JP3690468B2 - Seismic reinforcement structure - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばビルやマンション等の建物の耐震補強を図るために用いて好適な耐震補強構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、既存建物の耐震性を向上させるため、柱や梁、壁、床等の部材を補強することによって耐力を高める様々な構造や工法が開発・提供されている。
また、新築の建物においては、所要の耐震性が得られるよう設計施工を施しているのは言うまでもない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の技術には以下のような問題が存在する。
すなわち、既存の建物において部材を補強した場合においても、また新築の建物においても、例えば鉄筋コンクリート構造の場合には、使用する鉄筋の本数や径寸法が途中階で変わるのが通常である。このような部分は、他の層に比較すると剛性と耐力が弱い弱層となり、建物全体としての耐力と剛性のアンバランスが生じてしまうのは避けがたい。そのため、強大な地震が発生した場合には、弱層にエネルギーが集中し、被害が集中してしまう。
【0004】
また、建物の上層階は耐力に余裕があるのが通常であり、その結果、下層階に比較して上層階の方が、耐震性能的にも余裕があると言える。
【0005】
さらに、近年では、各階の相対変位を利用し、ダンパー等の各種制震デバイスで相対変位エネルギーを吸収する制震構造が、地震応答を低減する有効な構法として適用されるケースが増えているが、このような場合においても、各階毎の剛性と耐力のアンバランスが原因となり、制震デバイスの効き具合が各階で均等ではない、という問題もある。
【0006】
加えて、既存の建物の耐震性を向上させる場合には、建物を使用したまま工事を行うことが可能となる技術が常に要求されている。
【0007】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、耐力・剛性の弱い層へのエネルギー集中を緩和し、効率の良い耐震性を得ることのできる耐震補強構造を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、構造物と略同等以上の剛性を有する補強フレームが該構造物の基部と頂部とにピン接合されて、該構造物の外側面に沿ってその基部から頂部にわたって設置され、該補強フレーム中間部が前記構造物に定められた間隔ごとに接合されてなる耐震補強構造であって、前記補強フレームは、一端がピンに接合され、斜めに延在する二本一対の斜め材と、上下の該斜め材間で上下方向に延在する縦材と、左右の該縦材間に架設された横材とからなり、前記補強フレームと前記構造物との間で水平方向に定められた相対変位を許容するよう接合されていることを特徴としている。
【0009】
地震等によって構造物に変形が生じたときには、構造物自体においては、耐力と剛性の弱い層で、構造物の頂部と基部とを繋ぐ直線に対して大きくはずれる応答変形を受ける。このとき、補強フレームが構造物の基部から頂部にわたって設置されているので、この補強フレームによって、耐力と剛性の弱い層における変形を抑制するとともに、変形の小さな他の層に変形を強制する。しかも、補強フレームと構造物との間の水平方向の相対変位が定められた変位以下であるときには構造物の変形が補強フレームに伝達されず、定められた変位以上となったときに伝達される。
【0010】
なお、補強フレームの剛性は構造物の剛性のアンバランスの程度により決まるが、構造物の剛性の1〜30倍とするのが好ましい。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の耐震補強構造であって、前記補強フレームにダンパーが組み込まれていることを特徴としている。
【0014】
これにより、補強フレームに伝達された構造物の変形のエネルギーが、ダンパーによって吸収される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る耐震補強構造の実施の形態について、図1ないし図9を参照して説明する。
【0016】
図1において、符号1は耐震補強を図るべき建物(構造物)、2は補強フレームである。
この図に示すように、補強フレーム2は、例えば4階建ての建物1の側面に沿って設置されており、建物1の基部1aと頂部1bとに、ピン3A,3Bを介してピン接合されている。
【0017】
この補強フレーム2は、一端がピン3A,3Bに接合され、斜めに延在する二本一対の斜め材4aと、上下の斜め材4a間で上下方向に延在する縦材4bと、建物1の各階の床レベルにおいて左右の縦材4b,4b間に架設された横材4cとが、略梯子状に組まれたフレーム本体4を主体構成としている。そして、フレーム本体4には、ブレース材5が、中間階の各層に組み込まれている。
