JP3614746B2 - 半導体レーザ装置および光ピックアップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)等の異なるフォーマットを有する光ディスクを単一の光ピックアップ装置で再生するために用いられる半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、光ディスクの中で最も大きな市場を形成しているCD(コンパクトディスク)において、その再生装置には、波長780nm〜800nm帯の近赤外半導体レーザ素子が用いられている。一方、今後、急速な普及が期待される、より高記録密度の光記録媒体であるDVD(ディジタルビデオディスク)の記録・再生には、小さな光スポット径を必要とするため、より短波長の635nm〜680nm帯の赤色半導体レーザ素子が用いられている。これら規格の異なる2種類の光ディスクに対して、1台の装置で記録・再生を可能にすることが要求されており、そのための光ピックアップ装置が、例えば、特開平10−320815号公報に記載されている。図8に、従来の光ピックアップ装置の構成を示す。
【0003】
以下、図8を参照して、従来の光ピックアップ装置の動作原理について説明する。
【0004】
CDの記録・再生には、波長780nmの半導体レーザ素子101が用いられる。半導体レーザ素子101から光ディスク106の面に対して垂直方向に出射された出射光束116は、回折格子115により3つの光束に分岐され、光軸上に配置されたコリメータレンズ103により発散光束から平行光束に変換され、波長偏向フィルタ109を透過して、対物レンズ105により光ディスク106上に集光される。
【0005】
光ディスク106からの反射光束は、対物レンズ105により発散光束から平行光束に変換され、再び波長偏向フィルタ109を透過し、コリメータレンズ103で集光光束に変換された後、ホログラム素子111に入射される。ホログラム素子111で分岐された光束は受光素子113で電気信号として検出され、この検出信号に基づいて、CDの再生およびフォーカス/トラッキングサーボが行われる。
【0006】
一方、DVDの記録・再生には、波長635nm(または650nm)の半導体レーザ素子102が用いられる。半導体レーザ素子102から光ディスク106の面に対して平行方向に出射された出射光束117は、光軸上に配置されたコリメータレンズ104により発散光束から平行光束に変換され、偏光ビームスプリッタおよび1/4波長板108を透過し、波長偏向フィルタ109により光路を45°偏向するように反射された後、対物レンズ105により光ディスク106上に集光される。
【0007】
光ディスク106からの反射光束は、対物レンズ105により発散光束から平行光束に変換され、再び波長偏向フィルタ109により光路を45°偏向するように反射された後、1/4波長板108で偏光方向が変換される。このため、続いて偏光ビームスプリッタ107に入射する光束は、光路を45°偏向するように反射され、その後、検出レンズ110で集光され、シリンドリカルレンズ112を通り、受光素子114で電気信号として検出される。この検出信号に基づいて、DVDの再生およびフォーカス/トラッキングサーボが行われる。
【0008】
なお、上記構成においては、波長780nmの半導体レーザ素子を搭載しているため、CD−Rの記録・再生にも対応可能となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8に示すような従来の光ピックアップ装置では、発光波長の異なる2つの半導体レーザ素子101、102や、それらから出射される各々の光束に対応する複数の受光素子113、114をはじめ、ホログラム素子111、シリンドリカルレンズ112、波長偏向フィルタ109等、多くの光学部品から構成されているため、装置の小型化が困難である。
【0010】
また、各光学部品が離散的に配置されているため、多くの位置調整および固定が必要であり、組立に多大な時間とコストを要するといった問題があった。
【0011】
よって、本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、フォーマットの異なる各種の光ディスクに対する記録・再生が可能な小型かつ低コストの半導体レーザ装置およびそれを用いた光ピックアップ装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る半導体レーザ装置は、一の発振波長の第1の半導体レーザ素子と前記一の発振波長より短い発振波長の第2の半導体レーザ素子および複数の受光素子が一つの基板上に集積された受発光集積基板と、光学素子とを有し、前記受発光集積基板が筐体内に配置され、前記光学素子が前記筐体の上に載置され、前記第1及び第2の半導体レーザ素子からの出射ビームが反射された反射戻り光を前記受光素子で受光するように構成された半導体レーザ装置であって、前記光学素子は、前