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JP3694323B2 - Nc加工におけるncプログラム解析方法及び装置 - Google Patents

Nc加工におけるncプログラム解析方法及び装置 Download PDF

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JP3694323B2 JP52120198A JP52120198A JP3694323B2 JP 3694323 B2 JP3694323 B2 JP 3694323B2 JP 52120198 A JP52120198 A JP 52120198A JP 52120198 A JP52120198 A JP 52120198A JP 3694323 B2 JP3694323 B2 JP 3694323B2
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Description

技術分野
本発明はNC加工におけるNCプログラム解析方法及び装置、特に数値制御情報を用いて各種の加工制御を行うNC加工において、実加工に用いられるNCプログラムから各種の加工情報あるいは加工条件を抽出し、これを汎用情報として当該数値制御される工作機械あるいは他の数値制御工作機械に発展的に利用可能な情報として記憶することのできる改良されたNCプログラム解析方法及び装置に関するものである。
背景技術
数値制御工作機械は、NCプログラム入力によって工作機械の動作を自動制御することができ、更に近年においては、マイクロプロセッサ技術、パワーエレクトロニクス技術、あるいはソフトウェア技術と組み合わされてコンピュータ数値制御工作機械(CNC工作機械)として各種の産業分野に広範囲に利用されている。
通常、NCプログラムなどの数値制御情報には、工具割り出し指令、主軸回転数指令、送り速度指令、移動・補間指令、補助機能指令等の独自情報や加工履歴が組み込まれ、加工制御対象である工作機械に適する数値制御情報がその都度NCプログラムとして作成されている。
従来における数値制御情報は、素材データと最終部品形状が与えられることによって、CAD/CAMあるいは自動プログラミングツール等を用いて所望のNCプログラムとして作成され、これを実際の工作機械においてシミュレーションあるいはテストカットを繰り返しながら現場にてNCプログラムの調整(修正編集)を行い、最終的に実加工NCプログラムとして工作機械の加工制御に用いられていた。このような従来のNCプログラム生成過程を図1に基づいて説明する。
工程設計部1には、ワーク形状あるいは図面データ等からなる素材データ及び最終部品形状が供給され、機械仕様データベース2及び治具保持具データベース3から読み込まれる工作機械及び治具、保持具に関する情報をもとに各工程が決定される。ここで、工程とは、工作機械上で、ワークが固定された姿勢を変えることなく行われる一連の全ての加工作業群を意味する。また、加工要素とは、ワークの同一加工位置に対する複数の作業要素の一群をいう。すなわち、作業要素は、各工具が行う単一の加工を意味し、例えば穴あけ作業、フライス加工等の単一の作業をいう。そして、加工要素は、ワークの同一加工位置に対して複数の作業要素を組み合わせてひとつの加工を完成させることを意味し、例えばねじ穴加工の場合に、センサー穴加工と下穴加工、そしてタップ加工の3つの作業要素を合せて加工要素となる。
工程設計部1がまずこのような工程を決定すると、次に作業設計部4において、各工程で加工すべき加工要素、及び加工要素を完成させるに必要な作業要素が作業展開データベース5に基づいて認識され、工具データベース6、切削条件データベース7、加工時間算出データベース8からの各加工情報を用いて各作業要素の工具リスト、作業指示書が符号9、10で示されるように作成され、第1工程NCプログラム、第2工程NCプログラム、…で示されるような原数値制御情報が出力される。このようにして作成された原NCプログラムは、最適なプログラムとは言い難いという問題があった。このために、前記原NCプログラムは、NCプログラム修正編集部11に送られ、その出力された数値制御情報をもとに、シュミレーションあるいは空運転又はテストカットを行い、ツールパスを最適化し、切削速度・送り速度・切り込み量等切削条件を最適化する。このような最適化のためには、通常前述したシュミレーションやテストカットを行うに加えて、現場におけるノウハウ等を盛り込む必要がある。しかしながら従来においては、このような修正作業はデータベース化されておらず、現場の熟練者の手作業による場合がほとんどであった。
例えば、CAMから出力された数値制御情報をテストカットし、ある部分でビビリを生じた場合、その部分の送りや回転数を変更するか若しくは切り込み幅、切り込み深さを変更するべく数値制御情報を修正しなければならない。このような修正は従来において現場作業者の熟練により行われ、原NCプログラムがそのままNCプログラム修正編集部11にて修正されていた。
また、微妙なツールパスの変更を伴う場合には、データベースの変更を行う必要があっても、CAMの能力不足等によってこのようなフィードバック自体が不可能である場合も多く、通常の場合、従来においては、現場作業者の保有するノウハウがNCプログラムを作成するためのデータベースへフィールドバックされることはほとんどなかった。
更に、従来における現場での原NCプログラムの修正が必要な理由は、特定のワークに対する原NCプログラムが常に特定の工作機械に適用されるとは限らないことにある。このために、工作機械の性能や仕様の違いにより、数値制御情報を変更することが必要な場合もあり、このような場合には加工時間を算出し直し、それぞれの作業指示書の変更が必要となる。
以上のような最適化が行われた後、再度工具リスト、作業指示書が作成し直され、修正後第1工程工具リスト作業指示書12あるいは、修正後第2工程工具リスト作業指示書13として数値制御部14に送られる。従って、従来においては、この修正後の第1工程NCプログラム、第2工程NCプログラム、…が実際の最終的な現場での実加工NCプログラムとなる。
