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JP3695645B2 -   Toner for electrophotography - Google Patents

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JP3695645B2
JP3695645B2 JP2001378408A JP2001378408A JP3695645B2 JP 3695645 B2 JP3695645 B2 JP 3695645B2 JP 2001378408 A JP2001378408 A JP 2001378408A JP 2001378408 A JP2001378408 A JP 2001378408A JP 3695645 B2 JP3695645 B2 JP 3695645B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナーの結着樹脂として好適な結晶性ポリエステル及び該結晶性ポリエステルを含有した電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真用トナーの結着樹脂として、低温定着性の観点から、非結晶性樹脂を結晶性樹脂と混合して用いたトナーが報告されている(特開2001−222138号公報、特開平11−249339号公報)。しかしながら、結晶性樹脂の添加はトナーの帯電性、特に正帯電性を低下させやすく、カブリ等により画質が低下する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、非晶質樹脂と混合して用いても、帯電性、特に正帯電性を低下させない結晶性ポリエステル及び該結晶性ポリエステルを含有し、画質及び低温定着性に優れた電子写真用トナーを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルコール成分と、カルボン酸成分中アジピン酸を0.1〜30モル%含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られた、軟化点が85〜150℃である結晶性ポリエステルを結着樹脂として含有してなる正帯電性の電子写真用トナーに関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の結晶性ポリエステルは、原料モノマーとして、特定量のアジピン酸を含有しているために、結晶性ポリエステルの帯電性が大幅に改善される点に特徴を有する。アジピン酸の添加によるこのような作用の詳細は不明なるも、結晶性ポリエステルの電荷をリークしやすい分子配列、特に2重結合部位の配列が、比較的フレキシブルな構造のアジピン酸を添加することにより崩れ、電荷リークが起こりにくくなり、トナーの帯電性が保持されものと推定される。
【0006】
結晶性ポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるが、アジピン酸による所望の効果を得るために、その含有量は、カルボン酸成分中、0.1モル%以上であり、結晶性及び融点の保持の観点から、30モル%以下である。従って、アジピン酸の含有量は、カルボン酸成分中、0.1〜30モル%であり、好ましくは0.5〜20モル%、より好ましくは2〜15モル%である。
【0007】
本発明の結晶性ポリエステルの原料モノマーとしては、炭素数が2〜6、好ましくは4〜6の脂肪族ジオールを80モル%以上含有したアルコール成分と炭素数が2〜8、好ましくは4〜6、より好ましくは4の脂肪族ジカルボン酸化合物を80モル%以上含有したカルボン酸成分とが好ましい。
【0008】
炭素数2〜6の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等が挙げられ、これらの中では、α,ω−直鎖アルカンジオール好ましく、1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールがより好ましい。
【0009】
炭素数2〜6の脂肪族ジオールは、アルコール成分中に、80モル%以上、好ましくは85〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%含有されているのが望ましく、特にその中の1種の脂肪族ジオールが、アルコール成分中の70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは85〜95モル%を占めているのが望ましい。
【0010】
アルコール成分には、炭素数2〜6の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分が含有されていてもよく、該多価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物等の2価の芳香族アルコールやグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
【0011】
炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、前記したアジピン酸に加えて、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中では、結晶性及び融点の点からフマル酸が好ましい。なお、脂肪族ジカルボン化合物とは、前記の如く、脂肪族ジカルボン酸、その無水物及びそのアルキル(炭素数1〜3)エステルを指すが、これらの中では、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
【0012】
炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物は、カルボン酸成分中に、80モル%以上、好ましくは85〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%含有されているのが望ましく、特にその中の1種の脂肪族ジカルボン酸化合物が、カルボン酸成分中の60モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは85〜99.9モル%を占めているのが望ましい。なかでも、結晶性ポリエステルの保存性の観点から、フマル酸が、カルボン酸成分中、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70〜99.9モル%、特に好ましくは80〜99.9モル%、含有されているのが望ましい。なお、前記の如く、炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量とは、アジピン酸の含有量も含めたものとする。
【0013】
カルボン酸成分には、炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物以外の多価カルボン酸成分が含有されていてもよく、該多価カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸;及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
【0014】
アルコール成分とカルボン酸成分は、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒、重合禁止剤等を用いて、120〜230℃の温度で反応させること等により縮重合させることができる。具体的には、樹脂の強度を上げるために全単量体を一括仕込みしたり、低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させる等の方法を用いてもよい。また、重合の後半に反応系を減圧することにより、反応を促進させてもよい。
【0015】
なお、本発明において、「結晶性」とは、軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化点/ピーク温度)が0.6〜1.5であることをいうが、さらに結晶性の高い樹脂、即ち、軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比が、好ましくは0.8〜1.3、より好ましくは0.9〜1.1の樹脂は、本発明の効果がさらに有効に発揮されるため好ましい。また「非晶質」とは、軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化点/ピーク温度)が1.5より大きいことをいい、本発明では、特に、軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比が、1.6〜5.0、より好ましくは1.7〜3.0の非晶質樹脂が好ましい。
【0016】
結晶性ポリエステルの軟化点は、85〜150℃であり、好ましくは90〜140℃、より好ましくは95〜130℃である。
【0017】
なお、結晶性ポリエステルが2種以上の樹脂からなる場合は、その少なくとも1種、好ましくはそのいずれもが以上に説明した結晶性ポリエステルであるのが望ましい。
【0018】
本発明の結晶性ポリエステルは、トナーの結着樹脂として用いられる。
【0019】