記受発光集積基板における前記第1及び第2の半導体レーザ素子からの出射ビームの光路中に配置され、前記第1の半導体レーザ素子の反射戻り光を分岐するための第1の回折格子および前記第2の半導体レーザ素子の反射戻り光を分岐するための第2の回折格子が上面に形成されたホログラム素子と、前記第1の半導体レーザ素子の上部に配置された波長偏向フィルタおよび前記第2の半導体レーザ素子の上部に配置された反射ミラーが一体に形成された複合プリズムとを有し、前記第1の半導体レーザ素子からの出射ビームは、前記光学素子内に入射した後、そのまま透過して出射され、かつ前記第2の半導体レーザ素子からの出射ビームは、前記光学素子内に入射した後、前記光学素子内に設けられた前記反射ミラーによって、その光路を曲げられた後に出射されて、前記第1の半導体レーザ素子からの出射ビームが前記光学素子を透過する距離よりも、前記第2の半導体レーザ素子からの出射ビームが前記光学素子を透過する距離が長くなるように光路を設定することにより、前記第1の半導体レーザ素子からの出射ビームが前記光学素子を透過して集光手段に至る空気換算距離L1と、前記第2の半導体レーザ素子からの出射ビームが前記光学素子を透過して前記集光手段に至る空気換算距離L2とが略同一となるようにしたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、2つの半導体レーザ素子と複数の受光素子とが受発光集積基板に集積されているので、小型かつ低コストの半導体レーザ装置を提供することができる。また、光ディスクからの戻り光を効率よく分岐して受光素子へと導くことが可能になるとともに、2つの出射ビームが光学素子を透過する距離を変えることで、光学素子を通過した後における2つの出射ビームの空気換算距離をほぼ同一に揃えることができる。
集光手段に対する2つの半導体レーザ素子からの空気換算距離がほぼ等しいので、同一の集光手段(例えば、コリメータレンズ等)を採用することが可能になり、光学構成が容易になる。
【0014】
なお、本発明に係る前記半導体レーザ装置において、前記ホログラム素子における前記受発光集積基板と対向する下面には、前記第1の半導体レーザ素子からの出射光を回折する第3の回折格子が設けられ、前記第1の半導体レーザ素子からの出射ビームは前記第3の回折格子で回折された後、前記光学素子をそのまま透過して出射されることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る前記半導体レーザ装置において、前記集光手段は、前記第1の半導体レーザ素子または前記第2の半導体レーザ素子からの出射ビームを平行光束に変換する機能を有することが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る前記半導体レーザ装置において、前記空気換算距離L1と前記空気換算距離L2との差が±50μm以内であることが好ましい。
【0021】
また、本発明に係る前記半導体レーザ装置において、前記第1の半導体レーザ素子の発振波長が780nm帯で、前記第2の半導体レーザ素子の発振波長が650nm帯であることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、CDフォーマットの光ディスクとDVDフォーマットの光ディスクに対応することが可能になる。
【0033】
さらに、本発明に係る前記半導体レーザ装置において、前記第1の半導体レーザ素子と前記第2の半導体レーザ素子とが1チップに集積されていることが好ましい。
【0034】
この構成によれば、複数の半導体レーザ素子を1チップに集積することで、部品点数を削減した半導体レーザ装置を実現でき、したがって光ピックアップ装置を小型化することが可能になる。
【0035】
さらに、本発明に係る前記半導体レーザ装置において、前記光学素子は前記受発光集積基板上に載置されていることが好ましい。
【0036】
この構成によれば、光学素子を受発光集積基板上に載置することで、受発光集積基板が保護される半導体レーザ装置を実現でき、したがって光ピックアップ装置の信頼性を高めることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0038】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図1から図5を用いて説明する。
【0039】
図1は、本発明の第1の実施形態による半導体装置を用いた光ピックアップ装置の概略構成図である。
【0040】
図1において、半導体レーザ装置1からの出射光は、コリメータレンズ2により発散光束から平行光束に変換された後、対物レンズ3へ入射し、対物レンズ3により光ディスク4上へと集光される。光ディスク4からの反射光は、前述した経路を逆に辿り、半導体レーザ装置1へ戻り光として入射する。
【0041】
次に、半導体レーザ装置1の構成について説明する。
【0042】
