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JP3613511B2 - モバイル端末装置 - Google Patents

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  • Computer And Data Communications (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、普段はネットワークに接続されていない、移動することを前提とした端末装置に係り、特に、端末装置がネットワークと接続し他の装置と通信を開始した場合に、該接続に相乗りして管理サーバ間で自動的に通信を行う端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動を前提とする端末(以下、モバイル端末という)は、企業内で使われている「半ば固定化された」端末(例えばDesktop PCなど)と違い、有線回線(例えばLAN(Local Area Network))を使ってネットワークに接続することが出来ない。
また、ネットワークに接続する際も、多くの場合、公衆回線を経由して目的のサーバがあるネットワークに接続するのが普通である。
しかし、公衆回線を利用する関係上、どうしてもネットワークを利用することによる「課金」が発生する。
このため、端末を利用するユーザーはネットワークに接続する回数と時間を極力減らし、「課金」される金額を増やさないように工夫をする必要がある。
【0003】
また、同様にモバイル端末の場合、端末に搭載されているリソースのみで動作することが前提となっている。
このため、特に電源は現在一番リソース上のネックとなっており、ユーザーは電源の電力を保持するために極力余分な作業を減らすように心がけるのが普通である。
【0004】
従来、モバイル端末を、管理サーバーにネットワーク介して接続し、ソフトウェアやデータの配信、ハードウェアの構成管理や、インストールされているソフトウェアの確認を行うためには、管理を行うためのモバイル端末のソフトウェアをユーザーが明示的に立ち上げて、ユーザーが明示的に必要なサーバに接続する必要があった。
しかし、端末を使用するユーザーとしては、わざわざ管理を行うためにネットワークに接続しなければならないため、冒頭に上げた理由によりユーザーとしては自分の利益にならない管理のためにわざわざ接続することはしないのが普通である。
また、ユーザーが接続しない限り管理が出来ないため、モバイル端末を管理しようとする場合、いつまでたってもユーザーが管理サーバーに接続してこない状況が発生し、管理者側から見た場合、モバイル端末は非常に管理しにくい状況にあった。
【0005】
上記に挙げた問題を解決するため、すでにいくつかの方法が提案されている。
例えば、端末に対する管理要素の一つである「端末に対するソフトウェアの配信」については、特開平10−32618では管理サーバがあらかじめクライアント(端末)に対して配信する情報があるかないかを判断するようにし、クライアント(端末)から接続され時に、もし配信する情報が無ければ管理サーバ側ですぐに回線を切断するようにしている。
また、端末を利用するユーザーに対して極力負担をかけないことを目的として、特開平10−333914ではユーザーが端末を利用していない確率の高い時間に管理業務(この例では、ソフトウェアの配信)を行うようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平10−32618の方法では、端末を利用するユーザーは管理サーバに意識して接続する必要が生じる。しかし、多くのユーザーは煩雑な操作を嫌うため、管理機能の確実な動作が保証できないという問題がある。
また、特開平10−333914の方法では、ユーザーが使用していない時間に管理が行われることが可能となるが、そのためには端末の電源を完全に切らずに一部の回路を待機状態にしておく必要がある。このためどうしても電気の消費量が大きくなり、端末に搭載されているバッテリー容量の限界から、ユーザーの使用する時間を制限してしまうという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、上記問題を解決するため、モバイル端末において、ユーザーが特に意識しなくとも自動的に管理サーバーに接続し、必要なソフトウェアやデータの配信を受けたり、ハードウェアの管理情報やソフトウェアの管理情報を管理サーバに送付することが出来るようにすることにある。
