JP3695171B2 - Electric brake device for vehicle - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータを用いて車輪を制動する車両用電動ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば国際出願公開WO97/12794号公報に示されているように、車輪と一体的に回転する回転体に対向して設けた摩擦部材と、摩擦部材を回転体に向けて駆動するための駆動部材を回転動作に連動して変位させる電動モータとを備え、電動モータを回転動作させることにより、摩擦部材を回転体に押し付けて車輪の回転を制動するようにした車両用電動ブレーキ装置は知られている。さらに、前記公報には、一定の目標駆動電流を電動モータに流すことにより同電動モータを一定の駆動トルクで回転させ、同回転により駆動部材を介して摩擦部材を駆動し、摩擦部材が回転体に当接して摩擦力を付与し始める電動モータの基準回転角(駆動部材の変位における原点位置に相当)を検出することが紹介されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の電動ブレーキ装置においては、停止状態にある電動モータを駆動部材と共に回転動作させるためには少なくともある程度の大きさの最小駆動電流を電動モータに流す必要があり、またこの最小駆動電流はブレーキ装置のおかれる温度などの環境に応じて変化するものである。しかし、上記公報に記載の従来技術は、この最小駆動電流の変化を考慮しておらず、電動モータに所望の駆動トルクを精度よく発生させることができない。
【0004】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、上記従来装置の基準回転角を検出するための電動モータの電流制御を含み、電動モータの電流制御による制動力付与など、車両用電動ブレーキ装置における電動モータの各種電流制御において、高精度の制御を行えるようにした車両用電動ブレーキ装置を提供することにある。
【0007】
本発明は、上記の目的を達成するため、車輪と一体に回転する回転体に当接して制動力を生じさせる摩擦部材と、制動時に起動される電動モータの回転動作に連動して前記摩擦部材を前記回転体に対して相対的に変位させる駆動部材と、前記電動モータに当該車両のブレーキペダルの踏込み操作量に応じて決定される目標駆動電流を付与して同目標駆動電流に応じた駆動トルクで前記電動モータを回転駆動させる駆動電流制御手段とを備えた車両用電動ブレーキ装置において、前記電動モータの回転動作に応じて前記駆動部材の変位量を検出する変位検出手段と、前記電動モータを起動して前記駆動部材を変位させるのに必要な最小駆動電流( I *)を同電動モータに付与して前記変位検出手段によって検出された前記駆動部材の変位量( S )に基づき前記摩擦部材が前記回転体から離間した状態にて前記駆動部材が位置する仮の原点位置( So' )を求める位置検出手段と、この位置検出手段により前記仮の原点位置( So' )が求められた後に、停止した状態の前記電動モータに再び駆動電流を付与して同駆動電流を徐々に増加させることにより前記駆動部材が前記仮の原点位置から変位し始めたときの駆動電流を前記変位検出手段の検出信号に基づき仮の原点位置にての最小駆動電流( Io )として検出する駆動電流検出手段と、この駆動電流検出手段によって検出された仮の原点位置にての前記最小駆動電流を前記電動モータに付与して前記摩擦部材が前記回転体に当接し始めたとき前記変位検出手段によって検出される前記駆動部材の変位量に基づき原点位置を決定する原点位置決定手段とを設けたことを特徴とする車両用電動ブレーキ装置を提供するものである。
【0008】
上記のように構成した車両用電動ブレーキ装置においては、当該車両の使用環境が変化して電動モータの起動時に付与する最小駆動電流が変化しても、その変化した環境下で電動モータの起動時における駆動部材(パッドの押動シャフト)の原点位置を的確に決定して電動モータを回転駆動させるのに必要な最小駆動電流を検出することができる。これにより、制動時に電動モータに付与される駆動電流を目標駆動電流に応じて常に精度良く制御することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る車両用電動ブレーキ装置の全体を概略的に示すブロック図である。この車両は、前後左右の各車輪位置にて、ディスク式のブレーキユニット10をそれぞれ備えている(一つのみを図示)。
【0010】
各ブレーキユニット10は、図2にて詳細に示すように、車輪と一体的に図示左右方向の軸線回りに回転する回転体としてのディスク11と、ディスク11の両側にてそれぞれディスク11に対向して配設された一対の摩擦部材としてのパッド12a,12bと、これらのパッド12 a 、12 b を組付けたキャリパ13とを備えている。キャリパ13は、図示しない車両本体に対してディスク11の軸線方向に変位可能に組み付けられており、ディスク11の外側(図示右側)のパッド12aを同パッド12aの裏金12a1にて固定している。パッド12a,12b及びそれらの裏面に固着した裏金12a1,12b1は、図示しないスプリングによりディスク11から離れるように弱い力で付勢されている。キャリパ13内には、直流モータで構成した電動モータ20が収容されている。
【0011】
電動モータ20は、ステータ21を備えている。ステータ21は、それぞれ電流が供給される複数個のコイルを周方向に並設して環状に形成されたものであり、図示左右方向の軸線回りに配設されて、キャリパ13の内周面上に回転不能に固定されている。ステータ21の内周部には、円筒状に形成されたロータ22が同ステータ21と同軸的に配設されている。ロータ22の外周面上には複数個の永久磁石22aが周方向に沿って固定されており、同ロータ22は上記ステータ21の各コイルへの電流の供給に応じて同ステータ21に対し軸線回りに回転するようになっている。ロータ22の内周面上には、円筒状のナット23がその外周面上にて同軸的に固定されている。
【0012】
