JP3602965B2 - 非接触三次元測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、CCDカメラ等の撮像手段でワークを撮像して得られた画像から被測定対象の輪郭形状等を測定する非接触画像測定機能と、ワークの測定面との距離を変位量として非接触に検出する非接触変位検出機能とを備えた非接触三次元測定装置を用いてICパッケージのような精密部品の測定を行う際に有効な非接触三次元測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、精密部品の輪郭形状の測定等に画像測定装置が使用されている。画像測定装置は、測定すべきワークをCCDカメラを用いて任意の拡大率で撮像し、得られた二次元画像からエッジを検出し、種々の計測ツールを用いて必要な箇所の座標値を求めるものである。この画像測定装置でワークの高さ方向も含めた三次元測定を行う場合には、測定面の画像のコントラストから合焦判定を行って、この合焦位置を高さ方向の位置とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
LSIパッケージのような微細構造の実装部品は、パッケージの製造品質が歩留まりを決定する大きな要因となる。このため、パッケージの各部を高精度に測定できる装置が望まれている。従来の画像測定装置では、オートフォーカスによって高さ方向(Z軸方向)の位置を測定するようにしているので、測定したい箇所が必ずXY平面に平行でなければならないという制約があり、また、オートフォーカスで測定されるのは、設定した領域の平均的な値でしかない。従って、Z軸方向の細かい凹凸を測るような輪郭形状測定又は表面粗さ測定はできなかった。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ワークの測定箇所が傾いたり、微細な凹凸であって高精度に三次元測定することができる非接触三次元測定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る非接触三次元測定方法は、ワークを撮像して画像測定用の二次元画像情報を出力する撮像手段及び前記ワーク上の所定の測定点との距離を変位量として検出可能な非接触変位計とを備えた撮像ユニットを測定三次元空間内で移動させることにより三次元点列データを得る非接触三次元測定方法であって、前記撮像手段を用いてワークを画像測定してワークの位置を確認するステップと、この位置に基づいて前記非接触変位計を所定の測定開始点に移動させたのち、指定された測定軌道に沿って倣い測定を実行することにより三次元の点列データを取得するステップと、このステップで得られた点列データに対してトレンド補正を実行するステップと、このステップでトレンド補正された三次元データを二次元データに変換するステップと、このステップで得られた二次元データに定ピッチ化処理を施すステップと、このステップで定ピッチ化された二次元データにフィルタ処理を施すステップとを備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、撮像手段で得られた二次元画像情報を用いて指定された測定軌道に沿って非接触変位計がワークの変位量を倣い測定していくので、ワークが傾いても、それが測定精度に与える影響は少なく、精度の良い三次元点列データを得ることができる。この三次元点列データに対してトレンド補正を施すことで、その後の処理が簡単になる。また、この発明によれば、得られたデータが三次元点列データであるため、フィルタ処理等が困難になることが考えられるが、フィルタ処理等を可能にするために、トレンド補正された三次元データが二次元データに変換され定ピッチ化処理される。従って、この発明によれば、フィルタ処理された二次元データを用いてZ軸方向の細かい凹凸や輪郭形状解析、表面粗さ解析等の所定の解析処理を実行することが容易になる。
【0007】
例えば得られた点列データに対してフィルタ処理のみを施す場合には、フィルタ処理が施された二次元データをもとのピッチに戻すステップと、このステップでもとのピッチに戻った二次元データを三次元データに戻すステップと、このステップで得られた三次元データに逆トレンド補正を施すステップとを更に備えるようにすることにより、もとのデータにフィルタ処理のみが施された点列データを得ることができる。
【0008】
また、前記フィルタ処理が施された二次元データに対して任意の解析処理を施すステップを更に備えるようにしても良い。例えばICパッケージからなるワークのランドグリッドアレイやボールグリッドアレイの平面度を測定する場合には、フィルタ処理が施された二次元データの複数の頂点部又は谷底部のデータを抽出するステップと、このステップで抽出されたデータを二次元データから三次元データへ変換するステップと、このステップで得られた三次元データから前記ランドグリッドアレイ又はボールグリッドアレイの平面度を算出するステップとを備えるようにすればよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、この発明の一実施例に係る非接触三次元測定装置の全体構成を示す斜視図である。
