JP3693644B2 - Equipment operating state acoustic monitoring method and equipment operating state acoustic monitoring apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は設備の運転音を収集して監視する設備の運転状態音響監視方法および設備の運転状態音響監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発電プラント、化学プラント、機器など設備の運転状態の監視は、監視員が巡廻し、各設備特有の運転音を聞くことにより行われている。即ち、巡視、点検等日常のパトロールで行われている設備の運転状態の確認法は、その扱いやすさから人の聴覚を活用した音響診断が広く使われている。
【0003】
しかしながら、聴覚を活用した音響診断は、設備機器から発生する正常運転時の音の大きさや音色を十分に記憶しておく必要があり、設備を恒常的に監視している熟練した監視員でなければ行えない作業であった。また、熟練した監視員が判断した音響診断状態、情感や結果を別の監視員に伝えることが難しく、異常の発生を検出する診断法としては扱いやすい反面で技術伝承し難い一面もあった。このため、これまでの音響診断の課題を解決するために、熟練技術者以外でも容易に扱えるような音響診断の取り組みが試行され始めている。
【0004】
人によらない音響診断法としては、監視員の聴覚判断に置き換えて、各設備から発生する特有の音を収録して周波数解析を行い、設備機器から発生する正常音の大きさや音色を定量的に表して、予め設定された異常音と思われる状態の信号と比較することにより設備機器の異常発生の有無を判断する方法がある。
【0005】
しかしながら、大型のプラントでは、依然として監視員により定期的に設備の巡視点検も行われており、この巡視点検の際に、周波数解析を活用した音響診断を行うためには、マイクロホンと小型録音装置からなる音響診断器を携帯して監視対象設備の音を収集する必要がある。その際に、マイクロホンは、監視対象設備に対して一定の距離を持った位置で収録しているために、上記音響診断器は、監視対象設備からの距離が長くなるにつれて検出した運転音が減衰し、逆に環境音等のノイズが大きくなるため、S/N比が悪くなり監視対象設備の運転音を正確に捕捉しているのか、周囲からの雑音により監視対象設備の運転状態を判別しているのか、正確な監視を行うことが困難であった。
【0006】
周囲のノイズ対策として、設備の異常音のピーク周波数を監視周波数とし、この監視周波数での外来音を除去して監視する監視方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。さらに、マイクロホンなどにより収集した情報について、音の大きさを音響信号のレベルとして、あるいは音色を周波数成分として監視し、異常検知する装置が記載されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−229762号公報([0023]〜[0028]図4,図5)。
【特許文献2】
特開平11−118593号公報([0004],[0005])。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、設備を管理している監視員からは、各種プラントや多種機器などの設備においては、当該監視対象設備の近隣に他の設備が多数運転されており、これら設備と正確に区別し、監視対象設備の異常の有無を正確に判定できる監視技術が望まれている。
【0009】
本発明は、係る従来の問題を解決すべくなされたもので、監視対象設備からの運転音を正確に収集でき、他の周囲設備からの運転音などの雑音と正確に区別して監視することができる設備の運転状態監視方法および設備の運転状態音響監視装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、次の構成からなる設備の運転状態音響監視方法および設備の運転状態音響監視装置を提供するものである。
【0011】
本発明の設備の運転状態音響監視方法は、監視対象設備固有の運転音を第1の感音センサにより予め定められた期間、収集して第1の運転音信号を出力するステップと、前記第1の運転音信号を周波数解析処理して音量出力値に対する周波数の関係を示す第1の音響スペクトル信号を出力するステップと、前記第1の音響スペクトル信号から前記音量出力値がピークを示すピーク周波数およびこのピーク周波数の第1の音量出力値を正常運転状態の監視情報として抽出し、予め記憶装置に記憶するステップと、前記第1の感音センサより前記監視対象設備から離れた監視用位置に第2の感音センサを設けて前記監視対象設備の運転音を前記予め定められた期間、収集して第2の運転音信号を出力するステップと、前記第2の運転音信号を周波数解析処理して音量出力値に対する周波数の関係を示す第2の音響スペクトル信号を出力するステップと、前記記憶装置より読み出された前記ピーク周波数の第2の音量出力値を前記第2の音響スペクトル信号から抽出するステップと、前記記憶装置より読み出された前記第1の音量出力値および第2の音量出力値の相関を求めて前記第2の感音センサによる前記監視対象設備の運転状態を監視する監視位置情報を出力し、この監視位置情報を前記記憶装置に記憶するステップと、監視に際し、前記監視対象設備の前記監視位置情報の位置に前記第2の感音センサを設けて監視するステップと、前記第2の感音センサによる監視出力と前記記憶装置に記憶された前記正常運転状態の監視情報と比較することにより前記監視対象設備の異常の有無を監視するステップとを具備してなることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、監視対象設備近傍に設けた感音センサからの運転音情報から得たピーク周波数を監視周波数として第2の感音センサ出力信号により監視するので、監視対象設備からの運転音を正確に収集でき、他の周囲設備からの運転音と正確に区別して監視することができる。さらに、監視位置情報が出力されるので、設備を監視する監視員が巡廻して監視する際、第2の感音センサを持参することにより、当該監視対象設備において、監視位置に第2の感音センサを設けることができ、固定の場合も、監視員が持参する場合も、監視員が変更されても同一条件で監視することができる。
【0013】
前記第1の感音センサの設置位置は、監視対象設備の容器壁面に接触させて設けるので、監視対象設備からの運転音を正確に収集でき、他の周囲設備からの運転音などの環境音と正確に区別して監視することができる。
【0014】
前記監視位置情報は、第1の音響スペクトル信号と第2の音響スペクトル信号から前記ピーク周波数における第1の音量出力値と第2の音量出力値の偏差処理およびコヒーレンス解析処理の少なくとも一方の処理により求めた情報であるので、監視の都度、第2の感音センサの設置位置を自動的に確認することができる。
【0015】
前記監視位置情報は、第1の音量出力値と第2の音量出力値の偏差処理およびコヒーレンス解析処理の少なくとも一方の処理により求めた情報が予め定められた範囲になったときに前記監視対象設備から前記第2の感音センサまでの距離情報であるので、監視の都度、記憶装置から監視位置情報を読出し、読み出された監視位置に第2の感音センサを設置でき、監視者が変更されても同一条件で監視することができる。
【0016】
前記監視対象設備の前記第2の感音センサによる監視は、前記第2の感音センサによる監視出力から求めた前記ピーク周波数の音量出力値と、前記記憶装置に記憶された前記正常運転状態の監視情報とを比較し、異なる信号を出力したとき異常情報を出力し、前記表示装置に表示するとともに前記記憶装置に記憶するので、前記監視対象設備から離れた位置の第2の感音センサでも、監視対象設備に至近の第1の感音センサから抽出したピーク周波数に基づく音量出力値から判定するため、雑音に影響されず安定して監視対象設備の運転音を、監視することができる。
【0017】
前記ピーク周波数の抽出は、前記第1の感音センサ出力信号を周波数解析処理することにより求められた音量出力値に対する周波数の曲線図から前記音量出力値がピークを示す周波数を出力することであるので、監視対象設備の運転音を直接又は近傍位置からのピーク周波数であり、監視対象設備からの運転音を正確に収集でき、他の周囲設備からの運転音などの環境音と正確に区別して監視することができる。
【0018】
前記監視位置情報の出力は、前記第1および第2の感音センサ出力信号をそれぞれ周波数解析処理することにより作成された各音量信号に対する周波数特性曲線図情報から前記ピーク周波数における各音量信号値のコヒーレンス解析処理することにより、前記第2の感音センサの監視位置情報を出力するので、第2の感音センサをいつでも前記監視位置に設置して同一条件での監視対象設備の運転状態を監視することができる。
【0019】
前記監視位置情報は、監視対象設備から前記第2の感音センサまでの距離情報であるので、この距離情報を記憶しておくことにより監視者が交代しても常に同一状態に近い状態で監視対象設備の運転状態を、監視をすることができる。
【0020】
前記正常運転状態の監視情報および前記第2の感音センサの前記監視位置情報を表示装置に表示するようにしたので、前記記憶装置から前記監視位置情報を読出し、表示装置に表示し、この監視位置に第2の感音センサを既定位置に設置することができる。従って、監視員が誰であっても、監視対象設備に第1の感音センサを接触させたときと同様に同一条件で監視対象設備の運転状態を第2の感音センサにより監視することができる。
【0021】
前記監視対象設備の前記第2の感音センサによる監視は、前記第2の感音センサによる監視出力から求めた前記ピーク周波数の音量出力値と、前記記憶装置に記憶された前記正常運転状態の監視情報とを比較し、異なる信号を出力したとき異常情報を出力し、前記表示装置に表示するとともに前記記憶装置に記憶するので、監視対象設備に第1の感音センサを接触させたときと同様に運転状態異常の発生を第2の感音センサにより正確に監視することができる。
【0022】
本発明の設備の運転状態音響監視装置は、運転音から運転状態が監視される監視対象設備固有の運転音を第1の感音センサにより収集し、この第1の感音センサより前記監視対象設備から離れた監視用位置に設けた第2の感音センサにより収集した第1の音量信号および第2の音量信号を周波数解析処理して音量出力値に対する周波数の関係を示す第1の音響スペクトルおよび第2の音響スペクトル情報、前記第1の音響スペクトルにおけるピーク周波数情報および前記第1の音響スペクトルにおける前記ピーク周波数での第1の音量出力値が抽出され正常運転状態を示す情報が記憶される記憶装置と、前記第2の音響スペクトル情報から前記ピーク周波数の第2の音量出力値が抽出され、前記第1の音量出力値および第2の音量出力値を比較して相関があれば第2の感音センサの位置を前記監視対象設備の監視位置として前記記憶装置に記憶する手段と、前記記憶装置に記憶された前記監視位置情報を読出し、この監視位置に設けられた前記第2の感音センサにより前記監視対象設備の運転音を監視し、前記第2の感音センサが監視した監視音量信号と前記記憶装置に記憶された前記正常運転状態を示すデータと比較して異常の有無を判定する手段とを具備してなることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、周囲に運転中の他の設備があっても監視対象設備からの運転音を正確に収集でき、他の周囲設備からの運転音と正確に区別して監視することができる。
【0024】
前記第1の音量信号におけるピーク周波数は、前記音量出力値に対する周波数の関係を示す曲線図において前記音量出力値がピークを示す周波数であるので、周囲雑音に比較してS/N比の大きな信号で、監視位置への第2の感音センサの設置や監視対象設備の監視を正確に行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る設備の運転状態監視方法の実施形態を、図1〜図12を参照して具体的に説明する。先ず、設備の運転状態監視方法の全体を理解するために図1のフローチャートを参照して説明する。
【0026】
この設備の運転状態監視方法の特徴は、比較的周囲の雑音に影響されず監視対象設備固有の運転音を検出するために、監視対象設備に接触又は近接させて第1の感音センサを設けて第2の感音センサ用監視データを得ることである。さらに、設備の運転状態監視方法の特徴は、第1の感音センサにより監視する状態と実質的に同一条件で、第1の感音センサより監視対象設備から離れた監視用位置に第2の感音センサ4を設けて監視できるようにすることである。さらに、設備の運転状態監視方法の特徴は、第1の感音センサにより監視する状態と実質的に同一条件を出力するために第1の感音センサ出力の運転音信号からピーク周波数を求め、このピーク周波数を運転音信号と定め、監視用として使用する第2の感音センサの監視位置および監視対象設備の運転音監視のための判定用信号を出力することである。
