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JP3691091B2 - イントロデューサー - Google Patents

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JP3691091B2 JP27222894A JP27222894A JP3691091B2 JP 3691091 B2 JP3691091 B2 JP 3691091B2 JP 27222894 A JP27222894 A JP 27222894A JP 27222894 A JP27222894 A JP 27222894A JP 3691091 B2 JP3691091 B2 JP 3691091B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はカテーテルを血管等の内部に導入するために用いられるイントロデューサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から血管内にカテーテルを導入するために用いられる器具として、カテーテルイントロデューサーと一般的に称される医療用器具が用いられている。カテーテルイントロデューサーとは通常シースとシースハブを有するシース部、ならびにダイレーターとダイレーターハブを有するダイレーター部とで構成されており、まず血管内に経皮的に挿入するために留置針によって血管内に挿入されたミニガイドワイヤーを挿入し、留置針を抜去したのち、イントロデューサーはミニガイドワイヤーを通して血管に挿入され、ダイレーターハブをミニガイドワイヤーと共にシースハブから取り外し、次いでガイドワイヤーを挿入し該ガイドワイヤーに沿ってカテーテルを挿入し該ガイドワイヤーの抜去後、目的の治療を施す。
【0003】
このようにして用いられるイントロデューサーにおけるダイレーターハブおよびシースハブの嵌合方式は従来からいくつかの例が開示されている。
【0004】
例えば(1)特開平2−289269号にはテーパー状のダイレータハブの雄型嵌合部と同様に、テーパー状のシースハブの雌型嵌合部を形成しかつその断面を多角形にすることにより、そのテーパー嵌合で軸方向の動きを多角形にすることによって回転方向の動きを防止することができるものが開示されている。
【0005】
また(2)実開平1−112849号にはシースハブの端部に螺旋状の凸部を、ダイレータハブの端部に前記シースハブの螺旋状凸部に係合する溝部を形成し、シースハブとダイレータハブをネジ留めするものが開示されている。
【0006】
また(3)特公平3−37430号にはシースハブの端部に雌型角柱部を、ダイレータハブの端部に雄型角柱部を有することにより回転方向の動きを防止し且つ雌型角柱部と雄型角柱部の嵌着面に凸部および凹部を形成し、軸方向の動きを防止することができるものが開示されている。
【0007】
また(4)実開平5−56153号にはダイレータハブの端部にシースハブの端部に嵌着するフランジを形成し、該フランジの内周面またはシースハブの外周面のいずれかに溝部を、該フランジの内周面またはシースハブの外周面のいずれかに該溝部に係合する凸部を形成することによって軸方向の動きを防止することができるものが開示されている。
【0008】
また(5)実開平5−62264号には前述の実開平5−56153号のダイレータハブのフランジ部を多角形に且つそれと係合するシースハブの端部も多角形に形成することによって、回転方向の動きも防止できるものが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のとおり、ダイレータ部とシース部の嵌合方法はさまざまなものが開示されているが、挿入→施術→抜去という段階を経ていくという目的のために合致した嵌合方式であるとは言えないのが現状である。言い換えれば従来までの嵌合方法は、ダイレーターハブとシースハブを強固にあるいは確実に嵌合させるために提案がなされている方法であって抜去時の外し易さにいたっては不十分であり両方の特性を兼ね備えていないのが現状である。
【0010】
例えば(1)に示されているテーパー嵌合方法では最終的なステップであるダイレーターハブとシースハブの抜去に対しては非常に有利であるが、挿入時に軸方向に一定以上の力がかかった場合、嵌合力が弱く不安定である。
【0011】
