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JP3617813B2 - 硬質表面用洗浄剤組成物 - Google Patents

硬質表面用洗浄剤組成物 Download PDF

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JP3617813B2
JP3617813B2 JP2000340136A JP2000340136A JP3617813B2 JP 3617813 B2 JP3617813 B2 JP 3617813B2 JP 2000340136 A JP2000340136 A JP 2000340136A JP 2000340136 A JP2000340136 A JP 2000340136A JP 3617813 B2 JP3617813 B2 JP 3617813B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬質表面の防汚性、すなわち汚れの付着の防止及び付着した汚れを容易に除去することや、対象となる硬質表面の外観を美しく見せる、即ち良好な仕上がり性を付与することを可能にする硬質表面用の洗浄剤に関し、住居内全般、特に台所や浴室、トイレ、洗面台等の、壁や床、器具、機器等に使用した際に、汚れの付着防止及び易洗浄を可能にする硬質表面用洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
生活場面では様々な場所で汚れが発生する。それらの汚れを除去するために各種の洗浄剤が開発され、その洗浄力を強化すべく検討がなされてきた。これらの努力により、頑固な汚れを落とすための手段が多く提案されている。このように、汚れの除去性に優れた洗浄剤を開発する一方で、汚れを付きにくくする性質及び処理を施すことで付着した汚れを落とし易くする性質(以後防汚性とする)に関する技術も多く検討されており、洗浄剤として応用する技術が見出されている。例えば、特開平2−145697号公報には、特定構造のスルホベタイン型両性界面活性剤を配合する水洗トイレ用清浄剤が、特開平3−35097号公報には、スルホコハク酸ジエステルを含有する軟便付着防止性に優れ洗浄効果の高い水性トイレ用清浄剤が、特開平10−1697号公報には、特定の界面活性剤と水溶性溶剤を特定比率で配合する洗浄剤が記載されている。特に、特開平9−169995号公報には、処理後の硬質表面に対する水の接触角が30度以下となるような洗浄剤が防汚性を示すと記載されている。
【0003】
以上のように、従来から便器の防汚性に関する技術は多く検討されてきているが、従来の技術は効果の持続性の点で不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、汚れが付着し難く、また付着した汚れを容易に洗浄でき、且つ良好な仕上がり性を付与することのできる硬質表面用洗浄剤組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤〔以下、(a)成分という〕、並びに(b)4級アンモニウム基又は3級アミノ基を有するモノマー単位を含む重合体〔以下、(b)成分という〕を、(a)/(b)=1/10〜50/1の重量比で含有する硬質表面用洗浄剤組成物に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
<(a)成分>
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤を含有する。
【0007】
非イオン界面活性剤として、アルキル基の炭素数が8〜20の脂肪族アルコール、アルキル基の炭素数が7〜19の脂肪酸、アルキル基の炭素数が7〜19の脂肪酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が8〜20の脂肪族アミン等の、非共有電子対を持つ原子を1つ以上有する化合物に、エチレンオキサイド(以下、EOと表記する)、プロピレンオキサイド(以下、POと表記する)を常法に従い付加させたもの、糖由来のポリオールを親水基とするもの、あるいは脂肪酸アミド系のものが挙げられる。
【0008】
両性界面活性剤として、アミンオキサイド、アルキルカルボベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドアミン型ベタイン、アルキルイミダゾリン型ベタイン等が挙げられる。
【0009】
防汚性能の点で、(a)成分は界面活性剤中の50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上が更に好ましく、95重量%以上が特に好ましい。
【0010】
洗浄性能、基材損傷性低減の点で、(a)成分中に下記一般式(1)及び一般式(2)の界面活性剤の一種以上を含有することが好ましい。
−(O−R (1)
〔式中、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜18のアルキル基、アルケニル基、又はアルキルフェニル基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、Gは炭素数5又は6の還元糖に由来する残基、好ましくはグルコース残基であり、pは平均値0〜6の数、qは平均値1〜10の数を示す。〕