ナット23はキャリパ13の内周面上に軸線方向に移動不能かつ軸線回りに回転可能に支持されており、ロータ22の回転時に同ロータ22と一体に回転する。ナット23の内周面上には、同ナット23と同軸的に配設されて、軸線回りに回転不能かつ軸線方向に変位可能な円柱状のシャフト24が組み付けられている。なお、このシャフト24はパッド12a,12bを押圧駆動するための駆動部材を構成する。ナット23の内周面とシャフト24の外周面に形成したねじ部には複数のねじローラ25が周方向に等間隔に互いに平行に螺合している。各ねじローラ25は、上記ナット23の回転に応じて、各軸線回りにそれぞれ回転しながらシャフト24を軸線方向に変位させる。
【0013】
このように構成した電動モータ20においては、同モータ20(詳しくはステータ21を構成するコイル)に駆動電流を流しても、ナット23、ねじローラ25などの摩擦力のために、前記駆動電流が小さい場合にはシャフト24を軸線方向に変位させることはできず、同電流がある程度の大きさ以上にならないとシャフト24は軸線方向に変位されない。本明細書では、この電動モータ20を回転動作させてシャフト24を変位させるために最低限必要な駆動電流を、最小駆動電流Ioという。そして、この最小駆動電流Ioは、ナット23及びねじローラ25の間などに詰めたグリスの温度など、すなわちブレーキユニット10がおかれる環境に応じて変化するものであるとともに、電動モータ20を含む各部品の相違によっても異なる。
【0014】
シャフト24は、ナット23から突出する方向(図示右方向)に変位するときに、まず、その先端にてディスク11の内側のパッド12bの裏金12b1に当接する。そして、同当接後、パッド12bを同シャフト24と一体的に変位させ、ディスク11の内側面に当接させて押し付ける。このとき、その反力によりキャリパ13がディスク11に対して上記シャフト24の変位方向と逆向きに変位し、ディスク11の外側のパッド12aをディスク11の外側面に押し付ける。これにより、電動モータ20は、駆動電流の供給に応じて、各パッド12a,12bを変位させてディスク11の両面上に押し付けるように作動する。このとき、ディスク11と各パッド12a,12bとの間の摩擦により、ディスク11の回転が制動されて車輪の回転が制動される。
【0015】
電動モータ20には、ロータリエンコーダ26が組み付けられている。ロータリエンコーダ26は、ロータ22に周方向に並設された複数個の磁石26aと、同磁石26aに対向してキャリパ13の内壁に並設された複数個のホール素子26bとを備えており、ロータ22のキャリパ13に対する回転に伴って、各ホール素子26b毎に磁石26aの接近を検出し同各検出を表す信号を出力する。
【0016】
また、この車両は、マイクロコンピュータ30を備えている。マイクロコンピュータ30は、各ブレーキユニット10毎に図3,4のフローチャートに対応したプログラムをそれぞれ実行することにより、各駆動回路31に対して各ブレーキユニット10の電動モータ20に流れる電流を指示して同各モータ20を回転させる。各駆動回路31は、前記指示電流を表す制御信号をマイクロコンピュータ30から入力するとともに、各電流計32により検出された各電動モータ20に流れている駆動電流を表す信号も入力して、各電動モータ20の駆動電流を前記指示電流にフィードバック制御する。電流計32は、各駆動回路31から各電動モータ20への電流路に設けられていて、各電動モータ20に実際に流れている電流を検出し、同検出した電流値を表す信号を各駆動回路31にそれぞれ入力するとともに、マイクロコンピュータ30にも供給する。
【0017】
マイクロコンピュータ30は、各変換器33を介して各ロータリエンコーダ26にも接続されているとともに、ペダルストロークセンサ34にも接続されている。変換器33は、ロータリエンコーダ26と共にシャフト24の変位量を検出するもので、ロータリエンコーダ26の各ホール素子26a毎の前記検出信号を、シャフト24の基準位置からの変位量Sを表す信号に変換してマイクロコンピュータに出力するものである。なお、この変位量Sは、電動モータ20の回転量にも対応している。また、変換器32は駆動回路31にも接続されており、ロータリエンコーダ26からの検出信号は、同変換器32によってロータ22のステータ21に対する相対位置を表す信号に変換された上で駆動回路31にも入力され、同駆動回路31による電動モータ20の作動制御にも利用されるようになっている。ペダルストロークセンサ34は運転者により踏み込み操作されるブレーキペダルBPに組み付けられていて、同ブレーキペダルBPの踏み込み操作量をペダルストローク量Spとして検出し、同検出したペダルストローク量Spを表す検出信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
【0018】
次に、上記のように構成した第1実施形態の動作を図3,4のフローチャートに沿って説明する。図示しないイグニッションスイッチがオン操作されると、マイクロコンピュータ30は、内蔵のタイマによって制御されて、図3のメインプログラムを所定の短時間毎に繰り返し実行する。このプログラムの実行は、ステップ100にて開始され、ステップ102にて原点検出ルーチンを実行する。
【0019】
原点検出ルーチンは、シャフト24の変位における原点位置Soを検出するものである。原点位置Soとは、パッド12a,12bがディスク11に接触し始める位置である。
【0020】
この原点検出ルーチンの詳細は図4に示されており、マイクロコンピュータ30はステップ200にて同ルーチンの実行を開始し、ステップ202にて原点位置Soを未検出であるか否かを判定する。そして、原点位置Soの検出が既に終了していれば、同ステップ202にて「NO」と判定して、ステップ204にてこの原点検出ルーチンの実行を終了する。一方、イグニッションスイッチのオン操作直後であって、原点位置Soの検出が未だ終了していなければ、同ステップ202にて「YES」と判定して、プログラムをステップ206以降の原点位置検出処理を実行する。この判定は、イグニッションスイッチのオン操作毎すなわち車両の発進時毎に、一回だけ原点位置Soの検出を行うもので、イグニッションスイッチのオン操作時にリセットされる図示しないフラグを、同ステップ202における「YES」との判定時に”1”に設定しておくことにより判定する。
【0021】
前記のようにステップ202にて「YES」と判定されると、マイクロコンピュータ30は、最初に、ステップ206〜212の処理により仮の原点位置So'を定める。この仮の原点位置So'とは、図5に示すように、真の原点位置Soよりも確実に小さくて(図2にてシャフト24の左方向の変位に対応)、すなわちパッド12a,12bはディスク11から確実に離れていて、ブレーキユニット10の少なくとも使用領域に収まる位置である。なお、ブレーキユニット10の使用領域とは、シャフト24が通常変位し得る範囲内である。これに対して、シャフト24をディスク11とは反対方向にあまり大きく変位させた場合には、同シャフト24の変位はブレーキユニット10の動作が確保されなくなる破壊領域に入ることになる。
