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JP3697958B2 - 自動風呂装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は浴槽への湯張りを自動的に行う自動風呂装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の自動風呂装置のシステム構成図を示すものである。
図4において、1は注湯水配管であり、湯と水を混合する混合弁2と混合後の温水を開閉する開閉弁3とを備えている。5は前記注湯水配管1に接続された循環配管5で、この循環配管5は循環往き配管5aと循環戻り配管5bとで構成され、循環往き配管5aにはヒータ8、圧力センサ7、二方弁13、フロースイッチ6、循環戻り配管5bにはポンプ4がそれぞれ設けられている。また、浴槽11には風呂アダプタ10が取り付けられており、循環配管5と浴槽アダプタ10は風呂往き配管9aと風呂戻り配管9bで接続されている。
また、循環往き配管5aと循環戻り配管5bと開閉弁3との交点部には温度センサ12が設けられており、開閉弁3方向より供給される温水やポンプ4により循環する浴水の温水温度を検出する。
【0003】
次に上記構成による動作について説明する。
まず、電気温水器や一般水道より供給される湯と水を注湯水配管1に導き、混合弁2により所望温度の温水になるように混合し、開閉弁3を開いて循環配管5へ給湯する、このとき、二方弁13は閉状態である。給湯された温水は温度センサ12により給湯温度が検出され、循環戻り配管5bを経由して風呂戻り配管9bを通して風呂アダプタ10より浴槽11へ供給される。
湯張りの途中、前記風呂アダプタ10よりも浴槽11内の水位が上昇したことを圧力センサ7が検出した場合、必要に応じて随時、循環往き配管5a、循環戻り配管5b、風呂往き配管9a、風呂戻り配管9b内に残留する空気を抜くためポンプ4を循環運転するエアパージを一定時間行う。
また、湯張り途中で、随時二方弁13を閉じて循環戻り配管5b側からの注水を停止すると共に、圧力センサ7へ生じる浴槽11からの水頭圧を検出し、この値から浴槽11の水位を検出する。
あらかじめ設定した水位まで浴槽11の水位が上昇したことを検出すると、湯張り動作を完了する。
また、湯張り完了後などに、入浴者が浴槽11の湯を使用し、水位が低下した場合は圧力センサ7によってその水位低下状態を検出し、混合弁2を設定温度状態の湯を給湯する状態にしたあと、二方弁13を閉じて開閉弁3を開き、圧力センサ7の検出値がもとの値になるまで、注湯水配管1から給湯して開閉弁3を閉じる水位保持機能や、浴槽11内の湯が冷めたときに混合弁2を初期給湯温度よりも高めに設定した後開閉弁3を一定時間開き、浴槽11へ高温の湯を給湯する差し湯機能などがある。
【0004】
なお、本従来例以外にも、特公平3−66581号公報や特公平7−324812号公報などで、同様に配管内に残留する空気を抜く方法を開示しているが、いずれも圧力を検出しようとする配管に残留する空気を抜かないと正しい水位が検出できないという点で一致しており、また注湯水配管1からの供給水圧を利用するものであるが、これらは注湯水配管1から供給される湯水には基本的には空気が混入していないということを前提とした考え方に基づくものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の自動風呂装置は、以上のような構成および動作であったため、以下のような不具合があった。
すなわち、当初より注湯水配管1からの供給湯水に空気が混入していた場合のことを想定していないので、湯張りの動作においては前述の従来の自動風呂装置の動作でポンプ4を動作することによって配管外へ排出することができる(特公平3−66581号公報や特公平7−324812号公報などでは、注湯水配管1からの供給水圧を利用しようとしているため、この供給湯水に空気が混入していれば、当然できない)が、湯張り完了後の水位保持機能や差し湯機能が稼動した状態においては混入した空気を抜くことが出来ず、配管内に空気が残ってしまい、配管内の空気の影響を受けて圧力センサ7での検出圧力に誤差を生じ、浴槽11内の水頭圧を正確に検出できないばかりでなく、現在の検出圧力(水位)が正しいかどうか分からないため、適切な運転を行っているかどうかも把握することができず、結局、湯張り以外の各種不具合が発生するという問題点があった。