【0011】
【化3】
Figure 0003617813
【0012】
〔式中、Rは炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基である。R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。Rは炭素数1〜5のアルキレン基である。Aは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−又は−O−から選ばれる基であり、rは0又は1の数である。〕。
【0013】
基材損傷性低減の点で、一般式(1)、(2)の界面活性剤の合計量は、(a)成分中の50重量%以上が好ましく、60重量%以上がより好ましく、70重量%以上が更に好ましく、80重量%以上が特に好ましい。
【0014】
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、デシルグルコシド、デシルマルトシド、ドデシルグルコシド、ドデシルマルトシド、ミリスチルグルコシド、ミリスチルマルトシド、セチルグルコシド、セチルマルトシド、ステアリルグルコシド、ステアリルマルトシド、ヤシ油グルコシド、ヤシ油マルトシド、牛脂グルコシド、牛脂マルトシド等が挙げられる。
【0015】
一般式(2)で表される化合物の具体例としてはオクチルジメチルアミンオキシド、デシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジメチルアミンオキシド、カプリル酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、カプリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。これらの中で、デシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジメチルアミンオキシド、カプリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシドがより好ましい。
【0016】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、洗浄性能、防汚性能の点で、(a)成分を0.01〜30重量%含有することが好ましく、0.05〜20重量%がより好ましく、0.1〜10重量%が更に好ましい。
【0017】
<(b)成分>
(b)成分は、重合体を構成しているモノマー単位として、重合性不飽和化合物由来の4級アンモニウム基又は3級アミノ基を有するモノマー単位を含む重合体である。このような重合体を得るためには、例えば4級アンモニウム基又は3級アミノ基を有する重合性不飽和化合物を単独重合又は他の重合性不飽和化合物と共重合する方法の他に、4級アンモニウム基又は3級アミノ基が導入可能な重合性化合物から得られた重合体に、後から4級アンモニウム基又は3級アミノ基を有する有機基を反応させることによって4級アンモニウム基又は3級アミノ基を導入したものでもよい。共重合体の場合、モノマー単位の配列様式は、ブロック、交互、周期、統計(ランダムを含む)、グラフト型の何れであってもよいが、ランダムの配列様式が好ましい。ここで重合性不飽和化合物とは、一般に使用される重合開始剤を用いて通常行われるラジカル重合させた際に、繰り返し単位が3個以上になる化合物である。該重合性不飽和化合物の具体的な好ましい例としては、下記一般式(3)又一般式は(4)の化合物を挙げることができる。中でも一般式(3)の4級アンモニウム化合物が好ましい。
【0018】
【化4】
Figure 0003617813
【0019】
〔式中、R、R、Rは、それぞれ独立して水素原子、水酸基又は炭素数1〜3のアルキル基である。Xは炭素数1〜12のアルキレン基、−COOR13−、−CONHR13−、−OCOR13−又は−R14−OCO−R13−から選ばれる基であり、ここでR13、R14は、それぞれ独立して炭素数1〜5のアルキレン基である。R10は炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はRC=C(R)−X−である。R11は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基又はベンジル基である。R12はヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基又は炭酸エステル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はベンジル基であり、R12がアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はベンジル基の場合は、Yは陰イオン基を示す。また、R12がカルボキシ基、スルホン酸基又は硫酸エステル基を含む場合は、Yは存在せず、R12中のこれらの基が陰イオンとなる。Yの陰イオン基としては、ハロゲンイオン、硫酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよい芳香族スルホン酸イオン、ヒドロキシイオンを挙げることができる。〕。
【0020】
