JP3698877B2 - 電気機器用密封容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケース本体と蓋部材との間にシールパッキンを備えた電気機器用密封容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
実開昭58−56251号公報には、開口部に全周にわたって連続した環状のフランジ部が設けられたケース本体と、弾性材料から構成されてフランジ部に嵌合される環状のシールパッキンと、シールパッキンをフランジ部に押し付け且つケース本体の開口部を塞ぐようにケース本体に取付けられた蓋部材とを具備する電気機器用密封容器と、この密封容器に用いるシールパッキンが開示されている。この公報の第4図に示された構造では、フランジ部が上に向かって凸となるように湾曲した横断面形状を有しており、またシールパッキンはこのフランジの湾曲した外表面に接着剤を用いて貼付けられている。更にその第7図(b)に示されたシールパッキンは、外表面の中央部に凸部(厚肉部)を備えている。この凸部が圧縮変形されてシール部を構成する。
【0003】
また実公平2−19661号公報の第1図〜第3図には、それぞれ油入電気機器用密封容器のケース本体の開口部に設けた環状のフランジ部に嵌合構造により固定されるシールパッキンの例が示されている。環状のフランジ部はラッパ状に広がった形状を有しており、シールパッキンにはフランジ部が挿入されて嵌合される比較的深い環状の溝部が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
実開昭58−56251号公報に示されたシール構造では、シールパッキンの固定に接着剤を必要とするために、シールパッキンの取付作業が面倒になる問題がある。また実公平2−19661号公報に示されるようなシール構造では、シール性能があまり高くない。この原因の一つは、ケース本体の外側に取付金具等が溶接される際の熱でケース本体の開口部の形状が歪み、この歪みによって嵌合されたフランジ部とシールパッキンとの間にシール性能を低下させるような隙間が形成されることである。また別の原因は、ケース本体や蓋部材が亜鉛メッキ等でメッキされ、更にその上に樹脂塗料による塗装が施されると、その表面が粗くなって、これらの部材とシールパッキンとの間の密着性が悪くなることである。
【0005】
本発明の目的は、シールパッキンの取付けが容易で、しかもシール性の高い電気機器用密封容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、開口部に全周にわたって連続する環状のフランジ部が設けられたケース本体と、弾性材料から形成されてフランジ部に嵌合される環状のシールパッキンと、シールパッキンをフランジ部に押し付け且つケース本体の開口部を塞ぐようにケース本体に取付けられた蓋部材とを具備する密封容器を対象とする。この密封容器が変圧器等の電気機器を収納する電気機器用密封容器の場合には、ケース本体及び蓋部材は金属製である。そしてこの場合に電気機器用密封容器の内部に絶縁油等が充填される場合には、フランジ部の形状は上に向かって凸となるように湾曲した横断面形状を有しているのが好ましい。そして耐蝕性の向上ために、ケース本体及び蓋部材はそれぞれ亜鉛メッキ等によりメッキされた後にその上に塗装が施されていてもよい。
【0007】
本発明で用いるシールパッキンは、フランジ部の環状の外表面と対向する環状のフランジ側対向面部と、フランジ側対向面部と対向する位置にあって蓋部材の内壁面と対向する蓋側対向面部と、フランジ部の環状の縁部と係合する係合部とを有している。そしてシールパッキンのフランジ側対向面部には、フランジ側対向面部の全周にわたって即ちフランジ対向面部に沿って延び且つフランジ部側に向かって突出する同心状に配置された環状の複数の下側凸部が一体に設けられている。またシールパッキンの蓋側対向面部には、蓋側対向面部に沿って延び且つ蓋部材側に向かって突出する同心状に配置された環状の複数の上側凸部が一体に設けられている。なお、フランジ側対向面部、係合部並びに複数の下側凸部は、係合部がフランジ部の縁部と係合し且つ複数の下側凸部がフランジ部の外表面と接触した状態において、フランジ部にシールパッキンが嵌合された状態になるように形状を定めるのが好ましい。更に複数の下側凸部及び複数の上側凸部は、蓋部材がケース本体に取付けられた状態で圧縮変形されてシール部を構成する形状を有している。
