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JP3617231B2 - 車両試験装置及び車両試験方法 - Google Patents

車両試験装置及び車両試験方法 Download PDF

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JP3617231B2 JP02236997A JP2236997A JP3617231B2 JP 3617231 B2 JP3617231 B2 JP 3617231B2 JP 02236997 A JP02236997 A JP 02236997A JP 2236997 A JP2236997 A JP 2236997A JP 3617231 B2 JP3617231 B2 JP 3617231B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運動性能を台上で試験する装置及び試験方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
操縦安定性評価に対応するために、従来のドラム式のシャシーダイナモに対して、フラットベルト式のシャシーダイナモが提案されている。例えば特開平6−249753号公報においては、独立して駆動される第1油圧ジャッキにより可動部を謡動自在とし、可動部の上面に車輪のそれぞれに対応して支持部を設け、独立して駆動される第2油圧ジャッキにより支持部を車幅方向に謡動自在とし、各支持部に車輪が接地するフラットベルトを設け、可動部を傾けて登坂路、及び傾斜路を再現し、支持部を傾けて各車輪の接地状況をそれぞれ変え、路面の様々な外乱を再現し、広範囲の路面状況での車両の走行性能を正確に試験する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
実際の車両の走行においては、上述したような登坂路、傾斜路等による静的な荷重の変動の他、加減速、旋回時には各輪に動的な荷重の変化が発生する。例えば加速時には後輪荷重が大きくなり、減速時には前輪荷重が大きくなり、旋回中は外側の車輪の荷重が大きくなる。これは道路形状が平路、傾斜路に関わらず発生するものである。加速時は慣性力が車両重心点に働き、駆動力はタイヤ接地点に働くので、ピッチング軸まわりのモーメントを生じることになる。このピッチモーメントに釣り合う力として前輪から後輪への荷重移動が発生するのである。同様に旋回時には遠心力は車両重心点に働き、コーナリングフォースは接地点に働くので、ロールモーメントを生じることになる。このロールモーメントに釣り合う力として内輪から外輪への荷重移動が発生する。
【0004】
また、車輪(タイヤ)はサスペンションリンクにガイドされながら上下にストロークする。リンクは有限長であるので、ストロークに伴い車輪の路面に対するアライメントは常に変化している。
【0005】
荷重変化とタイヤのアライメント変化は互いに複雑に影響しあい、タイヤ・路面間の摩擦力に多大な影響を及ぼし、車両の運動性能、特に急激な挙動変化を解析するためには無視できない影響因子となる。
【0006】
例えば4輪フラットベルトシャシーダイナモ上で車両前後方向を拘束されている場合、台上では車両の前後方向の変位が無い。すなわち車両の前後挙動が抑制されることになる。このため、荷重変化、アライメント変化の原因となる慣性力によるモーメントが発生しない。タイヤとフラットベルト間に働くトラクションフォースは車両拘束装置に働くことになる。この反力が車両に加わることになり、結局車両には、トラクションフォースと車両拘束装置からの反力によるピッチモーメントが働くことになる。車両拘束装置が車両重心高で車両を拘束していれば、走行時と同じ大きさのピッチモーメントが働くが、拘束点が重心高より低い場合、ピッチモーメントは小さくなる。このため、走行時に比べ荷重変化が小さくなる。
【0007】
本発明の目的は、荷重変化やタイヤのアライメント変化を考慮し、車両の運動性能、特に挙動変化を解析することが可能な試験装置または試験方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
荷重変化やアライメント変化を台上で実現する方法として、実走行での加減速時の慣性力、旋回時の遠心力に代表されるような力を外部から車両に作用させ、それにより発生する荷重変化やアライメント変化に対応して、さらにそれらの力を調整する必要がある。
【0009】
そこで本発明の車両試験装置は、路面の代わりとなる路面手段を備えた台上で車両の試験を行う車両試験装置において、台と車両との相対的な力を検出する反力計測手段及び力検出手段と、この反力計測手段及び力計測手段で計測された力に基づいて駆動され、車両に力を作用させるアクチュエータと、車両の前後方向の運動だけを台に対して拘束し車両の横方向および上下方向には車両が移動可能である拘束手段とを備え、前記アクチュエータは変位検出器を有し、前記反力計測手段を前記拘束手段に設け、前記力計測手段を前記路面手段に設け、アクチュエータが検出した車両の姿勢に基づいて変化する重心点の運動を算出可能としたものである。
【0010】
