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JP3613946B2 - 遮音シール付き密封装置 - Google Patents

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JP3613946B2
JP3613946B2 JP26935797A JP26935797A JP3613946B2 JP 3613946 B2 JP3613946 B2 JP 3613946B2 JP 26935797 A JP26935797 A JP 26935797A JP 26935797 A JP26935797 A JP 26935797A JP 3613946 B2 JP3613946 B2 JP 3613946B2
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Nok Corp
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  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば自動車のステアリングシャフトのダストシール等の軸偏心や取付偏心が大きい軸封部に用いられる密封装置に関し、特に遮音シールを備えた遮音シール付き密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の遮音シール付き密封装置としては、たとえば図2に示すようなものがある。
【0003】
すなわち、ハウジング100の軸孔101内周と移動軸102間の隙間をシールするシール本体103と、このシール本体103に固定されハウジング100の軸孔101と移動軸102間の透過音を遮断する遮音シール104と、を備えている。
【0004】
遮音シール104は、シール本体103に嵌合固定される筒状のケーシング部105と、このケーシング部105内周に組み込まれる遮音部材106と、から構成されている。そして、移動軸102が偏心した際に遮音部材106と干渉しないように、遮音部材106内径を移動軸102よりも大きくして、移動軸102と遮音部材106との間に隙間Aを設けていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記した従来の密封装置の場合には、移動軸102と遮音部材106の間に隙間Aがあるために、遮音が十分ではなかった。
【0006】
隙間を小さくすればよいが、そうすると、移動軸102と干渉して移動軸102の回転トルク等の移動抵抗が増大するという問題が生じてしまうので、隙間Aを小さくすることができない。また、遮音部材106の剛性を小さくして移動軸102が干渉しても接触抵抗を小さくすることが考えられるが、そうすると遮音効果が低下してしまう。
【0007】
本発明は上記した従来技術の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、遮音効果を高め得る遮音シール付き密封装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にあっては、ハウジングの軸孔内周と移動軸間の隙間をシールするシール本体と、該シール本体に固定されハウジングの軸孔と移動軸間の透過音を遮断する遮音シールと、を備え、該遮音シールは、移動軸との間に移動軸の偏心を逃がす所定寸法の隙間を有する第1遮音部材を有する、自動車のステアリングシャフトのダストシールに用いられる遮音シール付き密封装置において、
前記遮音シールに、少なくとも前記第1遮音部材の反ダスト側において前記第1遮音部材と軸方向に直列に並べられる薄肉で剛性の低い第2遮音部材を設け、該第2遮音部材の内周を移動軸に摺動自在に接触させたことを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、第2遮音部材によってハウジングと移動軸間の隙間が完全に密封され、遮音効果が高まる。この第2遮音部材は薄肉で剛性が低い構成となっているので、移動軸との摺動抵抗は小さい。また、移動軸が偏心しても第2遮音部材がそれに追随して変形し、移動軸の偏心移動を妨げることがない。
【0010】
一方、第1遮音部材によって吸音性能が維持され、第2遮音部材の密封構成と相挨って遮音効果を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明の一実施の形態に係る遮音シール付き密封装置を示している。
【0013】
この遮音シール付き密封装置1は、ハウジング2の軸孔3内周と移動軸4間の隙間をシールするシール本体5と、このシール本体5に固定されハウジング2の軸孔3と移動軸4間の透過音を遮断する遮音シール60と、を備えている。
【0014】
シール本体5はダストシールで、ハウジング2の軸孔3内周に嵌着固定される外周固定部51と、移動軸4に摺動自在に密封接触する内周側のシールリップ部52と、このシールリップ部52と外周固定部51間を連結する蛇腹部53と、を備えており、軸偏心を蛇腹部53の変形によって吸収するようになっている。このシール本体5は、遮音シール60に対してダスト側Dに配置される。
【0015】
一方、遮音シール60は、厚肉で剛性の高い第1遮音部材6と、この第1遮音部材6と軸方向に直列に並べられる薄肉で剛性の低い第2遮音部材7とを備えた構成となっている。この遮音シール60は、シール本体5のシールリップ部52に対して反ダストE側に配置され、本実施の形態では騒音源側となっている。もちろん、透過音を遮断するもので、ダスト側Dが騒音側であってもよい。
【0016】
上記第1,第2遮音部材6,7は、断面コ字形状のケーシング8内に組み込まれ、ケーシング8を介してシール本体5の外周固定部51の反ダスト側Eに形成された環状突出部54内周に嵌着固定されている。この環状突出部54は、ハウジング2の軸孔3の開口端面に係合する金属製の固定フランジ55から軸方向に環状に突出するゴム状弾性材によって構成されている。
【0017】
ケーシング8は、円筒形状の固定筒部81と、この固定筒部81のダスト側端部から半径方向内方に向かって突出する第1内向きフランジ部82と、固定筒部81の反ダスト側端部から半径方向内方に向かって突出する第2内向きフランジ部83と、を備えている。固定筒部81外周には、そのダスト側端部寄りに半径方向外方に向かって部分的に突出する環状凸部84が設けられ、この環状凸部84がシール本体5の環状突出部54内周に設けられた環状溝に嵌着固定されている。また、固定筒部81の環状凸部84よりダスト側Dの部分は、シール本体5の外周固定部51内周に部分的に嵌合している。