以上説明したように、従来のNC加工システムにおいては、数値制御情報を修正編集したときの作業を繰り返し利用したりフィードバックしたりあるいはノウハウとして蓄積再利用可能としていなかったという問題がある。前述したように、従来においては、これらの各種現場ノウハウその他のプログラム修正編集データは全て現場の熟練作業者に依存しており、再利用性に乏しいという大きな問題があった。このことは、従来において、CAD/CAMシステムあるいは自動プログラミングシステムを用いて容易に作成できる原NCプログラムもそのままでは各個別の工作機械に適用することができないことを意味し、各加工の都度プログラムの編集修正を必要とし、このような複雑な過程を経てはじめて最終的に現場で使用可能な実加工NCプログラムが量産用加工プログラムとして入手可能であり、工作機械ユーザーにとっても簡便な利用という点では未だ十分に満足のいくものではなかった。
もちろん、工作機械の種類が変更された場合においては、ほとんどプログラムを大幅に修正しなければならず、更に、異なる機種あるいは同一機種ではあるが改良された仕様を有する新しい工作機械が導入されたような場合においても、過去におけるNCプログラムが全く利用できないという事態を生じていた。
本発明はこのような従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、数値制御情報、特に修正編集の完了した実加工NCプログラムを解析し、最終的に現場で量産加工に用いられる実加工NCプログラムから逆に現場ノウハウその他の各種の加工条件すなわちある特定の作業に対する最適な加工情報あるいは加工条件を抽出し、これをデータベースとして用いることを可能とすることにある。このような抽出された加工情報あるいは加工条件は、素材情報、図面情報、機械情報、工具情報あるいは計測データ等とシステマティックに関連付けを行うことにより、各々の機械が固有に持っている最適加工方法、最適加工条件を引き出して各場合において最適な現場加工プログラムをこれらのフィールドバックされたデータベースから瞬時に自動プログラミングすることが可能となる。また、このようなデータベースは、単に自己の工作機械ばかりではなく、他の工作機械に対するデータとしても供与可能であり、これらのデータベースをCIM(Computer Integlated Manufacturing)を構築している関連する全ての工作機械群に開放することによって、全ての修正編集を熟練者に頼ることなく、その多くの部分をデータベースとの対話によって利用可能となる。
発明の開示
本発明は、NCプログラムにて加工制御が行われるNC加工において、加工実績のある実加工NCプログラムを解析して、実加工NCプログラムに含まれる加工情報を各作業要素加工毎の加工条件として抽出する加工方法分析手段と、前記加工条件を書き換え可能に記憶する記憶手段と、を有する。
また、本発明はNCプログラムにて加工制御が行われるNC加工において、加工実績のある実加工NCプログラムを解析して、実加工NCプログラムに含まれる加工情報を各作業要素加工毎の加工条件として抽出する加工方法分析手段と、前記加工条件を各作業要素加工と対応して書き換え可能に記憶する記憶手段と、を有する。
更に本発明は、NCプログラムにて加工制御が行われるNC加工において、加工実績のある実加工NCプログラム、素材材質データ及び工具リストが入力され、前記実加工NCプログラムを解析して、実加工NCプログラムに含まれる加工情報を各作業要素加工毎の加工条件として抽出する加工方法分析手段と、前記各作業要素加工毎に抽出された加工条件をNCプログラム作成に必要なデータベースに変換するデータベース作成手段と、前記加工条件を各作業要素加工と対応して書き換え可能に記憶するNCプログラム作成用のデータベースと、を有する。
更に本発明は、請求項1、2、3のいずれかに記載の装置において、前記加工方法分析手段は実加工NCプログラムを各作業要素加工へ分割する分割部と、実加工NCプログラムから加工条件を抽出する加工条件抽出部と、含むことを特徴とする。
更に本発明は、請求項4記載の装置において、実加工プログラムを各作業要素加工へ分割する分割部には、工具加工軌跡から作業要素加工を照合判定するためのパターン定義記憶部が接続されている。
更に本発明は、請求項3記載の装置において、前記データベースは少なくとも切削条件データベース及び工具データベースを含む。
更に本発明は、NCプログラムにて加工制御が行われるNC加工において、加工実績のある実加工NCプログラムを解析して、実加工NCプログラムに含まれる加工情報を各作業要素加工毎の加工条件として抽出する加工方法分析ステップと、前記加工条件を書き換え可能に記憶する記憶ステップと、を有する。
更に本発明は、NCプログラムにて加工制御が行われるNC加工において、加工実績のある実加工NCプログラムを解析して、実加工NCプログラムに含まれる加工情報を各作業要素加工毎の加工条件として抽出する加工方法分析ステップと、前記加工条件を各作業要素加工と対応して書き換え可能に記憶する記憶ステップと、を有する。
更に本発明は、NCプログラムにて加工制御が行われるNC加工方法において、加工実績のある実加工NCプログラム、素材材質データ及び工具リストが入力され、前記実加工NCプログラムを解析して、実加工NCプログラムに含まれる加工情報を各作業要素加工毎の加工条件として抽出する加工方法分析ステップと、前記各作業要素加工毎に抽出された加工条件をNCプログラム作成に必要なデータベースとして各作業要素加工と対応して書き換え可能に記憶するデータベース作成ステップと、を有する。
更に本発明は、コンピュータに、加工実績のある実加工NCプログラムを解析して、実加工NCプログラムに含まれる加工情報を各作業要素加工毎の加工条件として抽出する加工方法分析手順と、前記加工条件を書き換え可能に記憶する記憶手順とを実行させるためのプログラムを記録した媒体を含む。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来におけるNCプログラム作成手順を示す説明図である。