【0027】
このような設備の運転状態音響監視方法1は、図1に示すもので第1の感音センサ2を監視対象設備3に直接又は近接して設置し監視対象設備3固有の運転音を収集する状態と、実質的に同一条件で第1の感音センサより監視対象設備3から離れた監視用位置に設けた第2の感音センサ4により監視できるようにするための監視用データを収集する監視用データ収集工程5と、収集された監視用データを基に監視対象設備3の運転状態を監視する監視工程6とからなる。
【0028】
監視用データ収集工程5は、監視対象設備3からの運転音を監視対象設備3の比較的近傍に設けた第1の感音センサ2および遠方に設けた第2の感音センサ4により収集して運転音信号を出力する運転音収集ステップ11と、第1の感音センサ2の出力信号から第1の音量出力値のピークを示すピーク周波数を抽出するピーク周波数抽出ステップ12と、第2の感音センサ4の出力信号から上記ピーク周波数の第2の音量出力値を抽出し、第1および第2の音量出力値から第2の感音センサ4による監視対象設備3の運転状態を監視する監視位置情報を監視用データとして出力する監視位置情報出力ステップ13とからなる。
【0029】
監視工程6は、上記監視用データを基に第2の感音センサ4のみにより監視対象設備3の運転状態を監視する方法で、第2の感音センサ4を監視位置情報の位置に設定する監視開始ステップ15と、第2の感音センサ4の出力信号からピーク周波数の音量出力値を監視することにより監視対象設備3の運転状態を監視する監視ステップ16とからなる。
【0030】
監視対象設備3は、例えば発電プラント、化学プラント、機器などの設備であり、運転状態が監視される運転中の装置である。第1の感音センサ2は、監視対象設備3の監視対象部に直接又は近傍に設けられ、運転音を電気信号に変換する素子で、例えば、加速度センサ、圧電センサ、スピーカなどである。監視対象設備3の近傍とは、監視対象設備3において特に故障が予想される部分に直接又は容器壁面に直接接触又は僅かに離れた位置であり、周囲の他の設備からの運転音などの雑音に対してより大きなS/N比で監視対象設備3の運転音を検出できる位置である。
【0031】
第2の感音センサ4は、日常の監視用として使用するセンサで監視対象設備3の運転音を電気信号に変換する素子で、例えばマイクロホンであり、監視員が監視のために巡廻する例えば安全通路、安全地帯などで監視対象設備3に近い位置に設けられる。第2の感音センサ4は、第1の感音センサ2に比較して監視対象設備3から遠方の位置に設けられ、その分、周囲の設備からの運転音や工事の作業音などが雑音として大きな音量で検出され、逆に、監視対象設備3からの運転音の検出音量は遠方の距離分減衰した音量を出力する。監視用データ収集工程5の第2の感音センサ4と監視工程6の第2の感音センサ4とを同一符号で説明されているが、同一感音センサでもよいし、他の感音センサでもよく、監視用データ収集工程5の第2の感音センサ4は、監視工程6での第2の感音センサ4の監視位置条件を出力するためのものである。
【0032】
運転音収集ステップ11は、監視対象設備3の運転音を周囲の他の設備からの運転音や作業音など環境音より大きい信号で出力する。従って、第1の感音センサ2および第2の感音センサ4には、監視対象設備3の運転音を良いS/N比で出力するための手段として例えば指向性を持たせるためのフードが設けられることが望ましい。
【0033】
ピーク周波数抽出ステップ12は、第1の感音センサ2の出力信号をデジタル信号に変換したのち、周波数解析処理をして音量出力値に対する周波数との関係を示す特性曲線図の第1の音響スペクトルを作成し、この第1の音響スペクトルから第1の音量出力値がピークとなるピーク周波数を抽出する。この第1の音響スペクトルのピーク周波数は、監視対象設備3に最も近い位置から収集した運転音信号から得た周波数であり、監視対象設備3の運転音の特徴を表した電気情報の特徴音である。
【0034】
監視位置情報出力ステップ13は、実質的に第1の感音センサ2により監視しているように第2の感音センサ4の監視位置情報を出力して記憶装置に記憶し、第2の感音センサ4による監視対象設備3の運転音の監視を可能にする工程である。監視開始ステップ15は、記憶装置に記憶された監視位置情報からの監視位置又は監視位置情報出力ステップ13に基づき得られた監視位置に、第2の感音センサ4のみを設置する。監視ステップ16は、第2の感音センサ4により検出された運転音信号から上記ピーク周波数の音量出力値を抽出し、抽出した音量出力値を監視することにより監視対象設備3の運転状態を監視する。
【0035】
即ち、設備の運転状態音響監視方法1は、周囲からの環境音など雑音による誤監視を防止するために、基礎データとして、監視対象設備3に直接接触させた第1の感音センサ2から監視対象設備3運転音の特徴をピーク周波数で出力し、比較的遠方に設けられた第2の感音センサ4が検出した音量出力値に対する周波数との関係を示す特性曲線図はS/N比が悪くなるが、この特性曲線図から上記ピーク周波数に相当する音量出力値を監視することにより雑音に強い監視対象設備3の運転状態を監視することができる。雑音に強い監視対象設備3の運転状態の監視とは、監視対象設備3の異常動作を見落とすことなく検出することができることである。
【0036】
監視対象設備固有の運転音の収集手段としては、監視対象設備に接触、監視対象設備のハウジングに第1の感音センサを接触させたときと、監視位置において第2の感音センサにより運転音を収集したときの正常運転時のピーク周波数とが異なる場合、接触せず、監視対象設備の監視対象音発生部近傍が望ましい。
【0037】
次に、図1の具体的実施形態を、図2〜図12を参照して説明する。図1と同一部分には、同一符号を使用して説明する。図2は、監視用データ収集工程5を実施するための監視用データ収集装置20を説明するための回路構成図である。この実施形態は、監視対象設備3の運転状態を監視するために日常監視用として使用する第2の感音センサ4の監視位置情報を出力するための監視用データ収集装置20と、この監視用データ収集装置20から得られた監視用データの基に監視対象設備3の運転状態を監視するための設備の運転状態音響監視装置21とからなる。監視用データ収集装置20の実施形態は、図2に示されており、設備の運転状態音響監視装置21の実施形態は図10に示されている。
【0038】
先ず、監視用データ収集装置20の実施形態を説明する。監視対象設備3の運転状態は、運転音により監視され、この運転音は第1の感音センサ2および第2の感音センサ4により検出される。第1の感音センサ2は、監視対象設備3固有の運転音を収集するために監視対象部近傍に設定されるもので、例えば接触式音響入力装置25として加速度センサが監視対象部近傍の壁面に接触させて設けられる。第2の感音センサ4は、監視対象設備3の監視対象部から第1の感音センサ2より離れた監視用位置例えば安全地帯に設けられるもので非接触式音響入力装置26として例えばマイクロホンが設けられる。第1の感音センサ2および第2の感音センサ4により運転音収集ステップ11が行われる。第1の感音センサ2および第2の感音センサ4による監視対象設備3の運転音の収集期間は、予め定められた期間が望ましい。
【0039】
接触式音響入力装置25の出力端子には、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D変換処理部34が接続され、A/D変換処理部34の出力端子にはデジタル信号に変換された運転音信号から音量出力値に対する周波数の関係を示す音響スペクトル信号例えば図3に示すような音圧レベルに対する周波数特性曲線図を作成するための周波数解析処理部35に接続されている。周波数解析処理部35の出力端子には、上記周波数特性曲線図において監視対象設備3の運転音の特徴を表しているピーク特性を示す波形のピーク周波数を抽出するための正ピーク周波数抽出部36が接続されている。正ピーク周波数抽出部36の出力端子には、非接触式音響入力装置26の監視位置を出力するためのコヒーレンス解析処理部37が接続されている。
【0040】
他方、非接触式音響入力装置26の出力端子には、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D変換処理部41が接続され、A/D変換処理部41の出力端子にはデジタル信号に変換された運転音の信号から音量出力値に対する周波数の関係を示す音響スペクトル信号例えば図4に示すような音圧レベルに対する周波数特性曲線図を作成するための周波数解析処理部42に接続されている。図4の周波数特性曲線図の音圧レベル値は、図3の周波数特性曲線図の音圧レベルのピーク値に比較して監視対象設備3から遠方の距離に相当する離間分、減衰した音圧レベルが検出されている。
【0041】
周波数解析処理部42の出力端子には、上記周波数特性曲線図において上記ピーク周波数に相当する音圧レベルを疑似ピーク周波数の音圧レベルとして出力するための疑似ピーク周波数抽出部43が接続されている。疑似ピーク周波数抽出部43の出力端子には、上記ピーク周波数と疑似ピーク周波数の音圧レベル値の差を出力するためのピーク周波数偏差処理部44が接続されている。コヒーレンス解析処理部37およびピーク周波数偏差処理部44の出力から非接触式音響入力装置26の測定位置情報を出力するための測定位置良否判定処理部45が接続されている。
【0042】
設備の運転状態音響監視装置21には、監視対象設備3と非接触式音響入力装置26間の距離を測定するために距離計測装置47例えばレーザ測距装置が設けられている。測定された距離情報は、監視対象設備3を監視する際に非接触式音響入力装置26を設置するための位置を示す。距離計測装置47の出力端子には、測定された距離情報をデジタル信号に変換するためのA/D変換処理部48が接続され、A/D変換処理部48出力の距離情報は、測定位置良否判定処理部45に出力されるように接続されている。各処理部、抽出部の出力は記憶するための記憶装置例えばデータ格納部49および表示装置50に接続されている。
【0043】
さらに、設備の運転状態音響監視装置21には、監視対象設備3の名称、設置場所(番地)、監視年月日時、監視者名などデータ格納部49に記憶する情報そして表示装置50に表示する内容の選択情報などを入力するために入力装置51が設けられている。
【0044】
監視対象設備3、接触式音響入力装置25、非接触式音響入力装置26、距離計測装置47、入力装置51、表示装置50以外のブロック図は、点線で囲み、この点線で囲まれた部分は、コンピュータ例えばパソコン52により構成することができる。パソコン52で構成した場合、上記各動作手順は、メモリ53に予め記憶されたプログラムで動作するCPU(制御装置)54により制御される。このようにして監視用データ収集装置20が構成されている。
【0045】
接触式音響入力装置25は、監視対象設備3から発せられる運転音の音響信号を運転音信号として電気信号に変換する第1の感音センサ2例えば加速度センサで、監視対象設備3の監視対象部分のカバーに着脱自在に取り付けるための手段として例えばマグネット、棒状治具などが一体に設けられたセンサ等である。非接触式音響入力装置26は、監視対象設備3から発せられる運転音の音響信号を比較的離れた位置例えば監視員の巡廻位置で運転音信号として検出する第2の感音センサ4で携帯便利で操作が容易な例えばマイクロホン等である。
【0046】
距離計測装置47は、測定位置良否判定処理部45が非接触式音響入力装置26の監視位置を出力したときCPU54は距離計測装置47を制御して監視対象設備3から接触式音響入力装置25あるいは非接触式音響入力装置26までの距離を計測させ、デジタル信号に変換した現在の距離情報を、非接触式音響入力装置26の監視位置を出力する測定位置良否判定処理部45に送信する。距離計測装置47は、レーザ測距装置に限らず、他の距離計でも巻尺などでもよく、この場合、測定した距離は、入力装置51から入力して距離情報としてデータ格納部49に登録する。距離情報は、非接触式音響入力装置26の監視位置を示す情報であり、次回の監視に際し非接触式音響入力装置26を設置できる情報であれば何れでもよく、例えば監視対象設備3の基準位置からの方向を示す情報、距離などである。
【0047】
CPU54は、デジタル化された運転音信号や上記距離情報などを監視対象設備3に関連付けてデータ格納部49に記憶し、要求されたとき読み出すと、同時に表示装置50に表示する制御などをする。入力装置51は、監視対象設備3の名称、監視対象設備の設置されている位置(番地)、測定年月日時、監視員名などの入力情報を監視員がパソコン52に入力する端末で例えばパソコン用キーボードであり、CPU54はキーボードから入力された入力情報を、データ格納部49に、監視対象設備3の運転音情報に関連付けて記憶すると同時に表示装置50に表示する。
【0048】
A/D(アナログ/デジタル)変換処理部34,41は、接触式音響入力装置25および非接触式音響入力装置26が検出した、監視対象設備3の運転音情報であるアナログの音響信号をデジタル形式の音響情報に変換するものである。
【0049】
