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JP3687731B2 - 地図表示装置及び記録媒体 - Google Patents

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JP3687731B2 JP2000126859A JP2000126859A JP3687731B2 JP 3687731 B2 JP3687731 B2 JP 3687731B2 JP 2000126859 A JP2000126859 A JP 2000126859A JP 2000126859 A JP2000126859 A JP 2000126859A JP 3687731 B2 JP3687731 B2 JP 3687731B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地図データの座標を変換して変換した座標により地図を表示する地図表示装置及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
経路探索や経路案内の機能を有する車両用ナビゲーション装置では、進行方向の情報を判りやすく提供できるように走行イメージを立体的に表示する装置や車両の現在位置周辺の道路地図を遠方よりも拡大して表示する、いわゆる鳥瞰図表示方式により道路地図を表示する装置等が提案されている(特開平8−160853号公報、特開平8−166249号公報、特開平9−127861号公報等参照)。
【0003】
従来提案されている装置のあるものは、例えば鳥瞰図上の一部にウインドウ表示領域を設けて広域地図を表示し、さらには鳥瞰図の範囲を枠で表示することにより、鳥瞰図の欠点である距離感が把握しにくくなるのを解消し、道路地図範囲の広さがわかりにくくなるのを解消している。また、あるものは、表示領域の上辺側所定範囲内に平面地図又は平面地図に近い鳥瞰図を表示することにより、遠方の道路状況が判りにくくなるのを解消し、遠方の道路情報を正確に把握できるようにしている。
【0004】
ところが、上記従来の鳥瞰図を表示する装置では、方位によって圧縮の比率が変わってしまうため、走行時において距離感が把握しにくいという問題があった。そこで、本出願人は、方位によらず同じ距離感が得られ前方の地図を広域に表示できるようにする装置を提案した(特開平11−52845号公報参照)。この装置では、地図の座標を球面の座標に対応させ、その球面の座標から平面投影した座標に変換し、遠方になるほどより広域の地図を表示できるようにしている。以下に座標変換のパラメータ、座標変換の方法について説明する。図10は曲面を球とした場合の変換パラメータの設定を説明するための図、図11は変換後の地図の表示レイアウトの例を示す図、図12は半球のイメージで変換座標の関係を説明するための図である。
【0005】
まず、変換パラメータが現在位置からの距離dに応じて、距離dがD1 より短い現在位置周辺、その外側の距離dがD1 より長くD2 より短い範囲等に応じて距離dの関数f1 (d)、f2 (d)、……が設定される。例えば距離dがD1 より短い現在位置周辺を従来の平面地図で表示しようとする場合にはf1 (d)=1となり、距離dがDn より長い領域は表示しないようにしようとする場合にはfn (d)=無視或いは無限大とする。
【0006】
例えば曲面を球とした場合には、図10に示すように球面に地図データの座標があるとして、それを平面投影した座標(表示座標系)に変換する。したがって、現在位置からの距離dは、d′に変換されるので、その変換パラメータf(d)は、球の半径をr、立体角をθ(rad)とすると、
f(d)=(r sinθ)/d
θ=d/r ただしθ≦π/2
となり、d≦πr/2を範囲として使用される。上記変換パラメータf(d)によれば、θが0に近い現在位置周辺で sinθがほぼd/rになるので、f(d)はほぼ1であり、θがπ/2になるとf(d)はr/dとなる。この変換パラメータf(d)を使って距離dの地点Pの座標(X,Y)から求められる平面投影の地点P′の座標(X′,Y′)は、
Figure 0003687731
となる。
【0007】