また(2)に示されているネジ状嵌合方法は軸方向および回転方向の動きを防止するためには最も優れた方法であることは事実であるが、開示のようなネジ嵌合方法では強固な嵌合状態を保つためには最適であり挿入時、施術時の安定性には秀でているが、抜去時の取り外しの際にかなり回転させることが必要であり、また嵌合させるときダイレータハブとシースハブの位置合わせの煩わしさがある。
【0012】
また(3)に示されている方法はこの軸方向の動きと回転方向の動きを防止することに関してはかなり有効な方法であるが、この方法の場合、確実に嵌合させるためには嵌着面に十分な距離をとる必要があり、結果としてシース部からダイレータ部端面までの距離が大きくガイドワイヤーもしくはカテーテル挿入が困難になり易い。
【0013】
また(4)の方法に至っては軸方向の動きを防止する効果に対しては有効であり、挿入時および施術時には有利であるが、外側で嵌合している場合ダイレーターハブとシースハブの抜去時嵌合が外れにくく、丁度イントロデューサーの軸方向に対して直角の方向に力を加えて嵌合を外そうとするとき一方側の嵌合突起が必ず引っ掛かるために抜去時、ダイレータハブとシースハブの嵌合が外れにくく使用しにくいことは否めない。
【0014】
さらに(5)の方法は軸方向の動きの防止および回転方向の動きといった機能面に関しては有効な手段ではあるが、上記(4)の場合と同様にイントロデューサーの軸方向に対して直角の方向に力を加えて嵌合を外す場合、フランジ部分の内周面とダイレーターハブの外周部とに嵌合のための凹部あるいは凸部を設け、フランジ部分の内周面とダイレーターハブの外周部とで嵌合させたているので、抜去時、イントロデューサーの軸方向に対して直角の方向に力を加える際、一方向のみが外れるがもう一方方向はいまだ嵌合しているためさらにもう一つ何らかの操作を必要とし使用しにくいことは否めない。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は従来技術の持つ上述の如き諸問題が解決されたイントロデューサーを提供すべく、シースハブは該中空部に弁体を内蔵し、該弁体の基部側に嵌合溝を設け、ダイレーターハブは端部に該ダイレーターハブの外周面に実質上密着するフランジ部分を形成し、該ダイレーターハブのダイレーター取り付け基部には該シースハブの嵌合溝と係合するための係止爪を有するよう構成してなるので、ダイレーターをシースハブ内に押し進める操作のみで、ダイレーター部とシース部とが一体的に嵌合する。これによってダイレーター部とシース部とが軸方向及び回転方向の動きに対し一体的に対応しかつ抜去時、イントロデューサーの軸方向に対して直角の方向に力を加えてダイレータハブとシースハブの嵌合を外す際、該フランジ部の先端がダイレーターハブの外周面に対して支点となり丁度テコ状に作動するため片手で至極簡単にダイレーターハブとシースハブの嵌合部分が外れやすく着脱が容易である。
【0016】
またイントロデューサーの軸方向に対して直角の方向に力を加えるだけでダイレーターハブとシースハブの嵌合が外れ、回転等の操作を必要としないことから抜去時、ダイレーターおよび/またはシースの先端部分の動きが最小に止められるので、血管内壁に損傷を及ぼさない。
【0017】
さらにこのフランジ部分先端がダイレーターハブの外周面と実質上1点で接触し支点となってテコ状に作動するほうがより好ましいため、フランジ部分は連続した周面ではなく複数に分割された周面いわゆる係止部、係止爪様のものが好ましく、抜去時、イントロデューサーの軸方向に対して直角の方向に力を加える際、どの方向からでもフランジ部分先端が実質上1点で接触するように少なくとも4分割以上されていることが好ましい。
【0018】
しかしながら本発明のようなイントロデューサーとしてはその大きさに自ずから限界があり8分割ぐらいまでが妥当である。
【0019】
またシースハブの軸垂直方向断面は円形である必要はなく、その断面を正多角形としかつダイレーターのフランジ部分の軸垂直方向断面もシースハブに合わせて正多角形とすることもまた回転方向の動きを防止する観点から好ましい。
【0020】
この場合、本発明の趣旨である着脱性の良さを最大限生かすために、多角形は正方形、6角形、8角形といったように偶数角を有する多角形が好ましい。
【0021】
またシースハブ外周面を覆うダイレーターハブのフランジ部分はシースハブの外周面全てを覆う必要はなくその外周面積の少なくとも50%を覆っていることが好ましい。
【0022】