本発明の他の目的は、情報の配信のほかにサーバ側からの指示により、端末内の特定のファイルやデータの情報を収集することにより、ユーザーがオフライン時に作成したデータを自動的に回収することが出来るようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、
モバイル端末装置において、該モバイル端末装置使用者が業務実行のために該モバイル端末装置をネットワークを経由して他の装置に接続し該他の装置と通信を開始したことを検知するために該モバイル端末装置の通信ポートを監視する監視手段と、該監視手段により該モバイル端末装置が該他の装置と通信を開始したことを検知されたとき、該ネットワークを経由して管理サーバを検索し、検索した管理サーバと該モバイル端末装置を該ネットワークを経由して接続し、該管理サーバと通信を開始する管理手段を有するようにしている。
【0009】
また、前記管理手段は、管理サーバと通信を開始後、モバイル端末装置内に格納されているソフトウェア情報あるいはデータを該管理サーバに転送するようにしている。
【0010】
また、前記管理手段は、管理サーバと通信を開始後、ネットワークを経由して該モバイル端末装置のハードウェア構成情報を該管理サーバーに転送するようにしている。
【0011】
また、前記管理手段は、管理サーバと通信を開始後、ネットワークを経由して該モバイル端末装置のソフトウェア構成情報を該管理サーバーに転送するようにしている。
【0012】
また、前記管理手段は、管理サーバと通信を開始後、該モバイル端末装置内の特定のファイルやデータ、あるいは特定のディレクトリの中にあるファイルやデータを収集し、該収集したファイルやデータを前記管理サーバに転送するようにしている。
【0013】
また、該モバイル端末装置は、管理サーバと通信を開始後、前記管理サーバから転送されるソフトウェア情報やデータを受信するようにしている。
【0014】
また、該モバイル端末装置は、管理サーバと通信を開始したときの自端末の位置情報を取得する手段を有し、前記管理手段により該取得したを該管理サーバに転送し、前記管理サーバから転送される該位置情報に基づき該管理サーバが選択した該位置に対して最適なソフトウェア情報やデータを受信するようにしている。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明が対象として想定するシステムは、外回りの営業マンや移動することを前提とし、移動先で端末を利用して業務が日常的に行うシステムである。
企業内システムでは既に多くの端末が利用されており、その端末は管理サーバーによってソフトウェアやデータの配信、ハードウェアやソフトウェアの構成情報の管理などを行っている。
このように、企業内にほぼ固定されて使用されている端末に対しては、さまざまな方式で管理が実現されているが、モバイル端末(以後、モバイル端末を単に端末とも呼ぶ)に対しては外出先から企業に戻ってきてLANに接続しない限り、ほとんど管理が行われていないのが現状である。
これらの端末は、ユーザーと共に常に移動するため、管理サーバの存在するネットワークとは通常は接続されていないのが普通である。
ネットワークに接続するときは、業務を行うために必要なときのみ(例えばメールのチェックなど)であり、利用している端末の管理を行うためにネットワークに接続することはない。
なぜなら、端末をネットワークに接続することはその端末のリソース、例えば端末のバッテリーなどを消費することであり、また、公衆回線を使って接続するために回線利用料金が発生するからである。
ユーザーとしては、特に自分の業務に直接影響しない端末の管理に関しては、自分が行う業務に比べて重要性を感じていないのが普通である。
【0016】
しかし、モバイル端末を数多く導入し、運用する場合、その運用管理者から見た場合、各端末の状況を把握し、管理することは非常に重要なことである。
本実施例は、上記にあげてた端末を利用するユーザーと管理者との間のジレンマを解決するために、ユーザーが業務でネットワークに接続したときに、自動的にモバイル端末の構成情報などの管理情報を管理サーバに上げると共に、管理サーバから必要があればソフトウェアやデータのモバイル端末への配布を行うようにしている。
【0017】
図1は、本発明が適用されるシステムの一例の概念図を示す。
図1のシステムでは、モバイル端末は移動しながら公衆回線やインターネットなどのネットワークを介してモバイル業務サーバや配布・管理サーバに接続される。なお、配布・管理サーバを単に管理サーバとも呼ぶ。
このシステムを利用した場合、モバイル端末を利用するユーザーからは次のような動作が見える。
