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JP3612063B2 - 樹脂封止金型、それを用いた樹脂封止方法および樹脂封止装置 - Google Patents

樹脂封止金型、それを用いた樹脂封止方法および樹脂封止装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に搭載された集積回路や大規模集積回路などの半導体装置のICチップ(以下、半導体チップという。)、または、各々の電気・電子部品等を樹脂で封止成形する樹脂封止金型、それを用いた樹脂封止方法および樹脂封止装置に関する。特に、厚さの薄いパッケージであるTQFP、QFN、BGA等を樹脂封止する際に、金型の型締めのときに発生する基板のダメージを低減するとともに、カルフラッシュ等の樹脂バリの発生を防止できる樹脂封止金型、それを用いた樹脂封止方法および樹脂封止装置に関するものである。
なお、本発明における基板は、特に明示しない限り、リードフレーム、サブストレート等の樹脂製基板、TABテープ、セラミック製基板等を含む。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の樹脂封止金型としては、例えば、図11に示すように、ヒータ12が組み込まれている上型モールドベース10と、この上型モールドベース10に組み込まれる上型チェス(上型金型)20と、ヒータ32が組み込まれている下型モールドベース30と、この下型モールドベース30に組み込まれる下型チェス(下型金型)50と、からなるものがある。
【0003】
前記上型モールドベース10には、その嵌合凸部11に上型チェス20の嵌合凹部21を嵌合することにより、上型チェス20が位置決め・固定される。一方、前記下型モールドベース30には、その嵌合凸部31に下型チェス50の嵌合凹部51を嵌合することにより、下型チェス50が位置決め・固定される。なお、樹脂封止する製品の変更等を行う場合は、上,下型モールドベース10,30はそのまま存置しておき、上型チェス20および下型チェス50を交換して対応できる。
【0004】
特に、図12に示すように、上型チェス20には、下面に上型キャビティ22を有する上型キャビティブロック23と、下面にカル24を有するカルブロック25とが組み込まれている。そして、前記上型キャビティブロック23および前記カルブロック25には、前記上型キャビティ22と前記カル24とを連通させるランナー26およびゲート27が設けられている。さらに、前記上型チェス20は、図示しないエジェクタプレート、スペーサーブロック等で構成されている。
【0005】
一方、下型チェス50には、上面に基板搭載面52を形成し、かつ、位置決めピン54を突設した下型キャビティブロック53と、ポット55を有するセンターブロック56とが組み込まれている。さらに、前記下型チェス50は、図示しないエジェクタプレート、スペーサーブロック等で構成されている。
【0006】
次に、前述の樹脂封止金型による半導体チップ71を搭載した基板70の樹脂封止方法について説明する。
まず、金型が開いている時に、図示しないインローダ等により、下型チェス50の基板載置面52に基板70が位置決めされるとともに、ポット55に固形樹脂(タブレット)60がセットされる。このとき、インローダ等の位置制御は、下型チェス50の基板載置面52から突出する位置決めピン54の先端テーパ部に、基板70の位置決めピン用孔(図示せず)が入るように行われる。
【0007】
ついで、下型モールドベース30および下型チェス50を上昇させて金型の型締めを行い、基板70を上型キャビティブロック23と下型キャビティブロック53とで挟持する。そして、プランジャチップ57を上昇させてタブレット60を加熱・加圧し、タブレット60を溶融させてカル24からランナー26およびゲート27を介して上型キャビティ22に溶融樹脂を充填する。さらに、一定のキュアタイム後、下型モールドベース30および下型チェス50を下降させて型開きを行い、図示しないアンローダにて半導体樹脂封止品を取り出し、次工程へ搬送する。以後、同様の作業を繰り返すことにより、半導体チップ71を搭載した基板70を連続して樹脂封止できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記樹脂封止装置の型締め力は封止する製品毎に設定されており、型締めする際には、その型締め力に一気に到達するように制御されている。