【0018】
さらに、フレーム本体4には、建物1の各層に対応して、二本一対のブレース型ダンパー6が組み込まれている。
【0019】
このような構成の補強フレーム2は、その剛性が、建物1自体の剛性に対し、例えば1〜30倍に設定されている。
【0020】
また、図2に示すように、フレーム本体4は、その中間部が、建物1の各層の床やベランダの面内剛性を利用して固定されたブラケット7に、以下のようにして接合されている。フレーム本体4の横材4cには、建物1側に延出するジョイントプレート8が設けられ、このジョイントプレート8には、複数の長孔9が形成されている。各長孔9は、建物1の側面に沿った水平方向を長径とした長孔で、この長孔9には、ブラケット7に一体に取り付けられた接合ピン10が挿入されている。この接合ピン10は、長孔9の長径方向の範囲内で移動可能に係合している。
【0021】
このような構成の補強フレーム2を備えた建物1では、地震等によって建物1に変形が生じたときには、建物1自体においては、耐力と剛性の弱い層で、基部1aと頂部1bとを繋ぐ直線に対して大きくはずれる応答変形を受ける。このとき、補強フレーム2が建物1の基部1aから頂部1bにわたって設置されているので、この補強フレーム2の曲げ抵抗によって、耐力と剛性の弱い層の変形を抑制するとともに、変形の小さな他の層に変形を強制する。ところで、このような作用は、補強フレーム2の剛性が低いと建物1に追従して変形して発揮されないため、補強フレーム2の剛性は、前述の如く、建物1の剛性に対して1〜30倍に設定するのが好ましい。
【0022】
さらに、補強フレーム2は、建物1の各層に、長孔9と接合ピン10とを介して接合されており、これによって、建物1の各層における変形量が長孔9の長径方向の範囲内であるときには、接合ピン10が長孔9の端部に到達しないため、建物1の変形が補強フレーム2には伝達されず、建物1の変形量が長孔9の長径方向の範囲以上となったときのみ、接合ピン10が長孔9の端部に当接し、建物1の変形が補強フレーム2に伝達されるようになっている。
【0023】
そして、補強フレーム2に伝達された建物1の変形エネルギーは、補強フレーム2に組み込まれたブレース型ダンパー6によって熱エネルギーに変換され、吸収される。
【0024】
上述した耐震補強構造では、建物1と略同等以上の剛性を有した補強フレーム2が、建物1の外側面に沿ってその基部1aから頂部1bにわたって設置され、その中間部が建物1の各階に接合された構成となっている。
これにより、地震等によって建物1に変形が生じたときには、補強フレーム2の曲げ抵抗によって、建物1の基部1aと頂部1bとを繋ぐ直線に対して大きくはずれる弱層の変形を抑制するとともに、変形の小さな他の層に変形を強制することができる。したがって、地震時における建物1の変形を各層で均一化することができ、その結果、建物1の各層で均等に地震エネルギーを消費し、特定層へのエネルギー集中を防いで高い耐震性能を発揮することができる。
【0025】
しかも補強フレーム2の建物1への取付は、外部だけの工事で済むために、建物1が既存のものである場合にも、建物1を使用しながら工事を行うことが可能となる。また、建物1の基礎部分については荷重の増加等がほとんどないために、特に既存の建物1においては有利である。さらに、補強フレーム2自体も簡単な構造である。
【0026】
このようにして、補強フレーム2で建物1の耐震補強を図ることによって、トータルでの所要コストを大幅に低減することができる。
【0027】
また、補強フレーム2は、建物1の基部1aと頂部1bにピン接合され、かつ建物1の各階に接合される部分では、長孔9と接合ピン10を介して接合されることによって、補強フレーム2と建物1との間で水平方向に定められた相対変位を許容する構成となっている。これにより、補強フレーム2と建物1との間の水平方向の相対変位が定められた変位以上となったときのみ、建物1の変形が補強フレーム2に伝達され、他の層に変形が強制されるようになっている。
したがって、例えば、従来の構造であっても建物1の弱層に被害が及ばないような程度の地震時には、補強フレーム2による変形強制がなされず、弱層以外の層における変形が過度に大きくならないようにすることができる。
【0028】
さらに、補強フレーム2にはブレース型ダンパー6が組み込まれた構成となっている。これにより、補強フレーム2に伝達された建物1の変形エネルギーが吸収され、地震エネルギーを効率よく減衰することができる。しかも、各層に設けたブレース型ダンパー6は、補強フレーム2の作用によって、各階で均等に利くようにすることができる。
【0029】
ここで、図3ないし図5に示すものは、上記に説明したような構成を適用した建物モデルにおける地震応答を検討したものである。