この装置は、非接触画像測定機能と非接触変位測定機能とを備えた三次元測定機1と、この三次元測定機1を駆動制御すると共に、必要なデータ処理を実行するコンピュータシステム2とにより構成されている。
【0010】
三次元測定機1は、次のように構成されている。即ち、架台11上には、被測定対象であるワーク12を載置する測定テーブル13が装着されており、この測定テーブル13は、図示しないY軸駆動機構によってY軸方向に駆動される。架台11の両側縁中央部には上方に延びる支持アーム14,15が固定されており、この支持アーム14,15の両上端部を連結するようにX軸ガイド16が固定されている。このX軸ガイド16には、撮像ユニット17が支持されている。撮像ユニット17は、図示しないX軸駆動機構によってX軸ガイド16に沿って駆動される。コンピュータシステム2は、計測情報処理及び各種制御を司るコンピュータ21と、各種指示情報を入力するキーボード22、ジョイスティックボックス23及びマウス24と、計測画面、指示画面及び計測結果を表示するCRTディスプレイ25と、計測結果をプリントアウトするプリンタ26とを備えて構成されている。
【0011】
撮像ユニット17の内部は、図2に示すように構成されている。即ち、X軸ガイド16に沿って移動可能にスライダ31が設けられ、スライダ31に一体にZ軸ガイド32が固定されている。このZ軸ガイド32には、支持板33がZ軸方向に摺動自在に設けられ、この支持板33に、画像測定用の撮像手段であるCCDカメラ34と、非接触変位計であるレーザプローブ35とが併設されている。これにより、CCDカメラ34とレーザプローブ35とは、一定の位置関係を保ってX,Y,Zの3軸方向に同時に移動できるようになっている。CCDカメラ34には、撮像範囲を照明するための照明装置36が付加されている。レーザプローブ35の近傍位置には、レーザプローブ35のレーザビームによる測定位置を確認するために、測定位置の周辺を撮像するCCDカメラ38と、レーザプローブ35の測定位置を照明するための照明装置39とが設けられている。レーザプローブ35は、撮像ユニット17の移動の際にレーザプローブ35を退避するための上下動機構40と、レーザビームの方向性を最適な方向に適合させるための回転機構41とにより支持されている。
【0012】
図3は、レーザプローブ35の詳細を示す図である。
半導体レーザ51から放射された光は、ビームスプリッタ52及び1/4波長板53を介したのち、コリメートレンズ54によって平行光線とされ、ミラー55,56及び対物レンズ57を介してワーク12の測定部に光スポットを形成する。ワーク12の測定部から反射された光は、ミラー56,55、コリメートレンズ54及び1/4波長板53の逆経路を辿ってビームスプリッタ52で反射され、エッジミラー58で上下に二分割される。上下に分割された光は、上下に配置された2分割受光素子59,60で検出される。検出回路61は、2分割受光素子59,60からの出力信号をもとに対物レンズ57の焦点位置からワーク12の測定面62までのずれ量に応じた信号を出力する。サーボ回路63は、検出回路61の検出出力に基づいて駆動機構64に対物レンズ57の駆動のための駆動信号を出力する。対物レンズ57が上下動すると、変位検出器66の可動部材67が固定部材68に対して移動する。この移動量が変位量として出力される。
【0013】
図4には、三次元測定機1及びコンピュータシステム2の構成を更に詳細に示した装置全体のブロック図が示されている。
三次元測定機1において、画像測定用のCCDカメラ34及びレーザプローブ35の測定位置確認用のCCDカメラ35でワーク12を撮像して得られた画像信号は、それぞれA/D変換器71,72で多値画像データに変換されたのち、選択回路73によっていずれか一方が選択されてコンピュータ21に供給される。CCDカメラ34,38の撮像に必要な照明光は、コンピュータ21の制御に基づき、照明制御部74,75が照明装置36,39をそれぞれ制御することにより与えられる。レーザプローブ35から得られた変位量の信号は、A/D変換器76を介してコンピュータ21に供給される。そして、これらを含む撮像ユニット17が、コンピュータ21の制御に基づいて動作するXYZ軸駆動部77によってXYZ軸方向に駆動される。撮像ユニット17のXYZ軸方向の位置は、XYZ軸エンコーダ78によって検出され、コンピュータ21に供給される。
【0014】