周波数解析処理部35,42は、CPU54がデジタル化された運転音信号を高速フーリエ変換により周波数解析して音量出力値に対する周波数の関係を示す音響スペクトル信号を出力するもので、例えば図3および図4に示すような音圧レベルに対する周波数との関係を示す特性曲線図を出力する。音量出力値に対する周波数の関係は、図3および図4に示すようなグラフに限らず、表にしてもよい。
【0050】
正ピーク周波数抽出部36は、周波数解析処理部35により算出した接触式音響入力装置の音響スペクトルを元に音圧レベルがピークを示すピーク周波数例えば複数のピーク周波数を抽出するものである。CPU54は、図3および図4に示すような音圧レベルに対する周波数特性曲線図において、音圧レベルが正方向に突出した波形(Pmax1,Pmax2,Pmax3…Pmaxn)を示す周波数情報を抽出して、コヒーレンス解析処理部37、疑似ピーク周波数抽出部43などに出力すると、同時にデータ格納部49に記憶し、表示装置50に表示する制御をする。
【0051】
正ピーク周波数抽出部36は、図5に示すように構成することもできる。図3において音圧レベルがピークを示すピーク周波数抽出手段36aと、図6において全周波数帯域での音圧レベル平均値より高い音圧レベルのピークを示す周波数抽出手段36bと、図7において特定周波数帯域毎に音圧レベルの平均値より高い音圧レベルのピークを示す周波数抽出手段36cなどの何れかを監視対象設備3の環境に応じて選択できるように構成することができる。例えば、正ピーク周波数抽出部36は、隣接する監視対象設備3間の距離が離れており、非接触式音響入力装置26によりS/N比のよい監視ができる場合、ピーク周波数抽出手段36aを選択する。正ピーク周波数抽出部36は、隣接する監視対象設備3間の距離が近く非接触式音響入力装置26によりS/N比が悪い場合、特定周波数帯域毎に音圧レベル平均値より高い音圧レベルの周波数抽出手段36cを選択することが望ましい。中間のS/N比の場合、正ピーク周波数抽出部36は、全周波数帯域での音圧レベル平均値より高い音圧レベルのピークを示す周波数抽出手段36bを選択することが望ましい。上記正ピーク周波数抽出部36は、周波数抽出手段36a,36b,36cのうち何れか一つの手段により構成してもよい。
【0052】
接触式音響入力装置25により収集処理した音響スペクトルを基にピーク周波数を抽出する手段としては、例えば図3に示すように全解析周波数帯域から周波数レベルの大きい順に任意数のピーク周波数を抽出する方法と、図6に示すように全解析周波数帯域の平均値を算出して、平均値より周波数レベルの大きい周波数をピーク周波数として抽出する方法と、図7に示すように任意の解析周波数帯域毎に平均値を算出して平均値より周波数レベルの大きい周波数をピーク周波数として抽出する方法などによりピーク周波数を抽出する。
【0053】
この結果、接触式音響入力装置25により収集処理した音響スペクトルからピーク周波数の抽出は、図3に示すように全解析周波数帯域の中から音圧レベルが大きいピークを示す周波数を任意の数だけ抽出することにより、監視対象設備3の正常運転音の特徴的な周波数成分を抽出できる。また、ピーク周波数の抽出は、図6に示すように全解析周波数帯域での音圧レベルの平均値を算出して、平均値より音圧レベルの大きい周波数をピーク周波数として抽出することができる。さらに、全解析周波数帯域で各周波数の高さの平均値を算出して、算出した平均値より高い周波数をピーク周波数とすることにより非接触式音響入力装置26により検出可能な範囲を導き出す際の指標とするデータを抽出することができる。
【0054】
ピーク周波数抽出手段36aは、CPU54が図3に示す音圧レベルに対する周波数特性曲線図において全解析周波数帯域の中から、周波数の高い順にピーク周波数Pmax1,Pmax2,Pmax3…Pmaxnを抽出し、コヒーレンス解析処理部37および疑似ピーク周波数抽出部43に出力する。
【0055】
全周波数帯域での音圧レベル平均値より高い音圧レベルのピークを示す周波数抽出手段36bは、CPU54が図6に示す音圧レベルに対する周波数特性曲線図において、全解析周波数帯域の平均値を数式1により算出して、算出した平均値を示す直線Sより高いピーク周波数Pmax1,Pmax2,Pmax3…Pmaxnを抽出し、コヒーレンス解析処理部37および疑似ピーク周波数抽出部43に出力する。特定周波数帯域毎に音圧レベルの周波数抽出手段とを実行する。
【0056】
特定周波数帯域毎に求められた音圧レベルの平均値より高い音圧レベルのピークを示す周波数抽出手段36cは、CPU54が図7に示す音圧レベルに対する周波数特性曲線図において任意の解析周波数帯域毎に複数に分割し、各解析周波数帯域毎に直線Sで示された平均値を数式2により算出して、各解析周波数帯域毎に算出した平均値Sより高いピーク値を示す音圧レベルPmaxa1,Pmaxb1,Pmaxc1…Pmaxn1の周波数をピーク周波数として抽出し、コヒーレンス解析処理部37および疑似ピーク周波数抽出部43に出力する。
【0057】
[数式1]
全解析周波数帯域の平均値算出式
解析周波数帯域・・・f1〜fn
周波数帯域数・・・・N
平均値・・・・・・・fave
ピーク周波数での音圧レベル・・・・pmax1〜pmaxn
f1+f2+・・・・fn/N=fave
fave<pmax1〜pmaxn
【0058】
[数式2]
任意の周波数帯域fa間の平均値算出式
任意の解析周波数帯域・・・fa1〜fan
周波数帯域数・・・・Na
平均値・・・・・・・fave
ピーク周波数での音圧レベル・・・・pmaxa1〜pmaxan
fa1+fa1+・・・・fan/Na=fave1
fave1<pmaxa1〜pmaxan
以降、周波数帯域fa〜fn各間の算出式は上記式と同じ。
【0059】
疑似ピーク周波数抽出部43は、CPU54が上記正ピーク周波数抽出部36から入力された各ピーク周波数を元に、非接触式音響入力装置26出力の音響スペクトルから、同じ各ピーク周波数の音圧レベルを抽出し、ピーク周波数偏差処理部44、コヒーレンス解析処理部37、データ格納部49、表示装置50などに出力する。非接触式音響入力装置26出力の音響スペクトルは、例えば図4に示すような音圧レベルに対する周波数特性曲線図である。図4の音響スペクトルは、図3の音響スペクトルに比較して監視対象設備3からの離間距離分音圧レベルが大きく、S/N比も大きく出力されている。
【0060】
コヒーレンス解析処理部37は、CPU54が正ピーク周波数抽出部36と疑似ピーク周波数抽出部43にて抽出した各ピーク周波数の音圧レベルについて干渉性を求めるもので、コヒーレンス解析手段により位相の相関の強さを全周波数帯域で求める。コヒーレンス解析処理部37は、相関があれば「1」、相関が無ければ「0」を出力する。相関有「1」は、接触式音響入力装置25出力の音響スペクトルから抽出したピーク周波数の音圧レベル値と非接触式音響入力装置26出力の音響スペクトルから抽出した上記ピーク周波数の音圧レベル値と相関があるとき、測定位置良否判定処理部45は非接触式音響入力装置26の現在位置を監視位置と判定する。この監視位置の情報は、監視対象設備3からの距離情報であり、データ格納部49に当該監視対象設備名と関連付けて記憶される。
【0061】
ピーク周波数偏差処理部44は、CPU54が正ピーク周波数抽出部36と疑似ピーク周波数抽出部43にて抽出した上記ピーク周波数での、各音圧レベルの偏差を全周波数帯域で求める。ピーク周波数偏差処理部44は、各音圧レベルの偏差が無く一致していれば「0」を出力し、接触式音響入力装置25が検出した監視対象設備3の運転音と同一と測定位置良否判定処理部45で判定する。また、各音圧レベルの偏差があれば「1」を出力し、接触式音響入力装置25が検出した監視対象設備3の運転音と非同一と測定位置良否判定処理部45は判定する。
【0062】
即ち、コヒーレンス解析処理部37が相関有りを出力し、ピーク周波数偏差処理部44が音圧レベルの偏差が無く一致していれば測定位置良否判定処理部45で、CPU54は接触式音響入力装置25が検出した監視対象設備3の運転音と同一と判定し、運転音の監視位置と判定する。これらの関係は、図8に示されているように、コヒーレンス解析処理部37の出力の音圧レベルに対する周波数特性曲線図における抽出されたピーク周波数の音圧レベル値が図8(a)に示す波形で、監視対象設備3の正常運転時の特徴音を示している。図8の波形は、例えば図6の波形において、平均値をクランプレベルとするクランプ回路で処理することにより出力することができる。
【0063】
ピーク周波数偏差処理部44の出力の音圧レベルに対する周波数特性曲線図において抽出されたピーク周波数の音圧レベル値は、図8(b)に示す波形とする。音圧レベル値が図8(b)に示す波形に非接触式音響入力装置26の監視対象設備3との間の距離差に相当する減衰分(点線値)を加算して補償した波形は、図8(c)波形であり、CPU54が図8(a)波形と図8(c)波形とは、一致していると判定する。即ち、図8(a)波形と図8(c)波形とが一致とは、非接触式音響入力装置26が監視対象設備3の運転時の特徴音を検出できたことを示している。監視対象設備3の特徴音を検出できた非接触式音響入力装置26の位置は、非接触式音響入力装置26により監視対象設備3の運転音を測定できる非接触式音響入力装置26の監視位置である。測定位置良否判定処理部45が、図8(a)波形と図8(c)波形と一致していると判定したとき、CPU54が距離計測装置47に現在の非接触式音響入力装置26の位置と監視対象設備3との距離を測定するための制御命令を出力し、距離計測装置47は距離情報を出力する。この距離情報は、非接触式音響入力装置26が監視対象設備3の運転音を監視できる監視位置情報である。即ち、コヒーレンス解析処理部37が相関有りを出力し、ピーク周波数偏差処理部44が図8(a)波形と図8(c)波形の音圧レベルが一致を出力したとき、測定位置良否判定処理部45は、非接触式音響入力装置26の監視位置情報を出力する。
【0064】
コヒーレンス解析処理部37が相関無しを出力し、ピーク周波数偏差処理部44が音圧レベルの偏差ありを出力し、不一致であれば測定位置良否判定処理部45は、CPU54の制御により接触式音響入力装置25が検出した監視対象設備3の運転音と異なる音と判定し、運転音の監視位置として不適であり、運転音の監視位置でないと判定する。これらの処理結果は、CPU54がデータ格納部49に記憶すると、同時に表示装置50に表示する。
【0065】
監視位置情報を求める手段として、コヒーレンス解析処理部37は、相関の有無、ピーク周波数偏差処理部44は音圧レベルの偏差の有無により求めた例について説明したが、相関の有無や偏差の有無は予め許容される範囲を求め、この範囲に入ったとき監視位置と定めることが望ましい。即ち、監視位置情報は、第1の音量出力値および第2の音量出力値の偏差又はコヒーレンス解析処理して求めた情報が予め定められた範囲になったときに監視対象設備から第2の感音センサまでの距離情報とすることが望ましい。
【0066】
上記実施形態では、コヒーレンス解析処理部37およびピーク周波数偏差処理部44の出力値から監視位置情報を求めたが、少なくとも一方でも監視位置情報を求めることができる。
【0067】
測定位置良否判定処理部45は、CPU54の制御により図9に示すようにコヒーレンス判定手段45aおよびピーク周波数偏差判定手段45bを実行する。前者のコヒーレンス判定手段45aは、CPU54がコヒーレンス解析処理部37から接触式音響入力装置25のピーク周波数での音圧レベルと、このピーク周波数での非接触式音響入力装置26出力の音圧レベルとの位相の相関をとり、相関があるとき「1」を、無いとき「0」の結果を出力し、これを元に相関が「1」のとき非接触式音響入力装置26の位置を「監視位置」と判定し、相関が「0」のとき非接触式音響入力装置26の位置を「監視不適位置」と判定する。
【0068】
後者のピーク周波数偏差判定手段45bは、CPU54がピーク周波数偏差処理部44から接触式音響入力装置25のピーク周波数での音圧レベルと、このピーク周波数での非接触式音響入力装置26出力の音圧レベルとの距離補償した音圧レベルの差をとり、音圧レベル差が無しのとき「0」を出力し、接触式音響入力装置25出力の音圧レベルと非接触式音響入力装置26出力の音圧レベルとが同音で監視対象設備の運転音と評価し出力する。この判定結果についてCPU54は、非接触式音響入力装置26の現在位置は、監視位置として適当と評価し、データ格納部49に記憶すると同時に表示装置50に表示する。
【0069】
また、音圧レベル差があるときCPU54は、「1」を出力し、接触式音響入力装置25出力の音圧レベルと非接触式音響入力装置26出力の音圧レベルとが異音で監視対象設備3の運転音でない出力で例えば環境音と見なす判定をする。この判定結果についてCPU54は、非接触式音響入力装置26の現在位置について、監視位置として不適当と評価し、この評価をデータ格納部49に記憶すると同時に表示装置50に表示する。この場合、監視者は、非接触式音響入力装置26の位置を移動させ、表示装置50の表示面に監視位置として適当との評価が表示される位置を選択することができ、非接触式音響入力装置26の位置を移動させて監視位置を選択する操作をこの明細書ではチュウニングと定義する。
