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JP3612096B2 - Planetary gear type transmission - Google Patents

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JP3612096B2
JP3612096B2 JP28140294A JP28140294A JP3612096B2 JP 3612096 B2 JP3612096 B2 JP 3612096B2 JP 28140294 A JP28140294 A JP 28140294A JP 28140294 A JP28140294 A JP 28140294A JP 3612096 B2 JP3612096 B2 JP 3612096B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車や鉄道車両等の多段自動変速機に用いられる遊星歯車式変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊星歯車式変速装置にトルクコンバーターを組み合わせた自動変速機が実用化されている。遊星歯車式変速装置は、複数の遊星歯車装置に複数のクラッチやブレーキを組み合わせて構成されており、複数のクラッチやブレーキの断続の組み合わせを変更して、変速比(=入力回転数/出力回転数)を複数通りに切り替えることができる。遊星歯車装置は、外側のリングギヤと中心のサンギヤとの間に1〜2段のピニオンギヤを配置し、複数のピニオンギヤがピニオンキャリヤに拘束されて一体に遊星運動する。ピニオンキャリヤが1段のものをシングルピニオンキャリア型、2段のものをダブルピニオン型と呼ぶ。遊星歯車装置の回転要素(リングギヤ、ピニオンキャリヤ、サンギヤ)、および、複数の締結要素(クラッチやブレーキ)の間は、トルク伝達を担う殻構造や一方向クラッチによって適当な組み合わせで相互に連結される。
【0003】
従来の自動車用の自動変速機における遊星歯車式変速装置は、前進3段、後退1段の4段階や前進4段、後退1段の5段階に変速比を切り替え可能で、最低の変速比を1としたものが主流であったが、変速比が1以下のいわゆるオーバードライブ段を追加して、前進4段、後退1段の5段階や前進5段、後退1段の6段階に変速比を切り替え可能なものも実用化されている。オーバードライブ段ではエンジン回転数が抑制されて、高速走行における燃費が向上する。ここで、前進5段型の遊星歯車式変速装置は、通常、前進4段型の自動変速機に対してその上位車種用や高級仕様向けとして採用されるが、両者の間では、最大限の部品共通化が望まれている。
【0004】
前進4段型と前進5段型の遊星歯車式変速装置の間における部品共通化を目的とする発明が特開昭59−113346号公報に示される。ここでは、2組の遊星歯車装置を含む前進4段型の遊星歯車式変速装置の出力軸側に副変速装置を連結して前進5段型の遊星歯車式変速装置とする。従って、前進4段型の遊星歯車式変速装置の構成部品の大部分を、前進5段型でもそのまま使用することが可能である。副変速装置は、1組の遊星歯車装置と1個のクラッチと1個のブレーキを内蔵している。
【0005】
一方、特開昭47−19268号公報や特開昭50−64660号公報に示される前進5段型の遊星歯車式変速装置は、3組の遊星歯車装置を内蔵しており、筐体内部の1または2のクラッチやブレーキを取り外すことによって、前進4段型の遊星歯車式変速装置とすることが可能である。ここでは、前進4段型と前進5段型で遊星歯車式変速装置の外観が全く同じとなり、自動車側の自動変速機取り付け構造も共通化できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特開昭59−113346号公報に示される遊星歯車式変速装置は、副変速装置を使用しない専用の前進5段型遊星歯車式変速装置に比較して締結要素(クラッチやブレーキ)の数が多くなる。従って、運転中、非締結状態で空転する締結要素の数が増して自動変速機内の摩擦損失が大きくなり、自動変速機内に不必要な熱を発生させるとともに、自動車の燃費を悪化させもする。特に、変速比の小さい4速や5速の高速ギヤ段は、常用されるにもかかわらず、専用の前進5段型遊星歯車式変速装置に比較して摩擦損失が相当に大きくなり、高速道路等の高速走行における燃費の悪化が顕著である。また、専用の前進5段型遊星歯車式変速装置に比較して、締結要素駆動用の油圧シリンダーの配置、油圧回路、軸構造、トルク伝達のための殻構造や一方向クラッチ等の配置がそれぞれ複雑化することとなり、これらの部品点数の増加と相乗して自動変速機が大型化し、重量も増大する。これらの部品点数の増加は、自動変速機の部品コストと組み立て工数を増して、最終的な自動変速機の信頼性を低下させることにもなる。
【0007】
上述の特開昭50−64660号公報に示される前進5段型の遊星歯車式変速装置は、ブレーキ1個を取り除いて容易に前進4段型の遊星歯車式変速装置とすることができる。しかし、遊星歯車装置の組数が削減されないため、専用の前進4段型遊星歯車式変速装置に比較して、部品コストが高く、遊星歯車装置の摩擦損失が大きく、小型化軽量化が困難である。
【0008】
上述の特開昭47−19268号公報に示される前進5段型の遊星歯車式変速装置は、ブレーキ1個と遊星歯車装置1組を取り除いて前進4段型の遊星歯車式変速装置とすることができる。しかし、変速比が1を越える変速段、いわゆるアンダードライブ変速段における変速が2つのクラッチの掛け変えによる変速を含むため、変速時のショックが大きい。そして、ショックを緩和するには、切り替え動作を遅くして変速に要する時間の延長を黙認する必要がある。
【0009】
本発明は、前進4段型と前進5段型の間で最大限の部品共通化を達成しつつも両者を最小限の部品点数で構成でき、両者でそれぞれ最適な変速比の分布を確保できる遊星歯車式変速装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の遊星歯車式変速装置は、入力部材および出力部材の回転軸線上に配置されたダブルピニオン型の第1遊星歯車装置とシングルピニオン型の第2遊星歯車装置とを有する遊星歯車式変速装置であって、第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤを前記入力部材に対して締結可能な第1クラッチと、第1遊星歯車装置のピニオンキャリヤを前記入力部材に対して締結可能な第2クラッチと、第1遊星歯車装置のサンギヤを前記入力部材に対して締結可能な第3クラッチと、第1遊星歯車装置のピニオンキャリヤの回転を停止可能な第1ブレーキと、第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤの回転を停止可能な第2ブレーキと、第1遊星歯車装置のリングギヤと第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤの間を回転連絡する第1連絡手段と、第1遊星歯車装置のピニオンキャリヤと第2遊星歯車装置のサンギヤの間を回転連絡する第2連絡手段と、第2遊星歯車装置のリングギヤと前記出力部材の間を回転連絡する第3連絡手段とを有し、第3クラッチと第2ブレーキを締結することで前進第1速、第3クラッチと第1ブレーキを締結することで前進第2速、第1クラッチと第3クラッチを締結することで前進第3速、第1クラッチと第1ブレーキを締結することで前進第4速、そして第2クラッチと第2ブレーキを締結することで後退の各変速段を得るものである。
【0011】
請求項2の遊星歯車式変速装置は、請求項1の前進4段型の構成に追加して、前記回転軸線上に配置されたシングルピニオン型の第3遊星歯車装置と、第3遊星歯車装置のリングギヤの回転を停止可能な第3ブレーキと、第3遊星歯車装置のピニオンキャリヤと第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤの間を回転連絡する第4連絡手段と、第3遊星歯車装置のサンギヤと第2遊星歯車装置のリングギヤの間を回転連絡する第5連絡手段とを設けることによって前進5段型としたものである。
【0012】
請求項3の遊星歯車式変速装置は、請求項1の構成において、第1遊星歯車装置、第2遊星歯車装置、第1クラッチ、第2クラッチ、第3クラッチ、第1ブレーキ、および第2ブレーキを格納した主筐体構造に接続可能な副筐体構造を有しており、前記副筐体構造に第3遊星歯車装置および第3ブレーキを配置したものである。
【0013】
【作用】
請求項1の遊星歯車式変速装置は、ダブルピニオン型とシングルピニオン型の2組の遊星歯車装置と3個のクラッチと2個のブレーキとを含む前進4段型のものであるが、シングルピニオン型の第3遊星歯車装置と第3ブレーキを追加すれば容易に前進5段型へと変更できる。請求項1の構成に対する第3遊星歯車装置と第3ブレーキの配置と接続に関する例が請求項2に示される。
それぞれの連絡手段は、双方向の回転トルクを伝達する相互に固定された構造としてもよく、一方向の回転トルクを伝達して逆方向の回転駆動を空転させる一方向クラッチや、一方向クラッチとクラッチを並列に組み合わせた構造としてもよい。
【0014】
請求項1の遊星歯車式変速装置における1速では、第1遊星歯車装置が反転減速した回転出力を、第2遊星歯車装置がさらに反転減速する。第2ブレーキを締結すると、リングギヤをロックされた第1遊星歯車装置とピニオンキャリヤをロックされた第2遊星歯車装置の両方が反転減速器となる。第3クラッチを通じて第1遊星歯車装置のサンギヤに入力部材の回転が入力される。
