JP3690705B2 - 組合せ計量装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の計量部で計量した被計量物を組合せ排出する組合せ計量装置において、各計量部に絡みやすい粘着性のある被計量物を適量ずつ自動供給するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
組合せ計量装置のうち、複数の計量部へ被計量物を適量すつ自動的に供給するものでは、まとまった被計量物を複数の経路に分けて、計量部毎の個別供給器へ予め供給しておき、被計量物を排出した計量部に対して個別供給器から速やかに被計量物を供給するようにしている。
【0003】
このような計量部への被計量物の自動供給を行なうために、従来では、円形傘状の振動式の分散フィーダの上に被計量物を供給し、分散フィーダで分散された被計量物をその外周に放射状に配置された複数の振動式の直進フィーダに搬出し、各直進フィーダからプールホッパにそれぞれ被計量物を適量ずつ搬出して、空になった計量ホッパへプールホッパから被計量物を供給していた。
【0004】
ところが、このような振動型の分散フィーダを用いた組合せ計量装置では、被計量物が漬物や調理済みの肉等のように粘着性が強い場合や絡みやすい場合に、各直進フィーダへ均等に円滑に供給することができないという問題があった。
【0005】
これを解決するために、図16および図17に示すような組合せ計量装置も提案されている。
【0006】
この組合せ計量装置では、上下が開口したタンク1に被計量物を供給しておき、その下方にスクリュー式(あるいは振動式でもよい)の供給装置2を複数列配置して、各供給装置2からプールホッパ6に供給した被計量物を、それぞれ計量ホッパ7へ供給して計量し、その計量結果に基づいて組合せを選定し、選定した被計量物を計量ホッパから排出して集合装置8で集合排出する。
【0007】
ここで、各供給装置2は、一端側がタンク1の下方に位置し他端側がプールホッパ6の上方まで延びた樋状の案内体3と、案内体3内で回転自在に支持されたスクリュー4と、案内体3の一端からスクリュー4を回転させて、タンク1内の被計量物を案内体3に沿って送り出すモータ5とによって構成されている。
【0008】
なお、プールホッパ6および計量ホッパ7は、粘着性が強い被計量物を確実に排出できるように、スライド式の底板6a、7aによって開閉される。なお、計量ホッパ7は、筐体9内の計量器10によって支持されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この組合せ計量装置のように、タンク1の下面全体が常時開口していると、タンク1内の被計量物の荷重が各供給装置2のスクリュー4に直接かかり、供給装置2の搬送力がタンク内の被計量物の量によって大きく変動してしまい、計量ホッパへの被計量物の供給量が大きく変動し、組合せの精度が低下するという問題があった。この問題は、供給装置2として振動式の直進フィーダを用いた場合でも同様に発生する。
【0010】
また、供給装置2の上方位置で被計量物がブリッジ状態になると、そのブリッジ状態が崩れるまで供給装置2から被計量物を供給することができず、空の計量ホッパが長時間発生して、被計量物の組合せの数が減少して、計量精度が低下するという問題もあった。
【0011】
本発明は、この問題を解決し、各計量部毎の個別供給器に被計量物を円滑に且つ安定に適量ずつ供給できるようにした組合せ計量装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の組合せ計量装置は、
被計量物タンク内に収容されている被計量物を該被計量物タンクの底部に設けた複数の排出口から排出し、該排出口から排出された被計量物を個別供給器を介して複数の計量部に供給し、該複数の計量部で計量した被計量物をその計量結果に基づいて組合せ排出する組合せ計量装置において、
前記被計量物タンク内に収容された被計量物を前記各排出口に案内する傾斜面を各排出口毎に設けるとともに、
前記被計量物タンク内の前記各排出口の上方位置で昇降自在に設けられた昇降支持体と、
前記排出口に対応した外形を有するゲート部が下端に設けられ該ゲート部が対応する排出口の傾斜面の傾斜方向に沿って移動できるように上部側が前記昇降支持体に回動自在に支持され、前記昇降支持体が下降するとき前記ゲート部を前記傾斜面に摺接させながら対応する排出口側へ下降させて該排出口への被計量物の流れ経路を狭め、前記昇降支持体が上昇するとき前記ゲート部を前記傾斜面に摺接させながら対応する排出口から遠ざかるように上昇させて該排出口への被計量物の流れ経路を広げるように形成された規制体と、