図2は、本発明に係るNCプログラム解析方法及び装置が組み込まれた数値制御システムの全体構成を示すブロック図である。
図3は、図2に示したシステム中の本発明に関するNC加工システム要部を示すブロック図である。
図4A,4B、4Cは、本発明の実施形態において用いられる実加工NCプログラムの一例を示す図である。
図5は、本実施形態で用いる素材形状を示す図である。
図6は、本実施形態で用いる最終加工形状を示す図である。
図7は、本実施形態で用いる工具リストを示す図である。
図8A,8B,8C,8D,8Eは、本実施形態において、前記実加工NCプログラムから導かれたGコード展開リストを示す図である。
図9は、本実施形態において、加工要素に対する作業要素と使用工具及びプログラム分析方法を示す説明図である。
図10は、作業要素リストを示す説明図である。
図11は、本実施形態において中間的なデータベースとして示されるワークピースデータベースの一例を示す説明図である。
図12は、本実施形態における中間的なデータベースとして用いられる加工パターンリストデータベースを示す説明図である。
図13は、本実施形態における中間的なデータベースとして穴加工要素リストデータベース(解析順)を示す説明図である。
図14は、本実施例の中間的なデータベースとして穴加工要素リストデータベース(同一穴順)を示す説明図である。
図15は、本実施形態における作業要素加工別の加工条件を切削条件データベースとして示した一例を示す説明図である。
図16は、本実施形態において、作業要素加工毎に工具の加工条件を示す工具データベースの一例を示す説明図である。
図17は、本実施形態において、加工パターン定義の一例を示す説明図である。
発明を実施するための最良の形態
以下図面に基づいて、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
図2には、本発明に係るNCプログラム解析方法及び装置が適用された数値制御工作機械システムの全体構成が示されている。
従来と同様に、素材データと最終部品形状が与えられることにより、NCプログラムが作成される。図において、素材データは素材形状と材質を含む。NCプログラム作成手段20は前記入力された素材データと最終部品形状に各種のデータベースから与えられる過去に蓄積されたノウハウデータを加味して所望のNCプログラムを作成する。実施形態において、データベースは、作業展開データベース21、切削条件データベース22、工具データベース23、加工履歴データベース24からなり、これらの各データベースから、過去の現場ノウハウその他実際の加工に必要な条件及び使用する工作機械特有の条件がNCプログラム作成のために参照データとしてNCプログラム作成手段20に供給されている。
以上のようにして作成されたNCプログラム、及び工具リストは数値制御装置25に送られ、必要な空運転、テストカットあるいはシミュレーションを行い、従来の図1で説明したNCプログラム修正編集を経て、数値制御装置25の最終的に現場で用いられる実加工NCプログラムとして完成する。図2においては、このようなNCプログラムの修正編集部については詳細には図示していない。
数値制御装置25は工作機械26を駆動するためにNCプログラム実行手段27、サーボ制御手段28及び誤差補正手段29を含み、前記NCプログラム及び工具リストそして素材データはそれぞれNCプログラム実行手段27に入力される。NCプログラム実行手段27は、後述する測定結果を参照しながら前記各入力データにより適切な送り速度に基づいた補間処理を行ないサーボ制御手段28にサーボ制御信号を供給し、工作機械26をサーボ制御手段28の出力駆動信号によって正しくNCプログラムに合せた送り駆動制御を行うことができる。誤差補正手段29は、工作機械26の温度変化などによる位置・寸法誤差を補正するために設けられ、工作機械26に設けられた測定器の出力を用いて温度に起因する誤差などを補正することができる。
以上のようにして、工作機械26は、テーブルに載置されたワークピース30に対して、所望の作業要素加工、加工要素加工そして工程加工をNCプログラムに従って実行し、ワークピース30の第1姿勢における加工を完了する。
第1姿勢によるワークピース30の工程加工が完了すると、測定機31が測定制御装置32の測定プログラムに従ってワークピース30の座標測定を行い、この測定結果は測定結果分析手段33を介して前記数値制御装置25のNCプログラム実行手段27及び加工方法分析手段34へフィードバックされ、また必要に応じて、この測定結果は前記各データベース21,22,23,24へ供給される。以上のようにして、図示した実施形態によれば、作成されたNCプログラムに基づいてワークピース30に所望の数値制御加工を施すことができ、ワークピース30は第1姿勢での工程加工が終了した後、姿勢替えが行われ、第2姿勢において同様にNCプログラムに従った加工が継続的に行われる。
本発明において特徴的なことは、前記数値制御装置25において実行される実加工NCプログラムの内容を適宜解析してこのNCプログラムに含まれている加工ノウハウなどの加工情報を抽出し、また、この抽出された加工情報を書き換え可能に記憶できることにある。本発明において、前記加工情報は、各作業要素加工毎の加工条件として、NCプログラムの解析結果から抽出され、この加工条件が各作業要素加工と対応して記憶手段に記憶される。
図2において、加工プログラム及び工具リストそして測定結果は、加工方法分析手段34に供給されており、後に詳述するような所定のアルゴリズムに従い、必要な加工情報が抽出される。そして、このようにして抽出された加工情報は、データベース作成手段35に供給され、それぞれの項目毎に分類された加工情報が各作業要素加工と対応した加工条件として前述した各データベース、すなわち作業展開データベース21、切削条件データベース22、工具データベース23及び加工履歴データベース24に書込記憶される。
