JP3609924B2 - 希土類元素添加光ファイバおよびそれを用いた広帯域光ファイハ増幅器 - Google Patents
希土類元素添加光ファイバおよびそれを用いた広帯域光ファイハ増幅器 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長多重伝送用に適した希土類元素を添加した光ファイバおよびそれを用いた広帯域光ファイバ増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、波長多重伝送(WDM)技術の研究開発の活発化に伴い、光ファイバ増幅器の広帯域化が重要な課題になってきた。広帯域光ファイバ増幅器としては、例えば、エルビウム(Er)を添加してアルミニウム(Al)を高濃度に共添加したコアを有する石英系ファイバを用い、波長0.98μmの励起光で励起させるように構成したEr−Al共添加光ファイバ増幅器がある。また、エルビウム(Er)とアルミニウム(Al)を共添加したコアを有する石英系ファイバと、エルビウム(Er)とアルミニウム(Al)とリン(P)を共添加したコアを有する石英系ファイバとをカスケ−ド接続した石英系ファイバを用い、励起光と信号光を伝搬させるように構成したハイブリッド光ファイバ増幅器がある。
【0003】
図9(a)〜(c)は、ハイブリッド光ファイバ増幅器の構成例を示す図である。(a)に示すように、エルビウム(Er)とアルミニウム(Al)を共添加したコア1を有する石英系ファイバ2の利得は、波長が1.53μm〜1.55μmとなる帯域で図示した傾向を有し、(b)に示すように、エルビウム(Er)とアルミニウム(Al)とリン(P)を共添加したコア3を有する石英系ファイバ4の利得は、波長が1.55μm〜1.57μmとなる帯域で図示した傾向を有する。ところが、(c)に示すように、これらの石英系ファイバ2、4をカスケ−ド接続した石英系ファイバ5の利得は、1.53μm〜1.57μmの波長にわたって高い値を示すようになり、これを用いたハイブリッド光ファイバ増幅器の広帯域化を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の広帯域光ファイバ増幅器によると、以下のような問題点がある。上述した前者のEr−Al共添加光ファイバ増幅器では、微小入力信号時の1dB帯域幅が15nm程度であり、30nm程度の1dB帯域幅を実現することが極めて困難である。また、上述した後者のハイブリッド光ファイバ増幅器では、1dB帯域幅をEr−Al共添加光ファイバ増幅器よりも広くすることができるが、2種類の石英系ファイバをカスケ−ド接続しなければならないので、構成が複雑であると共に、部品数や工数の増加によりコスト高となる。さらに、カスケ−ド接続部での接続損失による雑音指数の劣化を招く。
【0005】
また、高利得で広帯域特性を実現するためには、2種類の石英系ファイバの長さが少なくとも15mを必要とするが、これらをカスケ−ド接続すると少なくとも30mとなるため、励起光のパワ−を大きくしていかなければならない。このためには、高出力励起用半導体レーザが必要となるが、価格が高くなると共に、消費電力が大きくなる。従って、本発明の目的は、高利得、広帯域、低雑音指数特性を有し、かつ、低消費電力、低コストである希土類元素添加光ファイバおよびそれを用いた広帯域光ファイバ増幅器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を実現するため、請求項1に係る発明は、屈折率ncの円形断面形状のクラッドの略中心に、直径Dの高屈折率n01(n01>nc)のエルビウム(Er)とリン(P)とアルミニウム(Al)を共添加した石英ガラス(SiO2)で成る第1のコアを有し、前記第1のコアの外周に、厚さS1の低屈折率nm1(nm1<n01)の第1の中間層を有し、前記第1の中間層の外周に、厚さWの高屈折率n02(n02≧n01)のエルビウム(Er)とアルミニウム(Al)とゲルマニウム(Ge)を共添加した石英ガラス(SiO2)で成る第2のコアを有し、前記第2のコアの外周に、厚さS2の低屈折率nm2(nm2<n02)の第2の中間層を有する希土類元素添加光ファイバであって、第1のコアの熱膨張係数は第1の中間層の熱膨張係数より大きく、第1の中間層の熱膨張係数は第2のコアの熱膨張係数より大きく、第2のコアの熱膨張係数は第2の中間層の熱膨張係数より大きい希土類元素添加光ファイバである。