ダブルピニオン型の遊星歯車装置では、リングギアに対するピニオンキャリヤの回転方向がシングルピニオン型とは逆であるから、第1遊星歯車装置のピニオンキャリヤからは、サンギヤ(入力部材)の回転を反転して減速した回転が取り出される。ピニオンキャリヤをロックされた第2遊星歯車装置のサンギヤに、この反転減速された回転が入力されると、リングギヤからは、2重に減速された順方向の回転が取り出される。
【0015】
2速では、第1遊星歯車装置が形成した順方向の減速回転を第2遊星歯車装置で少々増速して差し引きの減速を行う。第1ブレーキを締結して第1遊星歯車装置のピニオンキャリヤと第2遊星歯車装置のサンギヤをロックさせ、第1遊星歯車装置のサンギヤに入力部材の回転を接続する。
ダブルピニオン型の遊星歯車装置では、ピニオンキャリヤに対するリングギアの相対的な回転方向がシングルピニオン型の場合と逆であるから、第1遊星歯車装置が反転を伴わない通常の減速器となり、また、第2遊星歯車装置が反転を伴わない通常の増速器となる。
従って、第1遊星歯車装置のリングギヤからは、サンギヤ(入力部材)の回転を大幅に減速した順方向の回転が取り出される。そして、第2遊星歯車装置のリングギヤからは、ピニオンキャリヤに入力された「第1遊星歯車装置のリングギヤの回転」を少々増速した順方向の回転が取り出される。
【0016】
3速では、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置の両方が噛み合わせ状態をロックされたまま一体に回転して、入力部材の回転を1対1に出力部材まで伝達する。第1クラッチが締結されると入力部材の回転が第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤを経由して第1遊星歯車装置のリングギヤに入力される。また、第3クラッチが締結されると入力部材の回転が第1遊星歯車装置のサンギヤに入力される。従って、第1クラッチと第3クラッチの両方が締結されると、第1遊星歯車装置のリングギヤとサンギヤの相対回転が無くなり、第1遊星歯車装置の全体が1つの噛み合わせ状態を維持したまま入力部材と一体に回転する。
【0017】
4速では、第2遊星歯車装置が単純な増速を行う。ブレーキB1によってサンギヤをロックされた第2遊星歯車装置に対して、入力軸の回転が第1クラッチからピニオンキャリヤに入力される。第2遊星歯車装置のリングギヤからは、ピニオンキャリヤの入力を増速した回転が取り出される。この回転が出力部材まで伝達されて出力される。
【0018】
後退では、第2ブレーキによってピニオンキャリヤをロックされた第2遊星歯車装置が逆回転の減速を行う。ピニオンキャリヤをロックされたシングルピニオン型の第2遊星歯車装置をサンギヤ入力とすると、リングギヤからは反転された減速回転が取り出される。反転された減速回転が出力部材まで伝達されて出力される。
【0019】
請求項2の遊星歯車式変速装置では、請求項1の構成による1速と2速の変速段の間に「両者の中間の変速比を持つ変速段」が追加される。この追加された変速段においては、請求項1の構成による1速の減速動作に対して第3遊星歯車装置が補助的に機能する。すなわち、第3ブレーキによってリングギヤをロックされた第3遊星歯車装置は、サンギヤ(出力軸)の回転を減速した順方向の回転をピニオンキャリヤに出力する。このピニオンキャリヤの回転が第1遊星歯車装置のリングギヤと第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤに戻し入力される。ピニオンキャリヤが順方向に回転する第2遊星歯車装置のリングギヤからは、ピニオンキャリヤが停止した「請求項1の構成による1速」よりも増速された回転が出力される。
【0020】
請求項3の遊星歯車式変速装置では、請求項1の前進4段型の遊星歯車式変速装置を格納した主筐体構造に対して、請求項2の第3遊星歯車装置と第3ブレーキを格納した副筐体構造を接続することにより、前進5段型の遊星歯車式変速装置を構成する。
【0021】
【実施例】
図1〜図5を参照して実施例の遊星歯車式変速装置を説明する。実施例の遊星歯車式変速装置は、図示しないトルクコンバーターやオイルポンプに組み合わせて自動車用の自動変速機(オートマチックトランスミッション)に組み立てられる。
図1〜図5では、遊星歯車式変速装置の構成が、構成部品の配置と接続状態を表して中心線から下側を図示略したスケルトンで示される。図1は実施例の遊星歯車式変速装置の構成の説明図、図2は前進4段型の遊星歯車式変速装置の説明図、図3、図4は各変速段における遊星歯車装置の作動図、図5は筐体構造の説明図である。図1中、(a)はスケルトン、(b)は各変速段におけるクラッチおよびブレーキの締結状態と変速比を示す。図2中、(a)はスケルトン、(b)は各変速段におけるクラッチおよびブレーキの締結状態を示す。図3中、(a)は1速、(b)は2速、(c)は3速の作動状態をそれぞれ示す。図4中、(a)は4速、(b)は5速、(c)は後退の作動状態をそれぞれ示す。
【0022】
図1の(a)において、入力軸E1と同一の回転軸線上に左から3組のクラッチK1、K2、K3、3組のブレーキB1、B2、B3、3組の遊星歯車装置G11、G12、G13、および出力軸E2が配置される。上方にハッチングで示した筐体D1は、これらの機構を格納するとともに、入力軸E1および出力軸E2を回転可能に支持する。
ダブルピニオン型の遊星歯車装置G11は、外周のリングギヤR11と中心のサンギヤS11の間に2段のピニオンギヤP11、Q11を複数組配置して噛み合わせ、複数組のピニオンギヤP11、Q11をピニオンキャリヤC11で一体に拘束する。
シングルピニオン型の遊星歯車装置G12は、外周のリングギヤR12と中心のサンギヤS12の間に複数のピニオンギヤP12を配置して噛み合わせ、複数のピニオンギヤP12をピニオンキャリヤC12で一体に拘束する。
シングルピニオン型の遊星歯車装置G13は、外周のリングギヤR13と中心のサンギヤS13の間に複数のピニオンギヤP13を配置して噛み合わせ、複数のピニオンギヤP13をピニオンキャリヤC13で一体に拘束する。
【0023】
クラッチK1は、入力軸E1を遊星歯車装置G12のピニオンキャリヤC12に対して締結可能である。クラッチK2は、入力軸E1を遊星歯車装置G11のピニオンキャリヤC11および遊星歯車装置G12のサンギヤS12に対して締結可能である。クラッチK3は、入力軸E1を遊星歯車装置G11のサンギヤS11に対して締結可能である。
ブレーキB1は、筐体D1に対して遊星歯車装置G11のピニオンキャリヤC11および遊星歯車装置G12のサンギヤS12をロックして、ピニオンキャリヤC11およびサンギヤS12の回転を停止可能である。ブレーキB2は、筐体D1に対して遊星歯車装置G11のリングギヤR11および遊星歯車装置G12のピニオンキャリヤC12をロックして、リングギヤR11およびピニオンキャリヤC12の回転を停止可能である。ブレーキB3は、筐体D1に対して遊星歯車装置G13のリングギヤR13をロックして、リングギヤR13の回転を停止可能である。
【0024】
遊星歯車装置G11のリングギヤR11と遊星歯車装置G12のピニオンキャリヤC12の間に連絡部材N11が配置される。遊星歯車装置G11のピニオンキャリヤC11と遊星歯車装置G12のサンギヤS12の間に連絡部材N12が配置される。遊星歯車装置G13のサンギヤS13と出力軸E2の間に連絡部材N13が配置される。遊星歯車装置G12のピニオンキャリヤC12と遊星歯車装置G13のピニオンキャリヤC13の間に連絡部材N14が配置される。遊星歯車装置G12のリングギヤR12と遊星歯車装置G13のサンギヤS13の間に連絡部材N15が配置される。連絡部材N11、N12、N13、N14、N15は、トルク伝達用の殻構造や軸方向の噛み合わせ構造や多重の軸構造によって構成され、相対回転を固定して正逆両方向に回転トルクを伝達する。
【0025】
図1の(b)において一覧表として示すように、1速ではクラッチK3とブレーキB2の組み合わせが締結される。2速ではクラッチK3とブレーキB3の組み合わせが締結される。3速ではクラッチK3とブレーキB1の組み合わせが締結される。4速ではクラッチK1、K3の組み合わせが締結される。5速ではクラッチK1とブレーキB1の組み合わせが締結される。後退ではクラッチK2とブレーキB2の組み合わせが締結される。これらの変速段における変速比は、遊星歯車装置G11、G12、G13の歯数比α1 、α2 、α3 を用いて右側の数式のように求められる。この数式を用いて歯数比α1 、α2 、α3 をそれぞれ0.475、0.325、0.65と定めた場合の具体的な変速比の数値が右端の欄に示される。
【0026】
図1の(a)に示す前進5段、後退1段の遊星歯車式変速装置は、遊星歯車装置G13とブレーキB3を除去して、破線で囲んだ部分A1を残すことで前進4段、後退1段の遊星歯車式変速装置とすることができる。前進4段、後退1段の遊星歯車式変速装置を図2に示す。図2の(b)では、遊星歯車装置G13の関与する図1の(b)の2速が失われて、図1の(b)の破線で囲んだ部分が新しい各変速段におけるクラッチとブレーキの作動組み合わせとなる。図1の(b)の1速、3速、4速、5速がそのまま図2の(b)の1速、2速、3速、4速となり、変速比の数式や数値(歯数比α1 、α2 が共通として)も同じである。
【0027】
次に、図3、図4を参照して、前進5段、後退1段の変速各段における遊星歯車装置の作動状態を説明する。ここでは、クラッチおよびブレーキについては実線が締結状態、破線が解放状態である。遊星歯車装置および各要素の連絡部分については、変速動作に関与して出力に結び付く状態を実線、無関係な状態を破線で示している。
【0028】
