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JP3691350B2 - 蓋体を具えた機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓋体を具えた機器、特に電池収容開口を閉じる蓋体の開閉ロック機構に特徴を有す機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7(a)、(b)は、従来の電気機器の電池収容部(11)の蓋体(2)の開閉機構を示している。
蓋体(2)は基端に具えた枢軸(23)をキャビネット(1)上の長孔(14)に嵌めており、図7(a)に示す如く、蓋体(2)は閉じ姿勢にてキャビネット(1)に納まっている閉じ位置と、図7(b)に示す如く、閉じ姿勢のまま自由端をキャビネット(1)からはみ出した前進位置との間をスライド可能であり、枢軸(23)を中心に回動して電池収容部(11)を開閉する。
【0003】
蓋体(2)の自由端には爪(41)が内向きに突設され、電池収容部(11)の開口縁には蓋体(2)の閉じ位置にて該爪(41)が嵌まる凹部(12)が形成されている。
図7(b)に示すように、閉じ位置の蓋体(2)をキャビネット(1)からはみ出る様に前方に引っ張って爪(41)を凹部(12)から外してから、蓋体(2)を開くことができる。
上記の場合、図7(a)の一点鎖線で示す如く、蓋体(2)を閉じ姿勢に回動させる際、蓋体(2)の爪(41)が凹部(12)の天井部に衝突して、爪(41)を破損する虞れがある。
【0004】
そこで出願人は以前に、図6(a)、(b)に示す様に、蓋体(2)の爪(41)と、キャビネット(1)の凹部(12)の天井壁との衝突を防止できる蓋体の開閉機構を提案した(特願願平2000−59850号)。
これは、キャビネット(1)上の定位置の枢軸(32)にて回動板(24)を枢支し、蓋体(2)を、閉じ位置と前進位置との間をスライド可能に該回動板(24)に取り付けて構成され、蓋体(2)には回動板(24)の自由端に係脱する板バネ製のストッパ(25)が設けられている。
【0005】
図6(a)に示す如く、蓋体(2)が開いた状態では、ストッパ(25)が回動板(24)の先端に当接して、蓋体(2)の枢軸(32)側へのスライドは防止される。
蓋体(2)をそのまま下向き回転した状態で、爪(41)は凹部(12)の天井壁に干渉しない位置にあり、図6(b)に示す如く、キャビネット(1)上の突片(15)によって、ストッパ(25)が撓み、蓋体(2)の閉じ位置への押し込みが許される。
【0006】
上記図6の蓋体の開閉機構は、ストッパの製作、組立が煩雑であるため、出願人は更に構成が簡素で、組立の容易な蓋体の開閉機構を目指して、本発明に到達したものである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
本発明は、キャビネット(1)上に回動して開閉可能に蓋体(2)が配備され、蓋体(2)は閉じ姿勢にてキャビネット(1)に納まっている閉じ位置と、閉じ姿勢のまま自由端をキャビネット(1)からはみ出した前進位置との間をスライド可能に設けられ、蓋体(2)とキャビネット(1)には、閉じ位置の蓋体(2)の開き動作を防ぐための爪(41)と該爪(41)を嵌める凹部(12)を含むロック機構が設けられた機器に於いて、
蓋体(2)は、キャビネット(1)上の定位置の枢軸(32)に枢支された回動板(3)に蓋本体(4)をスライド可能に取り付けて構成され、蓋本体 ( ) の枢支側基端にはキャビネット ( ) に対する当り部 (45) が蓋本体 ( ) と一体に形成され、
蓋本体 ( ) は回動板 ( ) 上にてキャビネット ( ) 上の蓋体取付け面 (13) に沿って前記閉じ位置と前進位置との間をスライドし、蓋体 ( ) が開き位置にあるときは、蓋本体 ( ) の当り部 (45) が蓋体取付け面 (13) に当たって蓋本体 ( ) は回動板 ( ) の自由端側へスライドした状態となり、蓋体 ( ) が前記閉じ位置と前記前進位置との間にあるときは、当り部 (45) と蓋体取付け面 (13) の当たりは解除されることを特徴とする。
【0008】