従って、各データベース21〜24は工作機械26によるワークピース30の実加工が行われた後は、この実加工に反映された現場ノウハウ等の加工情報を常時取り込み、そのデータベース内容を更新することができ、これを現在の加工に反映させることが可能となり、通常の場合、次のNCプログラム作成時に最適なデータベースとして加工情報を与えることが可能となる。
以上のように、本発明に係るNC加工システムによれば、従来は単に原NCプログラムの修正編集用のみに用いられていた現場ノウハウその他の加工情報を最終現場加工に用いられる修正済の実加工NCプログラムから逆に解析抽出し、これをデータベースに直ちに反映させることができるという大きな利点を奏することができる。このようなデータベースへの作業情報の反映によって、NCプログラム作成手段は常に最新のかつ現場におけるノウハウを盛り込んだプログラム作成を行うことが可能となり、従来に比して原加工プログラムから実加工プログラムへの修正編集作業を著しく簡素化できるという利点がある。
また、このような加工情報のデータベースへの反映は、例えば実加工が開始されてから数加工要素の加工以内にデータベースへ反映させることができ、これに継続するNCプログラムあるいは現在のNCプログラムの再調整にも直ちに応用可能である。
更に、本発明によれば、前述した加工情報の反映された各データベースは、CIMを構築しているいずれの工作機械にも任意に適用することができ、もちろん素材あるいは最終部品形状が変更された場合においても、工作機械あるいは工具に関連するデータベースの部分はそのまま他へ転用することができ、このようなデータをCIMを構築する全ての端末機器に同様に開放することによって、いかなる数値制御情報の作成あるいはこれの実行においても利用可能となる。このような本発明の優れた利点は、本実施形態において、前記加工情報を各作業要素加工毎の加工条件としてモジュール化したことに依存しており、このことによって記憶されたデータベースの汎用性を著しく高めることが可能となる。
以下に、加工方法分析手段34におけるNCプログラムの解析及び加工情報あるいは加工条件の抽出工程を実例に合わせて詳細に説明する。
図3は前述した数値制御システム(図2)における本発明に係るプログラム解析装置の部分を拡大して示したものであり、加工方法分析手段34には前述したように実加工NCプログラム、素材データ、工具リストが入力され、また、必要に応じて最終加工形状、測定結果も入力される。
加工方法分析手段34において、前記入力された各データは記憶装置40に記憶され、実加工NCプログラムが1ブロックずつ解析され、数値データ変換部41によってデータ変換され、Gコード展開リスト生成部42においてGコード展開リストとして各データが登録される。この時、マクロプログラムやサブプログラム等1ブロックで複数の動作をする場合には、RS−274−Dフォーマットに従い基本命令に展開後、Gコード展開リストに登録する。このGコードへの展開は本発明において必ずしも必要ではないが、この実施形態においては実加工NCプログラムをコンピュータ処理するために解析の容易なGコードへ展開している。
加工方法分析手段34においては、前記Gコード展開リストを参照しながら作業要素への分割部43において連続した実加工プログラムが作業要素毎に分割される。そして、作業要素毎に分割されたGコード展開プログラムはパターン定義記憶部44に記憶されているパターン定義を参照しながら作業要素毎の加工条件が抽出部45において抽出される。このようにして抽出された作業要素毎の加工条件は前述したようにデータベース作成手段35を介して作業展開データベース21、切削条件データベース22、工具データベース23及び加工履歴データベース24に記憶される。
前記分割部43における各作業要素加工毎へのプログラム分割は、通常の場合、シーケンス番号(N番号)、工具割り出し(Tコード)、工具交換(M6)及びオプショナルストップ(M01)に注目して行うことが好適である。実際上、このような作業要素へのプログラム分割は、まず工具交換に着目し、工具交換の間は単一の工具が用いられるのでこれを作業要素の区切りとして用いることができる。しかしながら、同一の工具を用いて複数の作業要素加工が行われる場合があり、例えば同一のドリルにて複数の下穴を穴開けするような場合があるので、前記工具交換に加えて工具軌跡パターンを読み取り、これによって作業要素加工毎の分割を確実に行うことが好適である。
加工条件抽出部45は前記作業要素毎に分割されたプログラムから必要な加工条件を抽出するが、本実施形態では、直接作業条件を抽出することが困難な場合、分割した範囲の工具軌跡とワーク形状から作業要素がどのような内容かを認識し、この結果を中間的にワークピースデータベースあるいは各パターンリストとして作成する。このようなパターンリストとしては、例えば穴加工の場合の穴加工要素リストなどが挙げられる。
本実施形態において、前述した加工条件は、作業要素加工毎に各データベースに書き込まれ、一般的な加工条件としては、各作業要素加工毎に、加工した素材と使用した工具そして各切削条件が関連したデータとして記憶保持される。この場合、切削条件は通常用いられる工具の回転速度あるいは送り量としてではなく、各工具の周速と1刃当たりの送り及び1回転当りの送りとしてデータ化することが好適であり、これによって、汎用性のあるモジュール化されたデータを作成することができ、またこれらの基礎データから近似した工具径の切削条件を必要に応じて演算することが可能となる。
プログラム解析の一例
図4A,4B,4Cには本実施形態で用いられる実加工NCプログラムの一例が示されており、O0001なるプログラム番号が付されている。
図5はこの実加工NCプログラムにおいて加工される素材形状が示されており、また図6にはこの実加工プログラムによって図5で示した素材から製作される最終加工形状が示され、これらの素材データ(材質を含む)及び最終加工形状は前述したように加工方法分析手段34にデータ供給されている。図6から明らかなように、この加工においては、素材の上面フライス加工、側面フライス加工そして正面の2個のねじ穴加工及び上面の4個の面取り付穴開け加工そしてスロット溝加工が求められている。
このような加工に対して、NCプログラム作成手段20は加工手順を定め、これを作業要素に展開し、各作業要素毎の使用工具を決定し、さらに各工具毎の切削条件を定める。