また本発明の車両試験装置は、路面の代わりとなる路面手段を備えた台上で車両の試験を行う車両試験装置において、台と車両との相対的な力を検出する反力計測手段及び力検出手段と、この反力計測手段及び力検出手段で計測された力に基づいて駆動され、車両に力を作用させるアクチュエータと、車両の前後方向の運動だけを台に対して拘束し車両の横方向および上下方向には車両が移動可能である拘束手段とを備え、前記アクチュエータは変位検出器を有し、前記反力計測手段を前記拘束手段に設け、前記力検出手段を前記路面手段に設け、前記路面手段が前記力計測手段で計測された力に基づいて駆動され、アクチュエータが検出した車両の姿勢に基づいて変化する重心点の運動を算出可能としたものである。
【0011】
上述の車両試験装置において、前記アクチュエータは前記反力計測手段が計測する車両の前後方向の力成分に基づいて、車両の横方向の軸周りのモーメントを発生するように駆動されるアクチュエータを含んでもよい。
【0012】
また上述の車両試験装置において、前記アクチュエータは、前記反力計測手段が計測する車両重心に働く車両前後方向の力と、車両の重心高と、車両のホイールベースとに基づいて、車両の横方向の軸周りのモーメントを発生するように駆動されるアクチュエータを含んでもよい。
【0013】
また本発明の車両試験方法は、路面の代わりとなる路面手段を備えた台上で車両の試験を行う車両試験方法において、車両の台に対する前後方向の運動だけを拘束して、台と車両との相対的な力を検出し、車両に、この検出した相対的な力に基づいて車両の過渡運動時に対応した力をアクチュエータを用いて作用させ、アクチュエータが有する変位検出器で車両の姿勢を検出し、この車両の姿勢に基づいて変化する車両の重心点での運動を算出可能としたものである。
【0014】
上述の車両試験方法では、台と車両との相対的な力に基づいて路面手段を駆動するようにしてもよい。
【0015】
本発明によれば、力計測手段で計測された台と車両との相対的な力に基づいて車両に力を作用させるので、試験に際して、車両の荷重変化、サスペンションストロークによるタイヤのアライメント変化が実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図1から図15を用いて説明する。
【0017】
まず図1を用いて、本発明の第一実施例の全体構成を説明する。
【0018】
車両0は、路面手段である左前輪フラットベルト3、右前輪フラットベルト4、左後輪フラットベルト5、右後輪フラットベルト6に搭載されている。各フラットベルトは動力発生・吸収用のモータ・ジェネレータ(右前輪フラットベルト4用モータ・ジェネレータ40のみ図示)により駆動、制動される。また、図示してはいないが、各フラットベルトは台上に搭載されるか、あるいは基準面となるベース又は床上に配設されてもよい。さらに、フレーム10が前述の台あるいはベースに対して固定されている。
【0019】
車両0は、固定(拘束)部材2により車両前後方向の運動のみがフレーム10に対して拘束されている。すなわち、車両横方向、車両上下方向、ピッチング、ローリング、ヨーイング運動は、自由に発生できる。このために、固定(拘束)部材2はベースあるいは台に対して固定されている。図1中、(A),(B)は、この固定手段の例を示す詳細図である。
【0020】
試験装置上の車両の固定手段としては、例えば、自動車技術(1996.Vol.50,7月号p.p.74〜79)「四輪シャシダイナモにおける車両高速装置」(大橋他)にてモノコックボデー車両すべてに設けられているトルクボックス穴を利用し挿入ピンで固定する方法が開示されている。あるいは、自動車技術(1975.Vol.29,10月号p.p.978〜985)に掲載されているオディエのシャシダイナモ装置においても前後方向に移動することなく、かつそれ以外の運動に対して十分な自由度をもつ車両拘束方法が提案されている。
【0021】
図1(A)では、トルクボックスと挿入ピンを用いた方法で、さらにピンの位置が車両横方向に移動可能であり、さらに固定部材2はベースあるいは台に対して回転も可能で、車両のヨー方向の変位を容認する構造である。このような構造を採用した場合、図では隠れているが、車両の反対側にも同様な固定部材を必要とする。
【0022】
図1(B)は、左右のトルクボックス穴を棒状の部材で結び、その中心点を支持する方法である。棒状部材と固定部材2は、スフェリカルジョイントなど車両の回転運動を拘束しない構造となっている。この構造を採用した場合は、固定部材2は片側のみで済むが、(A)に比べて剛性の高い構造にせねばならない。
【0023】
アクチュエータ11、12、13、14、15、16は、フレーム10に一端を固定され、演算手段7により演算されたアクチュエータ駆動信号に従い車両0に力を加え、車両0の任意の姿勢を実現することが可能である。各アクチュエータと車両0、フレーム10との接合部では、力を付加する方向のみの拘束を実現できるような継手が用いられている。
【0024】
車両0は、試験モードに従いドライバーあるいは、コントローラにより運転されるが、拘束部材2により車両前後方向の運動が拘束されているため、前方に移動することができず、車両0が発生する動力はフラットベルトを駆動する動力として消費される。車両の姿勢変化はアクチュエータ11、12、13、14、15、16により実現されるが、各アクチュエータには変位検出器(図示せず)が備えられ車両0の絶対姿勢、姿勢変化が計測できる。このように台上で動特性、操縦性、安定性、過渡的なサスペンションのコンプライアンス特性などの各動特性が計測される(計測機等は図示せず)。
【0025】