以下の検討において、地震波は、ElCentro1940NS(最大速度を50kineに規準化)とする。また、建物は鉄筋コンクリート構造の3階建てとし、桁行き方向に7m×5スパン、梁間方向に5.5m×3スパンとし、建物の地震時全重量は1605(t)とする。そして、このような建物で、耐震壁が少なく地震被害が発生しやすい桁行き方向について、復元力特性をTri−Linear武田モデルとして解析を行った。
【0030】
図3は、建物1の第1層の剛性と耐力を意図的に1/2に低減させて弱層とした場合の結果である。図中「OriginalModel」と示したものが補強フレーム2が存在しない場合に相当し、第1層に塑性履歴が集中して、第2〜第3層では降伏変形以下の範囲の履歴を受けている。
そして、図中、「剛棒体」と示したものが、補強フレーム2を建物1の剛性の10倍の剛性として取り付けた場合に相当し、長孔9と接合ピン10を介したルーズな接合と、ダンパー型ブレース6とを廃した場合(図中「ギャップなし」と表示)には、弱層である第1層の変形が第3層の応答変位を著しく強制する。
しかし、長孔9と接合ピン10を介したルーズな接合(建物1の各層の降伏変位δyに相当するギャップを与える)を採用してダンパー型ブレース6を廃した場合(図中「ギャップδy」と表示)には、第3層に強制された応答変位は低減し、建物1の基部1aと頂部1bとを繋ぐ直線状の変形が得られる。
以上より、長孔9と接合ピン10を介した補強フレーム2と建物1とのルーズな接合の効果が確認できる。
【0031】
図4、図5は、著しい弱層のない建物1に、補強フレーム2(著しい弱層がないので建物剛性の3倍の剛性とする)を取り付けた場合の応答変位および応答塑性率である。
図4および図5中、「剛棒体モデル」と示したものは、補強フレーム2の長孔9と接合ピン10を介したルーズな接合を採用し、かつダンパー型ブレース6を廃した場合に相当する。この場合、耐震性能的に遊んでいた第3層を含め、各階の応答塑性率が補強フレーム2によって均等化されることが確認できる。
さらに、図4および図5中、「剛棒体ダンパーモデル」と示したものは、補強フレーム2の長孔9と接合ピン10を介したルーズな接合を採用し、かつダンパー型ブレース6を採用した場合に相当する。この場合、各階の応答の均等化と低減が図られ、応答塑性率(階の降伏変位に対する応答変位の倍率)がμ=0.83〜1.53と著しく低減する。これは、建物1が既存不適格となっている鉄筋コンクリート造であっても、この程度の応答低減が得られれば、耐震補強を施す必要がない応答である。
【0032】
図3ないし図5に示した解析条件では、補強フレーム2が、建物1の剛性の3〜30倍程度の剛性を有していれば十分であり、これには、例えばH−100×50×5×7の鋼材を用い、スパン7mのトラス構造体を2構面設けて補強フレーム2を構成すれば前記所要の剛性を確保することができ、補強フレーム2の応答曲げ応力は短期許容応力度程度に収まる。
【0033】
なお、上記第一の実施の形態において、補強フレーム2に組み込むダンパーとしてブレース型ダンパー6を採用したが、これ以外のダンパーでも何ら支障はない。
例えば、図6に示すように、補強フレーム2のフレーム本体4の横材4cに組み込んだブラケット11と、その上階の横材4cとの間に、例えば粘性型のダンパー12を組み込むようにしても良いし、また、図7に示すように、図6における粘性型のダンパー12に代えて、せん断降伏型または曲げせん断降伏型のダンパー13を組み込むようにしても良い。この他にも、補強フレーム2に組み込むダンパーの形式については何ら限定するものではなく、所要の機能を発揮することができるものであればいかなるダンパーを組み込んでも良い。もちろん、場合によってはダンパーを省略した構成とすることも可能である。
【0034】
また、図8に示すように、建物1が、例えば集合住宅等、桁行き面に補強フレームを取り付けることのできない場合には、補強フレーム22を、両妻面の外階段面等、桁行き面に直交する側面1c,1dに設置しても良い。ここでは、補強フレーム22が、建物1の一方の側面1cに設置されたフレーム本体4と、他方の側面1dに設置されたダンパーフレーム23とから構成されている。このように分割設置されたフレーム本体4は、建物1の側面1cの各階に設けられたブラケット7に、前記第一の実施の形態で示した補強フレーム2(図1参照)と同様に、長孔9と接合ピン10を介したルーズ接合されている。また、ダンパーフレーム23は、建物1の他方の側面1dに固定されたフレーム本体24に、各階における変形エネルギーを吸収するためのダンパー25が組み込まれた構成となっている。
【0035】
このような補強フレーム22によっても、前記実施の形態で示した補強フレーム2と同様の機能を発揮することが可能である。しかも、このように、補強フレーム22を構成するフレーム本体4をダンパーフレーム23とを分割設置することによって、建物1の使用環境を損なうことなく、その耐震性能を高めることが可能となる。
【0036】
この他、図9に示すように、建物31の中央部に上下方向に連続するエレベータシャフト32が設置されている場合等には、補強フレーム2をエレベータシャフト32の側面に沿って設置することも可能である。このようなエレベータシャフト32は筒状で建物31の他の部分に比較して高剛性を有しており、建物31のコアを構成している。
