JP3699639B2 - 溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は溶接熱影響部(Heat Affected Zone:HAZ)靭性の優れた鋼材に関するものである。本発明の鋼材は、小入熱溶接から超大入熱溶接までの広範な溶接条件において良好なHAZ靭性を有するので、建築、橋梁、造船、ラインパイプ、建設機械、海洋構造物、タンクなどの各種溶接鋼構造物に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
HAZにおいては、溶融線に近づくほど溶接時の加熱温度は高くなり、特に溶融線近傍の1400℃以上に加熱される領域では加熱オーステナイト(γ)が著しく粗大化してしまい、冷却後のHAZ組織が粗大化して靭性が劣化する。この傾向は溶接入熱量が大きくなるほど顕著である。
【0003】
このような問題点を解決する手段として、特開昭60−245768号公報、特開昭60−152626号公報、特開昭63−210235号公報、特開平2−250917号公報、特開平1−73320号公報は、粗大なγ粒の内部に、Ti酸化物やTiNとMnSの複合析出物を核とした粒内変態フェライトを積極的に生成させ、HAZ靭性の向上を図ってきた。しかしながら、これらの技術によって製造された鋼も、溶接入熱量が20kJ/mmを超えるような大入熱溶接HAZにおいては十分な靭性を得ることは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、溶接入熱量が20kJ/mmを超えるような大入熱溶接においても、良好なHAZ靭性を有する鋼材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、溶接入熱量が20kJ/mmを超える大入熱溶接HAZ靭性の向上を狙いとして、▲1▼加熱γ粒成長抑制、▲2▼適性なTiとNの存在形態について鋭意研究し、新たな金属学的効果を知見して本発明に至った。
【0006】
本発明の要旨は、以下の通りである。
【0007】
(1) 質量%で、
C:0.03%〜0.2%、
Si:0.4%以下、
Mn:0.5〜2%、
P:0.015%以下、
S:0.006%以下、
Al:0.001〜0.03%、
Ti:0.007%〜0.02%、
Mg:0.0001%〜0.006%、
O:0.001〜0.004%、
N:0.0025〜0.006%を含有し、
Ca:0.004%以下、REM:0.003%以下の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる化学成分を有し、MgとAlからなる酸化物を内包する0.01以上0.5μm未満のTiNが10000個/mm 2 以上存在し、さらに、下記の(1)式で計算される有効Mg濃度が1以上であり、さらに、質量%を用いて下記の(2)式あるいは(3)式で計算される有効Ti量が−0.01%〜+0.005%の範囲としたことを特徴とする溶接熱影響部靭性の優れた鋼材。
有効Mg濃度=T.Mg−0.42×10-2×N×(%Mg)・ ・ ・ (1)
ただし、T.Mg:トータルMg濃度(質量ppm)
N:2〜5μmの酸化物の個数(個/mm2)
(%Mg):2〜5μmの酸化物中のMg濃度の平均値(質量%)
O−0.17×REM−0.4×Ca−0.66×Mg−0.89×Al≧0の場合、
有効Ti量=Ti−2×(O−0.17×REM−0.4×Ca−0.66×Mg−0.89×Al)−3.4×N ・ ・ ・ (2)
O−0.17×REM−0.4×Ca−0.66×Mg−0.89×Al<0の場合、
有効Ti量=Ti−3.4×N ・ ・ ・ (3)
【0008】
(2) 質量%で、さらに、
Cu:1.5%以下、
Ni:1.5%以下、
Mo:1%以下、
Cr:1%以下、
Nb:0.05%以下、
V:0.05%以下、
B:0.002%以下、
Zr:0.0005〜0.03%、