図1の中の▲1▼にあるように、ユーザーは業務を行うために業務サーバにアクセスを開始する。
図1では、モバイル端末は業務サーバにアクセスをしているが、遠隔のデータベースへのアクセスや電子メール業務開始でもよい。
モバイル端末の中には、通信を監視する通信監視エージェントが常駐しており、通信が開始される事を監視しながら待っている(これはユーザーには見えない)。
図1の▲1▼の通信が開始され、それを通信監視エージェントが感知すると、管理エージェントが管理のために、▲1▼の通信に相乗りした形で通信すべきサーバを探すため、活動を開始する(これもユーザーには見えない)。
通信すべきサーバが見つかると(この場合、配布・管理サーバA)、▲1▼の通信に相乗りして、図1の▲2▼にあるように通信を開始する。
通信が始まると、
自動的に管理情報のアップロードや必要なソフトウェアやデータのダウンロードが開始される(これもユーザーには見えない)。
ダウンロードのみ、モバイルユーザーは必要な業務終了後すぐに移動する必要がある場合が考えられるため、ダウンロードを行うかどうかのダイアログによって「ダウンロード拒否」が出来る。
このようにモバイル端末を利用するユーザーから見た場合、ほとんど「管理されている」という状況を認識せずに端末を利用した業務を行うことが出来る。
このようなことを実現するためにモバイル端末には、通信監視エージェントや管理エージェントのエージェントプログラム(以下エージェントと略す)をあらかじめ端末内のストレージ領域(例えば、不揮発性のメモリやハードディスクなど)に入れておく。
端末が起動されると自動的にエージェントも起動され、通信監視エージェントにより端末がネットワークに接続されているかを監視し、管理エージェントにより端末の現在の状況、どのような情報を管理サーバに伝えるのかなどの判断を自動的に行う。
【0018】
図7は、管理サーバおよびモバイル端末の概略の構成を示す図である。
管理サーバは、OS(オペレーティングシステム)、通信制御ソフトウェア、管理アプリケーションを備え、また、通信機器、端末認証用のDB、端末の管理データDBを備えている。
モバイル端末は、OS(オペレーティングシステム)、通信制御ソフトウェア、通信ポートを監視する通信監視エージェント、モバイル端末を管理する管理エージェント、管理対象となるユーザのAP(アプリケーションプログラム)群を備え、また、モデムなどの通信機器、管理対象となる端末内のハードウェア、管理情報を格納する管理情報記録庫(メモリ、ハードディスク等)を備えている。
【0019】
以下に、通信監視エージェントおよび管理エージェントを中心に行われ処理について図2、図3のフローチャートを参照して説明する。
モバイル端末に常駐しているエージェントは、モバイル端末起動時に同時に自動的に立ち上がる。常駐していない場合には、外部記憶装置等から読み込まれ常駐を開始する(211)。
通信監視エージェントは、モバイル端末の通信ポートを監視し、通信が行われるかどうかの通信ポートの状況のチェックを行う(212)。
チェックの結果、電子メール業務の開始等により通信が始まり、通信ポートがネットワークに接続されたことを通信監視エージェントが感知したら、管理エージェントは、動作を開始する(213)。
動作を開始したら、まず、通信する先(管理サーバ)を検索する(215)。
【0020】
管理サーバの検索を行うには、いくつかの方法がある。
例えば、ネットワークに接続後、端末側からネットワークに対して管理サーバを検索するブロードキャストパケットを送信し、一番早く回答したサーバとアクセスする方法。
また、クライアント側にあらかじめアクセスするサーバのすべてのアドレスを記憶しておき、このアドレスを一定の順番に接続するまでポーリングして行く方法もある。
この方法を改良して効率を上げる方式としては、アドレスを記録したリストに各管理サーバの位置情報をあらかじめ記録しておき、端末側が位置情報を入手できたら、その入手した位置情報と管理サーバの位置情報とを比較して、一番近いと考えられる管理サーバを端末側が自動的に判断し、その管理サーバを呼び出す方法も考えられる。
いずれの方法をとるにせよ、このシステムでは、クライアントとなる端末側が自動的にサーバを検索して接続を行う。
【0021】
ポート状況のチェック(212)の結果、通信ポートがネットワークに接続されておらず、通信が行われていない場合には、タイマの確認を行い、タイマの値が一定時間を経過していたら、管理エージェントは、サーバ側に通知するハードウェアやソフトウェアの管理情報を定期的に収集する。