図7はプログラムO0001に用いられる工具リストを示し、各工具番号はTコードで示され、それぞれの工具データが図示のようにリスト化され、この工具リストは前述したように加工方法分析手段34に供給されている。
加工方法分析手段34においては、まず実加工NCプログラムが記憶装置40に記憶された後数値データ変換部41を経てGコード展開リスト生成部42によってコンピュータで解析し易いGコード展開リストに変換される。図8A,8B,8C,8D,8Eは前記実加工プログラムO0001がGコードに展開された状態のリストを示し、両者は行番号によってリンクされており、その内容は実質的に全く同一である。
実施形態における実加工プログラムは、シーケンスN番号1から9の9種類に区別され、これら9個のシーケンスはそれぞれ別個の工具を用いた作業として区別されている。勿論、本発明においては、同一の工具を用いた場合においても素材の異なる加工位置を加工するものは、異なる作業要素として認識しており、前述したように工具の加工軌跡パターンからプログラムが作業要素に分割される。しかしながら、説明を簡略化するために、以下においては前記9個のシーケンス番号(N)に分けて各作業要素加工毎の加工条件抽出を例示する。
N1の作業要素の解析
行番号4でT1が指令され、行番号5でM6(工具交換)を行っているので、行番号7から次のM6(工具交換)が指令されるまでは工具T1で加工されることが理解される。本実施形態においては、このような一群のプログラムをシーケンス番号N1として示しているが、実際の実加工NCプログラムにおいてはこのようなシーケンス番号は工作機械に対して何らの意味もないことは明らかである。
工具T1は前述した図7に示す工具リストのTコード1から、直径100mmのフェイスミルであることが理解される。次に、行番号7はワーク座標系G54を指定しており、本実施形態においては、座標系G54は図6に示した最終加工形状の上面を示しており、これを第1工程の加工と定義する。
行番号10で初めて切削送りとなり、切削面はZ0.1の座標である(行番号9)。またフェイスミルの降下点は行番号7によって(160、50)というXY座標に設定されている。行番号10から13はZ座標は同じで移動軸はX、Y、X、Yの交互に移動していることが分り、このような工具軌跡パターンをパターン定義記憶部44に記憶されている定義データと照合することによって、この作業要素が面加工要素であると判断することができる。図9には加工要素に対する作業要素と使用工具、プログラム分析方法のパターン定義の一例が示されており、このようなパターン定義を用いて前記作業要素加工の認定が行われる。
図10には作業要素リストの一例が示され、本実施形態においては、このような作業要素加工毎に加工条件が各種の中間的なリストとして作成され、また最終的に図3に示したデータベース21から24に汎用性のあるモジュール化されたデータとして格納記憶される。勿論、図10に示す作業要素は一例であり、このような比較的大きな作業要素ばかりでなく、この作業要素をさらに分割した作業要素を定義し、各段階毎の定義された作業要素に従って加工条件データベース化することも本発明において好適であり、このような作業要素の定義レベルは工作機械の精度、あるいは加工システム全体の分解能に応じて任意に定義づけることが可能である。
各作業要素加工毎の分割が行われると、これらは中間的な作業条件リストとして記憶され、本実施形態においては、ワークピースデータベース、加工パターンリストデータベース及び穴加工要素リストの3種類のリストが用意されている。
図11はワークピースデータベースの一例を示しており、ワークピースの各加工要素に対する作業要素の組み合わせ、また各作業要素に対して使用された工具がリスト化され、また同様に各作業要素毎にワークピースファイル及び軌跡リストファイルがデータ化される。図11において、例えばNo.1、2は面加工がフライス荒加工とフライス仕上げ加工の2つの作業要素によって行われ、それぞれ異なる工具が異なる軌跡で用いられていることを示している。
図12は加工パターンリストデータを示し、各加工パターンは例えば面加工要素、ポケット加工要素、コア加工要素、溝加工要素及び穴加工要素に分類されており、それぞれの加工要素が各作業要素からなり、その時の加工深さ及び切削方法が順次記録される。
図13及び14は穴加工要素リストを示し、図13はプログラムの解析順に記述したものそして図14は同一穴順に記述したものを示す。
本実施形態においては、以上のような3種類のリストデータベースを中間的に用いて各作業要素の解析を行いながら所望の作業要素加工毎の加工条件を抽出して前記中間的なデータベースに書込みを行う。
前述したように、シーケンスN1の作業要素に対しては、面加工要素であることが判断されたので、この結果を面加工パターンリストデータベースに所望項目をセットし、主軸回転数や送り速度から必要な切削条件を書き込む。
シーケンスN1に対してさらにプログラムを解析すると、行番号10、11、12と行番号15、16、17はZ座標が異なるだけで同じ軌跡であり、これ以下に同一工具の作業要素がないことから行番号15、16、17が仕上げ加工であると判断できる。この作業要素は面加工要素であるため、素材寸法を連続した点要素に変換し、ワークピースデータベース(図11)のワークピースファイルAAA1に格納し、ワークピースデータベースNo.1、2に面加工要素として格納する。同時に、行番号15、16、17を軌跡リストファイル1234に格納し、ワークピースデータベースNo.1、2と関連づける。
次に、行番号19から行番号30までワーク座標系G55、すなわち、本実施形態において、図6に示した最終加工形状の正面加工の座標系を指令しているのでこれを第2工程と判断する。行番号22、23、24と行番号27、28、29はZ点が異なるだけで同じ軌跡であるため、またZ座標が0.1の差であるため、行番号22、23、24が荒加工、そして行番号27、28、29が仕上げ加工と判断する。さらに切削領域がワーク全体を覆っているので面加工要素と判断し、第1工程と同様にワークピースデータベースに登録を行う。