前記各昇降支持体を昇降駆動して、前記被計量物タンクの各排出口から前記各個別供給器に被計量物を供給する駆動装置とを設けている。
【0013】
また、本発明の請求項2の組合せ計量装置は、請求項1記載の組合せ計量装置において、
前記各昇降支持体には前記規制体が複数支持されており、該複数の規制体のゲート部によって対応する排出口への被計量物の流れ経路が拡縮されるようにしている。
【0014】
また、本発明の請求項3の組合せ計量装置は、請求項1または請求項2記載の組合せ計量装置において、
前記規制体のゲート部が前記排出口の傾斜面に沿って上昇するときに、該排出口上方で移動して該排出口上方の被計量物の流出を補助する補助体を、前記各排出口に対応させて前記被計量物タンク内に複数設けている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態の全体構造を模式的に示した図、図2〜13は、一実施形態の組合せ計量装置の詳細な構造を示している。
【0016】
図2〜4に示しているように、この組合せ計量装置20は、4本の脚21を有する基台22上に支持されている。
【0017】
基台22の上には、略直方体状の主筐体23が支持されている。主筐体23の上面23aの四隅には支柱24が立設されており、この4本の支柱24によって、フレーム25が主筐体23の上方に支持されている。
【0018】
フレーム25は、横長矩形の前板25a、前板25aの両端から後方へ屈曲された側板25b、25cとで上方からみて略コの字状に形成され、両側板25b、25cの下端の前後が、支柱24の上端に固定されている。
【0019】
フレーム25の両側板25b、25cの内面側には、レール26が水平に固定されている。また、主筐体23の上面23aの中央には支柱27が前後に並んで立設され、この2本の支柱27の上端にはレール28の前端と後端が支持されている。
【0020】
フレーム25の内側には、2つの被計量物タンク30が横に並んで支持されている。被計量物タンク30は、図4〜6に示しているように、正面からみて略横長矩形の前板30a、前板30aの両端から後方へ屈曲された逆台形状の側板30b、30c、側板30b、30cの後縁同士を連結するように傾斜した後板30dとによって外周部が形成されている。
【0021】
被計量物タンク30の底部には、長方形状の開口された5つの排出口35が横一列に並んでおり、各排出口35の両側には排出口35側に傾斜した底板32が設けられている。各底板32は、その傾斜面32aで排出口35に被計量物を案内する。
【0022】
底板32の下縁部には鉛直方向に屈曲されたガイド板取付部32aが延設され、各ガイド板取付部32aには、ガイド板36が取り付けられている。
【0023】
また、被計量物タンク30の両端の底板32の外側面には、フレーム25および支柱27に取り付けられているレール26、28上に下面を摺接して、被計量物タンク30を前後方向に水平に移動させるための支持体37が取り付けられている。
【0024】
被計量物タンク30の後板30dの外周面には、被計量物タンク30を移動する際に掴むための把手38が取り付けられており、また、被計量物タンク30は、図示しない係止機構(例えば、ピンロック機構やパッチン錠と呼ばれるフック機構)によってその前板部30aがフレーム25の前板25aに重なり合う位置で係止され、その係止を解除することにより、後方へスライド移動させることができる。
【0025】
一方、フレーム25の前板25aの前面側には、第1駆動筐体40が取り付けられている。第1駆動筐体40は、フレーム25の前板25aとほぼ同一幅の横長矩形状に形成され、その前面側は開閉可能(開閉機構は図示せず)な2つのカバー41によって塞がれている。
【0026】
第1駆動筐体40の内部中段には、図7に示しているように、その内部を上下に仕切るように中板42が設けられている。この中板42には、その背面側に取り付けられた被計量物タンク30の各排出口35に対応する位置にエアシリンダ43、44が前後に並ぶように取り付けられている。エアシリンダ43、44のシリンダ軸43a、44aは、中板42の下面側へ突出している。
【0027】
また、エアシリンダ43、44の横には、それぞれ中間軸45、46がそれぞれ昇降自在に支持されている。中間軸45、46は、その下部を中板42の下面側へ突出させ、上部を第1駆動筐体40の上板40aの上面側へ突出させるように支持されており、中間軸45の下部はエアシリンダ43のシリンダ軸43aに連結部材47を介して連結され、中間軸46の下部はエアシリンダ44のシリンダ軸44aに連結部材48を介して連結されている。このため、エアシリンダ43、44が駆動されて、そのシリンダ軸43a、44aが昇降するとこれに連結された中間軸45、46も昇降する。