【0022】
この仮の原点位置So'を定める動作について具体的に説明すると、マイクロコンピュータ30は、ステップ206にて最小駆動電流Ioに予め決められた所定値α1を加算して、同加算した電流値I*=Io+α1を表す制御信号を駆動回路31に所定の短時間だけ出力する。この最小駆動電流Ioは、前述するとともに図6に示すように、シャフト24を図2の右方向に変位させるために必要な電動モータ20の最低限の駆動電流であって、この値よりも大きな駆動電流を電動モータ20に流すことにより、車輪に付与する制動力Fが駆動電流の増加にしたがって増加するものである。なお、この最小駆動電流Ioは、後述するステップ224の前回の処理により更新されるとともに、イグニッションスイッチのオフ操作後にも不揮発性メモリなどに記憶されている値である。また、前記小さな所定値α1を加算する理由は、電動モータ20を確実に回転動作させてシャフト24を図2の右方向に変位させ、シャフト24の押圧によりパッド12a,12bをディスク11に確実に押し付けるためである。なお、この場合、最小駆動電流Ioは仮に定められたものであるので、同最小駆動電流Ioとして、電動モータ20の最小駆動電流であると考えられる予め決めた所定値を利用してもよい。
【0023】
駆動回路31は、前記短時間の制御信号の入力に応答して、電流計32との協働により電動モータ20に前記制御信号によって表された駆動電流I*=Io+α1を前記短時間だけ流して同モータ20を正転させる。この電動モータ20の短時間の正転はねじローラ25により直線運動に変換されて、シャフト24を図2の右方向に変位させて、パッド12bの裏金12b1を同方向に押圧する。そして、パッド12a,12bは前記駆動電流I*に応じた力でディスク11に押し付けられる。このような電動モータ20に対する短時間の駆動制御の終了時に、マイクロコンピュータ30は、ステップ208にて、ロータリエンコーダ26及び変換器33によって検出されたシャフト24の変位量Sを同変換器33から入力し、同入力した変位量Sを第1位置S1として一時記憶する(図5参照)。
【0024】
次に、ステップ210にて、マイクロコンピュータ30は電動モータ30を逆転させて、シャフト24の変位量Sが仮の原点位置So'=S1−β1になるようにシャフト24を変位させる(図5参照)。この場合、β1は第1位置S1(前記駆動電流I*=Io+α1)に関係して予め定められた値であり、パッド12a,12bをディスク11から確実に離れた位置に設定するとともにシャフト24の変位がブレーキユニット10の前記破壊領域に入らないように定められているものである。本実施形態においては、シャフト24の先端がパッド12aの裏金12a1から若干離れた状態(例えば、0.5mm程度離れた状態)に制御するが、パッド12a,12bがディスク11から離れた状態が確保されるならば、シャフト24の先端をパッド12bの裏金12b1から離さなくてもよい。
【0025】
このステップ210の処理は、変換器33から入力したシャフト24の変位量Sを用いた位置フィードバック制御であり、前記変位量Sが仮の原点位置So'=S1−β1に等しくなるまで、駆動回路31には電動モータ30を逆転させるための一定の駆動電流を同モータ30に流すように指示する。そして、電動モータ20の逆転により、シャフト24の変位量Sが仮の原点位置So'=S1−β1に等しくなると、マイクロコンピュータ30は、ステップ210の処理を終了して、ステップ212にて駆動回路31に電動モータ20の駆動電流を「0」にすることを指示する。
【0026】
次に、マイクロコンピュータ30は、ステップ214〜224の処理により、電動モータ20の駆動電流I*を徐々に増加させながら、電動モータ20が回転動作を開始してシャフト24が変位し始めたときの駆動電流I*を最小駆動電流Ioとして検出する。具体的には、ステップ214にて変換器33からシャフト24の変位量Sを入力して今回変位量Sxとして設定した後、ステップ216にて前回変位量Syを今回変位量Sxに更新するとともに、ステップ218にて今回変位量Sxを変換器33から入力した変位量Sに更新し、ステップ220にて今回変位量Sxと前回変位量Syとが等しいか否かを判定する。両変位量Sx,Syが等しい限り、ステップ220にて「YES」と判定して、ステップ222にて駆動回路31を制御して電動モータ20の駆動電流I*を「0」から徐々に増加させ、ステップ216〜220の前記処理を繰り返し実行する。
【0027】
そして、両変位量Sx,Syが等しくなくなると、ステップ220にて「NO」と判定し、ステップ224にて電流計32から電動モータ20の駆動電流Iを入力して、同駆動電流Iを最小駆動電流Ioとして設定する。これにより、電動モータ20の駆動電流を徐々に増加させている状態で、変換器33からのシャフト24の変位量Sに変化が生じたとき、すなわち電動モータ20が回転し始めてシャフト24が変位し始めたときの駆動電流Iが最小駆動電流Ioとして設定されることになる(図6参照)。なお、ステップ220にて「NO」と判定されたとき、ステップ222の演算により徐々に増加させている演算値であって駆動回路31に指示するための駆動電流I*を最小駆動電流Ioとして設定するようにしても、最小駆動電流Ioは前記場合とほぼ同じ値に設定される。
【0028】
次に、ステップ226〜234の処理により、パッド12a,12bをディスク11に向かって変位させ、同パッド12a,12bがディスク11に当接し始めたときのシャフト24の変位量Sを原点位置Soとして決定する(図5参照)。具体的には、ステップ226にて前記設定した最小駆動電流Ioに予め決めた小さな所定値α2を加算して、同加算値Io+α2である駆動電流I*を表す制御信号を駆動回路31に出力する。駆動回路31は前記駆動電流I*を電動モータ20に流し、同駆動電流I*は最小駆動電流Ioよりもわずかに大きな値であるので、電動モータ20はナット23及びねじローラ25を介してシャフト24及びパッド12a,12bをディスク11方向に低速で徐々に近づける。
【0029】