以上のようにして、シーケンスNには複数の作業要素が含まれており、これを解析に従って各中間的なデータベースに書き込むと共に、これらのデータベースから図15に示した切削条件データベースへの加工条件の書込みが行われる。この切削条件データベースは図2、3において符号22で示されており、図から明らかなように、各作業要素加工毎に加工条件が対応して記憶されている。この加工条件は、本実施形態において、工具番号にて使用工具を示し、ワーク材質が素材の材質を示しまた前記工具の周速、1刃当たり送り(F1)、1回転当たりの送り(F2)、W(1回の切込み幅)及びH(1回の切込み高さ)をデータベース化している。従って、この切削条件データベースによれば、各作業要素毎に、ワークピースの材質に対して最適な選択工具そして最適な加工条件を記憶していることとなり、これによって各作業要素毎にワーク材質、あるいは工具が決定されればそれぞれ最適な加工周速、送り、切込みを選択することが可能となり、このようなモジュール化されたデータベースによってNC加工プログラムを作成する時に従来のような複雑な修正編集を必要とすることなく直接最適なプログラムを選択することができる。
すなわち、図15に示した切削条件データベースは既に特定の条件下において現場でのノウハウ、シュミレーションあるいはテストカットを経た後の最適条件を表しており、これ以降に発生する同一条件あるいは同一環境下における加工条件を容易にこのようなデータベースから取り出すことができるからである。勿論、このような切削条件データベースを全ての場合について網羅することは実際上困難であるが、本NC加工システムによれば、これらのデータベースは絶え間なく継続的に蓄積され、またこれを単一の工作機械のみでなくCIMを構築している全ての工作機械あるいはその他の工作機械に対してまでも任意に拡大して汎用的に利用可能であり、新しいNCプログラムが作られる度にその蓄積量が増大し、このように日々成長するデータベースによってかつ自己の工作機械が休止状態にあっても他の工作機械での加工実績を容易にプログラム作成に反映させることができるので極めて優れた成長性及び拡張性を有するという利点がある。
本実施形態における図15に示した切削条件データベースは、さらに測定結果分析手段33から得られた測定結果を反映して切削時間、切削距離及び切り刃状に設定した複数の刃先ポイント、図においてはポイント1、2、3、4、5の5箇所についてのワークとの接触回数、切削開始角、切削終了角も記憶しており、これらの工具使用実績からさらに拡張した効果を奏することができる。
すなわち、このような工具の使用実績データは図16に示した工具データベースへ反映させることができ、図2、3に示した工具データベース23には図16に示した如く、その寿命値、磨耗量及び余命値を書き込むことができ、各工具に対してどのような使用実績の場合にどのような磨耗履歴を取るかまたその実質的な寿命値を記憶することができ、NCプログラム作成時に採用する最適工具選定及び工具交換あるいはさらに進んで最終加工形状と工具との関連性等も考慮したプログラム作成を行うことが可能となる。
以上のようにして、シーケンスN1の作業要素解析及び作業条件の抽出から本実施形態の具体的な加工方法分析及び抽出そしてデータベースへの記憶作用を説明したが、以下同様にシーケンスN2からN9までの作業要素に対する解析を簡単に説明する。
Nの作業要素の解析
行番号31より主軸工具がT2となり、N2の作業要素に移行する。T2は図7の工具リストから直径3mmのセンタドリルであると認識され、この結果N2の作業要素は穴加工要素と判断され、以下に述べる第1工程における5つの作業要素及び第2工程における2個の作業要素が図13、14の穴加工要素リストに中間的に記憶され、この時の加工条件が各作業要素加工と対応されて前述したように図15の切削条件データベース及び図16の工具データベースに記憶される。
第1工程(G54)
座標1(70.000,50.000)座標2(-70.000,50.000)
座標3(-70.000,50.000) 座標4(70.000,-50.000)
座標5(30.000,0.000)
第2工程(G55)
座標1(40.000,0.000) 座標2(-40.000,0.000)
N3の作業要素の解析
行番号47により主軸工具がT3となり、N3の作業要素に移行する。工具T3は工具リストより直径20mmのドリルであると認識し、N3の作業要素は穴加工要素と判断し以下の5つの作業要素が穴加工要素リスト19、20に書き込まれ、前述したシーケンスと同様に切削条件データベース及び工具データベースへの記憶が行われる。
第1工程(G54)
座標1(70.000,50.000)座標2(-70.000,50.000)
座標3(-70.000,50.000) 座標4(70.000,-50.000)
N4の作業要素の解析
行番号57により主軸工具がT4となり、直径30mmのドリルであることからN4の作業要素は穴加工要素と判断し、以下の4個の作業要素が穴加工要素リストにセットされ、切削条件データベース及び工具データベースが追加される。
第1工程(G54)
座標1(30.000,0.000,-19.9)
座標2(-70.000,50.000) 座標3(-70.000,-50.000)
座標4(70.000,-50.000)
N5の作業要素の解析
行番号68により主軸工具がT5すなわち直径25mmのエンドミルに交換されている。
通常、エンドミル、フェイスミルなどにおいては、対応可能な加工パターンの種類が多く、単に使用工具のみではいかなる作業要素かの判定が難しいが、本実施形態においては、工具加工軌跡を加工パターン定義と照合することによってこれらの判断が行われ、既にフェイスミル及びドリルに対していくつかの例示を行ったが、さらに図17にはこれらの加工パターン定義と加工要素との対応関係の一例を示す。