本発明のトナーにおける結晶性ポリエステルの含有量は、帯電性及び低温定着性の観点から、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。
【0020】
本発明のトナーには、結着樹脂として、さらに非晶質樹脂が含有されているのが好ましい。
【0021】
非晶質樹脂としては、非晶質ポリエステル、非晶質ポリエステルポリアミド、非晶質スチレンアクリル樹脂、非晶質ハイブリッド樹脂等が挙げられ、これらの中では、定着性や結晶性ポリエステルとの相溶性の観点から、非晶質ポリエステル及び/又は非晶質ハイブリッド樹脂、特に非晶質ポリエステルを主成分とするのが好ましい。非晶質ポリエステル及び非晶質ハイブリッド樹脂は、いずれか一方でも、両者の併用であってもよいが、これらの総量が、非晶質樹脂中、50重量%以上が好ましく、80〜100重量%がより好ましい。さらに、結着樹脂中、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルとを含むポリエステル組成物が、50重量%以上、好ましくは70〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%が含有されているのが好ましい。
【0022】
非晶質ポリエステルは、原料モノマーとして、多価アルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の多価カルボン酸成分とを縮重合させて得られる。
【0023】
多価アルコール成分としては、式(I):
【0024】
【化1】

Figure 0003695645
【0025】
(式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyは正の数を示し、xとyの和は1〜16、好ましくは1.5〜5.0である)で表される化合物、例えばポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等;エチレングリコール、1,2 −プロピレングリコール、1,4 −ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
【0026】
なお、帯電性及び耐久性の観点から、非晶質樹脂はビスフェノールA骨格を有する樹脂を主成分とすることが好ましいため、式(I)で表される化合物の含有量は、アルコール成分中、5〜100モル%が好ましく、50〜100モル%がより好ましく、80〜100モル%が特に好ましい。
【0027】
また、多価カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
【0028】
非晶質ポリエステルも、結晶性ポリエステルと同様にして製造することができる。ただし、非晶質ポリエステルとするためには、
▲1▼ アルコール成分及びカルボン酸成分のいずれにおいても、1種のモノマー量が各成分中10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%を占め、これらのモノマーが2種以上、好ましくは2〜4種用いられていること、又は
▲2▼ 炭素数2〜6の脂肪族ジオール以外のモノマー、炭素数2〜8の脂肪族カルボン酸化合物以外のモノマー、好ましくはアルコール成分ではビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が、またはカルボン酸成分では芳香族カルボン酸、アルキル基もしくはアルケニル基で置換されたコハク酸が、アルコール成分中又はカルボン酸成分中、好ましくは両成分のそれぞれにおいて30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%用いられていること
が好ましい。
【0029】
また、非晶質ポリエステルポリアミドは、前記の多価アルコール成分及び多価カルボン酸成分に加えてさらに、アミド成分を形成するために、エチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン、6−アミノカプロン酸、ε−カプロラクタム等のアミノカルボン酸類、プロパノールアミン等のアミノアルコール等が原料モノマーとして用いられ、これらの中ではヘキサメチレンジアミン及びε−カプロラクタムが好ましい。
【0030】
非晶質ポリエステル及び非晶質ポリエステルポリアミドも、結晶性ポリエステルと同様にして製造することができる。
【0031】
本発明において、ハイブリッド樹脂とは、各々独立した反応経路を有する二つの重合系樹脂成分が部分的に化学結合した樹脂をいう。ハイブリッド樹脂は、2種以上の樹脂を原料として得られたものであっても、1種の樹脂と他種の樹脂の原料モノマーから得られたものであっても、さらに2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものであってもよいが、効率よくハイブリッド樹脂を得るためには、2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものが好ましい。
【0032】
従って、ハイブリッド樹脂としては、各々独立した反応経路を有する二つの重合系樹脂の原料モノマー、好ましくは縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーを混合し、該二つの重合反応を行わせることにより得られる樹脂が好ましく、具体的には、特開平10−087839号公報に記載のハイブリッド樹脂が好ましい。
【0033】
縮重合系樹脂の代表例としては、ポリエステル、ポリエステルポリアミド、ポリアミド等が挙げられ、これらの中ではポリエステルが好ましく、前記付加重合系樹脂の代表例としては、ラジカル重合反応により得られるビニル系樹脂等が挙げられる。
【0034】
非晶質樹脂の軟化点は、好ましくは70〜180℃、より好ましくは100〜160℃、ガラス転移点は、好ましくは45〜80℃、より好ましくは55〜75℃、テトラヒドロフラン不溶分は、好ましくは0〜50重量%である。なお、ガラス転移点は非晶質樹脂に特有の物性であり、融解熱の最大ピーク温度とは区別される。
【0035】
なお、非晶質樹脂が2種以上の樹脂からなる場合は、その少なくとも1種、好ましくはそのいずれもが以上に説明した物性を有する非晶質樹脂であるのが望ましい。
【0036】
結晶性樹脂と非晶質樹脂の重量比(結晶性ポリエステル/非晶質樹脂)は、帯電性、保存性及び低温定着性の観点から、1/99〜50/50が好ましく、5/95〜40/60がより好ましく、10/90〜30/70が特に好ましい。
【0037】
本発明の電子写真用トナーには、さらに着色剤、荷電制御剤、離型剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が、適宜含有されていてもよい。
【0038】
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナー、フルカラートナーのいずれにも使用することができる。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
【0039】
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等の正帯電性荷電制御剤及び含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ベンジル酸のホウ素錯体等の負帯電性荷電制御剤が挙げられる。なお、本発明のトナーの帯電性は特に限定されないが、電荷のリークを防止するという本発明の効果がより顕著に発揮されることから、特に本発明のトナーは正帯電性トナーであるのが好ましく、正帯電性荷電制御剤が含有されているのが好ましい。
【0040】
本発明のトナーは、混練粉砕法、転相乳化法等により得られるいずれのトナーでもよいが、製造の容易な粉砕トナーが好ましく、例えば、結着樹脂、着色剤等をボールミル等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機、連続式二本ロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。
【0041】
さらに、トナーの表面には、必要に応じて流動性向上剤等が添加されていてもよい。流動性向上剤としては、シリカ、特に負帯電性シリカが好ましい。負帯電性シリカとしては、シリコーンオイル、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等により疎水化処理されたシリカが挙げられ、市販品としては、「R−974」、「R−972」、「RX−50」(以上、日本アエロジル社製)、「H−2000」、「H−1303」(以上、ワッカーケミー社製)等が挙げられる。
【0042】
本発明のトナーの体積平均粒子径は、好ましくは3〜15μmである。
【0043】
本発明の電子写真用トナーは、磁性体微粉末を含有するときは単独で現像剤として、また磁性体微粉末を含有しないときは非磁性一成分系現像剤として、もしくはキャリアと混合して二成分系現像剤として使用される。
【0044】
【実施例】
〔軟化点〕