【0007】
上記構成によれば、1つの光ファイバ断面内に信号光および励起光の伝搬する2つのコア領域を持っているので、信号光および励起光を各コア領域に略均等に分配して伝搬させることができ、波長多重数が8波、16波、32波、64波と増えてもいっても、非線形効果を誘因するおそれがない。即ち、光ファイバの有効コア断面積を大きく取れる2つのコア領域を持った構造のため、非線形効果を誘因するおそれがない。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記第1および第2の中間層がリン(P)とフッ素(F)を添加した石英ガラス(SiO 2 )で成る請求項1に係る発明の希土 類元素添加光ファイバである。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記クラッドが、フッ素(F)を添加した石英ガラス(SiO 2 )で成る請求項2に係る発明の希土類元素添加光ファイバである。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記第1のコアが、チタン(Ti)を共添加した請求項1に係る発明の希土類元素添加光ファイバである。
【0011】
上記目的を実現するため、請求項5に係る発明は、屈折率ncのフッ素(F)を添加した石英ガラス(SiO2 )で成る円形断面形状のクラッドの略中心に、直径Dの高屈折率n01(n01>nc)のエルビウム(Er)とアルミニウム(Al)とゲルマニウム(Ge)を共添加した石英ガラス(SiO2)で成る第1のコアを有し、前記第1のコアの外周に、厚さS1の低屈折率nm1(nm1<n01)のリン(P)とフッ素(F)を添加した石英ガラス(SiO2)で成る第1の中間層を有し、前記第1の中間層の外周に、厚さWの高屈折率n02(n02≧n01)のエルビウム(Er)とリン(P)とアルミニウム(Al)を共添加した石英ガラス(SiO2)で成る第2のコアを有し、前記第2のコアの外周に、厚さS2の低屈折率nm2(nm2<n02)のリン(P)とフッ素(F)を添加した石英ガラス(SiO2)で成る第2の中間層を有する希土類元素添加光ファイバであって、第1のコアの熱膨張係数は第1の中間層の熱膨張係数より大きく、第1の中間層の熱膨張係数は第2のコアの熱膨張係数より大きく、第2のコアの熱膨張係数は第2の中間層の熱膨張係数より大きい希土類元素添加光ファイバである。
【0012】
更に、本発明は、上記目的を実現するため、0.98μm帯あるいは1.48μm帯の励起光を出射する励起光源と、請求項1に係る発明から請求項5に係る発明のいずれかの希土類元素添加光ファイバとを備え、前記希土類元素添加光ファイバに、前記合波器からの合波光を伝搬させ、前記希土類元素添加光ファイバの出力端側から、増幅された前記信号光を取り出すようにしたことを特徴とする広帯域光ファイバ増幅器を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1(a)は、本発明の希土類元素添加光ファイバの第1の実施形態を示す断面図であり、同図(b)は、その断面内の径方向の屈折強度分布を示す図である。この希土類元素添加光ファイバ10は、直径Dの円形状の第1のコア11の外周に、厚さS1の円環状の第1の中間層12が形成され、第1の中間層12の外周に、厚さWの円環状の第2のコア13が形成され、第2のコア13の外周に、厚さS2の円環状の第2の中間層14が形成され、第2の中間層14の外周に、円環状のクラッド15が形成された構成の、希土類元素添加多重リング型石英系ファイバである。
【0014】