より具体的に説明すると、前述の樹脂封止工程では、樹脂封止装置の型締めによってカルブロック25とセンターブロック56とが密着する。そして、プランジャチップ57を上昇させてタブレット60を加熱・加圧し、タブレット60を溶融させてカル24からランナー26およびゲート27を介して上型キャビティ22に溶融樹脂を充填している。しかし、カルブロック25とセンターブロック56とは既に密着しているので、それ以上の型締め力で型締めしても、カルブロック25とセンターブロック56との密着力を高めるだけである。この結果、基板70をクランプする基板クランプ力を高めることはできなかった。
【0009】
また、逆に基板クランプ力を下げると、カルブロック25とセンターブロック56との間に隙間が発生し、その隙間に樹脂が流れ込むことにより、カルフラッシュ等の樹脂バリが発生する。この結果、後工程のメッキ工程でメッキ不良が生じ、特に、BGAの場合にはボールアタッチ不良などの不具合が発生していた。
【0010】
一方、前述の不具合を解消すべく、上型または下型キャビティブロックに皿バネ等の弾性部材をそれぞれ配置し、上型または下型キャビティブロックをフローティングさせることにより、基板の厚さ寸法のバラツキを吸収する機構も用いられている。しかし、前述の機構であっても、その弾性部材のバネ力が基板クランプ力となり、一定のバネ力で基板をクランプできるにすぎず、基板クランプ力を調整できなかった。
【0011】
特に、近年使用され始めた薄いパッケージであるTQFP、QFN、BGA等は、基板が薄いだけでなく、厚さ寸法のバラツキが大きくなっている。このため、当初設定された基板クランプ力が大きすぎると、基板が変形してIC等のダイ部がダメージを受けるダイダメージが発生しやすく、場合によっては基板が破損してしまう場合がある。逆に、基板クランプ力が小さすぎると、金型間に隙間が生じて樹脂バリが発生するという不具合があった。
【0012】
前述の不具合を解消するため、油圧制御によって基板クランプ力を調整する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−170961号公報(図1,図3,図4および図5)
【0014】
しかしながら、前述の制御方法は、油圧制御(駆動)によりキャビティブロックを摺動させるものであり、油圧機構を付加する必要があるので、装置が複雑化して高価になるという問題点があった。
【0015】
本発明は、前記問題点に鑑み、型締めによる基板のダメージを無くし、カルフラッシュ等の樹脂バリを防止して歩留まりを改善できるとともに、簡単な機構とすることによって安価な樹脂封止金型、それを用いた樹脂封止方法および樹脂封止装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる樹脂封止金型は、前記目的を達成すべく、上型モールドセットの下面に配置した上型金型と、下型モールドセットの上面に配置した下型金型とで基板を挟持すると共にキャビティを形成し、下型モールドセットに位置するプランジャチップを突き出して封止用固形樹脂を流動体化して前記キャビティへ充填し、前記基板の表面に実装した電子部品を樹脂封止する樹脂封止金型において、
前記封止用固形樹脂を流動体化するために下型金型に設けられたポットと対向するようにカルブロックを前記上型金型に摺動自在に設けるとともに、前記カルブロックを前記上金型に脱落防止用位置規制手段を介して着脱可能に支持する一方、前記カルブロックのカルの直上に位置し、かつ、前記上型金型の天井面に固定したボルトに挿通されて脱落しないように支持されたバネ部材からなる摺動部で、前記カルブロックを前記ポットとの対向方向に突き出すように付勢した構成としてある。
【0017】
本発明によれば、センターブロックおよびカルブロックのうち、少なくともいずれか一方を摺動自在に支持し、かつ、対向方向に突き出すように付勢してある。このため、下型金型と上型金型との基板クランプ力を大きくすると、センターブロックおよびカルブロックのいずれかが引っ込み、基板のクランプを妨げることがない。また、基板クランプ力を小さくしても、センターブロックおよびカルブロックのいずれかがバネ力で押し出され、隙間が発生しない。この結果、基板クランプ力を必要に応じて調整できるので、基板の厚さ寸法にバラツキがあっても、型締めによる基板のダメージを無くし、カルフラッシュ等の樹脂バリを防止して歩留まりを改善できる。