図3の(a)の1速では、遊星歯車装置G11および遊星歯車装置G12が直列に動作して2段階の減速を行う。ブレーキB2が遊星歯車装置G11のリングギヤR11と遊星歯車装置G12のピニオンキャリヤC12をロックする一方、クラッチK3を通じて入力軸の回転が遊星歯車装置G11のサンギヤS11に入力される。
リングギヤR11が停止したダブルピニオン型の遊星歯車装置G11は反転減速器として機能し、サンギヤS11の回転を減速した逆方向の回転をピニオンキャリヤC11に出力する。
ピニオンキャリヤC12が停止したシングルピニオン型の遊星歯車装置G12もまた反転減速器として機能し、遊星歯車装置G11のピニオンキャリヤC11からサンギヤS12に入力された逆方向の回転を反転して順方向の回転にするとともに、さらに1段階減速してリングギヤR12に出力する。リングギヤR12の出力は、遊星歯車装置G13のサンギヤS13を経由して、出力軸まで伝達される。
【0029】
図3の(b)の2速では、1速と同様に機能する遊星歯車装置G11、G12に対して遊星歯車装置G13を補助的に機能させる。上述のリングギヤR11およびピニオンキャリヤC12は、ブレーキB2でロックされる代わりに、遊星歯車装置G13で形成された戻し出力を入力される。
ブレーキB3がリングギヤR13を停止させた遊星歯車装置G13は、出力軸(遊星歯車装置G12のリングギヤR12)の回転を減速して順方向の戻し出力を形成する。順方向の戻し出力は、遊星歯車装置G11のピニオンキャリヤC11の逆方向の回転を減速するが、それ以上に遊星歯車装置G12のリングギヤR12の順方向の回転を増速する。遊星歯車装置G12のリングギヤR12からは1速よりも高い回転速度が出力される。
【0030】
図3の(c)の3速では、遊星歯車装置G11によって減速された回転を遊星歯車装置12によって増速し、両者の差し引きで減速が行われる。ブレーキB1が遊星歯車装置G11のピニオンキャリヤC11と遊星歯車装置G12のサンギヤS12をロックする一方で、クラッチK3を通じて入力軸の回転が遊星歯車装置G11のサンギヤS11に入力される。
ピニオンキャリヤC11が停止したダブルピニオン型の遊星歯車装置G11は減速器として機能し、サンギヤS11の回転を減速した順方向の回転をリングギヤR11から出力する。この順方向の回転が遊星歯車装置G12のピニオンキャリヤC12に入力される。
サンギヤS12が停止したシングルピニオン型の遊星歯車装置G11は増速器として機能し、ピニオンキャリヤC12の回転を増速した順方向の回転をリングギヤR12から出力する。
【0031】
図4の(a)の4速では、クラッチK1、K3を同時に締結して遊星歯車装置G12をロックすることにより、入力軸の回転をそのまま出力軸に伝達する。クラッチK1から遊星歯車装置G12のピニオンキャリヤC12を経由して、入力軸の回転が遊星歯車装置G11のリングギヤR11に入力される。同時に、クラッチK3を通じて、遊星歯車装置G11のサンギヤS11にも入力軸の回転が入力される。これにより、遊星歯車装置G11はサンギヤS11とリングギヤR11の相対的な回転を失い、遊星歯車装置G11の全体(リングギヤR11、ピニオンキャリヤC11、サンギヤS11)が、1つの噛み合わせ状態にロックされたまま入力軸と一体に回転する。従って、入力軸の回転が出力軸にそのまま伝達される。
このとき、遊星歯車装置G12ではサンギヤS12とピニオンキャリヤC12の相対的な回転が無くなり、また、遊星歯車装置G13ではサンギヤS13とピニオンキャリヤC13の相対的な回転が無くなるから、遊星歯車装置G12、G13の全体(リングギヤR12、R13、ピニオンキャリヤC12、C13、サンギヤS12、S13)も、1つの噛み合わせ状態にロックされたまま入力軸と一体に回転している。
【0032】
図4の(b)の5速では、ブレーキB1によってサンギヤS12をロックされた遊星歯車装置G12が単純な増速を行う。遊星歯車装置G12は、クラッチK1からピニオンキャリヤC12に入力された入力軸の回転を増速してリングギヤR12に出力する。リングギヤR12の回転は、遊星歯車装置G13のサンギヤS13を経由して出力軸まで伝達される。
【0033】
図4の(c)の後退では、ブレーキB2によってピニオンキャリヤC12をロックされた遊星歯車装置G12が反転された減速出力を形成する。ピニオンキャリヤC12を停止させた遊星歯車装置G12は、クラッチK2を通じてサンギヤS12に入力された入力軸の回転を反転して逆方向の回転とするとともに、減速してリングギヤR12に出力する。
【0034】
以上のように構成された実施例の遊星歯車式変速装置によれば、遊星歯車装置G13とブレーキB3の有無によって、遊星歯車式変速装置の前進4段型と前進5段型を容易に変更できる。
また、前進5段型とした場合でも、クラッチとブレーキの数はそれぞれ3つで済み、従来の前進5段型専用の遊星歯車式変速装置に比較して部品点数の増加とならない。
また、前進4段型とした場合でも「遊星歯車装置G11を一体に回転させる変速比1の変速段」と「遊星歯車装置G12によって増速するオーバードライブ変速段」がそのまま残るため、高速走行における燃費の悪化を避け得る。
さらに、走行中に常用される変速比1の変速段では、遊星歯車装置G11、G12、G13の噛み合い状態がロックされるため、歯面の摩擦や発熱が抑制される。また、締結要素の総数が少ないため非締結の締結要素の空転による発熱も少ない。従って、燃費が向上する。
【0035】
さらに、図1の(b)の一覧表に明らかなように、1速〜5速の隣接する変速段では、1つの締結要素を共通にしたまま他の1つの締結要素を切り替えて変速動作が実行される。従って、変速動作が円滑となり、2つの締結要素を順番に切り替える場合よりも短い時間で変速動作を完了できる。そして、2つの締結要素を同時に切り替える変速動作が無いから、変速動作に伴って自動変速機の機構や車体にショックを与える心配も無い。従って、変速動作が円滑で速く、運転者に変速動作の有無を気付かせない自動変速機を提供できる。
【0036】
本実施例では、遊星歯車装置G11が発明の第1遊星歯車装置、遊星歯車装置G12が発明の第2遊星歯車装置、遊星歯車装置G13が発明の第3遊星歯車装置に相当し、連絡部材N11が発明の第1連絡手段、連絡部材N12が発明の第2連絡手段、連絡部材N13、N15(遊星歯車装置G13のサンギヤS13を経由する動力伝達経路)が発明の第3連絡手段に相当する。また、連絡部材N14が発明の第4連絡手段に相当し、連絡部材N15が発明の第5連絡手段に相当する。
【0037】
なお、これらの連絡部材やその他の正逆両方向で回転トルクを伝達する部材の少なくとも1つ、例えば、連絡部材N15を「一方向クラッチとクラッチを並列に配置した連絡手段」に置き換えてもよい。一方向クラッチによって片方向のトルク伝達として1速、2速等における不必要なエンジンブレーキを遮断可能とする一方、下り坂等でエンジンブレーキが必要な場合にはクラッチを締結して両方向のトルク伝達とする。
また、3組の遊星歯車装置G11、G12、G13の歯数比を変更して変速各段の変速比の分布を調整してもよい。
また、3つのブレーキと3つのクラッチには、特開平2−159443号の第38図〜第48図に示されるように、多板クラッチ、バンドブレーキ、および、これらに一方向クラッチを組み合わせた構造を用途や目的に応じて任意に選択できる。
【0038】
図5は、実施例の遊星歯車式変速装置における筐体の組み立て構造の例を示している。ここでは、前進4段型の遊星歯車式変速装置を格納した主筐体D11の出力軸E2側に副筐体D12を接続して、前進5段型の遊星歯車式変速装置を構成する。主筐体D11は、遊星歯車装置G11、G12、クラッチK1、K2、K3、ブレーキB1、B2を内部に保持して、図2の(a)の前進4段型の機構に相当する「破線で囲んだ部分A11」を構成する。一方、副筐体D12は、遊星歯車装置G13とブレーキB3を含む破線で囲んだ部分A12の機構を内部に保持する。
【0039】
遊星歯車装置G12のピニオンキャリヤC12と遊星歯車装置G13のピニオンキャリヤC13の間を接続する連絡部材N14は、ピニオンキャリヤC12、C13にそれぞれ一端を固定した一対の部品を中間の噛み合わせ構造で連結して構成される。また、遊星歯車装置G13のサンギヤS13と遊星歯車装置G12のリングギヤR12の間を接続する連絡部材N15は、サンギヤS13に固定した部品とリングギヤR12に固定した部品を中間の噛み合わせ構造で連結して構成される。これらの噛み合わせ構造は、主筐体D11と副筐体D12の連結位置に配置されており、両者を軸方向に接近させて噛み合い、軸方向に遠ざけて解放される。そして、主筐体D11に副筐体D12を接続すると同時にそれぞれの連絡部材の噛み合い連結が完遂する。
【0040】
一方、副筐体D12を除去して前進4段型とする場合、出力軸E2を回転可能に保持する図示しない後部筐体が主筐体D11に対して副筐体D12の代わりに連結される。出力軸E2に一端を固定した連結部材(N13に相当する)は、遊星歯車装置G12のリングギヤR12に固定した連結部材N15の部品と噛み合う構造を持ち、後部筐体を主筐体D11に連結すると、相互に噛み合って遊星歯車装置G12のリングギヤR12と出力軸E2の連絡を完遂する。
【0041】
図5に示した筐体構造によれば、遊星歯車装置G11、G12、クラッチK1〜K3、ブレーキB1、B2はもちろん、筐体や要素間の連絡構造等についても前進4段型と前進5段型の遊星歯車式変速装置の間で最大限の部品共通化が実現され、必要となる部品点数の削減と部品コストの低減が可能となる。また、個別の部品を追加するのではなく、必要な部品をすべて組み込んで工場組み立てされたユニットを連結するから、付け替えや修理交換等の作業が簡略化され、部品の間違いや種々の作業ミスを起こす可能性も低い。
【0042】