クラッド15は、屈折率ncの石英ガラス(SiO2)で成る。第1のコア11は、高屈折率n01(n01>nc)のエルビウム(Er)とリン(P)とアルミニウム(Al)を共添加した石英ガラス(SiO2)で成る。第1の中間層12は、低屈折率nm1(nm1<n01)のリン(P)とフッ素(F)を添加した石英ガラス(SiO2)で成る。第2のコア13は、高屈折率n02(n02≧n01)のエルビウム(Er)とアルミニウム(Al)とゲルマニウム(Ge)を共添加した石英ガラス(SiO2)で成る。第2の中間層14は、低屈折率nm2(nm2<n02)のリン(P)とフッ素(F)を添加した石英ガラス(SiO2)で成る。
【0015】
第1のコア11とクラッド15との比屈折率差Δn1は、0.5%〜1.5%の範囲から選択する。第2のコア13とクラッド15との比屈折率差Δn1’は、0.5%〜1.7%の範囲から選択する。クラッド15と各中間層12、14との比屈折率差Δn2は、−0.1%〜−0.3%の範囲から選択する。
【0016】
以上のような屈折率および比屈折率差を得るために、各添加物の添加量は以下のような値が選択される。各コア11、13のエルビウム(Er)の添加量は、それぞれ200ppm〜1000ppmの範囲から選択するが、その添加量が多い程、短尺の光ファイバで高利得、低雑音指数が得られる点で有利である。各コア11、13のアルミニウム(Al)の添加量は、それぞれ0.5%〜4.0%の範囲から選択するが、その添加量が多い程、利得の波長特性の平坦化が得られる点で有利である。
【0017】
第1のコア11のリン(P)の添加量は、10mol%〜25mol%の範囲から選択するが、中心に位置する第1のコア11の熱膨張係数は、各中間層12、14および第2のコア13の熱膨張係数よりも僅かに大きくした方が製造し易くなる点で有利である。第2のコア13のゲルマニウム(Ge)の添加量は、6mol%〜15mol%の範囲から選択するが、第2のコア13の熱膨張係数は、第1のコア11の熱膨張係数よりも小さく、かつ、第1の中間層12の熱膨張係数よりも小さい方が好ましい。各中間層12、14のリン(P)の添加量は、8mol%を選択する。各中間層12、14のフッ素(F)の添加量は、2mol%〜3mol%を選択する。
【0018】
この希土類元素添加光ファイバ10の有効コア断面積を大きくし、かつ、各コア11、13内への信号光と励起光を略均等に分配するためには、クラッド15の径が125μmの場合、各コア11、13および各中間層12、14の径や厚さD、W、S1、S2は、次のような値が好ましい。即ち、Dは1μm〜2μm、Wは1μm〜2μm、S1およびS2は0.5μm〜3μmの範囲から選択する。このような構造パラメータにすることにより、有効コア断面積は100μm2〜140μm2とすることができる。これにより、波長多重数が8波、16波、32波、64波程度までは非線形効果の影響を小さく抑えることができる。また、この元素添加光ファイバ10を用いて光増幅器を構成すると、信号光および励起光は各コア11、13内に略均等に分配されて伝搬し、高効率で高利得な光増幅器を実現することができる。
【0019】
さらに、以下の理由により、利得の波長特性の平坦な光増幅器を得ることができる。即ち、第1のコア11内を伝搬した信号光および励起光は、1.55μm帯の短波長側(1.53μm付近)で高利得特性をもたらし、第2のコア13内を伝搬した信号光および励起光は、1.55μm帯の長波長側(1.56μm付近)で高利得特性をもたらす。そして、光ファイバの出射側では上記2つの利得特性の重畳した特性となり、波長1.53μm〜1.56μmにわたって利得の平坦な特性が得られる。また、熱膨張係数のミスマッチングによる光ファイバ母材および光ファイバの製造工程における割れ、あるいは、クラックの発生も抑えることができる。
【0020】
以上説明したように、本発明の希土類元素添加光ファイバの第1の実施形態は、基材として石英ガラスが用いられており、それに各種添加物が添加されて所定の特性を得るようにしたものである。ここで、図2は、石英ガラスに各種添加物を添加したときの屈折率と添加物濃度(mol%)との関係を示す図である。また、図3は、石英ガラスに各種添加物を添加したときの熱膨張係数と添加物濃度(mol%)との関係を示す図である。各図から明らかなように、石英ガラスに所定の添加物を添加することにより、その屈折率及び熱膨張係数を変化させることができる。
【0021】