Ta:0.05%以下、
Co:0.05%以下、
W:0.05%以下、
Bi:0.005%以下
の1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)項記載の溶接熱影響部靭性の優れた鋼材。
【0012】
(3) MgおよびCa添加前のスラグ中T.Fe+MnOが10質量%以下であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の溶接熱影響部靭性の優れた鋼材の製造方法。
【0013】
(4) MgおよびCa以外の元素を添加した後にMgおよびCaを添加することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の溶接熱影響部靭性の優れた鋼材の製造方法。
【0014】
(8) タンディッシュ中の溶鋼において、下記の(1)式で計算される有効Mg濃度が1以上であることを特徴とする上記(1)乃至(5)項のいずれかに記載の溶接熱影響部靭性の優れた鋼材の製造方法。
有効Mg濃度=T.Mg−0.42×10-2×N×(%Mg)・ ・ ・ (1)
ただし、T.Mg:トータルMg濃度(質量ppm)
N:2〜5μmの酸化物の個数(個/mm2)
(%Mg):2〜5μmの酸化物中のMg濃度の平均値(質量%)
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で知見した新たな金属学的効果について以下に説明する。
【0016】
まず、加熱γ粒成長抑制について説明する。溶接線近傍HAZは加熱温度が1400℃にも及ぶため、炭化物や窒化物が溶解・粗大化することでγ粒界の移動をピンニングする力が著しく低下し、γ粒の成長を避けることはできなかった。そこで、1400℃以上の高温でも熱的に安定である酸化物によるピンニングによってγ粒成長を抑制することを検討した。その結果、鋼中に微量のMgとAlを含有させることで、0.01〜0.1μmの大きさの従来にない極めて微細なMgとAlからなる酸化物が多量に生成することを見いだした。さらに、0.01以上0.5μm未満の大きさの微細なTiNがこのMgとAlからなる酸化物上に複合析出し、1400℃以上の高温で従来にない非常に強力なピンニング力を発揮することを明らかにした。なお、TiN複合粒子は0.01超0.2μm以下とすることが好ましい。
【0017】
このMgとAlからなる酸化物はTiNとの格子整合性がよいため、TiNの析出核として有効に作用する。そして0.01〜0.1μmのMgとAlからなる酸化物にTiNが複合することでその表面積が増し、より強力なピンニング力が発現される。
【0018】
図1は溶接冷却時の800℃から500℃までの冷却時間が330sである場合のHAZ靭性に及ぼすγ粒径の影響を示す図である。この冷却時間は板厚80mmの鋼材の約70kJ/mmの溶接入熱量でエレクトロスラグ溶接した場合に相当する。図1からγ粒の細粒化に伴いHAZ靭性が向上する。これは、γ粒の細粒化に伴ってγ粒界から変態する粒界フェライトやフェライトサイドプレートが小さくなり、HAZ組織が微細化されるためである。このような効果はγ粒径が150μm以下の時に顕著である。
【0019】
図2は1400℃で30s問保持した場合のγ粒に及ぼす0.01以上0.5未満μmの複合析出TiNの個数の影響を示す図である。この加熱条件は、板厚80mmの鋼材を約70kJ/mmの溶接入熱量でエレクトロスラグ溶接した時の溶融線近傍HAZに相当する。図2から複合析出TiNの個数が10000個/mm2未満の場合にはγ粒径が150μm以上になり、HAZ組織が十分に微細化されないために良好な靭性は得られない。γ粒成長抑制に有効なこのような複合析出TiNの分散状態は、Mg、Al、Ti、O、Nの量を本発明の範囲に制御することで達成される。
【0020】
次に、有効Mg濃度と、0.01以上0.5μm未満の複合析出TiNの個数との関係について説明する。有効Mg濃度は(1)式で定義される。