高化式フローテスター((株)島津製作所製、CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出すようにし、これによりフローテスターのプランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするときh/2に対応する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
【0045】
〔融解熱の最大ピーク温度及びガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定し、融解熱の最大ピーク温度を求める。また、非晶質樹脂特有のガラス転移点は、前記測定で最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分から、ピークの頂点まで、最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
【0046】
〔酸価及び水酸基価〕
溶媒として、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールを用い、JIS K0070に従って測定する。
【0047】
結晶性ポリエステル製造例(樹脂a〜f)
表1に示す原料モノマー及びハイドロキノン2gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間かけて反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応させて、結晶性ポリエステル(樹脂a〜f)を得た。
【0048】
【表1】
Figure 0003695645
【0049】
非晶質ポリエステル製造例(樹脂A、B)
表2に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及び酸化ジブチル錫4gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、220℃で8時間かけ反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させた。さらに、210℃にて無水トリメリット酸を添加し、所望の軟化点に達するまで反応させて、非晶質ポリエステル(樹脂A、B)を得た。
【0050】
【表2】
Figure 0003695645
【0051】
非晶質ハイブリッド樹脂製造例(樹脂C)
表3に示すポリエステルの原料モノマーと酸化ジブチル錫4gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットル容の四つ口フラスコにを入れ、窒素雰囲気下で160℃で攪拌しつつ、滴下ロートより表3に示すビニル系樹脂の原料モノマー、両反応性モノマー及びワックスとジクミルパーオキサイド23gの混合物を1時間かけて滴下した。160℃で2時間保持した後、230℃に昇温して所望の軟化点に達するまで縮重合反応させて、非晶質ハイブリッド樹脂(樹脂C)を得た。
【0052】
【表3】
Figure 0003695645
【0053】
実施例1〜5、比較例1〜3(グループ1)
表4に示す結着樹脂、正帯電性荷電制御剤「ボントロンN−04」(オリエント化学工業社製)1重量部、カーボンブラック「MOGUL L」(キャボット社製)4重量部及び離型剤「カルナバワックス 1号」(加藤洋行社製)1重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、混練部分の全長が1560mm、スクリュー径が42mm、バレル内径が43mmの同方向回転二軸押出機を用いて溶融混練した。なお、ロール回転速度は200回転/分、ロール内の加熱温度は100℃、混合物の供給速度は10kg/時間、平均滞留時間は約18秒であった。得られた混練物を、冷却、粗粉砕した後、ジェットミルにより粉砕し分級して、体積平均粒径8.0μmの粉体を得た。
【0054】
得られた粉体100重量部に対し、疎水性シリカ「R−972」(アエロジル社製)1重量部を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、正帯電性トナーを得た。
【0055】
なお、疎水性シリカと混合する前の粉体4重量部に対して、平均粒子径90μmのシリコンコートフェライトキャリア(関東電化工業社製)96重量部を10分間ターブラーミキサーにより混合し、「q/m Meter MODEL 210HS」(TREK社製)を用いて帯電量を測定した。
【0056】
【表4】
Figure 0003695645
【0057】
実施例6、比較例4、5(グループ2)
表5に示す結着樹脂を用い、「ボントロンN−04」の代わりに「ボントロンP−51」(オリエント化学工業社製)1重量部を、カーボンブラックの代わりにシアン顔料「ECB−301」(大日精化社製)4重量部をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、正帯電性トナーを得た。
【0058】
【表5】
Figure 0003695645
【0059】
実施例7、比較例6、7(グループ3)
表6に示す結着樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、正帯電性トナーを得た。
【0060】
【表6】
Figure 0003695645
【0061】
実施例8、比較例8、9(グループ4)
表7に示す結着樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、正帯電性トナーを得た。
【0062】
【表7】
Figure 0003695645
【0065】
試験例
実施例1〜8及び比較例1〜9の各正帯電性トナー4重量部に対して、平均粒子径60μmのシリコンコートフェライトキャリア(関東電化工業社製)96重量部を10分間ターブラーミキサーにて混合し、二成分現像剤とした。次いで、プリンター「LS−1550」(京セラ(株)製)を改造した装置に実装し、各グループにおいて結晶性ポリエステルを使用しなかったトナー(例えば、グループ1では比較例2のトナー)において、良好な画質(◎レベル)が得られ、トナーの付着量が0.5mg/cm2 となるように条件を調整し、画像出しを行った。
【0066】
画質は、100枚印字後の感光体上のカブリをメンディングテープ「Scotch Cat.No.810−3−18」(住友スリーエム(株)製)で採取し、Labモードで色差計「CR−221」(ミノルタ社製)で測定し、ブランクとの色差をΔEとして求め、以下の評価基準に従って評価した。結果を表4〜7に併記する。
【0067】
〔評価基準〕
◎:ΔEが4.0未満であり、実使用上良好。
○:ΔEが4.0以上、7.0未満であり、実使用上は特に問題がない。
×:ΔEが7.0以上であり、実使用不可。
【0069】
試験例2
実施例1〜8、比較例1〜9のトナーにプリンター「LS−1550」定着機をオフラインによる定着が可能なように改良した装置を用い、定着ロールの温度を90℃から240℃へと順次上昇させながら画像出しを行った。
【0070】
500gの荷重をかけた底面が15mm×7.5mmの砂消しゴムで、各温度における定着画像を5往復擦り、擦る前後の光学反射密度を反射濃度計「RD−915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(擦り後/擦り前)が最初に70%を越える定着ローラーの温度を最低定着温度とし、以下の評価基準に従って、低温定着性を評価した。定着試験に用いた紙はシャープ社製の「CopyBond SF−70NA(75g/m2 )である。結果を表4〜に示す。
【0071】
〔評価基準〕
○:最低定着温度が150℃未満である。
×:最低定着温度が150℃以上である。
【0072】
以上の結果から、アジピン酸を用いて得られた結晶性ポリエステルを含有した結着樹脂を用いた実施例1〜のトナーは、比較例1〜のトナーと対比して、低温定着性を維持し、かつ帯電量や画質の低下も生じないことが分かる。
【0073】
【発明の効果】
本発明により、非晶質樹脂と混合して用いても、帯電性、特に正帯電性を保持できる結晶性ポリエステル及び該結晶性ポリエステルを含有し、画質及び低温定着性に優れた電子写真用トナーを提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention includes a crystalline polyester suitable as a binder resin for an electrophotographic toner used for developing a latent image formed in an electrophotographic method, an electrostatic recording method, an electrostatic printing method, and the like, and the crystalline polyester The present invention relates to an electrophotographic toner.
[0002]
[Prior art]
