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JP3696907B2 - 溶接用電源装置 - Google Patents

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JP3696907B2
JP3696907B2 JP26098294A JP26098294A JP3696907B2 JP 3696907 B2 JP3696907 B2 JP 3696907B2 JP 26098294 A JP26098294 A JP 26098294A JP 26098294 A JP26098294 A JP 26098294A JP 3696907 B2 JP3696907 B2 JP 3696907B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、溶接用パワーケーブルの状態に応じた最適な溶接電流波形制御を行うことができる溶接用電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アーク溶接機を使用する場合、溶接用電源装置と溶接を行う場所とが離れていることが多く、両者の間を溶接用パワーケーブルで接続して溶接用電力を供給している。そして、この溶接用パワーケーブルの長さ、太さ又は布線状態は一定ではない。一方、所望の溶接性能を発揮するために、溶接用電源装置は、予め設定された条件又は溶接部の状態に対応して、出力電流波形を制御している。従って、溶接用パワーケーブルの状態が変化するとそのインダクタンスが変化するために出力電流波形に影響を及ぼし、十分な溶接性能を発揮できないことがある。
【0003】
また、消耗電極式アーク溶接方法においては、電極と被溶接物との間で短絡が頻繁に発生し、この短絡が発生したときの出力電流を制御することによってスパッタを低減し、アークの安定性を向上することができる。このためには、負荷の短絡を遅滞無く検出することが要求される。
【0004】
図1は、出願人が実開平3−80380号で考案した従来の消耗電極式アーク溶接方法に使用する溶接用電源装置を示すブロック図である。同図において、V1は商用電源を整流した直流電源であり、Qは直流電源V1を高周波交流に変換するスイッチング回路で、Tは高周波交流を降圧する変圧器であり、Dは変圧器Tの出力を整流する整流回路である。R1は直流電源V1の内部抵抗であり、L1は直流リアクトルである。R2及びL2は、直流電源V1と負荷とを接続する溶接用パワーケーブルによって生じる抵抗及びインダクタンスをそれぞれ集中定数で示している。21は電極であり、22は被溶接物である。
【0006】
71は、出力端子電圧を検出する出力端子電圧検出器であって、出力端子電圧信号Voを出力する。Fは、出力端子電圧信号Voからリップル電圧を除去するフィルタであって、溶接電圧信号Vtを出力する。2は、出力電流を検出する出力電流検出器であって、出力電流信号Iwを出力する。3は、出力電流信号Iwを微分して変化率dIw/dtを出力する微分器である。73は、短絡検出レベル設定値信号Vrを出力する短絡検出レベル設定器である。74は、比較演算器であり、溶接電圧信号Vt、変化率dIw/dt及び短絡検出レベル設定値信号Vrを入力し、(Vt−dIw/dt)を演算して、これがVrよりも小さいときHレベルの短絡検出信号S7を出力する。この短絡検出信号S7は、図示されていない溶接用電源装置の各種制御回路に入力されて、溶接電流波形の制御等を行う。ここで出力端子電圧検出器71、フィルタF、短絡検出レベル設定器73及び比較演算器74によって短絡検出器7を構成している。
【0008】
図2(A)乃至(G)は、図1に示すブロック図の各部の出力信号の波形を示す図である。図2において、(A)は電極21と被溶接物22との間の溶接電圧Vaの波形を示し、(B)は出力端子電圧検出器71の出力Voの波形を示し、(C)はフィルタFの出力Vt及び短絡検出レベル設定器73の出力Vrの波形を示し、(D)は出力電流検出器2の出力Iwの波形を示し、(E)は微分器3の出力信号である変化率dIw/dtの波形を示し、(F)は(Vt−dIw/dt)を演算した結果及び短絡検出レベル設定器73の出力Vrの波形を示し、(G)は比較演算器74の出力S7の波形を示す。図1に示すように、インバータ制御式などのスイッチングによって出力を制御する場合、出力端子電圧信号Voには、スイッチング周波数成分を基本としたリップル電圧が多く含まれている。このために短絡検出器7には、このリップル電圧を除去するフィルタFを設けている。このフィルタFによる遅延時間が短絡検出の遅れをもたらすので、この影響をなくすために、出力端子電圧信号Voから出力電流信号Iwを微分した変化率dIw/dtを減じる。この結果、溶接用パワーケーブルのインダクタンスL2により発生するリップル電圧を除去し、遅延時間の短いフィルタの使用を可能として、短絡検出の遅れ時間が短縮できる。