【0070】
距離補償は、接触式音響入力装置25と非接触式音響入力装置26とが音源である監視対象設備3に対して離間距離差があり、その分各ピーク周波数での音圧レベル差が発生するため、その分、非接触式音響入力装置26出力波形について補償する。この補償分は、例えば図8(c)において点線で示されている。
【0071】
測定位置良否判定処理部45は、このようにしてCPU54がコヒーレンス判定手段45aにより相関があり「1」を出力して「監視位置」と判定し、ピーク周波数偏差判定手段45bにより音圧レベル差が無く「0」を出力し、接触式音響入力装置25出力の音圧レベルと非接触式音響入力装置26出力の音圧レベルとが同音で監視対象設備の運転音と評価したとき、監視位置情報を出力し、データ格納部49に記憶すると同時に表示装置50に表示する。測定位置良否判定処理部45は、CPU54がその他の評価をしたとき、監視不適を出力し、データ格納部49に記憶すると同時に表示装置50に表示する。
【0072】
その他の評価とは、CPU54がコヒーレンス判定手段45aにより相関が「0」を出力し、ピーク周波数偏差判定手段45bにより音圧レベル差が「1」を出力したとき、同様に相関が「0」を出力し、音圧レベル差が「0」を出力したとき、相関が「1」を出力し、音圧レベル差が「1」を出力したときなどである。
【0073】
即ち、ピーク周波数偏差処理部44の結果を元に判定するピーク周波数偏差判定手段45bにて数式4により判定するものである。コヒーレンス判定手段45aでは、コヒーレンス解析処理部37により算出したコヒーレンス結果を元に数式3により各ピーク周波数の相関関係を判断して、測定可否の判定を行う。
ピーク周波数偏差判定手段45bでは、ピーク周波数偏差処理部44により算出したピーク周波数の偏差を元に数式4により各ピーク周波数の偏差関係を判断して、非接触式音響入力装置26の監視位置良否の判定を行う。測定位置良否判定処理部45は、非接触式音響入力装置26の監視位置を出力する。
【0074】
[数式3]
ピーク周波数のコヒーレンス関数…cpmax1〜cpmaxn
0<cpmax1〜cpmaxn≦1
【0075】
[数式4]
接触式と非接触式のピーク周波数偏差での音圧レベルの偏差…Δpmax1〜Δpmaxn
接触式ピーク周波数での音圧レベル…pmax1〜pmaxn
0≦Δpmax1〜Δpmaxn<pmax1〜pmaxn
【0076】
測定位置良否判定処理部45は、コヒーレンス解析処理部37によるコヒーレンス解析結果あるいはピーク周波数偏差によるピーク周波数偏差結果についてしきい値を設定して測定位置の良否を判定する。測定位置良否判定処理部45について、コヒーレンス判定手段45a、ピーク周波数偏差判定手段45bのアンド演算した例について説明したが、接触式音響入力装置25、非接触式音響入力装置26によりS/N比の良い検出ができる場合、コヒーレンス判定手段45a、又はピーク周波数偏差判定手段45bの何れか一方の手段でもよい。
【0077】
表示装置50は、A/D変換処理部34,41のデジタル化された音響信号と、周波数解析処理部35,42出力の音響スペクトルと、正ピーク周波数抽出部36で抽出したピーク周波数と、疑似ピーク周波数抽出部43のピーク周波数の音圧レベルと、コヒーレンス解析処理部37のコヒーレンス結果と、ピーク周波数偏差処理部44の算出結果と、測定位置良否判定処理部45の測定可否結果とその際の距離計測装置47により計測された距離と、入力装置51から入力された監視対象設備名、監視対象設備場所と測定年月日時などを表示するものである。
【0078】
即ち、表示装置50は監視する際に入力した情報を表示する入力情報表示と、しきい値設定表示と、データ格納部49からデータを検索するために入力した条件の表示と、検索された結果のデータ表示と、測定位置良否判定処理部45出力の測定結果の表示と、判定処理部62の判定結果の表示と、データ格納部49に格納されたデータベースの内容表示機能を有している。上記しきい値設定表示は、測定位置良否判定処理部45に用いるコヒーレンス解析結果あるいはピーク周波数偏差結果にしきい値を設定する項目と正常音(又は異常音)正否判定に用いるピーク周波数比較結果のしきい値を入力する項目を表示し、コヒーレンス解析結果あるいはピーク周波数比較結果のしきい値を入力する項目を表示する。データ検索条件表示は、監視対象設備名と監視年月日時を入力する項目を表示し、データ検索結果表示は監視対象設備名と監視年月日時と測定可能距離などを表示する。
【0079】
測定結果表示には、A/D変換処理部により変換されたデジタル信号を時系列に表示する時系列表示と、複数の測定結果を重ねて表示する時系列経過表示と、周波数解析処理部により処理された結果を表示する周波数解析表示と、複数の測定結果を重ねて表示する周波数解析経過表示と、正ピーク周波数抽出処理部および疑似ピーク周波数抽出処理部により処理された結果を表示するピーク周波数表示と、コヒーレンス解析処理部により処理された結果を表示するコヒーレンス解析表示などがある。判定結果表示は距離判定処理部の結果を表示する測定可否表示と正常音正否判定処理部の結果を表示する正常音可否表示と、データベース表示はデータ格納部に格納されているデータを表示装置に表示させる。
【0080】
データ格納部49は、監視対象設備3から接触式音響入力装置25および非接触式音響入力装置26までの距離を監視者が測定し、この測定距離を監視者が入力装置51から入力し、入力された距離情報と、入力装置51により入力された監視対象設備名および測定日時と、A/D変換処理部34,41でデジタル化された音響信号と、周波数解析処理部35,42の音響スペクトルと、正ピーク周波数抽出部36のピーク周波数と、疑似ピーク周波数抽出部43のピーク周波数と、ピーク周波数偏差処理部44の算出結果と、測定位置良否判定処理部45の測定可否結果などをそれぞれ関連付けて格納する。
【0081】
このようにして測定位置良否判定処理部45出力の監視は、監視対象設備3の運転時の特徴音を非接触式音響入力装置26が監視する監視位置を求めることができる。この非接触式音響入力装置26で監視対象設備3の特徴音を測定できる監視対象設備3と非接触式音響入力装置26間の距離は、非接触式音響入力装置26の監視位置を示している。
【0082】
次に、監視対象設備3の運転音を非接触式音響入力装置26で監視することにより、監視対象設備3の異常の有無などの診断をする設備の運転状態音響監視装置21の実施形態を図10および図11を参照して説明する。図1乃至図9と同一部分には、同一符号を付与して説明し、その詳細な説明は重複するので省略する。この実施形態は、非接触式音響入力装置26のみにより接触式音響入力装置25により監視したのと同等の性能で監視対象設備3の運転音を監視するもので、上記監視用データ収集装置20により出力された監視位置に非接触式音響入力装置26を設置して監視対象設備3の運転音を監視する例である。接触式音響入力装置25により監視したのと同等とは、非接触式音響入力装置26による監視信号のS/N比が劣化するが、雑音に影響されず安定した監視をすることができることである。安定した監視は、接触式音響入力装置25により監視した信号からピーク周波数を抽出し、このピーク周波数を基準として非接触式音響入力装置26による監視信号の音圧レベルを監視信号とすることにより達成される。
【0083】
このような設備の運転状態音響監視装置21は、非接触式音響入力装置26と、距離計測装置47と、入力装置51と、パソコン52と、表示装置50とからなる。パソコン52は、例えばA/D変換処理部34、周波数解析処理部35、疑似ピーク周波数抽出部43、ピーク周波数補正処理部61、判定処理部62、データ格納部49、A/D変換処理部48、距離比較処理部65、検索処理部66、メモリ53、CPU54などを備えている。
【0084】
非接触式音響入力装置26は、監視対象設備3が運転することにより発生する運転音を検出して電気信号を出力するもので、例えばマイクロホン等である。このマイクロホンの設置位置は、上記監視用データ収集装置20により出力されデータ格納部49に記憶された監視位置又は、設備の運転状態音響監視装置21により表示装置50の表示面を監視しながら非接触式音響入力装置26の設置位置を移動させ、上記監視位置にチュウニングさせた位置である。即ち、データ格納部49から読み出した監視位置への非接触式音響入力装置26の設置は、データ格納部49から読み出した監視位置を距離計測装置47により監視対象設備3からの距離を測定して求め、監視位置に設置することができる。この結果、プラントの監視者は、設備の運転状態音響監視装置21を携帯しながら多数の設備を順次パトロールし、各監視対象設備3位置で該当する監視位置をデータ格納部49から読み出し、この監視位置に非接触式音響入力装置26を設置して監視対象設備3の運転状態を運転音から監視することができる。
【0085】
A/D変換処理部34は、監視対象設備3の運転音を非接触式音響入力装置26により検出したアナログの音響信号をデジタル形式に変換して、周波数解析処理部35に出力する。周波数解析処理部35は、A/D変換処理部34によりデジタル化された音響信号を高速フーリエ変換により周波数解析して音響スペクトルを疑似ピーク周波数抽出部43に出力する。
【0086】
疑似ピーク周波数抽出部43は、当該監視対象設備3の上記ピーク周波数データをデータ格納部49から読出し、読み出した上記ピーク周波数の非接触式音響入力装置26出力波形での音圧レベルをデータ格納部49に記憶し、表示装置50に表示すると、同時にピーク周波数補正処理部61に出力する。疑似ピーク周波数抽出部43出力波形は、図8(b)に示すような波形である。ピーク周波数補正処理部61は、図8(b)に示すような波形に監視対象設備3と非接触音響入力装置26までの距離に相当する減衰分の点線を加算した図8(c)に示すような波形を出力し、この出力波形とデータ格納部49に記憶されている当該監視対象設備3の接触式音響入力装置25出力系の正ピーク周波数抽出部36出力値の図8(a)に示すような波形から求めた音圧レベル値との偏差をとる。図8(a)と(c)の偏差の結果、偏差が無ければピーク周波数補正処理部61は、図8(c)に示すような波形を出力する。偏差の結果、偏差があればピーク周波数補正処理部61は、非接触式音響入力装置26の位置を偏差が無くなるように移動させて位置調整し、監視位置を求める。
【0087】
判定処理部62は、ピーク周波数補正処理部61からの図8(c)に示すような波形とデータ格納部49に記憶されている当該監視対象設備3の正常時(又は異常時)の波形と比較し、一致すれば正常運転状態であることを確認する(異常時と一致すれば異常状態を出力する)。このように判定処理部62は、非接触式音響入力装置26が検出したピーク周波数の音圧レベルと、データ格納部49から読み出された上記ピーク周波数の音圧レベルとの相関の強さを判定する。即ち、判定処理部62は、正常音(又は異常音)との相違有無を判断して正常運転状態か、異常運転状態かを判定する。
【0088】
判定処理部62は、ピーク周波数補正処理部61により離間距離分を補正したピーク周波数の音圧レベルとデータ格納部49から読み出した当該監視対象設備3のピーク周波数の音圧レベルと相関をとったときの偏差によるピーク周波数偏差結果についてしきい値を設定して正常音(又は異常音)の正否判定することができる。上記しきい値は、表示装置50の表示面においてしきい値を設定できる機能を有する
【0089】
距離計測装置47は、例えばレーザ測距装置であり、非接触式音響入力装置26に装着されており、監視対象設備3の監視対象部から非接触式音響入力装置26までの距離を計測し、距離情報を出力する。この距離情報は、A/D変換処理部48でデジタル信号に変換されて、距離比較処理部65に入力されると、同時にデータ格納部49に入力され、記憶される。
【0090】
検索処理部66は、当該監視対象設備3の監視位置データをデータ格納部49から検索して読出し、距離比較処理部65に出力する。距離比較処理部65は、距離計測装置47により計測した距離情報とデータ格納部49から読出した監視位置データと比較し、一致したとき、非接触式音響入力装置26の現在位置が監視位置と認識して監視位置であることを判定処理部62に出力する。判定処理部62は、非接触式音響入力装置26の現在位置が監視位置であることを表示装置50の表示面に表示する。入力装置51は、例えばキーボードであり、監視対象設備名と測定日時を入力するとともに、データ格納部49に入力し、記憶する。
【0091】
検索処理部66は、入力装置51から入力された監視対象設備名に関連付けてデータ格納部49に格納されている過去のデータの中から、同一監視対象設備3の測定可能距離(監視位置データ)、接触式音響入力装置25による検出出力波形の正ピーク周波数処理結果、ピーク周波数偏差処理結果などを検索するものである。過去のデータには、監視用データ収集装置20により出力された各種データや設備の運転状態音響監視装置21により出力されたデータなどである。
