JP3691153B2 - コアレスモータ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はコアレスモータに関し、更に詳しくはシャフトを軸支する実質的に前後2箇所の軸受の内、コンミュテータに近い方の軸受が合成樹脂製であることを特徴とするコアレスモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のコアレスモータに於いては、図5で示したように、シャフト2を軸支する実質的に前後2箇所の軸受の内、コンミュテータに近い方の軸受8とシャフト2に取り付けられたカラー52との間に、両者間の摩擦を低減する目的で、合成樹脂製のライナー9が挿入されていた。軸受8の素材としては鉄系や銅系の含油メタルが利用されていた。
【0003】
コアレスモータは、ページャ(ポケットベル)などの着信報知装置として利用されており、モータのケーシングの外部に取り出されたシャフト2の先端部分に分銅を偏心固定させたものが一般的である。
【0004】
このコアレスモータを駆動すると、シャフト2を軸支する実質的に前後2箇所の軸受の内、コンミュテータに近い方の軸受8には、回転する偏心分銅によってスラスト方向の(シャフト2をモータのケーシングの外部へ引き出そうとする)力のほうが比較的強く働くことが分かった。逆に他側の軸受には、回転する偏心分銅によりラジアル方向の力のほうが比較的強く働くことが分かった。これは、シャフト2の片側先端部分のみに分銅が固定されていることによる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特に、上記スラスト方向の力がシャフト2に作用すると、上述したように合成樹脂製のライナー9によって軸受8とシャフト2に取り付けられたカラー52との間の摩擦が低減してはいるが、含油メタルの軸受8と合成樹脂製のライナー9とブッシュ51との間には、依然として比較的強い摩擦が発生する。これは即、モータのエネルギーロスという問題に繋がるのである。
【0006】
またライナー9を使用しなくては成らない以上、ライナー9という部品が必要であり、これをシャフト2に通して軸受8とカラー52との間に挿入する工数が必要に成ることによって、必定コスト高と成っていた。コアレスモータのコストを出来る限り低減したいという強い要望がある。
【0007】
一方、シャフト2と含油メタルの軸受8との間には、両者がぶつかり合うことで発生する騒音、即ちタタキ音の問題がある。
【0008】
上記の問題点は、何れもラジアル方向の力のほうが比較的強く働く側よりも、シャフト2をモータのケーシングの外部へ引き出そうとするスラスト方向の力のほうが比較的強く働く側、即ちコンミュテータに近い方の軸受側の問題であることが分かった。
【0009】
そこで本発明は、上述したような問題を解決して、シャフト2が回転する時の摩擦とエネルギーロスを低減させ、タタキ音を低くし、更にはコアレスモータのコストを下げることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、ケーシングの中心部に固定された略円筒形のマグネット台の外周部にマグネットが取り付けらたステータ部と、前記マグネット台の両端部に軸受が取り付けられ、該軸受にシャフトが挿通され該シャフトにカラーを介してコンミュテータ及びカップが固定されたロータ部と、前記コンミュテータに弾接されたブラシとから成るコアレスモータに於いて、シャフトを軸支する実質的に前後2箇所の軸受の内、コンミュテータに近い方の軸受が合成樹脂により成型され、且つシャフトに取り付けられたカラーに対向する位置に突出部を具えているコアレスモータとすることで達成される。
【0011】
また、請求項1に付いて、前記コンミュテータに近い方の軸受が、シャフトに取り付けられたカラーに対向する突出部を具えているものとすることにより達成される。
【0012】
また、請求項1に付いて、前記カラーが、前記コンミュテータに近い方の軸受に対し、コンミュテータ台の端部より突出した形状を呈しているものとすることにより達成される。
【0013】
【作用】
シャフトに分銅を付けてモータを駆動すると、スラスト方向の力がシャフトに作用する。この時、合成樹脂製の軸受と、シャフトに取り付けられたカラーとの間の摩擦は、軸受が合成樹脂製であることにより低めに抑さえられており、この結果エネルギーロスも少なく成っている。
【0014】
また、この合成樹脂製の軸受とシャフトとによれば、従来のようなタタキ音が低減されている。
【0015】
更に、含油メタルに比して、軸受が合成樹脂成型により大量生産可能であるため、コストが安く成っている。軸受とライナーとが一体の形と成り、従来のライナーが不要となっているから、部品点数の減少及び工数の減少に伴なって、当然コストが低いものと成っている。
【0016】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面を参照しながら説明するが、本発明はこれ等の実施例にのみ限定されるものではない。