これらの中でもアクリロイル(又はメタクリロイル)アミノアルキル(炭素数1〜5)−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、アクリロイル(又はメタクリロイル)オキシアルキル(炭素数1〜5)−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、N−(ω−アルケニル(炭素数3〜10))−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、N,N−ジ(ω−アルケニル(炭素数3〜10))−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩が好ましく、特にN,N−ジアリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩が良好である。
【0021】
重合体は上記4級アンモニウム基又は3級アミノ基を有するモノマー単位単独で構成されたものを使用することもできるが、その他のモノマー単位を含む共重合体を用いることが好ましい。該モノマー単位としては下記(i)〜(iv)のモノマー単位が好ましく、特に(i)及び/又は(ii)のモノマー単位が良好である。
(i)アクリル酸又はその塩、メタクリル酸又はその塩、マレイン酸又はその塩、無水マレイン酸、スチレンスルホン酸塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩、アリルスルホン酸塩、ビニルスルホン酸塩、メタリルスルホン酸塩、スルホプロピルメタクリレート、リン酸モノ−ω−メタクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜12)から選ばれる陰イオン基含有化合物
(ii)アクリル(又はメタクリル)アミド、N,N−ジメチルアクリル(又はメタクリル)アミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドンから選ばれるアミド基含有化合物
(iii)アクリル酸(又はメタクリル酸)アルキル(炭素数1〜5)、アクリル酸(又はメタクリル酸)2−ヒドロキシエチル、アクリル酸(又はメタクリル酸)−N,N−ジメチルアミノアルキル(炭素数1〜5)、酢酸ビニルから選ばれるエステル基含有化合物
(iv)エチレン、プロピレン、N−ブチレン、イソブチレン、N−ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、N−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アリルアミン、N,N−ジアリルアミン、N,N−ジアリル−N−アルキル(炭素数1〜5)アミン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンから選ばれるオレフィン系化合物。
(v)二酸化硫黄。
【0022】
4級アンモニウム基又は3級アミノ基を有するモノマー単位の割合は、重合体を構成している全モノマー単位に対して、30〜100モル%、好ましくは40〜100モル%、更に好ましくは50〜100モル%、特に好ましくは50〜95モル%である。これら割合は、4級アンモニウム基又は3級アミノ基を有するモノマー単位と、その他共重合させるモノマー単位との重合時のモノマー比率から求めたものであってもよく、また4級アンモニウム基又は3級アミノ基を後から反応させて導入する場合は、反応時に加えられる4級アンモニウム基又は3級アミノ基を有する有機化合物の量と、これら有機化合物と反応することが考えられる重合性不飽和化合物の量から求めたものであってもよい。
【0023】
本発明の(b)成分の重合体は、いかなる重合法によって得てもよいが、ラジカル重合法が特に好ましく、塊状、溶液又は乳化系にてこれを行うことができる。ラジカル重合は加熱によりこれを開始してもよいが、開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス−(N,N−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤、過酸化水素及び過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、過安息香酸等の有機過酸化物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素−Fe3+等のレドックス開始剤、等既存のラジカル開始剤を用いてもよいし、光増感剤の存在下又は非存在下での光照射や放射線照射により重合を開始させてもよい。
【0024】
重合体の重量平均分子量は1千〜6百万が好ましく、1万〜6百万がより好ましく、5万〜5百万が更に好ましい。ここで重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリエチレングルコールを標準として求めることができる。
【0025】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、防汚性能の点で、(b)成分を0.005〜30重量%含有することが好ましく、0.01〜20重量%がより好ましく、0.01〜10重量%が更に好ましい。
【0026】
<硬質表面用洗浄剤組成物>