【0092】
距離比較処理部65は、検索処理部66で監視対象設備名を入力することによりデータ格納部49から当該監視対象設備名関連データを検索し抽出した監視位置データと、監視対象設備3および現在の非接触式音響入力装置26間の距離を距離計測装置47により計測し、入力された距離データを元に距離の偏差(数式5)を求める。非接触式音響入力装置26の監視位置は、この偏差値が「0」になるように非接触式音響入力装置26の位置を移動させ、位置調整するものである。上記偏差値が「0」になったときの判定は、判定処理部62により行われ、表示装置50に表示される。監視者は、表示装置50の表示画面を見ながら非接触式音響入力装置26を最適位置に設置することができる。
【0093】
[数式5]
距離計測装置47で収集した非接触音響入力装置26の現在位置データ・・・・・・・・・K1
データ格納部49から読み出した非接触式音響入力装置26の測定位置・・・・・・・・・K
距離偏差・・・・・・・・・・・・ΔK
K−K1=ΔK
【0094】
ΔKが「0」になるように非接触式音響入力装置26の測定位置を移動させる。この結果、ΔKが「0」になったとき、非接触式音響入力装置26は、接触式音響入力装置25による監視と実質的に同一監視状態となる。このようにして、非接触式音響入力装置26の監視位置への位置決めは、終了する。
【0095】
判定処理部62は、CPU54が非接触式音響入力装置26の設置位置を監視位置との判定結果を出力したとき、周波数解析処理部35により算出した音響スペクトルを元に、検索処理部66がデータ格納部49から監視対象設備名を入力装置51から入力することにより検索し、抽出した過去の正ピーク周波数処理結果と同じピーク周波数を抽出する。疑似ピーク周波数抽出部43は、周波数解析処理部35出力の音響スペクトルから上記抽出したピーク周波数に相当する音圧レベル値pmax1〜pmaxnをピーク周波数補正処理部61に出力する。
【0096】
ピーク周波数補正処理部61は、上記抽出したピーク周波数に相当する音圧レベル値pmax1〜pmaxnに非接触式音響入力装置26と接触式音響入力装置25との間の距離に相当する音圧レベルの減衰分を加算して、実質的に接触式音響入力装置25による監視感度に調整する。
【0097】
即ち、ピーク周波数補正処理部61は、この抽出したピーク周波数に、検索処理部66でデータ格納部49から検索して抽出したピーク周波数偏差処理結果を加算して(数式6)、疑似接触ピーク周波数の音圧レベルを求めるものである。
【0098】
[数式6]
検索処理部66によりデータ格納部49から検索して抽出したピーク周波数偏差処理結果・・・・・・・・・・・・・Δpmax1〜Δpmaxn
今回非接触式音響入力装置26が検出したピーク周波数での音圧レベル・・・・・・・・dpmax1〜dpmaxn
偏差を加算した疑似接触ピーク周波数・・・・・apmax1〜apmaxn
とすると
dpmax1+Δpmax1・・・dpmaxn+Δpmaxn
=apmax1〜apmaxn
【0099】
判定処理部62は、図11に示すように距離比較処理部65の結果を元に測定した距離の監視位置としての可否の判定を行う距離判定手段62aと、ピーク周波数補正処理部61出力を元に監視対象設備3の異常音の有無を設備運転状態診断手段62bにより判定する。
【0100】
距離判定手段62aは、距離比較処理部65の結果を元に測定可能な距離を数式7により判定する。
[数式7]
距離偏差・・・・・ΔK
ΔK=0
【0101】
設備運転状態診断手段62bは、CPU54がピーク周波数補正処理部61により算出された疑似接触式ピーク周波数での音圧レベルと、検索処理部66によりデータ格納部49から抽出された正ピーク周波数の音圧レベルと比較して、ピーク周波数の音圧レベルの差異を判定し、異常音の有無を判定させる。判定処理部62は、CPU54が音圧レベルの差があれば、異常運転の可能性有り、音圧レベルの差が無ければ正常運転中を出力し、この結果を監視対象設備名、監視年月日時に関連付けてデータ格納部49に格納すると、同時に表示装置50に表示する。
【0102】
表示装置50は、A/D変換処理部34によりデジタル処理された音響信号と、周波数解析処理部35により演算処理された音響スペクトルと、疑似ピーク周波数抽出部43のピーク周波数と、ピーク周波数補正処理部61のピーク周波数と、データ格納部49より抽出した過去の非接触式音響入力装置26の監視位置情報と正ピーク周波数処理結果とピーク周波数偏差処理結果と、入力装置51により入力した監視対象設備名と測定日時と、距離判定手段65aの監視位置可否結果と、設備運転状態診断手段62bの結果などを表示するものである。
【0103】
データ格納部49は、A/D変換処理部34によりデジタル処理された音響信号と、周波数解析処理部35により演算処理された音響スペクトルと、疑似ピーク周波数抽出部43のピーク周波数と、距離計測装置47により入力した監視位置情報と、入力装置51により入力した監視対象設備名と測定年月日時と、ピーク周波数補正処理部61の結果を格納するものである。
【0104】
次に、この設備の運転状態音響監視装置21による監視対象設備3の運転状態監視方法を、図12のフローチャートを参照して説明する。図1乃至図11と同一部分には同一符号を付与して説明し、その詳細な説明は省略する。監視者は、監視対象設備3が並ぶ例えば発電プラントを、図10に示す設備の運転状態音響監視装置21を携帯して巡廻する(F−1)。このとき監視者は、非接触式音響入力装置26を監視位置へ設置するための位置決めモードに設備の運転状態音響監視装置21を設定する(F−2)。予め定められた監視位置に到達したとき監視者は、非接触式音響入力装置26を監視対象設備3の予想監視位置に設置し、位置調整する(F−3)。監視者は、表示装置50の表示画面を見ながら予め定められた監視位置に移動できたとき、表示画面には監視最適位置として表示される(F−4)。
【0105】
次に、監視者は、設備の運転状態音響監視装置21を監視対象設備3の運転状態監視モードに切換える(F−5)。非接触式音響入力装置26により検出された監視対象設備3の運転音(F−6)は、A/D変換処理部34によりデジタル信号に変換され、このデジタル信号は、周波数解析処理部35にてフーリエ変換されて音圧レベルに対する周波数特性曲線図の音響スペクトルが疑似ピーク周波数抽出部43に入力される(F−7)。
【0106】
疑似ピーク周波数抽出部43は、データ格納部49から接触式音響入力装置25出力の音響スペクトルから抽出された正のピーク周波数情報を読出し、この正のピーク周波数に相当する周波数解析処理部35出力の音響スペクトルの音圧レベルを抽出して疑似ピーク周波数の音圧レベル情報としてピーク周波数補正処理部61に出力する(F−8)。
【0107】
ピーク周波数補正処理部61は、接触式音響入力装置25に比較して非接触式音響入力装置26が音源である監視対象設備3から遠方に位置するため、疑似ピーク周波数の音圧レベルに、その離間距離による減衰分を加算して、補正し判定処理部62に出力する(F−9)。判定処理部62は、データ格納部49に格納されている当該監視対象設備3の正常運転時のピーク周波数に対する音圧レベル値を読出し(F−10)、この音圧レベルと、上記疑似ピーク周波数の音圧レベルに減衰分を加算した音量レベルとを比較し(F−11)、一致していれば正常運転中と判定して表示装置50に表示し(F−12)、不一致であれば異常運転の可能性のある情報をデータ格納部49に記憶すると、同時に表示装置50に表示する(F−13)。異常時の表示は、赤色表示することが望ましい。このようにして監視対象設備の運転状態を監視することができる(F−14)。
【0108】
以上説明したように上記実施形態によれば、監視対象設備に直接又は近接して設けた感音センサの出力から求めたピーク周波数を基準として監視対象設備の監視をするので、監視位置や周囲雑音に比較してS/N比の大きな信号で第2の感音センサの監視位置の設定や監視対象設備の監視をすることができる。この結果、監視対象設備の正常音と異常音の有無について高精度で監視できるとともに自動的に判定することができる。
【0109】
さらに、マイクロホン等第2の感音センサによる音響データ収集の際の課題であった監視対象設備の運転音とそれ以外周囲からのノイズとの判別方法を、接触状態で収集したデータと非接触状態で収集したデータとの関係を特徴化するので、環境音等のノイズをできるだけ受けない監視位置で測定できる。さらにまた、その際に収集したデータをデータ格納部に記憶して登録することにより、データ格納部から読み出すことにより、常に、監視者が変わっても定められた監視位置で監視対象設備の運転状態を監視することができる。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、監視対象設備からの運転音を正確に収集でき、他の周囲設備からの運転音などの雑音と正確に区別して監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明設備の運転状態音響監視方法の一実施形態を説明するためのフローチャートである。
【図2】図1の監視用データ収集工程を具体的に説明するための回路構成図である。
【図3】図2の正ピーク周波数抽出手段を具体的に説明するための音圧レベルに対する周波数特性曲線図である。
【図4】図2の非接触式音響入力装置出力をデジタル信号に変換し周波数解析した出力信号音圧レベルに対する周波数特性曲線図である。
【図5】図2の正ピーク周波数抽出処理部を具体的に説明するための回路構成図である。
【図6】図3の全周波数帯域での音圧レベルの平均値より高い音圧レベルのピーク値を説明するための特性曲線図である。
【図7】図3の特定周波数帯域毎での音圧レベルの平均値より高い音圧レベルのピーク値を説明するための特性曲線図である。
【図8】図2の非接触式音響入力装置の監視位置情報を求める方法を説明するための音圧レベルに対する周波数の関係を説明するためのピーク波形図である。
【図9】図2の測定位置良否判定処理部の判定方法を説明するための構成図である。
【図10】図1の音響監視工程を説明するための音響監視装置の構成図である。
【図11】図10の判定処理部を説明するための構成図である。
【図12】図10の音響監視装置により監視対象設備を音響監視する方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…設備の運転状態監視方法、2…第1の感音センサ、3…監視対象設備、4…第2の感音センサ、5…監視用データ収集工程、6…監視工程、11…運転音収集ステップ、12…ピーク周波数抽出ステップ、13…監視位置情報出力ステップ、15…監視開始ステップ、16…監視ステップ、20…監視用データ収集装置、21…設備の運転状態音響監視装置、25…接触式音響入力装置、26…非接触式音響入力装置、34,41,48…A/D変換処理部、35…周波数解析処理部、36…正ピーク周波数抽出部、37…コヒーレンス解析処理部、42…周波数解析処理部、43…疑似ピーク周波数抽出部、44…ピーク周波数偏差処理部、45…測定位置良否判定処理部、47…距離計測装置、49…データ格納部、50…表示装置、51…入力装置、52…パソコン、61…ピーク周波数補正処理部、62…判定処理部、65…距離比較処理部、66…検索処理部。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a facility operation state acoustic monitoring method and facility operation state acoustic monitoring apparatus that collect and monitor facility operation sounds.
[0002]
[Prior art]
Monitoring of the operating state of facilities such as power plants, chemical plants, equipment, etc. is performed by a supervisor who patrols and listens to the operating sound unique to each facility. That is, acoustic diagnosis using human auditory sense is widely used as a method for confirming the operation state of facilities performed during daily patrols such as patrol and inspection.
[0003]