前記ステップ226の処理後、ステップ228にて前回変位量Syを今回変位量Sxに更新するとともに、ステップ230にて今回変位量Sxを変換器33から入力した変位量Sに更新し、ステップ232にて今回変位量Sxと前回変位量Syとが等しいか否かを判定する。電動モータ20が回転され続けて両変位量Sx,Syが異なる場合には、ステップ232にて「NO」と判定して、ステップ228〜232からなる循環処理を繰り返す。この循環処理中、パッド12a,12bがディスク11に当接すると、電動モータ20への駆動電流は同モータ20を回転動作させるために必要な最小駆動電流Ioにほぼ等しいので、同パッド12a,12bの変位が不能となり、電動モータ20の回転は停止する。そして、前記両変位量Sx,Syは等しくなるので、ステップ232にて「YES」と判定して、ステップ234にて変換器33からシャフト24の変位量Sを入力して、同変位量Sを原点位置Soとして設定する。そして、ステップ236にて、この原点検出ルーチンの実行を終了する。
【0030】
パッド12a,12bを変位させるための駆動力は前記シャフト24を変位させるための駆動力に比べて極めて小さなものであり、シャフト24が変位し始めればパッド12a,12bはほぼ変位される。したがって、前記最小駆動電流Ioは、電動モータ20を回転動作させるために必要な最低限の駆動電流であると同時に、静止状態にあるパッド12a,12bを変位させるのに必要な最低限の駆動電流にほぼ等しい。これにより、電動モータ20を低速度で回転させてシャフト24を低速度で変位させることを確保するための前記所定値α2は、ほとんど「0」に近い値でよい。また、場合によっては、前記所定値α2は「0」でもよい。
【0031】
この原点検出ルーチンの実行終了後、マイクロコンピュータ30は、図3のメインプログラムのステップ104以降の処理を実行する。ステップ106にてペダルストロークセンサ34からブレーキペダルBPのストローク量Spを入力した後、ステップ106にて同入力したストローク量Spが「0」よりも大きい否かを判定する。いま、ブレーキペダルBPが踏み込み操作されていなくて、ペダルストローク量Spが「0」よりも大きくなければ、ステップ106にて「NO」と判定して、プログラムをステップ108に進める。
【0032】
ステップ108においては、変換器33から入力したシャフト24の変位量Sが原点位置Soよりも予め決めた小さな所定値ΔSだけ小さな値So−ΔSになるように電動モータ20を駆動回路31を介して逆転制御する。これにより、パッド12a,12bをディスク11から確実に離すことができ、ディスク11にひきずり抵抗が付与されることがなくなる。なお、通常オフ状態にあってブレーキペダルBPの踏み込み操作時にのみオンする図示しないブレーキスイッチを設け、前記ステップ106の処理に代えて、同スイッチのオン・オフ状態によってブレーキペダルBPの踏み込み操作及び同操作の解除を検出するようにしてもよい。前記ステップ108の処理後、ステップ118にてメインプログラムの実行を一旦終了する。
【0033】
一方、ブレーキペダルBPが踏み込み操作されて、ステップ106にて「YES」と判定されると、マイクロコンピュータ30は、ステップ110にて同コンピュータ30内に設けたストローク量−変位量テーブルを参照し、前記入力したストローク量Spに対応した目標変位量S*を決定する。目標変位量S*は、図7に示すように、ペダルストローク量Spの「0」からの増加にしたがって「0」から同ストローク量Spにほぼ比例して増加する値である。
【0034】
前記ステップ110の処理後、ステップ112にて変換器33から検出変位量Sを入力し、ステップ114にて前記検出変位量Sから前記検出した原点位置Soを減算することにより前記検出変位量Sを補正する。そして、ステップ116の処理により、補正変位量Sa=S−Soが目標変位量S*に一致するように駆動回路31を介して電動モータ20の回転を制御する。
【0035】
具体的には、補正変位量S−Soと目標変位量S*を比較し、補正変位量S−Soが目標変位量S*よりも小さければ、駆動回路31を制御して電動モータ20に対する駆動電流を増加させる。補正変位量S−Soが目標変位量S*に等しければ、駆動回路31を制御して電動モータ20に対する駆動電流を以前の値に維持させる。補正変位量S−Soが目標変位量S*よりも大きければ、駆動回路31を制御して電動モータ20に対する駆動電流を減少させる。このような制御により、ブレーキペダルBPの踏み込み操作に応じた制動力Fが車輪に付与されることになる。そして、ステップ118にてこのメインプログラムの実行を一旦終了する。
【0036】
上記のように構成した第1実施形態においては、イグニッションスイッチがオン操作される毎に、ステップ206〜212の処理により仮の原点位置So'を検出し、ステップ214〜224の処理により目標駆動電流I*を徐々に増加させて電動モータ20の最小駆動電流Ioを検出し、ステップ226〜234の処理により、前記最小駆動電流Ioを用いて電動モータ20を駆動制御して真の原点位置Soを検出するようにした。したがって、温度などのブレーキユニット10がおかれる環境の変化があっても、電動モータ20を含む各部品にばらつきがあっても、最小駆動電流Ioが常に精度よく決定されるとともに、この最小駆動電流Ioを用いた原点位置Soの検出も常に精度よく行われる。そして、この原点位置Soを用いたステップ110〜116からなる制動力Fの付与制御も常に精度よく行われることになる。
【0037】
次に、上記第1実施形態を変形した第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、電動モータ20を定電流制御により駆動制御して車輪に制動力を付与するもので、上記図3のメインプログラムを図8のメインプログラムに変更したものである。他の構成については、マイクロコンピュータ30内に設けたテーブルが異なる以外には、上記第1実施形態と同じである。
【0038】
この第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、ステップ102にてイグニッションスイッチのオン操作直後に原点検出ルーチン(図4)を実行する。そして、ブレーキペダルBPが踏み込み操作されていなければ、ステップ104〜108の処理により、車輪に制動力が付与されてないように制御する。一方、ブレーキペダルBPが踏み込み操作されていれば、ステップ104,106の処理によりプログラムをステップ120以降に進める。
【0039】