特に、バネ部材を設けるだけで付勢力を付与できるので、複雑で高価な油圧制御装置が不要になり、簡単で安価な樹脂封止金型が得られる。さらに、前記カルブロックが上金型に脱落防止用位置規制手段を介して着脱可能に支持されるとともに、バネ部材が上型金型の天井面に固定したボルトに挿通されて支持されている。このため、分解,組立作業中におけるカルブロックの脱落を防止できるという効果がある。
【0018】
本発明にかかる樹脂封止金型を用いた樹脂封止方法は、前記目的を達成すべく、上型モールドセットの下面に配置した上型金型と、下型モールドセットの上面に配置した下型金型とで基板を挟持すると共にキャビティを形成し、前記モールドセットのいずれか一方に位置するプランジャチップを突き出して封止用固形樹脂を流動体化して前記キャビティへ充填し、前記基板の表面に実装した電子部品を樹脂封止する樹脂封止方法において、前記請求項の1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂封止金型を使用することにより、前記基板のクランプを、前記電子部品に前記基板の変形を原因とする不具合を生じさせない程度の基板クランプ力で行う第1クランプ工程と、前記キャビティ内への樹脂の充填を、前記電子部品をほぼ被覆する程度まで行う第1樹脂充填工程と、前記基板のクランプを最終基板クランプ力で行う第2クランプ工程と、前記キャビティ内への樹脂の充填を完了する第2樹脂充填工程と、からなる樹脂封止方法である。
【0019】
本発明によれば、多段階に分けてクランプし、樹脂をそれぞれ充填する方法であるので、基板の変形を最少限度に抑制して樹脂を充填でき、基板に実装したIC等のダイダメージを防止するとともに、前記基板に実装した電子部品から引き出したワイヤの伸長や切断を防止できる。
なお、本発明において、電子部品に基板の変形を原因とする不具合を生じさせない程度の基板クランプ力としては、1段階に限らず、2段階以上に分けて加える基板クランプ力も含んでいる。
【0020】
前述の発明の実施形態としては、第1クランプ工程は、最終基板クランプ力の20〜60%の力でクランプし、前記第1樹脂充填工程は、樹脂充填量を充填完了時の60〜90%まで充填する工程からなるものであってもよい。
本実施形態によれば、最適な基板クランプ力で基板をクランプすることにより、基板のダメージを抑制できるとともに、前記基板に実装した電子部品から引き出したワイヤの伸長や切断を防止できる。
【0021】
本発明にかかる樹脂封止金型を用いた樹脂封止装置は、前記目的を達成すべく、上型モールドセットの下面に配置した上型金型と、下型モールドセットの上面に配置した下型金型とで基板を挟持すると共にキャビティを形成し、前記モールドセットのいずれか一方に位置するプランジャチップを突き出して封止用固形樹脂を流動体化して前記キャビティへ充填し、前記基板の表面に実装した電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置において、前記請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂封止金型を使用するとともに、前記下型モールドセットを移動し、前記電子部品に前記基板の変形を原因とする不具合を生じさせない程度のクランプ力と、最終基板クランプ力とで前記基板を段階的にクランプする駆動機構を有する構成からなるものである。
【0022】
本発明によれば、基板クランプ力を段階的に分けて基板に加えることができるので、基板クランプ力を必要に応じて調整でき、型締めによる基板のダメージを無くし、カルフラッシュ等の樹脂バリを防止して歩留まりを改善できる樹脂封止装置が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる実施形態を図1ないし図10の添付図面に従って説明する。なお、前述の従来例と同一部分については同一番号を附する。
本発明にかかる第1実施形態にかかる樹脂封止装置100は、図1に示すように、4本のタイバー(支柱)101を介し、上固定プラテン103と下固定プラテン104とが相互に連結されているとともに、その間を可動プラテン102が上下動可能に配置されている。