拘束部材2には、ベース(台)と車両との間に生じる相対的な力を計測する力計測手段を設けている。この力計測手段はひずみゲ−ジ式ロ−ドセル等によって構成され、車両0から拘束部材2に加わる力のうち車両前後方向の力を計測する前後反力計測手段20と、車両横方向の力を計測する横反力計測手段21が備えられている。車両0のヨーイング運動等を容認している拘束方法を取っているため、実際の車両の前後方向、横方向と反力計測手段にずれを生じても、各アクチュエータに備えられた変位検出器により車両0の姿勢が検出できるため、演算手段である計算機7において、それらの検出値を用いて補正することにより車両前後方向の力と車両横方向の力を正確に計測することができる。
【0026】
各フラットベルトを駆動するモータ・ジェネレータに対する駆動信号は、演算手段7により演算される。または、既存の試験モードに従って、駆動信号記憶手段8に記憶されている駆動信号を採用される場合もある。車両0が前輪駆動、あるいは後輪駆動の2輪駆動車の場合、従動輪側のフラットベルトは、駆動輪側の回転情報に従って駆動される場合もある。
【0027】
各フラットベルトには、ベース(台)と車両との間に生じる相対的な力を計測する力計測手段の一つである、ベルトが張り渡された2本のローラの回転軸方向の力を計測する軸方向力検出手段が備えられている。
【0028】
図2は、左前輪フラットベルト3に対する軸方向力検出手段31、32について軸方向力検出によるタイヤ横力とタイヤトラクションフォース計測について示した図である。図2ではフラットベルト3の進行方向に対してタイヤはスリップ角αをもって回転している。タイヤがフラットベルトから受ける力をFとすると、フラットベルト3には反作用として同じ大きさの反力を受ける。この反力はフラットベルト3の進行方向の成分Ftと軸方向の成分Flとに分解することができる。
【0029】
このうちFtは、フラットベルトを駆動するモータ・ジェネレータに吸収されることになる。ここで、フラットベルトの系全体の慣性モーメントを把握しておけばフラットベルトの回転速度、回転加速度等の回転情報からFtを把握することができる。軸方向成分Flは、軸とフレーム10間に固定された軸方向力検出手段31、32により計測される。
【0030】
ここでそれぞれの計測値がF1、F2であったとすると、
Fl=F1+F2 (数1)
となる。さらに軸間距離をLfとすると
Tm=Lf×(F1−F2) (数2)
(但し、括弧内は絶対値をとるものとする)
で、タイヤがフラットベルトに及ぼすモーメントTmを計測することもできる。
【0031】
このように、車両0の各運転状態において、タイヤがフラットベルトに及ぼす力を4輪それぞれ計測することにより、4つのタイヤを通じて車両0に入力する力、モーメントを計測することができる。
【0032】
以上のように、本発明の第1実施例においては、フラットベルトから車両0に働く力、即ち車両0の発生する力、車両0から固定部材2に働く力を計測することができる。
【0033】
当然のことながら、これら2つの力の各成分は車両0が固定点に対して移動しない限り、釣り合っているため、どちらを採用しても良いが両方を用いて互いに補正しあう方法が好ましい。例えば車輪がベルトから浮き上がり、接触が途切れた場合には固定部材2に働く力を計測する必要があるが、各輪ごとに発生するモーメントをそれぞれ計測する場合は、フラットベルトから車両0に働く力を計測する必要がある。
【0034】
以下、図3、4、5、6、7、8、9を用いて実走行時の力の釣合と、従来の試験機上での力の釣合、上述のような方法で計測された車両0に働く力を用いて実走行と同等な状態を作り出す本発明の第1実施例の手法について説明する。
【0035】
図3は、車両0が直進状態で加速しているときの前輪から後輪への荷重移動を示した図である。今、質量Mの車両0が加速度aで加速したとすると、タイヤが地面から受ける反力Fは
F=M・a (数3)
となる。
【0036】
また、これと等しい慣性力Fが地上高Hである車両重心に加わることになる。これらの力は、
Tp=F・H (数4)
で表せる車両0のピッチ軸まわりのモーメントとなり、このピッチモーメントに釣り合うように前輪から後輪に荷重移動が発生する。
【0037】
ホイールベースをLwとすると荷重移動の量ΔWは、次の式で与えられる。但し、これは左右輪の合計である。
ΔW=F×(H/Lw) (数5)
駆動輪の荷重Wtは、前輪駆動車の場合、
Wt=Wf−ΔW (数6)
後輪駆動車の場合、
Wt=Wr+ΔW (数7)
となる。ただしWfは静止状態での前輪荷重、Wrは静止状態での後輪荷重である。
【0038】
駆動輪荷重Wtは、タイヤと路面間との摩擦力、即ちトラクション限界と密接な関係がある。また、車体に加わる慣性力により車体後部が沈み込み、サスペンションストロークに起因するアライメント変化が発生し、これもトラクション限界と大きな関係がある。エンジン出力が大きくてもトラクション限界の低い車は、タイヤが駆動力に負けて空転してしまいエンジン出力に見合った加速ができない。これが、同じ出力、同じ車重を持つ車でも発進加速性能が異なる要因となっている。
【0039】
次に、図4を用いて従来の試験機上での加速時の力の釣合について考えてみる。
従来の試験機では、サスペンション形式、駆動輪荷重に影響されるトラクション限界などの動的な車両の挙動を試験するよりも、過大な駆動輪荷重を加え、タイヤと試験機間のスリップを押さえ込み、車両を用いてエンジン出力を計測するというような試験に重点が置かれていた。今回は、このような過度な駆動輪加重を加えない場合を想定する。
【0040】