【0008】
本発明の構造によれば、フランジ部の縁部とシールパッキンとの係合により、接着剤を用いることなくシールパッキンをケース本体のフランジ部に取付けることができる。その上、シールパッキンにはフランジ部と接触する複数の下側凸部と、蓋部材と接触する複数の上側凸部とが一体に設けられている。これら下側凸部及び上側凸部の突出寸法、数を任意に設定すれば、ケース本体の開口部に歪みがあったり、ケース本体の表面が粗れていても、フランジ部とシールパッキンとの間及び蓋部材とシールパッキンとの間にそれぞれ同心状に複数のシールが構成されることになってシール性が高くなる。そのためシールパッキンをケース本体のフランジ部に嵌合させる構造を採用してもシール性能を高く維持することができる。また凸部によりシール部を構成すると、蓋部材のケース本体への締め付け力を小さくしてもよくなるため、その分シールパッキンに加わるストレスが小さくなってシールパッキンの寿命が延びる。
【0009】
特にフランジ部が上に向かって凸となるように湾曲した横断面形状を有している場合には、複数の上側凸部は、フランジ部の頂点よりも内側に位置する上側凸部の数がフランジ部の頂点よりも外側に位置する上側凸部の数よりも多くなるように設けるのが好ましい。これは次のような理由による。まずフランジ部の湾曲加工には加工誤差がつきものであり、この加工誤差によってシールパッキンが部分的に外側に引っ張られる場合がある。そしてシールパッキンが部分的に外側に引っ張られた部分では、本来ならばフランジ部の頂点よりも内側にある1以上の上側凸部が頂点よりも外側に移動している場合が多い。フランジ部の頂点よりも内側に位置する上側凸部の数がフランジ部の頂点よりも外側に位置する上側凸部の数よりも少ない場合には、この1以上の上側凸部の移動によりシール性能が低下する。そこで前述のように、フランジ部の頂点よりも内側に位置する上側凸部の数を増やしておけば、前述のような上側凸部の移動があってもシール性能が低下するのを防止できる。
【0010】
フランジ部の横断面形状がほぼ円弧状を呈している場合には、フランジ部に嵌合する前のシールパッキンの蓋側対向面部及びフランジ側対向面部の横断面形状を、フランジ部の横断面形状とほぼ同心状になるようにほぼ円弧状を呈するように定めるのが好ましい。このようにするとフランジ部に多少の加工誤差があっても、フランジ部に嵌合された状態におけるシールパッキンからの上側凸部の突出寸法はほとんど変わらない。言い換えると、シールパッキンが部分的に外側に引っ張られて上側凸部が外側に移動してもフランジ部の頂点に対応する位置に来る次の上側凸部の突出寸法もほぼ同じになる。そのためにシール性能が変わることがないのである。
【0011】
特にフランジ部の横断面形状が上に向かって凸となるような円弧状の横断面形状を呈している場合で、複数の下側凸部を第1及び第2の凸部により構成し、複数の上側凸部を第3及び第4の凸部により構成する場合には、第1乃至第4の凸部を次のように配置するのが好ましい。すなわちシールパッキンがフランジ部に嵌合された状態で、第1の凸部と第2の凸部をフランジ部の頂点を通る仮想筒状面の両側に該仮想筒状面からほぼ等しい第1の間隔寸法を開けるように配置する。なおこの仮想筒状面は、ケース本体と実質的に同心状になる。またシールパッキンがフランジ部に嵌合された状態で、第3の凸部と第4の凸部を前述の仮想筒状面の両側に該仮想筒状面からほぼ等しい第2の間隔寸法を開けるように配置する。このように第1乃至第4の凸部を配置すると、第1乃至第4の凸部と対向部材(フランジ部または蓋部材)に接触させることができる。特に、この場合に、第1の間隔寸法を第2の間隔寸法より小さくすると、シールパッキンがフランジ部と蓋部材との間に挟持される際に、第1乃至第4の凸部がそれぞれ確実に圧縮変形して、シール性能が高くなる。