【0024】
そして、サーボモータ105が駆動することにより、プーリ106、タイミングベルト107、プーリ108およびボールネジ109に動力が伝達され、ボールネジ109のナット110が回転運動を直線運動に変換する。そして、トグル機構111により、可動プラテン102が上下に駆動される。前記駆動はサーボモータ105、タイミングベルト107、精密ボールネジ109により伝達され、正確な制御が可能であるので、2段階以上の型締めを正確に行うことができる。
【0025】
前記上固定プラテン103には、上型チェス20を収納した上型モールドベース10が組み付けられている一方、前記可動プラテン102には、下型チェス50を収納した下型モールドベース30が組み付けられている。
【0026】
前記上型チェス20に配置されたカルブロック25の摺動部は、図2および図9に示すように、複数本のボルト84を前記カルブロック25の直上に位置する前記上型チェス20にネジ止めして構成されている。前記ボルト84には、所定寸法のスリーブ81およびワッシャ83を挿通するとともに、複数枚の皿バネ82を挿通してある。このため、前記皿バネ82のバネ力が前記ワッシャ83を介してカルブロック25を対向方向に突き出すように付勢する。ただし、カルブロック25が脱落しないようにカルブロック25の両側は段付きピン85で支持されている。
【0027】
前記カルブロック25の摺動部を詳細に説明するために前述の実施形態を示したにすぎず、その機構および位置関係等について、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、適宣変更することは可能である。
一方、センターブロック56を有する下型チェス50は、前述の従来例とほぼ同様であるので、同一部品には同一番号を附して説明を省略する。
【0028】
次に、本発明にかかる樹脂封入装置100の樹脂封止工程を図2ないし図8に従って説明する。
まず、図2に示すように型開きした上型チェス20および下型チェス50のうち、下型チェス50の基板搭載面52に、半導体チップ71を実装した基板70を図示しないインローダ等で位置決めするとともに、ポット55に固形樹脂(タブレット)60をセットする(図3)。
【0029】
そして、サーボモータ105が駆動することにより、可動プラテン102が上昇すると、下型チェス50が上昇し、図4に示すように、センターブロック56と、上型チェス20のカル24を有するカルブロック25とが当接する。この段階では上型キャビティブロック23と下型キャビティブロック53との間に若干の隙間がある。
【0030】
そして、可動プラテン102が更に上昇することにより、図5に示すように、下型チェス50も更に上昇すると、下型チェス50のセンターブロック56が上型チェス20のカルブロック25に押し上げる。このため、皿バネ82が撓んでカルブロック25が押し込まれ、基板70と上型チェス20の上型キャビティブロック23とが圧接する。さらに、適正な基板クランプ力となるまで可動プラテン102が上昇することにより、基板70が上,下型キャビティブロック23,53に挟持さ、1次型締めが完了する。この時の基板クランプ力は最終基板クランプ力の20〜60%である。
【0031】
1次型締めに基づく基板70の変形は許容範囲内の弾性変形であるので、基板70に表面実装したIC等のダイダメージ、および、前記基板70に表面実装した電子部品71から延びるワイヤ72の伸長や切断を防止できる。なお、基板の大きさ、樹脂封止面積、製品の形状等によって基板クランプ力は異なるが、190mm×50mmの大きさを有する樹脂製基板のサブストレートの場合では、1次型締め力として12ton程度を必要とする。
【0032】
ついで、図6に示すように、プランジャチップ57を上昇させ、タブレット60を加熱・加圧して樹脂を溶融させ、カル24からランナー26、ゲート27を介して上型キャビティ22に溶融樹脂を充填する。この時の樹脂充填量は、充填完了時の60〜90%であり、基板70に実装された電子部品71およびワイヤ72をほぼ覆う程度の充填量である。これは、電子部品71およびワイヤ72を覆うことにより、次の2次クランプ工程時に生じる変形の影響を緩和すると共に、基板クランプ力が小さくとも樹脂漏れが生じないようにするためである。