ここで収集する管理情報とは、ハードウェアの場合、例えば搭載されているCPUの種類、クロックスピード、メモリの搭載量、ハードディスクの最大容量と、現時点での容量、組み込まれているドライバの名前や種類などの情報であり、ソフトウェアの場合は、ソフトウェアの名前、バージョンなどの情報である。
これらの収集されたデータは、端末内に一旦蓄積される。
【0022】
管理エージェントは自動的に管理情報を収集し(311)、最初の収集か否か判定し(312)、その端末で初めて管理情報の収集を行った判断される場合は、収集した管理情報を端末内のDBにすべて蓄積し(313)、タイマをリセットし(317)、ステップ212に戻る。
すでに管理情報を収集していた場合には、すでに蓄積されているDB内の管理情報と、今回収集した管理情報とを比較し(314)、変更のあった場合はその部分をDB内の管理情報に反映し(315)、変更された部分は、次回管理サーバに送る管理情報データとして登録し(316)、タイマをリセットし(317)、ステップ212に戻る。
【0023】
サーチ結果チェックをし(215)、サーチが成功して、端末がサーバに接続されると、管理サーバと通信を開始し(216)、まず、ユーザの認証を行う(217)。ユーザの認証は、端末から管理サーバへ認証のリクエストを送信し、管理サーバが認証処理を行い、端末に認証の承認を送信することにより行われる。
認証が終了すると、端末は管理サーバに送る情報があるか判定し(218)、送る情報があれば、前記の抽出された管理情報をサーバ側に送信する(219)。
サーバ側では、モバイル端末から上がってきたデータを受信した後に、受信したデータを管理情報としてDBやファイルの形などにして、各端末ごとに蓄積・管理を行う。
なお、管理サーバは、モバイル端末に対して、蓄積されているデータの全てを管理サーバに送るか、あるいは指定した一部の情報を管理サーバに送るかの指定をすることができる。
この指定のための情報は、端末が管理サーバに接続した時点で管理サーバが端末に対して応答を返すときに、管理サーバから端末に送られる。
【0024】
次に、管理サーバは端末から管理情報を受信した後、端末に送信する情報があるかを判断し(220)、端末に送信する情報がある場合には、まず、端末に情報の配布を行ってよいかの確認をする(221)。
この確認は、端末から管理サーバの管理終了を指示する電文が送られたときに配布拒否と判断し、この電文が送られていなければ配布拒否でないと判断することにより行われる。管理サーバはこの電文が送られたとき、電文に従い管理の終了処理を行い、また、端末に配布拒否受領を意味する管理終了処理/回線切断の指示をする電文を送る。
【0025】
配布を行ってよい場合には、管理サーバは配信情報を端末にダウンロードする(222)。
管理サーバは配信するソフトウェアやデータを予め「パッケージ」という単位で登録しておく。
配信をする場合、登録したパッケージに対して管理者が予め配信の指示をしておく方法のほか、端末から通知されたハードウェアおよびソフトウェアの管理情報を元にして、必要となるソフトウェアやデータを配信する方法などがある。
これにより、すでに配布されているものを重複して配信することを防いだりすることが出来、必要以上に通信時間をかけることが無くなる。
また、逆に配信されていなければならない情報がある場合、自動的にこの情報の配信を行うことで常に必要なソフトウェアやデータを端末に入れておくことが出来る。
【0026】
また、配信するソフトウェアやデータの中には端末の現在いる「位置」に依存しているものもある。
例えば、ある製品群は市場競争が激しく価格が非常に短い間隔で変わっていくものであり、しかも地域に拠る価格差がある製品であったとする。
このようなデータを配信して活用するには、端末がどこの地区にいるのかをサーバが判断して、現在いる位置に必要なデータのみを配信する方法か、すべてのデータをまとめて配信する方法が考えられる。
この前者の方式と後者の方式を比較すると、前者のほうが後者に比べて配信するデータが少なくてすみ、効率が良いことがあげられる。
このように、位置に依存しているソフトウェアやデータを効率良く配信するためには、端末側の位置データをサーバに知らせ、その位置データに一番適したソフトウェアやデータを配信することが出来るようにする必要がある。
端末側の位置を知る方法は、現時点でもいくつかある。
例えば、GPS(Grobal Posisioning System)を使って緯度・経度単位で位置情報を入手できる。