車両0は、フラットベルト403(左前輪用)、404(右前輪用)、405(左後輪用)、406(右後輪用)の上で加速し、フラットベルトから反力Fを受けるが、固定部材により固定されているため慣性力Fは発生しない。しかしながら、固定部材からの反力Fが車両0に加わり、結局車両前後方向の釣合は達成される。
【0041】
固定部材による車両0の拘束点の高さをH’とするとピッチ軸まわりのモーメントは、
Tp′=F・H′ (数8)
となり、実走行時と異なる。
【0042】
さらにこのピッチモーメントに釣り合うように発生する前輪から後輪への荷重移動の量ΔW′は、次の式で与えられる。
ΔW′=F×(H′/Lw)=ΔW×(H′/H) (数9)
この値も実走行時と異なる。このような状態ではトラクション限界の評価を行うことはできない。
【0043】
図5は、車両0の旋回中(左旋回)の力の釣合を重心点位置の前面投影図で示したものである。ただし簡単化のため前後重量配分は、50:50とする。遠心力は地上高Hの重心点に働き、コーナリングフォースは接地点に働くのでこれらの力は、
Tr=F・H (数10)
で表せる車両0のロール軸まわりのモーメントとなり、このロールモーメントに釣り合うように前輪から後輪に荷重移動が発生する。
【0044】
前後トレッドは等しく、その大きさをLtとすると荷重移動の量ΔWは、次の式で与えられる。
ΔW=F×(H/Lt) (数11)
ここで、この荷重移動量ΔWは、前後輪分の荷重移動の和である。
【0045】
この結果、車両右側タイヤの荷重は、
Wcr=Wr+ΔW (数12)
車両左側タイヤの荷重は、
Wcl=Wl−ΔW (数13)
となる。ただしWrは、静止状態での右輪荷重、Wlは、静止状態での左輪荷重である。
【0046】
各輪の荷重は、タイヤと路面間との摩擦力、即ちコーナリング特性と密接な関係がある。また、車体に加わる慣性力によりロールが発生し、サスペンションストロークに起因するアライメント変化が発生するが、これもコーナリング特性と大きな関係がある。
【0047】
次に、図6を用いて従来の試験機上でのコーナリング中の力の釣合について考えてみる。車両0は、フラットベルトの上でコーナリングし、フラットベルトから反力F1、F2を受けるが、固定部材により固定されているため遠心力Fは発生しない。しかしながら、固定部材からの反力Fが車両0に加わり、結局車両横方向の釣合は達成される。
【0048】
固定部材による車両0の拘束点の高さをH’とするとロール軸まわりのモーメントは、
T′=F・H′ (数14)
となり、実走行時と異なる。
【0049】
さらにこのロールモーメントに釣り合うように発生する前輪から後輪への荷重移動の量ΔW′は、次の式で与えられる。
ΔW′=F×(H′/Lt)=ΔW×(H′/H) (数15)
この値も実走行時と異なる。このような状態では実際の各輪荷重、車体ロール量を実現できず車両のコーナリング特性を評価することはできない。
【0050】
つぎに本発明に係る車両運動試験装置の試験方法を図7を用いて説明する。
【0051】
(1)始め(ステップ201)、
(2)車両の静的な重心点を位置データとして演算手段7に入力する(ステップ202)、
(3)動的な重心点の計算値に基づき重心点高修正(ステップ203)、
(4)車両から発生する反力を計測する(ステップ204)、
(車両前後方向成分)
(5)前後輪荷重変化の算出(ステップ205)、
(6)車両ピッチ成分のアクチュエータ駆動信号算出(ステップ208)、
(車両横方向成分)
(7)左右輪荷重変化の算出(ステップ206)、
(8)車両ロール成分のアクチュエータ駆動信号算出(ステップ209)、
(車両ヨー成分)
(9)ヨーモーメント変化の算出(ステップ207)、
(10)車両ヨー成分のアクチュエータ駆動信号算出(ステップ210)、
(11)アクチュエータ駆動信号の合成(ステップ211)、
(12)アクチュエータ駆動信号の出力(ステップ212)、
(13)アクチュエータの駆動(ステップ213)、
(14)各アクチュエータに備えた変位検出器により検出した各アクチュエータ変位により車両姿勢を算出し車両重心点高を再計算する(ステップ214)、
(15)当初の重心点高と再計算された重心高の誤差と予め決定された基準値δHの比較判定をする(ステップ215)、
(16)車両運動を計測実施(ステップ216)、
(17)終了を判定する(ステップ217)、
(18)終了(ステップ218)。
【0052】
終了の判定は、予め定められた時間が経過したか、あるいは車両運動試験装置に静止信号が与えられたかを判定する。
【0053】
本ステップは、平地において、さらに搭載条件が試験対象車両と同じ場合について示しているが、傾斜路、登坂路等の情報、搭乗人員、搭載貨物重量に応じて、予めの重心点の入力値を変化させたり、プリセット荷重を加えるなどアクチュエータ力を変化させる場合も有り得る。
【0054】
次に図8を用いて実走行と同等な加速状態を作り出す本発明の第1実施例の手法について説明する。尚、車両0は後輪駆動車であるとすると、前述の方法でフラットベルト5、6からタイヤに加わる力と車両固定部材2に加わる力Fは計測可能である。演算手段7によりアクチュエータ駆動信号Wpactは、
ΔWpact=ΔW−ΔW′=F×(H−H′)/Lw (数16)
のように演算される。
【0055】
アクチュエータはこれらの駆動信号に基づき、アクチュエータ11、12(図示せず)により大きさΔWpactの上方への引っ張り力を車両0に加えると同時に、13、14(図示せず)により大きさΔWpactの下方への押し付け力を車両0に加える。結果として、車両0は図3と同様な、車両0が直進状態で加速しているときの前輪から後輪への荷重移動が実現できる。これにより、実際の加速時の駆動輪押し付け力とサスペンションストロークによるジオメトリー変化が台上で実現でき、より実際の状況に近い形でトラクション限界の評価を行う等の台上試験が可能となる。