ステップ120においては、前回目標制動力Fy*を今回目標制動力Fx*に更新する。次に、ステップ122にて、ペダルストローク量−制動力テーブルを参照し、前記ステップ104にて入力したペダルストローク量Spに対応した制動力Fを決定し、同制動力Fを今回目標制動力Fx*として設定する。目標制動力F*は、図9に示すように、ペダルストローク量Spの増加にしたがって徐々に増加するものである。
【0040】
そして、ステップ124にて今回目標制動力Fx*と前回目標制動力Fy*とを比較し、今回目標制動力Fx*が前回目標制動力Fy*以上であれば、同ステップ124にて「YES」と判定してプログラムをステップ126に進める。ステップ126においては、予め定めた定数a及び前記ステップ102の原点検出ルーチンにて検出した最小駆動電流Ioを用いた下記数1の実行により目標駆動電流I*を計算する。
【0041】
【数1】
I*=(Fx*/a)+Io
上記数1は、図6のグラフに示すように、電動モータ20の駆動電流Iが最小駆動電流Ioを越えて増加するしたがって車輪に付与される制動力Fが比例的に増加することを近似したものである。なお、ブレーキユニット10の特性により、駆動電流Iにしたがった制動力Fの変化の仕方が異なるときには、同変化の仕方に対応したテーブル、関数式などを用いて目標駆動電流I*を決定するようにすればよい。
【0042】
前記ステップ126の処理後、ステップ132にて駆動回路31に対して目標駆動電流I*を表す制御信号を出力する。駆動回路31は、電流計32と協働した電流フィードバック制御により、電動モータ20に目標駆動電流I*を流す。これにより、電動モータ20は、前記目標駆動電流I*に対応した駆動力でナット23及びねじローラ25を介してシャフト24を駆動し、同シャフト24が同駆動力に対応した押圧力でパッド12a,12bをディスク11に押し付けるので、車輪には前記ステップ122にて決定した今回目標制動力Fx*が付与される。前記ステップ132の処理後、ステップ118にてこのメインプログラムの実行を一旦終了する。
【0043】
また、運転者がブレーキペダルBPの踏み込み操作力を弱めた場合(ただし、ブレーキペダルBPの踏み込み操作は解除されていない)、前記ステップ124にて「NO」すなわち今回目標制動力Fx*が前回目標制動力Fy*未満であると判定し、プログラムをステップ128,130に進める。ステップ128においては、マイクロコンピュータ30内に設けられたヒステリシステーブルを参照して、制動力Fに対応した無効電流分ΔIhを決定する。この無効電流分ΔIhは、図6の駆動電流−制動力特性に示すように、車輪に制動力を付与した状態で電動モータ20への駆動電流Iを減少させても前記制動力が変化しない電流量であり、図10に示すように制動力Fの増加にしたがって増加する。ステップ130においては、この無効電流分ΔIh、前記定数a及び最小駆動電流Ioを用いて、下記数2にしたがって目標駆動電流I*を計算する。
【0044】
【数2】
I*=(Fx*/a)+Io−ΔIh
上記数2は、前述のヒステリシス特性を考慮して目標駆動電流I*を決定するもので、前記無効電流分ΔIhと、駆動電流Iの減少に伴う制動力Fの減少比率が前述した制動力Fの増加時の比率とほぼ同じであること(図6破線参照)を利用したものである。例えば、図6に示すように、駆動電流I1を電動モータ20に流して制動力F1を得ていた状態から同制動力F1を制動力F2に減少させる場合には、駆動電流−制動力特性を表す実線を無効電流分ΔIhだけ左方向に平行移動し、同平行移動した線上であって制動力F2に対応した駆動電流I2が電動モータ20に流されるべき目標駆動電流I*となる。なお、上記数2は近似式であるとともに、図6,10の特性も近似的なものであるので、さらにヒステリシス特性の制御精度を上げるためには、以前の駆動電流I及び制動力Fと新たな制動力Fを得るための駆動電流Iとの関係を表すマップなどを用いることもできる。
【0045】
前記ステップ130の処理後、前述したステップ132の処理が実行されるので、車輪に付与される制動力はヒステリシス特性を考慮した上でブレーキペダルBPの踏み込み操作量に対応して制御されることになる。
【0046】
このように動作する第2実施形態においては、ブレーキペダルBPのストローク量Spに応じて目標駆動電流I*が決定されるとともに、同決定目標駆動電流I*により車輪の制動力の大きさが制御されるので、簡単な構成でブレーキペダルBPの踏み込み操作に応じた制動力が付与される。この場合、目標駆動電流I*の決定には、前記ステップ102の原点検出ルーチンにて検出された最小駆動電流Ioが利用されるので、ブレーキユニット10がおかれる環境の変化があっても、電動モータ20を含む各部品にばらつきがあっても、車輪に付与される制動力が精度よく制御される。
【0047】
なお、上記原点検出ルーチンにおいては、イグニッションスイッチのオン操作直後に1回だけ最小駆動電流Io及び原点位置Soの検出を行うようにしたが、車両がパーキング状態にあるなど、運転者がブレーキペダルBPを操作する必要のないときであって、ディスク11に多少の摩擦力が付与されても問題のない場合には、所定時間毎など上記場合よりも高い頻度で前記最小駆動電流Io及び原点位置Soの検出を行うようにしてもよい。また、運転者が前記検出のための特定操作子の操作により要求した場合に同検出を行うようにしてもよい。また、前記検出のおいては1回の検出動作により、最小駆動電流Io及び原点位置Soを決定するようにしたが、複数回の検出結果を平均して最小駆動電流Io及び原点位置Soを決定するようにしてもよい。
【0048】
また、前記原点検出ルーチンにおいては、最小駆動電流Ioの検出とともに原点位置Soの検出を行うようにしたが、上記第2実施形態の場合でステップ108のパッド12a,12bのディスク11からの切り離し処理が不用な場合、また電動モータ20を短時間だけ逆転させて前記切り離し処理を行うことにより原点位置Soを利用しない場合には、図4のステップ226〜234からなる原点検出処理を行う必要もない。
【0049】
また、上記第1及び第2実施形態においては、電動モータ20の回転量及びシャフト24の変位量Sをロータリエコンコーダ26及び変換器33により検出するようにしたが、シャフト24の直線移動量を検出するリニアセンサをブレーキユニット10内に設けておき、前記変位量Sに代えて前記リニアセンサの検出値を用いるようにしてもよい。
【0050】