図4(a)は、本発明の希土類元素添加光ファイバの第2の実施形態を示す断面図であり、同図(b)は、その断面内の径方向の屈折強度分布を示す図である。この希土類元素添加光ファイバ20は、クラッド25にフッ素(F)を添加した石英ガラス(SiO2)を用いた点が、第1の実施形態の希土類元素添加光ファイバ10と異なる。クラッド25のフッ素(F)の添加量は、1mol%を選択する。
【0022】
石英ガラス(SiO2)中にフッ素(F)を添加した場合には、屈折率を低くすることができるが、熱膨張係数はほとんど変わらない。したがって、各コア21、23および各中間層22、24の熱膨張係数を略近い値となるように構成することができる。これにより、光ファイバ母材および光ファイバの製造工程における割れ、あるいは、クラックの発生を防止することができる。尚、各中間層22、24およびクラッド25のフッ素(F)の添加は、各層をVAD(Vapor phase Axial Deposition)法によって形成し、それらの層を焼結する際に、フッ素(F)系のガスを流すことにより実現することができる。
【0023】
図5(a)は、本発明の希土類元素添加光ファイバの第3の実施形態を示す断面図であり、同図(b)は、その断面内の径方向の屈折強度分布を示す図である。この元素添加光ファイバ30は、第1のコア31の屈折率n01と第2のコア33の屈折率n02を略等しくするために、第1のコア31にチタン(Ti)を微量添加して屈折率と熱膨張係数を制御した点が、第1の実施形態の希土類元素添加光ファイバ10と異なる。第1のコア31の屈折率n01をリン(P)のみで大きくしようとすると、リン(P)を多量に添加しなければならない。しかし、リン(P)を多量に添加すると、吸湿性の点で問題となり、その脱OH基化および母材の信頼性の点で課題が生じる。そこで、リン(P)の添加量を抑え、代わりにチタン(Ti)を微量添加して屈折率を制御している。
【0024】
図6(a)は、本発明の希土類元素添加光ファイバの第4の実施形態を示す断面図であり、同図(b)は、その断面内の径方向の屈折強度分布を示す図である。この希土類元素添加光ファイバ40は、図3に示す希土類元素添加光ファイバ30の第1のコア31の材質と第2のコア33の材質を入れ替えた構成の、第1のコア41および第2のコア43を有する構成となっている。即ち、第1のコア41は、エルビウム(Er)とアルミニウム(Al)とゲルマニウム(Ge)を共添加した石英ガラス(SiO2)で成る。第2のコア43は、エルビウム(Er)とリン(P)とアルミニウム(Al)とチタン(Ti)を共添加した石英ガラス(SiO2)で成る。各コア11、13および各中間層22、24の熱膨張係数が略近い値となるように、あるいは、中心の第1のコア41の熱膨張係数が最も大きく、第1の中間層42、第2のコア43、第2の中間層44と移るにしたがって熱膨張係数が少しずつ小さくなるように構成されている。
【0025】
尚、上述した各実施形態において、各中間層12、14、22、24、32、34は、その屈折率が各コア11、13、21、23、31、33の屈折率よりも小さく、熱膨張係数が略等しくなるように構成すれば良く、例えばフッ素(F)およびリン(P)の代わりにボロン(B)を添加しても良く、さらにボロン(B)およびリン(P)を添加しても良い。
【0026】
図7は、本発明の希土類元素添加光ファイバを用いた広帯域光ファイバ増幅器の第1の実施形態を示すブロック構成図である。この広帯域光ファイバ増幅器100は、前方向励起の場合の広帯域光ファイバ増幅器であり、上述した各実施形態の希土類元素添加光ファイバ10、20、30、40に、波長多重された信号光と励起光が伝搬されるように構成されている。信号光SLは、入力側の光ファイバ(シングルモード光ファイバ、分散シフト光ファイバ、あるいは、波長多重伝送用光ファイバ)101内を伝搬し、光アイソレータ102、WDMカプラ103を通して希土類元素添加光ファイバ104内に図示矢印aのように入力される。
【0027】