【0037】
なお、上記実施の形態において、補強フレーム2を建物1,31の各階に接合する構成としたが、例えば2階毎、3階毎等、他の間隔で接合することも可能である。
また、補強フレーム2を構成するフレーム本体4については、その形式を何ら問うものではなく、平面トラス状、立体トラス状等、所要の曲げ抵抗が得られる形式を適宜採用すればよい。もちろん、フレーム本体4を構成する部材の材質についても何ら問うものではない。
さらに、補強フレーム2を建物1,31に接合する部分の構造、すなわち補強フレーム2の上下端部におけるピン3A,3Bを介したピン接合、中間部の各層における長孔9と接合ピン10を介したルーズ接合については、これ以外の接合構造としても良い。
【0038】
加えて、上記のような耐震補強構造を適用する建物は、新築、既存を問うものではない。
また、補強フレーム2を設置する場所や補強フレーム2の数についても、所要の耐震補強効果が得られるよう適宜設定すればよいのであって、上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
【0039】
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない範囲内であれば、いかなる構成を採用しても良く、また上記したような構成を適宜選択的に組み合わせたものとしても良いのは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る耐震補強構造によれば、構造物と略同等以上の剛性を有した補強フレームが、構造物の基部と頂部とにピン接合されて、構造物の外側面に沿ってその基部から頂部にわたって設置され、その中間部が、構造物に定められた間隔ごとに接合された構成となっている。
これにより、地震等によって構造物に変形が生じたときには、補強フレームによって、耐力と剛性の弱い層における変形を抑制するとともに、変形の小さな他の層に変形を強制することができる。したがって、地震時における構造物の変形を各層で均一化して地震エネルギーを各層で均等に消費することができ、特定層へのエネルギー集中を防いで、高い耐震性能を発揮することができる。
しかも補強フレームの構造物への取付は、外部だけの工事で済むために、構造物が既存のものである場合にも、構造物を使用しながら工事を行うことが可能となる。
また、補強フレームは簡単な構造であるため、構造物の基礎部分については荷重の増加等がほとんどないために、特に既存の構造物の耐震改修においては有利である。
さらに、補強フレーム自体も簡単な構造である。
建物外部の工事で対応できるために、耐震改修に要するトータルでのコストを、通常の耐震補強構法の例えば半分程度等、大幅に低減することができる。
【0041】
また、請求項1に係る耐震補強構造によれば、補強フレームは、構造物に接合される部分で、補強フレームと構造物との間で水平方向に定められた相対変位を許容する構成となっている。
これにより、補強フレームと構造物との間の水平方向の相対変位が定められた変位以下であるときには構造物の変形が補強フレームに伝達されず、定められた変位以上となったときに伝達される。したがって、例えば、従来の構造においても構造物の弱層に被害が及ばないような強度の地震時には、補強フレームによる変形強制がなされないようにすることができ、弱層以外の層における変形が過度に大きくならないようにすることができる。
【0042】
請求項2に係る耐震補強構造によれば、補強フレームにダンパーが組み込まれた構成となっている。これにより、補強フレームに伝達された構造物の変形のエネルギーが、ダンパーによって吸収され、地震エネルギーを効率よく吸収することができる。しかも、ダンパーを各層に設けた場合に、補強フレームの作用によって、各層のダンパーが均等に利くようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る耐震補強構造の実施の形態の一例を示す立面図である。
【図2】 (a)は、図1のイーイ矢視図、(b)は(a)のローロ矢視図である。
【図3】 本発明に係る耐震補強構造を適用した建物モデルにおける地震応答解析結果を示す図である。
【図4】 同、他の地震応答解析結果を示す図である。
【図5】 同、さらに他の地震応答解析結果を示す図である。
【図6】 本発明に係る耐震補強構造の実施の形態の他の一例を示す立面図である。
【図7】 本発明に係る耐震補強構造の実施の形態のさらに他の一例を示す立面図である。
【図8】 本発明に係る耐震補強構造の実施の形態のさらに他の一例を示す立面図である。
【図9】 本発明に係る耐震補強構造の実施の形態のさらに他の一例を示す立面図である。
【符号の説明】
1,31 建物
2,22 補強フレーム
6 ブレース型ダンパー(ダンパー)