ところで、実施例の構成は図1の(a)の部品配置に限定されず、3組の遊星歯車装置と3つのブレーキと3つのクラッチに関する配置順序や相対的位置関係は、連絡部材等による相互の連絡状態を維持したまま、筐体構造や連絡部材等の都合に合わせて自由に変更できる。このとき、遊星歯車装置のサンギヤ、ピニオンキャリヤ、リングギヤは、それぞれ左右の都合の良い側を選択して連絡部材を接続すればよい。
例えば、クラッチK1、K2、K3に加えてブレーキB1、B2も入力軸側にまとめて配置する構成とすれば、これらの締結要素の筐体側支持構造、摩擦板を拘束するスプラインを形成した部材、駆動用の油圧シリンダー、油圧回路等、いくつかの部品を共通に一体化して全体の部品点数を削減できる。
【0043】
そして、このような実施例の変形例の構成を納める筐体構造は、図5の構造に限定されず、遊星歯車装置G11、G12、G13の配置の順序や連結構造の都合を優先して種々に変更可能である。
例えば、図5のように主筐体D11と副筐体D12に分割する代わりに、前進4段型と前進5段型とで共通の一体型筐体とし、遊星歯車装置G13とブレーキB3を内部に組み込まないで前進4段型を得る構成としてもよい。
また、例えば、図1の(a)の遊星歯車装置G12、G13の配置を置き換えるとともに、筐体D1を入力軸側と出力軸側の2つの部分に分割できる構造とし、遊星歯車装置G13およびブレーキB3を格納した別の副筐体をその間に挟み込んで連結する構成としてもよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明の遊星歯車式変速装置によれば、前進4段、後退1段の遊星歯車式変速装置に1組の遊星歯車装置と1個のブレーキを追加するだけで、前進5段、後退1段の遊星歯車式変速装置が得られる。従って、前進4段型と前進5段型の遊星歯車式変速装置間で最大限の部品共通化が可能となり、製作コストの低減や信頼性の向上が容易となる。そして、前進4段型とした場合でも、必要なクラッチ数が3、ブレーキ数が2にとどまり、従来の専用の前進4段型に比較してこれらの必要数を増さないで済む。また、前進4段型とした場合には、不要な遊星歯車装置とブレーキが除去されるから、無駄な部品を内部に抱え込んだり、無駄な部品が空転して損失を高めたりする心配が無い。従って、遊星歯車式変速装置の小型化、軽量化、高い伝達効率と低燃費の確保が容易となり、製作コストもさらに低減される。
【0045】
筐体構造を分割して前進4段型と前進5段型の区別に応じて連結する構成とした場合、前進4段型と前進5段型の間で筐体部品の共通化が可能となるにもかかわらず、前進4段型を必要最小限の内容積を持つ軽量小型の遊星歯車式変速装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の遊星歯車式変速装置の構成の説明図である。
【図2】前進4段型の遊星歯車式変速装置の構成の説明図である。
【図3】各変速段における遊星歯車装置の作動図である。
【図4】各変速段における遊星歯車装置の作動図である。
【図5】筐体構造の説明図である。
【符号の説明】
B1、B2、B3 ブレーキ
K1、K2、K3 クラッチ
E1 入力軸
E2 出力軸
D1 筐体
D11 主筐体
D12 副筐体
C11、C12、C13 ピニオンキャリヤ
G11、G12、G13 遊星歯車装置
N11、N12、N13、N14、N15 連絡部材
P11、P12、P13 ピニオンギヤ
R11、R12、R13 リングギヤ
[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a planetary gear transmission used in a multistage automatic transmission such as an automobile or a railway vehicle.
[0002]
[Prior art]
An automatic transmission in which a planetary gear transmission is combined with a torque converter has been put into practical use. A planetary gear type transmission device is configured by combining a plurality of planetary gear devices with a plurality of clutches and brakes, and changing the combination of a plurality of clutches and brakes to change the gear ratio (= input rotation speed / output rotation). Number) can be switched in multiple ways. In the planetary gear device, one or two stages of pinion gears are arranged between an outer ring gear and a central sun gear, and the plurality of pinion gears are constrained by a pinion carrier and integrally planetarily move. A one-stage pinion carrier is called a single pinion carrier type, and a two-stage pinion carrier is called a double pinion type. The rotating elements (ring gear, pinion carrier, sun gear) of the planetary gear unit and the plurality of fastening elements (clutch and brake) are connected to each other in an appropriate combination by a shell structure and a one-way clutch for transmitting torque. .
[0003]
Conventional planetary gear type transmissions for automatic transmissions for automobiles can switch the gear ratio to 4 steps of 3 forward speeds and 1 step of reverse gear, 5 steps of 4 forward speeds and 1 step of reverse gear, and the lowest gear ratio. What was set to 1 was the mainstream, but by adding a so-called overdrive stage with a gear ratio of 1 or less, the gear ratio was changed to 4 steps forward, 1 step reverse, 5 steps forward, 5 steps forward, and 1 step reverse. Those that can be switched are also put into practical use. In the overdrive stage, the engine speed is suppressed, and the fuel efficiency at high speeds is improved. Here, the forward five-stage planetary gear type transmission is usually used for the upper vehicle type and the high-grade specification with respect to the forward four-stage automatic transmission. Common parts are desired.
[0004]
Japanese Patent Laid-Open No. 59-113346 discloses an invention aiming at common parts between a forward four-stage type and a forward five-stage type planetary gear transmission. Here, the auxiliary transmission is connected to the output shaft side of a forward four-stage planetary gear transmission including two sets of planetary gear devices to form a forward five-stage planetary gear transmission. Accordingly, most of the components of the forward four-stage planetary gear transmission can be used as they are even in the forward five-stage type. The auxiliary transmission includes a set of planetary gear units, one clutch, and one brake.