【0033】
前述の樹脂充填量に達した時点で、可動プラテン102を更に上昇させて下型チェス50を上昇させ、基板70に対する基板クランプ力を100%まで増大させることにより、2次型締めが完了する。この場合、基板70に実装した電子部品71およびワイヤ72は樹脂によって覆われた状態にあるので、増大した基板クランプ力によって基板70が多少変形しても、電子部品71やワイヤ72に対する悪影響が少ない。前述の基板の場合は、20ton程度の2次型締め力で対応している。
【0034】
そして、図7に示すように、プランジャチップ57を更に上昇させることにより、上型キャビティ22内への樹脂の充填を完了する。この場合、基板クランプ力を100%まで増大させているので、樹脂が金型の合わせ面から漏れてバリになる事もない。一方、センターブロック56とカルブロック25とは、皿バネ82のバネ力で付勢されて圧接しているので、樹脂バリ等の発生を防止できる。
【0035】
さらに、サーボモータ105を稼動させることにより、図8に示すように、可動プラテン102および下型チェス50を下降させて金型を開放する。
【0036】
最後に、プランジャチップ57を樹脂封止位置よりも上方に上昇させることにより、樹脂封止済みの製品80をセンターブロック56および下型キャビティブロック53から持ち上げた後、図示しないアンローダ等により製品80を取り出してもよい。また、樹脂封止した製品80を図示しない別の排出機構によって金型から取り出すローダー等に爪を設ける一方、金型にその爪の逃がしを設けることにより、前記ローダー等を介して前記製品80を取り出すようにしてもよい。
【0037】
なお、図10に示す第2実施形態のように、下型キャビティブロック53に皿バネ58等のバネ部材を設け、下型キャビティブロック53をフローティングさせて基板70のバラツキを吸収する機構を設けてもよい。この機構において、カルブロック25に本発明のフローティング機構を設ければ、BGA等の基板のように厚さ寸法にバラツキがあっても、本発明と同等の効果をもたらすことができる。
【0038】
本実施形態で2次型締め力のより良い効果を得るために、下型キャビティブロック53をフローティングさせている皿バネ58等のバネ部材のシフト量を規制(例えば0.05mm以内等)するとともに、バネ力を1次型締め時の基板クランプ力と同程度にする等の変更を行ってもよい。
【0039】
以上、詳細な説明を行うために実施形態を示しただけであり、その機構および位置関係等についても、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、適宣変更することは可能である。例えば、前述の実施形態では、前記第1および第2クランプ工程において、一気に所定圧力までクランプ力を上昇させたが、各工程を多段階で行ってもよく、また、樹脂の充填工程も多段階に分けて行ってもよい。
さらに、バネ部材を下型チェスのセンターブロックに取り付けることにより、センターブロックを対向方向に突き出すように付勢してもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、下型金型と上型金型との基板クランプ力を大きくすると、センターブロックおよびカルブロックのいずれかが引っ込み、基板のクランプを妨げることがない。また、基板クランプ力を小さくしても、センターブロックおよびカルブロックのいずれかがバネ力で押し出され、隙間が発生しない。この結果、基板クランプ力を必要に応じて調整できるので、基板の厚さ寸法にバラツキがあっても、型締めによる基板のダメージを無くし、カルフラッシュ等の樹脂バリを防止して歩留まりを改善できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる半導体封止装置の第1実施形態を示す全体正面図である。
【図2】本発明にかかる樹脂封止金型の型開き状態を示す工程説明図である。
【図3】図2に続く材料供給状態を示す工程説明図である。
【図4】図3に続く型締め途中を示す工程説明図である。
【図5】図4に続く1次型締め状態を示す工程説明図である。
【図6】図5に続く1次樹脂充填状態を示す工程説明図である。
【図7】図6に続く樹脂充填完了状態を示す工程説明図である。