【0012】
なお係合部を複数の係合片により構成し、間隔をあけてフランジ部の縁部と係合させる構造を採用してもよいが、係合部をフランジ部の縁部と連続的に係合するように環状に形成すると、この係合部でもシール部が構成されるためシール性能が更に高くなる。
【0013】
第1及び第2の凸部並びに第3及び第4の凸部は、それぞれがシール部を構成すればよいが、成形性及びシール性を考慮すると、それぞれ同心状に配置するのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明を変圧器の密封容器(電気機器用密封容器)に適用した実施の形態の一例の要部の部分省略断面図である。また図2は、この実施の形態で用いるシールパッキンの部分省略断面図であり、図3はこのシールパッキンの一部を拡大した横断面図である。
【0015】
図1において、1は鉄製のケース本体であり、円筒状の筒部1aの開口部には全周にわたって連続する環状のフランジ部2が一体に設けられている。ケース本体には、亜鉛メッキされた後に、その上に樹脂塗料がカチオン塗装されている。図示していないが、ケース本体の外側には取付金具等の鉄製の金具が溶接により固定されている。フランジ部2は、上(開口部が開口する方向)に向かって凸となるように円弧状に湾曲した横断面形状を有している。ちなみにケース本体1に用いられる鉄板の厚みが約2mmで、ケース本体1の筒部1aの直径が500mmであるとした場合、フランジ部2の円弧の半径は7〜8mm程度となる。
【0016】
また図1において、3は鉄製の蓋部材であり、この蓋部材3にも亜鉛メッキされた後に、その上に樹脂塗料がカチオン塗装されている。この蓋部材3はケース本体の開口部と対向する板状部3aと、この板状部3aの外周に一体に設けられて板状部3aとほぼ直交する方向に延びる環状の鍔部3bとから構成されている。ケース本体1のフランジ部2と対向する蓋部材3の板状部3aの内壁部はフラットに形成されている。なお図示していないが、蓋部材3をケース本体1に対して取付ける取付構造は周知の構造である。
【0017】
4はニトリルゴム等の弾性材料から形成されてケース本体1のフランジ部2に嵌合される環状のシールパッキンである。なおこのシールパッキン4には、織布等の補強部材が埋設されていてもよいのは勿論である。シールパッキン4は上に向かって凸状に湾曲したフランジ部2の環状の外表面と対向する環状のフランジ側対向面部5と、フランジ側対向面部5と対向する位置にあって蓋部材3の板状部3aの内壁面と対向する蓋側対向面部6と、フランジ部2の環状の縁部2aと係合する係合部7とを有している。
【0018】
図3に拡大して示すように、フランジ側対向面部5は、環状の平面部5aとフランジ部2の外表面に沿うように湾曲する環状の湾曲部5bとを有している。シールパッキン4のフランジ側対向面部5の湾曲部5bには、フランジ側対向面部5の全周にわたって延び即ちフランジ側対向面部5に沿って延び且つフランジ部2側に向かって(フランジ側対向面部5から離れる方向に向かって)突出する環状の第1の凸部8と、この第1の凸部8の外側(ケース本体1の径方向外側)に位置してフランジ側対向面部5の全周にわたって延び且つフランジ部2側に向かって突出する環状の第2の凸部9とが一体に設けられている。これら第1及び第2の凸部8及び9が、下側凸部を構成している。またシールパッキン4の蓋側対向面部6には、蓋側対向面部6の全周にわたって延び且つ蓋部材3側に向かって(蓋側対向面部6から離れる方向に向かって)突出する環状の第3の凸部10とこの第3の凸部10の外側に位置して蓋側対向面部6の全周にわたって延び且つ蓋部材3側に向かって突出する環状の第4の凸部11とが一体に設けられている。なお第3及び第4の凸部10及び11が、上側凸部を構成している。
【0019】