【0010】
図3は、従来の消耗電極式パルスアーク溶接方法に使用する溶接用電源装置を示すブロック図である。同図において、図1と同一の符号は図1の説明と同じであるので省略し、相違個所について説明する。
【0012】
図3において、84は、パルス電流比較信号Vspを出力するパルス電流比較信号設定器であり、85は、パルスピーク検出器であって、パルス電流比較信号Vspと出力電流信号Iwとを比較して、出力電流信号Iwが、ピークに達した時にパルスピーク検出信号Tspを出力する。80は、パルス時間設定信号Tprを出力するパルス時間設定器であり、86はパルス時間カウンタであって、パルスピーク検出信号Tspを入力したときからカウントし始めて、パルス時間設定値Tprをカウント終了時に、パルス終了トリガ信号Trbを出力する。
【0014】
88は、パルス電流設定値信号Ispを出力するパルス電流設定器であり、89は、ベース電流設定値信号Isbを出力するベース電流設定器であり、87は、パルス周期トリガ信号Trpを出力するパルス周期トリガ発生器である。81は、電流設定信号Isを出力する電流設定信号切換器であって、パルス周期トリガ信号Trpが入力されたときに、電流設定信号Isをパルス電流設定値信号Ispに切換え、パルス終了トリガ信号Trbが入力されたときに、電流設定信号Isをベース電流設定値信号Isbに切換える。13はインバータ制御部であって、出力電流信号Iwと電流設定信号Isとを比較して、駆動パルス信号Pfをスイッチング回路Qに入力する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図1に示す従来の消耗電極式アーク溶接方法に使用する溶接用電源装置において、溶接用パワーケーブルの長さ又は状態が変化することによってインダクタンスL2が変化した場合、変化率dIw/dtによる補償が不適正となる。つまり、補償が不足しているときは、短絡の検出に遅れを生じ、逆に、補償が過度のときは、例えば、図4に示すように、極短時間の短絡の後にアークが再生したとき、短絡検出器7の補償信号が過渡状態にあるために、アーク再生の検出が遅れる。図4(A)乃至(G)は、極短時間の短絡の後にアークが再生したときの図1に示すブロック図の各部の出力信号の波形を示す図である。図4(A)乃至(G)に示す符号は、図2(A)乃至(G)に示す符号と同一であり、図2(A)乃至(G)の説明と同じであるので省略する。このような検出の遅れを無くするには、出力電流信号Iwの変化率dIw/dtの減算量を溶接用パワーケーブルの長さ又は状態に対応して変化させる必要があり、このために微分器3を調整又は切り換える必要があった。
【0020】
図5は、図3に示す従来の消耗電極式パルスアーク溶接方法に使用する溶接用電源装置における出力電流信号Iwと電流設定信号Isとを示す図である。図5において、(A)及び(B)は、溶接用パワーケーブルによって生じるインダクタンスL2が小さいときであり、(C)及び(D)は、このインダクタンスL2が大きいときである。
【0022】
同図に示すように、溶接用パワーケーブルの長さ又は状態が変化するとインダクタンスL2が変化して電流設定信号Isが変化し、1パルスで供給する電力が変化する。従って、電流設定信号Isを同一にしたままでは溶接性能に影響を及ぼすことになる。1パルスで供給する電力を一定に維持するために、溶接用パワーケーブルの状態に応じてパルス条件の設定を変更する必要があった。
【0030】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために、本発明においては、溶接用パワーケーブルの長さ又は布線状態によって変化する負荷回路のインダクタンスL2の電気的特性値を演算する演算器4を設け、その演算結果に対応させて動作状態を変化させている。即ち、図1の従来装置において、短絡検出器7の内部の変化率dIw/dtによる補償量を自動的に変化させたり、図3の従来装置において、パルス時間設定信号Tprを変化させて、パルス条件設定を自動的に変更するなどの処置を講ずるようにしたものである。