[0005]
On the other hand, the forward five-stage planetary gear transmission shown in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 47-19268 and 50-64660 incorporates three sets of planetary gear devices, By removing one or two clutches and brakes, it is possible to obtain a forward four-stage planetary gear transmission. Here, the outward appearance of the planetary gear transmission is the same between the forward four-stage type and the forward five-stage type, and the automatic transmission mounting structure on the automobile side can be shared.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The planetary gear transmission shown in the above-mentioned Japanese Patent Application Laid-Open No. 59-113346 has a larger number of fastening elements (clutches and brakes) than a dedicated forward five-stage planetary gear transmission that does not use an auxiliary transmission. Will increase. Therefore, during operation, the number of fastening elements that idle in the non-engaged state increases and friction loss in the automatic transmission increases, generating unnecessary heat in the automatic transmission and deteriorating the fuel consumption of the automobile. In particular, although the 4th and 5th high speed gears with a small gear ratio are used regularly, the friction loss is considerably larger than that of a dedicated forward 5-speed planetary gear transmission, and the highway. The deterioration of fuel consumption in high-speed driving such as is remarkable. Compared to a dedicated forward five-stage planetary gear transmission, the arrangement of the hydraulic cylinder for driving the fastening element, the hydraulic circuit, the shaft structure, the shell structure for torque transmission, the one-way clutch, etc. In addition to the increase in the number of parts, the automatic transmission increases in size and weight. The increase in the number of parts increases the parts cost and assembly man-hours of the automatic transmission, and lowers the reliability of the final automatic transmission.
[0007]
The forward five-stage planetary gear transmission shown in the above-mentioned Japanese Patent Application Laid-Open No. 50-64660 can be easily made into a forward four-stage planetary gear transmission by removing one brake. However, since the number of sets of planetary gear units is not reduced, the cost of parts is high compared to a dedicated forward four-stage planetary gear type transmission, the friction loss of planetary gear units is large, and it is difficult to reduce the size and weight. is there.
[0008]
The forward five-stage planetary gear transmission shown in the above-mentioned Japanese Patent Application Laid-Open No. 47-19268 is a forward four-stage planetary gear transmission by removing one brake and one planetary gear set. Can do. However, since the shift at the shift stage where the gear ratio exceeds 1, that is, the so-called underdrive shift stage, includes a shift by changing over two clutches, the shock at the time of shift is great. In order to alleviate the shock, it is necessary to acquiesce the extension of the time required for shifting by slowing down the switching operation.
[0009]
The present invention can be configured with the minimum number of parts while achieving the maximum sharing of parts between the forward four-stage type and the forward five-stage type, and both can ensure the optimum transmission ratio distribution. An object of the present invention is to provide a planetary gear transmission.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The planetary gear type transmission according to claim 1 is a planetary gear type transmission having a double pinion type first planetary gear device and a single pinion type second planetary gear device arranged on the rotation axis of the input member and the output member. A first clutch capable of fastening a pinion carrier of a second planetary gear device to the input member; and a second clutch capable of fastening a pinion carrier of a first planetary gear device to the input member; A third clutch capable of fastening the sun gear of the first planetary gear device to the input member, a first brake capable of stopping the rotation of the pinion carrier of the first planetary gear device, and a pinion carrier of the second planetary gear device A second brake capable of stopping the rotation of the first planetary gear device, a first communication means for rotationally communicating between the ring gear of the first planetary gear device and the pinion carrier of the second planetary gear device, Yes and second connection means for rotating contact between the sun gear of the pinion carrier and the second planetary gear set of the gear device, and a third connection means for rotating contact between the ring gear and the output member of the second planetary gear device The first forward speed is established by engaging the third clutch and the second brake, the second forward speed is established by engaging the third clutch and the first brake, and the second forward speed is established by engaging the first clutch and the third clutch. Third gear, forward fourth speed by engaging the first clutch and the first brake, and reverse gear positions by engaging the second clutch and the second brake Is.
[0011]
The planetary gear type transmission of claim 2 is a single pinion type third planetary gear device and a third planetary gear device arranged on the rotation axis in addition to the forward four-stage configuration of claim 1. A third brake capable of stopping the rotation of the ring gear, fourth communication means for rotationally communicating between the pinion carrier of the third planetary gear device and the pinion carrier of the second planetary gear device, and the sun gear of the third planetary gear device; A forward five-stage type is provided by providing fifth communication means for rotationally communicating between the ring gears of the second planetary gear device.
[0012]
According to a third aspect of the present invention, there is provided a planetary gear transmission according to the first aspect, wherein the first planetary gear device, the second planetary gear device, the first clutch, the second clutch, the third clutch, the first brake, and the second brake. And a third planetary gear device and a third brake are arranged in the sub-housing structure.
[0013]
[Action]
The planetary gear type transmission of claim 1 is of a forward four-stage type including two planetary gear units of double pinion type and single pinion type, three clutches and two brakes. If a third planetary gear device and a third brake are added, it can be easily changed to a forward five-stage type. An example of the arrangement and connection of the third planetary gear device and the third brake for the configuration of claim 1 is shown in claim 2.
Each connecting means may have a structure fixed to each other for transmitting bidirectional rotational torque, and a one-way clutch for transmitting one-way rotational torque to idle the reverse rotational drive, It is good also as a structure which combined the clutch in parallel.
[0014]
In the first speed in the planetary gear type transmission of the first aspect, the second planetary gear device further reverses and decelerates the rotation output that the first planetary gear device has reversed and decelerated. When the second brake is engaged, both the first planetary gear device with the ring gear locked and the second planetary gear device with the pinion carrier locked serve as a reverse speed reducer. The rotation of the input member is input to the sun gear of the first planetary gear device through the third clutch.
In the double pinion type planetary gear device, the rotation direction of the pinion carrier with respect to the ring gear is opposite to that of the single pinion type. Therefore, the rotation of the sun gear (input member) is reversed from the pinion carrier of the first planetary gear device. The decelerated rotation is taken out. When the reverse-decelerated rotation is input to the sun gear of the second planetary gear device with the pinion carrier locked, the forward-reduced rotation rotated twice is extracted from the ring gear.
[0015]
At the second speed, the forward reduction rotation formed by the first planetary gear device is slightly increased by the second planetary gear device to reduce the subtraction. The first brake is engaged to lock the pinion carrier of the first planetary gear device and the sun gear of the second planetary gear device, and the rotation of the input member is connected to the sun gear of the first planetary gear device.
In the double pinion type planetary gear device, since the relative rotation direction of the ring gear with respect to the pinion carrier is opposite to that in the single pinion type, the first planetary gear device becomes a normal speed reducer without reversal, The second planetary gear unit becomes a normal speed increaser without reversal.
Accordingly, the forward rotation in which the rotation of the sun gear (input member) is significantly reduced is extracted from the ring gear of the first planetary gear device. Then, from the ring gear of the second planetary gear device, the forward rotation obtained by slightly increasing the “rotation of the ring gear of the first planetary gear device” input to the pinion carrier is extracted.
[0016]
In the third speed, both the first planetary gear device and the second planetary gear device rotate together while the meshing state is locked, and the rotation of the input member is transmitted one-to-one to the output member. When the first clutch is engaged, the rotation of the input member is input to the ring gear of the first planetary gear device via the pinion carrier of the second planetary gear device. When the third clutch is engaged, the rotation of the input member is input to the sun gear of the first planetary gear device. Therefore, when both the first clutch and the third clutch are engaged, the relative rotation of the ring gear and the sun gear of the first planetary gear device is eliminated, and the entire first planetary gear device is input while maintaining one meshing state. Rotates integrally with the member.
[0017]
At the fourth speed, the second planetary gear device performs a simple speed increase. For the second planetary gear set whose sun gear is locked by the brake B1, the rotation of the input shaft is input from the first clutch to the pinion carrier. From the ring gear of the second planetary gear device, rotation with increased input of the pinion carrier is taken out. This rotation is transmitted to the output member and output.
[0018]
In reverse, the second planetary gear set, whose pinion carrier is locked by the second brake, performs reverse rotation deceleration. When the single-pinion type second planetary gear device with the pinion carrier locked is used as the sun gear input, the reverse reduced rotation is taken out from the ring gear. The inverted decelerated rotation is transmitted to the output member and output.
[0019]
In the planetary gear transmission according to the second aspect, a “shift stage having an intermediate gear ratio” is added between the first speed and the second speed according to the configuration of the first aspect. In this added shift stage, the third planetary gear device functions in an auxiliary manner with respect to the first speed reduction operation according to the configuration of claim 1. That is, the third planetary gear device whose ring gear is locked by the third brake outputs forward rotation, which is obtained by reducing the rotation of the sun gear (output shaft), to the pinion carrier. The rotation of the pinion carrier is input back to the ring gear of the first planetary gear unit and the pinion carrier of the second planetary gear unit. The ring gear of the second planetary gear device in which the pinion carrier rotates in the forward direction outputs a rotation that is faster than the “first speed according to the configuration of claim 1” when the pinion carrier is stopped.