第1及び第2の凸部8及び9は、フランジ部2の頂点を通る仮想筒状面12の両側に等しい第1の間隔寸法L1を開けるように同心状に配置されており、また第3の凸部10と第4の凸部11は仮想筒状面12の両側に該仮想筒状面からほぼ等しい第2の間隔寸法L2を開けるように同心上に配置されている。そしてこの例では、第1の間隔寸法L1を約2.5mm、また第2の間隔寸法L2を約3mmとして、第1の間隔寸法L1を第2の間隔寸法L2よりも小さくしている。ちなみにこの例の場合の第1及び第2の凸部8及び9の外面の曲率半径は約0.5mmであり、第3及び第4の凸部10及び11の外面の曲率半径は約1mmである。
【0020】
発明者は、当初シールパッキンのフランジ側対向面部5と蓋側対向面部6とにそれぞれ1つずつ環状の凸部を設けることを考えた。しかしながら凸部が1つではシール性が必ずしも十分でないことが分かった。そこで本発明では、前述のようにフランジ側対向面部5と蓋側対向面部6にそれぞれ2つずつ凸部を設けたのである。
【0021】
係合部7は、ケース本体1のフランジ部2の縁部2aと全周にわたって連続的に係合するように環状を成している。この係合部7は横断面形状がフック状を呈する形状を有している。なおこの例では、シールパッキン4のフランジ側対向面部5、係合部7並びに第1及び第2の凸部8及び9は、係合部7がフランジ部2の縁部2aと係合し且つ第1及び第2の凸部8及び9がフランジ部2の外表面と接触した状態において、フランジ部2にシールパッキン4がしっかりと嵌合して容易にはずれない状態になるように形状寸法が定められている。また第1乃至第4の凸部8乃至11は、シールパッキン4をケース本体1のフランジ部2に押し付け且つケース本体1の開口部を塞ぐように蓋部材3がケース本体1に取付けられた状態で、それぞれ圧縮変形してシール部を構成するように形状が定められている。なおこの例では、シールパッキン4の内部寸法は、フランジ部2の外部寸法よりも約2.5%小さく定められている。第1及び第2の凸部8及び9によってフランジ部2とシールパッキン4との間の二重シールが構成され、第3及び第4の凸部10及び11によってシールパッキン4と蓋部材3との間の二重シールが構成されている。
【0022】
上記例では、第1及び第2の凸部8及び9間の第1の間隔寸法L1を第3及び第4の凸部10及び11間の第2の間隔寸法L2よりも小さくすることにより、シールパッキン4がフランジ部2と蓋部材3との間に挟持された際における第1乃至第4の凸部の圧縮変形を確実なものとして、シール性能を高めている。しかしながら、フランジ部2の曲率半径が大きくなる場合には、この第1の間隔寸法と第2の間隔寸法の関係を逆の関係にしてもよい。さらにシールパッキン4の弾性率及び第1乃至第4の凸部の突出寸法を適宜に選択することにより、第1の間隔寸法と第2の間隔寸法を実質的に一致させることも可能である。
【0023】
また上記例では、係合部7を環状に形成しているが、係合部を周方向に間隔をあけて配置した複数の係合片によって構成してもよいのは勿論である。
【0024】
図4は、本発明で用いることができる別のシールパッキン24の一部の横断面形状を示している(なお理解を容易にするために断面であることを示すハッチングは省略してある)。このシールパッキン24は図1に示す横断面形状が円弧状をなすフランジ部2に取付けるのに適しており、図1のシールパッキン4と置き換えて使用できるものである。図1のシールパッキン4との寸法の差を明確にするために、図4には想像線でシールパッキン4の横断面形状を記載してある。そして図4には、図1〜図3に示したシールパッキン4と同様の部分に、図1〜図3に付した符号に20の数を加えた数の符号を付してある。
【0025】