上記座標変換を行って現在位置中心の地図を表示した場合の画面のレイアウトの例を示したのが図11の現在位置マークより上方である。図11に示す画面では、現在位置マークの位置を表示画面の中央より下方とし、現在位置マークより下側の地図の座標はX座標(図10の左右方向)のみに曲面としての座標変換を行った例を示している。すなわち、現在位置マークより下側の地図の座標では、地図データの座標が円筒上にあるものとして、それを平面投影しているので、画面の上下方向には座標が圧縮されない。また、現在位置の座標を球面の中心座標として座標変換を行った場合の変換座標の関係を半球のイメージで示したのが図12であり、地図データの座標による座標系を絶対座標系、これを上記変換パラメータを用いた平面投影した座標系を変換後座標系として示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように地図を球面の座標から平面投影した座標に変換して表示する装置では、2次元座標のノード列で道路に関するデータが構成されノード間を直線で結んで、即ち、直線補間して道路を描画する場合に不具合が生じる。図13は地図データの座標変換前と座標変換後の空間の対応例を示す図、図14は2次元座標をそのまま直線補間した道路の描画例を示す図、図15は2次元座標を球面の座標から平面投影した座標に変換して直線補間した道路の描画例を示す図である。2次元座標の地図データをそのまま描画する通常の地図では、図13(A)に示す座標変換前の2次元地図に対し、座標変換後の地図は図13(B)に示すようにゆがむ。図13(A)に示すメッシュ部分がそれぞれ図13(B)に示すメッシュ部分に対応するとした場合、図14に示すように始点のノードP1 と終点のノードP2 、始点のノードP3 と終点のノードP4 との間を直線補間して描画するだけで不具合なく道路を表示することができる。しかし、この地図を球面の座標から平面投影した座標に変換して始点のノードP1 と終点のノードP2 、始点のノードP3 と終点のノードP4 との間を直線補間して道路を描画し地図を表示しようとすると、図15に示す道路の描画例から明らかなように、始点のノードP1 と終点のノードP2 を直線補間してできる道路と、始点のノードP3 と終点のノードP4 を直線補間してできる道路の位置が逆転してしまい、道路の位置が正確に表示されなくなってしまう。特に、ノード間が長い場合にこのような不具合が生じる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであって、球面の座標から平面投影した座標に変換して座標間の直線補間により道路を描画する場合の不具合を解消するものである。
【0010】
そのために本発明の地図表示装置は、2次元座標により構成される地図データを格納する情報記憶手段と、前記地図データの座標を曲面の座標に対応させて該曲面の座標から投影平面の座標に座標変換する座標変換手段を有し前記情報記憶手段より地図データを読み出して地図を描画する表示制御手段と、該表示制御手段により描画された地図を表示する表示手段とを備え、前記表示制御手段は、平面地図を表示すると判断された場合には、前記情報記憶手段より地図データを読み出して前記読み出した地図データの座標間を直線補間して描画し、曲面の投影地図を表示すると判断された場合には、前記情報記憶手段より地図データを読み出し前記地図データの座標間に補間点を設定して前記座標と補間点を前記座標変換手段により前記曲面の座標から投影平面の座標に座標変換し変換した座標と補間点の間を直線補間して描画することを特徴とし、前記表示制御手段は、前記曲面の曲率に応じて補間点を設定するものである。
【0011】
さらに、前記表示制御手段は、前記補間点を設定する際、2次元座標面で格子を設定して前記地図データの座標間を結ぶ線と前記格子との交点を求め、該交点に補間点を設定し、また、前記曲面の曲率に対応して前記格子の幅を調整し、前記補間点を含む座標間の前記直線補間する長さが所定の長さ以下になるまで前記補間点を含む座標間の中間に順次補間点を設定し、前記曲面の曲率に対応して前記所定の長さを調整し、前記曲面の曲率は、現在位置からの距離に応じて範囲を分割しそれぞれの範囲で設定し、前記座標変換手段は、曲面の座標に対応させて該曲面の座標を投影平面の座標に座標変換する変換パラメータを用いて前記地図データの座標を座標変換することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る地図表示装置の実施の形態を示す図であり、2次元座標により構成される地図データから地図を展開して表示する場合の座標変換パラメータや経路案内に関する情報を入力する入力装置1、自車両の現在位置に関する情報を検出する現在位置検出装置2、2次元座標により構成される地図データ、経路の算出に必要なナビゲーション用データ、経路案内に必要な表示/音声の案内データ、さらに地図を表示、経路算出、案内を行うためのプログラム(アプリケーション及び/又はOS)等が記録されている情報記憶装置3、ナビデータ処理手段として地図の表示処理、経路探索処理、経路案内に必要な表示/音声案内処理、さらにシステム全体の制御を行う中央処理装置4、車両の走行に関する情報である、例えば道路情報、交通情報を送受信したり、車両の現在位置に関する情報を検出したり、さらに現在位置に関する情報を送受信したりする情報送受信装置5、経路案内に関する情報を出力するディスプレイやスピーカその他の出力装置6から構成されている。つまり、本発明に係る地図表示装置をナビゲーション装置に適用した例を示している。
【0013】