【0028】
中間軸45、46の昇降は、第1駆動筐体40の上板40aに取り付けられているガイド体49、50と、中板42に取り付けられているガイド体51、51とによってガイドされている。なお、ガイド体49は、その先端部で後述する補助体56の上下動をガイドする。
【0029】
中間軸45、46の上部には連結部材53、54がそれぞれ取り付けられている。連結部材53の一端側は中間軸45に係止され、他端側は被計量物タンク30の排出口35の上方位置まで延びている。また、連結部材54は、上方からみて略コの字状に形成されており、その中間部54aが中間軸46に係止され、中間部54aの両端から平行に突出する2本の腕部54bの先端が、各底板32の傾斜面32aの上方位置まで延びている。
【0030】
中間軸45、46と連結部材53、54との間は、取付け、取外しが簡単にできるように、偏心ロック機構によって係止されている。即ち、図8に示すように、中間軸45、46の先端からやや下方位置に細径部45a、46aを設けるとともに、この細径部45a、46aにリング45b、46bを遊嵌させ、細径部45a、46aの外周とリング45b、46bの内周との間にバネ材45c、46cを取り付けて、リング45b、46bが中間軸45、46に対して偏心するように付勢しておき、このリング45b、46bの下端と中間軸45、46の太径部45d、46dとの間で、連結部材53、54を挟持するように支持する。そして、リング45b、46bを中間軸45、46と同心になるように押し込んで連結部材53、54を上方に引き上げれば、中間軸45、46から連結部材53、54を取り外すことができる。
【0031】
また、連結部材53の先端および連結部材54の腕部54bの先端には、すり割り53a、54cが設けられており、このすり割りの隙間をネジ55の締め付けあるいは緩め操作によって狭めたり広げたりすることで、後述する補助体56および規制体60の支持高さを任意の位置にすることができる。
【0032】
各連結部材53の他端側には、図10に示しているように、排出口35への被計量物の流出を補助するための補助体56が支持されている。補助体56は細い丸棒によって形成され、その下部56aはほぼ90°に屈曲されており、この下部56aの上下動によって各排出口35の上方にある被計量物を下方に流れやすくする。
【0033】
一方、各連結部材54の両腕部54bの先端には、図10に示しているように、丸棒状の一対の支持軸59の上部が支持されている。支持軸59は、この連結部材54とともにこの実施形態の昇降支持体を形成するものである。
【0034】
一対の支持軸59には、被計量物の排出口35への流出を規制するための規制体60がそれぞれ設けられている。規制体60は、丸棒状の軸部61と、軸部61の下端に設けられたゲート部62とからなり、軸部61の中間部は、規制体60が被計量物タンク30の前板30aの内周面に沿った平面上でピン61aを中心に回転できるように支持軸59に連結されており、互いに近づく方向に屈曲された両軸部61の上部61bにはバネ63が掛け渡されている。
【0035】
両軸部61は、排出口35の両側の底板32の傾斜面32aに近接する位置まで延びており、その先端に設けられたゲート部62の外形は、2つのゲート部62が突き当て状態となったときに排出口35をほぼ塞ぐ大きさで、側面が長円状(または楕円状)に形成されている。
【0036】
両軸部61には、バネ63の付勢力によって下部側がハの字状に開かないように支持軸59の下端に当接するストッパーピン64が設けられている。このため、エアシリンダ44が駆動されて中間軸46が下降し、支持軸59が下降すると、1対のゲート部62は、底板32の傾斜面32aに下面側を摺接させながら排出口35へ向かって移動し、互いの先端同士を当接させて排出口35を塞ぐ。
【0037】
なお、この規制体60の下限位置はゲート部62の先端同士が互いに当接するように予め設定され、また、その昇降ストロークは、図示しないストッパー機構によって被計量物の種類等に応じた長さとなるように予め設定されている。
【0038】