As a binder resin for an electrophotographic toner, a toner using a non-crystalline resin mixed with a crystalline resin has been reported from the viewpoint of low-temperature fixability (Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-222138, Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 11-). 249339). However, the addition of the crystalline resin tends to lower the chargeability of the toner, particularly the positive chargeability, and the image quality deteriorates due to fogging or the like.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention relates to a crystalline polyester that does not deteriorate chargeability, particularly positive chargeability, even when used in admixture with an amorphous resin, and an electrophotographic toner containing the crystalline polyester and excellent in image quality and low-temperature fixability. The purpose is to provide.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The present invention includes a A alcohol component, a crystalline polyester with a carboxylic acid component and the carboxylic acid component of adipic acid containing 0.1 to 30 mol% obtained by polycondensing, a softening point of 85 to 150 ° C. The present invention relates to a positively chargeable electrophotographic toner comprising a binder resin .
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Since the crystalline polyester of the present invention contains a specific amount of adipic acid as a raw material monomer, it is characterized in that the charging property of the crystalline polyester is greatly improved. Although the details of such action due to the addition of adipic acid are unclear, the addition of adipic acid having a relatively flexible structure in which the molecular arrangement of the crystalline polyester, which tends to leak charges, in particular the arrangement of the double bond sites, is relatively It is presumed that the toner is collapsed, charge leakage is less likely to occur, and the chargeability of the toner is maintained.
[0006]
The crystalline polyester is obtained by polycondensation of an alcohol component and a carboxylic acid component. In order to obtain a desired effect of adipic acid, the content is 0.1 mol% or more in the carboxylic acid component. From the viewpoint of maintaining crystallinity and melting point, it is 30 mol% or less. Therefore, content of adipic acid is 0.1-30 mol% in a carboxylic acid component, Preferably it is 0.5-20 mol%, More preferably, it is 2-15 mol%.
[0007]
As a raw material monomer of the crystalline polyester of the present invention, an alcohol component containing 80 mol% or more of an aliphatic diol having 2 to 6 carbon atoms, preferably 4 to 6 carbon atoms, and 2 to 8 carbon atoms, preferably 4 to 6 carbon atoms. More preferably, a carboxylic acid component containing 80 mol% or more of the aliphatic dicarboxylic acid compound 4 is preferable.
[0008]
Examples of the aliphatic diol having 2 to 6 carbon atoms include ethylene glycol, 1,2-propylene glycol, 1,3-propylene glycol, 1,4-butanediol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, Neopentyl glycol, 1,4-butenediol and the like can be mentioned. Among these, α, ω-linear alkanediol is preferable, and 1,4-butanediol and 1,6-hexanediol are more preferable.
[0009]
It is desirable that the aliphatic diol having 2 to 6 carbon atoms is contained in the alcohol component in an amount of 80 mol% or more, preferably 85 to 100 mol%, more preferably 90 to 100 mol%. It is desirable that the aliphatic diol of the seed occupies 70 mol% or more, preferably 80 mol% or more, more preferably 85 to 95 mol% in the alcohol component.
[0010]
The alcohol component may contain a polyhydric alcohol component other than the aliphatic diol having 2 to 6 carbon atoms. As the polyhydric alcohol component, polyoxypropylene (2.2) -2,2-bis Alkylene (2 to 3 carbon atoms) oxide of bisphenol A such as (4-hydroxyphenyl) propane and polyoxyethylene (2.2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (average added mole number 1 to 10) Divalent aromatic alcohols such as adducts and trivalent or higher alcohols such as glycerin, pentaerythritol, and trimethylolpropane.