また本発明に採用されるダイレータハブおよびシースハブの材質としては、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ブタジエンスチレン、ABS、ポリアミド、ポリカーボネイト等通常一般的な射出成型グレードの樹脂であれば良く、適度な堅さと柔軟性(若干の変形性を有する)を兼備したものであればなお良い。
【0023】
ダイレーターに用いられる材質としては皮膚および血管を拡張し挿入するためにある程度剛性を有するものであり、なおかつ内部に挿入されたガイドワイヤーに追従するために硬すぎないような材質が好ましく、ポリプロピレン、ポリエチレン、ETFE等のフッ素樹脂、ポリアミド、ポリウレタン等が用いられる。
【0024】
嵌合部分の溝の深さおよび嵌合部分の凸部の高さは要求される嵌合力や使用する樹脂の種類によって異なるが成形上および実用上の点を勘案して0.1mm〜2.0mmの範囲が好適であり0.3mm〜0.8mmの範囲がより好ましい。
【0025】
また本発明におけるシースハブおよび/またはダイレータハブの内部には血管確保時にダイレータおよびシースからの血液の噴出を防ぐために、シリコン、ラテックス、ブチルゴム、イソプレンゴム等からなる弁体を設けてあることが好ましい。この弁体は一方の面と他方の面とで十字スリット状でかつ内部でのみ交差している弁体であるが、血液が漏出しない弁体であればY字スリットを多段重ねたものや、十字や一字スリットのダックビル弁、その他公知の弁体であってもかまわない。
【0026】
また本発明におけるシースハブは、側方部に生理食塩水あるいはヘパリン等抗凝固剤入り生理食塩水などを注入するための、他端には三方活栓等が取り付けられたチューブが取り付けられることも好適である
シースハブとシースとは通常直接取り付けられてなるが、両者の間にシリコン、ゴム、熱可塑性エラストマー等の弾性部材もしくはシリコン、ブチルゴム、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリウレタン等からなるチューブ等を介して連通状態で間接的に接続されている場合もある。
【0027】
さらにシースハブにはその先端側あるいは別部材として、例えばシースのキンク(折れ曲がり)防止用の支持体等に血管確保後患者にシースハブを留置しておくために縫合糸をかけるための溝部および/またはリング状の糸掛片を設けてなることもまた好適である。なおシース支持体として用いられる材質としてはシース本体のキンク防止の観点からスチレン系、オレフィン系、ポリエステル系等の熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0028】
シース本体はチューブ状であり、その先端部はダイレータの最先端部と同様に第1のテーパで縮径して、最先端で第1のテーパよりも角度の大きい第2のテーパをなして縮径している。このような構成により、ダイレータ本体の先端部との段差が極めて小さく、血管への挿入時の抵抗が小さい、いわゆる切れ味がよくなる。シース本体の内径は1mm〜10mm、外径は1.2mm〜11mm、肉厚は0.1mm〜0.5mmぐらいが好ましい。
【0029】
シース本体の材質は血管に導入するためにある程度の剛性を有しており、なおかつ内部ルーメンを大きくとることができる、すなわち肉薄化ができる材質が好ましい。また、経皮的に血管に留置するために、生体適合性に優れた物である必要がある。これらの点を考慮して、ETFE、PTFE、PFA、FEP、PVDF、PCTFE、ECTFE等の熱可塑性エラストマーが好適であり、なかでも肉薄にしながらも剛性が保たれるという面からETFEが最適であろう。
【0030】
なお、シース本体は血管導入位置の確認のために用いられるので酸化ビスマス、硫酸バリウム、白色酸化ビスマス、タングステン等の造影性材料を成形の際含んでいるほうがより好適である。
【0031】
【作用】
本発明のイントロデューサーは上述のように構成されてなり、ダイレーター部分を装着したイントロデューサーを血管内に挿入する際、ダイレーターハブの端部にフランジ部分を形成し、該ダイレーターハブのダイレーター取り付け基部にはシースハブの嵌合溝と係合するための係止爪を有することによって、ダイレーターをシースハブ内に設けられた弁体を通じて押し進める操作のみで、ダイレーター部とシース部が一体的に嵌合する。これによって軸方向及び回転方向の動きに対し一体的に対応しかつ抜去時、イントロデューサーの軸方向に対して直角の方向に力を加えてダイレータハブとシースハブの嵌合を外す際、該フランジ部の先端がダイレーターハブの外周面に対して支点となり丁度テコ状に作動するため片手でも至極簡単にダイレーターハブとシースハブの嵌合部分が外れやすく着脱が容易である。