また、第1駆動筐体40の上面には、センサ支持部材65が取り付けられており、センサ支部材65の先端部には被計量物タンク30内の被計量物の量を光学的に検出するタンクセンサ66が取り付けられている。タンクセンサ66は、1タンク当り2つずつ取り付けられており、そのどちらか一方が被計量物不足を検出したらバケットコンベア10(図1参照)を駆動させて、被計量物を補給させる。また、第1駆動筐体40の下面側には、後述する直進フィーダ71上の被計量物の量を検出するためのフィーダセンサ67が取り付けられている。
【0039】
被計量物タンク30の各排出口35の下方には、直進フィーダ71が配置されている。各直進フィーダ71は、後述するプールホッパ73とともに、この実施形態の個別供給器を構成するものであり、主筐体23の上面に固定され第2駆動筐体68内の振動器(図示せず)によってトラフ72を前方側斜め上方へ振動させ、排出口35から排出される被計量物をトラフ72の前端側へ搬送する。
【0040】
なお、排出口35の両側に取り付けられているガイド板36の下端は、図11に示しているように、トラフ72の両側のガイド部の内側に位置して、被計量物タンク30から排出される被計量物が側方へこぼれないようにしている。
【0041】
各直進フィーダの先端側下方には、それぞれプールホッパ73が配置されている。プールホッパ73は、図12に示すように、合成樹脂で上下が開口された筒状体74と、後述する底板80とで構成されている。筒状体74の下部の前後縁部には鍔部74a、74bが設けられ、その一方の鍔部74aには、2つの係止穴75が設けられている。
【0042】
プールホッパ73は、第2駆動筐体68の前面の左右に取り付けられた枠体76に支持されている。即ち、各枠体76の前板76aの内側には、ピン固定板77が5個ずつ所定間隔に取り付けられており、ピン固定板77には、プールホッパ73の筒状体74の係止穴75と同一間隔で係止ピン78が2本ずつ立設されている。また、枠体76の前板76aと第2駆動筐体68の前面との間には、それぞれ一対のガイド軸79が一対の係止ピン78の両側に平行に架設され、各一対のガイド軸79の上には、底板80がそれぞれ支持されている。底板80は、その下面側で一方のガイド軸79と係合して、前後方向にスライド自在な状態で支持されている。
【0043】
プールホッパ73の筒状体74は、係止穴75が設けられている方の鍔部74aを前に向け、一対の係止ピン78に係止穴75を係止された状態で、底板80上に載置されるようにして支持されている。
【0044】
底板80は、筒状体74の下部開口面を塞ぐ大きさの略長方形に形成され、その一方の側部の後部側は、第2駆動筐体68内に設けられたエアシリンダ81のシリンダ軸81aの先端に着脱自在に連結されており、エアシリンダ81は、底板80を引き込んでプールホッパ73を開き、逆に底板80を前方へ押し出して、プールホッパ73を閉じる。
【0045】
各プールホッパ73の下方には計量ホッパ83がそれぞれ配置されている。計量ホッパ83は、図13に示すように、プールホッパ73の筒状体74および底板80と同一形状の筒状体84と底板90とで構成されている。計量ホッパ83の筒状体84は、プールホッパ73の筒状体74に対して前後の向きが逆になる向きに支持され、その下部前後に設けられた鍔部84a、84bの一方の鍔部36aの2つの係止穴85は、主筐体23の前面側の第3駆動筐体86の前方に支持されたホッパ支持体87の2つの係止ピン88に係合している。
【0046】
ホッパ支持体87の両端部には、係止ピン88の間隔よりやや広い間隔で前方に向かって平行に延びた一対のガイド軸89が取り付けられ、そのガイド軸89の上には、この一対のガイド軸89によってガイドされて、前後方向にスライド自在な底板90が支持されており、筒状体84は底板90上に載置されるようにして支持されている。底板90の一方の側部の後部側は、第3駆動筐体86内のエアシリンダ91のシリンダ軸91aの先端に着脱自在に連結されている。
【0047】
エアシリンダ91は、底板90を前方に移動させて計量ホッパ83を開き、底板90を引き込んで計量ホッパ83を閉じる。
【0048】
ホッパ支持体87は、第3駆動筐体86の前面に配置された円板状の連結板92に係止機構93を介して着脱自在に連結されている。連結板92は、第3駆動筐体内に固定された各ロードセル94に支持されており、また、エアシリンダ91も連結板92に対して固定され、そのシリンダ軸91aは、連結板92を挿通するようにして、第3駆動筐体86の前方へ突出している。
【0049】
したがって、ロードセル94には、筒状体84、ホッパ支持体87、ガイド軸89、底板90、エアシリンダ91、連結板92および係止機構93の荷重が定常的に加わりこの定常負荷に被計量物による荷重が付加されることになる。
【0050】