また、携帯電話やPHS(Personal Handy phoneSystem)などを使って端末とサーバの間で通信を行っている場合は、その通信している端末の電話機がどこのアンテナ(基地局)と通信をしているかをキャリア側で特定してもらうサービスを利用すれば、大雑把(携帯電話の場合、最小1km、最大10km。PHSの場合は、最小100m、最大500m)な位置がわかる。
これらの手段により端末がその位置情報を入手し、それを管理サーバに送ることでその位置に適したソフトウェアやデータを端末に配信することが出来る。
【0027】
また、このような配信を行う場合、配信するソフトウェアやデータの大きさによっては、通信時の負荷が、本来ユーザーが「いま実行したい」と考えている業務に対して支障をきたすことが考えられる。
これを防止するために、端末側の管理エージェントはCPUの使用率やネットワークの使用率などを一定間隔でチェックし、ユーザーが業務で利用しているアプリケーションの実行に対して影響を与えないようにしている。
例えば、ユーザーが電子メールなどを使って業務を行うときは、電子メールの送受信を行う。この場合、自動的に端末内の通信監視エージェントが通信を感知して、端末内の管理エージェントが管理サーバを検索して接続し、通信を開始するが、管理エージェントは上記のチェック結果に基づき、動的に管理エージェントと管理サーバが通信している速度を調整して、メールの送受信をスムーズに行うようにする。
このように、管理エージェントは実際にユーザーが使用している業務を妨げないように、動的にCPUやネットワークに対する負荷を調整する機能を持っている。
【0028】
また、モバイル端末を利用する業務では、端末を利用するユーザーがオフラインで端末を使って業務を行うことが考えられる。
この場合、業務を行った結果は端末内のメモリやストレージに蓄積される。
このように蓄積されたデータを、端末が管理サーバと接続している場合に、管理サーバから端末への収集指示を契機に、端末内の管理エージェントがファイルやデータを収集し、管理サーバに送信する機能を有している。
端末は、管理サーバからの収集指示があるか否か判定し(223)、指示がある場合には、管理エージェントがファイルやデータを収集し、これを管理サーバに送信する(224)。
【0029】
例えば、端末で業務を行った結果を特定のディレクトリに業務結果をデータとして記録しておき、管理サーバ側には接続したときにそのディレクトリに貯えられているデータを自動的に収集してくるような指示を与えておくことで、管理サーバ側に各端末の業務結果を収集することが出来る。
このような形で業務を行おうとした場合、従来では端末側のユーザーがあるタイミングで管理サーバにアクセスして業務結果を送信するか、帰社してから社内ネットワーク、あるいは自分のPCなどに接続して、業務結果を管理サーバに送信するかなどの方法を取っていた。
しかしこの方式を利用すれば、ユーザーが電子メールなど通信を必須とする業務アプリケーションを実行するときに、自動的に管理サーバに接続し、端末からデータを収集することが出来るようになるため、端末の使用者が意識しなくとも通常の業務を行っているときに自動的にデータの収集が行える。
【0030】
また、この収集機能を応用して、モバイル端末内のログ情報を定期的に管理サーバに収集することで、端末内のハードウェアやソフトウェアの使用状況や問題点などを管理サーバで分析し、必要であれば管理者に通知、あるいは次の接続時に対策を行うためのソフトウェアを端末に自動的に送り込んだりすることが可能となる。
これにより、端末側の異常を事前に察知し必要な対策を打つことが可能となるほか、端末を利用者から見た場合、特に意識することなく常に端末が最善の状況で利用できるようになる。
【0031】
図4は、モバイル端末と管理サーバ間での電文シーケンスを示す図である。
端末で通信ポートを監視し、通信が行われていることを検知すると、端末は管理サーバ検索(10)を行う。
( )内の数字は図5に示す電文仕様における電文種別である。
管理サーバは管理サーバアドレス返信(1010)の電文を端末に送る。
端末では、最初に受信した管理サーバアドレス返信の電文を認識し、他の管理サーバアドレス返信の電文を無視する。
端末は、ユーザ認証のリクエスト(20)の電文を管理サーバに送り、管理サーバはユーザ認証の承認(1020)の電文を端末に送る。
次に、端末は、端末の位置情報がある場合には、端末の位置通知(60)の電文を管理サーバに送り、次いで、端末で収集した構成情報の送付(30)の電文を行う。
端末は、管理サーバからの情報の配信を拒否するために、管理サーバに配信拒否(80)の電文を送ることができる。この電文を受けた管理サーバは配信拒否受領(1050)の電文を端末に送る。配信拒否受領の電文を受けると、端末は管理サーバ間の回線を切断する。