【0032】
またイントロデューサーの軸方向に対して直角の方向に力を加えるだけでダイレーターハブとシースハブの嵌合が外れ、回転等の操作を必要としないことから抜去時、ダイレーターおよび/またはシースの先端部分の動きが最小に止められるので、血管内壁に損傷を及ぼさない。
【0033】
【実施例】
図1は本発明のイントロデューサーの全体図。図2は本発明のイントロデューサーのダイレーター部分とシース部分との嵌合部の拡大図を示す。
【0034】
そこで本発明のイントロデューサーを図面に沿って説明するが本発明はその趣旨を損なわないものであればこの実施例に限定されることがないことは言うまでもない。
【0035】
図1に示した通り本発明のイントロデューサー1はそのダイレーターハブ2の端部にフランジ21を設け、シースハブ3のダイレーター取り付け基部には該ダイレーターハブの嵌合溝33と係合するための係止爪22を有する。ダイレーター23をシースハブ3に挿入し、そのままダイレーター23を押し進めることによって嵌合溝33と係止爪22が嵌合することによってダイレーター部とシース部が一体的に嵌合する。
【0036】
一方任意の手技が終了後、ダイレーターを抜去する際にはイントロデューサーの軸方向に対して直角の方向に力を加えて、まずダイレータハブとシースハブの嵌合を外す、その際該フランジ部の先端がダイレーターハブの外周面に対して支点となり丁度テコ状に作動するため片手でも至極簡単にダイレーターハブとシースハブの嵌合部分が外れやすく着脱が容易である。
【0037】
【発明の効果】
以上記載した如く、本発明のイントロデューサーはダイレーター部分の端部にフランジ様部分を設け、該ダイレーターハブのダイレーター取り付け基部にはシースハブの嵌合溝と係合するための係止爪を有するよう構成してなるので、ダイレーターをシースハブ内に押し進める操作のみで、ダイレーター部とシース部とが一体的に嵌合する。これによってダイレーター部とシース部とが軸方向及び回転方向の動きに対し一体的に対応しかつ抜去時、イントロデューサーの軸方向に対して直角の方向に力を加えてダイレータハブとシースハブの嵌合を外す際、該フランジ部の先端がダイレーターハブの外周面に対して支点となり丁度テコ状に作動するため片手で至極簡単にダイレーターハブとシースハブの嵌合部分が外れやすく着脱が容易である。さらにこの際、回転動作等を伴わないためダイレーターとシースの先端部分の動きが最小限に押さえられるために血管内壁に損傷をきたすことがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイントロデューサーの1実施例を示す全体図である。
【図2】本発明のイントロデューサーの嵌合部の拡大図である。
【図3】本発明のイントロデューサーのダイレーター部分を示す部品図である。
【図4】本発明のイントロデューサーの1実施例を示す全体図である。
【符号の説明】
1 イントロデューサー
2 ダイレータハブ
3 シースハブ
32 シース
33 嵌合溝
4 支持体
41 糸掛片
42 糸掛溝
5 弁体

Claims (4)

  1. 内管と該内管と連通する中空部を有し該内管と連結された内管ハブからなる内管部分と、外管と該外管と連通する中空部を有し該外管と連結された外管ハブからなる外管部分から構成され、前記外管ハブは該中空部に弁体を内蔵し、該弁体の基部側に嵌合溝を設け、前記内管ハブは端部に該外管ハブの外周面に実質上密着しかつ4分割以上に分割された周面を有するフランジ部分を形成しかつ該内管ハブの内管取り付け基部には該外管ハブの嵌合溝と係合するための係止爪を有することを特徴としたイントロデューサー。
  2. 該外管ハブ外周面を覆う該内管ハブの該フランジ部分は該外管ハブ外周面積の少なくとも50%を覆っていることを特徴とする請求項1に記載のイントロデューサー。
  3. 該外管ハブおよび該フランジ部分の軸垂直方向断面が正多角形であることを特徴とした請求項1および2に記載のイントロデューサー。
  4. 該正多角形が偶数角を有することを特徴とした請求項3に記載のイントロデューサー。
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