However, acoustic diagnosis using hearing requires that the loudness and timbre of normal operation generated from the equipment be sufficiently memorized, and it must be a skilled monitor who constantly monitors the equipment. It couldn't be done. In addition, it is difficult to convey the sound diagnosis status, feelings and results judged by a skilled monitor to another monitor, and while it is easy to handle as a diagnostic method for detecting the occurrence of an abnormality, it is difficult to pass on the technology. For this reason, in order to solve the problems of the conventional acoustic diagnosis, an attempt of acoustic diagnosis that can be easily handled by a person other than a skilled engineer has started.
[0004]
As an acoustic diagnosis method that does not depend on humans, it replaces the auditor's auditory judgment, records the specific sounds generated by each equipment, performs frequency analysis, and quantitatively determines the size and tone of normal sounds generated from the equipment. In other words, there is a method for determining whether or not an abnormality has occurred in the equipment by comparing with a signal in a state that seems to be a preset abnormal sound.
[0005]
However, in large-scale plants, inspection inspections of equipment are still regularly carried out by supervisors, and in order to perform acoustic diagnosis using frequency analysis during inspection inspections, a microphone and a small recording device are used. It is necessary to collect the sound of the equipment to be monitored by carrying an acoustic diagnostic device. At that time, since the microphone is recorded at a position with a certain distance to the monitored equipment, the acoustic diagnostic device attenuates the driving sound detected as the distance from the monitored equipment increases. On the other hand, noise such as environmental noise increases, so the S / N ratio deteriorates and the operating sound of the monitored equipment is accurately captured. It was difficult to monitor accurately.
[0006]
As a countermeasure against ambient noise, a monitoring method has been proposed in which the peak frequency of abnormal sound of equipment is used as a monitoring frequency, and the external sound at this monitoring frequency is removed and monitored (see, for example, Patent Document 1). Further, there is described an apparatus for detecting abnormality by monitoring the loudness of information collected by a microphone or the like as the level of a sound signal or the tone color as a frequency component (see, for example, Patent Document 2).
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-9-229762 ([0023] to [0028] FIGS. 4 and 5).
[Patent Document 2]
JP-A-11-118593 ([0004], [0005]).
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, from the supervisor who manages the facilities, there are many other facilities in the vicinity of the facilities to be monitored in the facilities such as various plants and various equipment. A monitoring technique that can accurately determine whether there is an abnormality in the target facility is desired.
[0009]
The present invention has been made to solve such a conventional problem, and can accurately collect the operation sound from the monitoring target equipment, and can be accurately distinguished and monitored from the noise such as the operation sound from other surrounding equipment. It is an object of the present invention to provide a facility operation state monitoring method and facility operation state sound monitoring device.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides a facility operating state sound monitoring method and a facility operating state sound monitoring device having the following configuration.
[0011]
The facility operating state sound monitoring method of the present invention includes a step of collecting operation sounds specific to the facility to be monitored by a first sound sensor for a predetermined period and outputting a first operation sound signal; Performing a frequency analysis process on one driving sound signal to output a first acoustic spectrum signal indicating the relationship of the frequency to the volume output value; and a peak frequency at which the volume output value exhibits a peak from the first acoustic spectrum signal. And extracting the first volume output value of the peak frequency as normal operation state monitoring information and storing it in a storage device in advance, and at a monitoring position away from the monitoring target facility from the first sound sensor. Providing a second sound sensor, collecting operation sounds of the monitoring target equipment for the predetermined period, and outputting a second operation sound signal; and frequency of the second operation sound signal. Analyzing and outputting a second acoustic spectrum signal indicating the relationship of the frequency to the volume output value; and the second volume output value of the peak frequency read from the storage device as the second acoustic spectrum. A step of extracting from the signal, and obtaining a correlation between the first sound volume output value and the second sound volume output value read from the storage device, and determining an operation state of the monitoring target equipment by the second sound sensor. Outputting monitoring position information to be monitored, storing the monitoring position information in the storage device, and in monitoring, the position of the monitoring position information of the facility to be monitoredThe secondProviding and monitoring a sound sensor; andSecondAnd comparing the monitoring output from the sound sensor with the monitoring information of the normal operation state stored in the storage device to monitor whether there is an abnormality in the monitoring target equipment.