各計量ホッパ83の下方には、それぞれタイミングホッパ95が配置されている。タイミングホッパ95はプールホッパ73と全く同様に構成されている。即ち、図12に示しているように、タイミングホッパ95の筒状体96は、下端前後の鍔部96a、96bのうち、2つの係止穴97が設けられている鍔部96a側を前に向けた状態で、主筐体23の前面の左右に固定されている枠体98の前板98aのピン固定板99に突設された係止ピン100にその係止穴97を係止され、枠体98の前板98aと主筐体前面との間に平行に架設された1対のガイド軸101の上に支持されて前後にスライドする底板102の上に載置されている。
【0051】
底板102の一方の側部の後部側は、主筐体23内のエアシリンダ103のシリンダ軸103aの先端に着脱自在に連結されている。エアシリンダ103は、底板102を後方に移動させてタイミングホッパ95を開き、底板102を前方に移動させてタイミングホッパ95を閉じる。
【0052】
タイミングホッパ95の下方には、2つのコンベア105が左右に配置されている。両コンベア105は主筐体23の前面に支持されており、左側のコンベア105は、左側5個のタイミングホッパから排出される被計量物を受けて右端に搬送し、右側のコンベア105は、右側5個のタイミングホッパから排出される被計量物を受けて左端に搬送する。
【0053】
コンベア105とタイミングホッパ93の間には、コンベア上に排出された被計量物のこぼれを防ぐためのカバー107が設けられている。このカバー107は、枠体98によって支持されている。
【0054】
2つのコンベア105、106の間の下方には、漏斗状の集合シュート108が支持されている。集合シュート108は、主筐体23の前面下端に取り付けられた支持部材109によって、前方にスライドできるように支持されている。
【0055】
このように構成された組合せ計量装置20は、図示しない制御装置によってその動作が制御される。以下、この制御装置による組合せ計量装置の動作を説明する。
【0056】
予め左右の被計量物タンク30内には、被計量物が十分収容され、各直進フィーダ71のトラフ72上にも適量の被計量物があり、プールホッパ73および計量ホッパ83にも被計量物が適量ずつ収容され、計量ホッパ内の被計量物の重量が各ロードセル94の出力信号に基づいて検出されているものとする。
【0057】
ここで、組合せ排出要求があると、各計量ホッパ83内に収容されている被計量物のなかで、その組合せ重量が予め設定された目標重量範囲内となる組合せが選定され、選定された被計量物を収容している計量ホッパ83が開いて、計量ホッパ内の被計量物がそれぞれ対応するタイミングホッパ95内に収容される。
【0058】
被計量物を受けたタイミングホッパ95は、コンベア105の搬送速度に合わせて集合シュート108から遠いものから順に開閉される。このため、タイミングホッパ95に収容されていた被計量物は、コンベア105上のほぼ同一位置に集合しながら搬送されて、集合シュート108へ搬出され、図示しない包装機や包装ラインへ送られる。
【0059】
この間に、空になった計量ホッパ83には、対応するプールホッパ73から被計量物が供給され、空になったプールホッパ73には、直進フィーダ71から被計量物が適量ずつ供給される。
【0060】
以下同様の動作が繰り返されて、組合せ選定された被計量物が順次集合排出されていくが、直進フィーダ71のトラフ72上の被計量物Wが図14の(a)のように少なくなったことがフィーダセンサ67によって検知されると、その直進フィーダ71に対応する第1駆動筐体40内のエアシリンダ44が駆動されて、このエアシリンダ44に連結されている支持軸59が上昇し、規制体60のゲート部62が図14の(b)から(c)のように排出口35の両側の底板32、32の傾斜面32aに沿って排出口35から離れるように移動する。
【0061】
また、このときエアシリンダ43は逆方向に駆動され、このエアシリンダ43に連結されている補助体56の下端56aが排出口35側に下降する。
【0062】
このため、この排出口35への流れ経路が広がり、排出口35の上部にあった被計量物Wが排出口35へ向かって流れ出し、排出口35から直進フィーダ71のトラフ72上へ排出される。
【0063】
そして、規制体60のゲート部62が底板32の傾斜面32aに沿って下降して、被計量物の排出口35に対する流れ経路が狭まると、排出口35からの被計量物の排出量が少なくなり、図14の(d)のように一対のゲート部62が当接する位置まで戻ると、排出口35付近に残留していた被計量物がゲート部62に押し出されてトラフ72上へ落下し、以後この排出口35からの被計量物の排出が停止する。補助体56は、規制体60が上昇している間に、少なくとも一回下降して、被計量物の排出口35への流れを補助する。