[0011]
Examples of the aliphatic dicarboxylic acid compound having 2 to 8 carbon atoms include oxalic acid, malonic acid, maleic acid, fumaric acid, citraconic acid, itaconic acid, glutaconic acid, succinic acid, and these acids in addition to the above-mentioned adipic acid Anhydrides, alkyl (1 to 3 carbon atoms) esters, and the like. Among these, fumaric acid is preferable from the viewpoint of crystallinity and melting point. In addition, as mentioned above, the aliphatic dicarboxylic compound refers to an aliphatic dicarboxylic acid, its anhydride, and its alkyl (C1-3) ester. Among these, an aliphatic dicarboxylic acid is preferable.
[0012]
The aliphatic dicarboxylic acid compound having 2 to 8 carbon atoms is desirably contained in the carboxylic acid component in an amount of 80 mol% or more, preferably 85 to 100 mol%, more preferably 90 to 100 mol%. It is desirable that one aliphatic dicarboxylic acid compound in them accounts for 60 mol% or more, preferably 80 mol% or more, more preferably 85 to 99.9 mol% in the carboxylic acid component. Among these, fumaric acid is preferably 60 mol% or more, more preferably 70 to 99.9 mol%, particularly preferably 80 to 99.9 mol% in the carboxylic acid component from the viewpoint of storage stability of the crystalline polyester. , It is desirable to contain. As described above, the content of the aliphatic dicarboxylic acid compound having 2 to 8 carbon atoms includes the content of adipic acid.
[0013]
The carboxylic acid component may contain a polyvalent carboxylic acid component other than the aliphatic dicarboxylic acid compound having 2 to 8 carbon atoms. Examples of the polyvalent carboxylic acid component include phthalic acid, isophthalic acid, terephthalic acid and the like. Aromatic dicarboxylic acids; sebacic acid, azelaic acid, n-dodecyl succinic acid, n-dodecenyl succinic acid aliphatic dicarboxylic acid; cyclohexanedicarboxylic acid and other alicyclic dicarboxylic acids; trimellitic acid, pyromellitic acid and other trivalents The above polyvalent carboxylic acids; and anhydrides of these acids, alkyl (C1-C3) esters, and the like.
[0014]
The alcohol component and the carboxylic acid component can be polycondensed in an inert gas atmosphere by reacting them at a temperature of 120 to 230 ° C., if necessary, using an esterification catalyst, a polymerization inhibitor or the like. Specifically, all monomers are charged at once to increase the strength of the resin, or a divalent monomer is first reacted to reduce low molecular weight components, and then a trivalent or higher monomer. A method of adding and reacting may be used. Further, the reaction may be accelerated by reducing the pressure of the reaction system in the latter half of the polymerization.
[0015]
In the present invention, “crystallinity” means that the ratio of the softening point to the maximum peak temperature of the heat of fusion (softening point / peak temperature) is 0.6 to 1.5. A high resin, that is, a resin having a ratio between the softening point and the maximum peak temperature of the heat of fusion of preferably 0.8 to 1.3, more preferably 0.9 to 1.1, makes the effect of the present invention more effective. Since it is exhibited, it is preferable. The term “amorphous” means that the ratio of the softening point to the maximum peak temperature of the heat of fusion (softening point / peak temperature) is greater than 1.5. An amorphous resin having a peak temperature ratio of 1.6 to 5.0, more preferably 1.7 to 3.0 is preferable.
[0016]
The softening point of the crystalline polyester is 85 to 150 ° C, preferably 90 to 140 ° C, more preferably 95 to 130 ° C.
[0017]
In the case where the crystalline polyester is composed of two or more kinds of resins, it is desirable that at least one of the crystalline polyesters, preferably any of them is the crystalline polyester described above.
[0018]
The crystalline polyester of the present invention is used as a binder resin for toner.
[0019]
The content of the crystalline polyester in the toner of the present invention is preferably 1 to 50% by weight, more preferably 5 to 40% by weight, and particularly preferably 10 to 30% by weight from the viewpoints of chargeability and low-temperature fixability. .
[0020]
The toner of the present invention preferably further contains an amorphous resin as a binder resin.
[0021]
Amorphous resins include amorphous polyester, amorphous polyester polyamide, amorphous styrene acrylic resin, amorphous hybrid resin, etc. Among them, fixability and compatibility with crystalline polyester From this point of view, it is preferable that the main component is amorphous polyester and / or amorphous hybrid resin, particularly amorphous polyester. Either one of the amorphous polyester and the amorphous hybrid resin may be used in combination, but the total amount thereof is preferably 50% by weight or more in the amorphous resin, and is 80 to 100% by weight. Is more preferable. Furthermore, in the binder resin, the polyester composition containing crystalline polyester and amorphous polyester contains 50% by weight or more, preferably 70 to 100% by weight, more preferably 90 to 100% by weight. Is preferred.
[0022]
The amorphous polyester is obtained by polycondensing a polyhydric alcohol component and a polyvalent carboxylic acid component such as a carboxylic acid, a carboxylic acid anhydride, or a carboxylic acid ester as a raw material monomer.
[0023]
As the polyhydric alcohol component, the formula (I):
[0024]
[Chemical 1]
Figure 0003695645
[0025]
(Wherein R is an alkylene group having 2 or 3 carbon atoms, x and y are positive numbers, and the sum of x and y is 1 to 16, preferably 1.5 to 5.0). Compounds such as bisphenols such as polyoxypropylene (2.2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane and polyoxyethylene (2.2) -2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane A alkylene (2 to 3 carbon atoms) oxide (average added mole number 1 to 16) adduct, etc .; ethylene glycol, 1,2-propylene glycol, 1,4-butanediol, neopentyl glycol, polyethylene glycol, polypropylene glycol Bisphenol A, hydrogenated bisphenol A and the like.