【0056】
ここで図4に示す従来の形の試験機において、車両拘束点が重心高である場合を考えると、実車の加速時に近い前輪から後輪への荷重移動が実現できる。しかしながら、搭載条件や荷重移動等、動的に重心高の変化が発生する場合は、対応できない。これに対して、本発明においては、各アクチュエータに備えられた変位検出器により車両0の姿勢が検出できるため、重心点での運動を算出することができ、常に最適な補正が行える。
【0057】
次に図9を用いて実走行と同等なコーナリング状態を作り出す本発明の第1実施例の手法について説明する。簡単のため前後重量配分は、50:50とし、左右輪を前後ペアで考えることにする。前述の方法でフラットベルト3、4、5、6からタイヤに加わる力と車両固定部材2に加わる力Fは計測可能である。演算手段7によりアクチュエータ駆動信号は、
ΔWract=ΔW−ΔW′=F×(H−H′)/Lt (数17)
のように演算される。
【0058】
アクチュエータはこれらの駆動信号に基づき、アクチュエータ11、13(図示せず)により大きさΔWractの上方への引っ張り力を車両0に加えると同時に、12、14(図示せず)により大きさΔWractの下方への押し付け力を車両0に加える。結果として、車両0は図6と同様な、車両0のコーナリング中の右輪から左輪への荷重移動が実現できる。これにより、実際のコーナリング時の駆動輪押し付け力とサスペンションストロークによるジオメトリー変化が台上で実現でき、より実際の状況に近い形でコーナリング特性の評価を行う等の台上試験が可能となる。
【0059】
ここで図6に示す従来の形の試験機において、車両拘束点が重心高である場合を考えると、実車の加速時に近い右輪から左輪あるいは左輪から右輪への荷重移動が実現できる。しかしながら、搭載条件や荷重移動等、動的に重心高の変化が発生する場合は、対応できない。これに対して、本発明においては、各アクチュエータに備えられた変位検出器により車両0の姿勢が検出できるため、重心点での運動を算出することができ、常に最適な補正が行える。
【0060】
図10は、コーナリング時に車両進行方法とタイヤの方向にずれがある状態、即ちタイヤがスリップ角を持った状態での運動を模擬している図である。本発明においては、タイヤとフラットベルト間の摩擦力、モーメントを検出できるため、ヨーモーメントの釣合を保ちながらアクチュエータ15、16を用いて車両とフラットベルトの位置関係を任意の角度としながら試験を行うことができる。また、荷重変化等によりタイヤとフラットベルト間の摩擦力が瞬時、瞬時に変わるような状況でも、ヨーモーメント、横方向の釣合を演算手段7により演算し、アクチュエータに駆動指令を与えタイヤのコーナリングフォースによる向心力とアクチュエータの発生する力を釣り合わせることによりフラットベルトから車両が逸脱するのを防ぐことができる。
【0061】
以上、本発明の第1実施例について、ピッチング、ローリング、ヨーイングを、車両運転状態とホイールベース、トレッドなどの車両ディメンジョンに応じて発生させ、実走行と同等な荷重変化、アライメント変化をアクチュエータを用いて強制的に実現することにより、より実走行に近い状態での台上試験を行う方法について述べた。本実施例では、ピッチング、ローリング、ヨーイングを独立して発生させていたが、勿論連成させて発生することにより車両の運動変化に対応することが可能である。このような場合には各アクチュエータが協調して動くように、演算手段7により各アクチュエータの駆動信号が演算される。
【0062】
また、本実施例では、車両に直接アクチュエータを設置する方法について述べたが、図11に示す本発明の第2の実施例のように車両に治具9を設け、アクチュエータからの力を車両に加えてもよい。アクチュエータが力を加える点を車両の形状に関わらず決定することができ、より理想的な駆動が行える。さらに治具9へのアクチュエータの取り付け自由度は車両に直接アクチュエータを設置するより高く、それぞれのアクチュエータどうしの力の干渉等も低減することが可能である。
【0063】
また、図12に示す本発明の第3の実施例のように、路面手段としてフラットベルトの替わりにローラーを用いても良い。この場合、フラットベルト式に比べ、安価に構成できると同時に、ローラ表面の摩擦係数の制御が容易である。但しローラの場合、ローラ表面の曲率のためタイヤの接地状態が変わりやすいためローラとタイヤの位置決めが困難である。特にローラ軸方向と車両横方向に角度がついた状態(ヨー発生状態)には対応できない。
【0064】
さらに4輪のフラットベルト、ローラは、独立して演算手段7あるいは駆動信号記憶手段8からの信号により駆動されるが、簡略化のため左右軸を繋いで、2輪ごとに1つのモータで利用することも有り得る。この場合左右の駆動力変化等は評価できないが、フラットベルト・ローラなどを駆動するモータが2台で済み、大幅なコストダウンが可能である。
【0065】
さらには、駆動輪のみフラットベルト、ローラに乗せて試験することも有り得る。このような方法でもトラクション性能を評価することは可能である。
【0066】
また、図10では、アクチュエータ15、16を用いて、車両にヨー角度を持たせたが、フラットベルト、ローラをアクチュエータにより動かして相対的なヨー角度を実現することも有り得る。これらの方法は、車両に直接アクチュエータが設置できない場合、あるいは複数の車両を同じ試験条件で続けて試験する際にセッティング時間を短縮することができる。