[0020]
According to a third aspect of the present invention, the third planetary gear device and the third brake according to the second aspect are provided for the main housing structure in which the forward four-stage planetary gear transmission according to the first aspect is housed. By connecting the stored sub-housing structure, a forward five-stage planetary gear transmission is configured.
[0021]
【Example】
The planetary gear type transmission of the embodiment will be described with reference to FIGS. The planetary gear transmission of the embodiment is assembled into an automatic transmission (automatic transmission) for an automobile in combination with a torque converter and an oil pump (not shown).
In FIG. 1 to FIG. 5, the configuration of the planetary gear type transmission is shown by a skeleton that is not shown from the center line and represents the arrangement and connection state of the components. FIG. 1 is an explanatory diagram of a configuration of a planetary gear type transmission device according to an embodiment, FIG. 2 is an explanatory diagram of a planetary gear type transmission device of a forward four-stage type, and FIGS. 3 and 4 are operation diagrams of the planetary gear device at each gear stage. FIG. 5 is an explanatory diagram of the housing structure. In FIG. 1, (a) shows a skeleton, and (b) shows the engaged state and gear ratio of the clutch and brake at each gear stage. 2, (a) shows the skeleton, and (b) shows the engaged state of the clutch and the brake at each shift stage. In FIG. 3, (a) shows the first speed, (b) shows the second speed, and (c) shows the third speed. 4, (a) shows the fourth speed, (b) shows the fifth speed, and (c) shows the reverse operating state.
[0022]
In FIG. 1A, three sets of clutches K1, K2, K3, three sets of brakes B1, B2, B3, three sets of planetary gear units G11, G12, from the left on the same rotational axis as the input shaft E1, G13 and the output shaft E2 are arranged. The housing D1 indicated by hatching above stores these mechanisms and rotatably supports the input shaft E1 and the output shaft E2.
The double pinion type planetary gear unit G11 has a plurality of sets of two-stage pinion gears P11 and Q11 arranged between the ring gear R11 on the outer periphery and the central sun gear S11 and meshes with each other. Bind to one.
The single pinion type planetary gear unit G12 has a plurality of pinion gears P12 arranged between the outer ring gear R12 and the central sun gear S12 and meshed therewith, and the plurality of pinion gears P12 are integrally restrained by the pinion carrier C12.
The single-pinion type planetary gear set G13 has a plurality of pinion gears P13 arranged and meshed between an outer ring gear R13 and a central sun gear S13, and the plurality of pinion gears P13 are integrally restrained by a pinion carrier C13.
[0023]
The clutch K1 can fasten the input shaft E1 to the pinion carrier C12 of the planetary gear device G12. The clutch K2 can fasten the input shaft E1 to the pinion carrier C11 of the planetary gear device G11 and the sun gear S12 of the planetary gear device G12. The clutch K3 can fasten the input shaft E1 to the sun gear S11 of the planetary gear device G11.
The brake B1 can lock the pinion carrier C11 of the planetary gear device G11 and the sun gear S12 of the planetary gear device G12 with respect to the housing D1, and can stop the rotation of the pinion carrier C11 and the sun gear S12. The brake B2 locks the ring gear R11 of the planetary gear device G11 and the pinion carrier C12 of the planetary gear device G12 with respect to the housing D1, and can stop the rotation of the ring gear R11 and the pinion carrier C12. The brake B3 can lock the ring gear R13 of the planetary gear device G13 with respect to the housing D1, and can stop the rotation of the ring gear R13.
[0024]
A connecting member N11 is disposed between the ring gear R11 of the planetary gear unit G11 and the pinion carrier C12 of the planetary gear unit G12. A connecting member N12 is disposed between the pinion carrier C11 of the planetary gear unit G11 and the sun gear S12 of the planetary gear unit G12. A connecting member N13 is disposed between the sun gear S13 of the planetary gear device G13 and the output shaft E2. A connecting member N14 is disposed between the pinion carrier C12 of the planetary gear unit G12 and the pinion carrier C13 of the planetary gear unit G13. A connecting member N15 is disposed between the ring gear R12 of the planetary gear unit G12 and the sun gear S13 of the planetary gear unit G13. The connecting members N11, N12, N13, N14, and N15 are configured by a torque transmission shell structure, an axial meshing structure, and a multiple shaft structure, and transmit rotational torque in both forward and reverse directions by fixing relative rotation. .
[0025]
As shown as a list in FIG. 1B, the combination of the clutch K3 and the brake B2 is engaged at the first speed. In the second speed, the combination of the clutch K3 and the brake B3 is engaged. In the third speed, the combination of the clutch K3 and the brake B1 is engaged. In the fourth speed, the combination of the clutches K1 and K3 is engaged. In the fifth speed, the combination of the clutch K1 and the brake B1 is engaged. In reverse, the combination of the clutch K2 and the brake B2 is engaged. The gear ratios at these gear speeds are obtained by using the gear ratios α1, α2, and α3 of the planetary gear devices G11, G12, and G13 as shown in the equation on the right side. Specific numerical values of the gear ratio when the tooth number ratios α1, α2, and α3 are set to 0.475, 0.325, and 0.65, respectively, are shown in the rightmost column.
[0026]
The planetary gear type transmission with five forward speeds and one reverse speed shown in FIG. 1 (a) removes the planetary gear apparatus G13 and the brake B3 and leaves the portion A1 surrounded by a broken line, thereby moving forward four stages and reverse. A single-stage planetary gear transmission can be provided. FIG. 2 shows a planetary gear transmission having four forward speeds and one reverse speed. In FIG. 2B, the second speed of FIG. 1B involving the planetary gear unit G13 is lost, and the portions surrounded by the broken lines in FIG. It becomes the operation combination. The 1st, 3rd, 4th, and 5th speeds in (b) of FIG. 1 become the 1st, 2nd, 3rd, and 4th speeds of (b) in FIG. The same applies to α1 and α2 in common.
[0027]
Next, with reference to FIG. 3 and FIG. 4, the operation state of the planetary gear device at each of the five forward speeds and the reverse one speed gear will be described. Here, for the clutch and brake, the solid line is in the engaged state and the broken line is in the released state. As for the planetary gear device and the connecting portion of each element, the state related to the output by being involved in the shift operation is indicated by a solid line, and the unrelated state is indicated by a broken line.
[0028]
At the first speed in FIG. 3A, the planetary gear device G11 and the planetary gear device G12 operate in series to perform two-stage deceleration. While the brake B2 locks the ring gear R11 of the planetary gear unit G11 and the pinion carrier C12 of the planetary gear unit G12, the rotation of the input shaft is input to the sun gear S11 of the planetary gear unit G11 through the clutch K3.
The double pinion planetary gear unit G11 with the ring gear R11 stopped functions as a reverse speed reducer, and outputs the rotation in the reverse direction obtained by reducing the rotation of the sun gear S11 to the pinion carrier C11.
The single pinion type planetary gear unit G12 in which the pinion carrier C12 is stopped also functions as a reverse speed reducer, and reverses the reverse rotation input from the pinion carrier C11 of the planetary gear unit G11 to the sun gear S12 to rotate in the forward direction. In addition, the speed is further reduced by one step and output to the ring gear R12. The output of the ring gear R12 is transmitted to the output shaft via the sun gear S13 of the planetary gear unit G13.
[0029]
In the second speed of FIG. 3B, the planetary gear apparatus G13 is made to function in an auxiliary manner with respect to the planetary gear apparatuses G11 and G12 that function in the same manner as the first speed. The above-described ring gear R11 and pinion carrier C12 receive the return output formed by the planetary gear unit G13 instead of being locked by the brake B2.
The planetary gear device G13 in which the brake B3 stops the ring gear R13 decelerates the rotation of the output shaft (ring gear R12 of the planetary gear device G12) to form a forward return output. The forward return output decelerates the reverse rotation of the pinion carrier C11 of the planetary gear unit G11, but further increases the forward rotation of the ring gear R12 of the planetary gear unit G12. A rotational speed higher than the first speed is output from the ring gear R12 of the planetary gear unit G12.
[0030]
In the third speed of FIG. 3 (c), the rotation decelerated by the planetary gear unit G11 is increased by the planetary gear unit 12, and the speed is reduced by subtracting both of them. While the brake B1 locks the pinion carrier C11 of the planetary gear unit G11 and the sun gear S12 of the planetary gear unit G12, the rotation of the input shaft is input to the sun gear S11 of the planetary gear unit G11 through the clutch K3.
The double pinion type planetary gear unit G11 in which the pinion carrier C11 is stopped functions as a speed reducer, and outputs the forward rotation from the ring gear R11 in which the rotation of the sun gear S11 is reduced. This forward rotation is input to the pinion carrier C12 of the planetary gear set G12.