シーケンスN5の作業要素に戻って、行番号71から行番号74によって工程1(G54)座標3(30,0)で加工面(Z−19.9)に降下していることが分り、また行番号75から行番号81は同一平面を移動し、行番号75の座標(−50,0)と行番号80の座標(−50,0)が同じ座標であるため、閉じた軌跡であることが判断できる。また、行番号5から行番号80は行番号75でG41の左側補正がかけられているため、軌跡に対して内側であると判断される。そして、その軌跡に対してG41で工具半径分内側にシフトした軌跡を設け、さらにその軌跡に対して工具半径分シフトした軌跡を求める。しかし、この場合、軌跡が無くなっており、これらの工具軌跡から、行番号75から行番号80を工具が移動すると内側が削り残らないと判断し、ポケット加工要素と判断できる。これは、図17に示した加工パターン定義から加工要素ポケットに関しエンドミルを使用した場合のパターンとなっており、このような複雑なプログラムに対しても、図17のようなパターン定義を用いて確実にプログラムの解析を行うことが可能となる。
行番号75の移動はアプローチとして判断され、また行番号81の移動は逃げと判断される。そしてこのアプローチ量及び逃げ量は図12のポケット加工要素パターンリストに格納される。
行番号82でワーク面より上に移動し、行番号83で第2工程(G65)の座標(40,0)に位置決めされる。行番号86から行番号88は同一平面を移動し、行番号87で1周縁の軌跡を移動し、先ほどと同様にその軌跡に対して行番号86でG41の左側補正がかけられているため、軌跡に対して内側であると判断される。それに対してG41で工具半径分内側にシフトした軌跡を求め、さらに工具半径分シフトした軌跡を求める。しかしながら、この場合判断1によって軌跡がなくなり、この結果内側が削り残らないと判断し、ポケット加工要素と判断される。同様に行番号93から行番号95もポケット加工要素と判断される。しかしながら、このポケット加工要素の中心座標をシーケンスN2、N4の作業要素で前加工されているという条件から、このポケットの形状が円であることから穴加工要素であると最終的に判断される。このように、シーケンスN5に対しても加工パターン定義を用いることによって作業要素の認識を行い、この時に定められた加工条件を現場ノウハウを加味した加工条件としてデータベースに反映させることができる。本実施形態においては、作業要素加工毎の加工条件は図15に示した切削条件データベース及び図16に示した工具データベースに記憶しているが、勿論、前述したそれぞれの分析結果は図2、3に示した作業展開データベース21及び加工履歴データベース24へも同様にそれぞれ必要なデータを供給しこれを作業要素毎に格納している。
N6の作業要素の解析
行番号97により主軸工具がT6となり直径25mmのエンドミルが用いられる。
行番号105から行番号108の移動は、同一平面上であり、行番号105と行番号108の座標が同じであるため閉じた形状と判断できる。また、この軌跡と工具系を判断1で照合する。その結果、内側に削り残しがないことが分れば、これをポケット加工要素と判断できる。そして、その軌跡はシーケンスN5の軌跡と同一であるため、仕上げ加工であると判断され、シーケンスN5の作業要素1の加工は荒加工であると判断することができる。そして、行番号105から行番号108の点を仕上り形状と判断し、ワークピースファイルBBB1(ワークピースデータベース図11)に格納し、ワークピースデータベースのNo.5.6にポケット加工要素として格納する。
N7の作業要素の解析
行番号111により主軸工具がT7となり、直径8.2mmのドリルと認識する。従って、シーケンスN7は穴加工要素であると判断され、以下の作業要素が穴加工要素リストに格納される。
第1工程(G55)
座標1(40.000,0.000)
座標2(-40.000,0.000)
N8の作業要素の解析
行番号119により主軸工具がT8となり直径25mmの面取り工具であることが認識される。行番号124から行番号128へZ軸が上昇するまでG81の穴開け固定サイクルで固定しているため、N8の作業要素は穴加工要素と判断され、以下の作業要素が穴加工要素リストに格納される。
第1工程(G54)
座標1(70.000,50.000)
座標2(-70.000,50.000)
座標3(-70.000,-50.000)
座標4(70.000,-50.000)
第2工程(G55)
座標1(40.000,0.000)
座標2(-40.000,0.000)
N9の作業要素の解析
行番号134において主軸工具がT9となりM10タップに交換される。従って、シーケンスN7の作業要素は穴加工要素と判断され、以下の作業要素が穴加工要素リストに格納される。
第1工程(G55)
座標1(40.000,0.000)
座標2(-40.000,0.000)
以上のようにして、実加工プログラムが順次解析され、各作業要素毎に中間的なデータベースとしてワークピースデータベース(図11)、加工パターンリストデータベース(図12)及び穴加工要素リストデータベース(図13、図14)が作成され、さらにこれらの中間的なデータベースから切削条件データベース(図15)及び工具データベース(図16)が作成され、また図示していないが同様に作業展開データベース21、加工履歴データベース24に実加工NCプログラムから抽出された加工条件が直ちに格納記憶される。
前述した中間的なデータベース自体もそれぞれ必要なデータを保有しており、本発明において、これらの中間的なデータベースをNCプログラム作成手段20への補助的なデータベースとして用いることも可能であり、これらを本発明の記憶手段として取扱うことも勿論可能である。
本発明において、前述した解析プログラムは、コンピュータに加工方法分析手順及びデータベース作成手順を記録した媒体として作成することができ、このような媒体は通常フロッピーディスク、ハードディスク、ROM、CDメモリ等として提供可能である。
発明の効果
以上説明したように、本発明に係るNC加工システムによれば、最終的に現場で実加工に用いられるNC加工プログラムから加工方法を分析して必要な加工条件を抽出し、これをNCプログラム作成時のデータベースに反映させることができるので現場ノウハウ、テストカットあるいはシミュレーションによってのみ得られるプログラムの修正編集を含めた加工条件を確実に抽出してデータベース化することが可能となり、データベース作成に極めて有用な知識データベースを容易に構築することが可能となる。