また、上記第1及び第2実施形態においては、電動モータ20として直流モータを利用したが、駆動電流に応じた駆動トルクで回転動作するものであれば、電動モータ20として交流モータ、ステップモータ、超音波モータなどの種々のモータを利用することができる。
【0051】
また、上記第1及び第2実施形態においては、本発明に係る最小駆動電流値Ioを原点位置Soの検出及び電流制御による制動力付与のために用いるようにしたが、このブレーキユニット10内の電動モータ20を定電流制御する場合には、その他の定電流制御にも利用することができるものである。
【0052】
さらに、上記第1及び第2実施形態は、ブレーキユニット10としてディスク式のブレーキを採用したものであるが、同ブレーキユニット10としてドラム式のブレーキを採用した場合であっても、本発明の効果は十分に期待できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1及び第2実施形態に係る車両用電動ブレーキ装置の全体ブロック図である。
【図2】 図1のブレーキユニットの縦断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態に係り、図1のマイクロコンピュータにより実行されるメインプログラムを示すフローチャートである。
【図4】 図3の原点検出ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図5】 シャフトの変位量S(電動モータの回転量)と制動力Fとの関係を示すグラフである。
【図6】 電動モータの駆動電流Iと制動力Fとの関係を示すグラフである。
【図7】 ブレーキペダルのストローク量Spとシャフトの目標変位量S*との関係を示すグラフである。
【図8】 本発明の第2実施形態に係り、図1のマイクロコンピュータにより実行されるメインプログラムを示すフローチャートである。
【図9】 ブレーキペダルのストローク量Spと制動力Fとの関係を示すグラフである。
【図10】 制動力Fとヒステリシスに伴う無効電流量ΔIhとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…ブレーキユニット、11…ディスク、12a,12b…パッド、20…電動モータ、26…ロータリエンコーダ、30…マイクロコンピュータ、31…駆動回路、32…電流計、33…変換器、34…ペダルストロークセンサ、BP…ブレーキペダル。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an electric brake device for a vehicle that brakes wheels using an electric motor.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, for example, as shown in International Publication No. WO 97/12794, a friction member provided facing a rotating body that rotates integrally with a wheel, and for driving the friction member toward the rotating body And an electric motor that displaces the drive member in conjunction with the rotational operation, and the electric motor for the vehicle brakes the rotation of the wheel by pressing the friction member against the rotating body by rotating the electric motor. Are known. Further, the publication discloses that a constant target driving current is passed through the electric motor to rotate the electric motor with a constant driving torque, and the friction member is driven through the driving member by the same rotation. It is introduced to detect the reference rotation angle (corresponding to the origin position in the displacement of the drive member) of the electric motor that starts to apply a frictional force in contact with the motor.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In this type of electric brake device, in order to rotate the electric motor in a stopped state together with the drive member, it is necessary to pass a minimum drive current of at least a certain magnitude to the electric motor, and this minimum drive current is It changes depending on the environment such as the temperature of the device. However, the prior art described in the above publication does not consider the change in the minimum drive current, and cannot generate a desired drive torque with high accuracy in the electric motor.