【0021】
有効Mg濃度=T.Mg−0.42×10-2×N×(%Mg)・ ・ ・ (1)
ただし、T.Mg:トータルMg濃度(質量ppm)
N:2〜5μmの酸化物の個数(個/mm2)
(%Mg):2〜5μmの酸化物中のMg濃度の平均値(質量%)
【0022】
有効Mg濃度は0.01μm以上0.5μm未満のMgとAlからなる酸化物の生成に寄与するMg濃度を表す。図3は、有効Mg濃度と0.01以上0.5μm未満の複合析出TiNの個数との関係を示す図である。有効Mg濃度が1ppm以上の場合、複合析出TiNの個数が10000個/mm2以上になる。
【0023】
次に各々の化学成分の限定理由について説明する。
【0024】
Cの下限は母材および溶接部の強度、靭性を確保するための最小量の0.03%である。しかし、Cが多すぎると母材およびHAZの靭性を低下させるとともに溶接性を劣化させるため、その上限を0.2%とする。
【0025】
Siは脱酸のために鋼に含有されるが、多すぎると溶接性およびHAZ靭性が劣化するため、上限を0.4%とする。本発明の脱酸はTiだけでも十分可能であり、良好なHAZ靭性を得るだめにはSiを0.3%以下にするのが望ましい。
【0026】
Mnは母材および溶接部の強度、靭性の確保に不可欠であり、下限を0.5%とする。しかし、Mnが多すぎるとHAZ靭性を劣化させたり、スラブの中心偏析を助長し、溶接性を劣化させるため上限を2%とする。
【0027】
Pは本発明鋼において不純物元素であり、0.015%以下とする。Pの低減はスラブ中心偏析の軽減を通じて母材およびHAZの機械的性質を改善し、さらには、HAZの粒界破壊を抑制する。
【0028】
Sは多すぎると中心偏析を助長したり、延伸したMnSが多量に生成したりするため、母材およびHAZの機械的性質が劣化する。したがって、上限を0.006%とする。
【0029】
Alは、γ粒成長のピンニング粒子である複合析出TiNの析出核である。0.01〜0.1μmのMgとAlからなる酸化物の個数を制御する上で重要である。Alが0.001%未満の場合、MgとAlからなる酸化物の個数が10000個/mm2未満となり、複合析出TiNも個数が不足することでγ粒が十分に細粒化されず、良好なHAZ靭性が得られない。一方、Alが0.03%を超えて添加してもその効果は飽和する。したがって、Alは0.001%以上0.03%以下とする。
【0030】
Tiは、ピンニング粒子としての複合析出TiNの分散状態を制御する上で重要であり、後述する有効Ti濃度の適性範囲と相俟って狭い範囲に限定されなければならない。Tiが0.007%未満の場合、MgとAlからなる酸化物上に複合析出するTiNの個数が10000個/mm2未満となり、HAZ靭性向上に必要なγ粒成長抑制効果が得られない。一方、Tiが0.02%を超える場合、有効Tiが適正範囲内にあっても実質的にTiCが過剰に生成し、HAZ靭性が低下する。TiNは厚板圧延でのスラブ加熱時のγ粒成長抑制を通じて母材組織を微細化し、鋼材の強度と靭性を向上させることにも貢献する。
【0031】
ここで、適性なTiとNの存在形態について説明する。鋼中のTiはOと結合して酸化物を生成し、残りのTiはNと結合してTiNを形成し、さらに残ったTiが存在すれば、Cと結合してTiCを形成するが、TiCは析出脆化をもたらす。一方、鋼中のTiが酸化物およびTiNとしてすべて消費されれば、Tiと結合できなかった過剰なNが地鉄中に固溶するが、固溶Nもまた脆化をもたらす。このように、酸化物および窒化物として消費された残りのTiが存在するか否かによってTiとNの存在形態が異なり、このことが靭性に大きな影響を及ぼす。本発明では、酸化物および窒化物として消費された残りのTi量を「有効Ti量」として質量%を用いて(2)式および(3)式で定義する。
【0032】
O−0.17×REM−0.4×Ca−0.66×Mg−0.89×Al≧0の場合、