入力装置1は、地図を選択して目的地を入力したり、運転者の意志によりナビゲーション処理を中央処理装置4に指示する機能を備えている。その機能を実現するための手段として、目的地を電話番号や地図上の座標などにて入力したり、経路案内をリクエストしたりするタッチスイッチやジョグダイアル等のリモートコントローラ等を用いることができる。また、本発明では音声入力による対話を行うための装置を備えており、音声入力装置として機能する。また、ICカードや磁気カードに記録されたデータを読み取るための記録カード読み取り装置を付加することもできる。また、ナビゲーションに必要なデータを蓄積し、運転者の要求により通信回線を介して情報提供する情報センターや、地図データや目的地データ、簡易地図、建造物形状地図などのデータを有する携帯型の電子装置等の情報源との間でデータのやりとりを行うためのデータ通信装置を付加することもできる。
【0014】
現在位置検出装置2は、衛星航法システム(GPS)を利用して車両の現在位置情報を入手するもの、車両の進行方位を、例えば地磁気を利用することにより絶対方位で検出する絶対方位センサ、車両の進行方位を、例えばステアリングセンサ、ジャイロセンサを利用することにより相対方位で検出する相対方位センサ、例えば車輪の回転数から車両の走行距離を検出する距離センサ等から構成される。
【0015】
情報記憶装置3は、ナビゲーション用のプログラム及びデータを記憶した外部記憶装置で、例えばCD−ROM等からなっている。プログラムは、経路探索などの処理を行うためのプログラム、本実施例記載のフローチャートに示される処理プログラムや経路案内に必要な表示出力制御、音声入力により対話的に案内を行うためのプログラム及びそれに必要なデータ、音声案内に必要な音声出力制御を行うためのプログラム及びそれに必要なデータが格納されている。記憶されるデータとしては、地図データ、探索データ、案内データ、マップマッチングデータ、目的地データ、登録地点データ、道路データ、交差点等分岐点の画像データ、ジャンル別データ、ランドマークデータ等のファイルからなり、ナビゲーション装置に必要なすべてのデータが記憶されている。地図データは、所定単位毎のブロックに区分けされて矩形の形で記憶されている。なお、本発明は、CD−ROMにはデータのみ格納し、プログラムは中央処理装置に格納するタイプのものにも適用可能である。ここでは、情報記憶装置として、CD−ROMを例に挙げたが、DVD−ROM等の光ディスク、フロッピィディスク等の磁気ディスク、MO等の光磁気ディスクでもよい。
【0016】
中央処理装置4は、種々の演算処理を実行するCPU、情報記憶装置3のCD−ROMからプログラムを読み込んで格納するフラッシュメモリ、フラッシュメモリのプログラムチェック、更新処理を行うプログラム(プログラム読み込み手段)を格納したROM、設定された目的地の地点座標、道路名コードNo.等の探索された経路案内情報や演算処理中のデータを一時的に格納するRAMからなっている。また、この他にも図示は省略するが、ディスプレイ等の出力装置に表示するためのデータを格納するVRAM(フレームメモリ)、入力装置1からの音声入力による対話処理を行ったり、CPUからの音声出力制御信号に基づいて情報記憶装置3から読み出した音声、フレーズ、1つにまとまった文章、音等を合成してアナログ信号に変換してスピーカに出力する音声プロセッサ、通信による入出力データのやり取りを行う通信インタフェースおよび現在位置検出装置2のセンサ信号を取り込むためのセンサ入力インタフェース、内部ダイアグ情報に日付や時間を記入するための時計などを備えている。なお、前記した更新処理を行うプログラムを外部記憶装置に格納しておいてもよい。
【0017】
プログラム、その他ナビゲーションを実行するためのプログラムは全て外部記憶媒体であるCD−ROMに格納されてもよいし、それらプログラムの一部または全てが本体側のROM42に格納されていてもよい。この外部記憶媒体に記憶されたデータやプログラムが外部信号としてナビゲーション装置本体の中央処理装置に入力されて演算処理されることにより、種々のナビゲーション機能が実現される。
【0018】
ナビゲーション装置は、上記のように外部記憶装置のCD−ROMからプログラムを読み込むための比較的大容量のフラッシュメモリ、CDの立ち上げ処理を行うプログラム(プログラム読み込み手段)を格納した小容量のROMを内蔵する。フラッシュメモリは、電源が切断しても記憶情報が保持される、つまり不揮発性の記憶手段である。そして、CDの立ち上げ処理として、プログラム読み込み手段であるROMのプログラムを起動してフラッシュメモリに格納したプログラムチェックを行い、情報記憶装置3のCD−ROMのディスク管理情報等を読み込む。プログラムのローディング処理(更新処理)は、この情報とフラッシュメモリの状態から判断して行われる。
【0019】