【0032】
請求項1の溶接用電源装置は、アーク溶接負荷に電力を供給する溶接用電源装置において、出力電圧検出器1と、出力電流検出器2と、微分器3と、出力電圧検出器1の出力信号E及び微分器3の出力信号である変化率dIw/dtを入力として負荷回路の電気的特性値を演算する演算器4と、この演算器4の出力に基づき動作状態を切り換える制御手段とを具備した溶接用電源装置である。
【0034】
請求項2の溶接用電源装置は、動作状態を切り換える制御手段が、パルスア−ク溶接法において、アーク溶接負荷に供給するパルス電力を一定にする制御手段である請求項1に記載の溶接用電源装置である。
【0036】
請求項3の溶接用電源装置は、出力電圧検出器1の代わりに出力電圧設定器を用いた請求項1に記載の溶接用電源装置である。
【0040】
【実施例】
まず、溶接用パワーケーブルの状態によって変化する負荷回路の電気的特性値を演算する方法について説明し、次にその演算結果を用いて動作状態を切り換える制御手段の実施例について説明する。
【0044】
[負荷回路の電気的特性値を演算する方法]
図6は、溶接電源、アーク溶接負荷及び溶接用パワーケーブルから成るアーク溶接における等価回路を示す図である。同図において、図1と同一の符号は図1の説明と同じであるので省略し、相違個所について説明する。
【0046】
図6において、PSは溶接電源であって、その出力電圧をEとする。Rwはアーク溶接負荷の電極ワイヤの抵抗成分であり、Ra及びVaはアーク放電部の近似等価回路で示したもので、Raはアーク放電部の抵抗成分であり、Vaはアーク放電部の定電圧成分である。Swはスイッチであって、電極ワイヤと被溶接物との短絡をスイッチSwを閉じた状態とする。
負荷の短絡が生じた後の出力電流信号Iwは数1で表すことができる。
【0048】
【数1】
Figure 0003696907
【0050】
出力電流信号Iwの変化率dIw/dtは数2で表される。
【0052】
【数2】
Figure 0003696907
【0054】
従って、直流リアクトルのインダクタンスL1と溶接用パワーケーブルのインダクタンスL2との和の(L1+L2)は、数3で表わされる。
【0056】
【数3】
Figure 0003696907
【0058】
電極ワイヤと被溶接物との短絡直後は、tの値が小さいことから、数3は数4で近似できる。
【0060】
【数4】
Figure 0003696907
【0062】
従って、短絡直後の出力電流信号Iwの変化率dIw/dtを検出し、その時の溶接電源PSの出力電圧Eを用いて、数4に基づき、直流リアクトルのインダクタンスL1と溶接用パワーケーブルのインダクタンスL2との和の(L1+L2)を求めることができる。
【0064】
[第1の実施例]
図7は、前述した負荷回路の電気的特性値を演算する方法の原理に基づく本発明の第1の実施例を示すブロック図である。同図において、図1又は図6と同一の符号は図1又は図6の説明と同じであるので省略し、相違個所について説明する。図7において、1は出力電圧検出器であって、インバータのキャリア周波数をもち、直流電源V1と変圧器Tの巻数比とで決まる一定振幅のパルス列である整流回路Dの出力電圧Vdをその平均値を示す出力電圧Eに変換する。4はE÷(dIw/dt)を求める演算器であり、演算信号S4を出力する。
【0066】
6はケーブル長判別基準信号発生器であって、ケーブル長判別基準信号S6をケーブル長判別器5に入力する。5は、ケーブル長判別器であって、短絡検出信号S7を入力した後速やかに、短絡発生直後の演算信号S4に基づきケーブル長を判別し、ケーブル長判別信号S5を出力する。72は係数乗算器であって、ケーブル長判別信号S5がLレベルのとき係数kを小に設定し、ケーブル長判別信号S5がHレベルのとき係数kを大に設定して、係数kを出力電流信号Iwの変化率dIw/dtに乗算して係数乗算変化率k(dIw/dt)を出力する。
【0070】
図8(A)乃至(G)及び図9(A)乃至(G)は、それぞれ図7のブロック図の各部の出力信号の波形を示す図である。図8及び図9において、(A)はスイッチSwの端子間電圧Vswの波形を示し、(B)は整流回路Dの出力Vd及び出力電圧検出器1の出力Eの波形を示し、(C)は出力電流検出器2の出力Iwの波形を示し、(D)は微分器3の出力dIw/dtの波形を示し、(E)は演算器4の出力S4の波形及びケーブル長判別信号S6の信号レベルを比較して示し、(F)は比較演算器74の出力S7の波形を示し、(G)はケーブル長判別器5の出力S5の波形を示す。