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物において、(a)成分及び(b)成分の重量比は、防汚性能の点で、(a)/(b)=1/10〜50/1であり、1/8〜40/1が好ましく、1/6〜30/1がより好ましく、1/4〜20/1が最も好ましい。
【0027】
また、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、更に(c)成分として水溶性有機溶剤を含有することが洗浄性能の点で好ましく、(c)成分としては、次の(c1)〜(c5)から選ばれる1種以上が好ましい。
(c1)炭素数1〜5の1価アルコール
(c2)炭素数4〜12の多価アルコールや炭素数4〜10のグリセリルエーテル
(c3)下記の一般式(5)で表される化合物
(c4)下記の一般式(6)で表される化合物
(c5)下記の一般式(7)で表される化合物
【0028】
【化5】
Figure 0003617813
【0029】
〔式中、R15及びR16は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を示すが、R15及びR16の双方が水素原子となる場合を除く。s及びtは、それぞれ独立して0〜10の数を示すが、s及びtの双方が0である場合を除く。R17及びR18は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を示す。R19は炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕。
【0030】
(c1)の炭素数2〜5の1価アルコールとしては、一般的にエタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールが挙げられる。これらの低級アルコールを配合することにより、低温における系の安定性を更に向上させることができる。
【0031】
(c2)の炭素数4〜12の多価アルコールや炭素数4〜10のグリセリルエーテルとしては、イソプレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ヘキシルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0032】
(c3)の化合物は、一般式(5)において、R21、R22がアルキル基である場合の炭素数は1〜4が特に好ましい。また、一般式(5)中、EO及びPOの平均付加モル数のs及びtは、それぞれ0〜10の数である(但しs及びtの双方が0である場合を除く)が、これらの付加順序は特に限定されず、ランダム付加したものであってもよい。(c3)の化合物の具体例としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチレン(p=2〜3)ポリオキシプロピレン(p=2〜3)グリコールジメチルエーテル(pは平均付加モル数を示す)、ポリオキシエチレン(p=3)グリコールフェニルエーテル、フェニルカルビトール、フェニルセロソルブ、ベンジルカルビトール等が挙げられる。このうち、洗浄力及び使用感の点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシエチレン(p=1〜4)グリコールフェニルエーテルが好ましい。
【0033】
(c4)の化合物としては、1,3 −ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノンが好適なものとして例示される。
【0034】
(c5)の化合物としては3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−エトキシ−3−メチルブタノール等が好ましい。
【0035】
これらのなかでも基材に対する損傷性の点から(c1)、(c2)、(c3)の水溶性溶剤が好ましく、特にエタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルから選ばれる水溶性溶剤が好ましい。
【0036】
(c)成分の含有量は、有機汚れに対する洗浄力向上の点で、組成物中に好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜10重量%含有される。
【0037】
また、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物において、(a)/(c)の重量比は、1/20〜10/1が好ましく、1/18〜8/1がより好ましく、1/16〜6/1が更に好ましい。
【0038】
また、(a)成分以外の界面活性剤として、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤を含有しても良い。
【0039】