【0067】
図13は、本発明の第4の実施例を示す図である。本発明においては、車両0は、アクチュエータ110、120、130、140(図では隠れている)により床から支持されたベース3456に取り付けられたフラットベルト3、4、5、6(図では隠れている)上に搭載されている。アクチュエータが車体あるいは車体に取り付けられた治具に接合されてない以外、その他の構成は本発明の第1から第3の実施例までと同様である。アクチュエータ110、120、130、140は、本発明の第1から第3の実施例までと同様に演算手段7の演算する駆動信号に従ってベース3456を床に対して任意の角度に変位させることができる。
【0068】
つぎに本発明に係る車両運動試験装置の試験方法を図14を用いて説明する。(19)始め(ステップ301)、
(20)車両から発生する反力を計測する(ステップ304)、
(車両前後方向成分)
(21)前後輪荷重変化の算出(ステップ305)、
(22)ベース3456ピッチ成分のアクチュエータ駆動信号算出(ステップ308)、
(車両横方向成分)
(23)左右輪荷重変化の算出(ステップ306)、
(24)ベース3456ロール成分のアクチュエータ駆動信号算出(ステップ309)、
(車両ヨー成分)
(25)ヨーモーメント変化の算出(ステップ307)、
(26)車両ヨー成分のアクチュエータ駆動信号算出(ステップ310)、
(27)ベース3456用アクチュエータ駆動信号の合成(ステップ311)、
(28)ベース3456用アクチュエータ駆動信号の出力(ステップ312)、
(29)ベース3456用アクチュエータの駆動(ステップ313)、
(30)車両運動を計測実施(ステップ316)、
(31)終了を判定する(ステップ317)、
(32)終了(ステップ318)。
【0069】
終了の判定は、予め定められた時間が経過したか、あるいは車両運動試験装置に静止信号が与えられたかを判定する。
【0070】
各ステップは、平地において、さらに搭載条件が試験対象車両と同じ場合について示しているが、傾斜路、登坂路等の情報、搭乗人員、搭載貨物重量に応じて、定常状態のベース3456を傾斜角度を変化させる場合も有り得る。
【0071】
図15は、図8と同様に実走行と同等な加速状態を作り出す本発明の第4実施例の手法について示した図である。今、ベース3456は、床に対して車両横方向の軸についてθの角度を持っているとする。車両質量をM、重力加速度をgとすると、車両にはMgの重力が発生する。
【0072】
この成分をベース3456の垂直方向成分と、水平方向成分とに分解すると、垂直方向成分;Mgcosθ (数18)
水平方向成分;Mgsinθ (数19)
となる。
【0073】
さらに前輪と後輪間にはΔWの荷重変化が発生する。前後重量配分を50:50、ホイールベースLwの車両を想定すると、このとき前輪荷重(2輪分)Wfbは、
Wfb=(1/2)Mgcosθ−(H/Lw)Mgsinθ (数20)
後輪荷重(2輪分)Wrbは、
Wrb=(1/2)Mgcosθ+(H/Lw)Mg (数21)
となる。
【0074】
一方、実走行において加速度αで加速する車両を考えると前輪荷重(2輪分)Wfrは、
Wfr=(1/2)Mg−(H/Lw)Mα (数22)
後輪荷重(2輪分)Wrrは、
Wrr=(1/2)Mg+(H/Lw)Mα (数23)
となる。
【0075】
従って、例えば後輪荷重を重視して評価する場合は、フラットベルトに加わる力から実走行時の車両の加速度を推定し、
【0076】
【数24】
Figure 0003617231
【0077】
となるようにベース3456の床に対する角度を調整すれば良い。
【0078】
近似的に試験を行う場合は、車輪からフラットベルトの回転方向に加わる力Fと式19に示す重力のベース3456水平方向成分が釣り合うようにベース3456の床に対する角度を調整すれば良い。これにより拘束部材2に加わる力をゼロとすることができる。逆に拘束部材2に加わる力をゼロに近付けるようにベース3456の床に対する角度を制御調整することにより図8と同様に実走行と同等な加速状態を作り出すことが達成できる。さらには、この制御を実施することにより、車両拘束が必要なくなるので、拘束部2と車両0との間のより実走行に近い状態でのテストが期待できる。
【0079】
図16は、実走行と同等な旋回状態を作り出す本発明の第4の実施例の手法について説明する(図では左旋回)。ただし簡単化のため前後重量配分は、50:50とし、左右輪を前後ペアで考えることにする。
【0080】
図15と同様に、今、ベース3456は、床に対して車両前後方向の軸についてθの角度を持っているとする。車両質量をM、重力加速度をgとすると、車両にはMgの重力が発生する。この成分をベース3456の垂直方向成分と、水平方向成分とに分解すると、
垂直方向成分;Mgcosθ (数25)
水平方向成分;Mgsinθ (数26)
となる。
【0081】
左輪と右輪間にはΔWの荷重変化が発生する。前後トレッドは等しく、その大きさをLtとすると、このとき左輪荷重(2輪分)Wlebは、
Wleb=(1/2)Mgcosθ−(H/Lt)Mgsinθ (数27)
右輪荷重(2輪分)Wribは、
Wrib=(1/2)Mgcosθ+(H/Lt)Mgsinθ (数28)
となる。
【0082】
一方、実走行において遠心加速度βで左旋回する車両を考えると左輪荷重(2輪分)Wlerは、