また、励起光源(波長0.98μm、あるいは、1.48μm帯)106からの励起光WLは、WDMカプラ103で合波されて希土類元素添加光ファイバ104内に図示矢印bのように入力される。そして、希土類元素添加光ファイバ104内を伝搬した励起光WLにより、信号光SLは増幅されて図示矢印cのように出力され、WDMカプラ107、光アイソレータ108を通して出力側の光ファイバ109内を伝搬して図示矢印dのように出力される。
【0028】
図8は、本発明の希土類元素添加光ファイバを用いた広帯域光ファイバ増幅器の第2の実施形態を示すブロック構成図である。この広帯域光ファイバ増幅器200は、前方向励起の場合の広帯域光ファイバ増幅器であり、上述した各実施形態の希土類元素添加光ファイバ10、20、30、40に、波長多重された信号光と励起光が伝搬されるように構成されている。信号光SLは、入力側の光ファイバ(シングルモード光ファイバ、分散シフト光ファイバ、あるいは、波長多重伝送用光ファイバ)101内を伝搬し、光アイソレータ102、WDMカプラ103を通して希土類元素添加光ファイバ104内に図示矢印aのように入力される。
【0029】
また、励起光源(波長0.98μm、あるいは、1.48μm帯)106からの励起光WLは、WDMカプラ103で合流されて希土類元素添加光ファイバ104内に図示矢印bのように入力される。さらに、励起光源(波長0.98μm、あるいは、1.48μm帯)201からの励起光WL’も、WDMカプラ103で合流されて希土類元素添加光ファイバ104内に図示矢印eのように入力される。そして、希土類元素添加光ファイバ104内を伝搬した励起光WLおよびWL’により、信号光SLは増幅されて図示矢印cのように出力され、WDMカプラ107、光アイソレータ108を通して出力側の光ファイバ109内を図示矢印dのように伝搬して出力される。
【0030】
以上のような動作により、波長1.53μm〜1.56μmまでの波長多重された信号光SLを少なくとも30dBの利得で略一様に増幅することができる。例えば、波長1.53μm〜1.56μmまでの信号光SLを0.8nm間隔で少なくとも32チャンネル、波長多重伝送した信号光SLを略一様な利得で増幅して出力させることができる。しかも、この希土類元素添加光ファイバは、有効コア断面積を100μm2 以上に大きくすることができるので、波長多重数が増大していっても、非線形効果による波形劣化の問題が生じることはない。
【0031】
上述した各実施形態により、以下の効果を得ることができる。1つの光ファイバ断面内に2つの光伝搬部分を合わせ持っているので、従来の2種類の光ファイバのハイブリッドカスケード接続型に比べ、低損失な光ファイバとすることができる。その結果、高利得、低雑音指数、低消費電力特性を持った光増幅器を低コストで実現することができる。各コアおよび中間層に熱膨張係数制御用ドーパントを添加して、各コアおよび中間層の熱膨張係数のバランスを取って多重リング構造を構成しているので、製造が容易で、製造中のクラックや割れが無く、また、屈折率の制御も兼ねているので、有効コア断面積を100μm2〜140μm2の範囲とすることができる。1種類の光ファイバで光増幅器を構成することができるので、光増幅器で問題となる光ファイバ同士の接続部からの反射光の影響を無視することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、高利得、広帯域、低雑音指数特性を有し、かつ、低消費電力、低コストとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の希土類元素添加光ファイバの第1の実施形態を示す断面図、および、その断面内の径方向の屈折強度分布を示す図である。
【図2】石英ガラスに各種添加物を添加したときの屈折率と添加物濃度(mol%)との関係を示す図である。
【図3】石英ガラスに各種添加物を添加したときの熱膨張係数と添加物濃度(mol%)との関係を示す図である。
【図4】本発明の希土類元素添加光ファイバの第2の実施形態を示す断面図、および、その断面内の径方向の屈折強度分布を示す図である。
【図5】本発明の希土類元素添加光ファイバの第3の実施形態を示す断面図、および、その断面内の径方向の屈折強度分布を示す図である。