【0017】
図1及び図2は本発明の第1実施例を表わしたものである。本実施例はカップ型コアレスモータに係るものであり、このカップ型コアレスモータの内部構成に関して、ステータ部はケーシング1に固定された円筒形のマグネット台(メタルハウス)12の外周部にマグネット3が取り付けられると共に、当該マグネット台12の両端部内側に、シャフト2を軸支する前後2箇所の軸受10,7の内、コンミュテータ5に近い方の軸受7が、一例ポリアセタール系樹脂の射出成型により形成されて挿着されて成り、他側の軸受10が鉄系のメタルから形成されて挿着されて成る。当該軸受10,7にはシャフト2が挿通され、ロータ部はシャフト2にコンミュテータ5及びカップ4が固定され、ケーシング1内部のブラシ台6に取り付けられたブラシ60が、コンミュテータ5に弾接されて成る。尚、振動発生部は、カップ型コアレスモータのシャフト2を分銅の挿入口に挿着し、シャフト2に分銅を偏心させて取り付けて成る(図示せず)。前記カップ4にはコイルが捲回されている。
【0018】
図中符号14はモータのエンドキャップを、符号15はリード線を、符号50はコンミュテータセグメントを、符号51はブッシュを、符号52はモールド板を、また符号21は、シャフト2に固定されたライナーを示す。コンミュテータセグメント50は、モールド板52の成型時に一体的に設けられ、シャフト2はモールド板52にブッシュ51を介して挿着されている。エンドキャップ14はケーシング1の後部に嵌合され、エンドキャップ14に取り付けられたリード線15はブラシ60に配線され、コンミュテータセグメント50からはカップ4のコイル巻線に配線されている。
【0019】
前記ポリアセタール系樹脂を成型した軸受7は、ブッシュ51に対向した部分が突設されて突出部70を形成している。
【0020】
さて、従来であれば軸受7とブッシュ51との間にライナーが挿入されていたが、軸受7にブッシュ51側に突出する突出部70が形成されていることによって、突出部70が従来のライナーの役目を担い、且つこれが軸受7と一体のポリアセタール系樹脂成型物と成っている。シャフト2にスラスト方向の力が作用した場合、この合成樹脂製の軸受7と、シャフト2に取り付けられたカラーであるブッシュ51との間の摩擦は、軸受7の突出部70が合成樹脂製であることでより低減されており、エネルギーロスも少なく成る。尚突出部70を設けない構成も可能であるが、樹脂成型物であるから、製造上は何れの構成としても同一である。
【0021】
また本実施例は、ブッシュ51に対向する突出部70を具有する合成樹脂製の軸受7と、シャフト2との間に於いては、従来のようなタタキ音が低減しモータの低騒音化が実現されている。
【0022】
更に、含油メタルに比して、突出部70を有する軸受7が合成樹脂成型により大量生産可能であるため、コストが安く成り、且つ軸受7と従来のライナーとが一体の形と成り、別体としてのライナーが不要となっているため部品点数の減少及び工数の減少に伴なう低コスト化が実現されている。
【0023】
次に図3は本発明の第2実施例を表わす。第1実施例によれば、合成樹脂製の軸受7と、シャフト2に取り付けられたカラーであるブッシュ51との間の摩擦が小さく成っている。これは軸受7が合成樹脂製部品であることによる。(更に第1実施例によれば、軸受7の突出部70は従来のライナーの形状を模していることに成る。)
【0024】
同様の作用は、シャフト2に取り付けられたカラーであるブッシュ51をコンミュテータに近い方の軸受に対して突出させた形状としても実現し得る。軸受7が合成樹脂製部品でありさえすればよい。
【0025】
そこで第2実施例に於いては、前記ポリアセタール系樹脂を成型した軸受7がブッシュ51に対向した部分に突出部70を有し、且つブッシュ51が軸受7に対向した部分に突出部53を有した構成としている。
【0026】
即ち、軸受7の突出部70とブッシュ51の突出部53とで、共に従来のライナーの形状を模していることに成る。
【0027】
次に、図4は本発明の第3実施例を表わす。本実施例は上述した第2実施例とほぼ同一の考え方に基づいているが、第1及び第2実施例のマグネット台12が軸受7側で径を大きく構成されているのに対して、本実施例は全長に亘って同一直径のマグネット台13であり、このため軸受71はマグネット台13の端部に被冠され、該軸受71のブッシュ51に対向した部分に突出部70を設けている点に特徴を有する。尚、ブッシュ51側にも突出部53を設けている。
【0028】
本実施例もまた、軸受71が合成樹脂製であることにより、ブッシュ51との間の摩擦が小さいものと成っている。突出部70は従来のライナーの形状を模している。
【0029】