このシールパッキン24は上に向かって凸状に湾曲したフランジ部2(図1)の環状の外表面と対向する環状のフランジ側対向面部25と、フランジ側対向面部25と対向する位置にあって蓋部材3(図1)の板状部3a(図1)の内壁面と対向する蓋側対向面部26と、フランジ部2(図1)の環状の縁部2a(図1)と係合する係合部27とを有している。フランジ側対向面部25は、環状の平面部25aと円弧状に湾曲したフランジ部2(図1)の外表面に沿うように湾曲した横断面形状が円弧状の環状の湾曲部25bとを有している。シールパッキン24のフランジ側対向面部25の湾曲部25bには、フランジ側対向面部5の全周にわたって延び且つフランジ部2側に向かって(フランジ側対向面部25から離れる方向に向かって)突出する環状の8個の下側凸部28が一体に設けられている。これら下側凸部28の横断面形状は下側に向かって凸となる三角形形状を呈している。またフランジ部2の頂点を通る仮想円筒状面32と合致する位置に1つの下側凸部28が設けられ、その内側に4つの下側凸部28が設けられ、その外側に3つの下側凸部28が設けられている。言い換えると、フランジ部2の頂点よりも内側の下側凸部28の数のほうが、外側の下側凸部28の数よりも多くなっている。
【0026】
またシールパッキン24の蓋側対向面部26は、フランジ側対向面部25の湾曲部25bと同心状に湾曲しており、その上には蓋側対向面部26の全周にわたって延び且つ蓋部材3(図1)側に向かって(蓋側対向面部26から離れる方向に向かって)突出する環状の13個の上側凸部30…が一体に設けられている。これらの上側凸部30…も、横断面形状が上に向かって凸となる三角形形状を呈しており、すべて同心的に配置されている。上側凸部30間の間隔はほぼ一定である。上側凸部30…の突出寸法は、下側凸部28の突出寸法よりも約1.5倍程大きくなっている。フランジ部2(図1)の頂点を通る仮想円筒状面32と合致する位置に1つの上側凸部30が設けられ、その内側に7つの上側凸部30が設けられ、その外側に5つの上側凸部30が設けられている。言い換えると、フランジ部2の頂点よりも内側の上側凸部30の数のほうが、外側の下側凸部30の数よりも多くなっている。
【0027】
フランジ部の頂点よりも内側に位置する上側凸部30の数をフランジ部の頂点よりも外側に位置する上側凸部30の数よりも多くすると、フランジ部の湾曲加工により生じる加工誤差によってシールパッキン24が部分的に外側に引っ張られる場合があっても、シールパッキン24が部分的に外側に引っ張られた部分では、本来ならばフランジ部の頂点よりも内側にある1以上の上側凸部30が頂点よりも外側に移動する。フランジ部の頂点よりも内側に位置する上側凸部30の数がフランジ部の頂点よりも外側に位置する上側凸部30の数よりも少ない場合には、この1以上の上側凸部の移動によりシール性能が低下する。
【0028】
上記例は、本発明を電気機器用密封容器に適用したものであるが、本発明はその他の密封容器にも当然にして適用できる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、フランジ部の縁部とシールパッキンとの係合により、接着剤を用いることなくシールパッキンをケース本体のフランジ部に取付けることができる。またシールパッキンにフランジ部と接触する複数の下側凸部と蓋部材と接触する複数の上側凸部とを一体に設けているため、ケース本体の開口部に歪みがあったり、ケース本体の表面が粗れていても、フランジ部とシールパッキンとの間及び蓋部材とシールパッキンとの間にそれぞれ複数のシールを構成することができて、シールパッキンをケース本体のフランジ部に嵌合させる構造を採用してもシール性能を高く維持することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を変圧器の密封容器に適用した実施の形態の一例の要部の部分省略断面図である。
【図2】 図1の実施の形態で用いるシールパッキンの部分省略断面図である。
【図3】 図2のシールパッキンの一部の拡大横断面図である。
【図4】 本発明で用いることができる別のシールパッキンの一部の横断面形状を示す図である。
【符号の説明】
1 ケース本体
2 フランジ部
3 蓋部材
4,24 シールパッキン
5,25 フランジ側対向面部
6,26 蓋側対向面部
7,27 係合部
8,9,28 下側凸部
10,11,30 上側凸部
Claims (4)
- 開口部に全周にわたって連続する環状のフランジ部が設けられた金属製のケース本体と、