有効Ti量=Ti−2×(O−0.17×REM−0.4×Ca−0.66×Mg−0.89×Al)−3.4×N ・ ・ ・ (2)
O−0.17×REM−0.4×Ca−0.66×Mg−0.89×Al<0の場合、
有効Ti量=Ti−3.4×N ・ ・ ・ (3)
【0033】
(2)式および(3)式の各元素の係数は想定される酸化物および窒化物から化学量論的に決定された値である。1400℃を超えるような溶融線近傍HAZでは、TiとNの存在形態はさらに複雑である。その理由は、溶接加熱時にTiCとTiNの多くが地鉄中に一旦固溶し、固溶したTi、N、Cは溶接冷却時にTiNあるいはTiCとして再析出するとともに、一部は固溶のまま存在するからである。このようなTiとNの存在形態を制御してHAZ鞆性の向上を目指すためには、TiとNの各々の量を規定するとともに、有効Tiの概念を用いて他の成分とのバランスを図ることが重要である。
【0034】
図4は溶接入熱量が50kJ/mmの場合をシミュレートした1400℃加熱再現HAZ靭性に及ぼす有効Ti量の影響を示す。有効Ti濃度が−0.01%〜+0.005%の範囲で良好な靭性を示す。すなわち、この範囲がTiCの析出脆化とNの固溶脆化の両方を回避できる適正な成分範囲であることを示している。有効Ti量が−0.01%未満の場合には固溶N量が過剰となり、有効Ti量が+0.005%を超える場合にはTiC析出量が過剰となり、HAZ鞆性が劣化する。
【0035】
このように有効Tiを考慮することにより、さらに良好なHAZ靭性が得られる。
【0036】
Mgは本発明の特徴的な元素であり、最も重要な役割を有する。Mgを適量含有することで本発明における酸化物の分散状態を達成することができる。Mgが0.0001%未満の場合、TiNの析出核であるMgとAlからなる酸化物の個数が不足する。一方、酸化物として消費されるMgは0.006%あれば十分であり、これを超えるMgが金属的に何ら効果をもたらさない。Mgは蒸気圧が高くて酸化力が強い非常に活性な元素であることから、必要以上に鋼中に含有させることは製造コストの上昇を招き好ましくない。
【0037】
Oは、TiNの析出核であるMgとAlからなる酸化物の個数を確保する上で必要である。Oが0.001%未満の場合、酸化物の個数が不足し、HAZ靭性が劣化する。一方、Oが0.004%を超える場合、鋼の清浄度が低下して機械的性質が劣化する。
【0038】
Nは、ピンニング粒子である複合析出TiNの個数を確保する上で重要であり、有効Ti量の適性範囲と相俟って狭い範囲に限定されなければならない。Nが0.0025%未満の場合、TiNの個数が確保できない。一方、Nが0.006%を超える場合、有効Ti量が適正範囲内にあっても実質的に固溶Nが過剰となり、HAZ靭性が低下する。
【0039】
続いて、Cu、Ni、Mo、Cr、Nb、V、B、Zr、Ta、Co、W、Bi、Ca、REMを添加する理由について説明する。
【0040】
Cu、Niは溶接性およびHAZ靭性に悪影響を及ぼすことなく母材の強度、靭性を向上させる。しかし、1.5%を超えると溶接性およびHAZ靭性が劣化する。
【0041】
Mo、Crは母材の強度、靭性を向上させる。しかし、1%を超えると母材の靭性、溶接性およびHAZ靭性が劣化する。
【0042】
Nbは母材組織の微細化に有効な元素であり、母材の機械的性質を控除させる。しかし、0.05%を超えるとHAZ靭性が劣化する。
【0043】
Vは母材の靭性を向上させる。しかし0.05%を超えると溶接性およびHAZ靭性が劣化する。
【0044】
Bは焼き入れ性を高めて母材やHAZの機械的性質を向上させる。しかし、0.002%を超えて添加するとHAZ靭性や溶接性が劣化する。
【0045】
ZrはMnに優先して高温で硫化物を形成し、熱間圧延時に硫化物が延伸化されることを軽減し、製品の母材やHAZの機械的性質の向上に有効である。その効果を発揮する下限は0.0005%である。0.03%を超えるとHAZ靭性が劣化するため、上限は.03%とする。