[0026]
In addition, from the viewpoint of chargeability and durability, the amorphous resin preferably contains a resin having a bisphenol A skeleton as a main component. Therefore, the content of the compound represented by the formula (I) 5-100 mol% is preferable, 50-100 mol% is more preferable, and 80-100 mol% is especially preferable.
[0027]
The polyvalent carboxylic acid component includes dicarboxylic acids such as phthalic acid, isophthalic acid, terephthalic acid, fumaric acid and maleic acid, alkyl groups having 1 to 20 carbon atoms such as dodecenyl succinic acid and octyl succinic acid, or carbon numbers 2 to 2. Examples thereof include succinic acid, trimellitic acid, pyromellitic acid substituted with 20 alkenyl groups, anhydrides of these acids, and alkyl (carbon number 1 to 3) esters of those acids.
[0028]
Amorphous polyester can also be produced in the same manner as crystalline polyester. However, in order to make amorphous polyester,
(1) In both the alcohol component and the carboxylic acid component, the amount of one type of monomer accounts for 10 to 70 mol%, preferably 20 to 60 mol% of each component, and these monomers are two or more types, preferably 2 -4 types are used, or (2) a monomer other than an aliphatic diol having 2 to 6 carbon atoms, a monomer other than an aliphatic carboxylic acid compound having 2 to 8 carbon atoms, preferably an alkylene of bisphenol A as an alcohol component Oxide adducts or, in the carboxylic acid component, succinic acid substituted with an aromatic carboxylic acid, alkyl group or alkenyl group in the alcohol component or carboxylic acid component, preferably 30 to 100 mol% in each of both components, Preferably it is used 50-100 mol%.
[0029]
In addition to the polyhydric alcohol component and polyvalent carboxylic acid component, the amorphous polyester polyamide further comprises ethylenediamine, pentamethylenediamine, hexamethylenediamine, diethylenetriamine, iminobispropylamine to form an amide component. Polyamines such as phenylenediamine, xylylenediamine and triethylenetetramine, aminocarboxylic acids such as 6-aminocaproic acid and ε-caprolactam, aminoalcohols such as propanolamine, etc. are used as raw material monomers. Among these, hexamethylenediamine is used. And ε-caprolactam are preferred.
[0030]
Amorphous polyester and amorphous polyester polyamide can also be produced in the same manner as crystalline polyester.
[0031]
In the present invention, the hybrid resin refers to a resin in which two polymer resin components each having an independent reaction path are partially chemically bonded. The hybrid resin may be obtained from two or more kinds of resins as raw materials, or may be obtained from a raw material monomer of one kind of resin and another kind of resin, or two or more kinds of resins. Although what was obtained from the mixture of the raw material monomer may be used, in order to obtain a hybrid resin efficiently, what was obtained from the mixture of the raw material monomer of 2 or more types of resin is preferable.
[0032]
Therefore, as a hybrid resin, raw material monomers of two polymerization resins each having an independent reaction path, preferably, a raw material monomer of a condensation polymerization resin and a raw material monomer of an addition polymerization resin are mixed, and the two polymerization reactions are performed. The resin obtained by carrying out is preferable, and specifically, a hybrid resin described in JP-A-10-087839 is preferable.
[0033]
Typical examples of the condensation polymerization resins include polyesters, polyester polyamides, polyamides, etc. Among them, polyesters are preferable, and typical examples of the addition polymerization resins include vinyl resins obtained by radical polymerization reaction, etc. Is mentioned.
[0034]
The softening point of the amorphous resin is preferably 70 to 180 ° C., more preferably 100 to 160 ° C., the glass transition point is preferably 45 to 80 ° C., more preferably 55 to 75 ° C., and the tetrahydrofuran insoluble matter is preferably Is 0 to 50% by weight. The glass transition point is a physical property peculiar to an amorphous resin, and is distinguished from the maximum peak temperature of heat of fusion.
[0035]
In the case where the amorphous resin is composed of two or more kinds of resins, it is desirable that at least one, preferably any of them, is an amorphous resin having the physical properties described above.
[0036]
The weight ratio of the crystalline resin to the amorphous resin (crystalline polyester / amorphous resin) is preferably 1/99 to 50/50 from the viewpoint of chargeability, storage stability and low-temperature fixability, and 5/95 to 40/60 is more preferable, and 10/90 to 30/70 is particularly preferable.
[0037]
The toner for electrophotography of the present invention further includes a colorant, a charge control agent, a release agent, a conductivity adjusting agent, an extender, a reinforcing filler such as a fibrous substance, an antioxidant, an anti-aging agent, and an improvement in fluidity. Additives such as agents and cleaning improvers may be contained as appropriate.
[0038]
As the colorant, all of dyes and pigments used as toner colorants can be used, such as carbon black, phthalocyanine blue, permanent brown FG, brilliant first scarlet, pigment green B, rhodamine-B base, Solvent Red 49, Solvent Red 146, Solvent Blue 35, Quinacridone, Carmine 6B, Disazo Yellow and the like can be used alone or in combination of two or more. The toner of the present invention is a black toner, color It can be used for both toner and full color toner. The content of the colorant is preferably 1 to 40 parts by weight and more preferably 3 to 10 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the binder resin.
[0039]
Charge control agents include nigrosine dyes, triphenylmethane dyes containing tertiary amines as side chains, quaternary ammonium salt compounds, polyamine resins, imidazole derivatives and other positively chargeable charge control agents and metal-containing azo dyes, copper Examples include negatively chargeable charge control agents such as phthalocyanine dyes, metal complexes of alkyl derivatives of salicylic acid, and boron complexes of benzylic acid. The chargeability of the toner of the present invention is not particularly limited, but the toner of the present invention is a positively chargeable toner because the effect of the present invention of preventing charge leakage is more remarkable. Preferably, a positively chargeable charge control agent is contained.