【0072】
図8は、溶接用パワーケーブルが短く、インダクタンスL2が小さいときであり、短絡検出信号S7の立ち上がりに同期してサンプリングした演算信号S4がケーブル長判別基準信号S6よりも小さいために、ケーブル長判別信号S5はLレベルである。図9は、溶接用パワーケーブルが長く、インダクタンスL2が大きいときであり、短絡検出信号S7の立ち上がりに同期してサンプリングした演算信号S4がケーブル長判別基準信号S6よりも大きいために、ケーブル長判別信号S5はHレベルである。なお、出力電圧Eが予め略一定に決まっているときは、演算器4の演算を省略し、簡易的に(dIw/dt)を用いて負荷回路の電気的特性値を演算することができる。
【0074】
図10は、図7のブロック図の各部の出力信号の波形を示す図であり、極短時間の短絡の後にアークを再生した場合である。図10において、(A)はスイッチSwの端子間の電圧Vswの波形を示し、(B)はフィルタFの出力Vtの波形を示し、(C)は出力電流検出器2の出力Iwの波形を示し、(D)は微分器3の出力dIw/dtの波形を示し、(E)はフィルタFの出力Vtから係数乗算器72の出力k(dIw/dt)を差し引く演算式{Vt−k(dIw/dt)}及び短絡検出レベル設定器73の出力Vrの波形を示し、(F)は比較演算器74の出力S7の波形を示す。同図(E)及び(F)において、実線は係数kが小さいときを示し、点線は係数kが大きいときである。
【0076】
本発明を実施しない場合は、先に図4で説明したように、極短時間の短絡の後のアーク再生時に、短絡検出器7の補償信号は過渡の状態にあるために、短絡検出信号S7の消滅に遅れが生じる。しかし、本発明を実施するときは、溶接用パワーケーブルのインダクタンスL2が小さいことをケーブル長判別信号S5によって係数乗算器72に伝え、係数kを小さい値に切り換える。その結果、図10に示すように、短絡検出器7の補償信号が適正となり、極短時間の短絡の後のアーク再生時においても、アーク再生検出の遅れを無くすことができる。
【0078】
負荷回路の電気的特性値をより正確に演算するためには、演算器4によるE÷(dIw/dt)の演算で求めた結果に、その時の出力電流信号Iwに対応した補正を掛けると良い。これは、前述した数4ではt=0すなわち短絡直後でかつ出力電流信号Iw=0のときに成り立つが、実際には、出力電流信号Iw=0ではないために、出力電流に対応した補正を掛けた方がより良い精度で演算できることになる。
【0090】
[第2の実施例]
図11は、本発明の第2の実施例を示すブロック図である。同図において、図7と同一の符号は図7の説明と同じであるので省略し、相違個所について説明する。図11において、11はマイクロコンピュータであって、短絡検出信号S7を入力して、ケーブル長判別信号S5を係数乗算器72に入力し、さらに出力設定信号S11を出力する。12はDA変換器であって、出力設定信号S11を入力して、出力電圧設定信号Vsを出力する。13はインバータ制御部であって、出力電圧設定信号Vsに対応した通流率の駆動パルス信号Pfをスイッチング回路Qに入力する。14はAD変換器であって、出力電流信号Iwをデジタル値に変換して、出力電流変換信号S14をマイクロコンピュータ11に入力する。
【0092】
図12(A)乃至(D)は、図11のブロック図の各部の出力信号の波形を示す図である。図12において、(A)はスイッチSwの端子間の電圧Vswの波形を示し、(B)はDA変換器12の出力Vsの波形を示し、(C)は出力電流検出器2の出力Iwの波形を示し、(D)はAD変換器14の出力S14の信号レベルを示す。
【0094】
図11において、マイクロコンピュータ11に短絡検出信号S7が入力されると、割り込み処理によって出力設定信号S11を例えば1msの期間低レベルに維持する。その結果、図12(B)に示すように、出力電圧設定信号Vsをt1とt2との期間、低レベルに維持する。そして、短絡直後の出力電流信号Iwを同図(C)に示すように、低レベルに抑制し、電極ワイヤ先端の溶融部と被溶接物とを確実に短絡に導くことができ、スパッタの発生を防止することができる。
【0096】