【0064】
このような動作が各直進フィーダ毎に独立して行なわれるため、各直進フィーダ上には適量の被計量物が供給され、各計量ホッパへの被計量物の供給量も安定する。
【0065】
なお、各規制体60の移動にともなって補助体56が排出口35の上方で上下動するので、被計量物タンク30内の被計量物が攪拌され、排出口35の上方で被計量物のブリッジが一時的に生じても、そのブリッジ状態を直ぐに崩すことができる。
【0066】
また、規制体60が被計量物タンク30内の被計量物の荷重を受けるため、各直進フィーダ71には、被計量物タンク30内の被計量物の荷重が直接かかるらずに済み、直進フィーダ71の搬送力の変動が少なくなり、計量ホッパ83に供給される被計量物の量が安定し、計量精度が向上する。
【0067】
このようにして、被計量物タンク30内の被計量物が、各直進フィーダ71およびプールホッパ73を介して計量ホッパ83供給されていくうちに、被計量物タンク30内の被計量物の減少がタンクセンサ66によって検知されると、バケットコンベア10が駆動され、被計量物タンク30に新たな被計量物が供給される。なお、被計量物タンク30に対する被計量物の供給を、作業者が行なうようにしてもよい。この場合には、タンクセンサ66の出力でランプやブザーを駆動して、作業者に被計量物の補給を促すようにすればよい。
【0068】
また、前述したように、補助体56および規制体60は、簡単な操作で中間軸44、45から外すことができ、また、被計量物タンク30自体も、装置後方側にスライドさせて、装置から取り外すことができるので、洗浄作業やメンテナンス作業が簡単に行なえる。
【0069】
また、補助体56、規制体60および被計量物タンク30を取外して、手作業で被計量物を直進フィーダやプールホッパへ供給したり、あるいは、直進フィーダ71に対応する位置に穴が設けられた平板状のテーブルを、被計量物タンク30の代わりにスライド装着して、このテーブル上の被計量物を手作業で各穴へ送って、直進フィーダやプールホッパへ供給することもできる。
【0070】
また、前記説明では、被計量物タンク30から各直進フィーダ71への被計量物の供給を間欠的に行なう場合について説明したが、一対の規制体60のゲート部62の隙間を、被計量物タンク内の被計量物が少量ずつ常時流出するように僅かに開けておき、直進フィーダの駆動頻度が高くなったり、あるいはブリッジ等によって流出量が極端に少なくなって、直進フィーダ上の被計量物が極端に減少した場合だけ、両規制体60を上昇させるようにしてもよい。この場合に、補助体側を常時昇降駆動するようにして、被計量物の排出口付近での被計量物のブリッジを防ぐようにしてもよい。
【0071】
【他の実施の形態】
前記実施形態では、5つの排出口を底部に有する被計量物タンク30を2組用いていたが、これは本発明を限定するものではなく、例えば10個の排出口を有する一つの被計量物タンクを用いたり、4つの排出口を有する被計量物タンクを3組用いるようにしてもよい。
【0072】
また、前記実施形態の被計量物タンク30は、複数の排出口が横一列に設けられていたが、円柱あるいは角柱状の被計量物タンクの底部に複数の排出口を放射状に設け、各排出口の傾斜面上方にそれぞれ規制体を支持するようにしてもよい。
【0073】
また、前記実施形態では、補助体を規制体の駆動装置(エアシリンダ44)と独立した駆動装置(エアシリンダ43)で駆動していたが、補助体と規制体とをリンク機構を介して連結して規制体の昇降動作に補助体を連動させて駆動装置側を簡単化することもでき、また、規制体に被計量物攪拌用の部材を突設させてもよい。
【0074】
また、前記実施形態では、被計量物タンクから排出された被計量物を、個別供給器としての直進フィーダ71およびプールホッパ73を介して、計量ホッパ83へ供給するようにしていたが、被計量物タンクから排出される被計量物を直接プールホッパ73へ供給するようにしてもよい。この場合には、被計量物の種類や目標重量等に応じて、規制体の昇降ストロークを調整したり、規制体が上昇している時間を設定して、各プールホッパに適量の被計量物を供給させる。
【0075】
また、前記実施形態では、一つの排出口35に対して1対の規制体60を用いていたが、図15に示すように、被計量物タンク30′の排出口35に被計量物を案内する傾斜面32aを片側だけに設け、この傾斜面32aに沿って1つの規制体60のゲート部62を移動させるようにしてもよく、また、一つの排出口に対して3つ以上の規制体を設けてもよい。
