX断面図である。
【符号の説明】
1 炉蓋
2 内筒部
3 外筒部
6 燃焼用空気供給管
7 燃焼ガス供給管
8 炉床
8A 落下口
9 シール装置
20 取出口
21 燃焼室
22 予熱空間
23 貯留装置
23A 上部貯留装置
23B 下部貯留装置
24 気密供給機構(ロータリバルブ)
25 吸引装置
26 原料供給管
27 燃焼ガス導管
28 熱交換器
30 固形燃料供給口
42 固形燃料供給口
43 固形燃料供給口
61 仕切壁
62 内側空間
63 外側空間
64 燃焼ガス導管
71 回転シュート
81 取出筒体
82 狭落下路
83 取出口
85 回転継手
88 送気管
89 デイフューザ
90 環状空間
91 第一管路
92 エジェクタ
93 第二管路
94 保護管

Claims (4)

  1. 鉛直軸線まわりに回転し中央部に原料の落下口が形成された環状の炉床と該炉床の上方位置に固定して配された炉蓋とを有し、該炉蓋の周囲には上記落下口より大径の外径をもち該炉蓋に連続して設けられた内筒部と該内筒部に上部で接続される外筒部が設けられ、該外筒部が内筒部よりも下方に長く延びて形成され、上記炉蓋には直下に形成される燃焼室に外部から燃料を供給する燃料供給口が設けられ、上記炉床と外筒部の下端との間には外部に対し気密なシール装置が設けられて炉床の炉蓋に対する相対回転を許容しており、上部で接続された内筒部及び外筒部と上記炉床により囲まれて形成された環状の予熱空間には外部から原料を該予熱空間に落下供給する原料供給管が設けられ、該予熱空間は上記燃焼室に連通するように半径方向内方に開放され、上記炉床の中央部に形成された上記落下口の縁部からは縦筒状の炉本体が下方に延びて設けられ、上記予熱空間内の原料が燃焼室に面する側から落下するようになっており、上記落下口から落下して該炉本体内で焼成された原料を製品として取り出すための取出口が炉本体の下部に形成されている竪型焼成炉において、炉蓋の外部上方位置に焼成されるべき原料の貯留装置が設けられ、該貯留装置は上記原料供給管により予熱空間へ原料を落下供給可能に接続されており、上記貯留装置と原料供給管の間には外部から空気が流入するのを阻止した状態で上記原料の落下供給を行う気密供給機構が設けられており、予熱空間の上部と燃焼室とが燃焼ガス導管により接続されていて予熱空間内の原料を貫流して上方に向け排気される燃焼ガスの一部が燃焼室に帰還可能な帰還路を形成し、予熱空間の上部空間が、内筒部と外筒部の間で予熱空間の中間位置まで下方に垂下する筒状の仕切壁により内側空間と外側空間に区分されており、内側空間及び外側空間の一方に原料供給管が接続され、他方に燃焼ガス導管が接続されていることを特徴とする竪型焼成炉。
  2. 鉛直軸線まわりに回転し中央部に原料の落下口が形成された環状の炉床と該炉床の上方位置に固定して配された炉蓋とを有し、該炉蓋の周囲には上記落下口より大径の外径をもち該炉蓋に連続して設けられた内筒部と該内筒部に上部で接続される外筒部が設けられ、該外筒部が内筒部よりも下方に長く延びて形成され、上記炉蓋には直下に形成される燃焼室に外部から燃料を供給する燃料供給口が設けられ、上記炉床と外筒部の下端との間には外部に対し気密なシール装置が設けられて炉床の炉蓋に対する相対回転を許容しており、上部で接続された内筒部及び外筒部と上記炉床により囲まれて形成された環状の予熱空間には外部から原料を該予熱空間に落下供給する原料供給管が設けられ、該予熱空間は上記燃焼室に連通するように半径方向内方に開放され、上記炉床の中央部に形成された上記落下口の縁部からは縦筒状の炉本体が下方に延びて設けられ、上記予熱空間内の原料が燃焼室に面する側から落下するようになっており、上記落下口から落下して該炉本体内で焼成された原料を製品として取り出すための取出口が炉本体の下部に形成されている竪型焼成炉において、炉蓋の外部上方位置に焼成されるべき原料の貯留装置が設けられ、該貯留装置は上記原料供給管により予熱空間へ原料を落下供給可能に接続されており、上記貯留装置と原料供給管の間には外部から空気が流入するのを阻止した状態で上記原料の落下供給を行う気密供給機構が設けられており、貯留装置には気密供給機構の下方に配され該貯留装置内の空気を外部に向けて吸引するための吸引装置を備えていることを特徴とする竪型焼成炉。
  3. 貯留装置は上部貯留装置と下部貯留装置とを備え、気密供給機構は該上部貯留装置と下部貯留装置の間に設けられていることとする請求項1又は請求項2に記載の竪型焼成炉。
  4. 炉本体内には、縦方向に延び上方に向けて拡径して貫通する送気孔が形成され炉本体により支持されている筒状のデイフューザと、該デイフューザの送気孔の下端開口に噴出口が臨み上記送気孔に対し外部から受けた燃焼用の空気を上方に噴出するエジェクタと、上 記外部からの燃焼用空気を送入する送気管に対して気密状態で回転可能な回転継手とを備え、上記デイフューザの筒状の壁体内には周方向に連通する環状空間が形成され、上記回転継手はその内部空間が上記デイフューザの環状空間の一部と第一管路により接続され、該環状空間の他部とエジェクタの下部とが第二管路により接続されており、デイフューザの送気孔は上方に向け拡がる内径を有し、該送気孔に耐熱金属板から成る保護管が接面して配設されていることとする請求項1または請求項2に記載の竪型焼成炉。
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