陰イオン界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩(但し分岐鎖アルキル基を有するものを除く)、直鎖アルキル又はアルケニル硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、脂肪酸又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル酢酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はそのエステルが挙げられる。特にアルキル基の炭素数が8〜20のアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩、直鎖アルキル又はアルケニル硫酸エステル塩、脂肪酸又はその塩が好ましい。陰イオン界面活性剤の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム等のアルカリ土類金属、モノ、ジ、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられるが、特にアルカノールアミンを用いることで液安定性が向上する。また、陰イオン界面活性剤を酸形態で組成中に配合してもよく、別途添加したアルカリ剤(アルカノールアミン等)で中和してもよい。
【0040】
防汚性の点で、(b)成分/陰イオン界面活性剤の重量比は1/0〜1/10が好ましく、1/0〜1/5がより好ましく、1/0〜1/1が更に好ましい。
【0041】
本発明の組成物は、洗浄力の向上及び基材への損傷を低減する点で、アルカリ剤の配合により、剤型にかかわらず、20℃における0.1重量%水溶液のpHを2〜13にすることが好ましく、3〜12がより好ましく、4〜11.5が更に好ましい。
【0042】
洗浄効果の点で、アルカリ剤は組成物中に0.01〜20重量%含有することが好ましく、0.05〜10重量%がより好ましく、0.1〜10重量%が更に好ましい。
【0043】
アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、等のケイ酸塩、下記一般式(I)〜(IV)で表されるアミン化合物、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられ、その他、弱酸と強塩基であってもよい。
【0044】
【化6】
Figure 0003617813
【0045】
〔式中、R20、R23、R25、R27、R29、R31、R32は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R21、R22、R24、R26、R28、R30は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を示す。〕。
【0046】
これらの中で、基材への損傷低減性、及び洗浄力の向上効果の点で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モルホリン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが好ましい。
【0047】
本発明の組成物は、その他の任意成分として、キレート剤、粘度調整剤、泡調整剤、酸化防止剤、可溶化剤、防菌・防黴剤、防錆剤、酵素、酵素安定化剤、着色剤、香料等を配合できる。
【0048】
本発明の組成物を使用する際には、(a)成分の界面活性剤及び(b)成分の重合体と、更に(c)成分の水溶性溶剤や任意成分とを溶媒中に一剤として溶解又は分散させても、任意成分との組み合わせによる任意の剤数にしてもかまわない。また、任意成分を組み合わせることにより、水等の溶媒に対して直ちに溶解する、あるいは徐放性を付与した、一剤以上の粉末、錠剤、ゲル状等の形状で用いてもかまわない。更に(a)成分、(b)成分、(c)成分、任意成分は、液状と粉末等の固体状の成分が混在していてもよい。
【0049】
本発明の組成物が液状の場合には、好ましい使用形態としては、噴霧による使用が挙げられる。噴霧方法としては、LPG等の噴射剤を使用したエアゾール式の他に、噴射剤を用いない手動式のスプレー容器による噴霧方法が使用できる。特に後者の手動式スプレーにより起泡させて対象面に付着させることが好ましい。本発明でいう手動式スプレー装置とは噴射剤を使用せず、且つ手動の加圧によりスプレーすることができるものを指し、トリガー式又はポンプ式と呼ばれるものが挙げられる。本発明ではトリガー式が好ましく、特に実開平4−17855号公報、実開平4−37554号公報、特開平8−84945号公報及び特開平9−122547号公報記載の蓄圧機構を備えたトリガー式のスプレー装置が、液のボタ落ち防止やスプレー特性の点からより好ましい。
【0050】
手動式のスプレー容器を用いる場合、一回の排出量は、好ましくは0.1〜1.2g、より好ましくは0.2〜1.0g、最も好ましくは0.25〜0.8gであり、さらには、洗浄対象面から15cm離れた場所から噴霧した時、一回の噴霧で洗浄対象面に該洗浄剤が付着する面積が、好ましくは50〜800cm、より好ましくは100〜600cmになるスプレー特性を有するものがよい。
【0051】
本発明の組成物が固体状の場合には、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールと脂肪酸とのエステル化合物、ポリエチレングリコールとアルコールとのエーテル化合物等を用いるとよい。
【0052】
【実施例】
表1に示す組成の硬質表面用洗浄剤組成物(本発明品1〜5及び比較品1、2)を調製し、下記の方法に従って評価した。結果を表1に示す。
【0053】
<防汚性の評価方法>
(1)ステンレス板(50mm×50mm)をヘキサンで洗浄し、乾燥した。
(2)(1)のステンレス板を、表1記載の液体洗浄剤組成物に60秒間浸漬し、次に20℃、硬度4°DHの水にて濯いだ後、自然乾燥させた。この操作を20回繰り返し処理した。