管理サーバは、配信拒否の電文を受けない場合には、端末へ情報配信(1030)の電文を送り、端末は配信状況の通知(70)の電文を送る。この電文を受けると、管理サーバは、次ぎの配信情報の送信を行うため、再び端末へ情報配信(1030)の電文を送る。端末と管理サーバの間では必要な回数だけ配信状況の通知(70)の電文と端末へ情報配信(1030)の電文のやり取りを行う。
次に、端末から配信終了・収集問い合わせ(40)の電文を管理サーバに送る。この電文を受けると、管理サーバは、端末への配信情報の送信を終了し、さらに端末に対して、端末で業務を行った結果のデータを収集する収集指示が必要かどうかのチェックをする。
管理サーバは、チェックの結果、収集指示が必要であれば、端末に対して収集指示(1040)の電文を送る。
端末は収集情報アップ(50)の電文を管理サーバに送り、端末内の収集情報を管理サーバに送る。管理サーバは、情報の収集状況の通知と次の収集情報の送信を要求する収集状況の通知(1070)の電文を端末に送る。
管理サーバと端末の間では必要な回数だけ収集状況の通知(1070)の電文と収集情報アップ(50)の電文のやり取りを行う。
収集情報の送信が終わると、端末は接続切断通知(80)(配信拒否(80)と同じ)の電文を管理サーバに送り、これに対して管理サーバが接続切断了承(1050)(配信拒否受領(1050)と同じ)の電文をおくる。
これによりモバイル端末と管理サーバ間での処理を終了する。
【0032】
図5は、図4で示したクライアントとサーバとの間でやり取りされる電文の内容を示したものである。
図5において、端末→管理サーバと書かれているテーブルは、モバイル端末から管理サーバに流れる電文の内容を示している。また図5のおいて、管理サーバ→端末と書かれているテーブルは、管理サーバからモバイル端末に流れる電文の内容を示している。
それぞれの項目の意味は以下の通りである。
「電文種別」:どの電文種別であるかを示す、ユニークなコードである。このコードは、図4の( )内の番号に対応している。
「付加情報」:電文の中に埋め込まれるデータなどの付加情報を示している。
「端末の動作内容」:この電文が管理サーバ、あるいはモバイル端末に送られることにより、それらがどのように動作するかの概要を示している。
【0033】
図6は、モバイル端末内に実装する部分をOSI通信プロトコルのプロトコルスタックレイヤに対応させて作成した例やブロック図である。
この図では、最近通信プロトコルで主流であるTCP/IPプロトコルを使用した場合を例として示している。通信用共通インターフェース(Socketインターフェース)は、OSI通信プロトコルでは、第4層と第5層との境界にあたる。
この図の中では、端末内から管理サーバにデータを送信する場合は上位層(上)から下位層(下)に向けてデータが流れ、各レイヤの中で処理をされ、「通信機器」のところで実際に回線上に流れるデータに変換されサーバに対して送信される。
管理サーバからのデータを受信する場合は管理サーバから送られてくるデータが一番下位のレイヤに流れ、下位層のレイヤから上位層のレイヤにあがるにつれて各レイヤの中で処理をされ、ユーザーが使用するAPや、管理エージェントが扱えるデータの形に変換される。
この図の中で、本発明に直接関係する部分は「通信監視エージェント」のレイヤと「管理エージェント」のレイヤである。
「通信監視エージェント」は、直下のレイヤにある「通信機器」レイヤを監視し、通信が発生したかどうか、通信の状況はどうなっているかなどを監視するエージェントである。監視した結果は、「管理エージェント」に送られる。
「管理エージェント」は、本発明の中核にあたる部分である。「管理エージェント」は、本発明の中にあるさまざまな機能を実現するエージェントの本体である。「管理エージェント」は「通信監視エージェント」からの情報に基づき、通信の開始・終了、サーバの検索、データの転送などを行う。
【0034】
以上のように、本システムを利用することで今までメンテナンスや管理が難しかったモバイル端末にたいして、自動メンテナンスや管理、またソフトウェアの配信や収集などの処理が行えるようになる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、以下に挙げるような効果が得られる。
(1)モバイル端末のハードウェアおよびソフトウェアの管理情報を、端末の利用者が管理を行うということを特に意識させないで自動的に収集することが可能になる。
これにより、今まで管理することが難しかったこれらの端末を、管理サーバから一元的に管理することが出来る。