図2は、本実施形態による半導体レーザ装置1の構成を示す断面図であり、図3(a)は、図2に示す半導体レーザ装置1のシリコン基板8を光ディスク4側から見た平面図であり、図3(b)は、図3(a)に示すシリコン基板8を線分A−A’に沿って切った断面図である。
【0043】
図2および図3において、受光素子7a、7bが形成されたシリコン基板8上には2つの凹部81、82が形成され、その凹部の底面81a、82aには、CDフォーマットディスクにレーザビームを照射するための波長780nmの半導体レーザ素子5と、DVDフォーマットディスクにレーザビームを照射するための波長650nmの半導体レーザ素子6とがそれぞれ配置されている。さらに、シリコン基板8は、筐体9内に配置されるとともに、回折格子14、15、16が形成されたホログラム素子10により封止されている。ホログラム素子10の上部にはさらに、反射ミラー12と波長偏向フィルタ13とが一体に形成された複合プリズム11が配置されている。
【0044】
なお、図3において、シリコン基板8として、(100)面から<0−11>方向を軸として<100>方向に5°以上15°以下回転させた面(以下、この面を傾斜面αという)、より好ましくは9.7°回転させた面を主面とするのがよい。このような構成によれば、水酸化カリウム系のエッチング液を使用して、異方性エッチングによりシリコン基板8の凹部81を形成したときに、凹部81の一側面81bに傾斜面αである凹部81の底面81aと40°以上50°以下の角度を有する(111)面を形成することができる。
【0045】
したがって、凹部81の底面81aに波長780nmの半導体レーザ素子5を配置すれば、凹部81の一側面81bが反射ミラーとなって、出射ビームをシリコン基板8に対してほぼ垂直上方へ取り出すことが可能になる。
【0046】
なお、ここで、<0−11>方向とは、
【0047】
【数1】
【0048】
を表す。すなわち、“−1”は“1バー”を表す。
【0049】
また、シリコン基板8としては、傾斜面αに限らず、例えば(001)面から<−110>方向を軸として<001>方向に5°以上15°以下回転させた面や、(010)面から<−101>方向を軸として<010>方向に5°以上15°以下回転させた面を用いてもよい。すなわち、(100)面と等価な面から<0−11>方向と等価な方向を軸として<100>方向と等価な方向に5°以上15°以下回転させた面をシリコン基板8の主面として用いればよい。
【0050】
次に、このように構成された半導体レーザ装置1の動作について説明する。
【0051】
図1に示す光ディスク4がCDフォーマットに対応する場合、半導体レーザ素子5が発光し、その出射ビームは凹部81の一側面81bで反射し上部へ取り出され、回折格子15へ入射する。この入射した光は回折格子15で回折を受け、0次回折光と±1次回折光が発生する。次に、これら3つの光は、回折格子14、波長偏向フィルタ13を透過し、半導体レーザ装置1から出射されて、図1に示す光ディスク4上に集光される。また、光ディスク4から半導体レーザ装置1へと入射する戻り光は、波長偏向フィルタ13を透過した後、回折格子14へ入射し、その±1次回折光が受光素子7aに導かれ、光電流信号として外部に取り出される。この光電流信号に対して所定の増幅/演算を施すことにより、各種のサーボ信号(フォーカス/トラッキング誤差信号)ならびに再生信号が検出される。
【0052】
一方、光ディスク4がDVDフォーマットに対応する場合、半導体レーザ素子6が発光し、その出射ビームは凹部82の一側面82bで反射し上部へ取り出され、回折格子16を透過して複合プリズム11へと入射する。複合プリズム11に入射した光は反射ミラー12で反射され、さらに波長偏向フィルタ13で反射され、半導体レーザ装置1から出射されて、図1に示す光ディスク4上に集光される。また、光ディスク4から半導体レーザ装置1へと入射する戻り光は、波長偏向フィルタ13で反射された後、反射ミラー12を介して回折格子16へと入射する。回折格子16へと入射した光は回折を受け、その±1次回折光が多数の領域に分割された受光素子7bに導かれ、光電流信号として外部に取り出される。この光電流信号に対して所定の増幅/演算を施すことにより、各種のサーボ信号ならびに再生信号が検出される。
【0053】
図4は、半導体レーザ装置1内の半導体レーザ素子5、6からの出射ビームが半導体レーザ装置1外へ出射されるまでの光路長を示す図である。なお、半導体レーザ素子5、6からの出射ビームの光路長について、半導体レーザ装置1を3つの領域に分割して説明する。
【0054】
図4において、第1の領域は、複合プリズム11の領域であり、第2の領域はホログラム素子10の領域であり、第3の領域は、半導体レーザ素子5、6の発光点からホログラム素子10の下面に至る領域である。
【0055】