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、注湯水配管からの供給湯水に空気が混入している場合でも浴槽内の水頭圧を正確に検出できる自動風呂装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による自動風呂装置は、混合弁と開閉弁を備えた注湯水配管と、この注湯水配管と接続され、浴槽内の湯水を循環させる循環配管と、この循環配管に浴槽の湯水を循環させる循環手段と、前記循環配管内部の湯水に加わる圧力を検出する圧力検出手段と、前記循環配管を連通・遮断する二方弁とを備え、浴槽への湯張り時、前記注湯水配管より循環配管を介して浴槽へ給湯するとともに、前記圧力検出手段で圧力を検出し、該圧力検出手段が所定値を検出すると、前記循環手段を一定時間動作させ、配管内のエアパージを行うようにようにした自動風呂装置において、浴槽への湯張り完了後、水位保持機能や差し湯機能が稼動して、給水給湯源より前記注湯水配管から循環配管を介して浴槽への注湯動作又は注水動作を行った際、その注湯動作又は注水動作の完了後、前記循環手段を一定時間動作させて配管内のエアパージを行うととに、このエアパージ前とエアパージ後の前記循環配管内部の湯水に加わる圧力を前記圧力検出手段で検出し、このエアパージ前後の検出値を比較して一致しない場合、再度前記循環手段を一定時間動作させて配管内のエアパージを行うようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は本発明の自動風呂装置の実施の形態1を示す制御ブロック図、図2はその制御フローチャートである。
なお、本発明の自動風呂装置の実施の形態1におけるシステム構成図は図4に示した従来例の構成と全く同一であるため、図4をそのまま利用し、ここでの構成の説明は省略する。
図1において、15はマイクロコンピュータで構成され、装置全体を制御する制御部である。この制御部15は判断部15a及び記憶部15bを有する。16は湯張りの水位や供給温水の温度等を入力して設定するための入力装置で、前記制御部15はこの入力装置16からの入力とフロースイッチ6、圧力センサ7、温度センサ12の検出値を判断部15aで比較判断し、記憶部15bに記憶された運転プログラムに従ってポンプ4、ヒータ8、混合弁2、開閉弁3、二方弁13の動作を制御する。
【0009】
次に動作について説明する。
湯張り動作については従来例と全く同一であるので、説明を省略し、湯張り完了後の水位保持機能と差し湯機能について、図1の制御ブロック図、図2のフローチャートにより説明する。
【0010】
湯張り完了後の水位保持機能は、圧力センサ7が湯張り完了後の検出水位に対して一定値の水位低下(圧力変化)を検知すると、混合弁2を湯張り時と同じ設定温度にしたあと、二方弁13を閉じてから開閉弁3を開き、浴槽11へ給湯する。給湯中に圧力センサ7は浴槽11の水位を検出し続け、湯張り完了時の検出水位となったところで開閉弁3を閉じ給湯を停止する。その後、二方弁13を開き、ポンプ4を一定時間動作させ注湯配管1からの給湯に混入している空気が配管内部に残留しないように空気を抜くための動作に入る。この動作について、図2のフローチャートにより説明する。
図2のステップ14aからステップ14mは、自動水位保持機能に関する一連の動作を示すフローチャートである。
【0011】
まず、図2のステップ14aで、湯張り完了後の自動水位保持を開始し、ステップ14bで湯張り完了時の浴槽11の水位を圧力センサ7で検出し、この圧力センサ7の検出値は制御装置15の記憶部15bに記憶される。
ここで、入浴者が浴槽11の湯を使用し水位が低下したとする。
ステップ14cでは圧力センサ7からの検出値が随時、制御装置15に伝えられているので、この随時検出される検出値とステップ14bで記憶部14bに記憶した湯張り完了時の検出値とを比較し、判断部15aがあらかじめ設定された任意の一定値よりも低下しているかを判断する。
ここで、ステップ14cで、検出値が湯張り完了水位より一定値以上低い場合はステップ14dに進み、一定値以上低くない場合は一定値以上低い圧力を検出するまでステップ14cでループ状態となる。