[0004]
SUMMARY OF THE INVENTION
The present invention has been made to address the above problems, and its purpose includes current control of an electric motor for detecting a reference rotation angle of the above-described conventional device, and application of braking force by current control of the electric motor. Another object of the present invention is to provide a vehicular electric brake device capable of performing highly accurate control in various current control of an electric motor in the vehicular electric brake device.
[0007]
In order to achieve the above object, the present invention provides a friction member that abuts against a rotating body that rotates integrally with a wheel to generate a braking force, and the friction member in conjunction with a rotational operation of an electric motor that is started during braking. A drive member that is displaced relative to the rotating body, and a drive according to the target drive current by applying to the electric motor a target drive current determined according to the amount of depression of the brake pedal of the vehicle. An electric brake device for a vehicle including a drive current control unit that rotationally drives the electric motor with a torque, a displacement detection unit that detects a displacement amount of the drive member according to a rotation operation of the electric motor, and the electric motor Is the minimum drive current required to displace the drive member ( I *) Is applied to the electric motor, and the displacement amount of the drive member detected by the displacement detection means ( S ) Based on a temporary origin position where the driving member is located in a state where the friction member is separated from the rotating body ( So ' ) To obtain the temporary origin position ( So ' ) Is obtained, the drive current when the drive member starts to be displaced from the temporary origin position by reapplying the drive current to the stopped electric motor and gradually increasing the drive current is obtained. Based on the detection signal of the displacement detecting means, the minimum driving current at the temporary origin position ( Io ) And the minimum driving current at the temporary origin position detected by the driving current detecting means is applied to the electric motor, and the friction member starts to come into contact with the rotating body. The present invention provides an electric brake device for a vehicle characterized by comprising an origin position determining means for determining an origin position based on a displacement amount of the driving member detected by the displacement detecting means.
[0008]
In the electric brake device for a vehicle configured as described above, the usage environment of the vehicleHas changedIt is given when the electric motor startsEven if the minimum drive current changes,ThatChanged environmentTo accurately determine the origin position of the drive member (pad push shaft) when starting the electric motor.Rotate the electric motorThoughDetects the minimum required drive currentcan do. As a result, the drive current applied to the electric motor at the time of braking can always be controlled accurately according to the target drive current.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a first embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a block diagram schematically showing the entirety of the vehicle electric brake device according to the embodiment. This vehicle is provided with a disc-
[0010]
As shown in detail in FIG. 2, each
[0011]
The
[0012]
The
[0013]
In the
[0014]
When the
[0015]
The
[0016]
Further, this vehicle includes a
[0017]
The
[0018]
Next, the operation of the first embodiment configured as described above will be described with reference to the flowcharts of FIGS. When an ignition switch (not shown) is turned on, the
[0019]
The origin detection routine24The origin position So in this displacement is detected. The origin position So is a position where the
[0020]
The details of this origin detection routine are shown in FIG. 4. The
[0021]
If “YES” is determined in
[0022]
The operation for determining the provisional origin position So ′ will be described in detail. The
[0023]
In response to the input of the short-time control signal, the
[0024]
Next, in
[0025]
The processing of this
[0026]
Next, the
[0027]
When the displacement amounts Sx and Sy are not equal, it is determined as “NO” in
[0028]
Next, the
[0029]
After the processing in
[0030]
The driving force for displacing the
[0031]
After the end of the origin detection routine, the
[0032]
In
[0033]
On the other hand, when the brake pedal BP is depressed and it is determined “YES” in
[0034]
After the processing of
[0035]
Specifically, the corrected displacement amount S-So and the target displacement amount S * are compared. If the corrected displacement amount S-So is smaller than the target displacement amount S *, the
[0036]
In the first embodiment configured as described above, every time the ignition switch is turned on, the temporary origin position So ′ is detected by the processing of
[0037]
Next, a second embodiment obtained by modifying the first embodiment will be described. In the second embodiment, the
[0038]
Also in the second embodiment, the origin detection routine (FIG. 4) is executed immediately after the ignition switch is turned on in
[0039]
In
[0040]
In
[0041]
[Expression 1]
I * = (Fx * / a) + Io
As shown in the graph of FIG. 6, the
[0042]
After the process of
[0043]
Further, when the driver weakens the depressing operation force of the brake pedal BP (however, the depressing operation of the brake pedal BP is not released), “NO”, that is, the current target braking force Fx * is the previous target in
[0044]
[Expression 2]
I * = (Fx * / a) + Io−ΔIh
The
[0045]
Since the process of
[0046]
In the second embodiment that operates in this way, the target drive current I * is determined according to the stroke amount Sp of the brake pedal BP, and the braking force of the wheel is controlled by the determined target drive current I *. Therefore, a braking force according to the depression operation of the brake pedal BP is applied with a simple configuration. In this case, since the minimum drive current Io detected in the origin detection routine in
[0047]
In the origin detection routine, the minimum drive current Io and the origin position So are detected only once immediately after the ignition switch is turned on. However, the driver may not be able to detect the brake pedal BP. When there is no problem even if some frictional force is applied to the
[0048]
In the origin detection routine, the origin position So is detected together with the detection of the minimum drive current Io. In the case of the second embodiment, the process of separating the
[0049]
In the first and second embodiments, the rotation amount of the
[0050]
In the first and second embodiments, a DC motor is used as the
[0051]
In the first and second embodiments, the minimum drive current value Io according to the present invention is used for detecting the origin position So and applying a braking force by current control. When the
[0052]
Furthermore, although the first and second embodiments employ a disc-type brake as the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall block diagram of an electric brake device for a vehicle according to first and second embodiments of the present invention.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view of the brake unit of FIG.