一方、コンピュータ21は、制御の中心をなすCPU81と、このCPU81に接続される多値画像メモリ82、プログラム記憶部83、ワークメモリ84及びインタフェース85,86と、多値画像メモリ81に記憶された多値画像データをCRTディスプレイ25に表示するための表示制御部87とにより構成されている。CPU81は、画像測定モードとレーザ測定モードとで選択回路73を切り換える。選択回路73で選択された画像測定用の多値画像データ又はレーザ測定用の多値画像データは、多値画像メモリ82に格納される。多値画像メモリ82に格納された多値画像データは、表示制御部87の表示制御動作によってCRTディスプレイ25に表示される。一方、キーボード22,ジョイスティック23及びマウス24から入力されるオペレータの指示情報は、インタフェース85を介してCPU81に入力される。また、CPU81には、レーザプローブ35で検出された変位量やXYZ軸エンコーダ78からのXYZ座標情報等を取り込む。CPU81は、これらの入力情報、オペレータの指示及びプログラム記憶部83に格納されたプログラムに基づいて、XYZ軸駆動部77によるステージ移動、測定値の演算処理等の各種の処理を実行する。ワークメモリ84は、CPU81の各種処理のための作業領域を提供する。測定値は、インタフェース86を介してプリンタ26に出力される。
【0015】
次に、このように構成された本実施例に係る非接触三次元測定装置の測定処理及びデータ処理について説明する。この装置では、画像測定モードとレーザ測定モードとを備えている。画像測定モードでは、従来の画像測定装置と同様の動作がなされるので、ここでばレーザ測定モードについて説明する。
【0016】
図5は、レーザ測定モードによる倣い測定の手順を示すフローチャートである。まず、画像測定用画像とレーザプローブ35の校正を行う(S1)。即ち、三次元測定機1のステージ13上に、図6に示すようなCCDカメラ34及びレーザプローブ35で測定可能な平行でない2本の直線成分L1,L2を含む治具91を載置する。この治具91は、例えば基板92上に所定幅hの台形パターン93を配置したようなものでよい。CCDカメラ34及びレーザプローブ35によりZ軸方向の投影面内で直線L1,L2をそれぞれ測定してこれら直線の方程式をそれぞれ求め、得られた式を演算処理することにより、CCDカメラ34及びレーザプローブ35の各座標軸間のオフセット値を求め、このオフセット値をCCDカメラ34及びレーザプローブ35の位置校正データとして用いる。
【0017】
校正処理が終了したら、次に、ワーク12を画像測定してワーク12の位置を確認し、レーザプローブ35による測定点を測定開始点に移動する(S2)。画像測定の際には、レーザプローブ35がワーク12と干渉する可能性があるので、画像測定中は、上下動機構40によってレーザプローブ35を上に退避させる。制御は例えばエアーシリンダにより行われる。次にレーザ測定モードを選択すると(S3)、選択回路73が切り替わり、CRTディスプレイ25の画面はCCDカメラ34からレーザ測定用のCCDカメラ38の画面となる。この画面により、レーザプローブ36からのレーザビームスポットの位置(測定位置)を確認する(S4)。ここで、ジョイスティック23やマウス24等を使用してビームスポットの位置を微調整することもできる。なお、CCDカメラ38は、レーザビームスポットが正しくワーク12上の目標位置に当たっているかどうかを確認するためのものであるから、その画像データは測定には使用しない。このため、画像測定用のCCDカメラ34のように高精細なものである必要はない。また、レーザの光だけでは、レーザスポットの位置だけが明るく見え、その周りは暗くなってきれいな画像が得られないので、専用の照明装置39に切り換える。勿論、CCDカメラ38及び照明装置39をCCDカメラ34及び照明装置36と兼用することも可能である。
【0018】
次に、倣い測定の経路を与えるため、測定ツールを選択し、必要なパラメータを設定する(S5)。測定ツールとしては、例えば図7に示すようなものが考えられる。
(a)点ツール
現在の測定点(黒丸)のX,Y,Z座標値を測定する。
(b)直線ツール
終点位置Peを与えて、現在の測定点から終点Peまでの直線上を倣い測定する。
(c)領域ツール
領域検索の幅W、高さH、ピッチPT1,PT2を与えて、現在の測定点から指定領域内を指定ピッチで往復運動しながら倣い測定する。
(d)円ツール
半径R、ピッチPT、開始角度θを与えて、現在の測定点から同心円上を倣い測定する。
(e)長方形ツール
幅Wと高さHを与えて、長方形に沿って倣い測定する。
(f)クロスツール
互いに直交する2つの線分の長さL1,L2を与えて、十字上を倣い測定する。
(g)螺旋ツール
最大半径R及びピッチRT(1回転で増加する半径値)を与えて、螺旋状を倣い測定する。
(h)フォーカスツール
現在位置で単にフォーカスをとる。
【0019】
測定ツールが選択され、必要なパラメータが設定されたら、倣い測定を実行する(S6)。レーザプローブ35の変位検出精度には、若干の方向性がある。このため、軌道に沿って輪郭や表面粗さを測定するときは、この軌道の進む方向に対してレーザプローブ35が最適な方向を向くように、レーザプローブ35を回転機構41によって回転させる。円軌道や螺旋軌道に沿って測定する場合には、レーザプローブ35を回転させながら測定するとより効果的である。