【0046】
Ta、Co、Wは母材の強度、靭性を向上させる。しかし、0.05%を超えると母材の靭性、溶接性およびHAZ靭性が劣化する。
【0047】
BiはTiNの析出核であるMgとAlからなる酸化物の個数を増加するのに有効に作用する。しかし、0.005%を超えて添加するとHAZ靭性が劣化する。
【0048】
CaとREMは酸化物や硫化物を形成して材質を改善する。ここで、REMとは、La、Ce、Yなどの希土類金属元素を示す。Caを0.004%を超えて添加しても材質改善効果が飽和する。REMを0.003%を超えて添加しても同様に材質改善効果が飽和する。必要以上に添加することは製造コストの増加を招き好ましくない。CaとREMの両方を添加しても効果は同等である。
【0049】
なお、これらの元素の分析方法としては、JISの規定、或いはJISの規定に準じて定量することができる。
【0050】
本発明鋼は、鉄鋼業の製鋼工程において所定の化学成分に調整し、連続鋳造を行い、鋳片を再加熱した後に厚板圧延によって形状と母材材質を付与することで製造される。必要に応じ、鋼材に各種の熱処理を施して母材の材質を制御することも行われる。鋳片を再加熱することなく、ホットチャージ圧延することも可能である。
【0051】
本発明で規定した酸化物の分散状態は、例えば、以下のような方法で定量的に測定される。0.01以上0.5μm未満のMgとAlからなる酸化物とTiNの複合析出物の分散状態は、母材鋼材の任意の場所から抽出レプリカ試料を作製し、これを透過電子顕微鏡(TEM)を用いて10000〜50000倍の倍率で少なくとも1000μm2以上の面積に渡って観察し、対象となる大きさの複合析出物の個数を測定し、単位面積当たりの個数に換算する。この時、MgとAlからなる酸化物とTiNの同定は、TEMに付属のエネルギー分散型X線分光法(EDS)による組成分析と、TEMに上る電子線回折像の結晶構造解析によって行われる。このような同定を測定するすべての複合析出物に対して行うことが煩雑な場合、簡易的に次の手順による。まず、四角い形状の析出物をTiNとみなし、対象となる大きさのTiN中に酸化物が複合しているものの個数を上記の要領で測定する。次にこのような方法で個数を測定した複合析出物のうち少なくとも10個以上について上記の要領で同定を行い、MgとAlからなる酸化物とTiNが複合的に存在している割合を算出する。そして、はじめに測定された複合析出物の個数にこの割合を掛け合わせる。鋼中の炭化物が以上のTEM観察を邪魔する場合、500℃以下の熱処理によって炭化物を凝集・粗大化させ、対象となる複合析出物の観察を容易にすることができる。
【0052】
2〜5μmの酸化物の個数と組成の測定例を次に示す。母材鋼材の任意の場所から小片試料を切り出し、これを1400〜1450℃で10分間以上保持することで酸化物以外の2〜5μmの介在物を溶体化させ、その後水冷する。これを鏡面研磨し、光学顕微鏡を用いて1000倍の倍率で少なくとも1mm2以上の面積に渡って2〜5μmの酸化物の個数をカウントする。組成については、対象となる酸化物のうち少なくとも10個以上についてX線マイクロアナライザー(EPMA)に付属の波長分散型分光法(WDS)を用いて組成を分析し、酸化物中のMgの含有量の平均値を質量%で求める。この時、酸化物の分析値に地鉄のFeが検出される場合は、分析値からFeを除外して酸化物の組成を求める。
【0053】
MgとCaは酸素との親和力が強く、蒸気圧も高いため、酸化され、酸化物として溶鋼中から除去されたり、蒸発してロスする。そのため添加歩留まりが低い。歩留まりを向上させるためには、酸化ロスと蒸発ロスを極力抑制することが重要である。
【0054】