ここで、波長780nmに対する、第1の領域での屈折率をn1、第2の領域での屈折率をn2、第3の領域での屈折率をn3とする。また、波長650nmに対する、第1の領域での屈折率をn1’、第2の領域での屈折率をn2’、第3の領域での屈折率をn3’とする。さらに、半導体レーザ素子5および半導体レーザ素子6からの出射ビームが半導体レーザ装置1外へ出射されるまでの光路の空気換算距離を、それぞれL1およびL2とすると、L1とL2は、
L1=(a+b)/n3+c/n2+d/n1
L2=(a+e+f)/n3’+g/n2’+h/n1’
で与えられる。
【0056】
ここで、本実施形態においては、各領域における屈折率ならびに光路長eを調整することで、L1=L2を満足させることができ、それにより半導体レーザ装置1を外から見た場合、半導体レーザ素子5と6を一つの光源として扱うことができる。
【0057】
以上のように、本実施形態においては、半導体レーザ素子5および半導体レーザ素子6から集光手段としてのコリメータレンズ2までの空間換算距離がほぼ等しくなるので、光ピックアップ装置の特性を劣化させずに、図1に示すように、単一のコリメータレンズ2のみで光ピックアップ装置を構成することができ、光学構成を非常に簡素かつ小型にすることが可能になる。また、2つの半導体レーザ素子とそれに対応した受光素子とを集積することで、さらに光ピックアップ装置を小型化することができる。
【0058】
なお、本実施形態において、空気換算距離L1とL2を同一にするために、屈折率の波長分散と光路長eを調整するとして説明したが、図5に示すように、半導体レーザ素子5と半導体レーザ素子6の出射ビームの光路中に配置した光学素子の長さ、例えば、半導体レーザ素子6の出射ビームの光路におけるホログラム素子10の厚みをgからg’に変えて、空気換算距離L1とL2が同一になるように調整することもできる。
【0059】
また、本実施形態においては、集光手段として、コリメータレンズ2と対物レンズ3を使用する無限光学系を有する光ピックアップ装置の構成について例示し説明したが、本発明を、対物レンズのみを集光手段として使用する有限光学系を有する光ピックアップ装置に適応することもできる。この場合、コリメータレンズが不要となるので、さらに光ピックアップ装置を小型化することができ、かつその組立調整が容易になる。
【0060】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図1、図6および図7を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同一の機能を有する素子については同一の符号を付記する。
【0061】
図6は、本発明の第2の実施形態による半導体レーザ装置1の構成を示す断面図であり、図7は、図6に示す半導体レーザ装置1のシリコン基板8を光ディスク4側から見た平面図である。
【0062】
図6において、半導体レーザ素子5および6は、対応する受光素子7aおよび7bが形成されたシリコン基板8上にヒートシンク18を介して配置されている。さらに、受光素子7a、7b上にはマイクロプリズム17が配置されている。なお、本実施形態による半導体レーザ装置1を用いた光ピックアップ装置は、図1に示す光ピックアップ装置において、図2に示した半導体レーザ装置1を、図6および図7に示す半導体レーザ装置1に置き換えた構成をとる。
【0063】
次に、以上のように構成された半導体レーザ装置1およびそれを用いた光ピックアップ装置の動作について説明する。
【0064】
図1に示す光ディスク4がCDフォーマットに対応する場合、半導体レーザ素子5が発光し、その出射ビームは、マイクロプリズム17の斜面17aで反射し、シリコン基板8に対してほぼ垂直上方へと立ち上がり、半導体レーザ装置1外へと出射され、コリメータレンズ2で平行光束に変換された後、対物レンズ3により光ディスク4上に集光される。また、光ディスク4からの反射光は、前述した経路を逆に辿り、マイクロプリズム17の斜面17aへと入射すると、その一部の光がマイクロプリズム17中に入射して、シリコン基板8面とマイクロプリズム17の内部上面17bとの間で反射しながら、複数の領域に分割された受光素子7aに到達し、受光素子17aにより光電流信号として外部に取り出される。この光電流信号に対して所定の増幅/演算を施すことにより、各種のサーボ信号ならびに再生信号が検出される。
【0065】
一方、図1に示す光ディスク4がDVDフォーマットに対応する場合、半導体レーザ素子6が発光し、上述した動作と同様にして、受光素子7bにより取り出された光電流信号に基づいて、各種のサーボ信号ならびに再生信号が検出される。
【0066】
本実施形態によれば、2つの半導体レーザ素子5および6から集光手段であるコリメータレンズ2までの空気換算距離がほぼ等しくなるので、光ピックアップ装置の特性を劣化させずに、図1に示すように、単一のコリメータレンズ2のみで光ピックアップ装置を構成することができ、光学構成を非常に簡素かつ小型にすることが可能になる。また、2つの半導体レーザ素子とそれに対応した受光素子とを集積することで、さらに光ピックアップ装置を小型化することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体レーザ装置および光ピックアップ装置によれば、2つの半導体レーザ素子と複数の受光素子とが受発光集積基板に集積されているので、小型かつ低コストの半導体レーザ装置を提供することができる。