【0020】
倣い測定に際しては、レーザプローブ35の測定範囲内、例えば±0.5mmの範囲を超えてZ軸方向の座標値が得られるよう、例えば図8に示すように、レーザプローブ35からの変位量に基づいてXYZ軸駆動部77を駆動して、撮像ユニット17のZ軸方向位置を上下させる。これにより、レーザプローブ35の合焦位置が常に測定範囲の中心になるように制御する。この場合、XYZ軸エンコーダ78で得られるZ軸座標値がZ軸方向の変位量となる。Z軸方向の位置制御が間に合わないような高速の測定を行うには、Z軸座標値をレーザプローブ35の変位量で補正して正しい変位量を算出すればよい。また、レーザプローブ35の測定範囲内の微小な表面粗さを計測する場合には、図9に示すように、レーザプローブ35のZ軸方向位置を固定して、レーザプローブ35内の対物レンズ57の駆動制御のみで対応することができ、この場合、更に高速な処理が可能であると共に、Z軸駆動による分解能(例えば0.1μm)よりも高分解能(例えば0.01μm)の測定が可能になる。このような倣い測定により、指定された測定軌道に沿って所定の間隔でZ軸方向の座標値がX,Y軸座標値と共に点列データとして求められ、これがワークメモリ84に格納される。点列データが求められたら点列データの解析処理を実行する(S7)。
【0021】
次に、点列データの解析処理について説明する。従来の輪郭形状測定機や表面粗さ測定機は、二次元データであるのに対し、この非接触三次元測定装置で得られる輪郭形状測定データは、三次元データである。しかも、指定二次元軌道に沿った倣い測定を行うため、データ処理はより複雑化する。そこで、データ処理を簡単化するために、次のような点列データの解析処理を実行する。図10のフローチャート及び図11の波形図に基づいて、この点列データの解析処理について説明する。
【0022】
まず、ワーク12自体が傾いている場合があるので、点列データから平均面(直線の場合は平均線)を求めて、この面に対してデータのトレンド補正を実行する(S11)。これにより図11(a)に示すような傾いた点列データから同図(b)に示すトレンド補正された点列データが得られる。次に、測定軌道に沿って進行方向を第1軸方向、上記平均面の法線方向を第2軸方向として、三次元の点列データを二次元の点列データに変換する(S12)。これにより、図11(c)のようなデータが得られる。この点列データは、測定軌道に沿った加減速を伴う走査によって得られているので、定ピッチではない。定ピッチでないとFFT(高速フーリエ変換)や形状測定機などで通常使用されているガウシアン(Gaussian)フィルタ処理を実行することができないので、ここでは定ピッチ化処理を実行する(S13:図11(d))。次に、ガウシアンフィルタ処理を実行する(S14:図11(e))。そして、定ピッチ化されたデータをもとの位置(不定ピッチの位置)に戻す(S15:図11(f))。次に、ステップS12で変換された二次元データをもとの測定軌道位置(XY位置)上へ戻すための二次元→三次元変換を実行する(S16:図11(g)。最後に、ステップS11のデータトレンド補正により処理された傾きの補正をもとに戻し、本来ワーク12が傾いている方向へデータを変換する(S17:図11(h))。
【0023】
以上の処理により、三次元点列データのフィルタリングを容易に行うことができる。また、ステップS14の処理後のデータは、定ピッチでフィルタ処理された二次元データであるから、通常の輪郭形状測定機や表面粗さ測定機等で行われているような各種解析処理が可能になる。
【0024】
次にワーク12の一例としてLSIパッケージのLGA(Land Grid Array)及びBGL(Ball Grid Array)のコプラナリティ(平面度)を評価する手順について説明する。
図12は、ワーク12としてのLSIパッケージ101,102の各平面図及び縦断面図である。同図(a)のLGAを備えたLSIパッケージ101の場合、ランド103の高さを、また同図(b)のBGAを備えたLSIパッケージ102の場合、ボール104の頂点を、それぞれ領域ツールを用いて往復直線走査して点列データを得る。そして、得られた点列データに基づいて、図13に示すように、その頂点部又は谷底部のコプラナリティーを評価する。
【0025】
図14に、LGAのコプラナリティーを評価する手順を示す。
ここで、ステップS21のデータのトレンド補正からステップS24のガウシアンフィルタの実行までの処理は、図10で説明した処理と同様であるため、ここでは説明を割愛する。なお、この処理に必要なフィルタ定数等の設定は、例えば図15に示すようなパラメータ設定用ビュウワーを用いて行う。トレンド補正の有無やフィルタの高域、低域カットオフ周波数、演算条件等を設定することができる。
【0026】