酸化ロスを小さくするためには、MgやCa添加前の溶鋼中の酸素やスラグ中のFeO濃度とMnO濃度を低減することが重要である。本発明の鋼材には、Si、Mn、Al、Tiなどの脱酸元素が含まれており、これらの元素を添加した後にMgやCaを添加することによって、酸化ロスを小さくすることができる。すなわち、MgやCa以外の元素を添加し、溶鋼中の酸素濃度を低下させるため、MgやCaの酸化ロスが低減する。
【0055】
スラグからの酸素供給によってMgやCaが酸化ロスするのを抑制するため、スラグ中のFeO濃度とMnO濃度を低減することが有効である。MgやCaの添加前のスラグ中のT.Fe+MnOを質量%で10%を超えるとMgやCaの歩留まりが著しく低下する。したがって、T.Fe+MnOを10%以下とする。この値は小さいほど、Mgの酸化ロス防止には有効であり、5%以下が望ましい。
【0056】
MgやCaの蒸発ロスを抑制するため、できるだけ精錬工程の末期に添加することが有利である。したがって、精錬工程で他の元素を添加したのちに、添加するのがよい。これは上述のように酸化ロスを抑制することからも有利である。ただし、成分の微調整のため、Mg、Ca添加後に、Mg、Ca以外の元素を少量添加しても構わない。
【0057】
Mgを溶鋼に添加するには、Mg含有合金、MgO含有酸化物の1種もしくは2種以上を用いる。
【0058】
Mg含有合金、MgO含有酸化物を溶鋼に添加する方法は、粉状にしたMg含有合金、Mg含有酸化物を不活性ガスを搬送ガスとして取鍋内の溶鋼中に吹き込む方法、塊状のものを取鍋内溶鋼、RH、DH等の真空槽内溶鋼に上方添加する方法、粉状のものを例えば鉄で被覆しワイヤ状にしたものを取鍋内溶鋼または/およびタンディッシュ内溶鋼または/およびモールド内溶鋼に添加する方法が考えられる。これらのいずれの方法を用いてもよく、その効果は同等である。さらに、これらの方法を組み合わせてもよい。
【0059】
Caは、Caを含有する合金であれば何を用いても構わない。一般的にはCa−Si合金が用いられる。
【0060】
Mgの添加時期は、Ca添加前、Ca添加と同時、Ca添加後のいずれか、または、これらの組み合わせのいずれでもよい。
【0061】
MgとCaを同時に添加する場合は、Mg含有合金または/およびMgO含有酸化物をCa含有合金と混合して添加する方法、MgとCaの両方を含有する合金を添加する方法のいずれの方法でもよく、その効果は同等である。
【0062】
鋼材で1ppm以上の有効Mg濃度を確保するためには、タンディッシュ溶鋼中の有効Mg濃度を1ppm以上にすることが必要である。
【0063】
タンディッシュ溶鋼中の2〜5μmの酸化物の個数と組成の測定例を次に示す。鋼製のサンプラーで溶鋼を採取し、水冷する。サンプルの任意の場所から小片試料を切り出し、鏡面研磨し、光学顕微鏡を用いて1000倍の倍率で少なくとも1mm2以上の面積に渡って2〜5μmの酸化物の個数をカウントする。組成については、対象となる酸化物のうち少なくとも10個以上についてX線マイクロアナライザー(EPMA)に付属の波長分散型分光法(WDS)を用いて組成を分析し、酸化物中のMgの含有量の平均値を質量%で求める。この時、酸化物の分析値に地鉄のFeが検出される場合は、分析値からFeを除外して酸化物の組成を求める。
【0064】
【実施例】
(実施例1)
表1に鋼材の化学成分と介在物の分散状態を、表2に鋼材の製造条件と機械的性質を示す。
【0065】
表1のピンニング粒子の個数の測定は、鋼材母材の板厚中心部から抽出レプリカ試料を作製し、これを、30000倍の倍率で2000μm2の面積に渡ってTEM観察することで行った。また、表1の2〜5μmの大きさの酸化物の個数の測定は、同じく、鋼材母材の板厚中心部から小片を切り出して1400℃で20分間保定した後に水冷し、鏡面研磨面を1000倍の倍率で4mm2の面積に渡って光学顕微鏡観察することで行った。さらに、EPMA−WDSによって、2〜5μmの20個の酸化物について組成を分析し、地鉄(Fe)の分析値を差し引いて平均組成を求めた。
【0066】