[0012]
According to this invention, since the peak frequency obtained from the driving sound information from the sound sensor provided near the monitoring target facility is used as the monitoring frequency for monitoring by the second sound sensor output signal, the driving sound from the monitoring target facility is monitored. Can be collected accurately, and can be monitored with distinction from driving sounds from other surrounding equipment. Further, since the monitoring position information is output, when the monitoring person who monitors the facility patrols and monitors, by bringing the second sound sensor, the second position is detected in the monitoring target facility. A sound sensor can be provided, and monitoring can be performed under the same conditions even when the monitor is changed, even when the monitor is changed, even when the monitor is brought.
[0013]
Since the installation position of the first sound sensor is in contact with the container wall surface of the monitoring target facility, the operation sound from the monitoring target facility can be collected accurately, and environmental sounds such as driving sounds from other surrounding facilities can be collected. Can be accurately distinguished and monitored.
[0014]
The monitoring position information is obtained by performing at least one of a deviation process and a coherence analysis process of the first sound volume output value and the second sound volume output value at the peak frequency from the first sound spectrum signal and the second sound spectrum signal. Since it is the obtained information, it is possible to automatically confirm the installation position of the second sound sensor each time monitoring is performed.
[0015]
The monitoring position information is obtained when the information obtained by at least one of the deviation process and the coherence analysis process of the first sound volume output value and the second sound volume output value falls within a predetermined range. Information on the distance from the second sound sensor to the second sound sensor, the monitoring position information can be read from the storage device each time monitoring is performed, and the second sound sensor can be installed at the read monitoring position. Can be monitored under the same conditions.
[0016]
The monitoring of the facility to be monitored by the second sound sensor detects the volume output value of the peak frequency obtained from the monitor output by the second sound sensor and the normal operation state stored in the storage device. Compared with monitoring information, when different signals are output, abnormal information is output, displayed on the display device, and stored in the storage device. Therefore, even in the second sound sensor located away from the monitoring target facility Since the determination is made from the volume output value based on the peak frequency extracted from the first sound sensor closest to the monitored facility, the operation sound of the monitored facility can be stably monitored without being affected by noise.
[0017]
The extraction of the peak frequency is to output a frequency at which the volume output value shows a peak from a frequency curve diagram with respect to the volume output value obtained by performing frequency analysis processing on the first sound sensor output signal. Therefore, the operation sound of the monitored equipment is the peak frequency directly or from a nearby location, the operation sound from the monitored equipment can be collected accurately, and it can be accurately distinguished from the environmental sound such as the operation sound from other surrounding equipment. Can be monitored.
[0018]
The monitoring position information is output from the frequency characteristic curve diagram information for each volume signal generated by performing frequency analysis processing on each of the first and second sound sensor output signals, for each volume signal value at the peak frequency. Since the coherence analysis process outputs the monitoring position information of the second sound sensor, the second sound sensor is always installed at the monitoring position to monitor the operating state of the monitored equipment under the same conditions. can do.
[0019]
Since the monitoring position information is distance information from the monitoring target facility to the second sound sensor, by storing this distance information, monitoring is performed in a state that is always close to the same state even if the monitor changes. The operating state of the target equipment can be monitored.
[0020]
Since the monitoring information of the normal operation state and the monitoring position information of the second sound sensor are displayed on a display device, the monitoring position information is read from the storage device and displayed on the display device. The second sound sensor can be installed at a predetermined position at the position. Therefore, regardless of who the monitoring person is, the second sound sensor can monitor the operation state of the monitoring object facility under the same conditions as when the first sound sensor is brought into contact with the monitoring object facility. it can.
[0021]
The monitoring of the facility to be monitored by the second sound sensor detects the volume output value of the peak frequency obtained from the monitor output by the second sound sensor and the normal operation state stored in the storage device. Compared with monitoring information, when different signals are output, abnormal information is output, displayed on the display device and stored in the storage device, so that the first sound sensor is brought into contact with the monitoring target equipment and Similarly, the occurrence of abnormal operating conditions can be accurately monitored by the second sound sensor.
[0022]
The equipment operation state acoustic monitoring apparatus of the present invention collects operation sounds specific to the object to be monitored whose operation state is monitored from operation sounds using a first sound sensor, and the monitoring object is obtained from the first sound sensor. The first acoustic spectrum showing the relationship between the frequency and the volume output value by performing frequency analysis processing on the first volume signal and the second volume signal collected by the second sound sensor provided at the monitoring position away from the facility And the second acoustic spectrum information, the peak frequency information in the first acoustic spectrum, and the first sound volume output value at the peak frequency in the first acoustic spectrum are extracted and information indicating the normal operation state is stored. A second volume output value of the peak frequency is extracted from the storage device and the second acoustic spectrum information, and the first volume output value and the second volume output value are compared. If there is a correlation, means for storing the position of the second sound sensor as the monitoring position of the monitoring target equipment in the storage device, and reading the monitoring position information stored in the storage device, The operation sound of the monitoring target facility is monitored by the second sound sensor provided, and the monitoring volume signal monitored by the second sound sensor and the data indicating the normal operation state stored in the storage device And means for determining the presence / absence of an abnormality compared to the above.
[0023]
According to the present invention, it is possible to accurately collect the operation sound from the monitoring target facility even if there are other facilities in operation in the vicinity, and to accurately monitor the operation sound from the other surrounding facilities.
[0024]
Since the peak frequency in the first volume signal is a frequency at which the volume output value shows a peak in a curve diagram showing the relationship of the frequency to the volume output value, the signal has a larger S / N ratio than ambient noise. Thus, the installation of the second sound sensor at the monitoring position and the monitoring of the monitoring target equipment can be performed accurately.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, an embodiment of the facility operating state monitoring method according to the present invention will be specifically described with reference to FIGS. First, in order to understand the whole operation state monitoring method of equipment, it demonstrates with reference to the flowchart of FIG.
[0026]
The feature of the operation state monitoring method of this equipment is that a first sound sensor is provided in contact with or close to the equipment to be monitored in order to detect the operation sound unique to the equipment to be monitored without being relatively influenced by ambient noise. To obtain second monitoring data for the sound sensor. Further, the feature of the method for monitoring the operating state of the facility is that the second sensor is located at a monitoring position farther from the facility to be monitored than the first sound sensor under substantially the same conditions as the state monitored by the first sound sensor. The sound sensor 4 is provided so that it can be monitored. Furthermore, the feature of the operation state monitoring method of the facility is that the peak frequency is obtained from the operation sound signal of the first sound sensor output in order to output substantially the same condition as the state monitored by the first sound sensor, This peak frequency is defined as a driving sound signal, and a monitoring position of the second sound sensor used for monitoring and a determination signal for monitoring the driving sound of the monitoring target equipment are output.
[0027]
The facility operating state sound monitoring method 1 as shown in FIG. 1 is the one shown in FIG. 1, in which the
[0028]
The monitoring
[0029]
The monitoring step 6 sets the second sound sensor 4 to the position of the monitoring position information by a method of monitoring the operation state of the
[0030]
The
[0031]
The second sound sensor 4 is a sensor that is used for daily monitoring, and is an element that converts the operation sound of the
[0032]
The operation
[0033]
The peak
[0034]
The monitoring position
[0035]
That is, the facility operating state sound monitoring method 1 is monitored from the
[0036]
As the means for collecting the operation sound unique to the monitoring target facility, when the first sound sensor is brought into contact with the monitoring target facility and the housing of the monitoring target facility, the driving sound is detected by the second sound sensor at the monitoring position. If the peak frequency during normal operation is different when the sound is collected, it is preferable that the vicinity of the monitoring target sound generator of the monitoring target facility is not touched.
[0037]
Next, the specific embodiment of FIG. 1 will be described with reference to FIGS. The same parts as those in FIG. 1 will be described using the same reference numerals. FIG. 2 is a circuit configuration diagram for explaining the monitoring
[0038]
First, an embodiment of the monitoring
[0039]
An A / D
[0040]
On the other hand, an A / D
[0041]
The output terminal of the frequency
[0042]
The equipment operating state
[0043]
Furthermore, on the equipment operating state
[0044]
Block diagrams other than the
[0045]
The contact-type
[0046]
In the
[0047]
The
[0048]
The A / D (analog / digital)
[0049]
The frequency
[0050]
The positive peak
[0051]
The positive peak
[0052]
As a means for extracting the peak frequency based on the acoustic spectrum collected and processed by the contact-type
[0053]
As a result, the peak frequency is extracted from the acoustic spectrum collected and processed by the contact-type
[0054]
The peak frequency extraction means 36a is configured so that the
[0055]
The frequency extraction means 36b showing the peak of the sound pressure level higher than the sound pressure level average value in the entire frequency band is calculated by the
[0056]
The frequency extraction means 36c showing the peak of the sound pressure level higher than the average value of the sound pressure levels obtained for each specific frequency band is selected by the
[0057]
[Formula 1]
Formula for calculating the average value of all analysis frequency bands
Analysis frequency band f1~ Fn
Number of frequency bands ... N
Average value .... fave
Sound pressure level at peak frequency ... pmax1~ Pmaxn
f1+ F2+ ... fn/ N = fave
fave <pmax1~ Pmaxn
[0058]
[Formula 2]
Average value calculation formula between arbitrary frequency bands fa
Arbitrary analysis frequency band ... fa1~ Fan
Number of frequency bands ... Na
Average value .... fave
Sound pressure level at peak frequency ... pmaxa1~ Pmaxan
fa1+ Fa1+ ... fan/ Na = fave1
fave1<Pmaxa1~ Pmaxan
Thereafter, the calculation formula between the frequency bands fa to fn is the same as the above formula.