同図(B)に示す時刻t2で、出力設定信号S11を高レベルのE1に上げると、同図(C)に示すように、出力電流信号Iwは急増する。このとき、同図(D)に示すように、一定の時間間隔を隔てたAD変換器14の出力S14の2値のd1及びd2をマイクロコンピュータ11に入力し、そのときの出力設定値E1及びd1とd2からE1÷(d2−d1)を演算し、その結果と、予め記憶しているケーブル長判別基準値とを比較して、マイクロコンピュータ11は、ケーブル長判別信号S5を出力する。このケーブル長判別信号S5は、制御に要求される精度に応じて、2値信号、多値信号又は連続的なアナログ信号等を採用すると良い。
【0100】
[第3の実施例]
図13は、本発明の第3の実施例を示すブロック図である。同図において、図3又は図7と同一の符号は図3又は図7の説明と同じであるので省略し、相違個所について説明する。図13において、ケーブル長判別器5は、パルス周期トリガ信号Trpを入力した後速やかに、演算信号S4に基づきケーブル長を判別し、ケーブル長判別信号S5をパルス時間設定器80に入力する。
【0101】
負荷回路の電気的特性値の演算結果に基づいてケーブル長を判別したケーブル長判別信号S5に対応して、同図に示すパルス時間設定信号Tprを変化させることによって、溶接用パワーケーブルが短いときはパルス時間設定信号Tprを大きくし、溶接用パワーケーブルが長いときは、パルス時間設定信号Tprを小さく設定する。この結果、溶接用パワーケーブルの長さ又は状態が変化してインダクタンスL2が変化しても、1パルスで供給する電力を一定にすることができるために、溶接性能への影響を無くすことができ、従来必要としたパルス条件の設定変更を不要にすることができる。
【0102】
前述した実施例1乃至3においては、溶接用パワーケーブルの電気的特性値の検出を負荷が短絡したときに行うとしているが、本発明は、負荷短絡時に限定するものではない。アーク発生時に、アーク電圧Vaが分かっているときは、前述した数1乃至数4において、出力電圧Eを(E−Va)に置き換えることで、アーク発生時の電流変化から、負荷回路の電気的特性値を検出でき、同様の機能と効果が実現できる。
【0104】
また、負荷回路の電気的特性値を演算した結果が、正常な溶接を行いうる範囲を超えているときは、溶接用パワーケーブルが長すぎるか、又は、巻かれていることが予想されるため、警告音を出す、警告表示灯を点灯させる、又はメッセージを出すなどの警告を出すための判定に利用することも可能である。
【0106】
[第4の実施例]
図14は、図7に示す本発明の第1の実施例における出力電圧検出器1の出力Eの代わりに出力電圧設定器8の出力Esを用いた本発明の第4の実施例である。図14において、図7と同一の符号は、図7の説明と同じであるので省略し、相違箇所について説明する。図14において、出力電圧設定器8は、出力電圧設定信号Esをインバータ制御部13に入力し、インバータ制御部13は、出力電圧設定信号Esに比例した出力電圧を出力するように駆動パルス信号Pfをスイッチング回路Qに出力する。更に、出力電圧設定信号Esは、演算器4に入力され、Eに代えてEsを使用した数4の演算結果である演算信号S4が出力される。
【0108】
第4の実施例においては、出力電圧検出器を不要とし、定電圧特性のアーク溶接用電源装置に必須の出力電圧設定器からの出力電圧設定信号を、出力電圧検出信号の代わりに用いるために、出力電圧検出器に要するコストが低減でき、安価に本発明を実施できる。
【0109】
本発明の適用範囲は、ケ−ブル長又はケ−ブルの状態によって、溶接結果に影響を受ける度合いを軽減するために、制御回路の動作状態又はパラメ−タを切り換えることが有効である場合、切り換える対象に制限なく適用可能である。即ち、前述した実施例に限定されず、色々な回路の切り換え又はソフトウエアの切り換えなどにも適用可能である。
【0110】
【発明の効果】
請求項1の溶接用電源装置は、負荷回路の電気的特性値を演算する演算器の出力に基づき動作状態を切り換える制御手段を設けることによって、溶接用パワーケーブルの長さ又は状態が変化した場合、変化率dIw/dtによる補償を適正に行うことができるために、溶接用パワーケーブルの状態が変化しても十分な溶接性能を発揮することができる。
【0112】
請求項2の溶接用電源装置は、負荷回路の電気的特性値を演算する演算器の出力に基づき、パルスア−ク溶接法におけるアーク溶接負荷に供給するパルス電力を一定にする制御手段を設けることによって、溶接用パワーケーブルの状態が変化しても、1パルスで供給する電力を一定にすることができるために、溶接性能への影響を無くすことができ、従来必要としたパルス条件の設定変更を不要にすることができる。
【0114】