【図8】図7に続く樹脂封止後の型開き状態を示す工程説明図である。
【図9】本発明にかかる第1実施形態のカル摺動部を示す中心断面図である。
【図10】本発明にかかる第2実施形態の樹脂封止金型の型開き状態を示す工程説明図である。
【図11】従来例にかかる樹脂封止金型の分解斜視図である。
【図12】図11で示した樹脂封止金型の分解断面図である。
【符号の説明】
10…上型モールドベース、11…嵌合凸部、12…ヒータ、
20…上型チェス(上型金型)、21…嵌合凹部、22…上型キャビティ、23…上型キャビティブロック、24…カル、25…カルブロック、26…ランナー、27…ゲート、
30…下型モールドベース、31…嵌合凸部、32…ヒータ、
50…下型チェス(下型金型)、51…嵌合凹部、52…基板搭載面、53…下型キャビティブロック、54…位置決めピン、55…ポット、56…センターブロック、57…プランジャチップ、58…皿バネ、
60…タブレット、
70…基板、71…電子部品、72…ワイヤ、
80…製品、81…スリーブ、82…皿バネ、83…ワッシャ、84…ボルト、85…段付きピン、
100…樹脂封止装置、101…タイバー、102…可動プラテン、103…上固定プラテン、104…下固定プラテン、105…サーボモータ、106…プーリ、107…タイミングベルト、108…プーリ、109…ボールネジ、110…ボールネジのナット、111…トグル機構。

Claims (4)

  1. 上型モールドセットの下面に配置した上型金型と、下型モールドセットの上面に配置した下型金型とで基板を挟持すると共にキャビティを形成し、下型モールドセットに位置するプランジャチップを突き出して封止用固形樹脂を流動体化して前記キャビティへ充填し、前記基板の表面に実装した電子部品を樹脂封止する樹脂封止金型において、
    前記封止用固形樹脂を流動体化するために下型金型に設けられたポットと対向するようにカルブロックを前記上型金型に摺動自在に設けるとともに、前記カルブロックを前記上金型に脱落防止用位置規制手段を介して着脱可能に支持する一方、前記カルブロックのカルの直上に位置し、かつ、前記上型金型の天井面に固定したボルトに挿通されて脱落しないように支持されたバネ部材からなる摺動部で、前記カルブロックを前記ポットとの対向方向に突き出すように付勢したことを特徴とする樹脂封止金型。
  2. 上型モールドセットの下面に配置した上型金型と、下型モールドセットの上面に配置した下型金型とで基板を挟持すると共にキャビティを形成し、前記モールドセットのいずれか一方に位置するプランジャチップを突き出して封止用固形樹脂を流動体化して前記キャビティへ充填し、前記基板の表面に実装した電子部品を樹脂封止する樹脂封止方法において、
    前記請求項1に記載の樹脂封止金型を使用することにより、前記基板のクランプを、前記電子部品に前記基板の変形を原因とする不具合を生じさせない程度の基板クランプ力で行う第1クランプ工程と、前記キャビティ内への樹脂の充填を、前記電子部品をほぼ被覆する程度まで行う第1樹脂充填工程と、前記基板のクランプを最終基板クランプ力で行う第2クランプ工程と、前記キャビティ内への樹脂の充填を完了する第2樹脂充填工程とからなることを特徴とする樹脂封止方法。
  3. 第1クランプ工程では、最終基板クランプ力の20〜60%の力でクランプし、前記第1樹脂充填工程では、樹脂充填量を充填完了時の60〜90%まで充填することを特徴とする請求項に記載の樹脂封止方法。
  4. 上型モールドセットの下面に配置した上型金型と、下型モールドセットの上面に配置した下型金型とで基板を挟持すると共にキャビティを形成し、前記モールドセットのいずれか一方に位置するプランジャチップを突き出して封止用固形樹脂を流動体化して前記キャビティへ充填し、前記基板の表面に実装した電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置において、
    前記請求項1に記載の樹脂封止金型を使用するとともに、前記下型モールドセットを移動し、前記電子部品に前記基板の変形を原因とする不具合を生じさせない程度のクランプ力と、最終基板クランプ力とで前記基板を段階的にクランプする駆動機構を有することを特徴とする樹脂封止装置。
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