12,13,25 ダンパー[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a seismic reinforcement structure suitable for use in the seismic reinforcement of buildings such as buildings and condominiums.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in order to improve the earthquake resistance of existing buildings, various structures and construction methods have been developed and provided to increase the proof stress by reinforcing members such as columns, beams, walls, and floors.
Needless to say, new buildings are designed and constructed to provide the required earthquake resistance.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional techniques as described above have the following problems.
That is, even when a member is reinforced in an existing building or in a newly built building, for example, in the case of a reinforced concrete structure, the number of reinforcing bars to be used and the diameter are usually changed on the intermediate floor. Such a portion becomes a weak layer with weaker rigidity and yield strength than other layers, and it is inevitable that an unbalance between the yield strength and rigidity of the entire building occurs. Therefore, when a strong earthquake occurs, energy concentrates on the weak layer and damage is concentrated.
[0004]
In addition, it is normal that the upper floors of buildings have margins in proof stress, and as a result, it can be said that the upper floors have more seismic performance than the lower floors.
[0005]
Furthermore, in recent years, there are an increasing number of cases where seismic structures that use relative displacement of each floor and absorb relative displacement energy with various damping devices such as dampers are applied as effective construction methods to reduce earthquake response. Even in such a case, there is also a problem that the effectiveness of the vibration control device is not uniform on each floor due to the imbalance between rigidity and proof strength of each floor.
[0006]
In addition, in order to improve the earthquake resistance of existing buildings, there is always a demand for technology that allows construction to be performed while using the buildings.