情報送受信装置5は、衛星航法システム(GPS)を利用して情報を入手するGPS受信装置、FM多重放送、電波ビーコン、光ビーコン等を利用して情報を入手するためのVICS情報受信装置、携帯電話、パソコン等を利用することにより、情報センター(例えばATIS)や他車両と情報を双方向に通信するためのデータ送受信装置等から構成される。
【0020】
出力装置6は、運転者が必要な時に案内情報を音声および/または画面により出力したり、中央処理装置4でナビゲーション処理されたデータなどをプリント出力する機能を備えている。そのための手段として、中央処理装置4で処理したデータや情報記憶装置3に格納されたデータを画面表示するために展開、描画するメモリ、メモリに描画したイメージデータを表示するディスプレイ、中央処理装置4で処理したデータや情報記憶装置3に格納されたデータをプリント出力するプリンタ、経路案内を音声で出力するスピーカなどを備えている。
【0021】
ディスプレイは、簡易型の液晶表示器等により構成されており、中央処理装置4が処理する地図の表示データや案内データに基づき展開、描画された交差点拡大図画面、目的地名、時刻、距離、進行方向矢印等を表示する。ディスプレイに表示する画像データは、2値画像データ(ビットマップデータ)であり、中央処理装置4が処理する地図の表示データや案内データをシリアル通信等で使用する通信線を使用し、また、他の通信線を兼用して受信し、出力装置6内でメモリに展開、描画した後、指示された表示範囲をディスプレイの画面に表示する。
【0022】
このディスプレイは、運転席近傍のインストルメントパネル内に設けられており、運転者はこれを見ることにより自車両の現在地を確認したり、またこれからの経路についての情報を得ることができる。また、図示は省略するが、ディスプレイの表示画面にタッチパネル、タッチスクリーン等を含むタブレットを使用し、画面に触れる、或いは画面をなぞることにより、地点入力、道路入力等を行えるように構成してもよい。
【0023】
図2は情報記憶装置に格納された主要なデータファイルの構成例を示し、案内道路データファイルは、図2(A)に示すように、道路数nのそれぞれに対して、道路番号、長さ、道路属性データ、形状データのアドレス、サイズおよび案内データのアドレス、サイズの各データからなり、経路探索部により経路を算出し経路案内を行うために必要なデータとして格納される。
【0024】
道路番号は、分岐点間の道路毎に方向(往路、復路)別に設定されている。道路属性データは、道路案内補助情報データであり、その道路が高架か、高架の横か、地下道か、地下道の横かなどからなる高架・地下道の情報、車線数の情報、市街、郊外の情報を示すデータである。形状データは、図2(B)に示すように、各道路の複数のノード(節)で分割したとき、ノード数mのそれぞれに対して東経、北緯からなる座標データを有している。案内データは、図2(C)に示すように、交差点(または分岐点)名称、信号機データ、ランドマークデータ、注意点データ、道路名称データ、道路名称音声データ、行き先データのアドレス、サイズの各データからなる。
【0025】
車両用ナビゲーション装置では、中央処理装置4により例えば次のような処理を行う。まずイニシャライズ処理を行ってCD−ROMからナビゲーションプログラムを読み出し、フラッシュメモリに格納して起動すると、現在位置検出装置2により現在位置を検出する処理を行い、現在位置を中心としてその周辺地図を表示すると共に、現在位置の名称等を表示する。次に、電話番号や住所、施設名称、登録地点等を用いて目的地を設定する処理を行い、現在位置から目的地までの経路探索処理を行う。この経路探索の結果、目的地に到着するまでの経路は、案内する道路番号を並べた案内道路番号データとして設定される。経路が決まると、現在位置検出装置2による現在位置追跡を行いながら、目的地に到着するまで経路案内の表示出力・音声出力の処理を行う。
【0026】
本発明は、例えば上記現在位置検出処理や目的地設定処理、経路案内表示処理において、ディスプレイに地図を表示する場合、その地図を先に図10〜図14で説明したように曲面の座標に対応させ、その曲面の座標から平面の座標に変換して現在位置から遠くなるほど広域に表示するものであり、その座標変換をする場合に、曲面の曲率に対応して座標間を直線補間して描画するときには、曲面の曲率に応じて補間点を設定して座標と補間点を座標変換し直線補間する。図3は本発明に係る現在位置中心の地図の表示処理の例を説明するための図、図4は座標間に補間点を設定して座標変換する例を説明するための図、図5は補間点の設定方法の例を説明するための図、図6は格子を利用して補間点を設定する処理の例を説明するための図、図7は中点により補間点を設定する処理の例を説明するための図である。図3、図6、図7における処理が本発明における座標変換部11による座標変換処理の1例である。
【0027】