The single pinion type planetary gear unit G11 in which the sun gear S12 is stopped functions as a speed increaser, and outputs the forward rotation from the ring gear R12 in which the rotation of the pinion carrier C12 is increased.
[0031]
In the fourth speed of FIG. 4A, the rotation of the input shaft is transmitted to the output shaft as it is by simultaneously engaging the clutches K1 and K3 and locking the planetary gear unit G12. The rotation of the input shaft is input from the clutch K1 to the ring gear R11 of the planetary gear device G11 via the pinion carrier C12 of the planetary gear device G12. At the same time, the rotation of the input shaft is also input to the sun gear S11 of the planetary gear device G11 through the clutch K3. As a result, the planetary gear unit G11 loses the relative rotation of the sun gear S11 and the ring gear R11, and the entire planetary gear unit G11 (ring gear R11, pinion carrier C11, sun gear S11) remains locked in one meshing state. Rotates integrally with the input shaft. Therefore, the rotation of the input shaft is transmitted to the output shaft as it is.
At this time, in the planetary gear device G12, the relative rotation of the sun gear S12 and the pinion carrier C12 is eliminated, and in the planetary gear device G13, the relative rotation of the sun gear S13 and the pinion carrier C13 is eliminated, so that the planetary gear devices G12, G13 are eliminated. (Ring gears R12, R13, pinion carriers C12, C13, sun gears S12, S13) also rotate integrally with the input shaft while being locked in one meshing state.
[0032]
In the fifth speed of FIG. 4B, the planetary gear unit G12 whose sun gear S12 is locked by the brake B1 performs a simple speed increase. The planetary gear unit G12 increases the rotation speed of the input shaft input from the clutch K1 to the pinion carrier C12 and outputs the speed to the ring gear R12. The rotation of the ring gear R12 is transmitted to the output shaft via the sun gear S13 of the planetary gear device G13.
[0033]
In the reverse movement of FIG. 4C, the planetary gear unit G12 having the pinion carrier C12 locked by the brake B2 forms a reduced deceleration output. The planetary gear device G12 that has stopped the pinion carrier C12 reverses the rotation of the input shaft input to the sun gear S12 through the clutch K2 to rotate in the reverse direction, and decelerates and outputs it to the ring gear R12.
[0034]
According to the planetary gear type transmission of the embodiment configured as described above, the forward four-stage type and the forward five-stage type of the planetary gear type transmission can be easily changed depending on the presence or absence of the planetary gear unit G13 and the brake B3. .
Even in the case of the forward five-speed type, only three clutches and brakes are required, and the number of parts does not increase as compared with the conventional planetary gear transmission dedicated for the forward five-speed type.
Further, even in the case of the forward four-stage type, the “speed stage with a gear ratio of 1 that rotates the planetary gear unit G11 integrally” and the “overdrive speed stage that is increased by the planetary gear unit G12” remain as they are. It can avoid deterioration of fuel consumption.
Further, at the gear stage having a gear ratio of 1 that is normally used during traveling, the meshing state of the planetary gear devices G11, G12, and G13 is locked, so that friction and heat generation on the tooth surfaces are suppressed. Further, since the total number of fastening elements is small, heat generation due to idling of non-fastening fastening elements is also small. Therefore, fuel consumption is improved.
[0035]
Further, as clearly shown in the list of FIG. 1B, at the first to fifth gears adjacent to each other, the shifting operation is performed by switching one other fastening element while keeping one fastening element in common. Executed. Therefore, the speed change operation is smooth, and the speed change operation can be completed in a shorter time than when the two fastening elements are switched in order. Since there is no speed change operation for switching the two fastening elements at the same time, there is no fear of shocking the mechanism of the automatic transmission or the vehicle body with the speed change operation. Therefore, it is possible to provide an automatic transmission in which the speed change operation is smooth and fast and does not let the driver notice the presence or absence of the speed change operation.
[0036]
In this embodiment, the planetary gear device G11 corresponds to the first planetary gear device of the invention, the planetary gear device G12 corresponds to the second planetary gear device of the invention, and the planetary gear device G13 corresponds to the third planetary gear device of the invention, and the connecting member N11. Is the first communication means of the invention, the communication member N12 is the second communication means of the invention, and the communication members N13 and N15 (power transmission path via the sun gear S13 of the planetary gear unit G13) correspond to the third communication means of the invention. Further, the communication member N14 corresponds to the fourth communication means of the invention, and the communication member N15 corresponds to the fifth communication means of the invention.
[0037]
Note that at least one of these connecting members and other members that transmit rotational torque in both forward and reverse directions, for example, the connecting member N15 may be replaced with “a connecting means in which a one-way clutch and a clutch are arranged in parallel”. One-way clutch allows one-way torque transmission to shut off unnecessary engine brakes at 1st speed, 2nd speed, etc. On the other hand, if engine braking is required on a downhill, etc., the clutch is engaged to transmit torque in both directions And
Further, the gear ratio distribution of each gear stage may be adjusted by changing the gear ratio of the three sets of planetary gear units G11, G12, and G13.
In addition, as shown in FIGS. 38 to 48 of JP-A-2-159443, the three brakes and the three clutches are combined with a multi-plate clutch, a band brake, and a one-way clutch. Can be arbitrarily selected according to the application and purpose.
[0038]
FIG. 5 shows an example of the assembly structure of the housing in the planetary gear type transmission of the embodiment. Here, the auxiliary casing D12 is connected to the output shaft E2 side of the main casing D11 in which the forward four-stage planetary gear transmission is housed to constitute the forward five-stage planetary gear transmission. The main housing D11 holds the planetary gear units G11 and G12, the clutches K1, K2, and K3, and the brakes B1 and B2 inside, and corresponds to the “forward four-stage type mechanism in FIG. The enclosed part A11 "is configured. On the other hand, the sub-housing D12 holds the mechanism of the portion A12 surrounded by a broken line including the planetary gear device G13 and the brake B3.
[0039]
The connecting member N14 that connects between the pinion carrier C12 of the planetary gear unit G12 and the pinion carrier C13 of the planetary gear unit G13 connects a pair of components each having one end fixed to the pinion carriers C12 and C13 with an intermediate meshing structure. Configured. The connecting member N15 that connects the sun gear S13 of the planetary gear unit G13 and the ring gear R12 of the planetary gear unit G12 connects the component fixed to the sun gear S13 and the component fixed to the ring gear R12 with an intermediate meshing structure. Composed. These meshing structures are arranged at the connecting position of the main housing D11 and the sub-housing D12, and are engaged with each other by approaching them in the axial direction, and are released away from them in the axial direction. Then, at the same time when the sub-housing D12 is connected to the main housing D11, the meshing connection of the respective connecting members is completed.
[0040]
On the other hand, when the sub housing D12 is removed and the four-stage forward type is adopted, a rear housing (not shown) that rotatably holds the output shaft E2 is connected to the main housing D11 instead of the sub housing D12. . A connecting member (corresponding to N13) having one end fixed to the output shaft E2 has a structure that meshes with parts of the connecting member N15 fixed to the ring gear R12 of the planetary gear device G12, and the rear housing is connected to the main housing D11. The gears mesh with each other to complete communication between the ring gear R12 of the planetary gear set G12 and the output shaft E2.
[0041]
According to the housing structure shown in FIG. 5, the planetary gear units G11 and G12, the clutches K1 to K3, the brakes B1 and B2, as well as the connection structure between the housing and the elements, etc. The maximum number of common parts is realized among the planetary gear type transmissions of the type, and the number of necessary parts can be reduced and the part cost can be reduced. Also, instead of adding individual parts, all the necessary parts are assembled and units assembled at the factory are connected. This simplifies operations such as replacement and repair, and eliminates mistakes and various work errors. The possibility of waking up is low.
[0042]
By the way, the configuration of the embodiment is not limited to the component arrangement of FIG. 1A, and the arrangement order and relative positional relationship of the three planetary gear devices, the three brakes, and the three clutches are based on mutual connection members or the like. While maintaining this contact state, it can be freely changed according to the convenience of the housing structure, the contact member, and the like. At this time, the sun gear, the pinion carrier, and the ring gear of the planetary gear device may be connected to the communication member by selecting the right and left convenient sides.
For example, if the brakes B1 and B2 are arranged together on the input shaft side in addition to the clutches K1, K2 and K3, a housing-side support structure of these fastening elements, a member formed with a spline for restraining the friction plate, Several parts, such as a drive hydraulic cylinder and hydraulic circuit, can be integrated together to reduce the total number of parts.
[0043]
And the housing | casing structure which accommodates the structure of the modification of such an Example is not limited to the structure of FIG. 5, It gives priority to the order of arrangement | positioning of planetary gear apparatus G11, G12, G13, and the convenience of a connection structure. Can be changed.