(3)(2)の方法で処理されたステンレス板を20℃の人工汚垢液(ラウリン酸0.44重量%、ミリスチン酸3.09重量%、ペンタデカン酸2.31重量%、パルミチン酸6.18重量%、ヘプタデカン酸0.44重量%、ステアリン酸1.57重量%、オレイン酸7.75重量%、トリオレイン酸13.06重量%、パルミチン酸n−ヘキサデシル2.18重量%、スクアレン6.53重量%、卵白レシチン液晶物1.94重量%、鹿沼赤土8.11重量%、カーボンブラック0.01重量%、残余は4°DHの水)に漬け、静かに引き上げた後、地面に対して垂直に立てかけた状態で乾燥させた。
(4)(2)の処理を行わないステンレス板を標準として、目視にて、以下の基準で判定した。
○:標準より汚れていない
×:標準と同等、又は標準より汚れている
同様の実験を、ABS樹脂板(50mm×50mm)、陶器タイル(50mm×50mm)に対しても行った。
【0054】
<仕上がり性の評価方法>
また、上記防汚性の評価において、同時に、陶器タイルでの評価において、汚れが付いていない部分を目視にて下記の基準で判定した。
○:標準より光沢が認められる。
×:標準と光沢が同等であるか又は標準より光沢が低下している。
【0055】
<易洗浄性の評価方法>
ステンレス板(50mm×50mm)に対し、前記<防汚性の評価方法>と同じようにして、表1記載の組成物に浸漬し、水で濯いだ後、乾燥させた。次に、一般家庭でてんぷらの製造に使用したサラダ油を10mg/cm塗布し、3ヶ月室温で放置した。次に、トリガー式噴霧器を備えた容器〔かんたんマイペット(花王株式会社製)に使用されている容器〕に充填した表1記載の組成物をおよそ1gスプレーして20秒間放置させた後、水で濯ぎ、取り除かれた油の面積を求めることで洗浄力を評価した。同様の実験を、ABS樹脂板(50mm×50mm)、陶器タイル(50mm×50mm)に対しても行った。
○:60%以上の面が洗浄されている
△:40%以上60%未満の面が洗浄されている
×:洗浄された面が40%未満である
【0056】
【表1】
Figure 0003617813
【0057】
・AG:アルキルグルコシド(直鎖アルキル基の炭素数が12と14の混合物、糖平均縮合度1.2[縮合度1と2の混合物])
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル;平均炭素数13の直鎖2級アルコールに、EOを平均7モル付加させたもの。
・重合体1:塩化ジアリルジメチルアンモニウム化合物とアクリル酸の8/2(モル比)共重合体、重量平均分子量170万(Calgon社製マーコート280)
・重合体2:塩化ジアリルジメチルアンモニウム化合物とアクリルアミドの3/7(モル比)共重合体、重量平均分子量500万(Calgon社製マーコート550)
・重合体3:メタクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドを7/3のモル比でラジカル重合させたもの、重量平均分子量47万
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム:EO平均付加モル数4

Claims (2)

  1. (a)非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤、(b)N,N−ジアリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩由来のモノマー単位を全モノマー単位に対して30〜100モル%の割合で含む重合体、並びに(c)水溶性有機溶剤を含有する硬質表面用洗浄剤組成物であって、(a)を0.1〜10重量%、(b)を0.01〜10重量%含有し、(a)と(b)の重量比が(a)/(b)=1/4〜20/1であり、(a)と(c)の重量比が(a)/(c)=1/16〜6/1であり、界面活性剤中の90重量%以上を(a)が占める、手動式スプレーにより起泡させて対象面に付着させて用いるための硬質表面用洗浄剤組成物(陽イオン界面活性剤を含有するものを除く)。
  2. (a)が、下記一般式(1)及び一般式(2)の界面活性剤の一種以上である請求項1記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
    1−(O−R2)pq (1)
    〔式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜18のアルキル基、アルケニル基、又はアルキルフェニル基、R2は炭素数2〜4のアルキレン基、Gは炭素数5又は6の還元糖に由来する残基であり、pは平均値0〜6の数、qは平均値1〜10の数を示す。〕
    Figure 0003617813
    〔式中、R3は炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基である。R5、R6は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。R4は炭素数1〜5のアルキレン基である。Aは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−又は−O−から選ばれる基であり、rは0又は1の数である。〕
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