【図6】本発明の希土類元素添加光ファイバの第4の実施形態を示す断面図、および、その断面内の径方向の屈折強度分布を示す図である。
【図7】本発明の希土類元素添加光ファイバを用いた広帯域光ファイバ増幅器の第1の実施形態を示すブロック構成図である。
【図8】本発明の希土類元素添加光ファイバを用いた広帯域光ファイバ増幅器の第2の実施形態を示すブロック構成図である。
【図9】従来の希土類元素添加光ファイバの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,104,希土類元素添加光ファイバ
11,21,31,41,第1のコア
12,22,32,42,第1の中間層
13,23,33,43,第2のコア
14,24,34,44,第2の中間層
15,25,35,45,クラッド
100,200,広帯域光ファイバ増幅器
101,入力側の光ファイバ
102,光アイソレータ
103,WDMカプラ
106,励起光源
107,WDMカプラ
108,光アイソレータ
109,出力側の光ファイバ
201,励起光源
Claims (6)
- 屈折率ncの円形断面形状のクラッドの略中心に、直径Dの高屈折率n01(n01>nc)のエルビウム(Er)とリン(P)とアルミニウム(Al)を共添加した石英ガラス(SiO2)で成る第1のコアを有し、
前記第1のコアの外周に、厚さS1の低屈折率nm1(nm1<n01)の第1の中間層を有し、
前記第1の中間層の外周に、厚さWの高屈折率n02(n02≧n01)のエルビウム(Er)とアルミニウム(Al)とゲルマニウム(Ge)を共添加した石英ガラス(SiO2)で成る第2のコアを有し、
前記第2のコアの外周に、厚さS2の低屈折率nm2(nm2<n02)の第2の中間層を有する希土類元素添加光ファイバであって、
第1のコアの熱膨張係数は第1の中間層の熱膨張係数より大きく、第1の中間層の熱膨張係数は第2のコアの熱膨張係数より大きく、第2のコアの熱膨張係数は第2の中間層の熱膨張係数より大きい希土類元素添加光ファイバ。 - 前記第1および第2の中間層が、リン(P)とフッ素(F)を添加した石英ガラス(SiO2)で成る請求項1に記載の希土類元素添加光ファイバ。
- 前記クラッドが、フッ素(F)を添加した石英ガラス(SiO2)で成る請求項2に記載の希土類元素添加光ファイバ。
- 前記第1のコアが、チタン(Ti)を共添加した請求項1に記載の希土類元素添加光ファイバ。
- 屈折率ncのフッ素(F)を添加した石英ガラス(SiO2)で成る円形断面形状のクラッドの略中心に、直径Dの高屈折率n01(n01>nc)のエルビウム(Er)とアルミニウム(Al)とゲルマニウム(Ge)を共添加した石英ガラス(SiO2)で成る第1のコアを有し、
前記第1のコアの外周に、厚さS1の低屈折率nm1(nm1<n01)のリン(P)とフッ素(F)を添加した石英ガラス(SiO2)で成る第1の中間層を有し、
前記第1の中間層の外周に、厚さWの高屈折率n02(n02≧n01)のエルビウム(Er)とリン(P)とアルミニウム(Al)を共添加した石英ガラス(SiO2)で成る第2のコアを有し、
前記第2のコアの外周に、厚さS2の低屈折率nm2(nm2<n02)のリン(P)とフッ素(F)を添加した石英ガラス(SiO2)で成る第2の中間層を有する希土類元素添加光ファイバであって、
第1のコアの熱膨張係数は第1の中間層の熱膨張係数より大きく、第1の中間層の熱膨張係数は第2のコアの熱膨張係数より大きく、第2のコアの熱膨張係数は第2の中間層の熱膨張係数より大きい希土類元素添加光ファイバ。 - 0.98μm帯あるいは1.48μm帯の励起光を出射する励起光源と、1.5μm帯の信号光と前記励起光源から出射される励起光を合波させる合波器と、請求項1から5のいずれかに記載の希土類元素添加光ファイバとを備え、
前記希土類元素添加光ファイバに、前記合波器からの合波光を伝搬させ、前記希土類元素添加光ファイバの出力端側から、増幅された前記信号光を取り出すようにしたことを特徴とする広帯域光ファイバ増幅器。
Priority Applications (1)
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