ロック機構は、閉じ姿勢の蓋本体(4)が閉じ位置にスライドした時に、蓋本体(4)とキャビネット(1)に設けた爪(41)及び該爪が嵌まる凹部(12)とからなる第1ロック手段(6)と、該第1ロック手段(6)のロック解除を防止する第2ロック手段(7)とによって構成され、第2ロック手段(7)は、回動板(3)を挟んで蓋本体(4)と一体的にスライド可能に配備された外れ止め部材(5)と、該外れ止め部材(5)と一体に形成された掛かり部(55)と、回動板(3)上に形成され蓋体(2)の閉じ位置にて前記外れ止め部材(5)の掛かり部(55)が係合可能な係止部(35)とによって構成され、外れ止め部材(5)上に形成され蓋本体(4)の孔(42)から臨出した押し釦(56)を外部から押圧することにより、外れ止め部材(5)を部分的に弾性変形させて前記掛かり部(55)と係止部(35)との係合を解除して蓋本体(4)及び外れ止め部材(5)の前進位置へのスライドを許すものとすることができる。
【0009】
【作用及び効果】
蓋体(2)が開いているときは、蓋本体(4)は、その当り部(45)がキャビネット(1)の蓋取付け面 (13)に当たって回動板(3)の自由端側にスライドした状態にあるため、このまま蓋体(2)を閉じ方向に回転させても、蓋本体(4)の爪 (41) とキャビネット ( ) 上の凹部(12)の天井壁が干渉することはなく、爪(41)を破損することを防止できる。
【0010】
蓋体(2)を閉じ姿勢に回転させると、当り部(45)とキャビネット(1)の当たりが解除され、蓋本体(4)の閉じ位置へのスライドが許される。
蓋本体(4)を奥方へスライドさせると、爪(41)が凹部(12)に嵌まって、蓋体(2)の開きを防止できる。
【0011】
第2ロック手段(7)を設けることにより、蓋本体(4)を奥位置に押し込むと、外れ止め部材(5)の掛かり部(55)が回動板(3)の係止部(35)に係合するため、蓋本体(4)の引き出し方向のスライドは阻止され、前記爪(41)と凹部(12)の係合が外れることはない。
【0012】
蓋体(2)を開くには、蓋本体(4)の孔(42)から臨出した押し釦(56)を押し、外れ止め部材(5)を撓ませて掛かり部(55)の係止部(35)に対する係合を解除する。
この状態のまま、蓋本体(4)を引っ張ってスライドさせると、爪(41)が凹部(12)から外れる。
蓋体(2)を開き方向に回転させることができる。
【0013】
上記の如く、開き位置の蓋本体(4)に対する回動板(3)の枢支側へのスライド防止のための当り部(45)は、蓋本体(4)と一体に形成されているため、部品点数の削減と、取り付けの手間を省くことができる。
【0014】
第2ロック手段(7)は、回動板(3)から蓋本体(4)が外れることを防止するための外れ止め部材(5)に掛かり部(55)を設け、回動板(3)に該掛かり部(55)に係脱する係止部(35)及び押圧用の押し釦(56)を設けたため、部品点数の増加を抑え、簡素な構造とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図面は、デジタルカメラのキャビネット(1)の一端側に設けた電池収容部(11)の蓋体(2)に本発明を実施したものであり、図1は、蓋体(2)を全開した状態である。
電池収容部(11)は、開口面がキャビネット(1)の上面より低くなる様に形成され、蓋本体(4)は、キャビネット(1)の上面と電池収容部(11)の開口面との中間高さの蓋体取付け面(13)に取り付けられている。
キャビネット(1)には、後記する蓋体(2)の爪(41)が蓋本体(4)の閉じ姿勢にてスライドして嵌まる凹部(12)が電池収容部(11)の開口縁に形成されている。
実施例では爪(41)と凹部(12)は夫々3箇所に設けられている。
【0016】
蓋体(2)は、キャビネット(1)上の定位置で回動する回動板(3)と、該回動板(3)を挟んで回動板(3)に対してスライド可能に取り付けられた蓋本体(4)と外れ止め部材(5)とによって構成される。
図2は、図1の状態から更に後方に蓋体(2)が倒れた状態で蓋体(2)を分解した斜面図である。
但し、キャビネット(1)に取り付けた蓋体(2)は、電池収容部(11)の開口面に対して110゜以上には開くことはない。
【0017】
回動板(3)は、前記キャビネット(1)の蓋体取付け面(13)にネジ止め固定される取付板(31)上の枢軸(32)に前記電池収容部(11)の開口に被さる様に回転可能に支持されている。