For example, instead of being divided into the main casing D11 and the sub-casing D12 as shown in FIG. 5, the four-stage forward type and the five-stage forward type are integrated into a single united case, and the planetary gear unit G13 and the brake B3 are provided inside. It is good also as a structure which obtains a forward four-stage type | mold, without incorporating in.
Further, for example, the arrangement of the planetary gear units G12 and G13 in FIG. 1A is replaced, and the casing D1 can be divided into two parts on the input shaft side and the output shaft side. Another sub-housing in which B3 is stored may be sandwiched and connected between them.
[0044]
【The invention's effect】
According to the planetary gear type transmission of the present invention, a forward planetary gear transmission and a reverse one-stage can be obtained by adding only one set of planetary gear device and one brake to the four-stage forward and reverse one-stage planetary gear transmission. The planetary gear type transmission can be obtained. Therefore, it is possible to maximize the commonality of the components between the forward four-stage type and the forward five-stage type planetary gear transmission, and it is easy to reduce the manufacturing cost and improve the reliability. Even in the case of the forward four-stage type, the number of necessary clutches is three and the number of brakes is only two, and it is not necessary to increase these necessary numbers compared to the conventional dedicated forward four-stage type. Further, in the case of the forward four-stage type, unnecessary planetary gear devices and brakes are removed, so there is no fear that unnecessary parts are held inside or that unnecessary parts run idle and increase loss. Accordingly, the planetary gear transmission can be easily reduced in size, weight, high transmission efficiency and low fuel consumption, and the manufacturing cost can be further reduced.
[0045]
When the case structure is divided and connected according to the distinction between the forward four-stage type and the forward five-stage type, the housing parts can be shared between the forward four-stage type and the forward five-stage type. Nevertheless, the forward four-stage type can be a light and small planetary gear type transmission having the minimum necessary internal volume.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram of a configuration of a planetary gear transmission of an embodiment.
FIG. 2 is an explanatory diagram of a configuration of a forward four-stage planetary gear transmission.
FIG. 3 is an operation diagram of the planetary gear device at each gear position.
FIG. 4 is an operation diagram of the planetary gear device at each gear position.
FIG. 5 is an explanatory diagram of a housing structure.
[Explanation of symbols]
B1, B2, B3 Brake
K1, K2, K3 clutch
E1 input shaft
E2 output shaft
D1 housing
D11 Main housing
D12 Sub housing
C11, C12, C13 Pinion carrier
G11, G12, G13 Planetary gear unit
N11, N12, N13, N14, N15 Connecting member
P11, P12, P13 Pinion gear
R11, R12, R13 Ring gear

Claims (3)

入力部材および出力部材の回転軸線上に配置されたダブルピニオン型の第1遊星歯車装置とシングルピニオン型の第2遊星歯車装置とを有する遊星歯車式変速装置であって、
第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤを前記入力部材に対して締結可能な第1クラッチと、
第1遊星歯車装置のピニオンキャリヤを前記入力部材に対して締結可能な第2クラッチと、
第1遊星歯車装置のサンギヤを前記入力部材に対して締結可能な第3クラッチと、
第1遊星歯車装置のピニオンキャリヤの回転を停止可能な第1ブレーキと、
第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤの回転を停止可能な第2ブレーキと、
第1遊星歯車装置のリングギヤと第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤの間を回転連絡する第1連絡手段と、
第1遊星歯車装置のピニオンキャリヤと第2遊星歯車装置のサンギヤの間を回転連絡する第2連絡手段と、
第2遊星歯車装置のリングギヤと前記出力部材の間を回転連絡する第3連絡手段とを有し、
前記第3クラッチと前記第2ブレーキを締結することで前進第1速、前記第3クラッチと前記第1ブレーキを締結することで前進第2速、前記第1クラッチと前記第3クラッチを締結することで前進第3速、前記第1クラッチと前記第1ブレーキを締結することで前進第4速、そして前記第2クラッチと前記第2ブレーキを締結することで後退の各変速段を得ることを特徴とする遊星歯車式変速装置。
A planetary gear type transmission having a double pinion type first planetary gear device and a single pinion type second planetary gear device arranged on the rotation axis of the input member and the output member,
A first clutch capable of fastening a pinion carrier of a second planetary gear device to the input member;
A second clutch capable of fastening the pinion carrier of the first planetary gear device to the input member;
A third clutch capable of fastening the sun gear of the first planetary gear device to the input member;
A first brake capable of stopping the rotation of the pinion carrier of the first planetary gear device;
A second brake capable of stopping the rotation of the pinion carrier of the second planetary gear device;
First communication means for rotationally communicating between the ring gear of the first planetary gear unit and the pinion carrier of the second planetary gear unit;
Second communication means for rotationally communicating between the pinion carrier of the first planetary gear unit and the sun gear of the second planetary gear unit;
Between the ring gear and the output member of the second planetary gear have a third communication means for rotating contact,
The first forward speed is established by engaging the third clutch and the second brake, the second forward speed is established by engaging the third clutch and the first brake, and the first clutch and the third clutch are engaged. Thus, the third forward speed, the fourth forward speed by engaging the first clutch and the first brake, and the reverse gear positions by engaging the second clutch and the second brake are obtained. A planetary gear transmission characterized by the above .
入力部材および出力部材の回転軸線上に配置されたダブルピニオン型の第1遊星歯車装置とシングルピニオン型の第2遊星歯車装置とを有する遊星歯車式変速装置であって、
第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤを前記入力部材に対して締結可能な第1クラッチと、
第1遊星歯車装置のピニオンキャリヤを前記入力部材に対して締結可能な第2クラッチと、
第1遊星歯車装置のサンギヤを前記入力部材に対して締結可能な第3クラッチと、
第1遊星歯車装置のピニオンキャリヤの回転を停止可能な第1ブレーキと、
第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤの回転を停止可能な第2ブレーキと、
第1遊星歯車装置のリングギヤと第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤの間を回転連絡する第1連絡手段と、
第1遊星歯車装置のピニオンキャリヤと第2遊星歯車装置のサンギヤの間を回転連絡する第2連絡手段と、
第2遊星歯車装置のリングギヤと前記出力部材の間を回転連絡する第3連絡手段と、を有し、
前記回転軸線上に配置されたシングルピニオン型の第3遊星歯車装置と、
第3遊星歯車装置のリングギヤの回転を停止可能な第3ブレーキと、
第3遊星歯車装置のピニオンキャリヤと第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤの間を回転連絡する第4連絡手段と、
第3遊星歯車装置のサンギヤと第2遊星歯車装置のリングギヤの間を回転連絡する第5連絡手段と、を設けたことを特徴とする前進5段、後退1段の変速が可能な遊星歯車式変速装置。
A planetary gear type transmission having a double pinion type first planetary gear device and a single pinion type second planetary gear device arranged on the rotation axis of the input member and the output member,
A first clutch capable of fastening a pinion carrier of a second planetary gear device to the input member;
A second clutch capable of fastening the pinion carrier of the first planetary gear device to the input member;
A third clutch capable of fastening the sun gear of the first planetary gear device to the input member;
A first brake capable of stopping the rotation of the pinion carrier of the first planetary gear device;
A second brake capable of stopping the rotation of the pinion carrier of the second planetary gear device;
First communication means for rotationally communicating between the ring gear of the first planetary gear unit and the pinion carrier of the second planetary gear unit;
Second communication means for rotationally communicating between the pinion carrier of the first planetary gear unit and the sun gear of the second planetary gear unit;
And third communication means for rotationally communicating between the ring gear of the second planetary gear device and the output member,
A single pinion type third planetary gear set disposed on the rotation axis;
A third brake capable of stopping the rotation of the ring gear of the third planetary gear device;
Fourth communication means for rotationally communicating between the pinion carrier of the third planetary gear set and the pinion carrier of the second planetary gear set;
A planetary gear type capable of shifting in five forward speeds and one reverse speed, characterized by comprising a fifth communication means for rotationally communicating between the sun gear of the third planetary gear device and the ring gear of the second planetary gear device. Transmission device.
第1遊星歯車装置、第2遊星歯車装置、第1クラッチ、第2クラッチ、第3クラッチ、第1ブレーキ、および第2ブレーキを格納した主筐体構造に接続可能な副筐体構造を有し、
前記副筐体構造に第3遊星歯車装置および第3ブレーキを配置したことを特徴とする請求項2記載の遊星歯車式変速装置。
A first planetary gear device, a second planetary gear device, a first clutch, a second clutch, a third clutch, a first brake, and a sub-housing structure connectable to a main housing structure storing the second brake; ,
The planetary gear transmission according to claim 2, wherein a third planetary gear device and a third brake are arranged in the sub-housing structure.
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