本発明に係る地図表示装置では、現在位置中心の地図を表示する場合、図3に示すようにまず現在位置を取得し(ステップS11)、現在位置を中心とし縮尺に応じて表示範囲の地図データを読み込んで(ステップS12)、その地図データの座標を現在位置中心の座標に変換する(ステップS13)。ここで、表示範囲の地図データをCD−ROMから読み込み、一旦RAMに格納して座標変換を行い描画処理を行うが、表示範囲より広い範囲の地図データを予めRAMに格納しておき、表示に必要な分のデータを取り出して描画処理を行うようにしてもよい。次に、通常の平面地図ではなく、曲面の投影地図を表示するための地図の座標の変換設定があるか否かを調べ(ステップS14)、その設定があれば、現在位置中心の座標に対応する変換パラメータ12を取得し(ステップS15)、取得した変換パラメータ12に基づき曲面の曲率に応じて座標間が長い場合には補間点を設定して設定したそれぞれの補間点も含めて座標変換部11により座標変換を行う(ステップS16)。しかる後、設定された座標系の地図をVRAMに描画することによりディスプレイ12の画面に表示する(ステップS17)。他画面表示モードへの切り換え指示がなければ、ステップS11に戻り、現在位置を追跡しながら同様の処理を繰り返し実行する。
【0028】
ステップS16の座標変換においては、道路データの座標間の長さを求めて図4に示す座標P3 −P4 間のように座標間が短い道路であれば、それぞれ両端の座標を座標変換して直線補間するが、座標P1 −P2 間のように座標間が長い場合には、その間に補間点Pa 、Pb 、Pc 、Pd 、Pe を設定してそれぞれの補間点を座標変換し、P1 −Pa −Pb −Pc −Pd −Pe −P2 を直線補間する。ここで、補間点の設定方法としては、図5(A)に示すように所定の幅の格子を設定して道路と格子との交点に補間点を設定してもよいし、図5(B)に示すように所定の長さ以下になるまで座標間の中間に順次補間点を設定してもよい。ここで、格子の幅や所定の長さは、曲面の曲率、つまり球の半径に応じて調整し、具体的には、各半径に対応して格子の幅や補間点の数をテーブルとして登録しておくようにしてもよい。上記曲面の曲率は、運転者が球の半径をマニュアル入力にて変えることにより変更可能である。また、車両の現在位置と目的地等の地点との距離に応じて自動的に変更されるものでもよい。次に、その処理の例を説明する。
【0029】
まず、道路と格子との交点を計算して補間点を設定する場合には、図6に示すように記録媒体から2次元座標の地図データを読み出すと(ステップS21)、道路の始点及び終点を取得し(ステップS22)、格子との交点を計算して(ステップS23)、RAM中の描画リストに設定(記憶)する(ステップS24)。そして、描画リストに設定されたデータについて、描画リストから座標を1つ取得し(ステップS26)、VRAMに描画する(ステップS27)。このステップS26、S27の処理を描画リストに設定されたデータがなくなるまで繰り返し実行する(ステップS25)。
【0030】
また、所定距離以下になるまで中点を計算して補間点を設定する場合には、図7に示すように記録媒体から2次元座標の地図データを読み出すと(ステップS31)、道路の始点及び終点を取得し(ステップS32)、描画リストに設定する(ステップS33)。次に、描画リストから道路の始点及び終点を1つ取得し(ステップS35)、始点、終点間の長さを計算してその長さが所定距離Rより長いか否かを判定する(ステップS36)。始点、終点間の長さが所定距離Rより短い場合には始点、終点をVRAMに描画し(ステップS37)、始点、終点間の長さが所定距離Rより長い場合には、その中点を計算して(ステップS38)、始点及び中点を描画リストに登録するとともに(ステップS39)、中点及び終点を描画リストに登録する(ステップS40)。そして、これら始点及び中点、中点及び終点をそれぞれ始点及び終点としてステップS35からS40の処理を描画リストに設定されたデータがなくなるまで繰り返し実行する(ステップS34)。
【0031】
上記実施の形態では、地図データの座標が球面にあるものとして、それを平面投影する座標変換を変換パラメータf(d)を使って一度に行ったが、変換パラメータを使わずに実際に座標変換してもよい。つまり、地図データの座標を球面上の座標に変換する座標変換と、その変換された座標をさらに平面投影する座標変換を別々に行ってもよい。
【0032】
さらに、2次元の地図データを2次元座標系上において奥行きのある遠近図となるように座標変換する台形変換を組み合わせてもよい。つまり、地図データの座標から球面上の座標への座標変換を第1の座標変換、その変換された座標をさらに平面投影する座標変換を第2の座標変換、台形変換を第3の座標変換とすると、地図データの座標をまず第3の座標変換で奥行きのある遠近図に変換し、その変換された遠近図を第1の座標変換、第2の座標変換を使って変換するものである。このように、台形変換による座標変換を組み合わせることにより、近くのものがより大きく、遠くのものがより小さく表示される。また、これらの座標変換の順序は入れ替えることができる。つまり、地図データをまず第1の座標変換により球面上の座標に変換し、変換された球面上の座標を第3の座標変換により台形変換し、最後に第の2座標変換により平面投影するといった変換順序や、地図データをまず第1の座標変換により球面上の座標に変換し、変換された座標を第2の座標変換により平面投影し、最後に平面投影された座標を台形変換する変換順序をとることができる。