[0007]
The present invention has been made in consideration of the above points, and provides an earthquake-resistant reinforcement structure that can relax energy concentration in a layer with weak proof strength and rigidity and obtain efficient earthquake resistance. Let it be an issue.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
According to the first aspect of the present invention, a reinforcing frame having rigidity substantially equal to or higher than that of a structure is pin-bonded to the base and top of the structure, and installed from the base to the top along the outer surface of the structure. The reinforcing frame intermediate portion is joined to the structure at an interval determined by the seismic reinforcement structure, and the reinforcing frame has one pair of one end joined to a pin and extending diagonally. and diagonal members, the longitudinal members extending in the vertical direction between the upper and lower the oblique material consists erection has been a crosspiece between the left and right of the vertical member, the water square between said structure and said reinforcing frame It is characterized by being joined so as to allow relative displacement determined in the direction.
[0009]
When the structure is deformed by an earthquake or the like, the structure itself is subjected to a response deformation that is largely deviated with respect to a straight line connecting the top portion and the base portion of the structure with a layer having weak proof strength and rigidity. At this time, since the reinforcing frame is installed from the base portion to the top portion of the structure, the reinforcing frame suppresses deformation in the layer having weak proof strength and rigidity and forces deformation to other layers having small deformation. Moreover, when the horizontal relative displacement between the reinforcement frame and the structure is equal to or less than a predetermined displacement, the deformation of the structure is not transmitted to the reinforcement frame, but is transmitted when the displacement exceeds a predetermined displacement. .
[0010]
The rigidity of the reinforcing frame is determined by the degree of rigidity unbalance of the structure, but is preferably 1 to 30 times the rigidity of the structure.
[0013]
The invention according to
[0014]
Thereby, the energy of the deformation of the structure transmitted to the reinforcing frame is absorbed by the damper.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of a seismic reinforcement structure according to the present invention will be described with reference to FIGS. 1 to 9.
[0016]
In FIG. 1,
As shown in this figure, the reinforcing
[0017]
The reinforcing
[0018]
Further, two pairs of
[0019]
The rigidity of the reinforcing
[0020]
As shown in FIG. 2, the
[0021]
In the
[0022]
Further, the reinforcing
[0023]
The deformation energy of the
[0024]
In the above-mentioned seismic reinforcement structure, the
As a result, when deformation occurs in the
[0025]
Moreover, since the
[0026]
In this way, the total required cost can be significantly reduced by reinforcing the
[0027]
Further, the reinforcing
Therefore, for example, even in the case of an earthquake that does not damage the weak layer of the
[0028]
Further, the reinforcing
[0029]
Here, what is shown in FIG. 3 thru | or FIG. 5 examined the earthquake response in the building model to which the structure as described above is applied.
In the following examination, the seismic wave is assumed to be El Centro1940NS (maximum velocity is normalized to 50 kine). The building will be a three-story reinforced concrete structure with 7m x 5 spans in the girder direction and 5.5
[0030]
FIG. 3 shows the result when the rigidity and proof stress of the first layer of the
In the figure, what is indicated as “rigid rod” corresponds to the case where the reinforcing
However, when the damper-
From the above, the effect of loose joining between the reinforcing
[0031]
4 and 5 show the response displacement and the response plasticity rate when the reinforcing frame 2 (the rigidity is 3 times the rigidity of the building because there is no significant weak layer) is attached to the
In FIG. 4 and FIG. 5, the “rigid rod body model” is a case where loose joining via the
Further, in FIG. 4 and FIG. 5, the “rigid rod damper model” employs loose joints through the
[0032]
In the analysis conditions shown in FIG. 3 to FIG. 5, it is sufficient that the reinforcing
[0033]
In the first embodiment, the
For example, as shown in FIG. 6, for example, a
[0034]
In addition, as shown in FIG. 8, when the
[0035]
Such a reinforcing
[0036]
In addition, as shown in FIG. 9, when an
[0037]
In addition, in the said embodiment, it was set as the structure which joins the
Further, the
Further, the structure of the portion where the reinforcing
[0038]
In addition, the building to which the seismic reinforcement structure as described above is applied does not ask whether it is newly built or existing.