【0012】
ステップ14cで、圧力センサ7が湯張り完了水位より一定値以上低い値を検知したらステップ14dへ進み、混合弁2を湯張り時の給湯温度に設定する。
続いて、ステップ14eでは二方弁13を閉じ、ステップ14fでは開閉弁3を開けて浴槽11への給湯を開始する。このとき、圧力センサ7は浴槽11の水位上昇によって生じる圧力上昇を随時検出し、制御装置15へ伝達する。
【0013】
続いて、ステップ14gに至り、圧力センサ7で検出している圧力値と記憶部15bに記憶してある湯張り完了水位での検出値とを判断部15aが比較判断し、両者が一致した場合、ステップ14hに進み、一致せず湯張り完了時の水位値に達していない場合は一致するまで、ステップ14gでループ状態となる。
ステップ14gで、湯張り完了時の水位での検出値と給湯による水位上昇での検出値が一致した場合はステップ14hに進んで開閉弁3を閉じて浴槽11への給湯を停止し、ステップ14iに進む。ステップ14iでは、二方弁13を開け循環配管5を連通状態とし、ステップ14jに進む。ステップ14jでは、ポンプ4の動作を開始し、ステップ14kではポンプ4の運転開始からの時間を制御装置15でカウントし、判断部15aでポンプ4の運転開始からのカウント時間とあらかじめ設定されて記憶部15bに記憶された一定時間とを比較し、一定時間を経過した場合はステップ14lに進み、一定時間を経過していない場合はステップ14kで時間経過までループ状態となる。
ここで、あらかじめ記憶部14bに記憶された一定時間とは、機器の標準設置状態において、注湯配管1及び循環配管5の両配管内に残留する空気層を排出するために要する必要ポンプ運転時間に適宜マージンを加えた値であり、通常では数分(2〜3分程度)に設定される。
続いて、ステップ14lではポンプ4を停止させてステップ14mに進み、自動水位調整を完了する。
従って、上記実施の形態1によれば、浴槽への湯張り完了後、水位保持機能や差し湯機能が稼動して、給水給湯源から注湯水配管1及び循環配管5を介して浴槽11への給水動作又は給湯動作を行った場合に、その注湯動作又は注水動作が完了した後、ポンプ4を一定時間動作させて配管内のエアパージを行うので、注湯水配管1からの供給湯水に空気が混入していた場合でも、配管内残留空気をすべて除去でき、湯張り完了後の水位保持機能や差し湯機能の動作においても、浴槽内の水頭圧を正確に検出でき、浴槽11の水位の検出誤差による不具合を解消できる。
【0014】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図3は本発明の実施の形態2を示す制御フローチャートである。
この実施の形態2の場合は、自動水位保持に関わる前述の実施の形態1の動作に、新たに検出水位の確認を行うための動作を追加したものである。
なお、図3のステップ14aからステップ14lまでの一連の動作は、前述した実施の形態1におけるステップ14aからステップ14lまでの動作と全く同一なので、説明を省略し、ステップ14n以降の各ステップの動作について説明する。
【0015】
ステップ14nでは、ステップ14lでポンプ4の動作を停止したあと、圧力センサ7で浴槽11内の水位を水頭圧として測定し、その値を制御装置15の記憶部15bに記憶する。
続いて、ステップ14oでは、先にステップ14bで記憶した湯張り完了時の検出値とステップ14nで記憶した検出値とを比較し、それが一致した場合はステップ14pに進み、一致しない場合は一致となるまで、ステップ14jに戻り、再びポンプ4を一定時間動作させて、ステップ14bで記憶した湯張り完了時の検出値とステップ14nで記憶したエアパージ後の検出値とを繰り返し比較するループ状態となる。なお、この一致に関する条件は、適当な余裕度をもって判定することも可能である。
ステップ14pでは、ステップ14oでポンプ4の動作前後の検出値が一致したことから、循環配管5内のエアパージが完了したと判断し、これを持って検出した圧力が正しいものとしてステップ14mに進み、自動水位調整を完了する。