FIG. 3 is a flowchart showing a main program executed by the microcomputer of FIG. 1 according to the first embodiment of the present invention.
4 is a flowchart showing details of an origin detection routine in FIG. 3;
FIG. 5 is a graph showing a relationship between a shaft displacement amount S (rotation amount of an electric motor) and a braking force F;
FIG. 6 is a graph showing the relationship between the drive current I and the braking force F of the electric motor.
FIG. 7 is a graph showing a relationship between a brake pedal stroke amount Sp and a shaft target displacement amount S *.
FIG. 8 is a flowchart showing a main program executed by the microcomputer of FIG. 1 according to the second embodiment of the present invention.
9 is a graph showing a relationship between a brake pedal stroke amount Sp and a braking force F. FIG.
FIG. 10 is a graph showing a relationship between a braking force F and a reactive current amount ΔIh accompanying hysteresis.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (5)
前記電動モータの回転動作に応じて前記駆動部材の変位量を検出する変位検出手段と、
前記電動モータを起動して前記駆動部材を変位させるのに必要な最小駆動電流を同電動モータに付与して前記変位検出手段によって検出された前記駆動部材の変位量に基づき前記摩擦部材が前記回転体から離間した状態にて前記駆動部材が位置する仮の原点位置( So' )を求める位置検出手段と、
この位置検出手段により前記仮の原点位置( So' )が求められた後に、停止した状態の前記電動モータに再び駆動電流を付与して同駆動電流を徐々に増加させることにより前記駆動部材が前記仮の原点位置から変位し始めたときの駆動電流を前記変位検出手段の検出信号に基づき仮の原点位置にての最小駆動電流として検出する駆動電流検出手段と、
この駆動電流検出手段によって検出された仮の原点位置にての前記最小駆動電流を前記電動モータに付与して前記摩擦部材が前記回転体に当接し始めたとき前記変位検出手段によって検出される前記駆動部材の変位量に基づき原点位置を決定する原点位置決定手段とを設けたことを特徴とする車両用電動ブレーキ装置。 A friction member that abuts on a rotating body that rotates integrally with a wheel to generate a braking force, and displaces the friction member relative to the rotating body in conjunction with a rotating operation of an electric motor that is activated during braking. A drive member and a drive current control for applying a target drive current determined according to a brake pedal depression amount of the vehicle to the drive member and rotating the electric motor with a drive torque according to the target drive current A vehicle electric brake device comprising:
A displacement detecting means for detecting a displacement amount of the drive member in accordance with a rotation operation of the electric motor;
The friction member is rotated based on a displacement amount of the driving member detected by the displacement detecting means by applying a minimum driving current necessary for starting the electric motor and displacing the driving member to the electric motor. Position detecting means for obtaining a temporary origin position ( So ' ) where the drive member is located in a state of being separated from the body ;
After the provisional origin position ( So ' ) is obtained by the position detection means, the drive member is applied to the electric motor in a stopped state by applying a drive current again and gradually increasing the drive current. Drive current detection means for detecting the drive current when starting to be displaced from the temporary origin position as the minimum drive current at the temporary origin position based on the detection signal of the displacement detection means;
The displacement detection unit detects the displacement detection unit when the minimum drive current at the temporary origin position detected by the drive current detection unit is applied to the electric motor and the friction member starts to contact the rotating body. An electric brake device for a vehicle, comprising: an origin position determining means for determining an origin position based on a displacement amount of a driving member.
当該車両のブレーキペダルの踏込み操作量の減少に応じて前記目標駆動電流を前記電動モータと前記駆動部材の連動機構におけるヒステリシスを考慮して減少させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両用電動ブレーキ装置。2. The target drive current is decreased in consideration of hysteresis in an interlocking mechanism between the electric motor and the drive member in accordance with a decrease in an operation amount of a brake pedal of the vehicle. Electric brake device for vehicles.
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