図16には、LGAを走査して定ピッチ化された二次元点列データ(a)からフィルタ処理を実行して得られた二次元点列データ(b)が示されている。この点列データから、山谷検出アルゴリズムを用いて各谷(Land)の中心位置を抽出して点群データ(図16(c))を得る(S25)。山谷アルゴリズムは、図17に示すように、予め基準位置からの最低深さhと最低ピッチpを与え、最も谷の部分から最低深さhの範囲に存在する点列データが、最低ピッチpだけ続いているかどうかの条件判断によって谷部分を検出する。この方法は、設計値ファイルを持たなくても谷部を検出できるという利点がある。
【0027】
また、図18に示すように、ランドの横方向の数Nx、縦方向の数Ny、走査のスタート位置Stx,Sty、横方向のピッチPx、縦方向のピッチPyがそれぞれ設計データとして予め用意されている場合には、この設計データを用いて谷部の点群データを抽出するようにしても良い。
【0028】
この様な処理によって図16(c)に示すような点群データが得られたら、これを二次元点群データから三次元点群データに変換し(S26)、最後にコプラナリティーを算出する(S27)。
【0029】
同様に、BGAのコプラナリティーを評価する場合には、図19に示す処理を実行すればよい。データのトレンド補正(S31)からガウシアンフィルタの実行処理(S34)までは、図14のステップS21〜S24までの処理と同様であり、フィルタ処理後に、山谷検出アルゴリズムを用いて各ボールの頂点部を検出すればよい。この場合、最低高さhと、最低ピッチpとを与えて、条件に当てはまる山を検出することになる。抽出された点群データに対するその後の処理(S36,S37)も図14のステップS26,S27と同様である。
【0030】
但し、このBGA検出に当たっては、図20(a)に示すように、ボール104の頂点(最も高い部分)が円中心に位置しない場合もある。また、同図(b)に示すように、レーザプローブ35には、例えば±13°といった許容傾斜角があり、走査位置がずれることによってレーザビームの反射光が検出されず正しい測定ができなくなることがある。このような点に留意して、例えば図21(a)に示すように、ボール104の上面をジクザグ走査したり、同図(b)に示すように、螺旋走査することが望ましい。具体的には、例えば設計値又は画像測定により、各ボール104のXY座標を用意し、図22に示すように、許容傾斜角の範囲内であるa点において、ステージを停止し(レーザプローブ35のフォーカスサーチ)、パターンab間を図21に示したような頂点部走査パターンで測定する。bc間は、測定を行わずに高速移動する。なお、図23は、このようなグリッドアレイの走査の各パラメータや走査パターンを設定するための設定画面を示す図である。
【0031】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、指定された測定軌道に沿って非接触変位計がワークの変位量を倣い測定していくので、ワークが傾いても、それが測定精度に与える影響は少なく、精度の良い三次元点列データを得ることができる。この三次元点列データに対してトレンド補正を施すことで、その後の処理が簡単になる。また、この発明によれば、得られたデータが三次元点列データであるため、フィルタ処理等が困難になることが考えられるが、フィルタ処理等を可能にするために、トレンド補正された三次元データが二次元データに変換され定ピッチ化処理されるので、フィルタ処理された二次元データを用いてZ軸方向の細かい凹凸や輪郭形状解析、表面粗さ解析等の所定の解析処理を実行することが容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る非接触三次元画像測定装置の斜視図である。
【図2】同装置における撮像ユニットの内部の斜視図である。
【図3】同装置におけるレーザプローブの構成を示す図である。
【図4】同装置の全体ブロック図である。
【図5】同装置によるレーザ測定の手順を示すフローチャートである。
【図6】同装置における画像とレーザプローブの校正方法を説明するための図である。
【図7】同装置で使用される測定ツールの例を示す図である。
【図8】同装置の倣い測定の一例を説明するための図である。
【図9】同装置の倣い測定の他の例を説明するための図である。
【図10】同装置の点列データ解析処理のフローチャートである。
【図11】同解析処理を説明するための図である。
【図12】ワークの一例であるLSIパッケージを示す図である。
【図13】同パッケージのBGAのコプラナリティー測定を説明するための図である。
【図14】LGAコプラナリティー評価の手順を示すフローチャートである。
【図15】同評価を行うためのパラメータ設定画面を示す図である。
【図16】同評価処理の各時点で得られるデータを示す図である。
【図17】同評価処理で使用される山谷アルゴリズムを説明するための図である。
【図18】設計データを使用した同評価処理を説明するための図である。