図2では、取付板(31)を前方へ延ばしているが、キャビネット(1)への取り付けの際は、取付板(31)は枢軸(32)を中心に後方へ回転した状態となる。
【0018】
回動板(3)は金属板にて形成され枢軸(32)に直交する向きに3つの長孔(33)(33)(34)が平行に開設されている。
左右の長孔(33)(33)は、蓋本体(4)のボス(46)を貫通させるためのものであり、中央部の長孔(34)は、後記する外れ止め部材(5)の弾性片(52)が係脱するためのものであり、該長孔(34)の前縁は、弾性片(52)対する係止部(35)となっている。
【0019】
蓋本体(4)は閉じ状態の回動板(3)に対して上方から被さり(図2では下方から被さる)、回動板(3)に対して下方から被さった(図2では上方から被さった)外れ止め部材(5)とビス(21)で固定されることにより、回動板(3)からの外れ止めが画られる。
蓋本体(4)のビス用ボス(46)(46)が前記回動板(3)の両側の長孔(33)(33)にスライド可能に嵌まっている。
【0020】
蓋本体(4)には、キャビネット(1)の上面と電池収容部(11)の開口面との段差分の高さの前壁(43)が形成され、該前壁(43)上に、前記キャビネット(1)上の凹部(12)に嵌まる爪(41)(41)(41)が突設されている。凹部(12)と爪(41)とで第1ロック手段(6)を構成している。
蓋本体(4)の枢支側の両側には、キャビネット(1)の上面と蓋体取付け面(13)との段差に対応する高さの側壁(44)(44)が形成されている。
【0021】
側壁(44)(44)の後端面は、後記の如く、蓋体(2)が開き状態のとき、キャビネット(1)の蓋体取付け面(13)に当たって、蓋本体(4)の奥方へのスライドを防止する当り部(45)となる。
【0022】
蓋本体(4)の略中央部には、後記するロック解除用の押し釦(56)が臨出する孔(42)が開設されている。
【0023】
外れ止め部材(5)は合成樹脂にて形成され、支持板(51)の中央に弾性片(52)を具えており、支持板(51)の2カ所が蓋本体(4)にビス止めされている。
弾性片(52)は回動板(3)の自由端側の先端が略コ字状の溝孔(54)によって支持板(51)から分離しており、基端側両端の繋がり部(53)(53)によって支持板(51)と一体に繋がっている。
弾性片(52)の自由端には前記回動板(3)の係止部(35)に引っ掛かり可能な掛かり部(55)が突設され、係止部(35)と掛かり部(55)とによって第2ロック手段(7)を構成している。
前記第1ロック手段(6)と第2ロック手段(7)とで、蓋体(2)を閉じ位置にロックするロック機構を構成する。
【0024】
然して、図5に示す如く、蓋体(2)が電池収容部(11)の開口を完全に閉じた閉じ位置にあり、蓋本体(4)の爪(41)がキャビネット(1)上の凹部(12)に嵌まっているとき、外れ止め部材(5)の弾性片 (52) 自由端は回動板(3)の長孔(34)に位置し、該弾性片 (52) の自由端である掛かり部(55)は回動板(3)の係止部(35)に引っ掛かっており、蓋本体(4)の引き出しスライドを阻止する状態となる。
【0025】
上記状態で、蓋本体(4)の枢支側基端の側壁(44)(44)の後端は、枢軸(32)よりも奥方(後方)に位置し、該側壁(44)(44)の下面が蓋体取付け面(13)に摺接している。
上記の如く、蓋本体(4)の爪(41)がキャビネット(1)上の凹部(12)に嵌まって第1ロック手段(6)利いており、加えて、外れ止め部材(5)の掛かり部(55)が回動板(3)の係止部(35)に引っ掛かって第2ロック手段(7)も利いている状態では、蓋体(2)を開き方向に回転させることは勿論のこと、第1ロック手段(6)を解除するために蓋本体(4)をキャビネット(1)からはみ出る方向にスライドさせることもできない。
【0026】
蓋体(2)を開くには、先ず、蓋本体(4)の孔(42)から臨出している押し釦(56)を押して弾性片(52)を弾性変形させることにより、掛かり部(55)を係止部(35)から外し、この状態で図5の二点鎖線で示す如く、蓋本体(4)を前進位置に引き出す。
掛かり部(55)は回動板(3)の自由端の下面に当たった状態となる(図3参照)。
蓋本体(4)が前進位置にスライドすると、蓋本体(4)の側壁(44)(44)の後端の当り部(45)が枢軸(32)に接近して、枢軸(32)を中心に蓋体(2)が開き方向に回転することを許す。