[0059]
The pseudo peak
[0060]
The coherence
[0061]
The peak frequency
[0062]
That is, if the coherence
[0063]
The sound pressure level value of the peak frequency extracted in the frequency characteristic curve diagram with respect to the sound pressure level of the output of the peak frequency
[0064]
The coherence
[0065]
As an example of obtaining monitoring position information, the coherence
[0066]
In the above embodiment, the monitoring position information is obtained from the output values of the coherence
[0067]
The measurement position pass / fail
[0068]
In the latter peak frequency deviation determining means 45b, the
[0069]
Further, when there is a difference in sound pressure level, the
[0070]
In the distance compensation, the contact-type
[0071]
In this way, in the measurement position pass / fail
[0072]
In other evaluations, when the
[0073]
In other words, the peak frequency deviation determination means 45b for determining based on the result of the peak frequency
In the peak frequency deviation determination means 45b, the deviation relationship between the peak frequencies is determined by Equation 4 based on the deviation of the peak frequency calculated by the peak frequency
[0074]
[Formula 3]
Coherence function of peak frequency ... cpmax1~ Cpmaxn
0 <cpmax1~ Cpmaxn≦ 1
[0075]
[Formula 4]
Sound pressure level deviation at peak frequency deviation between contact type and non-contact type ... Δpmax1~ Δpmaxn
Sound pressure level at contact peak frequency ... pmax1~ Pmaxn
0 ≦ Δpmax1~ Δpmaxn<Pmax1~ Pmaxn
[0076]
The measurement position pass / fail
[0077]
The
[0078]
In other words, the
[0079]
Measurement result display includes time-series display that displays the digital signal converted by the A / D conversion processing unit in time series, time-series progress display that displays a plurality of measurement results superimposed, and processing by the frequency analysis processing unit Frequency analysis display that displays the measured results, frequency analysis progress display that displays multiple measurement results superimposed, and peak frequency display that displays the results processed by the positive peak frequency extraction processing unit and the pseudo peak frequency extraction processing unit And a coherence analysis display for displaying a result processed by the coherence analysis processing unit. The determination result display is a measurement availability display that displays the result of the distance determination processing unit, the normal sound availability display that displays the result of the normal sound correctness determination processing unit, and the database display is the data stored in the data storage unit on the display device. Display.
[0080]
The
[0081]
In this way, monitoring of the output of the measurement position pass / fail
[0082]
Next, an embodiment of the facility operating state
[0083]
The operating state
[0084]
The non-contact type
[0085]
The A / D
[0086]
The pseudo peak
[0087]
The
[0088]
The
[0089]
The
[0090]
The
[0091]
The
[0092]
The distance
[0093]
[Formula 5]
Current position data of the non-contact
Measurement position of the non-contact
Distance deviation .... DELTA.K
KK1= ΔK
[0094]
The measurement position of the non-contact
[0095]
When the
[0096]
The peak frequency
[0097]
That is, the peak frequency
[0098]
[Formula 6]
Peak frequency deviation processing result retrieved from the
Sound pressure level at the peak frequency detected by the non-contact
Pseudo contact peak frequency with added deviation: apmax1~ Apmaxn
If
dpmax1+ Δpmax1... dpmaxn+ Δpmaxn
= Apmax1~ Apmaxn
[0099]
As shown in FIG. 11, the
[0100]
The
[Formula 7]
Distance deviation ・ ・ ・ ΔK
ΔK = 0
[0101]
The facility operation state diagnosis means 62b is configured to detect the sound pressure level at the pseudo contact type peak frequency calculated by the peak frequency
[0102]
The
[0103]
The
[0104]
Next, an operation state monitoring method for the
[0105]
Next, the supervisor switches the operation state
[0106]
The pseudo peak
[0107]
Since the non-contact type
[0108]
As described above, according to the above embodiment, the monitoring target equipment is monitored based on the peak frequency obtained from the output of the sound sensor provided directly or close to the monitoring target equipment. The monitoring position of the second sound sensor and the monitoring target equipment can be monitored with a signal having a large S / N ratio. As a result, the presence / absence of normal sound and abnormal sound in the monitoring target facility can be monitored with high accuracy and automatically determined.
[0109]
Furthermore, the method of distinguishing between the operation sound of the monitored equipment and the noise from the surroundings, which was a problem in the collection of acoustic data by the second sound sensor such as a microphone, the data collected in the contact state and the non-contact state Since the relationship with the data collected in is characterized, it can be measured at a monitoring position where noise such as environmental sound is not received as much as possible. Furthermore, by storing and registering the data collected at that time in the data storage unit and reading it from the data storage unit, the operating state of the monitored equipment is always maintained at the set monitoring position even if the monitor changes. Can be monitored.
[0110]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to accurately collect the operation sound from the monitoring target facility, and to monitor the operation sound accurately from the noise such as the operation sound from other surrounding facilities.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flowchart for explaining an embodiment of an operation state sound monitoring method for equipment according to the present invention.
FIG. 2 is a circuit configuration diagram for specifically explaining a monitoring data collection process of FIG. 1;
FIG. 3 is a frequency characteristic curve diagram with respect to sound pressure level for specifically explaining the positive peak frequency extracting means of FIG. 2;
4 is a frequency characteristic curve diagram with respect to an output signal sound pressure level obtained by converting the output of the non-contact acoustic input device of FIG. 2 into a digital signal and performing frequency analysis.
5 is a circuit configuration diagram for specifically explaining a positive peak frequency extraction processing unit of FIG. 2; FIG.
6 is a characteristic curve diagram for explaining a peak value of a sound pressure level that is higher than an average value of sound pressure levels in the entire frequency band of FIG.
7 is a characteristic curve diagram for explaining a peak value of a sound pressure level that is higher than an average value of sound pressure levels for each specific frequency band in FIG. 3. FIG.
8 is a peak waveform diagram for explaining the relationship between frequency and sound pressure level for explaining a method for obtaining monitoring position information of the non-contact acoustic input device of FIG. 2;
FIG. 9 is a configuration diagram for explaining a determination method of a measurement position pass / fail determination processing unit in FIG. 2;
10 is a configuration diagram of an acoustic monitoring device for explaining the acoustic monitoring step of FIG. 1;
FIG. 11 is a configuration diagram for explaining a determination processing unit in FIG. 10;
12 is a flowchart for explaining a method of acoustically monitoring a facility to be monitored by the acoustic monitoring apparatus of FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Equipment operating state monitoring method, 2 ... 1st sound sensor, 3 ... Monitoring object equipment, 4 ... 2nd sound sensor, 5 ... Monitoring data collection process, 6 ... Monitoring process, 11 ... Driving sound Collection step, 12 ... Peak frequency extraction step, 13 ... Monitoring position information output step, 15 ... Monitoring start step, 16 ... Monitoring step, 20 ... Monitoring data collection device, 21 ... Equipment operating state acoustic monitoring device, 25 ... Contact Type acoustic input device, 26 ... non-contact type acoustic input device, 34, 41, 48 ... A / D conversion processing unit, 35 ... frequency analysis processing unit, 36 ... positive peak frequency extraction unit, 37 ... coherence analysis processing unit, 42 ... frequency analysis processing unit, 43 ... pseudo peak frequency extraction unit, 44 ... peak frequency deviation processing unit, 45 ... measurement position pass / fail judgment processing unit, 47 ... distance measurement device, 49 ... data storage unit, 50 ...
Claims (8)
前記第1の運転音信号を周波数解析処理して音量出力値に対する周波数の関係を示す第1の音響スペクトル信号を出力するステップと、
前記第1の音響スペクトル信号から前記音量出力値がピークを示すピーク周波数およびこのピーク周波数の第1の音量出力値を正常運転状態の監視情報として抽出し、予め記憶装置に記憶するステップと、
前記第1の感音センサより前記監視対象設備から離れた監視用位置に第2の感音センサを設けて前記監視対象設備の運転音を前記予め定められた期間、収集して第2の運転音信号を出力するステップと、
前記第2の運転音信号を周波数解析処理して音量出力値に対する周波数の関係を示す第2の音響スペクトル信号を出力するステップと、
前記記憶装置より読み出された前記ピーク周波数の第2の音量出力値を前記第2の音響スペクトル信号から抽出するステップと、
前記記憶装置より読み出された前記第1の音量出力値および第2の音量出力値の相関を求めて前記第2の感音センサによる前記監視対象設備の運転状態を監視する監視位置情報を出力し、この監視位置情報を前記記憶装置に記憶するステップと、
監視に際し、前記監視対象設備の前記監視位置情報の位置に前記第2の感音センサを設けて監視するステップと、
前記第2の感音センサによる監視出力と前記記憶装置に記憶された前記正常運転状態の監視情報と比較することにより前記監視対象設備の異常の有無を監視するステップと
を具備してなることを特徴とする設備の運転状態音響監視方法。Collecting the operation sound unique to the monitoring target facility by the first sound sensor for a predetermined period and outputting the first operation sound signal;
Performing a frequency analysis process on the first driving sound signal to output a first acoustic spectrum signal indicating a relationship of a frequency to a volume output value;
Extracting a peak frequency at which the volume output value shows a peak from the first acoustic spectrum signal and a first volume output value of the peak frequency as monitoring information of a normal operation state, and storing the information in a storage device in advance;
A second sound sensor is provided at a monitoring position farther from the monitoring target facility than the first sound sensor, and the operation sound of the monitoring target facility is collected for the predetermined period to perform the second operation. Outputting a sound signal;
Performing a frequency analysis process on the second driving sound signal to output a second acoustic spectrum signal indicating the relationship of the frequency to the volume output value;
Extracting a second volume output value of the peak frequency read from the storage device from the second acoustic spectrum signal;
The monitoring position information for monitoring the operating state of the monitoring target equipment by the second sound sensor is obtained by obtaining the correlation between the first volume output value and the second volume output value read from the storage device. Storing the monitoring position information in the storage device;
In monitoring, the step of providing and monitoring the second sound sensor at the position of the monitoring position information of the monitoring target equipment;
Monitoring the presence or absence of abnormality of the monitoring target equipment by comparing the monitoring output by the second sound sensor and the monitoring information of the normal operation state stored in the storage device. The operation state acoustic monitoring method of the characteristic equipment.
前記第2の音響スペクトル情報から前記ピーク周波数の第2の音量出力値が抽出され、前記第1の音量出力値および第2の音量出力値を比較して相関があれば第2の感音センサの位置を前記監視対象設備の監視位置として前記記憶装置に記憶する手段と、
前記記憶装置に記憶された前記監視位置情報を読出し、この監視位置に設けられた前記第2の感音センサにより前記監視対象設備の運転音を監視し、前記第2の感音センサが監視した監視音量信号と前記記憶装置に記憶された前記正常運転状態を示すデータと比較して異常の有無を判定する手段と
を具備してなることを特徴とする設備の運転状態音響監視装置。The operation sound unique to the monitoring target facility whose operating state is monitored from the driving sound is collected by the first sound sensor, and the second sound sensor is provided at a monitoring position farther from the monitoring target facility than the first sound sensor. The first sound spectrum and second sound spectrum information indicating the relationship of the frequency to the sound volume output value by subjecting the first sound volume signal and the second sound volume signal collected by the sound sensor to frequency analysis processing, the first sound spectrum information A storage device in which peak frequency information in an acoustic spectrum and a first volume output value at the peak frequency in the first acoustic spectrum are extracted and information indicating a normal operation state is stored;
If the second sound volume output value of the peak frequency is extracted from the second acoustic spectrum information, and the first sound volume output value and the second sound volume output value are compared, and there is a correlation, the second sound sensor. Means for storing in the storage device as the monitoring position of the monitoring target equipment,
The monitoring position information stored in the storage device is read, the operation sound of the monitoring target facility is monitored by the second sound sensor provided at the monitoring position, and the second sound sensor monitors A facility operating state sound monitoring apparatus comprising: a monitoring volume signal and means for determining the presence or absence of an abnormality by comparing with data indicating the normal operation state stored in the storage device.
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