尚、本発明は上述した実施例に限定されず、コンミュテータに近い方の軸受を形成する合成樹脂材料の種類は任意であり、軸受に突出部を形成する場合には、ブッシュに対向する面を球面形状としてもよく、軸受や突出部に成型時に含油させたり、成型後にグリスを塗布するなど行ってもよい。また、コアレスモータに限らず一般的な小型モータに本発明を適用することが可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上、本発明は、ケーシングの中心部に固定された略円筒形のマグネット台の外周部にマグネットが取り付けらたステータ部と、前記マグネット台の両端部に軸受が取り付けられ、該軸受にシャフトが挿通され該シャフトにカラーを介してコンミュテータ及びカップが固定されたロータ部と、前記コンミュテータに弾接されたブラシとから成るコアレスモータに於いて、シャフトを軸支する実質的に前後2箇所の軸受の内、コンミュテータに近い方の軸受が合成樹脂により成型されていることを特徴とするコアレスモータとした。即ちコンミュテータに近い方の軸受を合成樹脂により成型することにより、謂わば従来のライナーを取り込んだ構成と成っている。
【0031】
この結果、合成樹脂製の軸受とシャフトに取り付けられたカラーとの間の摩擦がより一層低減され、且つエネルギーロスが少なく成り、この合成樹脂製の軸受によって従来のようなタタキ音が低減されている。また、従来の含油メタルに比して、軸受が合成樹脂成型により大量生産可能であるため、コストが安く成っており、且つ軸受にライナーが取り込まれた構成と成り、従来のライナーが不要に成っていることによって、部品点数の減少及び工数の減少に伴なう製造コストの低減に成功している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の部分切欠断面図である。
【図2】図1の部分拡大断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の部分拡大断面図である。
【図4】本発明の第3実施例の部分拡大断面図である。
【図5】従来例の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
10 軸受
11 ライナー
12 マグネット台
13 マグネット台
14 エンドキャップ
15 リード線
2 シャフト
3 マグネット
4 カップ
5 コンミュテータ
50 コンミュテータセグメント
51 ブッシュ
52 モールド板
53 突出部
6 ブラシ台
60 ブラシ
7 軸受
70 突出部
71 軸受
Claims (2)
- ケーシングの中心部に固定された略円筒形のマグネット台の外周部にマグネットが取り付けらたステータ部と、前記マグネット台の両端部に軸受が取り付けられ、該軸受にシャフトが挿通され該シャフトにカラーを介してコンミュテータ及びカップが固定されたロータ部と、前記コンミュテータに弾接されたブラシとから成るコアレスモータに於いて、
シャフトを軸支する実質的に前後2箇所の軸受の内、コンミュテータに近い方の軸受が合成樹脂により成型され、且つシャフトに取り付けられたカラーに対向する位置に突出部を具えていることを特徴とするコアレスモータ。 - 前記カラーが、前記コンミュテータに近い方の軸受に対し、コンミュテータ台の端部より突出した形状を呈していることを特徴とする、請求項1のコアレスモータ。
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JP06914896A JP3691153B2 (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | コアレスモータ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06914896A JP3691153B2 (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | コアレスモータ |
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JPH09238456A JPH09238456A (ja) | 1997-09-09 |
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ID=13394299
Family Applications (1)
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JP06914896A Expired - Fee Related JP3691153B2 (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | コアレスモータ |
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-
1996
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