弾性材料から形成されて前記フランジ部に嵌合される環状のシールパッキンと、
前記シールパッキンを前記フランジ部に押し付け且つ前記ケース本体の前記開口部を塞ぐように前記ケース本体に取付けられた金属製の蓋部材とを具備し、
前記フランジ部が上に向かって凸となるように湾曲した横断面形状を有している電気機器用密封容器であって、
前記シールパッキンは上に向かって凸状に湾曲した前記フランジ部の環状の外表面と対向する環状のフランジ側対向面部と、前記フランジ側対向面部と対向する位置にあって前記蓋部材の内壁面と対向する蓋側対向面部と、前記フランジ部の環状の縁部と係合する係合部とを有し、
前記シールパッキンの前記フランジ側対向面部には、前記フランジ側対向面部に沿って延び且つ前記フランジ部側に向かって突出し同心状に配置された環状の複数の下側凸部が一体に設けられ、
前記シールパッキンの前記蓋側対向面部には、前記蓋側対向面部に沿って延び且つ前記蓋部材側に向かって突出する同心状に配置された環状の複数の上側凸部が一体に設けられ、
前記複数の下側凸部及び前記複数の上側凸部は、前記蓋部材が前記ケース本体に取付けられた状態で圧縮変形してシール部を構成するように形状が定められ、
前記複数の上側凸部は、前記フランジ部の頂点よりも内側に位置する前記上側凸部の数が前記フランジ部の頂点よりも外側に位置する前記上側凸部の数よりも多くなるように設けられていることを特徴とする電気機器用密封容器。 - 前記フランジ部の前記横断面形状はほぼ円弧状を呈しており、
前記フランジ部に嵌合する前の前記シールパッキンの前記蓋側対向面部及び前記フランジ側対向面部の横断面形状は、前記フランジ部の前記横断面形状とほぼ同心状になるようにほぼ円弧状を呈している請求項1に記載の電気機器用密封容器。 - 前記係合部は前記フランジ部の前記縁部と連続的に係合するように環状を成していることを特徴とする請求項1に記載の電気機器用密封容器。
- 開口部に全周にわたって連続する環状のフランジ部が設けられた金属製のケース本体と、
弾性材料から形成されて前記フランジ部に嵌合される環状のシールパッキンと、
前記シールパッキンを前記フランジ部に押し付け且つ前記ケース本体の前記開口部を塞ぐように前記ケース本体に取付けられた金属製の蓋部材とを具備し、
前記フランジ部が上に向かって凸となるように湾曲した横断面形状を有している電気機器用密封容器であって、
前記シールパッキンは上に向かって凸状に湾曲した前記フランジ部の環状の外表面と対向する環状のフランジ側対向面部と、前記フランジ側対向面部と対向する位置にあって前記蓋部材の内壁面と対向する蓋側対向面部と、前記フランジ部の環状の縁部と係合する係合部とを有し、
前記シールパッキンの前記フランジ側対向面部には、前記フランジ側対向面部に沿って延び且つ前記フランジ部側に向かって突出する環状の第1の凸部及び前記第1の凸部の外側に位置して前記全周に沿って延び且つ前記フランジ部側に向かって突出する環状の第2の凸部が一体に設けられ、
前記シールパッキンの前記蓋側対向面部には、前記蓋側対向面部に沿って延び且つ前記蓋部材側に向かって突出する環状の第3の凸部及び前記第3の凸部の外側に位置して前記蓋側対向面部に沿って延び且つ前記蓋部材側に向かって突出する環状の第4の凸部が一体に設けられ、
前記第1乃至第4の凸部は、前記蓋部材が前記ケース本体に取付けられた状態で圧縮変形してシール部を構成するように形状が定められており、
前記フランジ部の前記横断面形状は円弧状を呈しており、
前記シールパッキンが前記フランジ部に嵌合された状態で、前記第1の凸部と前記第2の凸部は前記フランジ部の頂点を通る仮想筒状面の両側に該仮想筒状面からほぼ等しい第1の間隔寸法を開けるように配置され、
前記シールパッキンが前記フランジ部に嵌合された状態で、前記第3の凸部と前記第4の凸部は前記仮想筒状面の両側に該仮想筒状面からほぼ等しい第2の間隔寸法を開けるように配置され、
前記第1の間隔寸法が前記第2の間隔寸法より小さいことを特徴とする電気機器用密封容器。
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