【0033】
以下に台形変換による座標変換について説明する。図8は本発明に係る地図表示装置による台形座標変換アルゴリズムを説明するための図、図9は建造物の高さデータの座標変換アルゴリズムを説明するための図である。中央処理装置4の変換パラメータ12は、地図の矩形座標を台形座標に変換する台形変換パラメータや曲面の座標を投影平面の座標に座標変換する曲面変換パラメータなどの座標変換パラメータを保持するものである。座標変換部11は、2次元座標により構成される地図データを変換パラメータ12に保持された座標変換パラメータに基づき座標変換を行うものであり、この座標変換した地図データを描画して出力装置6の画面に台形変換した地図(遠近図)が表示される。
【0034】
まず、図8(A)に示すような2次元地図データの座標空間を対象として、図8(B)に示すような台形への座標変換を行う場合の台形変換パラメータについて説明する。まず、2次元地図データの矩形に関しては、図8(A)に示すように幅(X方向の長さの2分の1)gが設定され、台形に関しては、図8(B)に示すように上辺の長さ(X方向の長さの2分の1)a、及び下辺の長さ(X方向の長さの2分の1)bが設定され、そして、矩形及び台形に共通の縦の長さ(Y方向の長さ)Lが設定される。
【0035】
これらのパラメータに基づき地図データのP(X,Y)から座標変換部3により変換される新たな座標がP1(sx,sy)であるとすると、まず、Y座標値syは、台形の上辺の長さaと縦の長さLの積及び台形の上下辺の長さの差(b−a)とY座標値との積の和{aL+(b−a)Y}に対する台形の下辺の長さbと縦の長さLとY座標値との積b・L・Yの比、つまり、
〔数1〕
Figure 0003687731
Figure 0003687731
ただし、k1 =b・L k2 =a・L k3 =(b−a)
により求められる。また、X座標値sxは、台形の下辺の長さbから台形の上下辺の長さの差(b−a)にY座標値を乗じて台形の縦の長さLで除した値(b−a)sy/Lを減じ、矩形のX方向の長さgに対するX座標値の比を乗じて、つまり、
〔数2〕
Figure 0003687731
ただし、k4 =g k5 =b k6 =(b−a)/L
により求められる。
【0036】
以下に、まずY座標の変換について説明する。図8(A)において斜めの直線の式は、
〔数3〕
Figure 0003687731
で表される。そこで、この斜めの直線が変換後も直線として保たれるように、且つX座標が等分割となるように変換後の地図を仮定し、この直線ともう1つの2次元地図データにおけるX座標値が一定の直線により図8(B)に示すメッシュの三角形を考える。これらは相似となるので、それぞれの三角形の辺の長さの比率を考える。まず、三角形の縦の長さの比が(L−sy):syとなる。これに対し、三角形の底辺の長さは、上辺がa−Xa/g、下辺がb+Xb/gとなる。したがって、相似三角形の辺の長さの比が等しいことから、
〔数4〕
(L−sy):sy=(a−Xa/g):(b+Xb/g)
となる。この〔数4〕と上記〔数3〕からXを消去すると、〔数1〕が求められる。また、上辺a、下辺bに変換される固定値gのX座標値を縦の長さsyに対応させると、(b−a)sy/Lとなるから、任意のX座標値では、gとXとの比を乗じることにより〔数2〕が求められる。
【0037】
次に、ビル等の立体的な建造物について同様に台形変換を用いた2次元的な座標変換により立体的に表示する場合について説明する。例えばビルは、階数nのデータを有するときには、平均的な階高hを階数nに乗じてn×h=Hとして高さを求め、また、階数nではなく、タワーのように全体としての高さHのデータを有するときにはその高さHに基づき座標変換を行う。Y座標値syにおける高さHのY座標値sy′への座標変換は、2次元平面上で変換されたX座標値sxとY座標値syの上に例えば〔数5〕を用いてY座標値の加算値ΔYを求めることにより行うことができる。
【0038】
〔数5〕
Figure 0003687731
ただし、k7 =(b−a)/b・L=k3 /k1
したがって、図9(A)に示すように(sx1,sy1)の地点で高さHの建物の頂点座標値は、
〔数6〕
(sx1,sy1+ΔY)
={sx1,sy1+(1−k7 sy)H}