請求項3の溶接用電源装置は、請求項1で必要とした出力電圧検出器を不要とし、定電圧特性のアーク溶接用電源装置に必須の出力電圧設定器からの出力電圧設定信号を、出力電圧検出信号の代わりに用いるために、出力電圧検出器に要するコストが低減でき、安価に本発明を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の消耗電極式アーク溶接方法に使用する溶接用電源装置の例を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示すブロック図の各部の出力信号の波形を示す図である。
【図3】図3は、従来の消耗電極式パルスアーク溶接方法に使用する溶接用電源装置を示すブロック図である。
【図4】図4は、極短時間の短絡の後にアークが再生したときの図1に示すブロック図の各部の出力信号の波形を示す図である。
【図5】図5は、図3に示す溶接用電源装置における出力電流信号Iwと電流設定信号Isとを示す図である。
【図6】図6は、等価回路を示す図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施例を示すブロック図である。
【図8】図8は、図7のブロック図で溶接用パワーケーブルが短いときの各部の出力信号の波形を示す図である。
【図9】図9は、図7のブロック図で溶接用パワーケーブルが長いときの各部の出力信号の波形を示す図である。
【図10】図10は、図7のブロック図で極短時間の短絡の後にアークを再生したときの各部の出力信号の波形を示す図である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施例を示すブロック図である。
【図12】図12は、図10のブロック図の各部の出力信号の波形を示す図である。
【図13】図13は、本発明の第3の実施例を示すブロック図である。
【図14】図14は、本発明の第4の実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
Q スイッチング回路
T 変圧器
D 整流回路
1 出力電圧検出器
2 出力電流検出器
3 微分器
4 演算器
5 ケーブル長判別器
6 ケーブル長判別基準信号発生器
7 短絡検出器
8 出力電圧設定器
11 マイクロコンピュータ
12 DA変換器
13 インバータ制御部
14 AD変換器
21 電極
22 被溶接物
71 出力端子電圧検出器
72 係数乗算器
73 短絡検出レベル設定器
74 比較演算器
80 パルス時間設定器
81 電流設定信号切換器
84 パルス電流比較信号設定器
85 パルスピーク検出器
86 パルス時間カウンタ
87 パルス周期トリガ発生器
88 パルス電流設定器
89 ベース電流設定器
R1 直流電源V1の内部抵抗
R2 溶接用パワーケーブルの抵抗
PS 溶接電源
Rw 電極ワイヤの抵抗成分
Ra アーク放電部の抵抗成分
L1 直流リアクトル
L2 溶接用パワーケーブルのインダクタンス
F フィルタ
Es 出力電圧設定信号
S4 演算信号
S5 ケーブル長判別信号
S6 ケーブル長判別基準信号
S7 短絡検出信号
S11 出力設定信号
S14 出力電流変換信号
Tpr パルス時間設定信号
Is 電流設定信号
Vsp パルス電流比較信号
V1 直流電源
Va アーク放電部の定電圧成分
Vd 出力電圧
E 出力電圧
Iw 出力電流信号
dIw/dt 変化率
k(dIw/dt) 計数乗算変化率
Vo 出力端子電圧信号
Vt 溶接電圧信号
Vr 短絡検出レベル設定値信号
Tsp パルスピーク検出信号
Trb パルス終了トリガ信号
Trp パルス周期トリガ信号
Isp パルス電流設定値信号
Isb ベース電流設定値信号
Pf 駆動パルス信号

Claims (3)

  1. アーク溶接負荷に電力を供給する溶接用電源装置において、出力電圧検出器と、出力電流検出器と、前記出力電流検出器の出力信号を微分する微分器と、前記出力電圧検出器の出力信号及び前記微分器の出力信号を入力として負荷回路のインダクタンス値を演算する演算器と、前記演算器の出力に基づき動作状態を切り換える制御手段とを具備した溶接用電源装置。
  2. 動作状態を切り換える制御手段は、パルスア−ク溶接方法において、アーク溶接負荷に供給するパルス電力を一定にする制御手段である請求項1に記載の溶接用電源装置。
  3. 出力電圧検出器の代わりに出力電圧設定器を用いた請求項1に記載の溶接用電源装置。
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