[0040]
The toner of the present invention may be any toner obtained by a kneading and pulverizing method, a phase inversion emulsification method, etc., but a pulverized toner that is easy to manufacture is preferable. After uniform mixing, it can be manufactured by melt-kneading with a closed kneader, a single or biaxial extruder, a continuous two-roll kneader, etc., cooling, pulverizing and classifying.
[0041]
Furthermore, a fluidity improver or the like may be added to the surface of the toner as necessary. As the fluidity improver, silica, particularly negatively chargeable silica is preferable. Examples of the negatively-charged silica include silica hydrophobized with silicone oil, dimethyldichlorosilane, hexamethyldisilazane, etc., and commercially available products include “R-974”, “R-972”, “RX-”. 50 ”(manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.),“ H-2000 ”,“ H-1303 ”(manufactured by Wacker Chemie), and the like.
[0042]
The toner of the present invention preferably has a volume average particle diameter of 3 to 15 μm.
[0043]
The electrophotographic toner of the present invention can be used alone as a developer when containing magnetic fine powder, or as a non-magnetic one-component developer when not containing magnetic fine powder, or mixed with a carrier. Used as a component developer.
[0044]
【Example】
[Softening point]
Using a Koka type flow tester (manufactured by Shimadzu Corporation, CFT-500D), a 1 g sample was heated at a heating rate of 6 ° C./min, a load of 1.96 MPa was applied by a plunger, a diameter of 1 mm, The nozzle is pushed out from a nozzle with a length of 1 mm, thereby drawing a plunger tester's descending amount (flow value) -temperature curve, and when the height of the S-shaped curve is h, the temperature corresponding to h / 2 (resin The temperature at which half of the effluent flowed out) is taken as the softening point.
[0045]
[Maximum peak temperature of melting heat and glass transition point]
Using a differential scanning calorimeter (Seiko Denshi Kogyo Co., Ltd., DSC210), the temperature was raised to 200 ° C., and the sample cooled from that temperature to 0 ° C. at a temperature lowering rate of 10 ° C./min was measured at a temperature rising rate of 10 ° C./min. Determine the maximum peak temperature of heat of fusion. In addition, the glass transition point peculiar to the amorphous resin is the temperature at the intersection of the extended line of the baseline below the maximum peak temperature and the tangent line indicating the maximum inclination from the peak rising portion to the peak apex in the measurement. .
[0046]
[Acid value and hydroxyl value]
Measurement is performed according to JIS K0070 using 1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-propanol as a solvent.
[0047]
Crystalline polyester production example (resins a to f)
The raw material monomer and 2 g of hydroquinone shown in Table 1 were placed in a 5-liter four-necked flask equipped with a nitrogen introduction tube, a dehydration tube, a stirrer, and a thermocouple, and reacted at 160 ° C. for 5 hours. The temperature was raised to ° C. and reacted for 1 hour, and further reacted at 8.3 kPa for 1 hour to obtain crystalline polyester (resins a to f).
[0048]
[Table 1]
Figure 0003695645
[0049]
Amorphous polyester production example (resins A and B)
Raw material monomers other than trimellitic anhydride shown in Table 2 and 4 g of dibutyltin oxide were placed in a 5-liter four-necked flask equipped with a nitrogen introducing tube, a dehydrating tube, a stirrer, and a thermocouple, and 8 ° C. at 220 ° C. After reacting over time, it was reacted at 8.3 kPa for 1 hour. Furthermore, trimellitic anhydride was added at 210 ° C. and reacted until the desired softening point was reached to obtain amorphous polyesters (resins A and B).
[0050]
[Table 2]
Figure 0003695645
[0051]
Amorphous hybrid resin production example (Resin C)
A polyester raw material monomer shown in Table 3 and 4 g of dibutyltin oxide were placed in a 5-liter four-necked flask equipped with a nitrogen introduction tube, a dehydration tube, a stirrer and a thermocouple, and stirred at 160 ° C. in a nitrogen atmosphere. Then, a raw material monomer for vinyl resin, a bireactive monomer and a mixture of wax and 23 g of dicumyl peroxide shown in Table 3 were dropped from a dropping funnel over 1 hour. After holding at 160 ° C. for 2 hours, the temperature was raised to 230 ° C. and a condensation polymerization reaction was performed until a desired softening point was reached, thereby obtaining an amorphous hybrid resin (resin C).
[0052]
[Table 3]
Figure 0003695645
[0053]
Examples 1-5, Comparative Examples 1-3 (Group 1)
Binder resin shown in Table 4, positive charge control agent “Bontron N-04” (manufactured by Orient Chemical Industries) 1 part by weight, carbon black “MOGUL L” (manufactured by Cabot) 4 parts by weight, and release agent “ Carnauba Wax No. 1 "(manufactured by Kato Yoko Co., Ltd.) is mixed with a Henschel mixer and melt-kneaded using a co-rotating twin screw extruder with a kneading part length of 1560 mm, screw diameter of 42 mm and barrel inner diameter of 43 mm did. The roll rotation speed was 200 rotations / minute, the heating temperature in the roll was 100 ° C., the mixture supply speed was 10 kg / hour, and the average residence time was about 18 seconds. The obtained kneaded product was cooled and coarsely pulverized, and then pulverized and classified by a jet mill to obtain a powder having a volume average particle size of 8.0 μm.
[0054]
To 100 parts by weight of the obtained powder, 1 part by weight of hydrophobic silica “R-972” (manufactured by Aerosil) was added and mixed with a Henschel mixer to obtain a positively chargeable toner.