【図19】BGAコプラナリティー評価の手順を示すフローチャートである。
【図20】BGAコプラナリティー評価の問題点を説明するための図である。
【図21】同問題点を解決するための走査方法で使用される頂点走査パターンの例を示す図である。
【図22】同走査方法の詳細を説明するための図である。
【図23】同走査方法を実現するためのパラメータ設定画面を示す図である。
【符号の説明】
1…三次元測定機、2…コンピュータシステム、11…架台、12…ワーク、13…測定テーブル、14,15…支持アーム、16…X軸ガイド、17…撮像ユニット、21…コンピュータ、22…キーボード、23…ジョイスティックボックス、24…マウス、25…CRTディスプレイ、26…プリンタ、34,38…CCDカメラ、35…レーザプローブ、36,39…照明装置。
Claims (4)
- ワークを撮像して画像測定用の二次元画像情報を出力する撮像手段及び前記ワーク上の所定の測定点との距離を変位量として検出可能な非接触変位計とを備えた撮像ユニットを測定三次元空間内で移動させることにより三次元点列データを得る非接触三次元測定方法であって、
前記撮像手段を用いてワークを画像測定してワークの位置を確認するステップと、
この位置に基づいて前記非接触変位計を所定の測定開始点に移動させたのち、指定された測定軌道に沿って倣い測定を実行することにより三次元の点列データを取得するステップと、
このステップで得られた点列データに対してトレンド補正を実行するステップと、
このステップでトレンド補正された三次元データを二次元データに変換するステップと、
このステップで得られた二次元データに定ピッチ化処理を施すステップと、
このステップで定ピッチ化された二次元データにフィルタ処理を施すステップと
を備えたことを特徴とする非接触三次元測定方法。 - 前記フィルタ処理が施された二次元データをもとのピッチに戻すステップと、
このステップでもとのピッチに戻った二次元データを三次元データに戻すステップと、
このステップで得られた三次元データに逆トレンド補正を施すステップと
を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の非接触三次元測定方法。 - 前記フィルタ処理が施された二次元データに対して任意の解析処理を施すステップを更に備えたことを特徴とする請求項1記載の非接触三次元測定方法。
- ICパッケージからなるワークを撮像して画像測定用の二次元画像情報を出力する撮像手段及び前記ワーク上の所定の測定点との距離を変位量として検出可能な非接触変位計とを備えた撮像ユニットを測定三次元空間内で移動させることにより三次元点列データを得、この三次元点列データに基づいて前記ICパッケージのランドグリッドアレイ又はボールグリッドアレイの平面度を測定する非接触三次元測定方法であって、
前記撮像手段を用いてワークを画像測定してワークの位置を確認するステップと、
この位置に基づいて前記非接触変位計を所定の測定開始点に移動させたのち、指定された測定軌道に沿って倣い測定を実行することにより三次元の点列データを取得するステップと、
このステップで得られた点列データに対してトレンド補正を実行するステップと、
このステップでトレンド補正された三次元データを二次元データに変換するステップと、
このステップで得られた二次元データに定ピッチ化処理を施すステップと、
このステップで定ピッチ化された二次元データにフィルタ処理を施すステップと、
このステップでフィルタ処理が施された二次元データの複数の頂点部又は谷底部のデータを抽出するステップと、
このステップで抽出されたデータを二次元データから三次元データへ変換するステップと、
このステップで得られた三次元データから前記ランドグリッドアレイ又はボールグリッドアレイの平面度を算出するステップと
を備えたことを特徴とする非接触三次元測定方法。
Priority Applications (1)
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JP16109798A JP3602965B2 (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 非接触三次元測定方法 |
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JP16109798A JP3602965B2 (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 非接触三次元測定方法 |
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JPH11351840A JPH11351840A (ja) | 1999-12-24 |
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