本発明鋼は溶接入熱量が20〜100kJ/mmのエレクトロガス溶接部あるいはエレクトロスラグ溶接部の溶融線において従来にない良好なHAZ靭性を有する。本発明鋼は、Al、Ti、Mg、O、Nの量を厳密に制御し、有効Ti量なる概念を用いてHAZにおけるTiとNの存在形態を適正化し、さらに、γ粒成長抑制に有効な酸化物の分散状態を有することで大入熱溶接においても良好なHAZ靭性を達成している。一方、比較鋼は化学成分や酸化物の分散状態が適正でないため、母材およびHAZの機械的性質が劣っている。
【0067】
鋼12は、C量が低すぎるために、鋼13はC量が高すぎるために、母材およびHAZの靭性が劣る。鋼14は、Si量が高すぎるためにHAZ靭性が劣る。鋼15はMn量が低すぎるために、鋼16はMn量が高すぎるために、母材およびHAZの靭性が劣る。鋼17はP量が高すぎるために、母材およびHAZの靭性が劣る。鋼18は、S量が高すぎるために、母材およびHAZの靭性が劣る。鋼19は、Al量が低すぎるためにTiNの析出核であるMgとAlからなる酸化物の個数が少なく、γ粒が粗大化してHAZ靭性が劣る。鋼20はTi量が低すぎるため、ピンニング粒子であるTiNの個数が少なく、HAZ組織が著しく粗大化してHAZ靭性が劣る。鋼21はTi量が高すぎるため、有効Ti量が適正範囲から外れ、TiC析出脆化によってHAZ靭性が劣る。鋼22はMg量が低すぎるため、TiNの析出核であるMgとAlからなる酸化物の個数が少なく、γ粒が粗大化してHAZ靭性が劣る。鋼23は、O量が低すぎるため、MgとAlからなる酸化物の個数が少なく、γ粒が粗大化してHAZ靭性が劣る。鋼24はO量が高すぎるため、鋼の清浄度が悪くなり、破壊起点が増えてHAZ靭性が劣る。鋼25はN量が低すぎるためピンニング粒子であるTiNの個数が少なく、HAZ組織が著しく粗大化してHAZ靭性が劣る。鋼26はN量が高すぎるため、有効Ti量の適正範囲から外れ、固溶Nが過剰となりHAZ靭性が劣る。鋼27と鋼28は各々の元素は適正範囲にあるが、有効Ti量が不適当であるため、TiC析出脆化あるいは固溶N脆化によりHAZ靭性が劣る。鋼29は各々の元素は適正範囲にあるが、有効Mg濃度が1ppm未満であるため、TiNの析出核であるMgとAlからなる酸化物の個数が少なく、γ粒が粗大化してHAZ靭性が劣る。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
(実施例2)
表1の本発明鋼1の組成の鋼を溶製するに際して、Mg添加前の取鍋スラグ中のT.Fe+Mo濃度を種々変化させた。その時の成品におけるMgの歩留まりを図5に示す。Mgの歩留まりは、T.Fe−MnO濃度が低いほど高い。T.Fe−MnO濃度を質量%で10%以下望ましくは5%以下にすることでMg歩留まりは著しく向上する。
【0071】
(実施例3)
表1の本発明鋼1の組成の鋼を溶製するに際して、Si、Mn、Ti、Al、Mg、Caの添加時期を変化させた。その時の成品におけるMgとCaの歩留まりを比較した結果を表3に示す。Mg添加前のスラグ中T.Fe−MnO濃度はいずれも2%であった。
【0072】
Mg、Ca以外の元素を添加した後に、MgやCaを添加した場合には、MgとCaの両方の歩留まりが10%以上で良好であるのに対して、Mg、Ca以外の元素をMgやCaの添加後に添加した場合には、Mg、Caのいずれかまたは、両方の歩留まりが低い。
【0073】
【表3】
【0074】
(実施例4)
表1の本発明鋼1〜11と比較鋼22を溶製する際にタンディッシュ溶鋼中の有効Mg濃度を調査・比較した。比較鋼22では、タンディッシュ中の有効Mg濃度が1ppm未満であり、鋼材の有効Mg濃度も1ppm未満でHAZ靭性が悪いのに対して、本発明鋼1〜11ではいずれもタンディッシュ溶鋼中の有効Mg濃度は1ppm以上であり、鋼材の有効Mg濃度も1ppm以上でHAZ靭性も良好である。
【0075】
【発明の効果】