[0055]
In addition, 96 parts by weight of silicon-coated ferrite carrier (manufactured by Kanto Denka Kogyo Co., Ltd.) having an average particle diameter of 90 μm was mixed for 10 minutes with a tumbler mixer with respect to 4 parts by weight of the powder before mixing with hydrophobic silica. / M Meter MODEL 210HS "(manufactured by TREK) was used to measure the charge amount.
[0056]
[Table 4]
Figure 0003695645
[0057]
Example 6, Comparative Examples 4, 5 (Group 2)
Using the binder resin shown in Table 5, instead of “Bontron N-04”, 1 part by weight of “Bontron P-51” (manufactured by Orient Chemical Co., Ltd.) and cyan pigment “ECB-301” (instead of carbon black) A positively chargeable toner was obtained in the same manner as in Example 1 except that 4 parts by weight of Dainichi Seika Co., Ltd. were used.
[0058]
[Table 5]
Figure 0003695645
[0059]
Example 7, Comparative Examples 6 and 7 (Group 3)
A positively chargeable toner was obtained in the same manner as in Example 1 except that the binder resin shown in Table 6 was used.
[0060]
[Table 6]
Figure 0003695645
[0061]
Example 8, Comparative Examples 8 and 9 (Group 4)
A positively chargeable toner was obtained in the same manner as in Example 1 except that the binder resin shown in Table 7 was used.
[0062]
[Table 7]
Figure 0003695645
[0065]
Test example 1
96 parts by weight of a silicon-coated ferrite carrier (manufactured by Kanto Denka Kogyo Co., Ltd.) having an average particle diameter of 60 μm is added to a tumbler mixer for 10 minutes with respect to 4 parts by weight of each of the positively chargeable toners of Examples 1 to 8 and Comparative Examples 1 to 9. To obtain a two-component developer. Next, the printer “LS-1550” (manufactured by Kyocera Corporation) was mounted on a modified device, and toner that did not use crystalline polyester in each group (for example, toner in Comparative Example 2 in Group 1) was good. The image was adjusted by adjusting the conditions so that a good image quality ((level) was obtained and the toner adhesion amount was 0.5 mg / cm 2 .
[0066]
For image quality, fog on the photoconductor after printing 100 sheets was collected with a mending tape “Scotch Cat. No. 810-3-18” (manufactured by Sumitomo 3M Limited), and color difference meter “CR-221” in Lab mode. ”(Minolta Co., Ltd.), the color difference from the blank was determined as ΔE, and evaluated according to the following evaluation criteria. The results are also shown in Tables 4-7.
[0067]
〔Evaluation criteria〕
A: ΔE is less than 4.0, which is good for practical use.
A: ΔE is 4.0 or more and less than 7.0, and there is no problem in actual use.
X: ΔE is 7.0 or more, and actual use is impossible.
[0069]
Test example 2
For the toners of Examples 1 to 8 and Comparative Examples 1 to 9, the fixing device of the printer “LS-1550” was improved so that fixing can be performed off-line, and the temperature of the fixing roll was changed from 90 ° C. to 240 ° C. The images were taken out while being raised.
[0070]
Using a sand eraser with a bottom of 15 mm x 7.5 mm under a load of 500 g, rubbing the fixed image at each temperature for 5 reciprocations, and using a reflection densitometer "RD-915" (manufactured by Macbeth Co.) to measure the optical reflection density before and after rubbing. The fixing roller temperature at which the ratio between the two (after rubbing / before rubbing) first exceeded 70% was defined as the minimum fixing temperature, and the low-temperature fixing property was evaluated according to the following evaluation criteria. Paper used in the fixing test are manufactured by Sharp Corporation of "CopyBond SF-70NA (75g / m 2). The results are shown in Table 4-7.
[0071]
〔Evaluation criteria〕
A: The minimum fixing temperature is less than 150 ° C.
X: The minimum fixing temperature is 150 ° C. or higher.
[0072]
From the above results, the toners of Examples 1 to 8 using the binder resin containing crystalline polyester obtained by using adipic acid have low temperature fixability as compared with the toners of Comparative Examples 1 to 9. It can be seen that the charge amount and image quality are not deteriorated.
[0073]
【The invention's effect】
According to the present invention, a crystalline polyester capable of maintaining chargeability, particularly positive chargeability, even when used in combination with an amorphous resin, and an electrophotographic toner containing the crystalline polyester and excellent in image quality and low-temperature fixability Can be provided.

Claims (3)

アルコール成分と、カルボン酸成分中アジピン酸を0.1〜30モル%含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られた、軟化点が85〜150℃である結晶性ポリエステルを結着樹脂として含有してなる正帯電性の電子写真用トナーA crystalline polyester having a softening point of 85 to 150 ° C. obtained by condensation polymerization of an alcohol component and a carboxylic acid component containing 0.1 to 30 mol% of adipic acid in the carboxylic acid component is used as a binder resin. A positively chargeable electrophotographic toner containing the toner . 結晶性ポリエステルが、炭素数2〜6の脂肪族ジオールを80モル%以上含有したアルコール成分と炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物を80モル%以上含有したカルボン酸成分を縮重合させて得られる樹脂である請求項1記載の電子写真用トナー The crystalline polyester is obtained by polycondensing an alcohol component containing 80 mol% or more of an aliphatic diol having 2 to 6 carbon atoms and a carboxylic acid component containing 80 mol% or more of an aliphatic dicarboxylic acid compound having 2 to 8 carbon atoms. The toner for electrophotography according to claim 1, which is a resin obtained. さらに、非晶質樹脂を結着樹脂として含有してなる請求項1又は2記載の電子写真用トナー。Furthermore, comprising an amorphous resin as a binder resin according to claim 1 or 2 toner for electrophotography according.
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