【0076】
また、前記実施形態では、2本の支持軸59でそれぞれ規制体60を支持していたが、1本の支持軸に一対の規制体を回動自在に支持してもよい。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の組合せ計量装置では、被計量物タンクの排出口に被計量物を案内する傾斜面に沿って規制体のゲート部を移動させることによって、タンク内の被計量物の各排出口への流れ経路を広げたり狭めて、各個別供給器に被計量物を供給し、各個別供給器からそれぞれ計量部へ被計量物を供給するようにしている。
【0078】
このため、被計量物タンク内の被計量物の荷重が個別供給器に直接かからず、個別供給器の動作に大きな影響を与えることなく、絡みやすい粘着性のある被計量物を計量部に安定に供給することができる。
【0079】
また、規制体自体が被計量物タンク内で昇降移動するので、被計量物タンク内で被計量物のブリッジが発生しにくくなり、個別供給器に対する被計量物の供給を円滑に行なうことができる。
【0080】
また、規制体が傾斜面に沿って上昇しているときにその規制体に対応する排出口側へ移動して排出口近傍の被計量物の流出を補助する補助体を、各排出口に対応させて被計量物タンク内に設けているので、絡みやすい粘着性のある被計量物をより円滑に排出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の概略図
【図2】一実施形態の正面図
【図3】一実施形態の側面図
【図4】一実施形態の平面図
【図5】一実施形態の被計量物タンクの側面図
【図6】一実施形態の被計量物タンクの側面図
【図7】一実施形態の駆動筐体内部を示す斜視図
【図8】一実施形態の中間軸と連結部材との係止機構を示す断面図
【図9】一実施形態の連結部材と規制体および補助体の支持機構を示す斜視図
【図10】一実施形態の規制体および補助体の斜視図
【図11】一実施形態の要部の斜視図
【図12】一実施形態のプールホッパおよびタイミングホッパの斜視図
【図13】一実施形態の計量ホッパの斜視図
【図14】一実施形態の動作説明図
【図15】他の実施形態の概略図
【図16】従来装置の概略正面図
【図17】従来装置の概略側面図
【符号の説明】
20 組合せ計量装置
30 被計量物タンク
32 底板
35 排出口
43、44 エアシリンダ
56 補助体
60 規制体
61 軸部
62 ゲート部
71 直進フィーダ
73 プールホッパ
83 計量ホッパ
Claims (3)
- 被計量物タンク内に収容されている被計量物を該被計量物タンクの底部に設けた複数の排出口から排出し、該排出口から排出された被計量物を個別供給器を介して複数の計量部に供給し、該複数の計量部で計量した被計量物をその計量結果に基づいて組合せ排出する組合せ計量装置において、
前記被計量物タンク内に収容された被計量物を前記各排出口に案内する傾斜面を各排出口毎に設けるとともに、
前記被計量物タンク内の前記各排出口の上方位置で昇降自在に設けられた昇降支持体と、
前記排出口に対応した外形を有するゲート部が下端に設けられ該ゲート部が対応する排出口の傾斜面の傾斜方向に沿って移動できるように上部側が前記昇降支持体に回動自在に支持され、前記昇降支持体が下降するとき前記ゲート部を前記傾斜面に摺接させながら対応する排出口側へ下降させて該排出口への被計量物の流れ経路を狭め、前記昇降支持体が上昇するとき前記ゲート部を前記傾斜面に摺接させながら対応する排出口から遠ざかるように上昇させて該排出口への被計量物の流れ経路を広げるように形成された規制体と、
前記各昇降支持体を昇降駆動して、前記被計量物タンクの各排出口から前記各個別供給器に被計量物を供給する駆動装置とを設けたことを特徴とする組合せ計量装置。 - 前記各昇降支持体には前記規制体が複数支持されており、該複数の規制体のゲート部によって対応する排出口への被計量物の流れ経路が拡縮されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の組合せ計量装置。
- 前記規制体のゲート部が前記排出口の傾斜面に沿って上昇するときに、該排出口上方で移動して該排出口上方の被計量物の流出を補助する補助体を、前記各排出口に対応させて前記被計量物タンク内に複数設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の組合せ計量装置。
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