となり、このようにして変換した各座標を線で結び、枠内を所定の色で塗りつぶし、奥の方から順にこの処理を行って重ね書きすることにより、図9(B)に示すような表示を行うことができる。
【0039】
上記のように台形変換パラメータとして、a,b,g,Lから、或いはこれらからk1 〜k7 を算出して、これらと座標値(X、Y)、高さhから立体的な建造物についての台形変換を簡単な加減乗除の計算により実行することができる。したがって、ビルに限らず、家屋や橋等立体的な建造物についても全て同様にして立体的に描画でき、例えば建造物のデータとして、建造物の形状を表す座標列(ポリゴンデータ)と、建造物の階数情報(又は建造物の高さ)からなる場合、3次元座標からなる各点を上記のように座標変換して、現在位置から所定距離以内の建造物だけ描画することにより更に描画レスポンスの向上を図ることができ、現在位置が移動するに伴って、その現在位置から所定距離内の建造物のみを立体表示することも簡単に行うことができる。
【0040】
具体的には、現在位置検出装置により検出された現在位置と各建造物との距離を算出し、その距離が所定距離以内か否かを判断する。その判断結果が所定距離以内であれば上記座標変換を行って立体表示する。ここで、距離を算出する際、現在位置と建造物の中心点との距離でもよいし、現在位置と建造物の献上を表す座標列のうち1つの座標との距離でもよい。目的地までの案内において、ユーザが建造物の形状を参考にしながら運転できるようにするには、目的地までの経路沿いにのみ建造物を建てるようにしたり、現在位置から所定距離以内でかつ経路沿い、その他上記の表示態様を組み合わせてもよい。また、現在位置から所定距離以内で現在位置からの距離に応じて建造物の高さHを増減させてもよい。つまり、現在位置近傍では建造物の高さHをそのまま用い、現在位置から遠ざかるに従い、高さHの値を小さくする。また、建造物の表示を行う場合、所定の高さ以上の建造物や車両の現在位置より前方に位置する建造物のみ立体表示し、所定の高さに達しない建造物や車両の現在位置より後方に位置する建造物は同一の高さで立体表示もしくは立体表示ではなく平面表示したり、立体交差等においては正確な表示を行えるようにするために、高さの低いものから描画するなど、描画する建造物の順序や選択は自由に組み合わせ可能であることはいうまでもない。
【0041】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態では、曲面の曲率に応じて補間点を設定する数を基準となる格子幅や所定の長さで調整したが、曲率に対応した基準値を予め設定してテーブルに登録しておくようにしてもよい。また、曲面は、真円の球面だけでなく、ラグビーボールのような楕円の球面でもよいし、それらを現在位置からの距離に応じて切り換えて組み合わせるようにした球面でもよい。さらに、上記実施の形態では、曲面の曲率に応じて補間点の設定数を調整したが、車両の現在位置または所定の地点から遠ざかるに従って補間点の数を調整してもよい。例えば車両の現在位置から遠方の領域では地図のゆがみが大きいため補間点の数を多くし、現在位置近辺ではゆがみが少ないため補間点を少なくする。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、2次元座標により構成される地図データを格納する情報記憶手段と、地図データの座標を曲面の座標に対応させて該曲面の座標から投影平面の座標に座標変換する座標変換手段を有し情報記憶手段より地図データを読み出して地図を描画する表示制御手段と、該表示制御手段により描画された地図を表示する表示手段とを備え、表示制御手段は、平面地図を表示すると判断された場合には、情報記憶手段より地図データを読み出して読み出した地図データの座標間を直線補間して描画し、曲面の投影地図を表示すると判断された場合には、情報記憶手段より地図データを読み出し地図データの座標間に補間点を設定して座標と補間点を座標変換手段により曲面の座標から投影平面の座標に座標変換し変換した座標と補間点の間を直線補間して描画するので、座標間が長い場合にも、道路位置が逆転することなく正確な地図表示を行うことができ、また、曲面の曲率に応じて補間点を設定することにより、曲率が変わっても正確な地図表示を行うことができる。
【0043】
さらに、表示制御手段は、補間点を設定する際、2次元座標面で格子を設定して地図データの座標間を結ぶ線と格子との交点を求め、該交点に補間点を設定し、また、曲面の曲率に対応して格子の幅を調整し、補間点を含む座標間の直線補間する長さが所定の長さ以下になるまで補間点を含む座標間の中間に順次補間点を設定し、曲面の曲率に対応して所定の長さを調整し、曲面の曲率は、現在位置からの距離に応じて範囲を分割しそれぞれの範囲で設定し、座標変換手段は、曲面の座標に対応させて該曲面の座標を投影平面の座標に座標変換する変換パラメータを用いて地図データの座標を座標変換するので、球面の半径を小さくして曲率を大きくした場合でもそれに応じて補間点を増やすことができ、さらに正確な地図表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る地図表示装置の実施の形態を示す図である。