Wler=(1/2)Mg+(H/Lt)Mα (数29)
右輪荷重(2輪分)Wrirは、
Wrir=(1/2)Mg−(H/Lt)Mα (数30)
となる。
【0083】
従って、例えば外側(図では右)荷重を重視して評価する場合は、フラットベルトに加わる力から実走行時の車両の遠心加速度βを推定し、
【0084】
【数31】
Figure 0003617231
【0085】
となるようにベース3456の床に対して車両前後方向の軸についての角度調整をすれば良い。
【0086】
近似的に試験を行う場合は、車輪からフラットベルトの軸方向に加わる力Fと式26に示す重力のベース3456水平方向成分が釣り合うようにベース3456の床に対する角度を調整すれば良い。これにより拘束部材2に加わる力をゼロとすることができる。逆に拘束部材2に加わる力をゼロに近付けるようにベース3456の床に対する角度を制御調整することにより図9と同様に実走行と同等な加速状態を作り出すことが達成できる。さらには、この制御を実施することにより、車両拘束が必要なくなるので、拘束部2と車両0との間のより実走行に近い状態でのテストが期待できる。
【0087】
図17は、ベース3456に横方向のアクチュエータ150、160(図では隠れている)が設置されている本発明の第5の実施例を示す図である。
【0088】
このような構成とすることにより、図10と同様に、コーナリング時に車両進行方法とタイヤの方向にずれがある状態、即ちタイヤがスリップ角を持った状態での運動を模擬することができる。
【0089】
本実施例においては、タイヤとフラットベルト間の摩擦力、モーメントを検出できるため、ヨーモーメントの釣合を保ちながらアクチュエータ150、160を用いて車両とフラットベルトの位置関係を任意の角度としながら試験を行うことができる。
【0090】
また、荷重変化等によりタイヤとフラットベルト間の摩擦力が瞬時、瞬時に変わるような状況でも、ヨーモーメント、横方向の釣合を演算手段7により演算し、アクチュエータに駆動指令を与えタイヤのコーナリングフォースによる向心力とアクチュエータの発生する力を釣り合わせることによりフラットベルトから車両が逸脱するのを防ぐことができる。
【0091】
さらには、ベース3456を傾けることにより重力のベース3456水平方向成分も制御できるのでより制御範囲が広がる。
【0092】
以上、本発明の第4の実施例について、ピッチング、ローリング、ヨーイングを、車両運転状態とホイールベース、トレッドなどの車両ディメンジョンに応じて発生させ、実走行と同等な荷重変化、アライメント変化をアクチュエータを用いて強制的に実現することにより、より実走行に近い状態での台上試験を行う方法について述べた。本実施例では、ピッチング、ローリング、ヨーイングを独立して発生させていたが、勿論連成させて発生することにより車両の運動変化に対応することが可能である。このような場合には各アクチュエータが協調して動くように、演算手段7により各アクチュエータの駆動信号が演算される。
【0093】
以上、車両の運動性能を車両の車輪と対面し、該車輪と供に回転するフラットベルト、あるいはローラ上で試験する車両運動試験装置において、実車走行時に発生している慣性力、遠心力に起因する荷重変化、サスペンションストロークによるタイヤのアライメント変化をアクチュエータ力、あるいは重力により強制的に再現し、実車走行時と近い状態で車両の運動特性を評価する方法について述べた。本実施例では、トルクボックス近辺を拘束した例について述べたが、例えばワイヤーにより車両を拘束した場合、車両、ワイヤー、フレーム間にロードセルなどを配置し車両の反力を計測し、実車走行時に発生している慣性力、遠心力に起因する荷重変化、サスペンションストロークによるタイヤのアライメント変化をアクチュエータ力、あるいは重力により強制的に再現し、実車走行時と近い状態で車両の運動特性を評価してもよい。
【0094】
アクチュエータの構成、車両拘束方法、あるいは車両の状態によっては、実走行と完全に同じ荷重変化、タイヤのアライメント変化を実現できない場合もありうるが、従来のごとく単純に車両を固定し、フラットベルト、あるいはローラ上で試験するよりは遥かに高精度な運動性能試験が可能である。即ち本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変形は本発明に含まれる。
【0095】
また、本発明に係る車両試験装置においては、試験条件記憶手段を備え、片側傾斜路、登坂路、など模擬する道路形状に関する試験条件を記憶しておき、これらの試験条件に応じて重力加速度により発生する力を演算手段である計算機7で模擬し、模擬した力を車両に作用させるようにアクチュエータを駆動することができる。上記の模擬する力を発生するためのアクチュエータの駆動信号も、演算手段である計算機7で求めることができる。
【0096】
また、本発明に係る車両試験装置の試験条件記憶手段には、乗員、貨物等の車載重量に関する試験条件を記憶しておき、車両に加わる重力を模擬し、模擬した力を車両に作用させるようにアクチュエータを駆動してもよい。これにより、実車走行試験と同等の性能試験が行える。特に、乗員、貨物等の車載重量に関する試験条件を記憶することにより、傾斜路、登坂路等、あるいは搭乗人員、貨物の車載状態を再現した状態で車両の運動性能を解析することができる。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、車両の荷重変化、サスペンションストロークによるタイヤのアライメント変化が実現できるので、実車走行試験と同等の性能試験が行える。これにより、車両のトラクション性能、旋回性能、減速性能等、荷重変化やアライメント変化を考慮しなければならない車両の運動性能、特に急激な挙動変化を解析することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の全体構成を示す模式図である。