Further, the locations where the reinforcing
[0039]
Other than this, as long as it does not deviate from the gist of the present invention, any configuration may be adopted, and it is needless to say that the above-described configurations may be appropriately combined.
[0040]
【The invention's effect】
As described above, according to the seismic reinforcement structure according to
Thereby, when a deformation | transformation arises in a structure by an earthquake etc., a reinforcement frame can suppress a deformation | transformation in a layer with weak yield strength and rigidity, and can force a deformation | transformation to another layer with a small deformation | transformation. Therefore, the deformation of the structure at the time of an earthquake can be made uniform in each layer and the seismic energy can be consumed uniformly in each layer, energy concentration in a specific layer can be prevented, and high earthquake resistance performance can be exhibited.
In addition, since the installation of the reinforcing frame to the structure requires only an external work, even when the structure is an existing structure, the work can be performed while using the structure.
In addition, since the reinforcing frame has a simple structure, there is almost no increase in load on the foundation portion of the structure, which is particularly advantageous in the case of seismic retrofitting of existing structures.
Furthermore, the reinforcing frame itself has a simple structure.
Since it is possible to cope with the construction outside the building, the total cost required for the seismic retrofitting can be significantly reduced, for example, about half of the ordinary seismic reinforcement construction method.
[0041]
Further, according to the earthquake-proof reinforcement structure according to
As a result, when the horizontal relative displacement between the reinforcing frame and the structure is equal to or less than the predetermined displacement, the deformation of the structure is not transmitted to the reinforcing frame, but is transmitted when the displacement exceeds the predetermined displacement. The Therefore, for example, in the case of an earthquake with a strength that does not damage the weak layer of the structure even in the conventional structure, it is possible to prevent deformation by the reinforcing frame, and excessive deformation in the layers other than the weak layer is excessive. You can prevent it from getting bigger.
[0042]
According to the seismic reinforcement structure according to the second aspect , the damper is incorporated in the reinforcement frame. Thereby, the deformation energy of the structure transmitted to the reinforcing frame is absorbed by the damper, and the seismic energy can be efficiently absorbed. Moreover, when the dampers are provided in the respective layers, the dampers of the respective layers can be used equally by the action of the reinforcing frame.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an elevational view showing an example of an embodiment of a seismic reinforcement structure according to the present invention.
2A is a view as viewed from the arrow of FIG. 1, and FIG. 2B is a view as viewed from the arrow of FIG.
FIG. 3 is a diagram showing a seismic response analysis result in a building model to which the seismic reinforcement structure according to the present invention is applied.
FIG. 4 is a diagram showing another seismic response analysis result.
FIG. 5 is a diagram showing still another seismic response analysis result.
FIG. 6 is an elevational view showing another example of the embodiment of the seismic reinforcement structure according to the present invention.
FIG. 7 is an elevational view showing still another example of the embodiment of the seismic reinforcement structure according to the present invention.
FIG. 8 is an elevational view showing still another example of the embodiment of the seismic reinforcement structure according to the present invention.
FIG. 9 is an elevational view showing still another example of the embodiment of the seismic reinforcement structure according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1,31
12, 13, 25 Damper
Claims (2)
前記補強フレームは、一端がピンに接合され、斜めに延在する二本一対の斜め材と、上下の該斜め材間で上下方向に延在する縦材と、左右の該縦材間に架設された横材とからなり、前記補強フレームと前記構造物との間で水平方向に定められた相対変位を許容するよう接合されていることを特徴とする耐震補強構造。A reinforcing frame having a rigidity substantially equal to or higher than that of the structure is pin-bonded to the base and top of the structure, and is installed from the base to the top along the outer surface of the structure. Is a seismic reinforcement structure that is joined at intervals defined in the structure,
The reinforcing frame has one end joined to a pin and extends diagonally between two pairs of diagonal members, a vertical member extending vertically between the upper and lower diagonal members, and a bridge between the vertical members on the left and right sides. It has been a consist crosspiece, seismic reinforcement structure, characterized in that it is joined so as to allow relative displacement defined in the horizontal direction between said structure and said reinforcing frame.
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