【図2】 情報記憶装置に格納された主要なデータファイルの構成例を示す図である。
【図3】 本発明に係る現在位置中心の地図の表示処理の例を説明するための図である。
【図4】 座標間に補間点を設定して座標変換する例を説明するための図である。
【図5】 補間点の設定方法の例を説明するための図である。
【図6】 格子を利用して補間点を設定する処理の例を説明するための図である。
【図7】 中点により補間点を設定する処理の例を説明するための図である。
【図8】 本発明に係る地図表示装置による台形座標変換アルゴリズムを説明するための図である。
【図9】 建造物の高さデータの座標変換アルゴリズムを説明するための図である。
【図10】 曲面を球とした場合の変換パラメータの設定を説明するための図である。
【図11】 変換後の地図の表示レイアウトの例を示す図である。
【図12】 半球のイメージで変換座標の関係を説明するための図である。
【図13】 地図データの座標変換前と座標変換後の空間の対応例を示す図である。
【図14】 2次元座標をそのまま直線補間した道路の描画例を示す図である。
【図15】 2次元座標を球面の座標から平面投影した座標に変換して直線補間した道路の描画例を示す図である。
【符号の説明】
1…入力装置、2…現在位置検出装置、3…情報記憶装置、4…中央処理装置、5…情報送受信装置、6…出力装置、11…座標変換部、12…変換パラメータ

Claims (9)

  1. 2次元座標により構成される地図データを格納する情報記憶手段と、前記地図データの座標を曲面の座標に対応させて該曲面の座標から投影平面の座標に座標変換する座標変換手段を有し前記情報記憶手段より地図データを読み出して地図を描画する表示制御手段と、
    該表示制御手段により描画された地図を表示する表示手段と
    を備え、前記表示制御手段は、平面地図を表示すると判断された場合には、前記情報記憶手段より地図データを読み出して前記読み出した地図データの座標間を直線補間して描画し、曲面の投影地図を表示すると判断された場合には、前記情報記憶手段より地図データを読み出し前記地図データの座標間に補間点を設定して前記座標と補間点を前記座標変換手段により前記曲面の座標から投影平面の座標に座標変換し変換した座標と補間点の間を直線補間して描画することを特徴とする地図表示装置。
  2. 前記表示制御手段は、前記曲面の曲率に応じて補間点を設定することを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
  3. 前記表示制御手段は、前記補間点を設定する際、2次元座標面で格子を設定して前記地図データの座標間を結ぶ線と前記格子との交点を求め、該交点に補間点を設定することを特徴とする請求項1又は2記載の地図表示装置。
  4. 前記表示制御手段は、前記曲面の曲率に対応して前記格子の幅を調整することを特徴とする請求項3記載の地図表示装置。
  5. 前記表示制御手段は、前記補間点を含む座標間の前記直線補間する長さが所定の長さ以下になるまで前記補間点を含む座標間の中間に順次補間点を設定することを特徴とする請求項1又は2記載の地図表示装置。
  6. 前記表示制御手段は、前記曲面の曲率に対応して前記所定の長さを調整することを特徴とする請求項5記載の地図表示装置。
  7. 前記曲面の曲率は、現在位置からの距離に応じて範囲を分割しそれぞれの範囲で設定することを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
  8. 前記座標変換手段は、曲面の座標に対応させて該曲面の座標を投影平面の座標に座標変換する変換パラメータを用いて前記地図データの座標を座標変換することを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
  9. 2次元座標により構成される地図データと、コンピュータに曲面の座標から投影平面の座標に座標変換する機能を実現させるための座標変換プログラムと、コンピュータに平面地図を表示すると判断された場合には、前記地図データの座標間を直線補間して描画し、曲面の投影地図を表示すると判断された場合には、前記地図データの座標間に前記曲面の曲率に応じて補間点を設定して前記座標と補間点を前記座標変換プログラムにより前記曲面の座標から投影平面の座標に座標変換し変換した座標と補間点の間を直線補間して描画する機能を実現させるためのプログラムとを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な地図表示用記録媒体。
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