【図2】車両からフラットベルトに加わる力を計測する手法を示す模式図である。
【図3】実走行における車両加速時の力の釣合を示す図である。
【図4】従来の台上試験機上での車両加速時の力の釣合を示す図である。
【図5】実走行における車両旋回時の力の釣合を示す図である。
【図6】従来の台上試験機上での車両旋回時の力の釣合を示す図である。
【図7】本発明の第一実施例の車両運動試験装置の試験フローを示す図である。
【図8】本発明の第一実施例の車両運動試験装置が稼働している状態での車両加速時の力の釣合を示す図である。
【図9】本発明の第一実施例の車両運動試験装置が稼働している状態での車両旋回時の力の釣合を示す図である。
【図10】本発明の第一実施例においてコーナリング時に車両進行方法とタイヤの方向にずれがある運動を模擬する方法を示す図である。
【図11】本発明の第二実施例の全体構成を示す模式図である。
【図12】本発明の第三実施例の全体構成を示す模式図である。
【図13】本発明の第四実施例の全体構成を示す模式図である。
【図14】本発明の第四実施例の車両運動試験装置の試験フローを示す図である。
【図15】本発明の第四実施例の車両運動試験装置が稼働している状態での車両加速時の力の釣合を示す図である。
【図16】本発明の第四実施例の車両運動試験装置が稼働している状態での車両旋回時の力の釣合を示す図である。
【図17】本発明の第四実施例においてコーナリング時に車両進行方法とタイヤの方向にずれがある運動を模擬する方法を示す図である。
【符号の説明】
0…車両、2…拘束部材、3…左前輪フラットベルト、4…右前輪フラットベルト、5…左後輪フラットベルト、6…右後輪フラットベルト、7…演算手段、8…駆動信号記憶手段、9…治具、10…フレーム、11、12、13、14、15、16…アクチュエータ、20…前後反力計測手段、21…横反力計測手段、30…モータ、31、32…軸方向力検出手段、40…モータ、50…モータ、51、52…軸方向力検出手段、60…モータ、110、120、130、140、150、160…アクチュエータ、300…左前輪ローラー、400…右前輪ローラー、401…モータ、500…左後輪ローラー、600…右後輪ローラー、3456…ベース。

Claims (6)

  1. 路面の代わりとなる路面手段を備えた台上で車両の試験を行う車両試験装置において、台と車両との相対的な力を検出する反力計測手段及び力検出手段と、この反力計測手段及び力計測手段で計測された力に基づいて駆動され、車両に力を作用させるアクチュエータと、車両の前後方向の運動だけを台に対して拘束し車両の横方向および上下方向には車両が移動可能である拘束手段とを備え、前記アクチュエータは変位検出器を有し、前記反力計測手段を前記拘束手段に設け、前記力計測手段を前記路面手段に設け、アクチュエータが検出した車両の姿勢に基づいて変化する重心点の運動を算出可能としたことを特徴とする車両試験装置。
  2. 路面の代わりとなる路面手段を備えた台上で車両の試験を行う車両試験装置において、台と車両との相対的な力を検出する反力計測手段及び力検出手段と、この反力計測手段及び力検出手段で計測された力に基づいて駆動され、車両に力を作用させるアクチュエータと、車両の前後方向の運動だけを台に対して拘束し車両の横方向および上下方向には車両が移動可能である拘束手段とを備え、前記アクチュエータは変位検出器を有し、前記反力計測手段を前記拘束手段に設け、前記力検出手段を前記路面手段に設け、前記路面手段が前記力計測手段で計測された力に基づいて駆動され、アクチュエータが検出した車両の姿勢に基づいて変化する重心点の運動を算出可能としたことを特徴とする車両試験装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両試験装置において、前記アクチュエータは前記反力計測手段が計測する車両の前後方向の力成分に基づいて、車両の横方向の軸周りのモーメントを発生するように駆動されるアクチュエータを含むことを特徴とする車両試験装置。
  4. 請求項1又は2に記載の車両試験装置において、前記アクチュエータは、前記反力計測手段が計測する車両重心に働く車両前後方向の力と、車両の重心高と、車両のホイールベースとに基づいて、車両の横方向の軸周りのモーメントを発生するように駆動されるアクチュエータを含むことを特徴とする車両試験装置。
  5. 路面の代わりとなる路面手段を備えた台上で車両の試験を行う車両試験方法において、車両の台に対する前後方向の運動だけを拘束して、台と車両との相対的な力を検出し、車両に、この検出した相対的な力に基づいて車両の過渡運動時に対応した力をアクチュエータを用いて作用させ、アクチュエータが有する変位検出器で車両の姿勢を検出し、この車両の姿勢に基づいて変化する車両の重心点での運動を算出可能としたことを特徴とする車両試験方法。
  6. 請求項5において、台と車両との相対的な力に基づいて路面手段を駆動することを特徴とする車両試験方法。
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