【0018】
このケーシング8は、断面L字形状の金属環9と、この金属環9に一体的に焼き付けられるゴム状弾性体10と、から構成されている。金属環9は、円筒状の外筒部91と、この外筒部91の反ダスト側端部から半径方向内向きに突出する内向きフランジ部92と、から構成されており、この外筒部91のダスト側端部は、ケーシング8の固定筒部81の環状凸部84までで、シール本体5の外周固定部51内周に嵌合する固定筒部81のダスト側Dのケーシング側端部はゴム状弾性体10単体にて構成されている。
【0019】
上記第1遮音部材6は厚肉で剛性の高い部材で、外周がケーシング8の固定筒部81内周に密に嵌合され、軸方向端面が第1,第2内向きフランジ部82,83に当接している。一方、内径は移動軸4の外径よりも大径で、第1遮音部材6と移動軸4間に移動軸4の偏心量を逃がすための隙間Aが形成されている。
【0020】
この第1遮音部材6は、図示するように、複数のピース61,62に分割構成とすることができる。第1遮音部材6の各2ピース61,62は断面矩形状で、外周がコ字形状の上記ケーシング8の固定筒部81内周に嵌合され、第1,第2内向きフランジ部82,83によって軸方向に挟持されている。また、図示しないが移動軸4外周に突出部がある場合に、複数のピース61,62の内径を異ならせることにより、突出部との干渉を避けることができる。
【0021】
この第1遮音部材6の材質としては、たとえばブリジストン(株)製のVDフォーム等のスポンジ状発泡材等種々の吸音材料を用いることができる。
【0022】
一方、第2遮音部材7は薄肉で剛性の低い部材で、本実施の形態ではワッシャ状の薄肉板形状に成形されており、第1遮音部材6の2つのピース61,62間に軸方向に挟み込まれた状態でケーシング8内に装着されている。図示例では、この第2遮音部材7の外径端はケーシング8の固定筒部81内周に嵌合されており、その外径側の半部が第1遮音部材6のピース61,62間に挟持固定され、内径側の半部が第1遮音部材6のピース61,62内周と移動軸4外周間の隙間に露出し、内径端部が移動軸4外周に摺動自在に接触している。
【0023】
この第2遮音部材7の材質としては、第1遮音部材6と同じ材料を用いてもよいし、ゴム,樹脂ベロー、不織布等のファブリック材等、種々の材料を用いることができる。ただ、この第2遮音部材7は移動軸4外周に摺接させるので、摺動時の鳴き(異音)等を考慮すると非弾性材が好ましい。
【0024】
本実施の形態にあっては、第2遮音部材7によってハウジング2と移動軸4間の隙間が完全に密封され、移動軸4の摺動抵抗増大を招来することなく、第1遮音部材6による遮音性能と相挨って遮音効果が高まる。この第2遮音部材7は薄肉で剛性が低い構成となっているので、移動軸4が偏心しても第2遮音部材7がそれに追随して変形し、移動軸4の偏心移動を妨げることがない。
【0025】
一方、第1遮音部材6によって吸音性能が維持され、第2遮音部材7の密封構成と相挨って遮音効果を高めることができる。
[他の実施の形態]
遮音性においては、遮音シールの軸方向の幅が同じ幅とすると、第2遮音部材7の遮音層の数が多い方が効果があるので、第2遮音部材7の設定数はできるだけ多い方が好ましい。
【0026】
1(c)には、図1(b)の第1遮音部材6の各ピース61,62をさらに2分割して、各分割ピース61a,61b,62a,62b間に第2遮音部材7,7を装着して合計3層の第2遮音部材7,7,7を設けたものである。
【0027】
その他の構成および作用については上記実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
【0028】
なお、上記第1,第2遮音部材6,7は接着固定してもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、移動軸と非接触の第1遮音部材とは別に移動軸と接触する薄肉で剛性の低い第2遮音部材を設けたので、ハウジングと移動軸間の隙間が完全に密封され、移動軸の摺動抵抗増大を招来することなく、第1遮音部材による遮音性能と相挨って遮音効果を高めることができる。
【0030】
また、この第2遮音部材は薄肉で剛性が低い構成となっているので、移動軸が偏心しても第2遮音部材がそれに追随して変形し、移動軸の偏心移動を妨げることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施の形態に係る遮音シール付き密封装置を示すもので、同図(a)は全体構成を示す要部縦断面、同図(b)は遮音シール部分の部分断面図、同図(c)は本発明の他の実施の形態の遮音シール部分の部分断面図である。
【図2】図2は従来の遮音シール付き密封装置の要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 遮音シール付き密封装置
2 ハウジング
3 軸孔
4 移動軸
5 シール本体
51 外周固定部
52 シールリップ部
53 蛇腹部
54 環状突出部
55 固定フランジ
60 遮音シール
6 第1遮音部材
61,62 ピース
7 第2遮音部材
8 ケーシング
81 固定筒部
82,83 第1,第2内向きフランジ部
84 環状凸部
9 金属環
91 外筒部
92 内向きフランジ部
10 ゴム状弾性体
Dダスト側
E 反ダスト側

Claims (1)

  1. ハウジングの軸孔内周と移動軸間の隙間をシールするシール本体と、該シール本体に固定されハウジングの軸孔と移動軸間の透過音を遮断する遮音シールと、を備え、該遮音シールは、移動軸との間に移動軸の偏心を逃がす所定寸法の隙間を有する第1遮音部材を有する、自動車のステアリングシャフトのダストシールに用いられる遮音シール付き密封装置において、
    前記遮音シールに、少なくとも前記第1遮音部材の反ダスト側において前記第1遮音部材と軸方向に直列に並べられる薄肉で剛性の低い第2遮音部材を設け、該第2遮音部材の内周を移動軸に摺動自在に接触させたことを特徴とする遮音シール付き密封装置。
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