(2)モバイル端末に対して、端末を使用するユーザーに特に意識をさせないでソフトウェアやデータ、ファイルの配信を行うことが可能となる。
これにより今まではソフトウェアの配信を行うために、わざわざユーザーが管理サーバに接続したり、あるいはわざわざ管理サーバのある場所まで移動してLANなどのネットワークに接続して行っていたものを、自動的にかつ簡易に行うことが出来る。
(3)モバイル端末に対して、端末を使用するユーザーに特に意識をさせないで配信されたデータやファイルを自動的に展開して、ソフトウェアのインストールやアップグレードを行うことが可能となる。
これにより、管理サーバに接続されていない端末に対しても、接続された端末とほぼ同じタイミングでソフトウェアの配布やソフトウェアのアップグレードを行うことが出来る。
(4)モバイル端末に対して、その端末が現在いる位置の情報に基づいて管理サーバ側が適切なソフトウェアやファイル、データを選択し端末に配信することが可能となる。
これにより、端末が今一番必要としている情報を、適切に配信することが出来る。
(5)モバイル端末に対して、端末を使用するユーザーに特に意識をさせないで自動的に管理サーバから指示された場所にある端末内のデータやファイルを管理サーバーに収拾することが可能となる。
これにより、オフラインで行った業務アプリケーションの結果や、ログ情報などを定期的に収集することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるシステムの一例の概念図である。
【図2】モバイル端末および管理サーバの処理のフローチャートを示す図である。
【図3】図2のフローチャートに続くフローチャートを示す図である。
【図4】モバイル端末と管理サーバとの間の電文シーケンスを示す図である。
【図5】モバイル端末と管理サーバの間でやり取りされる電文の内容を示す図である。
【図6】モバイル端末内の通信レイヤブロック図である。
【図7】管理サーバおよびモバイル端末の概略の構成を示す図である。

Claims (7)

  1. モバイル端末装置において、
    該モバイル端末装置使用者が業務実行のために該モバイル端末装置をネットワークを経由して他の装置に接続し該他の装置と通信を開始したことを検知するために該モバイル端末装置の通信ポートを監視する監視手段と、
    該監視手段により該モバイル端末装置が該他の装置と通信を開始したことが検知されたとき、該ネットワークを経由して管理サーバを検索し、検索した管理サーバと該モバイル端末装置を該ネットワークを経由して接続し、該管理サーバと通信を開始する管理手段を有することを特徴とするモバイル端末装置。
  2. 請求項1記載のモバイル端末装置において、
    前記管理手段は、管理サーバと通信を開始後、モバイル端末装置内に格納されているソフトウェア情報あるいはデータを該管理サーバに転送することを特徴とするモバイル端末装置。
  3. 請求項1記載のモバイル端末装置において、
    前記管理手段は、管理サーバと通信を開始後、ネットワークを経由して該モバイル端末装置のハードウェア構成情報を該管理サーバーに転送することを特徴とするモバイル端末装置。
  4. 請求項1記載のモバイル端末装置において、
    前記管理手段は、管理サーバと通信を開始後、ネットワークを経由して該モバイル端末装置のソフトウェア構成情報を該管理サーバーに転送することを特徴とするモバイル端末装置。
  5. 請求項1記載のモバイル端末装置において、
    前記管理手段は、管理サーバと通信を開始後、該モバイル端末装置内の特定のファイルやデータ、あるいは特定のディレクトリの中にあるファイルやデータを収集し、該収集したファイルやデータを前記管理サーバに転送することを特徴とするモバイル端末装置。
  6. 請求項1記載のモバイル端末装置において、
    該モバイル端末装置は、管理サーバと通信を開始後、前記管理サーバから転送されるソフトウェア情報やデータを受信することを特徴とするモバイル端末装置。
  7. 請求項1記載のモバイル端末装置において、
    該モバイル端末装置は、管理サーバと通信を開始したときの自端末の位置情報を取得する手段を有し、前記管理手段により該取得したを該管理サーバに転送し、前記管理サーバから転送される該位置情報に基づき該管理サーバが選択した該位置に対して最適なソフトウェア情報やデータを受信することを特徴とするモバイル端末装置。
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