【0068】
また、集光手段に対する2つの半導体レーザ素子からの空気換算距離がほぼ等しいので、同一の集光手段(例えば、コリメータレンズ等)を採用することが可能になり、光学構成が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による半導体レーザ装置を用いた光ピックアップ装置の概略構成図
【図2】本発明の第1の実施形態による半導体レーザ装置の構成を示す断面図
【図3】図2に示す半導体レーザ装置のシリコン基板8を光ディスク4側から見た平面図(a)、およびそのシリコン基板8を線分A−A’に沿って切った断面図(b)
【図4】本発明の第1の実施形態による半導体レーザ装置内の各半導体レーザ素子から半導体レーザ装置外部までの光路長を示す図
【図5】本発明の第1の実施形態の変形例による半導体レーザ装置内の各半導体レーザ素子から半導体レーザ装置外部までの光路長を示す図
【図6】本発明の第2の実施形態による半導体レーザ装置の構成を示す断面図
【図7】図6に示す半導体レーザ装置のシリコン基板8を光ディスク4側から見た平面図
【図8】従来の光ピックアップ装置の構成図
【符号の説明】
1 半導体レーザ装置
2 コリメータレンズ
3 対物レンズ
4 光ディスク
5 波長780nmの半導体レーザ素子
6 波長650nmの半導体レーザ素子
7a 半導体レーザ素子5に対応した受光素子
7b 半導体レーザ素子6に対応した受光素子
8シリコン基板
81、82 凹部
81a、82a 凹部の底面
81b、82b 凹部の一側面
9 筐体
10 ホログラム素子
11 複合プリズム
12 反射ミラー
13 波長偏向フィルタ
14、15、16 回折格子
17 マイクロプリズム
17a マイクロプリズム17の斜面
17b マイクロプリズム17の内部上面
18 ヒートシンク
Claims (5)
- 一の発振波長の第1の半導体レーザ素子と前記一の発振波長より短い発振波長の第2の半導体レーザ素子および複数の受光素子が一つの基板上に集積された受発光集積基板と、光学素子とを有し、前記受発光集積基板が筐体内に配置され、前記光学素子が前記筐体の上に載置され、前記第1及び第2の半導体レーザ素子からの出射ビームが反射された反射戻り光を前記受光素子で受光するように構成された半導体レーザ装置であって、
前記光学素子は、前記受発光集積基板における前記第1及び第2の半導体レーザ素子からの出射ビームの光路中に配置され、前記第1の半導体レーザ素子の反射戻り光を分岐するための第1の回折格子および前記第2の半導体レーザ素子の反射戻り光を分岐するための第2の回折格子が上面に形成されたホログラム素子と、前記第1の半導体レーザ素子の上部に配置された波長偏向フィルタおよび前記第2の半導体レーザ素子の上部に配置された反射ミラーが一体に形成された複合プリズムとを有し、
前記第1の半導体レーザ素子からの出射ビームは、前記光学素子内に入射した後、そのまま透過して出射され、
かつ前記第2の半導体レーザ素子からの出射ビームは、前記光学素子内に入射した後、前記光学素子内に設けられた前記反射ミラーによって、その光路を曲げられた後に出射されて、前記第1の半導体レーザ素子からの出射ビームが前記光学素子を透過する距離よりも、前記第2の半導体レーザ素子からの出射ビームが前記光学素子を透過する距離が長くなるように光路を設定することにより、
前記第1の半導体レーザ素子からの出射ビームが前記光学素子を透過して集光手段に至る空気換算距離L1と、前記第2の半導体レーザ素子からの出射ビームが前記光学素子を透過して前記集光手段に至る空気換算距離L2とが略同一となるようにしたことを特徴とする半導体レーザ装置。 - 前記ホログラム素子における前記受発光集積基板と対向する下面には、前記第1の半導体レーザ素子からの出射光を回折する第3の回折格子が設けられ、
前記第1の半導体レーザ素子からの出射ビームは前記第3の回折格子で回折された後、前記光学素子をそのまま透過して出射される請求項1記載の半導体レーザ装置。 - 前記集光手段は、前記第1の半導体レーザ素子または前記第2の半導体レーザ素子からの出射ビームを平行光束に変換する機能を有する請求項1または2記載の半導体レーザ装置。
- 前記空気換算距離L1と前記空気換算距離L2との差が±50μm以内である請求項1または2記載の半導体レーザ装置。
- 前記第1の半導体レーザ素子の発振波長が780nm帯で、前記第2の半導体レーザ素子の発振波長が650nm帯である請求項1記載の半導体レーザ装置。
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