本発明により、大入熱溶接においても良好なHAZ靭性を有する鋼材の製造が可能となり、各種の溶接構造物の安全性が格段に向上した。また、本発明鋼を使用することで高能率溶接の適用範囲が広がり、溶接施工コストを大幅に低減することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】HAZ靭性に及ぼすγ粒径の影響を示す図である。
【図2】1400℃加熱γ粒径に及ぼすピンニング粒子個数の影響を示す図である。
【図3】ピンニング粒子個数に及ぼす有効Mg濃度の影響を示す図である。
【図4】1400℃加熱HAZ靭性に及ぼす有効Ti量の影響を示す図である。
【図5】Mgの添加歩留まりに及ぼすスラグ中のT.Fe+MnO濃度の影響を示す図である。
Claims (5)
- 質量%で、
C:0.03%〜0.2%、
Si:0.4%以下、
Mn:0.5〜2%、
P:0.015%以下、
S:0.006%以下、
Al:0.001〜0.03%、
Ti:0.007%〜0.02%、
Mg:0.0001%〜0.006%、
O:0.001〜0.004%、
N:0.0025〜0.006%を含有し、
Ca:0.004%以下、REM:0.003%以下の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる化学成分を有し、MgとAlからなる酸化物を内包する0.01以上0.5μm未満のTiNが10000個/mm 2 以上存在し、さらに、下記の(1)式で計算される有効Mg濃度が1以上であり、さらに、質量%を用いて下記の(2)式あるいは(3)式で計算される有効Ti量が−0.01%〜+0.005%の範囲としたことを特徴とする溶接熱影響部靭性の優れた鋼材。
有効Mg濃度=T.Mg−0.42×10-2×N×(%Mg)・ ・ ・ (1)
ただし、T.Mg:トータルMg濃度(質量ppm)
N:2〜5μmの酸化物の個数(個/mm2)
(%Mg):2〜5μmの酸化物中のMg濃度の平均値(質量%)
O−0.17×REM−0.4×Ca−0.66×Mg−0.89×Al≧0の場合、
有効Ti量=Ti−2×(O−0.17×REM−0.4×Ca−0.66×Mg−0.89×Al)−3.4×N ・ ・ ・ (2)
O−0.17×REM−0.4×Ca−0.66×Mg−0.89×Al<0の場合、
有効Ti量=Ti−3.4×N ・ ・ ・ (3) - 質量%で、さらに、
Cu:1.5%以下、
Ni:1.5%以下、
Mo:1%以下、
Cr:1%以下、
Nb:0.05%以下、
V:0.05%以下、
B:0.002%以下、
Zr:0.0005〜0.03%、
Ta:0.05%以下、
Co:0.05%以下、
W:0.05%以下、
Bi:0.005%以下、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の溶接熱影響部靭性の優れた鋼材。 - MgおよびCa添加前のスラグ中T.Fe+MnOが10質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶接熱影響部靭性の優れた鋼材の製造方法。
- MgおよびCa以外の元素を添加した後にMgおよびCaを添加することを特徴とする請求項1または2に記載の溶接熱影響部靭性の優れた鋼材の製造方法。
- タンディッシュ中の溶鋼において、下記の(1)式で計算される有効Mg濃度が1以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶接熱影響部靭性の優れた鋼材の製造方法。
有効Mg濃度=T.Mg−0.42×10-2×N×(%Mg)・ ・ ・ (1)
ただし、T.Mg:トータルMg濃度(質量ppm)
N:2〜5μmの酸化物の個数(個/mm2)
(%Mg):2〜5μmの酸化物中のMg濃度の平均値(質量%)
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