【0027】
図1に示す如く、蓋体(2)が全開すると、蓋本体(4)の当り部(45)は、キャビネット(1)の蓋体取付け面(13)に当たって、奥方へのスライドは阻止されるため、そのまま、蓋体(2)を閉じても、蓋本体(4)の爪(41)がキャビネット(1)上の凹部(12)の天井に衝突することはない。
【0028】
蓋体(2)を閉じ姿勢に倒せば、蓋本体(4)の当り部(45)と蓋体取付け面(13)との当たりが解除されるため、蓋本体(4)の奥方への押し込みが可能となり、図5に示す如く、第1ロック手段(6)と第2ロック手段(7)が利いた状態にすることができる。
【0029】
上記実施例では、蓋本体(4)に爪(41)、キャビネット(1)の該爪(41)が嵌まる凹部(12)を設けたが、蓋本体(4)に凹部、キャビネット(1)に該凹部に嵌まる爪を設けても上記同様の効果を奏する。
【0030】
本発明は、上記実施例の構成に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載の範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】全開状態の蓋体の斜面図である。
【図2】蓋体の分解斜面図である。
【図3】閉じ途上の蓋体の断面図である。
【図4】同上の他の位置での蓋体の断面図である。
【図5】全閉状態の蓋体の断面図である。
【図6】出願人が本発明に先だって提案した蓋の動作説明図である。
【図7】従来例の蓋の動作説明図である。
【符号の説明】
(1) キャビネット
(11) 電池収容部
(12) 凹部
(13) 蓋体取付け面
(2) 蓋体
(3) 回動板
(32) 枢軸
(35) 係止部
(4) 蓋本体
(41) 爪
(45) 当り部
(5) 外れ止め部材
(6) 第1ロック手段
(7) 第2ロック手段

Claims (2)

  1. キャビネット(1)上に回動して開閉可能に蓋体(2)が配備され、蓋体(2)は閉じ姿勢にてキャビネット(1)に納まっている閉じ位置と、閉じ姿勢のまま自由端をキャビネット(1)からはみ出した前進位置との間をスライド可能に設けられ、蓋体(2)とキャビネット(1)には、閉じ位置の蓋体(2)の開き動作を防ぐための爪(41)と該爪(41)を嵌める凹部(12)を含むロック機構が設けられた機器に於いて、
    蓋体(2)は、キャビネット(1)上の定位置の枢軸(32)に枢支された回動板(3)に蓋本体(4)をスライド可能に取り付けて構成され、蓋本体 ( ) の枢支側基端にはキャビネット ( ) に対する当り部 (45) が蓋本体 ( ) と一体に形成され、
    蓋本体 ( ) は回動板 ( ) 上にてキャビネット ( ) 上の蓋体取付け面 (13) に沿って前記閉じ位置と前進位置との間をスライドし、蓋体 ( ) が開き位置にあるときは、蓋本体 ( ) の当り部 (45) が蓋体取付け面 (13) に当たって蓋本体 ( ) は回動板 ( ) の自由端側へスライドした状態となり、蓋体 ( ) が前記閉じ位置と前記前進位置との間にあるときは、当り部 (45) と蓋体取付け面 (13) の当たりは解除されることを特徴とする蓋体を具えた機器。
  2. ロック機構は、閉じ姿勢の蓋本体(4)が閉じ位置にスライドした時に、蓋本体(4)とキャビネット(1)に設けた爪(41)及び該爪が嵌まる凹部(12)とからなる第1ロック手段(6)と、該第1ロック手段(6)のロック解除を防止する第2ロック手段(7)とによって構成され、第2ロック手段(7)は、回動板(3)を挟んで蓋本体(4)と一体的にスライド可能に配備された外れ止め部材(5)と、該外れ止め部材(5)と一体に形成された掛かり部(55)と、回動板(3)上に形成され蓋体(2)の閉じ位置にて前記外れ止め部材(5)の掛かり部(55)が係合可能な係止部(35)とによって構成され、外れ止め部材(5)上に形成され蓋本体(4)の孔(42)から臨出した押し釦(56)を外部から押圧することにより、外れ止め部材(5)を部分的に弾性変形させて前記掛かり部(55)と係止部(35)との係合を解除して蓋本体(4)及び外れ止め部材(5)の前進位置へのスライドを許すものである請求項1に記載の蓋体を具えた機器。
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