ここで、ポンプ4の動作前後での検出圧力の一致をもってエアパージ完了と判断するのは、もしポンプ4動作前に循環配管5内に空気が残留していた場合、その後のポンプ4の動作で空気が抜ければ、前後の検出圧力が変化することは従来例や本発明が解決しようとする課題に通ずるものであり、逆に循環配管5内の空気が抜けた状態であれば、その後何度ポンプ4を動作させても循環配管5内の状態は湯水のまま変化しないので、検出圧力に変化はない。本実施の形態2でのステップ14oでの判断の根拠は上述によるものである。
以上、本実施の形態2によれば、浴槽への湯張り完了後、水位保持機能や差し湯機能が稼動して、給水給湯源から注湯水配管1及び循環配管を介して浴槽11への給水動作又は給湯動作を行った際、その給水動作又は給湯動作の完了後、ポンプ4を一定時間動作させてエアパージを行うとともに、このエアパージ前の圧力センサ7での検出値と、エアパージ後の検出値とを比較し、エアパージ前の圧力センサ7での検出値とエアパージ後の圧力センサ7での検出値が一致しない場合、再度、前記ポンプ4を一定時間動作させて配管内のエアパージを行うので、上記実施の形態1と同様の効果が得られるほかに、万一、ポンプ4の一度の動作で配管内の空気が抜けきれなかった場合など再度エアパージを行うことが出来るだけでなく、完全にエアパージが完了したかどうかを自己判定できるので、信頼性を大幅に向上することができる。
【0016】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、浴槽への湯張り完了後、水位保持機能や差し湯機能が稼動して、給水給湯源から注湯水配管及び循環配管を介して浴槽への給水動作又は給湯動作を行った際、その給水動作又は給湯動作の完了後、循環手段を一定時間動作させて配管内のエアパージを行うとともに、このエアパージ前とエアパージ後の前記循環配管内部の湯水に加わる圧力を前記圧力検出手段で検出し、このエアパージ前後の検出値が一致しない場合は、再度、前記循環手段を一定時間動作させて配管内のエアパージを行うようにしたので、注湯水配管からの供給湯水に空気が混入していた場合でも、配管内残留空気をすべて除去でき、湯張り完了後の水位保持機能や差し湯機能の動作においても、浴槽内の水頭圧を正確に検出でき、浴槽の水位の検出誤差による不具合を解消でき、また、万一、一度のエアパージ動作では配管内の空気が抜けきれなかった場合など、再度エアパージを行うことができるだけでなく、エアパージが完了したかどうかを自己判定できるので、信頼性を大幅に向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を示す自動風呂装置の制御ブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態1を示す制御フローチャートである。
【図3】 本発明の実施の形態2を示す制御フローチャートである。
【図4】 従来および本発明の自動風呂装置の構成を示すシステム図である。
【符号の説明】
1 注湯水配管、2 混合弁、3 開閉弁、4 ポンプ(循環手段)、5 循環配管、5a 循環往き配管、5b 循環戻り配管、7 圧力センサ(圧力検出手段)、9a 風呂往き配管、9b 風呂戻り配管、11 浴槽、13 二方弁、15 制御装置、16 入力装置。

Claims (1)

  1. 混合弁と開閉弁を備えた注湯水配管と、この注湯水配管と接続され浴槽内の湯水を循環させる循環配管と、この循環配管に浴槽の湯水循環させる循環手段と、前記循環配管内部の湯水に加わる圧力を検出する圧力検出手段と、前記循環配管を連通・遮断する二方弁とを備え、浴槽への湯張り時、前記注湯水配管より循環配管を介して浴槽へ給湯するとともに、前記圧力検出手段で圧力を検出し、該圧力検出手段が所定値を検出すると、前記循環手段を一定時間動作させて配管内のエアパージを行うようにした自動風呂装置において、前記浴槽への湯張り完了後、水位保持機能や差し湯機能が稼動して、給水給湯源より前記注湯水配管から循環配管を介して浴槽への注湯動作又は注水動作を行った際、その注湯動作又は注水動作の完了後、前記循環手段を一定時間動作させて配管内のエアパージを行うとともに、このエアパージ前とエアパージ後の前記循環配管内部の湯水に加わる圧力を前記圧力検出手段で検出し、このエアパージ前後の検出値を比較して一致しない場合、再度前記循環手段を一定時間動作させて配管内のエアパージを行うようにしたことを特徴とする自動風呂装置。
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