本発明によれば、必要な加工の都度作成される数値制御情報から、素材形状、最終加工形状、加工工程、工具情報、切削条件などとこの数値制御情報が使用された工作機械の性能そしてこの加工時の精度測定データ、加工時間等を対応づけて蓄積しており、この結果それぞれの数値制御情報作成者のもつノウハウ及び現場での各種のノウハウの全てを網羅した結果の加工条件をデータベース化することが可能となる。
この結果、数値制御情報の作成者が代った場合においても、従来必ず必要であったテストカットあるいはシミュレーションなどで最適な加工ノウハウを模索することなく、単純な自動プログラミングによっても最適な加工ノウハウを盛り込んだ数値制御プログラムを自動的に作成することが可能となり、数値制御情報作成者による加工条件のばらつきを無くし、最適な加工条件で効率良く加工ができるため、加工品質の維持向上あるいは加工時間の短縮化を図ることが可能となる。
また、特定の工作機械で作成したプログラムを加工能力の異なる他の工作機械に適用した場合においても、モジュール化された加工条件を個別的に使用することによって、プログラムを作成した時の工作機械と新たな現在の改良された工作機械の加工能力の差を考慮しながら新たな数値制御プログラムを自動作成することが可能となり、例えば旧式の工作機械で蓄積した加工データは新式の工作機械における変更点以外の情報として用い、この変更点に関してのみ新たな情報を注入することによって自動プログラミングによっても過去の蓄積されたデータを反映させた最適なプログラミングを容易に行うことが可能となる。
この結果、工場全体の生産効率の向上を図ることができる。
また、本発明に係るNC加工システムで用いられた各作業要素加工毎の加工条件は他の任意の工作機械加工に用いることができ、CIM全体にこのような加工情報を用いて全体的な加工効率を改善し、またこのようなデータベースを共用化することによって、絶え間なく成長するデータベースを手に入れることが可能となる。

Claims (10)

  1. NCプログラムにて加工制御が行われるNC加工において、
    加工実績のある実加工NCプログラムを解析して、実加工NCプログラムに含まれる加工情報を各作業要素加工毎の加工条件として抽出する加工方法分析手段と、
    前記加工条件を書き換え可能に記憶する記憶手段と、
    を有するNC加工におけるNCプログラム解析装置。
  2. NCプログラムにて加工制御が行われるNC加工において、
    加工実績のある実加工NCプログラムを解析して、実加工NCプログラムに含まれる加工情報をを各作業要素加工毎の加工条件として抽出する加工方法分析手段と、
    前記加工条件を各作業要素加工と対応して書き換え可能に記憶する記憶手段と、
    を有するNC加工においてNCプログラム解析装置。
  3. NCプログラムにて加工制御が行われるNC加工において、
    加工実績のある実加工NCプログラム、素材材質データ及び工具リストが入力され、前記実加工NCプログラムを解析して、実加工NCプログラムに含まれる加工情報を各作業要素加工毎の加工条件として抽出する加工方法分析手段と、
    前記各作業要素加工毎に抽出された加工条件をNCプログラム作成に必要なデータベースに変換するデータベース作成手段と、
    前記加工条件を各作業要素加工と対応して書き換え可能に記憶するNCプログラム作成用のデータベースと、
    を有するNCプログラム解析装置。
  4. 請求項1、2、3のいずれかに記載の装置において、
    前記加工方法分析手段は実加工NCプログラムを各作業要素加工へ分割する分割部と、
    実加工NCプログラムから加工条件を抽出する加工条件抽出部と、
    を含むことを特徴とするNC加工におけるNCプログラム解析装置。
  5. 請求項4記載の装置において、
    実加工NCプログラムを各作業要素加工へ分割する分割部には、工具加工軌跡から作業要素加工を照合判定するためのパターン定義記憶部が接続されていることを特徴とするNC加工におけるNCプログラム解析装置。
  6. 請求項3記載の装置において、
    前記データベースは少なくとも切削条件データベース及び工具データベースを含むことを特徴とするNC加工におけるNCプログラム解析装置。
  7. NCプログラムにて加工制御が行われるNC加工において、
    加工実績のある実加工NCプログラムを解析して、実加工NCプログラムに含まれる加工情報を各作業要素加工毎に加工条件として抽出する加工方法分析ステップと、
    前記加工条件を書き換え可能に記憶する記憶ステップと、
    を有するNC加工におけるNCプログラム解析方法。
  8. NCプログラムにて加工制御が行われるNC加工において、
    加工実績のある実加工NCプログラムを解析して、実加工NCプログラムに含まれる加工情報を各作業要素加工毎の加工条件として抽出する加工方法分析ステップと、
    前記加工条件を各作業要素加工と対応して書き換え可能に記憶する記憶ステップと、
    を有するNC加工方法。
  9. NCプログラムにて加工制御が行われるNC加工方法において、
    加工実績のある実加工NCプログラム、素材材質データ及び工具リストが入力され、前記実加工NCプログラムを解析して、実加工NCプログラムに含まれる加工情報を各作業要素加工毎の加工条件として抽出する加工方法分析ステップと、
    前記各作業要素加工毎に抽出された加工条件をNCプログラム作成に必要なデータベースとして各作業要素加工と対応して書き換え可能に記憶するデータベース作成ステップと、
    を有するNC加工方法。
  10. コンピュータに、加工実績のある実加工NCプログラムを解析して、実加工NCプログラムに含まれる加工情報を各作業要素加工毎の加工条件として抽出する加工方法分析手順と、前記加工条件を書き換え可能に記憶する記憶手順とを実行させるためのプログラムを記録した媒体。
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